【解決手段】膜部材31の外縁が接続される枠部材32がフレーム20の軸方向他面側に配置され、その枠部材32がテンションリング50によって径方向内側に締付けられる。枠部材32は、所定の弾性を有しており、テンションリング50の締付け力によって枠部材32の直径が縮小されるので、その枠部材32の直径の縮小によって膜部材31に張力を加えることができる。即ち、枠部材32の直径を縮小させることで膜部材31の縁部31bを全周にわたって均一に径方向内側へ押し込むことができるので、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
前記枠部材は、その軸方向または径方向寸法が前記枠部材の他の部位に比べて小さくされる薄肉部を備えることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の張力付与方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1から
図3を参照して、第1実施形態におけるドラム10の構成について説明する。
図1(a)は、第1実施形態におけるドラム10の正面斜視図であり、
図1(b)は、ドラム10の上面図である。
図2は、ドラム10の分解正面斜視図である。
図3は、
図1(b)のIII−III線におけるドラム10の部分拡大断面図である。なお、
図1における矢印U−Dは、ドラム10の上下方向(軸方向)を示し、
図2以降においても同様である。
【0010】
図1及び
図2に示すように、ドラム10は、フレーム20と、そのフレーム20に支持されるヘッド30と、ヘッド30の膜部材31に張力を加えるリング部材40及びテンションリング50と、を備える。なお、ドラム10は、ヘッド30の打面31aへの打撃による振動を検出するセンサ(図示せず)を有する電子ドラムとして構成されるが、ドラム10を電子太鼓やアコースティックドラムとして構成しても良い。
【0011】
フレーム20は、合成樹脂または金属材料を用いて円環状に形成される。詳細は後述するが、このフレーム20にヘッド30の膜部材31が巻き付けられる。
【0012】
ヘッド30は、スティック等(図示せず)により打撃される打面31aを形成する部材である。ヘッド30は、フレーム20の上面側(軸方向一面側)(矢印U方向側)を覆うための膜部材31と、膜部材31の外縁に接続される枠部材32と、を備える。
【0013】
膜部材31は、合成繊維を編み上げたメッシュ状素材や合成樹脂により形成されたフィルム状素材等を用いて円板状に形成される。フレーム20の内周側における膜部材31の上面が打面31aとして構成され、膜部材31の外縁の全体が円環状の枠部材32に接続される。枠部材32は、所定の弾性を有する合成樹脂を用いて円環状に形成される。枠部材32は、金型成形により製造され、枠部材32の成形時に金型(図示せず)のキャビティ内に膜部材31の外縁を配置した状態で、キャビティに樹脂材料を注入することで膜部材31と枠部材32とが一体的に成形される。なお、膜部材31と枠部材32との接続は、接着や溶着によって行っても良い。
【0014】
リング部材40は、テンションリング50の径方向での締付け力をヘッド30(膜部材31や枠部材32)に均一に加えるための部材であり、枠部材32よりも硬質な合成樹脂、金属材料、又は、木材を用いて円環状に形成される。リング部材40には、周方向の一部が分断された(切り欠かれた)切り割り部40aが形成される。テンションリング50の締付け力が加えられる前の状態(
図2に示す状態)では、リング部材40の切り割り部40aにおける端面どうしは周方向で所定の間隔を隔てている。これにより、リング部材40の直径を縮小させ易くできる。
【0015】
なお、以下の説明において、テンションリング50の締付け力が加えられる前の状態を「締付け前の状態」、テンションリング50の締付け力が所定値に達して演奏可能な状態を「締付け状態」と定義して説明する。
【0016】
リング部材40は、その外周面を構成する外周部41と、外周部41の上端から径方向内側へ向けて突出する上側突部42と、外周部41の下端から径方向内側へ向けて突出する下側突部43とを備える。
【0017】
上側突部42及び下側突部43は、外周部41の内周面から略垂直に張り出しており、上側突部42と下側突部43とは略平行に形成される。よって、リング部材40は、径方向内側が開放する矩形の箱状に形成されており、外周部41、上側突部42、及び、下側突部43によって取り囲まれた空間内に、断面視、横長の矩形の枠部材32が収容可能に構成されている。
【0018】
テンションリング50は、合成樹脂または金属材料を用いて円環状に形成される。テンションリング50には、周方向の一部が分断された(切り欠かれた)切り割り部50aが形成され、テンションリング50の切り割り部50aにおける端面どうしは周方向で所定の間隔を隔てて対向している。なお、以下の説明において、テンションリング50における切り割り部50aが非形成とされる部位を「締付け部51」と定義して説明する。
【0019】
締付け部51の外周面であって、周方向における切り割り部50aの端部には結合部材54,55が取り付けられる。結合部材54,55はボルト56によって接続され、ボルト56を締める(若しくは、緩める)ことで結合部材54,55間の距離、即ち、周方向における切り割り部50aの間隔を縮小(若しくは、拡大)できるように構成されている。この切り割り部50aの間隔の縮小(拡大)により、締付け部51の直径を小さく(大きく)できる。
