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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-107308(P2020-107308A)
(43)【公開日】2020年7月9日
(54)【発明の名称】駐車スポット検出システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/0969 20060101AFI20200612BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20200612BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20200612BHJP
【FI】
   G08G1/0969
   G08G1/14 A
   G01C21/26 B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-124962(P2019-124962)
(22)【出願日】2019年7月4日
(31)【優先権主張番号】107147399
(32)【優先日】2018年12月27日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】16/233,109
(32)【優先日】2018年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ ▲ユ▼翔
(72)【発明者】
【氏名】盧 ▲文▼翰
(72)【発明者】
【氏名】胡 家▲叡▼
(72)【発明者】
【氏名】李 則霖
(72)【発明者】
【氏名】廖 育萱
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129EE02
2F129EE78
2F129EE93
2F129EE94
2F129GG18
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC14
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF27
5H181KK01
5H181KK10
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】適切な駐車スポットを自動的に見つけるために駐車スポット情報を地図に統合することができる駐車スポット検出システムを提供する。
【解決手段】駐車スポット検出システムは検出装置、地図データベース及び処理装置を備える。検出装置は環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集する。地図データベースは地図データを提供する。処理装置は検出装置と地図データベースに結合され、隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかをデータポイントの強度データに基づいて決定し、前記幾何学的形状が駐車スペースのものであると決定される場合に、処理装置は更に、データポイントの位置データに基づいて前記幾何学的形状と前記駐車スペースの位置を前記地図データに統合する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集するために使用される検出装置、
地図データを提供するために使用される地図データベース、及び
前記検出装置と前記地図データベースに結合され、隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかを前記データポイントの強度データに基づいて決定するために使用される処理装置を備え、
前記処理装置は更に、前記幾何学的形状が前記駐車スペースのものであると決定される場合に、前記幾何学的形状と前記駐車スペースの位置を前記データポイントの位置データに基づいて前記地図データに統合する、
駐車スポット検出システム。
【請求項2】
前記処理装置は更に、前記幾何学的形状が駐車線の特徴と一致するかどうかを決定し、
前記処理装置は更に、前記幾何学的形状により決まるスペースのサイズがプリセットスペースのサイズ以上であるかどうかを決定し、
前記処理装置は更に、前記駐車線の特徴及び前記プリセットスペースのサイズと一致する前記幾何学的形状は前記駐車スペースのものであると決定する、請求項1に記載の駐車スポット検出システム。
【請求項3】
前記駐車線の特徴は平行四辺形の角度、平行四辺形の辺及び平行四辺形の形のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の駐車スポット検出システム。
【請求項4】
前記処理装置は更に、前記データポイントの前記強度データ及び位置データに基づいて前記幾何学的形状より上方に対応する高さデータを収集し、該高さデータが車両の高さ以上であるかどうかを決定し、
前記処理装置は更に、前記駐車線の特徴、前記プリセットスペースのサイズ及び前記車両の高さと一致する前記幾何学的形状は前記駐車スペースのものであると決定する、請求項2に記載の駐車スポット検出システム。
