【解決手段】予約管理システムが、設備を利用するための設備関連物品を格納する物品管理装置と、前記設備の利用予約を示す予約情報を記憶する記憶部と、前記予約情報に従って前記物品管理装置を制御する連携部と、前記利用予約に対するキャンセル待ちを受け付けるキャンセル待ち受付部と、前記利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げるキャンセル待ち繰上げ部と、を備える。
前記キャンセル待ち受付部は、1つの設備の利用予約に対するキャンセル待ち、かつ、利用予定日時の少なくとも一部が重なる複数のキャンセル待ちを受け付けた場合にキャンセル待ちの優先順位を決定し、
前記キャンセル待ち繰上げ部は、利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちのうち利用予約に繰り上げるキャンセル待ちを、優先順位に基づいて選択する、
請求項4に記載の予約管理システム。
前記キャンセル待ち繰上げ部は、利用予約における利用開始予定時刻から所定の予約キャンセル時間が経過しても当該利用予約における予約対象設備の設備関連物品が前記物品管理装置から取り出されていない場合、当該利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる、
請求項1から5の何れか一項に記載の予約管理システム。
前記キャンセル待ち繰上げ部は、利用予約における利用終了予定時刻より前に当該利用予約における予約対象設備の設備関連物品が返却された場合、当該利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる、
請求項1から6の何れか一項に記載の予約管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態に係る予約管理システムの装置構成を示す概略構成図である。
図1に示すように、予約管理システム1は、サーバ装置100と、物品管理装置200とを備える。
【0018】
サーバ装置100と、物品管理装置200と、クライアント装置400とは、内部ネットワーク500を介して通信接続される。また、サーバ装置100と携帯端末装置800とは、内部ネットワーク500、ゲートウェイ装置600および外部ネットワーク700を介して通信接続される。
クライアント装置400、内部ネットワーク500、ゲートウェイ装置600、および、携帯端末装置800のうち何れか1つ以上(全てでもよい)が、予約管理システム1に含まれていてもよい。
【0019】
予約管理システム1は、会議室や社用車など共用の設備の利用予約、および、これらの設備の鍵など設備を利用するための物品の貸出を管理する。以下では、予約管理システム1で予約対象となっている設備を利用するための物品を設備関連物品と称する。また、ある設備を利用するための設備関連物品を、当該設備の設備関連物品と称する。
以下では、予約管理システム1が会社で用いられる場合を例に説明するが、予約管理システム1の適用対象は会社に限定されない。例えば、予約管理システム1が役場等の公的機関や学校等に適用されていてもよい。
【0020】
サーバ装置100は、設備の利用予約、および、設備の利用予約に対するキャンセル待ちを管理する。ユーザは、設備を利用したい時間帯に既に利用予約が入っている場合、利用予約に対するキャンセル待ちを申し込む(登録要求する)ことができる。ここでいうユーザは、予約管理システム1のユーザとしてサービスの提供を受ける者である。
以下では、設備の利用予約を、設備利用予約、利用予約、または、単に予約とも称する。また、利用予約を示す情報を予約情報と称する。また、利用予約に対するキャンセル待ちを、予約に対するキャンセル待ち、または、単にキャンセル待ちとも称する。
【0021】
また、サーバ装置100は、物品管理装置200を設備利用スケジュールに連動させる。具体的には、サーバ装置100は、サーバ装置100自らが管理する設備利用予約における設備利用スケジュールに従って、物品管理装置200が利用者に設備利用のタイミングに応じて設備関連物品を貸し出すように制御する。
【0022】
また、サーバ装置100は、利用者に対して利用開始予定時刻が近づいた旨の予告通知など各種通知を行う。ここでいう利用者は、設備を利用する者として予約管理システム1に登録されている者である。具体的には、設備の利用予約者(設備利用予約の登録者)が、利用者となる。
また、サーバ装置100は、利用予約に対するキャンセル待ちの登録者に対して、キャンセル待ちが予約に繰り上がったことの通知など、キャンセル待ちの状況に関する各種通知を行う。
【0023】
サーバ装置100は、例えばワークステーション(Workstation;WS)またはパソコン(Personal Computer;PC)などのコンピュータを用いて構成される。
サーバ装置100が、グループウェア(複数人による作業の協調を支援する仕組み)等の1機能として設備利用予約の管理および予約に対するキャンセル待ちの管理を行うようにしてもよい。あるいは、サーバ装置100が、設備利用予約管理専用のサーバ装置として用いられていてもよい。
【0024】
物品管理装置200は、設備関連物品を管理する。特に、物品管理装置200は、設備関連物品を格納し、サーバ装置100の制御に従って、設備の利用者が当該設備の設備関連物品を取り出せるように動作する。これにより、物品管理装置200は、設備関連物品を利用者に貸し出す。
物品管理装置200として、鍵管理装置またはセキュリティボックス、あるいはこれらの組み合わせなど、物品を格納可能ないろいろな装置を用いることができる。
予約管理システム1が備える物品管理装置200の数は、1つ以上であればよい。
【0025】
クライアント装置400は、サーバ装置100のユーザ端末として機能する。特に、予約管理システム1のユーザは、クライアント装置400にて設備の利用予約、および、キャンセル待ちを行う。クライアント装置400は、例えば予約管理システム1のユーザである各社員に割り当てられたパソコンなどのコンピュータを用いて構成される。
【0026】
内部ネットワーク500は、例えば社内ネットワーク等のLAN(Local Area Network)である。内部ネットワーク500は、サーバ装置100、物品管理装置200、クライアント装置400、および、ゲートウェイ装置600の間で通信を伝送する。
ゲートウェイ装置600は、内部ネットワーク500と外部ネットワーク700との間で通信を伝送する。
【0027】
外部ネットワーク700は、ゲートウェイ装置600と携帯端末装置800との間で通信を伝送する。外部ネットワーク700は、例えばインターネット(Internet)および携帯電話網(通信事業者がスマートフォン等の携帯電話端末装置用に提供する通信ネットワーク)の組み合わせにて構成される。
内部ネットワーク500、ゲートウェイ装置600および外部ネットワーク700の組み合わせにて、サーバ装置100と携帯端末装置800との間で通信を伝送する。
【0028】
携帯端末装置800は、サーバ装置100からのメッセージを受信して表示することで、利用者にメッセージを通知する。
携帯端末装置800として、例えば予約管理システム1のユーザが所持する携帯電話端末装置が用いられる。あるいは、携帯端末装置800は、予約管理システム1専用の装置として構成されていてもよい。
【0029】
サーバ装置100が、携帯端末装置800に加えて、あるいは代えて、クライアント装置400にメッセージを送信し、クライアント装置400がメッセージを表示するようにしてもよい。
なお、サーバ装置100が複数の装置として構成されていてもよい。例えば、サーバ装置100が、スケジュール管理を行う装置と、他の装置(物品管理装置200等)と連携する装置との組み合わせにて構成されていてもよい。
【0030】
図2は、サーバ装置100の機能構成を示す概略構成図である。
図2に示すように、サーバ装置100は、サーバ側通信部110と、サーバ側表示部120と、サーバ側操作部130と、サーバ側記憶部170と、サーバ側制御部180とを備える。サーバ側制御部180は、スケジュール管理部181と、連携部191とを備える。スケジュール管理部181は、キャンセル待ち管理部182を備える。キャンセル待ち管理部182は、キャンセル待ち受付部183と、キャンセル待ち繰上げ部184とを備える。連携部191は、事前通知処理部192と、取消処理部193と、キャンセル待ち関連通知処理部194とを備える。
【0031】
サーバ側通信部110は、内部ネットワーク500を介して他の機器と通信を行う。特に、サーバ装置100は、クライアント装置400と通信接続し、クライアント装置400をサーバ装置100のユーザ端末として機能させる。また、サーバ側通信部110は、物品管理装置200から設備関連物品を取り出せるようにするための指示を、当該物品管理装置200に送信する。また、サーバ側通信部110は、物品管理装置200における設備関連物品の取出(貸出)および返却の実績情報を受信する。また、サーバ側通信部110は、設備利用予約に関する通知およびキャンセル待ちに関する通知を、携帯端末装置800へ送信する。
【0032】
サーバ側表示部120は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode)パネル等の表示画面を備え、各種画像を表示する。特に、サーバ側表示部120は、サーバ装置100と物品管理装置200とを連携させるための設定を行う設定画面を表示する。
サーバ側操作部130は、例えばキーボードおよびマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。特に、サーバ側操作部130は、サーバ装置100と物品管理装置200とを連携させるための設定を行うユーザ操作を受ける。
サーバ側表示部120およびサーバ側操作部130が、サーバ装置100と別筐体の端末装置として構成されていてもよい。あるいは、クライアント装置400がサーバ装置100の端末装置として構成されサーバ側表示部120およびサーバ側操作部130として機能するようにしてもよい。
【0033】
サーバ側記憶部170は、設備の予約情報、および、サーバ装置100自らと物品管理装置200とを連携させるための各種情報を記憶する。サーバ側記憶部170は、予約情報を記憶する記憶部の例に該当する。サーバ側記憶部170は、サーバ装置100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
【0034】