【0020】
図3に示すように、フレーム20は、軸に沿った平面で切断した断面視において中空の円形状に形成される。締付け状態においては、膜部材31(打面31aを構成する部位)がフレーム20の上面側(軸方向一面側)(矢印U方向側)を覆い、膜部材31がフレーム20の外周面に巻き付けられた(接触した)状態で、枠部材32がフレーム20の下面側(軸方向他面側)(矢印D方向側)に配置される。枠部材32の外周側にはリング部材40が配置され、そのリング部材40を介してテンションリング50の締付け力が枠部材32に加えられている。詳細は後述するが、枠部材32は所定の弾性を有しているため、テンションリング50の径方向内側に向けた締付け力が枠部材32に加えられることにより、枠部材32の直径が締付け前の状態よりも縮小された状態となっている。これにより、膜部材31の外縁を全周にわたって均一に径方向内側へ押し込むことができるので、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0021】
ここで、テンションリング50の径方向での締付けは、ボルト56(
図1又は
図2参照)を締付け、周方向における切り割り部50aの間隔を短くすることで行われる。この場合、締付け部51の径方向内側に向けた変形量は、軸を挟んで切り割り部50aとは反対側の位置に比べ、切り割り部50aの周辺において大きくなり易い。言い換えると、切り割り部50aの周辺における径方向内側への締付け力が他の領域に比べて最も大きくなり易いため、切り割り部50aの周辺においては比較的大きい張力がヘッド30の膜部材31に加えられるのに対し、他の領域、特に、軸を挟んで切り割り部50aとは反対側の領域においては膜部材31に加えられる張力が比較的小さくなる。
【0022】
これに対し、本実施形態においては、リング部材40が枠部材32とテンションリング50との間に挟み込まれ、テンションリング50の径方向内側への締付け力がリング部材40を介して枠部材32に加えられる。これにより、テンションリング50の径方向内側への締付け力を、リング部材40によって周方向に分散させることができる。よって、枠部材32の直径を全周にわたって均一に縮小させ易くできるので、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0023】
ここで、リング部材40には切り割り部40aが形成されるので、切り割り部50aが形成されるテンションリング50と同様、リング部材40の切り割り部40aの周辺においては径方向内側への変形量が他の領域に比べて大きくなり易い。
【0024】
これに対し、本実施形態では、リング部材40の切り割り部40aは、テンションリング50の切り割り部50aとは周方向において異なる(ずれた)位置に配置される(
図1(b)又は
図2参照)。即ち、テンションリング50の径方向内側への締付け力が比較的小さい領域(テンションリング50の切り割り部50aが形成されていない領域)に配置されるので、テンションリング50の径方向内側への締付け力を枠部材32の全周にわたって均一に加え易くでき、ヘッド30の膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0025】
この場合、リング部材40の切り割り部40aとテンションリング50の切り割り部50aとの位置は、周方向において離れた位置に形成されることが好ましい。よって、切り割り部40aの少なくとも一部は、軸を挟んで切り割り部50aとは反対側の領域において、径方向視(軸に直交する方向視)で切り割り部50aと重なる位置に配置されることが好ましく、軸を挟んで切り割り部50aの反対側(周方向において切り割り部50aから最も遠い領域)に配置されることがより好ましい。これにより、テンションリング50の径方向内側への締付け力を枠部材32の全周にわたって一層均一に加え易くでき、ヘッド30の膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0026】
また、テンションリング50の締付け部51の内周面は、軸方向における寸法がリング部材40の外周部41の外周面と同等またはやや大きく形成され、テンションリング50の締付け部51の内周面の全体と、リング部材40の外周部41の外周面の全体とが面接触されている。これにより、リング部材40に均一に締付け力を加えることができる。
【0027】
テンションリング50の締付け部51の軸方向(矢印U−D方向)両端には、径方向内側へ向かうにつれて軸方向両側へ傾いて張り出す上側支持部52及び下側支持部53がそれぞれ形成される。テンションリング50に対するリング部材40の軸方向での変位は、上側支持部52及び下側支持部53によって規制されている。
【0028】
テンションリング50の上側支持部52の上端は、膜部材31の打面31aよりも下方側(矢印D方向側)に配置されるので、打面31aに沿ってスティックを当てる演奏が可能となり、太鼓を模擬した演奏を行うことができる。
【0029】
次いで、
図4を参照して、ヘッド30(膜部材31)をフレーム20に装着する(張力を付与する)方法について説明する。
図4は、
図1(b)のIII−III線に対応した切断面におけるドラム10の部分拡大断面図である。
図4(a)は、テンションリング50の締付け力が加えられる前の状態を示すドラム10の部分拡大断面図であり、
図4(b)は、