【請求項5】
前記処理装置は更に、前記地図データに基づいて前記幾何学的形状が移動物体のカテゴリに入るのか、非移動物体のカテゴリに入るのかを決定し、移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状をフィルタアウトする、請求項1に記載の駐車スポット検出システム。
【請求項6】
前記処理装置は更に、前記データポイントのいくつかを選択し、選択したデータポイントのうちで、高さに対応する軸上の最小座標値を有するデータポイントを基準として用い、該基準点より少なくともプリセット高さだけ高い軸上の他のデータポイントを除去する、請求項1に記載の駐車ポイント検出システム。
【請求項7】
前記処理装置は更に、車両の現在位置を収集し、前記統合された地図データ及び前記車両の現在位置に基づいて車両の駐車経路を計画する、請求項1に記載の駐車ポイント決定システム。
【請求項8】
前記処理装置に結合され、前記駐車経路に従って駐車を実行する駐車装置を更に備える、請求項7に記載の駐車スポット検出システム。
【請求項9】
環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集するステップ、
隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかを前記データポイントの強度データに基づいて決定するステップ、及び
前記幾何学的形状が駐車スペースのものであると決定される場合に、前記幾何学的形状及び前記駐車スペースの位置を前記データポイントの位置データに基づいて地図データに統合するステップ、
を含む、駐車スポット検出方法。
【請求項10】
前記隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかを前記データポイントの強度データに基づいて決定するステップは、
前記幾何学的形状が駐車線の特徴と一致するかどうかを決定するステップ、
前記幾何学的形状により決まるスペースのサイズがプリセットスペースのサイズ以上であるかどうかを決定するステップ、及び
前記駐車線の特徴及び前記プリセットスペースのサイズと一致する前記幾何学的形状は前記駐車スペースのものであると決定するステップ、
を更に含む、請求項9に記載の駐車スポット検出方法。
【請求項11】
前記駐車線の特徴は平行四辺形の角度、平行四辺形の辺及び平行四辺形の形のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の駐車スポット検出方法。
【請求項12】
前記データポイントの前記強度データ及び位置データに基づいて前記幾何学的形状より上方に対応する高さデータを収集し、該高さデータが車両の高さ以上であるかどうかを決定するステップ、及び
前記駐車線の特徴、前記プリセットスペースのサイズ及び前記車両の高さと一致する前記幾何学的形状は前記駐車スペースのものであると決定するステップ、
を更に含む、請求項10に記載の駐車スポット検出方法。
【請求項13】
前記地図データに基づいて前記幾何学的形状が移動物体のカテゴリに入るのか非移動物体のカテゴリに入るのかを決定し、移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状をフィルタアウトするステップを更に含む、請求項9に記載の駐車スポット検出方法。
【請求項14】
前記データポイントのいくつかを選択するステップ、及び
選択したデータポイントのうちで、高さに対応する軸上の最小座標値を有するデータポイントを基準として用い、該基準点より少なくともプリセット高さだけ高い軸上の他のデータポイントを除去するステップ、
を更に含む、請求項9に記載の駐車ポイント検出方法。
【請求項15】
車両の現在位置を収集し、前記統合された地図データ及び前記車両の現在位置に基づいて車両の駐車経路を計画するステップを更に含む、請求項9に記載の駐車ポイント決定方法。
【請求項16】
前記駐車経路に従って駐車を実行するステップを更に含む、請求項15に記載の駐車スポット検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検出技術に関し、特に駐車スポット検出システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が駐車場に入場するとき、車両のドライバはその駐車場にその車両に適した駐車スポットをあるかどうかをすぐに知ることはできない。ドライバは通常適切な駐車スポットを見つける前に周囲を2~3回乗り回す必要がある。従って、どのようにして素早くドライバに適切な駐車スポットの情報を提供するかが当業者の解決すべき課題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、適切な駐車スポットを自動的に見つけるために駐車スポット情報を地図に統合することができる駐車スポット検出システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、検出装置、地図データベース及び処理装置を備える駐車スポット検出システムを提供する。前記検出装置は環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集する。前記地図データベースは地図データを提供する。前記処理装置は前記検出装置と前記地図データベースに結合され、隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかを前記データポイントの強度データに基づいて決定し、前記幾何学的形状が駐車スペースのものである場合には、前記処理装置は前記幾何学的形状と駐車スペースの位置を前記データポイントの位置データに基づいて地図データに統合する。