サーバ側記憶部170が記憶する、サーバ装置100と物品管理装置200とを連携させるための情報の例として、以下で説明する利用者管理情報、設備管理情報、利用状況管理情報、および、システム運用設定情報が挙げられる。
【0035】
図3は、サーバ側表示部120による利用者管理情報の表示例を示す図である。利用者管理情報は、サーバ装置100におけるログイン名と、物品管理装置200における利用者IDとを対応付ける情報である。
ログイン名は、サーバ装置100が利用者を識別するために用いられる識別情報であり、1人の利用者に1つのログイン名が割り当てられる。
図3に示す利用者管理情報では、利用者名欄に示される利用者の氏名と、ログイン名欄に示されるログイン名とが一対一に対応付けられている。
【0036】
利用者IDは、物品管理装置200が、物品管理装置の利用者を識別するために用いられる識別情報であり、物品管理装置200毎に、1人の利用者に1つの利用者IDが割り当てられる。
図3に示す利用者管理情報では、利用者毎に利用可能な物品管理装置200が示され、物品管理装置の利用者毎かつ物品管理装置200毎に1つの利用者IDが示されている。
【0037】
サーバ側記憶部170が利用者管理情報を記憶しておくことで、設備利用予約における利用者と、物品管理装置200から設備関連物品を取り出そうとしている者とが同一か否かを判定することができる。具体的には、サーバ装置100は、予約情報に基づいて、設備の利用予定日時に応じたタイミングで、利用予定の設備の設備関連情報の取出しを可能にさせる指示を、物品管理装置200に送信する。その際、サーバ装置100は、利用者を示す利用者IDを利用者管理情報から読み出し、読み出した利用者IDを指示に含めて送信する。
【0038】
図4は、サーバ側表示部120による設備管理情報の表示例を示す図である。設備管理情報は、設備と、当該設備を利用するために用いられる設備関連物品の格納場所とを対応付ける情報である。
図4に示す設備管理情報では、設備毎に設備コードと、当該設備を利用するために用いられる設備関連物品が格納されている物品管理装置名およびホルダーNo.が示されている。設備コードは、設備を識別する識別情報であり、1つの設備に1つの設備コードが示されている。
【0039】
また、ホルダーNo.は、物品管理装置200内でホルダー(保持部41または収納部42)を特定する情報である。物品管理装置名とホルダーNo.との組み合わせにより、設備関連物品の格納場所が一意に特定される。
図4に示す設備管理情報では、設備毎に、当該設備を利用するために用いられる設備関連物品の数だけ、物品管理装置名とホルダーNo.との組み合わせが示されている。
サーバ側記憶部170が設備管理情報を記憶しておくことで、サーバ装置100は、予約情報に示される設備に応じて、当該設備を利用するために用いられる設備関連物品の格納場所を特定することができる。そして、サーバ装置100は、特定した格納場所から設備関連物品を取出可能にさせる指示を、物品管理装置200に送信することができる。
【0040】
図5は、サーバ側表示部120による利用状況管理情報の表示例を示す図である。利用状況管理情報は、設備関連物品が物品管理装置200にあるか(返却されているか)否かを示す情報である。
図5に示す利用状況管理情報では、設備毎に、当該設備を識別する設備コードと、当該設備を利用するために用いられる設備関連物品の格納場所を示す物品管理装置名およびホルダーNo.と、当該設備関連物品が返却されているか否かのホルダー状況とが示されている。さらに、設備関連物品が返却されている場合は、その設備関連物品の最終利用者(直近の設備利用者)および最終利用日時が示されている。最終利用者および最終利用日時として、例えば、設備関連物品の返却者および返却日時を用いることができる。
設備関連物品が返却されていない場合(ホルダー状況が「取出」の場合)、最終利用者および最終利用日時として、設備管理物品を物品管理装置200から取り出した者、および取出日時を用いるようにしてもよい。
【0041】
サーバ側記憶部170が利用状況管理情報を記憶しておくことで、サーバ装置100は、設備関連物品の返却の有無に応じた処理を行うことができる。例えば、次の予約における利用開始予定時刻が近づいたとき、サーバ装置100は、設備関連物品が返却されている場合は、当該設備関連物品を次の予約における利用者が取出可能にするように、物品管理装置200に指示し、設備関連物品を取出可能である旨を利用者に通知する。
【0042】
サーバ側制御部180は、サーバ装置100の各部を制御して各種処理を実行する。サーバ側制御部180は、サーバ装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、サーバ側記憶部170からプログラムを読み出して実行することで構成される。
【0043】
スケジュール管理部181は、設備の利用予約を管理する。特に、スケジュール管理部181は、予約管理システム1のユーザがクライアント装置400にて行うユーザ操作に基づいて、予約の登録、更新および削除を行う。
以下では、予約の登録、更新および削除の何れかのユーザ操作を行うものを予約操作者と称する。予約操作者のうち、予約の登録のユーザ操作を行う者を登録者(予約の登録者)と称する。また、予約に対するキャンセル待ちのユーザ操作を行う者も登録者(キャンセル待ちの登録者)と称する。キャンセル待ちの登録者は、キャンセル待ちが予約に繰り上がることで、予約の登録者になる。
【0044】
予約の登録に関し、スケジュール管理部181は、クライアント装置400でのユーザ操作による予約の登録要求を受けると、登録済みの予約とのスケジュールの重なりの有無を判定する。スケジュールが重なる予約が無いと判定した場合、登録要求された予約をサーバ側記憶部170に記憶させることにより、予約の登録を行う。ここでいうスケジュールは、設備利用のスケジュール(特に、利用対象の設備および利用予定日時)である。ここでいうスケジュールが重なるとは、利用対象の設備が同じであり、かつ、利用予定日時の少なくとも一部が重なることである。
【0045】
一方、登録要求を受けた予約のスケジュールが登録済みの予約のスケジュールと重なっていると判定した場合、スケジュール管理部181は、予約の登録を行わない。この場合、スケジュール管理部181は、予約の登録要求ではなく予約に対するキャンセル待ちの登録要求を受け付け、キャンセル待ち管理部182にてキャンセル待ちの登録を行う。
予約に対するキャンセル待ちとスケジュールが重なる予約が、当該予約のキャンセル等によって無くなった場合、キャンセル待ち繰上げ部184が、そのキャンセル待ちを予約に繰り上げる。該当するキャンセル待ちが複数ある場合、キャンセル待ち繰上げ部184は、何れか1つのキャンセル待ちを予約に繰り上げる。
予約を取り消すことを、予約のキャンセルとも称する。キャンセル待ちを取り消すことを、キャンセル待ちのキャンセルとも称する。
【0046】
キャンセル待ち管理部182は、利用予約に対するキャンセル待ちを管理する。
キャンセル待ち受付部183は、利用予約に対するキャンセル待ちを受け付ける。具体的には、キャンセル待ち受付部183は、クライアント装置400でのユーザ操作によるキャンセル待ちの登録要求を受け付けて、キャンセル待ちの登録を行う。
【0047】
特に、キャンセル待ち受付部183は、複数の設備の利用予約に対するキャンセル待ちを受け付ける。そして、キャンセル待ち受付部183は、複数のキャンセル待ちをグループ化する。例えば、キャンセル待ち受付部183は、同一のユーザが同一の時間帯に同種の複数の設備の利用予約に対するキャンセル待ちの登録要求を行った場合に、これらのキャンセル待ちをグループ化する。キャンセル待ち受付部183が、ユーザの指示に従ってキャンセル待ちのグループ化を行うようにしてもよい。あるいは、キャンセル待ち受付部183が、自動的にキャンセル待ちのグループ化を行うようにしてもよい。
【0048】
例えば、ユーザが社用車を利用したい時間帯に、全ての社用車が既に予約されている場合、ユーザは、社用車を利用できる可能性を高めるために、複数の社用車のキャンセル待ちを行う(キャンセル待ちの登録を受ける)ことができる。ユーザが、何れか1台の社用車のみを利用できればよい場合、キャンセル待ちしている利用予約の何れかがキャンセルされて社用車を利用可能になったときに、他のキャンセル待ちを取り消すことで、他のユーザが社用車を利用できる可能性が高まる。そこで、キャンセル待ち受付部183は、上記のようにキャンセル待ちのグループ化を行う。そして、キャンセル待ち繰上げ部184が、グループ化されているキャンセル待ちの何れかを利用予約に繰り上げる場合、そのグループの他のキャンセル待ちを取り消す。
【0049】
例えばユーザが、クライアント装置400でのユーザ操作にてキャンセル待ちの登録要求を行う際に、キャンセル待ちのグループ化の可否を設定するようにしてもよい。
また、キャンセル待ち繰上げ部184が、自動的にキャンセル待ちを取り消すようにしてもよいし、キャンセル待ち関連通知処理部194が、キャンセル待ちの取り消しをユーザに促すようにしてもよい。
【0050】
また、キャンセル待ち受付部183は、1つの設備の利用予約に対する複数のキャンセル待ちを受け付ける。そして、キャンセル待ち受付部183は、1つの設備の利用予約に対する複数のキャンセル待ちを受け付けた場合にキャンセル待ちの優先順位を決定する。キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちのうち利用予約に繰り上げるキャンセル待ちを、優先順位に基づいて選択する。
【0051】
以下では、キャンセル待ち受付部183が、キャンセル待ちを受け付けた順番(時間順)で優先順位を決定する場合を例に説明する。但し、キャンセル待ち受付部183がキャンセル待ちの優先順位を決定する方法は、受付順番による方法に限定されない。例えば、キャンセル待ち受付部183が、キャンセル待ちの登録要求を行ったユーザの所属部署や役職等に応じてキャンセル待ちの優先順位を決定するようにしてもよい。
【0052】
キャンセル待ち繰上げ部184は、キャンセル待ちの繰上げ処理を行う。具体的には、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちを繰り上げる。また、利用予約(に基づく設備利用)が利用終了予定時刻よりも早く終了して設備関連物品が返却された場合、キャンセル待ち繰上げ部184は、終了した利用予約に対するキャンセル待ちを繰り上げる。
【0053】