図4(a)の状態からテンションリング50による締付け力が加えられた状態を示すドラム10の部分拡大断面図であり、
図4(c)は、
図4(b)の状態から更にテンションリング50による締付け力が加えられた状態を示すドラム10の部分拡大断面図であり、
図4(d)は、
図4(c)の状態から更にテンションリング50による締付け力が加えられた状態を示すドラム10の部分拡大断面図である。
【0030】
図4(a)に示すように、ヘッド30をフレーム20に装着する場合、まず、膜部材31における打面31aの周辺(エッジ)部分をフレーム20によって下方から支持させ、膜部材31によってフレーム20の上面側(軸方向一面側)(矢印U方向側)を覆う(支持工程)。膜部材31の外径は、フレーム20の外径よりも大きく設定されているため、フレーム20の上面側を膜部材31で覆った状態でフレーム20の下面側(軸方向他面側)(矢印D方向側)に膜部材31を巻き付けることにより、枠部材32がフレーム20の下面側に配置される。
【0031】
なお、本実施形態では、締付け前の状態において枠部材32の内径とフレーム20の外径とが略同一に形成されているが、枠部材32の内径がフレーム20の外径よりもやや大きい構成でも良い。
【0032】
次いで、枠部材32をフレーム20の下面側に配置した状態で、枠部材32にリング部材40を引っ掛ける(リング部材40の上側突部42と下側突部43との間に枠部材32を嵌め込む)。リング部材40は、上側突部42及び下側突部43の軸方向での対向間隔が枠部材32の軸方向における寸法よりも大きく形成されているので、枠部材32にリング部材40を引っ掛ける作業を容易に行うことができる。
【0033】
また、締付け前の状態における枠部材32の外径は、リング部材40(上側突部42及び下側突部43)の内径よりも大きく設定されているので、枠部材32からリング部材40が抜け落ちようとしても、上側突部42又は下側突部43と枠部材32との引っ掛かりによって規制できる。言い換えると、一度枠部材32にリング部材40を引っ掛ければ、枠部材32の直径を縮小させる(若しくは、リング部材40の直径を拡大させる)までは、枠部材32がリング部材40から抜け落ちることを抑制できるので、フレーム20に対するヘッド30の装着作業を容易にできる。
【0034】
次いで、リング部材40の外周側にテンションリング50を配置し、リング部材40の外周部41とテンションリング50の締付け部51とを接触させた状態でボルト56(
図1又は
図2参照)を締付ける(締付け工程)。これにより、テンションリング50の締付け部51の直径が縮小され、その縮小に伴ってリング部材40の直径も縮小される。
【0035】
図4(b)に示すように、テンションリング50の締付け力によって
図4(a)に示す状態からリング部材40の直径が縮小すると、リング部材40の上側突部42により膜部材31の縁部31bが径方向内側に押し込まれる。なお、膜部材31の縁部31bとは、膜部材31と枠部材32との接続部分よりも僅かに内周側に位置する部位(膜部材31におけるフレーム20に巻き付けられた部位のうち、フレーム20よりも下方に位置する部位)である。
【0036】
膜部材31の縁部31bが径方向内側に押し込まれると、枠部材32がフレーム20に近付くようにして上方(矢印U方向側)へ変位する。この枠部材32の変位は、上側突部42によって規制されるので、かかる変位時に枠部材32がリング部材40から抜け落ちることを抑制できる。
【0037】
この場合、単に枠部材32の上方への変位を上側突部42によって規制することを目的とするのであれば、例えば、リング部材40の下側突部43を省略する構成を採用することも可能である。しかしながら、そのような構成では、下側突部43が非形成とされるリング部材40の下端側の直径が縮小され易くなり(変形し易くなり)、枠部材32、リング部材40、及び、テンションリング50の全体が軸方向に対して傾くおそれがある。よって、その傾きによって外観が悪くなることや、膜部材31に張力を均一に加えることが困難となる、又は、枠部材32がリング部材40から抜け落ちるおそれがある。
【0038】
これに対して本実施形態では、リング部材40の上下の両端側の双方に上側突部42及び下側突部43が形成され、それら上側突部42及び下側突部43の外周部41からの突出寸法はそれぞれ略同一となっている。これにより、テンションリング50の締付け力によってリング部材40の全体を均一に縮小させることができる。よって、リング部材40の直径が縮小される際に、枠部材32、リング部材40、及び、テンションリング50の全体が軸方向に対して傾くことを抑制できる。従って、ドラム10の外観を向上させることができると共に、膜部材31に張力を均一に加えることができる。
【0039】
図4(c)に示すように、テンションリング50の締付け力によって
図4(b)に示す状態からリング部材40の直径が更に縮小されると、リング部材40上側突部42により膜部材31の縁部31bが径方向内側に更に押し込まれつつ、枠部材32とリング部材40の外周部41とが接触する。即ち、膜部材31に加え、枠部材32もテンションリング50によって径方向内側に締付けられる。枠部材32は所定の弾性を有しているため、テンションリング50の径方向内側に向けた締付け力が枠部材32に加えられることにより、枠部材32の直径が締付け前の状態よりも縮小される。この枠部材32の直径の縮小によって膜部材31の外縁が径方向内側へ押し込まれ、膜部材31に張力が加えられる。