【0005】
本発明は駐車スポット検出方法を提供し、該方法は以下のステップ:環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集するステップ、隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかを前記データポイントの強度データに基づいて決定するステップ、及び前記幾何学的形状が駐車スペースのものであると決定される場合には、前記幾何学的形状及び前記駐車スペースの位置を前記データポイントの位置データに基づいて地図データに統合するステップを含む。
【発明の効果】
【0006】
以上に基づき、本発明の駐車スポット検出システム及び方法は駐車スペースを検出し、検出した駐車スペースを地図に統合することができる。
【0007】
本発明の上記の及び他の目的及び利点を理解しやすくするために、いくつかの実施形態を添付図面とともに以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による駐車スポット検出システムの概略図を示す。
図2】本発明の一実施形態による駐車スポット検出システムの一つのシナリオの概略図を示す。
図3】本発明の一実施形態による駐車スポット検出方法の概略フローチャートを示す。
図4】本発明の別の実施形態による駐車スポット検出方法の概略フローチャートを示す。
図5】本発明の更に別の実施形態による駐車スポット検出方法の概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の一実施形態による駐車スポット検出システムの概略図を示す。図1を参照すると、駐車スポット検出システム100は検出装置110と、地図データベース120と、処理装置130とを備える。
【0010】
検出装置110は環境空間内の各物体の表面の関連情報を検出するために使用される。具体的には、検出装置110は環境空間の位置データ及び強度データを検出し、各物体に対応する位置データ及び強度データをデータポイントの形で示す。例えば、本実施形態では、検出装置110はライダー(光検出及び測距)である。ライダーは複数の光信号(例えばレーザ光)を周囲に放射し、各光信号は環境空間内を向こう側まで及び各物体の表面に広がる。従って、空間内で能動的に又は受動的に励起された各光信号が戻ることで得られる信号の強度に基づいて、ライダーは空間内の各データポイントに対応する位置データ及び強度データを収集する。環境空間内の3次元空間は位置データの各ピースに対応する強度に基づいて確立することができる。
【0011】
地図データベース120は地図情報を提供する。例えば、地図データベース120は様々なタイプのナビゲーション装置及び車両搭載装置で実現し得るが、本開示はそれらに限定されない。本開示の実施形態では、地図データベースはHD地図(高解像度地図)である。HD地図は、より詳しい運転及び道路情報を提供するために車両の現在経度及び緯度、高さ及びコース角度などの情報を提供し得る。HD地図は当業者に周知であり、ここでは詳細に説明しない。
【0012】
処理装置130は検出装置110及び地図データベース120に結合され、駐車スポット検出システム100において様々なタイプの動作を実行するために使用される。例えば、処理装置130は中央処理装置(CPU)、又は他のプログラマブル汎用又は専用マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の同様の要素又はそれらの組み合わせであるが、本開示はこれに限定されない。
【0013】
図2は本発明の一実施形態による駐車スポット検出システムの一つのシナリオの概略図を示す。図2を参照すると、図2に示すシナリオは図1に示す駐車スポット検出システムに対応する。本実施形態では、検出装置110は周囲空間を検出するために車両10より上に配置される。しかしながら、本開示は検出装置110の装着位置を車両より上に限定するものではない。加えて、駐車スポット検出システム100が動作するとき、車両10は移動状態であってよい。言い換えれば、駐車スポット検出システム100は移動している間連続的に動作し、駐車スポット20を繰り返し検出する。
【0014】