キャンセル待ち繰上げ部184は、スケジュール管理部181に対して利用予約の登録を指示することで、キャンセル待ちの利用予約への繰上げを行う。
また、上述したように、キャンセル待ち繰上げ部184は、1つのグループについて、いずれかのキャンセル待ちが利用予約に繰り上げられた場合、そのグループの他のキャンセル待ちを取り消す。
【0054】
また、上述したように、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちのうち何れか1つを、利用予約に繰り上げるキャンセル待ちとして選択する。その際、キャンセル待ち繰上げ部184は、キャンセル待ちの優先順位に基づいて、キャンセル待ちを選択する。例えば、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約に繰上げ可能なキャンセル待ちのうち、優先順位が最も高いキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。ここでいう利用予約に繰上げ可能なキャンセル待ちは、スケジュールが重なる(バッティングする)利用予約が無いキャンセル待ちである。
【0055】
1つのキャンセル待ちが複数の利用予約に対するキャンセル待ちとなっている場合、これら複数の利用予約のうち何れか1つがキャンセルされただけでは、利用予約に繰上げ可能とはならない。そこで、キャンセル待ち繰上げ部184は、キャンセルされた利用予約のみに対するキャンセル待ち、従って、現存する他の利用予約と利用日時が重なっていないキャンセル待ちのうち、優先順位が最も高いキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。ここでいう現存する利用予約は、終了しておらず、かつ、キャンセルされていない利用予約である。
【0056】
また、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約における利用開始予定時刻から所定時間が経過しても当該利用予約における予約対象設備の設備関連物品が物品管理装置200から取り出されていない場合、当該利用予約に対するキャンセル待ちを繰り上げる。
後述するように、利用予約における利用開始予定時刻から、予め定められている予約キャンセル時間が経過した後に、取消処理部193が、設備関連物品が取り出されていないことを検知すると、スケジュール管理部181が当該利用予約をキャンセルする。このキャンセルによってキャンセル待ちを利用予約に繰上げ可能になった場合、キャンセル待ち繰上げ部184は、繰上げ可能なキャンセル待ちのうち、優先順位が最も高いキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。
【0057】
また、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約における利用終了予定時刻より前に当該当該利用予約における予約対象設備の設備関連物品が返却された場合、当該利用予約に対するキャンセル待ちを繰り上げる。
後述するように、スケジュール管理部181は、利用予約の早期終了を検出すると、その利用予約を終了させて(利用終了予定時刻を早めて)新たな利用予約を受け付ける。ここでいう利用予約の早期終了は、当該利用予約における利用終了予定時刻前に設備関連物品が返却されて新たな利用予約を受け付け可能な状態になったことである。
キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約の早期終了によってキャンセル待ちを利用予約に繰上げ可能になったことを検出すると、繰上げ可能なキャンセル待ちのうち、優先順位が最も高いキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。
【0058】
図6から
図16を参照して、利用予約およびキャンセル待ちの登録について説明する。
図6は、クライアント装置400が表示する設備検索画面の例を示す図である。
図6に示す設備検索画面には、利用日時欄と、分類欄と、収容人数欄と、種別・備品欄と、検索ボタンとが設けられている。
利用日時欄は、設備を利用する予定日時の入力欄である。設備を利用する予定日時を利用予定日時と称する。
【0059】
また、利用日時欄には、「空き設備のみ表示」のチェックボックスが示されている。「空き施設のみ表示」のチェックボックスは、利用予定日時に利用予約が入っていない設備のみを表示するためのチェックボックスである。ユーザは、利用予約を行うがキャンセル待ちは行わない場合に、「空き設備のみ表示」のチェックボックスをチェックする。チェックボックスのチェックは、例えばチェックボックスをマウスクリックすることで行われる。
「空き設備のみ表示」のチェックボックスがチェックされている場合、スケジュール管理部181は、分類等の条件に当てはまる設備のうち、利用予定日時に利用予約が入っていない設備のみを検索する。
【0060】
分類欄は、設備の分類を示す欄である。ユーザは、分類欄に示される分類のうち、予約したい設備が該当する分類のチェックボックスをチェックする。複数の分類のチェックボックスがチェックされている場合、スケジュール管理部181は、何れか1つ以上の分類に当てはまる設備を検索する。
図6では、設備の分類として、その設備が配置されている場所やその設備を主に管理する部署が示されている。但し、設備の分類は、場所や部署等による分類に限定されない。例えば、「社用車」、「会議室」など、設備の種類を設備の分類として用いるようにしてもよい。
また、分類欄に、個々設備のチェックボックスが示されるなど、個々の設備を直接選択可能になっていてもよい。
【0061】
収容人数欄は、設備の利用人数の入力欄である。例えば、設備が社用車である場合、ユーザは、収容人数欄に乗車予定の人数を入力する。また、設備が会議室である場合、ユーザは、会議の参加予定者の人数を入力する。
スケジュール管理部181は、収容人数に入力される人数以上の定員の設備を検索する。
収容人数の入力に加えて、あるいは代えて、利用者の氏名など利用者を識別可能な情報を入力できるようにしてもよい。
【0062】
種別・備品欄は、「乗用車」または「貨物車」など設備の種別、または、「看板」、「スタッドレスタイヤ」、「スピーカ」の有無など備品等の検索条件の入力欄である。
スケジュール管理部181は、種別・備品欄に入力された条件を満たす設備を検索する。例えば、スケジュール管理部181は、種別・備品欄に入力された条件を全て満たす設備を検索する。
【0063】
検索ボタンは、利用日時欄、分類欄、収容人数欄、および、種別・備品欄に入力された条件での検索を指示する操作のボタンである。クライアント装置400は、検索ボタンが押下(例えばマウスクリック)されると、利用日時欄、分類欄、収容人数欄、および、種別・備品欄に入力された条件をスケジュール管理部181に示して、当てはまる設備の検索を要求する。
【0064】
図7は、クライアント装置400が表示する検索結果画面の例を示す図である。クライアント装置400は、スケジュール管理部181による設備の検索結果を検索結果画面に表示する。
図7に示す検索結果表示画面では、設備の検索にて抽出された車種A、車種B、車種Cの3つの社用車について、8時台から13時台までの予約状況が示されている。
検索結果画面は、ユーザが設備利用予約の登録またはキャンセル待ちの登録を要求する操作画面としても用いられる。
【0065】
検索結果画面の設備欄は、抽出された設備の名称および属性を示す。
図7の例では、設備として社用車が抽出されており、「車種A」、「車種B」、「車種C」との名称が示され、また、設備の属性として「バン」、「ワンボックス」との車のタイプ、および、自動車登録番号(ナンバープレートのナンバー)の4桁が示されている。
設備欄のカギマークは、設備関連物品の貸出の有無を示している。設備欄のカギマークが破線で示される場合、設備関連物品が貸出中であることを示す。
図7の例では、車種Aの場合および車種Bの場合がこれに該当する。
一方、設備欄のカギマークが実線で示される場合、設備関連物品が貸出中でない(物品管理装置が設備関連装置を格納している)ことを示す。
図7の例では、車種Cの場合がこれに該当する。
【0066】
また、
図7の例では、車種Aに予約1および予約5の2つの予約が登録されている。車種Bには、予約2および予約3の2つの予約が登録されている。車種Cには、予約4の1つの予約が登録されている。
図7の検索結果画面では、横軸が時間軸を示し、設備毎に、該当する時間帯に予約が示されている。
図7の例では現在時間は9時であり、マークM111が現在時間を示している。また、
図7の検索結果画面では、予約毎に、利用日時(設備利用予定の時間帯)と、登録者の名前とが示されている。予約に示されるカギマークは設備関連物品の貸し出しを示している。例えば、車種Aの設備関連物品(例えば、車の鍵)は、予約1の登録者である管理太郎に貸し出されている。
【0067】
また、
図7の検索結果画面では、
図6の利用日時で入力された時間帯(10時30分〜11時)が、線L111で囲まれている。線L112は、線L111の時間帯で予約が登録された場合の、事前取出時間を示している。事前取出時間は、設備関連物品を利用開始時刻よりも前もって取り出せる時間として予め定められている時間である。
図7の例では、事前取出時間は15分に設定されている。
また、線L113は、線L111の時間帯で予約が登録された場合の予約キャンセル時間を示している。利用開始時刻から予約キャンセル時間が経過するまでに設備関連物品を取り出さないと、予約がキャンセルされる。
図7の例では、予約キャンセル時間は15分に設定されている。
【0068】
線L111は、例えばマウスでのドラッグ操作等によって移動および変形可能である。ユーザは、線L111を移動および変形させて、利用したい設備の、利用したい時間帯を囲み、その状態で、「予約登録」ボタン、または、「キャンセル待ち登録」ボタンを押下する。画面に表示されるボタンの押下は、例えばマウスクリックで行われる。
【0069】
予約登録を行いたい場合、ユーザは、「予約登録」ボタンを押下する。スケジュール管理部181は、囲まれた設備かつ時間帯に予約が登録されていない場合、囲まれた設備かつ時間帯の予約を登録する。
一方、キャンセル待ち登録を行いたい場合、ユーザは、「キャンセル待ち」ボタンを押下する。スケジュール管理部181は、囲まれた設備かつ時間帯のキャンセル待ちを登録する。囲まれた設備かつ時間帯に予約が登録されていない場合、クライアント装置400が、サーバ装置100の指示に従って、予約登録可能である旨を表示するようにしてもよい。
