特開2020-10738(P2020-10738A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-10738(P2020-10738A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】ネブライザキット及びネブライザ
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/02 20060101AFI20191220BHJP
【FI】
   A61M11/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-132924(P2018-132924)
(22)【出願日】2018年7月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000144371
【氏名又は名称】株式会社三幸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100180367
【弁理士】
【氏名又は名称】寺尾 康典
(72)【発明者】
【氏名】太田 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 隆寿
(72)【発明者】
【氏名】青木 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】八木 康夫
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吸入療法の効果を十分発揮すべく、疾患により吸入する薬剤が沈着する部位に対応して、部品を交換することなく、吸引するエアロゾルの粒子径を容易かつ正確に調節可能なネブライザキット及びネブライザを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るネブライザキット4は、噴霧する霧状体の粒子径を調整可能なネプライザキット4であって、薬液瓶24と、薬液瓶24内に配置されるノズルユニット26と、ノズルユニット26の上方に配置されるバッフル25と、を備え、バッフル25は、厚さの異なる複数のバッフル板を有し、バッフル25を薬液瓶24に対して移動して複数のバッフル板のうちの1つをノズルユニット26の上方に位置決めすることでノズルユニット26の上端面と1つのバッフル板の下端面との離間距離を調整するネプライザキット4である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧する霧状体の粒子径を調整可能なネプライザキットであって、
薬液瓶と、該薬液瓶内に配置されるノズルユニットと、該ノズルユニットの上方に配置されるバッフルと、を備え、
前記バッフルは、厚さの異なる複数のバッフル板を有し、前記バッフルを前記薬液瓶に対して移動して前記複数のバッフル板のうちの1つを前記ノズルユニットの上方に位置決めすることで前記ノズルユニットの上端面と前記1つのバッフル板の下端面との離間距離を調整するネプライザキット。
【請求項2】
前記バッフルは、該バッフルの外周に位置する回転部と、該回転部から中心方向に伸びる前記厚さの異なる複数のバッフル板とを有し、該バッフルを前記薬液瓶に対して回転させることにより前記ノズルユニットの上方に位置決めするバッフル板を選択する請求項1に記載のネブライザキット。
【請求項3】
前記バッフルの回転部を保持して前記薬液瓶上に配置される胴部をさらに備え、
前記胴部を前記薬液瓶に対して回転させることにより、前記バッフルを回転させる、請求項2に記載のネブライザキット。
【請求項4】
前記ノズルユニットは、前記胴部の中心から外壁方向に偏心した位置に配置される、請求項3に記載のネブライザキット。
【請求項5】
ネブライザ本体と、ネブライザホースと、請求項1〜4のいずれか一項に記載のネブライザキットを備える、ネブライザ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に呼吸器系の疾患を持つ患者が薬剤を吸入し、その症状の緩和を図る吸入療法用のネブライザキット及びネブライザに関する。
【背景技術】
【0002】
ネブライザは、水、食塩水、又は気管支等の疾患を治療する薬液等の液体を霧化することによってエアロゾルを生成する。ネブライザには、エアロゾルを生成する機構により、ジェット式と超音波式の2種類があり、ジェット式のネブライザは、ネブライザキットを有する。
【0003】
例えば、ジェット式のネブライザのネブライザキットとして、特許文献1に、ケース体の内部に、霧化部形成体が配置されている、ネブライザキットが開示されている。この霧化部形成体は、頂部に開口部が形成された吸液管形成部と、開口部の真上に位置するバッフル部と、吸液管形成部の外表面からバッフル部の側部に向かって延在するバッフル支持部とを有する。一方、ケース体の上部に取り付けられた流路形成体の底面には、エアロゾル排出口の開口部に連通する外気導入管が設けられている。霧化部は、バッフル部と圧縮空気導入管の上部先端部との間に形成される。