本発明の一つの応用ションシナリオでは、検出装置110は周囲の環境が車両10を収容可能な平らな場所を有するかどうかを決定するのみならず、車両10を収容可能な平らな場所の検出後に更にその平らな場所の高さが車両10を収容できるかどうかも決定することができる。例えば、図2の路側駐車のシナリオにおいては、木の枝や葉がひどく密集し車両10の高さより低ければ、車両10は駐車スポット20に駐車するとき枝や葉にぶつかる。言い換えれば、木の枝や葉が駐車スポット20に対する高さ制限となる。この時点で、検出装置110は駐車スポット20の上方に障害物が存在する状態を検出することができ、それにより駐車スポット20を除外することができる。本開示の別のシナリオにおいて、車両10が地下駐車場に入場する場合には、この時点で検出装置110が車両10を収容可能な平らな場所スペースの上方に障害物が存在するかどうかを検出し、例えば車両10がフロア高、機械式駐車スポットなどの高さ制限のために駐車できないかどうかを検出し、それによって車両10に適切な駐車スポットを見つける。詳細なプロセスは以下の説明を参照されたい。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態による駐車スポット検出方法の概略フローチャートを示す。図3を参照すると、駐車スポット検出方法は図1及び図2の実施形態による駐車スポット検出システム100に少なくとも適合する。本開示の駐車スポット検出システム100と駐車スポット検出方法の動作プロセスを図1~図3に従って以下で同時に説明する。
【0016】
ステップS310において、検出装置110が環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集する。
【0017】
ステップS320において、処理装置130が、隣接するデータポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかをデータポイントの強度データに基づいて検出する。
【0018】
具体的には、検出装置110が環境空間内に信号を送信し、位置データの各ピースで帰還される信号を受信する。位置データは環境空間に従って処理装置130により分割された座標値である。例えば、処理装置130は各データポイントの位置データを直角座標系を用いて記録することができるが、これに限定されない。空間位置をマークするために使用し得る任意の方法を本開示に適用することができる。更に、帰還信号の強度は障害物と信号との距離及び障害物の材料のために一貫性がないため、処理装置130はさらに位置データの各ピースで帰還される強度データに基づいて対応する環境空間の3次元空間を確立することができる。例えば、本開示の一実施形態では、アスファルト道路に対応する位置データと舗装マークに対応する位置データとの間の帰還信号強度データの差は約30%であるが、本開示はこれに限定されない。
【0019】
特に、処理装置130は、データポイントの強度データに基づいて同等の強度データを有する隣接するデータポイントを幾何学的形状とみなし、この幾何学的形状は三角形、四角形又は任意の異なる形のグラフとすることができる。しかしながら、処理装置130は、幾何学的形状の形とサイズが駐車スペースの特徴部とサイズと一致するときのみ、幾何学的形状が駐車スペースのものであると決定する。特定の詳細は更に後で説明される。
【0020】
ステップS330において、処理装置130は駐車スペースの幾何学的形状と位置データを地図データに統合する。
【0021】
詳細には、本発明の実施形態では、地図データはHD地図データある。さらに、処理装置130は位置データと強度データに基づいて決定される3次元空間内の各位置の障害物を明確に知ることができる。従って、処理装置130は駐車スペースの幾何学的形状を地図データに統合し、その幾何学的形状を駐車スペースのものであるとマークすることができる。
【0022】
図4は本発明の別の実施形態による駐車スポット検出方法の概略フローチャートを示す。本発明の処理装置130による、隣接データポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかをデータポイントの強度データに基づいて決定する方法の詳細を図4とともに以下で説明する。
【0023】
ステップS410において、処理装置130は幾何学的形状が移動物体のカテゴリに入るのか又は非移動物体のカテゴリに入るのかを地図データに基づいて決定し、移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状をフィルタアウトする。本開示の実施形態では、地図データは地図データベース120により予め設定され、提供される。処理装置130は更に受信した帰還信号の位置データ及び強度データに基づいて3次元空間を構築する。それゆえ、処理装置130は、地図データをこの3次元空間と比較することによって、地図データに存在する幾何学的形状とこの3次元空間は同時に長い間静止しているのであれば、非移動物体のカテゴリに入ると決定する。そうでなければ、処理装置130は地図データにのみ存在する幾何学的形状又は3次元空間にのみ存在する幾何学的形状が移動物体であると決定する。
【0024】