【0070】
図6の設備検索画面で、ユーザが、「空き設備のみを表示」のチェックボックスをチェックした場合、クライアント装置400が、「予約登録」ボタンおよび「キャンセル待ち登録」ボタンのうち「予約登録」ボタンのみを表示するようにしてもよい。
【0071】
あるいは、クライアント装置400が、「予約登録」ボタンおよび「キャンセル待ち登録」ボタンに代えて、「予約/キャンセル待ち登録」ボタンを表示するようにしてもよい。この場合、スケジュール管理部181が、予約登録かキャンセル待ち登録かを自動判定する。具体的には、スケジュール管理部181は、囲まれた設備かつ時間帯に予約が登録されていない場合、囲まれた設備かつ時間帯の予約を登録する。一方、囲まれた設備かつ時間帯の一部でも予約が登録されている場合、スケジュール管理部181は、囲まれた設備かつ時間帯のキャンセル待ちを登録する。
「キャンセル待ちをグループ化する」チェックボックスは、上述したキャンセル待ちのグループ化の可否をユーザが設定するためのチェックボックスである。
【0072】
図8は、クライアント装置400が表示する操作画面でキャンセル待ちの登録範囲が設定された状態の第1例を示す図である。
図7では、利用日時の入力(
図6)に合わせて線L111が10時30分から11時の範囲を囲んでいた。これに対し、
図8では、線L121が10時30分から12時の範囲を囲んでいる点で、
図7の場合と異なる。それ以外は、
図8は
図7と同様である。
図8の線L112および線L113は
図7の場合と同様であり、
図7の場合と同じ符号を付している。
【0073】
10時30分から12時の時間帯で設備を利用したい場合、ユーザは、
図7の線L111から
図8の線L121のように線を変形して、設備を利用したい時間帯を線で囲むようにする。この状態で、ユーザが「キャンセル待ち登録」ボタンを押下することで、線で囲んだ設備および時間帯でのキャンセル待ちの登録要求を行う。
【0074】
図9は、キャンセル待ちの登録の第1例を示す図である。
図9は、
図8を参照して説明した画面操作によるキャンセル待ちの登録の例を示している。
図9は、
図8の例で登録要求があったキャンセル待ちにおける利用日時である10時30分から12時の時間帯における予約およびキャンセル待ちの登録の例を示している。予約/利用欄に示されるように、車種A、車種B、車種Cそれぞれについて、
図8に示される予約1、3、4が登録されている。また、
図8に示す画面操作で登録要求のあったキャンセル待ちにより、車種A、車種B、車種Cの何れにも、10時30分から12時の時間帯で、優先順位1のキャンセル待ちが登録されている。キャンセル待ちの登録者名(
図9の例では「収納武史」)は、例えばキャンセル待ちの画面操作時のログインユーザ名とする。
【0075】
図10は、クライアント装置400が表示する操作画面でキャンセル待ちの登録範囲が設定された状態の第2例を示す図である。
図10は、
図9のようにキャンセル待ちが登録された状態での操作画面の例を示しており、予約1、3、4のそれぞれに、1件のキャンセル待ちがあることが示されている。
図10の例で、ユーザは、車種Aおよび車種Bについて11時から13時30分の時間帯の設備利用を設定し、「キャンセル待ち登録」ボタンを押下する。これにより、
図9に示されるキャンセル待ちに加えてさらにキャンセル待ちが登録される。
【0076】
図11は、キャンセル待ちの登録の第2例を示す図である。
図11は、
図10を参照して説明した画面操作によるキャンセル待ちの登録の例を示している。
図11は、
図8で登録要求があったキャンセル待ちにおける利用日時と、
図10で登録要求があったキャンセル待ちにおける利用日時とに共通する、11時から12時の時間帯における予約およびキャンセル待ちの登録の例を示している。予約/利用欄、および、キャンセル待ち優先順位:1欄に示される登録は、
図9の場合と同様である。
図11では、さらに、
図10の例で登録要求があったキャンセル待ちにより、車種Aおよび車種Bについて、11時から13時30分の時間帯で、優先順位2のキャンセル待ちが登録されている。
【0077】
図12は、クライアント装置400が表示する操作画面でキャンセル待ちの登録範囲が設定された状態の第3例を示す図である。
図12は、
図11のようにキャンセル待ちが登録された状態での操作画面の例を示しており、予約1、3のキャンセル待ちの件数が2件に増えている。また、予約5に1件のキャンセル待ちがあることが示されている。
図12の例で、ユーザは、車種A、車種Bおよび車種Cについて11時から12時30分の時間帯の設備利用を設定し、「キャンセル待ち登録」ボタンを押下する。これにより、
図11に示されるキャンセル待ちに加えてさらにキャンセル待ちが登録される。
【0078】
図13は、キャンセル待ちの登録の第3例を示す図である。
図13は、
図12を参照して説明した画面操作によるキャンセル待ちの登録の例を示している。
図13は、
図8で登録要求があったキャンセル待ちにおける利用日時と、
図10で登録要求があったキャンセル待ちにおける利用日時と、
図12で登録要求があったキャンセル待ちにおける利用日時とに共通する、11時から12時の時間帯における予約およびキャンセル待ちの登録の例を示している。予約/利用欄、キャンセル待ち優先順位:1欄、および、車種Aと車種Bとについてキャンセル待ち優先順位:2欄に示される登録は、
図11の場合と同様である。
図13では、さらに、
図12の例で登録要求があったキャンセル待ちにより、車種Aおよび車種Bについて、11時から12時30分の時間帯で、優先順位3のキャンセル待ちが登録され、車種Cについて、11時から12時30分の時間帯で、優先順位2のキャンセル待ちが登録されている。
クライアント装置400が、
図9、
図11および
図13に例示される、予約およびキャンセル待ちの登録を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、キャンセル待ちの状況を把握することができる。
【0079】
図14は、キャンセル待ちの繰り上がりの第1例を示す図である。
図13に示す予約およびキャンセル待ちの登録の状態で、優先順位1のキャンセル待ちにおける利用開始予定時刻の10時30分から、キャンセル待ちキャンセル時間の15分が経過した時点で、予約が存在することから優先順位1のキャンセル待ちを予約に繰り上げることはできない。この場合、キャンセル待ち管理部182は、優先順位1のキャンセル待ちを取り消す。これにより、優先順位2、3のキャンセル待ちの優先順位が繰り上がる。具体的には、
図14に示されるように、
図13で優先順位が2だったキャンセル待ちが優先順位1に繰り上がる。また、
図13で優先順位が3だったキャンセル待ちが優先順位2に繰り上がる。
【0080】
図15は、利用予約の終了時刻の繰り上がりの例を示す図である。
図15の例では、予約1の終了時刻が、
図7の場合の12時から11時50分に繰上げられている。この繰上げは、設備の利用者が設備関連物品を物品管理装置200に返却し、返却によって設備を利用可能になった場合に、スケジュール管理部181が行う。
【0081】
図16は、キャンセル待ちの繰り上がりの第2例を示す図である。
図15に示される利用予約の終了時刻(利用終了予定時刻)の繰り上がりにより、車種Aは、優先順位2のキャンセル待ちの時間帯11時から12時30分に利用可能になっている。
そこで、キャンセル待ち繰上げ部184は、車種Aの優先順位2のキャンセル待ちを、利用予約に繰り上げる。そして、キャンセル待ち繰上げ部184は、繰上げを行ったキャンセル待ちと同じグループのキャンセル待ちをキャンセルする(取り消す)。
【0082】
具体的には、キャンセル待ち繰上げ部184は、
図14の車種Bにおける優先順位2のキャンセル待ち、および、
図14の車種Cにおける優先順位1のキャンセル待ちをキャンセルする。
図16では、車種Aについて、
図14の優先順位2のキャンセル待ちが予約に繰上げられている。また、
図14の車種Bの優先順位2のキャンセル待ち、および、
図14の車種Cの優先順位1のキャンセル待ちがキャンセルされている。
【0083】
クライアント装置400が、予約登録画面またはキャンセル待ち登録画面を表示し、サーバ装置100が、登録画面への入力に応じて設備予約またはキャンセル待ちを登録、あるいはすでに登録された予約またはキャンセル待ちの登録内容の修正や詳細情報の追加入力等を行うようにしてもよい。クライアント装置400は、サーバ装置100の指示に従って、例えば以下の項目を含む予約登録画面またはキャンセル待ち登録画面を表示する。
【0084】
・施設名 :ユーザが選択した設備の名称が表示される。
・利用日時:利用予定日時が表示される。ユーザが、利用予定日時を確認し、必要に応じて修正する。
・申請者 :登録申請者(入力操作を行うユーザ自身)の氏名が表示される。
・利用種別:ユーザが、プルダウンリストから利用種別を選択する。
・利用内容:ユーザが、利用内容を入力する。
・利用者名:設備を利用するユーザの氏名が表示される。
・参加者 :参加者に登録されたユーザが設備関連物品を取り出すことができる。サーバ装置100が、参加者に対して各種メールを送信するようにしてもよい。
【0085】
連携部191は、サーバ装置100と他の装置とを連携させるための処理を行う。特に連携部191は、予約情報に従って物品管理装置200を制御し、利用者が予約した設備の設備関連物品を取り出せるように物品管理装置を動作させる。また、連携部191は、携帯端末装置800への、各種通知の送信処理を行う。
事前通知処理部192は、利用開始予定時刻よりも所定の事前取出時間だけ前の時点で、設備関連物品が物品管理装置200に返却されている場合、設備を利用可能になった旨を利用者にメールで通知する。
【0086】
図17は、事前通知処理部192が送信する設備利用準備完了通知メールの例を示す図である。事前通知処理部192は、サーバ側通信部110を介して携帯端末装置800へ、設備利用準備完了通知メールを送信する。事前通知処理部192が、携帯端末装置800に加えて、あるいは代えて、クライアント装置400へ設備利用準備完了通知メールを送信するようにしてもよい。
【0087】
図17に示すメールで、事前通知処理部192は、設備利用予約の内容、および、予約された設備を利用可能であることを、利用者であるユーザに通知している。
このメールによってユーザに設備利用予約をリマインドすることができる。