【0004】
霧化部において、圧縮空気導入管に導入された圧縮空気は、圧縮空気導入管の上部先端部からバッフル部に向かって吹き付けられる。その際、霧化部に生じる負圧の作用により貯留部から霧化部近傍に迄吸い上げられた液体は、負圧の作用によって霧化部へと噴き上げられ、圧縮空気と共にバッフル部に向けて吹き付けられる。液体はバッフル部に衝突して霧状粒子(微細な液滴)に変化し、ケース体の内部に導入された外気に霧状粒子が付与され、ケース体内部においてエアロゾルが生成される。エアロゾルは、エアロゾル排出口を通じて外部に排出される。
【0005】
一方、吸入療法の効果が十分発揮されるためには、吸入された薬剤が気道粘膜あるいは肺に効果的に沈着する必要があり、薬剤の粒子径が沈着させる部位により異なっている。例えば、細気管支に対しては比較的小さな粒子径(3〜5μm)のエアロゾルが、気管支に対しては比較的中程度の粒子径(5〜8μm)のエアロゾルが、咽頭に対しては比較的大きな粒子径(10〜20μm)のエアロゾルが好ましいとされている。しかしながら、特許文献1に係るネブライザキットでは、治療する部位に対応してエアロゾルの粒子径を変えるためには、バッフル部等の備品を交換しなければならない問題があった。
【0006】
これに対して、特許文献2に、外気導入管の高さ方向の位置を変更することにより、エアロゾルの粒子径を変更するネブライザキットが開示されている。しかしながら、当該ネブライザキットの構造は複雑であり、また、エアロゾルの粒子径を調整することが容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−285168号公報
【特許文献2】特開2012−000145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、吸入療法の効果を十分発揮すべく、疾患により吸入する薬剤が沈着する部位に対応して、部品を交換することなく、吸引するエアロゾルの粒子径を容易かつ正確に調節可能なネブライザキット及びネブライザを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るネブライザキットは、噴霧する霧状体の粒子径を調整可能なネプライザキットであって、
薬液瓶と、薬液瓶内に配置されるノズルユニットと、ノズルユニットの上方に配置されるバッフルと、を備え、
バッフルは、厚さの異なる複数のバッフル板を有し、バッフルを薬液瓶に対して移動して複数のバッフル板のうちの1つをノズルユニットの上方に位置決めすることでノズルユニットの上端面と1つのバッフル板の下端面との離間距離を調整するネプライザキットである。
【0010】
本発明に係るネブライザキットであれば、疾患により吸入する薬剤が沈着する部位に対応して、部品を交換することなく、吸引するエアロゾルの粒子径を容易かつ正確に調節可能である。また、ネブライザキットを洗浄し、組み立てるに際して、部品点数が少なく簡単な構造であることから、容易に組み立てることが可能で、また、ネブライザキットの取扱いに習熟していない患者などが組み立てても、所望のエアロゾルの粒子径を発生させることができる。
【0011】
本発明に係るネブライザキトのバッフルは、バッフルの外周に位置する回転部と、回転部から中心方向に伸びる厚さの異なる複数のバッフル板とを有し、
バッフルを薬液瓶に対して回転させることによりノズルユニットの上方に位置決めするバッフル板を選択するネブライザキットである。
【0012】
本発明に係るネブライザキットであれば、所望のエアロゾルの粒子径の選択を確実に行うことができる。
【0013】
本発明に係るネブライザキットは、バッフルの回転部を保持して薬液瓶上に配置される胴部をさらに備え、
胴部を薬液瓶に対して回転させることにより、バッフルを回転させる、ネブライザキットである。
【0014】
本発明に係るネブライザキットであれば、容易にバッフルを回転して所望のエアロゾルの粒子径の選択を行うことができる。
【0015】
本発明に係るネブライザキットのノズルユニットは、胴部の中心から外壁方向に偏心した位置に配置される、ネブライザキットである。
【0016】
本発明に係るネブライザキットであれば、エアロゾルの粒子径を更に容易かつ正確に調節可能である。
【0017】
本発明に係るネブライザは、ネブライザ本体と、ネブライザホースと、ネブライザキットを備える、ネブライザである。
【0018】
本発明に係るネブライザであれば、疾患により吸入する薬剤が沈着する部位に対応して、部品を交換することなく、吸引するエアロゾルの粒子径を容易かつ正確に調節可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、吸入療法の効果を十分発揮すべく、疾患により吸入する薬剤が沈着する部位に対応して、部品を交換することなく、吸引するエアロゾルの粒子径を容易かつ正確に調節可能なネブライザキット及びネブライザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本実施形態に係るネブライザの構成を示す外観図である。