【0040】
このように、枠部材32の直径の縮小によって膜部材31の外縁を径方向内側へ押し込むために、例えば、リング部材40の上側突部42を省略して(若しくは、上側突部42の突出寸法を短くして)、枠部材32のみを径方向内側に押し込む構成を採用することも可能である。しかしながら、そのような構成では、膜部材31と枠部材32との接続部分に引張応力が作用し易くなるため、膜部材31が破れるおそれや、膜部材31が枠部材32から外れるおそれがある。
【0041】
これに対して、本実施形態では、リング部材40の上側突部42は、外周部41からの突出寸法が枠部材32の径方向における寸法よりも長く形成されている。これにより、
図4(d)に示すように、
図4(c)に示す状態からリング部材40の直径が更に縮小すると、上側突部42によって膜部材31が径方向内側に押し込まれるのと同時に、外周部41によって枠部材32も径方向内側に押し込まれる。即ち、膜部材31の縁部31bの直径の縮小に追従して枠部材32の直径も縮小されるため、膜部材31と枠部材32との接続部分に作用する引張応力を低減させることができる。よって、膜部材31が破れることや、膜部材31が枠部材32から外れることを抑制できる。
【0042】
テンションリング50の締付け力が所定の大きさになると、リング部材40の上側突部42によって膜部材31の縁部31bがフレーム20の下面側に巻き付けられる。これにより、フレーム20にヘッド30が装着され、演奏可能な状態(締付け状態)となる。
【0043】
以上の通り、本実施形態のドラム10によれば、膜部材31の外縁の全体が接続される枠部材32をフレーム20の下面側に巻き付け、その枠部材32を径方向内側に押し込む構成であるため、膜部材31の外縁を全周にわたって均一に径方向内側へ押し込むことができる。よって、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0044】
次いで、
図5を参照して、第2実施形態および第3実施形態におけるドラム210,310について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0045】
図5(a)は、第2実施形態におけるドラム210のヘッド230の部分拡大上面図であり、
図5(b)は、
図5(a)の矢印Vb方向視におけるヘッド230の部分拡大側面図である。
図5(c)は、第3実施形態におけるドラム310のヘッド330の部分拡大上面図である。なお、
図5(a)から
図5(c)では、膜部材231,331の端部が二点鎖線で図示される。
【0046】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第2実施形態におけるドラム210のヘッド230では、枠部材232の上下(軸方向)の両面に凹む凹部232aが形成される。本実施形態では、枠部材232に複数の凹部232aが周方向等間隔に形成されているが、
図5(a)及び
図5(b)では、1個の凹部232aのみを図示している。
【0047】
凹部232aが形成される領域においては、枠部材232の軸方向における厚み寸法が他の領域(凹部232aが非形成とされる領域)よりも小さく形成される。これにより、テンションリング50(
図3参照)による径方向内側に向けた締付け力が枠部材232に作用した場合に、枠部材232の直径を縮小させ易くできる。また、枠部材232に複数の凹部232aが周方向等間隔に形成されているので、枠部材232の直径を全周にわたって均一に縮小させ易くすることができる。
【0048】
この場合、凹部232aは、周方向においてリング部材40の切り割り部40a(
図1又は
図2参照)とは異なる位置に配置されることが好ましく、さらに、テンションリング50の切り割り部50a(
図1又は
図2参照)とは異なる位置に配置されることがより好ましい。径方向に向けた変形が大きくなり易い切り割り部40a,50aとは異なる位置に凹部232aを配置することにより、枠部材232の直径を全周にわたって均一に縮小させ易くすることができる。
【0049】
図5(c)に示すように、第3実施形態におけるドラム310のヘッド330では、上下(軸方向)に貫通する貫通孔332aが枠部材332に形成される。本実施形態では、枠部材332に複数の貫通孔332aが周方向等間隔に形成されているが、
図5(c)では、1個の貫通孔332aのみを図示している。
【0050】
貫通孔332aが形成される領域においては、枠部材332の径方向における厚み寸法が他の領域(貫通孔332aが非形成とされる領域)よりも小さく形成される。これにより、テンションリング50(
図3参照)による径方向内側に向けた締付け力が枠部材232に作用した場合に、枠部材232の直径を縮小させ易くできる。枠部材332に複数の貫通孔332aが周方向等間隔に形成されているので、枠部材332の直径を全周にわたって均一に縮小させ易くすることができる。
【0051】
この場合、貫通孔332aは、周方向においてリング部材40の切り割り部40a(
図1又は
図2参照)とは異なる位置に配置されることが好ましく、さらに、テンションリング50の切り割り部50a(
図1又は
図2参照)とは異なる位置に配置されることがより好ましい。径方向に向けた変形が大きくなり易い切り割り部40a,50aとは異なる位置に貫通孔332aを配置することにより、枠部材332の直径を全周にわたって均一に縮小させ易くすることができる。