この通知を受けた利用者は、物品管理装置200から設備関連物品を取り出して、設備の利用を開始することができる。
【0088】
取消処理部193は、設備の利用予約における利用開始予定時刻から所定の予約キャンセル時間が経過するまでに物品管理装置200から設備関連物品の取出が無かった場合、スケジュール管理部181に予約を取り消させる。
スケジュール管理部181が予約をキャンセルすることで、予約されていた時間帯でも、他の利用者が新たな予約を設定することができる。新たな予約を設定した利用者が、当該設備を利用可能になる点で、設備の利用率の向上を図ることができる。
【0089】
図18は、取消処理部193が送信する設備利用予約キャンセル通知メールの例を示す図である。取消処理部193は、予約キャンセル時間の経過によってスケジュール管理部181が設備利用予約を取り消した場合に、サーバ側通信部110を介して携帯端末装置800へ、設備利用予約キャンセル通知メールを送信する。取消処理部193が、携帯端末装置800に加えて、あるいは代えて、クライアント装置400へ設備利用予約キャンセル通知メールを送信するようにしてもよい。
【0090】
図18に示すメールで、取消処理部193は、キャンセルされた予約の内容、および、当該予約がキャンセルされた旨を、利用者だったユーザに通知している。
このメールによってユーザは、予約がキャンセルされたことを認識し、新たな予約を行うなどの対応を行うことができる。
【0091】
キャンセル待ち関連通知処理部194は、キャンセル待ちに関する通知をメールで送信する。特に、キャンセル待ち関連通知処理部194は、キャンセル待ちが予約に繰り上げられた場合の通知、および、キャンセル待ちが時間切れにより自動的に取り消された場合の通知を、キャンセル待ちの登録者に対してメールにて行う。
図19は、キャンセル待ち関連通知処理部194が送信するキャンセル待ち繰上げ通知メールの例を示す図である。
【0092】
図19に示すメールで、キャンセル待ち関連通知処理部194は、キャンセル待ちの内容、および、そのキャンセル待ちが繰上げられて設備利用予約として登録されたことを、繰り上げられたキャンセル待ちの登録者であるユーザに通知している。
この通知を受けたユーザが、設備利用予約が登録されたこと、および、予約の内容を把握することで、予約を失念する可能性を軽減することができ、この点で設備の有効活用を図ることができる。また、ユーザは、メールに記載された予約内容を参照して必要な予約か否かを確認できる。予約が不要になっている場合、ユーザが予約をキャンセルする(取り消す)ことが期待され、予約のキャンセルによって新たな予約の登録が可能になる。
【0093】
図20は、キャンセル待ち関連通知処理部194が送信するキャンセル待ち取消通知メールの例を示す図である。
図20に示すメールで、キャンセル待ち関連通知処理部194は、キャンセル待ちの内容、および、そのキャンセル待ちが取り消されたことを、取り消されたキャンセル待ちの登録者であるユーザに通知している。
この通知を受けたユーザは、キャンセル待ちが取り消されたことを知ることができる。これによってユーザは、新たな予約またはキャンセル待ちの登録の要否を判断し、必要に応じて予約またはキャンセル待ちの登録要求操作を行うことができる。
【0094】
図21は、サーバ側表示部120によるシステム運用設定画面の表示例を示す図である。
図21に示すシステム運用設定画面には、メール送信有無欄と、事前取出時間欄と、キャンセル時間欄とが設けられている。
メール送信有無欄は、サーバ装置100が利用者に対して各種通知メールを送信するか否かを設定する欄である。
【0095】
事前取出時間欄は、事前取出時間を設定する欄である。利用者は、予約における設備の利用開始時刻の事前取出時間前から、設備関連物品を物品管理装置200から取り出せる。
キャンセル時間欄は、予約の自動キャンセルを行うか否かと、予約キャンセル時間と、キャンセル待ちの自動キャンセルを行うか否かと、キャンセル待ちキャンセル時間とを設定する欄である。
【0096】
予約キャンセル時間は、予約の自動キャンセルを行う場合の、キャンセルのタイミングを示す。予約キャンセル時間は、利用開始時刻からの経過時間にて設定される。
予約の自動キャンセルを行うように設定されている場合、サーバ装置100は、予約における利用開始予定時刻から予約キャンセル時間経過時に、予約されている設備の設備関連物品が既に物品管理装置200から取り出されているか否かを判定する。設備関連物品が取り出されていないと判定した場合、サーバ装置100は、予約をキャンセルする(取り消す)。
【0097】
サーバ装置100が予約を取り消すことで、予約されていた時間帯でも、他の利用者が新たな予約を設定することができる。例えば、取り消された予約に対するキャンセル待ちがある場合、サーバ装置100のキャンセル待ち繰上げ部184が、キャンセル待ちを予約に繰り上げることができる。新たに設定された予約における利用者が、当該設備を利用可能になる点で、設備の利用率の向上を図ることができる。
【0098】
キャンセル待ちキャンセル時間は、キャンセル待ちの自動キャンセルを行う場合の、キャンセルのタイミングを示す。キャンセル待ちキャンセル時間は、利用開始時刻からの経過時間にて設定される。
キャンセル待ちの自動キャンセルを行うように設定されている場合、サーバ装置100は、キャンセル待ちにおける利用開始予定時刻からキャンセル待ちキャンセル時間経過時に、キャンセル待ちの対象の設備の設備関連物品が既に物品管理装置200から取り出されているか否かを判定する。設備関連物品が取り出されていないと判定した場合、サーバ装置100は、キャンセル待ちをキャンセルする(取り消す)。
予約キャンセル時間とキャンセル待ちキャンセル時間とが同じ時間に設定されていてもよいし、異なる時間に設定されていてもよい。
サーバ側制御部180は、システム運用設定画面への入力に応じて各種設定を行う。
【0099】
図22は、物品管理装置200の機能構成を示す概略ブロック図である。
図22に示すように、物品管理装置200は、物品管理側表示部31と、物品管理側操作部32と、カードリーダ33と、保持部41と、収納部42と、カバーロック機構61と、全閉検出センサ62と、物品管理側制御部211と、物品管理側記憶部212と、報知音発生部213と、物品管理側通信部221とを備える。保持部41は、鍵ロック機構76と、表示ランプ81と、操作ボタン82と、ICタグリーダ85とを備える。収納部42は、表示ランプ81と、操作ボタン82と、引出ロック機構92と、押込検出センサ98と、有無検出センサ99とを備える。
また、
図22には、ICタグリーダ85に用いられるICタグ73と、カードリーダ33に用いられるIDカード34とが示されている。
物品管理装置200は、設備関連物品を格納する。上記のように、設備関連物品は、予約管理システム1で予約対象になっている設備を利用するための物品である。
【0100】
図23は、物品管理装置200の前カバーを開いた状態を示す正面図である。
以下の説明において、「前」は前後方向の前側つまり利用者から見て手前側であり、「後」は前後方向の後側つまり利用者から見て奥側であり、「左」は利用者から見て左側であり、「右」は利用者から見て右側である。
【0101】
図23に示すように、物品管理装置200は、
図22に示す各部に加えて前カバー13と、ヒンジ23とを備える。
装置本体12は、前面側が、その右側部分よりも左側部分の方が後側に位置するように段差状をなしている。装置本体12は、中央から左側部分が、前カバー13で開閉される開閉部21となっており、開閉部21よりも前側に突出する右側部分は、前カバー13で開閉されずに常時露出する前面構成部22となっている。前カバー13は、装置本体12の左端縁部に設けられたヒンジ23を介して一端側が装置本体12に回動可能に連結されており、開閉部21の前面を開閉する。
【0102】
装置本体12には、右側の前面構成部22の前面の上部に、日時、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する液晶ディスプレイからなる物品管理側表示部31が設けられており、その下側に、物品管理装置200の利用者による数字やカタカナ、アルファベット等の文字の入力操作がなされる物品管理側操作部32(入力部,設定部)が設けられている。
【0103】
また、これらの右側に、
図22に示すIDカード34が走査されると、このIDカード34からデータを読み取るカードリーダ33が設けられている。なお、物品管理側表示部31と物品管理側操作部32とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。
IDカード34は、ICチップを有する電子カードや磁気カード等からなるもので、物品管理装置200の利用が許可された全ての担当者にそれぞれ個別に準備されて他との識別のための個別の利用者識別情報等が記憶されている。
【0104】
装置本体12の前カバー13で開閉される開閉部21には、その前面位置に、物品を取出および返却可能に保管する複数の保持部41(保管部)と複数の収納部42(保管部)とが設けられている。保持部41は、上下方向の位置を合わせて左右方向に複数、具体的には10カ所並べられ、このように10カ所並べられた保持部41が、上下つまり高さ方向に複数段、具体的には2段並べられている。収納部42は、全ての保持部41よりも下側に配置されており、上下方向の位置を合わせて左右方向に複数、具体的には10カ所並べられている。但し、物品管理装置200が備える保持部41の数および配置は、
図23に示すものに限定されない。
【0105】
図24は、鍵本体、鍵ホルダーおよび保持部を示す斜視図である。
物品管理装置200は、
図24に示すように、一対一で対応する鍵本体51を保持する鍵ホルダー52を有しており、保持部41は、それぞれが一対一で対応する鍵ホルダー52を着脱可能に支持する。保持部41は、対応する鍵ホルダー52を取り外し不可となるようにロック状態で保持する。
【0106】
連結された鍵本体51および鍵ホルダー52が、鍵53を構成する。保持部41は、その保持の対象物品である保持対象物品(言い換えれば管理対象物品)としての鍵ホルダー52すなわち鍵53を保持する。
保持部41は、会議室の鍵53および社用車の鍵53など、サーバ装置100で予約対象となっている設備の鍵53を保持する。これらの鍵53は、設備関連物品の例に該当する。
【0107】