加えて、処理装置130は更に環境空間内で一定期間に亘り繰り返し収集される複数のデータポイントの位置データ及び強度データを積分し、統合した位置データ及び強度データに次数削減処理を実行して移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状をフィルタアウトする。具体的には、駐車スポット検出システム100が動作するとき、車両10は連続移動状態にあり得るため、車両10の連続移動過程において、検出装置110は車両10の移動方向に従ってデータポイントの位置データ及び強度データを連続的に収集する。この時点で、処理装置130が一定期間に亘り環境空間内で繰り返し収集される複数のデータポイントの位置データ及び強度データを積分すると、非移動物体のデータポイントは連続的に繰り返し収集されるが、移動物体の位置データ及び強度データは一定期間の一部のみで収集され、或いは環境空間内の広いエリアに分布する。それゆえ、一定期間の積分後に、移動物体の強度データは非移動物体の強度データより低くなる。次数低減処理によって、処理装置130は移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状をフィルタアウトすることができる。
【0025】
駐車スペースの幾何学的形状は非移動物体のカテゴリに入るため、移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状がフィルタアウトされた後で、処理装置130は低い演算で駐車スペースをより正確に取得することができる。移動物体のカテゴリに入る幾何学的形状をフィルタアウトする方法においては、処理装置130は地図データを3次元空間と比較する方法のみを採用してもよく、また一定の時間に亘り環境空間内で繰り返し収集される複数のデータポイントの位置データ及び強度データを積分し、積分した位置データ及び強度データに次数低減処理を実行する方法のみを採用してもよい。処理装置130は更に上記の2つの方法を同時に採用してもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0026】
ステップ420において、処理装置130はデータポイントのいくつかを選択し、選択したデータポイントのうちで、高さに対応する軸上の最小座標値を有するデータポイントを基準として用い、基準点よりプリセット高さ以上高い軸上の他のデータポイントを除去する。別の見方をすれば、軸は高さに対応するため、選択した基準点は地上に位置するデータポイントである。本発明の実施形態では、プリセット高さは5cm、10cm、50cm、100cm等にすることができ、本発明はプリセット高さをこれらの値に限定しない。プリセット高さが5cmであれば、処理装置130は基準点より5cm以上高いすべてのデータポイントを除去し、基準点より5cm未満の高さのすべてのデータポイントを維持する。従って、処理装置130は処理装置130の計算負荷をできるだけ低減するために地上のデータポイントのみを維持することができ、且つ処理装置130は駐車スペースをより正確に取得することもできる。駐車スペースを取得する際の処理装置130の計算により生じる負荷及び誤判断の低減のみに基づいて、処理装置130は演算プロセスを簡単にするために基準点よりプリセット高さ以上高いデータポイントを論理的に除去することに留意されたい。しかしながら、処理装置130が幾何学的形状が存在するかどうかを決定した後も、データポイントは対応する幾何学的形状の高さの判断又は他の目的のために連続的に供給されるが、本発明はこれに限定されない。
【0027】
本発明の異なる実施形態では、ステップS410及びステップS420は駐車スポット検出システム及び駐車スポット検出方法に独立に提供する又は同時に適用することができる。加えて、本発明の他の実施形態では、ステップS410及びS420は選択的に省略することもできるが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
ステップS430において、処理装置130は幾何学的形状が駐車線の特徴と一致するかどうかを決定する。本発明の実施形態では、駐車線の特徴は平行四辺形の角度、平行四辺形の辺及び平行四辺形の形状のうちの少なくとも1つを含む。例えば、幾何学的形状が平衡四辺形の角度と同じである場合、処理装置130は幾何学的形状が駐車線の特徴と一致すると決定する。幾何学的形状が特徴の何れとも一致しない場合には、処理装置130は幾何学的形状は駐車スペースの形状ではないと直接決定する。
【0029】
ステップS440において、処理装置130は幾何学的形状により決まるスペースのサイズがプリセットスペースのサイズ以上であるかどうかを決定する。本開示の実施形態では、プリセットスペースのサイズは、例えば幅2.5メートル及び長さ6メートルであり、またプリセットスペースのサイズは幅4メートル及び長さ12メートルとしてもよい。プリセットスペースのサイズは車両10の規定又はサイズ等の実際のニーズに従って調整されるが、本開示はこれに限定されない。更に、処理装置130は幾何学的形状により決まる領域がプリセットスペースのサイズ以上であるかどうか決定する。幾何学的形状により決まるスペースのサイズがプリセットスペースのサイズより小さい場合には、処理装置130はこの幾何学的形状は駐車スペースではないと決定する。