【0052】
次いで、
図6を参照して、第4実施形態から第6実施形態におけるドラム410,510,610について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0053】
図6(a)は、第4実施形態におけるドラム410の部分拡大断面図であり、
図6(b)は、第5実施形態におけるドラム510の部分拡大断面図であり、
図6(c)は、第6実施形態におけるドラム610の部分拡大断面図である。なお、
図6(a)から
図6(c)は、
図1(b)のIII−III線における断面に対応する。
【0054】
図6(a)に示すように、第4実施形態におけるドラム410は、第1のフレーム420と、その第1のフレーム420に支持される第1のヘッド430と、第1のフレーム420の下面側(軸方向他面側)(矢印D方向側)に配置される第2のフレーム470と、その第2のフレーム470に支持される第2のヘッド480と、第1のヘッド430及び第2のヘッド480に張力を加えるリング部材40及びテンションリング50と、を備える。
【0055】
なお、第1のフレーム420及び第2のフレーム470は、第1実施形態におけるフレーム20と同一の構成であり、第1のヘッド430及び第2のヘッド480は、第1実施形態におけるヘッド30と同一の構成であるので、これらの説明は省略する。即ち、本実施形態のドラム410は、第2のフレーム470及び第2のヘッド480が追加される点を除き、第1実施形態のドラム10と同一の構成である。
【0056】
第1のフレーム420及び第1のヘッド430は、軸直角方向(矢印U−Dと直交する方向)に沿う平面を挟んで第2のフレーム470及び第2のヘッド480と面対称に配置される。即ち、第2のヘッド480は、膜部材31が第2のフレーム470の上面側に巻き付けられており、その膜部材31の外縁が接続される枠部材32が第2のフレーム470の上面側に配置されている。
【0057】
テンションリング50の内周側には、第1のヘッド430の枠部材32と、第2のヘッド480の枠部材32とのそれぞれが収容される。これにより、1個のテンションリング50の直径を縮小させることで、第1のヘッド430及び第2のヘッド480のそれぞれの膜部材31に張力を加えることができる。よって、第1のヘッド430及び第2のヘッド480のそれぞれに別々のテンションリング50で張力を加える場合に比べ、部品点数を低減できる。
【0058】
更に、第1のヘッド430及び第2のヘッド480のそれぞれの膜部材31に対し、1個のテンションリング50によって張力を加える構成であるので、膜部材31に加えられる張力を第1のヘッド430及び第2のヘッド480のそれぞれにおいて略同一にできる。これにより、第1のヘッド430の膜部材31と第2のヘッド480の膜部材31との張力を一致させる作業を不要とできる。
【0059】
更に、第1のヘッド430及び第2のヘッド480のそれぞれの膜部材31に対し、1個のテンションリング50によって張力を加えることにより、第1のフレーム420と第2のフレーム470とを連結する機能をテンションリング50に持たせることができる。即ち、第1のフレーム420と第2のフレーム470とが別体に構成される場合であっても、それら第1のフレーム420と第2のフレーム470を連結するための部材を別途設けることを不要にできる。
【0060】
図6(b)に示すように、第5実施形態におけるドラム510は、リング部材540の上側突部542及び下側突部543の突出寸法が、第1実施形態における上側突部42及び下側突部43よりも小さく形成される点を除き、第1実施形態のドラム10と同一に構成される。詳細には、リング部材540の外周部41からの上側突部542及び下側突部543の突出寸法は、枠部材32の径方向における寸法よりも小さく形成される。
【0061】
これにより、リング部材540の外周部41によって枠部材32のみを径方向内側に向けて押し込むことができる。よって、フレーム20と枠部材32との間に上側突部542を挟み込むことなく、膜部材31に張力を付与することができるので、軸方向におけるドラム510の寸法を小さくできる。
【0062】
また、リング部材540の直径が縮小すると、外周部41に押し込まれることにより枠部材32が変形し、枠部材32の直径が縮小される。ここで、膜部材31は、枠部材32に比べて剛性が低いため、切り割り部40a(
図1又は
図2参照)が形成されたリング部材540によって膜部材31を押し込む構成であると、膜部材31に加えられる張力が切り割り部40aの周辺で不均一になるおそれがある。
【0063】
これに対して本実施形態では、膜部材31に比べて剛性の高い枠部材32のみをリング部材540によって押し込む構成であるので、膜部材31に加えられる張力が切り割り部40aの周辺で不均一になることを抑制できる。よって、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0064】
図6(c)に示すように、第6実施形態におけるドラム610は、リング部材40の下側突部43が膜部材31の縁部31bに接触し、上側突部42は、膜部材31の打面31aよりも上方側(軸方向一側)(矢印U方向側)に位置する。
【0065】