図23に示すように、装置本体12は、装置本体12の開閉部21の前面側に、前カバー13が閉状態にあるときに前カバー13に設けられた図示略の係合部をロックする電磁駆動式のカバーロック機構61を上下2カ所に有している。また、装置本体12は、装置本体12の開閉部21の前面側に、前カバー13が閉状態にあるときに前カバー13の図示略の検知部を検出することで前カバー13が全閉状態にあるか否かを検出する全閉検出センサ62を有している。カバーロック機構61は、前カバー13が閉じられたことを全閉検出センサ62が検出したことを条件に、係合部をロックして前カバー13を閉状態でロックする。また、カバーロック機構61は、駆動されて係合部のロックを解除する。
【0108】
図24に示すように、鍵ホルダー52は、着脱部材71と、この着脱部材71に鍵本体51を連結する連結部材72とからなっている。着脱部材71は、鍵ホルダー52を他の鍵ホルダー52と識別するための個別のホルダー識別情報が記憶された
図22に示すICタグ73を有している。
【0109】
図24に示すように、複数の保持部41は、それぞれ、鍵本体51に連結された鍵ホルダー52の着脱部材71が抜き差しされる個別の挿入穴75を有している。着脱部材71は、保持部41に対し着脱可能であって装着状態でロックされる。複数の保持部41は、それぞれ、挿入穴75に着脱部材71が差し込まれるとこれをロックして支持し、またロック解除可能な電磁駆動式の
図22に示す鍵ロック機構76を有している。
【0110】
また、
図24に示すように、複数の保持部41は、それぞれ、表示ランプ81が一体化された操作ボタン82を有している。操作ボタン82は、同じ保持部41を構成する挿入穴75と左右方向の位置を合わせて上下に近接している。操作ボタン82は、それぞれ同じ保持部41を構成する
図22に示す鍵ロック機構76によるロックを解除する際に押圧される操作ボタンであり、表示ランプ81は、消灯、点灯および点滅することで操作を案内する。
【0111】
保持部41において、例えば、サーバ装置100が管理する予約情報に基づいて、取出可能となっている鍵53を保持している保持部41の表示ランプ81が点灯して、取出可能な鍵53を案内する。
点灯している表示ランプ81と一体となっている操作ボタン82が押されると、この操作ボタン82が設けられた保持部41の鍵ロック機構76のロックが解除され、この保持部41から鍵ホルダー52が取り外される処理が行われる。
【0112】
また、複数の保持部41は、それぞれが、装着された着脱部材71の
図22に示すICタグ73と通信可能であって通信状態から非通信状態への切り替えで鍵ホルダー52すなわち鍵53の取出を検出し非通信状態から通信状態への切り替えで鍵53の返却を検出する物品検出手段としての
図22に示すICタグリーダ85を有している。このように、ICタグリーダ85は、管理対象物品としての鍵ホルダー52を含む鍵53の取出および返却を検出する。
【0113】
図25は、収納部42の斜視図である。
図25に示すように、複数の収納部42は、引き出し式であり、それぞれ、前方に引き出し可能であって後方に押し込み可能な引出部材91と、押し込まれた引出部材91を引き出し不可にロックし、またロック解除可能な電磁駆動式の
図22に示す引出ロック機構92とを有している。引出部材91は、上方に開口する箱形であり、鍵ホルダー52に取り付け不可あるいは取り付け可能であっても鍵ホルダー52に取り付けての保持部41への保持が不適な収納物を収納する。
【0114】
収納部42は、例えば社用車への給油の際に利用可能な法人用クレジットカードである給油カードおよびETC(登録商標)カードなど、予約対象となっている設備を利用する際に利用される物品を収納する。これらの物品は、設備関連物品の例に該当する。
以下では、物品管理装置200が保管する物品が設備関連物品のみである場合を例に説明するが、物品管理装置200が、設備関連物品以外の物品も保管するようにしてもよい。設備関連物品以外の物品の例として、サーバ装置100での予約対象外の設備を利用するための物品、および、特定の設備とは独立に利用される物品を挙げることができる。
【0115】
複数の収納部42は、それぞれ、表示ランプ81が一体化された操作ボタン82を有している。操作ボタン82は、同じ収納部42を構成する引出部材91と左右方向の位置を合わせて上下に近接している。操作ボタン82は、それぞれ同じ収納部42を構成する引出ロック機構92によるロックを解除する際に押圧される操作ボタンであり、表示ランプ81は、消灯、点灯および点滅することで操作を案内可能となっている。
【0116】
収納部42において、例えば、サーバ装置100が管理する予約情報に基づいて、取出可能となっている収納物を保持している収納部42の表示ランプ81が点灯して、取出可能な収納物を案内する。
点灯している表示ランプ81と一体となっている操作ボタン82が押されると、この操作ボタン82が設けられた収納部42の
図22に示す引出ロック機構92のロックが解除され、この収納部42から引出部材91が引き出し可能となる。この状態で引出部材91が引き出されて収納物が取り出され、その後、引出部材91が押し込まれる。
【0117】
複数の収納部42は、それぞれが、引出部材91が押し込まれた状態にあるか否かを検出する
図22に示す押込検出センサ98を有している。収納部42は、その保持対象物品としての収納物を保持する。複数の収納部42は、それぞれが、引出部材91に収納された収納物の有無を検出する物品検出手段としての
図22に示す有無検出センサ99を有している。有無検出センサ99は、光路が遮光されることで引出部材91に収納物があることを検出するフォトセンサや、引出部材91の底部上の重量変化を検出することで引出部材91に収納物があることを検出する重量センサ等である。
【0118】
物品管理装置200は、押込検出センサ98および有無検出センサ99の検出に基づいて管理対象物品としての収納物の取出および返却を検出する。すなわち、押込検出センサ98が引出部材91が押し込まれた状態にあることを検出し、有無検出センサ99がこの引出部材91内に収納物があることを検出している状態から、押込検出センサ98が引出部材91が押し込まれた状態にあることを検出し、有無検出センサ99がこの引出部材91内に収納物がないことを検出する状態になると、収納物が取り出されたことを検出する。また、この状態から、押込検出センサ98が引出部材91が押し込まれた状態にあることを検出し、有無検出センサ99がこの引出部材91内に収納物があることを検出する状態になると、収納物が返却されたことを検出する。
【0119】
図22に示す物品管理側記憶部212は、各種データを記憶する。物品管理側記憶部212は、物品管理装置200が備える記憶デバイスを用いて構成される。
物品管理側制御部211は、物品管理装置200の各部を制御して各種処理を行う。物品管理側制御部211は、例えば、物品管理装置200が備えるCPUが、物品管理側記憶部212からプログラムを読み出して実行することで構成される。物品管理側制御部211及び物品管理側記憶部212が、例えばマイコン(Microcomputer)などのコンピュータを用いて構成されていてもよい。あるいは、物品管理側制御部211が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて構成されるなど、物品管理装置200専用のハードウェアとして構成されていてもよい。
【0120】
報知音発生部213は、報知音を発生する。
物品管理装置200は、1つの設備に対して複数の設備関連物品を格納しており、かつ、複数の設備関連物品のうち一部のみが取り出された場合、物品管理側表示部31でのメッセージ表示および報知音発生部213からの報知音の発生により警報を出力する。例えば、物品管理装置200が、1台の社用車の鍵および給油カードを格納しており、鍵のみが取り出された場合、物品管理側表示部31が、給油カードが取り出されていない旨のメッセージを表示し、報知音発生部213が報知音を発生する。
これにより、設備関連物品の取出漏れが生じる可能性を低減させることができる。
【0121】
また、物品管理装置200は、1つの設備に対して複数の設備関連物品が取り出されており、かつ、複数の設備関連物品のうち一部のみが返却された場合、物品管理側表示部31でのメッセージ表示および報知音発生部213からの報知音の発生により警報を出力する。例えば、1台の社用車の鍵および給油カードが貸出中の状態にあり、これらのうち鍵のみが返却された場合、物品管理側表示部31が、給油カードが返却されていない旨のメッセージを表示し、報知音発生部213が報知音を発生する。
これにより、設備関連物品の返却漏れが生じる可能性を低減させることができる。
【0122】
物品管理装置200が警報を出力する方法は、物品管理側表示部31と報知音発生部213との組み合わせによる方法に限定されない。例えば、報知音発生部213からの報知音の発生無しに、物品管理側表示部31がメッセージを表示するようにしてもよい。あるいは、物品管理側表示部31によるメッセージの表示無しに、報知音発生部213が報知音を発生するようにしてもよい。あるいは、物品管理装置200が、または、物品管理装置200からの通知を受けたサーバ装置100が、利用者の携帯端末装置800に電子メール等のメッセージを送信するようにしてもよい。
【0123】
物品管理側通信部221は、他の機器と通信を行う。特に、物品管理側通信部221は、物品取出許可通知をサーバ装置100から受信する。物品取出許可通知は、予約情報に基づいて物品管理装置200から取出可能な設備関連物品、および、当該設備関連物品を取出可能な利用者を示す情報を含む。
また、物品管理側通信部221は、サーバ装置100からの要求に応じて物品取出情報および物品返却情報等の物品保管状況に関する情報をサーバ装置100へ送信する。例えば、物品取出情報は、物品管理装置200から取り出された設備関連物品、取出者、および取出日時を示す情報である。物品返却情報は、物品管理装置200に返却された設備関連物品、返却者、および返却日時を示す情報である。
【0124】
図26は、物品管理側操作部32の正面図である。
物品管理側操作部32は、
図26に示すように、いずれも押圧操作されると入力を検出する、文字キー231と、上キー232と、下キー233と、左キー234と、右キー235と、ENTERキー236と、複数のキーからなる文字入力キー群237と、CEキー238とを有している。
【0125】