【0030】
本発明の他の実施形態では、処理装置130は幾何学的形状が注射線の特徴と一致すること及びプリセットスペースのサイズが駐車スペースのサイズであることを決定する。しかしながら、本実施形態では、処理装置130は下記のステップを実行し続ける。
【0031】
ステップS450において、処理装置130はデータポイントの位置データ及び強度データに基づいて幾何学的形状より上に対応する高さデータを収集し、その高さデータが車両の高さ以上であるかどうかを決定する。具体的には、処理装置130は、幾何学的形状が駐車スペースのものであると決定した後に、その平面より上方に対応する幾何学的スペース位置内の他のデータポイントの強度データを確認し、更にその強度データに基づいて幾何学的形状の上方に障害物が存在するかどうかを決定する。障害物が存在する場合には、対応する幾何学的形状の高さデータは平面と障害物との間の高さ(即ち、幾何学的形状の実効高さ)である。車両高さは車両10の駐車に必要な高さ、例えば1.5メートル、である。処理装置130は、高さデータが車両高さより低いと決定するとき、幾何学的形状は駐車スペースではないと決定する。
【0032】
ステップS460において、処理装置130は、駐車線の特徴、プリセットスペースのサイズ及び車両の高さと一致する幾何学的形状は駐車スペースのものであると決定する。従って、処理装置130は更にその幾何学的形状は駐車スペースのものであるとして地図データに統合し、マークすることができる。
【0033】
図5は本発明の更に別の実施形態による駐車スポット検出方法の概略フローチャートを示す。図5の実施形態は図1図4の駐車スポット検出システム100及び駐車スポット検出方法と組み合わせることができる。しかしながら、反復記載を避けるために、本実施形態の駐車スポット検出方法の動作プロセスは図1図2図3及び図5を参照して以下で説明される。
【0034】
図5を参照すると、ステップS510において、検出装置110が環境空間内の複数のデータポイントの位置データ及び強度データを収集する。ステップS520において、処理装置130が、隣接データポイントにより形成される幾何学的形状が駐車スペースのものであるかどうかをデータポイントの強度データに基づいて決定する。ステップS530において、処理措置130が、駐車スペースの幾何学的形状を地図データに統合する。ステップS510〜ステップS530はステップS310〜ステップS330と同じであり、詳細はここに再度記載しない。
【0035】
ステップ540において、処理装置130が車両10の現在位置を収集し、現在位置及び統合された地図データに基づいて車両10の駐車経路を計画する。言い換えれば、処理装置130は更に車両10の現在位置を決定し、それに応じて経路計画を実行して駐車経路を生成することができる。更に、処理装置130は統合地図データにナビゲーションを付与することができる。
【0036】
更に、本実施形態では、駐車スポット検出システム100は駐車装置を更に備える。例えば、駐車装置は、処理装置130に結合されたコントローラにより制御されるモータ、ステアリングホイール及び他のマシンにより一緒に実装することができる。駐車装置は当業者に容易に理解できるのでここでは詳細に説明しない。
【0037】
ステップS550において、駐車装置は駐車経路に従って自動駐車又は補助駐車を実行する。駐車装置は駐車経路に従って車両を駐車スペースに移動させる。更に、安全を確保するために、駐車装置は他の車両又は障害物が駐車スペースに存在するかどうか再度決定する。駐車スペースに車両も障害物もなければ、駐車装置は自動駐車又は補助駐車を実行する。
【0038】
従って、駐車スポット検出システム100及び駐車スポット検出方法は駐車スペースを地図データに統合することができる。更に、駐車スポット検出システム100及び駐車スポット検出方法は駐車スポットナビゲーションを提供することができ、更に自動駐車又は補助駐車に適用することができる。
【0039】
本発明を以上の実施形態において開示したが、本発明を限定することを意図するものではない。当業者なら本発明の精神及び範囲から逸脱することなくいくつかの変更及び修正を行うことができるので、本発明の保護範囲は添付の請求項の範囲によって決定される。
【産業上の利用性】
【0040】
駐車スポット検出システム及び駐車スポット検出方法はカーナビゲーションシステムなどの様々な情報処理システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10:車両
20:駐車スポット
100:駐車スポット検出システム
110:検出装置
120:地図データベース
130:処理装置
S310〜S330,S410〜S460,S510〜S550:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】
2020107308000001.pdf