リング部材40の直径が縮小すると、下側突部43により膜部材31の縁部31bが径方向内側に押し込まれ、膜部材31に張力が加えられる。膜部材31の縁部31bが径方向内側へ押し込まれると、枠部材32の直径が縮小されるので、膜部材31の外縁を全周にわたって均一に径方向内側へ押し込むことができる。よって、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0066】
また、リング部材40の上側突部42は、膜部材31の打面31aよりも上方側(軸方向一側)(矢印U方向側)に位置するので、リング部材40の上側突部42や、テンションリング50の上側支持部52をスティック等(図示せず)により打撃することでリムショットを模擬した演奏を行うことができる。また、外周部41及び上側突部42により打面31aの縁部を保護できる。即ち、テンションリング50の締付け力を枠部材32に均一に加えるための機能と、リムショットを模擬した演奏を可能にする(打面31aの縁部を保護する)機能とをリング部材40に兼用させることができるので、部品点数を低減させることができる。
【0067】
また、リング部材40の上側突部42及び下側突部43の対向間隔は、フレーム20の軸方向における寸法よりも大きく形成され、締付け状態においては、上側突部42及び下側突部43の対向間にフレーム20の一部が収容される。即ち、上側突部42及び下側突部43の突出先端がフレーム20の外縁よりも径方向内側に配置されるので、リング部材40の外周部41及び上側突部42によって打面31aの縁部をより効果的に保護できる。
【0068】
なお、下側支持部53を枠部材32の外周面に接触させ、下側支持部53が枠部材32を径方向内側へ押し込むことで、枠部材32の直径を縮小させる構成でも良い。
【0069】
また、下側支持部53を枠部材32の下面に接触させる構成でも良い。これにより、枠部材32が下方側(軸方向他側)(矢印D方向)へ変位することを抑制できる。また、膜部材31の縁部31bと枠部材32との接続部分を支点にし、枠部材32の下面が下側突部43に近づくような回転(以下、単に「枠部材32の回転」と記載する)を抑制できる。枠部材32の軸方向での変位や枠部材32の回転を抑制することにより、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0070】
以上、上記実施形態に基づき説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。よって、例えば、上記各実施形態のいずれかの一部または全部を、他の実施形態の一部または全部と組み合わせてドラムを構成しても良い。
【0071】
上記各実施形態では、枠部材32が合成樹脂を用いて形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、金属材料を用いて形成しても良い。また、樹脂材料(金属材料)を金属材料(樹脂材料)によって包み込むようにして枠部材を形成しても良い。即ち、テンションリング50の締付け力によって弾性変形可能な(塑性変形しない)程度の弾性を有していれば、枠部材32を形成する材料は限定されない。例えば、金属材料を用いて枠部材32を形成した場合でも、第2実施形態や第3実施形態のように凹部232aや貫通孔332aを枠部材32に形成することにより、枠部材32の直径を縮小させ易くすることができる。
【0072】
上記各実施形態では、膜部材31の外縁の全周にわたって枠部材32が接続される(枠部材32が周方向に連続する円環状に形成される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠部材32を周方向で分断して形成する構成でも良い。
【0073】
上記各実施形態では、枠部材32は、軸に沿った平面で切断した断面視において横長の矩形に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その断面形状が縦長の矩形あるいは正方形に形成されても良い。また、断面形状が略円形に形成されても良く、三角形あるいは五角形以上の多角形に形成されても良い。
【0074】
上記各実施形態では、ドラム10,210,310,410,510,610がリング部材40,540を備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リング部材40,540を省略し、テンションリング50によって枠部材32を径方向内側に直接押し込む構成でも良い。この場合には、上記各実施形態で説明したリング部材40,540と同一の構成(断面形状や装着方法)でテンションリング50を構成すれば、かかるリング部材40,540と同様の作用効果を奏することができる。
【0075】
言い換えると、リング部材40,540の切り割り部40aの周辺に結合部材54,55やボルト56を設けることにより、径方向での締付け力を加える機能をリング部材40,540に持たせ、テンションリング50を省略する構成でも良い。この場合には、かかるリング部材40,540が請求項1のテンションリングに相当する。
【0076】
上記各実施形態では、リング部材40,540に切り割り部40aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、テンションリング50の締付け力によって弾性変形可能な(塑性変形しない)程度の弾性を有していれば、切り割り部40aを省略し、リング部材40,540を周方向に連続する円環状に形成しても良い。
【0077】