上キー232、下キー233、左キー234および、右キー235は、物品管理側表示部31に表示されたカーソルや矢印表示をそれぞれの方向に移動させる際等に押圧操作される。ENTERキー236は入力確定時等に押圧操作される。文字入力キー群237は、数字、カタカナおよびアルファベット等の文字を入力する際に押圧操作される。CEキー238は入力した文字を消去する際および表示画面を前に戻す際等に押圧操作される。文字キー231は、文字入力キー群237を数字入力用とカタカナ入力用とアルファベット入力用とに切り替える際に押圧操作される。
【0126】
次に、物品管理装置200における設備関連物品の貸出(取出)および返却の手順について説明する。
予約管理システム1では、物品管理装置200に利用者登録されている者は、いつでも物品管理装置200の前カバー13を開くことができ、いつでも設備関連物品を返却できる設定になっている。
【0127】
一方、予約管理システム1では、ユーザは、サーバ装置100に設備の利用予約を登録した後、物品管理装置200から設備関連物品を取り出して設備を利用する運用となっている。このため、物品管理装置200に利用者登録されている者のうち、サーバ装置100が管理する予約にて設備の利用者として登録された者のみが、物品管理装置200から設備関連物品を取り出せる設定になっている。
上述したように、予約を登録した者だけでなく、予約において設備を利用する者として登録された者も利用者に該当し、物品管理装置200から設備関連物品を取り出せる。なお、設備を代理で予約する場合など、予約を登録した者(登録者)が利用者に含まれない予約も可能である。
【0128】
物品管理装置200が、前カバー13の閉じた待機状態にあるとき、物品管理側制御部211は、物品管理側表示部31にIDカード34のカードリーダ33への走査を促す待機表示画面を表示させている。
待機状態で、IDカード34が走査されると、カードリーダ33は、IDカード34からこれに予め記憶されている、他の利用者との識別のための個別の利用者識別情報を読み出す。
【0129】
物品管理側制御部211は、このIDカード34から読み出した利用者識別情報を、物品管理側記憶部212に予め記憶されている利用可能者リストと照らし合わせる。利用可能者リストは、物品管理装置200を利用可能な利用者の識別情報(利用者識別情報)を示すリストである。
この照合により、物品管理側制御部211は、設備関連物品の取出時および返却時に利用者(取出者および返却者)を特定する。カードリーダ33、物品管理側制御部211、および、物品管理側記憶部212の組み合わせは、ユーザ特定部の例に該当する。
【0130】
IDカード34から読み出した利用者識別情報と同じ利用者識別情報が利用可能者リストの利用者識別情報になければ、物品管理側制御部211は、物品管理側表示部31に、物品管理装置200を利用不可である旨を表示させると共に報知音発生部213に所定時間アラーム音を発生させて待機状態に戻る。
【0131】
IDカード34から読み出した利用者識別情報と同じ利用者識別情報が利用可能者リストの利用者識別情報にあると、物品管理側制御部211は、カバーロック機構61のロックを解除して前カバー13を開けるようにする。そして、物品管理側制御部211は、保持対象物品である鍵53あるいは収納物の取出であるか返却であるかの入力を促す表示画面を物品管理側表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0132】
取出が選択された場合、物品管理側制御部211は、利用者識別情報で識別した利用者に対して物品取出許可通知で取出を許可されている鍵53を保持している保持部41の表示ランプ81を点灯させる。また、物品管理側制御部211は、利用者識別情報で識別した利用者に対して物品取出許可通知で取出を許可されている収納物を収納している収納部42の表示ランプ81を点灯させる。当該利用者は、表示ランプ81が点灯している保持部41または収納部42あるいはそれら両方から、鍵53または収納物あるいはそれら両方を取り出すことができる。
一方、利用者識別情報で識別した利用者に対して物品取出許可通知で取出を許可されている鍵53も収納物もない場合、物品管理側制御部211は、いずれの表示ランプ81も点灯させない。この場合、当該利用者は、鍵53または収納物を物品管理装置200から取り出すことはできない。
【0133】
選択入力待ちの状態から返却が選択された場合、物品管理側制御部211は、鍵53が未返却の保持部41の表示ランプ81、および、物品が未返却の収納部42の表示ランプ81を点灯させる。利用者は、表示ランプが点灯している保持部41または収納部42に設備関連物品(鍵53または収納物)を返却することができる。
【0134】
次に
図27〜32を参照して予約管理システム1の動作について説明する。
図27は、予約管理システム1が設備の利用予約を受けて設備関連物品の取出に対応する処理手順の例を示すシーケンス図である。
図27の処理で、ユーザがクライアント装置400にてグループウェア等の利用予約画面で利用予約操作を行い(シーケンスS111)、サーバ装置100が予約情報を登録している(シーケンスS112)。
【0135】
サーバ装置100は、予約情報における利用開始予定時刻の事前通知時間前が到来したことを検知すると(シーケンスS113)、物品管理装置200における設備関連物品の取出状況を検知する(シーケンスS114)。
図27の例では、サーバ装置100は、物品管理装置200に設備関連物品が存在していること(返却されていること)を検知している。
【0136】
サーバ装置100は、
図5を参照して説明した利用状況管理情報を参照して設備関連物品の取出状況を検知する。例えば、設備関連物品の取出または返却がある毎に、物品管理装置200がサーバ装置100に設備管理物品の取出または返却をリアルタイムで通知する。サーバ装置100は、物品管理装置200からの通知に応じて利用状況管理情報をリアルタイムで更新する。これにより、利用状況管理情報を参照することで設備関連物品の取出状況を検知できる。
【0137】
設備関連物品があることを検知したサーバ装置100は、設備利用準備完了通知メールを利用者(登録者)の携帯端末装置800へ送信する(シーケンスS115)。
利用者の携帯端末装置800は、受信した設備利用準備完了通知メールを表示する(シーケンスS116)。
【0138】
また、サーバ装置100は、物品管理装置200に対して利用者が設備関連物品を取り出し可能な設定にするよう指示する(シーケンスS117)。物品管理装置200は、サーバ装置100からの指示に従って、利用者が設備関連物品を取り出し可能な設定にする(シーケンスS118)。具体的には、利用者は、物品管理装置200に自らの利用者IDを入力し、IDカードをカードリーダに通すことで認証を受ける。認証を受けることで物品管理装置200の扉を開けることができ、予約した設備の設備関連物品を取り出し可能になる。
利用者が設備関連物品を物品管理装置200から取り出すと(シーケンスS119)、物品管理装置200がサーバ装置100に対して設備関連物品の取出を通知する。これにより、サーバ装置100は、設備関連物品の取出を検知する(シーケンスS120)。
【0139】
図28は、予約管理システム1が設備の利用予約に対するキャンセル待ちを登録する際の処理手順の例を示すシーケンス図である。
図28の処理で、クライアント装置400は、キャンセル待ちの登録を要求するユーザ操作を受けて、キャンセル待ちの登録要求をサーバ装置100に通知する(シーケンスS161)。
通知を受けたサーバ装置100では、キャンセル待ち受付部183が、キャンセル待ちの登録を行う(シーケンスS162)。
【0140】
図29は、予約管理システム1が利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる際の処理の手順の例を示すシーケンス図である。
図29の処理で、サーバ装置100のキャンセル待ち繰上げ部184は、キャンセル待ちを利用予約に繰り上げる条件の成立を検知する(シーケンスS211)。
図29の例では、サーバ装置100は、条件が成立しているキャンセル待ちを検出している。
【0141】
キャンセル待ちを利用予約に繰り上げる条件は、そのキャンセル待ちで予定される設備利用の時間帯全体にわたって、その設備の利用予約が入っていないことである。この場合の利用予約には、そのキャンセル待ちよりも優先順位の高いキャンセル待ちが利用予約に繰上げられるものが含まれる。
【0142】
キャンセル待ちの繰上げを妨げる利用予約がなくなる場合の例として、該当する利用予約がユーザ操作により、または予約キャンセル時間の経過によりキャンセルされる場合が挙げられる。キャンセル待ちの繰上げを妨げる利用予約がなくなる場合のもう1つの例として、該当する利用予約における利用終了予定時刻が繰上げられて、利用予約が、キャンセル待ちで予定される設備利用の時間帯に重ならなくなる場合が挙げられる。利用予約における利用終了予定時刻が繰上げられる場合の例として、該当する利用予約について設備関連物品の早期返却が行われる場合が挙げられる。
【0143】
キャンセル待ちを利用予約に繰り上げる条件の成立を検知したキャンセル待ち繰上げ部184は、そのキャンセル待ちの内容を利用予約として登録し、キャンセル待ちを削除する(シーケンスS212)。これにより、キャンセル待ち繰上げ部184は、キャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。
また、キャンセル待ち関連通知処理部194は、キャンセル待ち繰上げ通知メールを生成し、サーバ側通信部110を介して携帯端末装置800へ送信する(シーケンスS213)。
キャンセル待ち繰上げ通知メールを受信した携帯端末装置800は、受信したキャンセル待ち繰上げ通知メールを表示する(シーケンスS214)。
キャンセル待ちからの繰上げによって登録された予約の扱いは、ユーザ操作によって登録された予約の扱いと同様である。
【0144】
図30は、サーバ装置100が、利用予約における予約開始予定時刻からの予約キャンセル時間の経過によって利用予約をキャンセルする際の処理手順の例を示すシーケンス図である。利用予約における予約開始予定時刻からの予約キャンセル時間の経過によって利用予約をキャンセルする場合は、キャンセル待ちを利用予約に繰上げることがある場合の1つに該当する。
【0145】
図30の処理で、サーバ装置100は、利用開始予定時刻から所定の予約キャンセル時間が経過した旨を検知すると(シーケンスS261)、物品管理装置200における設備関連物品の取出状況を検知する(シーケンスS262)。