切り割り部40aを省略する場合、リング部材40,540の上側突部42,542又は下側突部43,543の内径を枠部材32の外径よりも僅かに小さく形成し、枠部材32を弾性変形させることで、外周部41、上側突部42,542、及び、下側突部43,543によって取り囲まれた空間内に枠部材32を収容できる。
【0078】
また、切り割り部40aを省略する場合、リング部材40,540の下側突部43,543を省略し、リング部材40,540の下面側(矢印D方向側)から枠部材32を嵌め込む構成としても良い。この場合には、フレーム20の外径よりも上側突部42,542の内径を大きく設定する(上側突部42,542の内周側をフレーム20が通過できるように構成する)ことにより、フレーム20にヘッド30を装着できる。
【0079】
上記各実施形態では、リング部材40,540及びテンションリング50に切り割り部40a,50aがそれぞれ1箇所形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切り割り部40a,50aが周方向に複数箇所形成される構成でも良い。
【0080】
上記各実施形態では、テンションリング50の上側支持部52及び下側支持部53によりリング部材40,540の軸方向での変位が規制される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リング部材40,540及びテンションリング50の一方に凸部、他方に凹部を形成し、それら凸部および凹部を嵌め合わせることにより、リング部材40,540の軸方向での変位や回転(外周部41が軸方向に対して傾くような回転)を規制する構成でも良い。
【0081】
なお、このような凸部および凹部は、周方向に連続して形成するか、或いは、凸部よりも凹部を周方向で長く形成することが好ましい。即ち、テンションリング50の締め付け時には、テンションリング50がリング部材40,540の外周面を滑る(相対的に変位する)ようにして変形する。よって、例えば、周方向長さが等しい凸部や凹部を周方向で断続的に形成すると、リング部材40,540に対するテンションリング50の周方向での相対変位が不能となり、テンションリング50の締付け力をリング部材40に加えることが困難となる。
【0082】
これに対して、上述した凸部および凹部を、周方向に連続して形成するか、或いは、凸部よりも凹部を周方向で長く形成することにより、リング部材40,540に対するテンションリング50の周方向での相対変位を可能とし、テンションリング50の締付け力をリング部材40,540に加えることができる。また、凸部よりも凹部を周方向で長く形成することにより、リング部材40,540に対してテンションリング50が周方向に相対変位しても、凸部と凹部との嵌め合わせを維持できる。
【0083】
同様に、枠部材32及びリング部材40,540の一方に凸部、他方に凹部を形成し、それら凸部および凹部を嵌め合わせることにより、枠部材32の軸方向での変位や枠部材32の回転を規制する構成でも良い。
【0084】
上記各実施形態では、リング部材40,540の上側突部42,542及び下側突部43,543の対向間隔が、枠部材32の軸方向の寸法よりも大きく形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側突部42,542及び下側突部43,543の対向間隔を、枠部材32の軸方向の寸法と同一(若しくは、枠部材32の回転を規制できる程度に大きく)形成しても良い。
【0085】
これにより、枠部材32の全体を上側突部42,542及び下側突部43,543によって上下から挟むことで枠部材32の回転を規制できる。よって、例えば、枠部材32の外周面やリング部材40,540の内周面に互いに嵌め込み可能な凹凸(枠部材の回転を規制するもの)を形成する場合に比べ、枠部材32やリング部材40,540の形状が複雑化することを抑制できる。また、枠部材32の全体を上側突部42,542及び下側突部43,543によって上下から挟むことにより、枠部材32の軸方向での変位や枠部材32の回転を抑制することにより、膜部材31の全体に張力を均一に加えることができる。
【0086】
上記各実施形態において、リング部材40,540の外周部41と上側突部42,542又は下側突部43,543との接続部が丸みを帯びた形状として構成しても良い。この場合、枠部材32の角部にも略同等の丸みが形成されるのが良い。
【0087】
上記各実施形態では、フレーム20が中空の円環状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フレーム20は中実でも良く、フレーム20を中実の円柱状や円筒状に形成しても良い。フレーム20を円柱状や円筒状に形成する場合には、フレーム20の外周面に凸部(径方向に突出するものであって、周方向に連続して形成されるもの)を形成し、その凸部の下面側に枠部材32を配置した状態で、枠部材32をテンションリング50によって締付ければ良い。これにより、枠部材32の直径を縮小させて膜部材31に張力を加えることができる(この場合には、凸部の下面が請求項1の「フレームの軸方向他面側」に相当する)。
【0088】
なお、円柱状や円筒状とは、少なくとも軸方向(矢印U−D方向)に延びる柱状や筒状のことであり、フレーム20の外径(筒状においては外径や内径)が上端側から下端側にかけての一部で変化しても良い(フレーム20の外周面(筒状においては外周面や内周面)に突出する部位を設けても良い)。また、フレーム20の断面が、四角形を含む多角形、楕円形、直線と曲線とを組み合わせた形状から構成されても良い。即ち、フレーム20が如何なる形状であっても、フレーム20の上端側の外周面に環状の凸部(膜部材31を巻き付け可能な部位)が形成されるものであれば、上記各実施形態の技術思想を適用できる。
【0089】
上記各実施形態では、フレーム20が円環状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フレーム20のヘッド30が巻き付けられる側とは反対の下面側に円板を接続し、その円板によってフレーム20の底面を形成する(軸方向一面側が開放する盆(容器)状にフレーム20を形成する)構成でも良い。また、その円板(フレーム20の底面)の軸中心に孔が形成される構成でも良く、円板に複数の孔が形成される構成でも良い。また、円板(フレーム20の底面)に複数の孔を形成し、円板がスポーク状に形成される構成でも良い。
【0090】
上記各実施形態では、リング部材40,540が枠部材32の回転を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リング部材40,540の押し込み時に、枠部材32を回転(膜部材31の縁部31bと枠部材32との接続部分を支点にし、枠部材32の下面を下側突部43に近づけるように回転)させながら膜部材31に張力を加えても良い。
【0091】
上記各実施形態では、テンションリング50の結合部材54,55はボルト56によって接続され、ボルト56を締める(若しくは、緩める)ことで締付け部51の直径が小さく(大きく)される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、結合部材54,55及びボルト56に代えて、クイックレバーを用いる構成でも良い。なお、クイックレバーとは、レバー及びカムが同一回転軸上に設けられ、その回転軸を中心にレバーを回転させることでカムが回転するものであり、これにより、締付け部51の直径を小さく(大きく)できる。また、結合部材54,55及びボルト56とクイックレバーとを併用する構成でも良い。これにより、ボルト56を操作することで締付け力を調整でき、クイックレバーを操作することで枠部材32に締付け力を容易に加えることができる。
【0092】
上記第1実施形態から第5実施形態では、テンションリング50の上側支持部52の上端が、膜部材31の打面31aよりも下方側(矢印D方向側)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上側支持部52の上端が、膜部材31の打面31aよりも上方側(矢印U方向側)に配置されても良い。これにより、上側支持部52をスティック等(図示せず)により打撃することでリムショットを模擬した演奏を行うことができる。なお、膜部材31の打面31aよりも上方側(矢印U方向側)に突出される部位(上側支持部52とは異なる部位)が別途テンションリング50に形成されても良い。
【0093】
上記第2実施形態では、凹部232aが軸方向に凹んで形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部232aが径方向に凹んで形成されても良い。
【0094】
上記第3実施形態では、貫通孔332aが軸方向に貫通する孔として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、貫通孔332aは径方向に貫通する孔でも良い。
【0095】
上記第4実施形態では、第1のフレーム420及び第2のフレーム470、第1のヘッド430及び第2のヘッド480がそれぞれ同一の構成である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1のフレーム420及び第2のフレーム470、第1のヘッド430及び第2のヘッド480がそれぞれ異なる構成とされ、第1のフレーム420及び第2のフレーム470がそれぞれ異なる外径から構成されても良く、第1のヘッド430及び第2のヘッド480の枠部材32がそれぞれ異なる外径から構成されても良い。これにより、第1のヘッド430と第2のヘッド480とに加えられる張力を異ならせることができる。
【0096】
上記第4実施形態では、上側突部42及び下側突部43の外周部41からの突出寸法がそれぞれ略同一とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上側突部42と下側突部43との突出寸法がそれぞれ異なる寸法に構成されても良い。これにより、第1のヘッド430と第2のヘッド480とに加えられる張力を異ならせることができる。
【0097】
上記第4実施形態において、外周部41の内径を、第1のヘッド430が接触する位置と、第2のヘッド480の枠部材32が接触する位置とで異ならせる構成としても良い。これにより、第1のヘッド430と第2のヘッド480とに加えられる張力を異ならせることができる。
【0098】
上記第4実施形態では、第1のフレーム420と第2のフレーム470とが別体から構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1のフレーム420と第2のフレーム470とを連結し、一体に構成されても良い。この場合、リング部材40及びテンションリング50の一組を、第1のヘッド430及び第2のヘッド480にそれぞれ1組ずつ(別々に)設け、第1のフレーム420と第2のフレーム470とで異なる張力を加えても良い。