図30の例では、サーバ装置100は、設備関連物品があることを検知している。従って、利用者は、まだ物品管理装置200から設備関連物品を取り出していない。
【0146】
物品管理装置200に設備関連物品があることを検知したサーバ装置100は、設備利用予約キャンセル通知メールを予約登録者の携帯端末装置800へ送信する(シーケンスS263)。
利用者の携帯端末装置800は、受信した設備利用予約キャンセル通知メールを表示する(シーケンスS264)。
【0147】
また、サーバ装置100は、予約をキャンセルする(シーケンスS265)。
また、サーバ装置100は、物品管理装置200に対して、設備関連物品を利用者が取出可能にしている設定を解除するよう指示する(シーケンスS266)。
物品管理装置200は、サーバ装置100からの指示に従って、設備関連物品を利用者が取り出し可能にしている設定を解除する(シーケンスS267)。
また、サーバ装置100は、利用予約に繰り上げ可能なキャンセル待ちを検知する(シーケンスS268)。利用予約に繰り上げ可能なキャンセル待ちがあった場合、予約管理システム1は、
図29を参照して説明した、利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる際の処理を行う。
【0148】
図31は、設備関連物品が利用終了予定時刻前に返却された場合にサーバ装置100が行う処理の手順の例を示すシーケンス図である。設備関連物品が利用終了予定時刻前に返却された場合は、キャンセル待ちを利用予約に繰上げることがある場合の1つに該当する。
【0149】
図31の処理で、サーバ装置100は、設備関連物品の返却を監視する(シーケンスS311)。ここでは、サーバ装置100は、利用終了予定時刻前に設備関連物品の返却を検知している。
【0150】
設備関連物品の返却を検知したサーバ装置100は、物品返却情報を更新する(シーケンスS312)。
また、サーバ装置100は、スケジュールを変更する(シーケンスS313)。具体的には、サーバ装置100は、設備関連物品が返却された利用予約における利用終了予定時刻を、設備関連物品が返却された時刻に繰り上げる。
【0151】
また、サーバ装置100は、利用予約に繰り上げ可能なキャンセル待ちを検知する(シーケンスS314)。利用予約に繰り上げ可能なキャンセル待ちがあった場合、予約管理システム1は、
図29を参照して説明した、利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる際の処理を行う。
【0152】
図32は、予約管理システム1がキャンセル待ちを取り消す際の処理手順の例を示すシーケンス図である。
図32の処理で、サーバ装置100のキャンセル待ち管理部182は、キャンセル待ちを取り消す条件の成立を検知する(シーケンスS361)。
キャンセル待ちを取り消す条件が成立する場合には、そのキャンセル待ちの登録者が取消操作を行った場合と、キャンセル待ちにおける利用開始予定時刻にキャンセル待ちキャンセル時間を加算したキャンセル待ちキャンセル時刻を経過した場合とがある。
【0153】
キャンセル待ちを取り消す条件の成立を検知したキャンセル待ち管理部182は、そのキャンセル待ちの登録を削除することで、キャンセル待ちを取り消す(シーケンスS362)。
また、キャンセル待ち関連通知処理部194は、キャンセル待ち取消通知メールを生成し、サーバ側通信部110を介して、取り消されたキャンセル待ちの登録者であるユーザの携帯端末装置800へ送信する(シーケンスS363)。
キャンセル待ち取消通知メールを受信した携帯端末装置800は、受信したキャンセル待取消通知メールを表示する(シーケンスS364)。
【0154】
以上のように、物品管理装置200は、設備を利用するための設備関連物品を格納する。サーバ側記憶部170は、設備の利用予約を示す予約情報を記憶する。連携部191は、予約情報に従って物品管理装置200を制御する。キャンセル待ち受付部183は、利用予約に対するキャンセル待ちを受け付ける。キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちを予約に繰り上げる。
予約管理システム1によれば、連携部191が予約情報に従って物品管理装置200を制御することで、設定されたスケジュールに従って鍵等の物品の貸出を管理できる。かつ、予約管理システム1によれば、キャンセル待ち受付部183により、キャンセル待ちに対応することができる。
【0155】
また、キャンセル待ち受付部183は、複数の設備の利用予約に対するキャンセル待ちを受け付ける。
予約管理システム1では、比較的多くの設備についてキャンセル待ちを行える点で、キャンセル待ちが利用予約に繰上げられる機会が比較的多い。繰上げられた利用予約における利用者が利用予約に従って設備を利用することで、設備の利用効率が高まる。予約管理システム1によれば、この点で、設備の利用効率が高まることが期待される。
【0156】
また、キャンセル待ち受付部183は、複数のキャンセル待ちをグループ化する。キャンセル待ち繰上げ部184は、1つのグループについて、いずれかのキャンセル待ちが利用予約に繰上げられた場合、そのグループの他のキャンセル待ちをキャンセルする。
キャンセル待ち受付部183が、このようにキャンセル待ちのキャンセルを行うことで、不要なキャンセル待ちをキャンセルして、他のキャンセル待ちが利用予約に繰り上がる可能性を高めることができる。繰上げられた利用予約における利用者が利用予約に従って設備を利用することで、設備の利用効率が高まる。この点で、予約管理システム1によれば、設備の利用効率が高まることが期待される。
【0157】
また、キャンセル待ち受付部183は、1つの設備の利用予約に対する複数のキャンセル待ちを受け付ける。
1つの設備の利用予約に対する複数のキャンセル待ちのうちの何れかが取り消された場合でも、他のキャンセル待ちが利用予約になり、その利用予約における利用者が利用予約に従って設備を利用することで、設備の利用効率が高まる。このように、予約管理システム1によれば、設備の利用効率が高まることが期待される。
【0158】
また、キャンセル待ち受付部183は、1つの設備の利用予約に対するキャンセル待ち、かつ、利用予定日時の少なくとも一部が重なる複数のキャンセル待ちを受け付けた場合にキャンセル待ちの優先順位を決定する。キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約がキャンセルされた場合、キャンセルされた利用予約に対するキャンセル待ちのうち利用予約に繰り上げるキャンセル待ちを、優先順位に基づいて選択する。
【0159】
キャンセル待ち受付部183が、優先順位に基づいてキャンセル待ちの繰上げを行うことで、繰り上げるキャンセル待ちを調整できる。例えば、先に登録されたキャンセル待ちの優先順位を高くすることで、各ユーザに公平にキャンセル待ちの繰上げを行うことができる。また、部署毎あるいは役職毎に設備利用の重要度が異なる場合、部署または役職に応じてキャンセル待ちの優先度を設定することで、重要なキャンセル待ちを優先的に利用予約に繰り上げることができる。また、参加者の人数が多い場合に優先度を高く設定するようにしてもよい。
【0160】
また、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約における利用開始予定時刻から所定の予約キャンセル時間が経過しても当該利用予約における予約対象設備の設備関連物品が物品管理装置200から取り出されていない場合、当該利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。
繰上げによって登録された利用予約における利用者が利用予約に従って設備を利用することで、設備の利用効率が高まる。このように、予約管理システム1によれば、設備の利用効率が高まることが期待される。
【0161】
また、キャンセル待ち繰上げ部184は、利用予約における利用終了予定時刻より前に当該利用予約における予約対象設備の設備関連物品が返却された場合、当該利用予約に対するキャンセル待ちを利用予約に繰り上げる。
繰上げによって登録された利用予約における利用者が利用予約に従って設備を利用することで、設備の利用効率が高まる。このように、予約管理システム1によれば、設備の利用効率が高まることが期待される。
【0162】
なお、サーバ装置100が行う処理の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、Webシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0163】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0164】
(変形例1)
物品管理装置200として、駐車場に設けられた監視カメラシステムを用いるようにしてもよい。この監視カメラシステムは、駐車場を撮影した画像から、車両の自動車登録番号、または、車両に記載されたバーコードなど、車両を識別する識別情報を読み取ってテキスト化し、サーバ装置100へ送信する。
サーバ装置100は、監視カメラが送信する情報に基づいて車両の貸し出し状況を確認し、車両の利用予約(貸し出し予約)およびキャンセル待ちの処理を行う。サーバ装置100は、駐車場で現存を確認できた車両を利用可能な車両として扱う。利用終了予定時刻よりも前に車両の現存を確認した場合、サーバ装置100は、その車両の利用予約の終了時刻を早めて、他の利用予約を登録できるようにする。
予約管理システム1がさらに鍵管理装置を備え、鍵管理装置では車両の鍵は取出中の状態であるが、駐車場に当該車両が所定時間以上存在する場合には、鍵を返却するように促す督促メールをユーザの携帯端末等に通知する。
【0165】
(変形例2)
物品管理装置200として、本人認証(ID、パスワード、生体認証等)により施解錠を制御する認証式ロッカーまたはセキュリティボックス等を用いるようにしてもよい。これら認証式ロッカーまたはセキュリティボックスを撮像した監視カメラ画像、あるいは、認証式ロッカーまたはセキュリティボックス内の物品の有無を検知するセンサ等を用いて、認証式ロッカーまたはセキュリティボックスに格納される物品の取出・返却を確認することが出来るようになる。
鍵管理機では、ホルダーとつなげる鍵の大きさに限界があるのに対し、これら認証式ロッカーまたはセキュリティボックスを用いる場合、車の鍵だけでなく、ETC(登録商標)カード、給油カード、運行管理ノートなども予約管理システム1の管理対象物とすることができる。