図2図2は、本実施形態に係るネブライザキットの外観を示す正面図である。
図3図3は、本実施形態に係るネブライザキットの構成を示す分解斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係るネブライザキットのA−A断面図である。
図5図5は、本実施形態に係るネブライザキットのノズルユニットの拡大断面図である。
図6図6は、ネブライザキットでエアロゾルを発生させる機構を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、説明する。
【0022】
図1に、本実施形態に係るネブライザ1の構成を示す。ネブライザ1は、ネブライザ本体2、ネブライザホース3、ネブライザキット4、及びマウスピース5からなる。なお、ネブライザ1の一例としてポータブルタイプの吸入処置を行えるネブライザ本体2を示しているが、これに限らず、吸引吸入を行う装置であっても、病室の壁に設置された空気配管を利用するものであってもよい。
【0023】
ネブライザ本体2は、圧縮空気を発生するポンプを内蔵し、ネブライザホース3の基端を連結する空気吐出口11を有する。
【0024】
ネブライザホース3は、圧縮空気を送気するためのフレキシブルなチューブであり、基端がネブライザ本体2の空気吐出口11に連結され、先端がネブライザキット4のホース接続口31に配置されたノズル端32連結されている。
【0025】
図2に、ネブライザキット4を正面視した外観を、図3に各構成部品の構成を示す斜視図を、図4にネブライザキット4のA―A断面図を示す。また、図4のBの部分を、図5に拡大断面図として示す。ネブライザキット4は、中空の円筒体であり、上から順に、ネブライザキャップ21、胴部22、薬液瓶24が組み付けられている。ネブライザキャップ21は、底面が開口した中空の円筒状体であり、上端面の中心から胴部22を貫通して薬液瓶24の上部に位置する皿部23に達する軸35を有する。また、ネブライザキャップ21の上端面と側面の境界部に、斜め上方に伸長するマウスピース接続口33を有し、マウスピース接続口33には、マウスピース5が取り付けられる。
【0026】
胴部22は、底面が開口した中空の円筒状体であり、上端面には、軸35を貫通する孔と胴部22内で発生する薬液のエアロゾルがネブライザキャップ21に流入する粒子経路孔34が開口している。
【0027】
薬液瓶24は、中空半円筒状の薬液溜め29と、薬液溜め29の上端に広がる皿部23と、薬液溜め29の下方に位置するホース接続口31と、からなる。皿部23の中心部には、軸35の底面が接し、ネジでネブライザキャップ21、胴部23、及び薬液瓶24が組み付けられている。薬液瓶24の伸長方向のやや中央より下の位置に、ノズルユニット26を嵌め込む開口を有する隔壁30を有し、その上方は、約8mLの薬液を溜める薬液溜め29を形成している。一方、その下側は、底面より突き出したノズルユニット26のノズル端32よりも下方まで延伸してホース接続口31を形成し、ノズル端32とネブライザホース3の連結部を保護している。
【0028】
図5に、ノズルユニット26の拡大断面図(図4のBの部分)を示す。ノズルユニット26は、ノズル27とノズルキャップ28から構成される。ノズル26は、中空の円筒で、伸長方向の中央よりやや下の位置に径方向に拡がるフランジ状の鍔41を有する。ノズル26は、薬液瓶24の内側で、下端を薬液瓶底30の開口に挿通し、鍔41の下面を薬液瓶底30の上面に当接して、位置決めされている。ノズル27の上端部は、外径が階段状に細くなるとともに、内径も階段状に細くなり、ノズル27の上端に直径0.7mmの先端孔43が開口する。なお、本実施形態では、階段の段数は3段になっているが、ノズル26の中を通過する圧縮空気の量と流速により、3段に限られず、段数を選択すれば良く、先端孔43の直径も定めればよい。
【0029】
ノズルキャップ28は、中空の筒状体で、下端は開口しており、内径は、ノズル27の外径よりも僅かに大きく、上方よりノズル27に被さり、ノズルキャップ28の内面とノズル27の外面の間隙に、薬液が吸い上げられる流通孔44を形成している。ノズルキャップ28の内側上端付近には、複数の爪(不図示)を有し、ノズル27の階段状の部分にその爪が載り、ノズルキャップ28を保持している。また、ノズルキャップ28の下端は、鍔41の上面より僅かに上方に位置し、ノズルキャップ28の下端と鍔41の上面との間に薬液が流入する間隙を形成している。
【0030】
バッフル25は、回転部36と、厚さの異なる複数のバッフル板37と、中心盤38からなる円盤状体である。中心盤38は、中心に開口を有する円板状体で、その開口に軸35が貫通している。回転部36は、円盤の外周部に位置し、中心盤38から90度毎に配置された4本のバッフル板37が回転部36に伸びる。各バッフル板37の幅は、ノズルユニット26の上端面42を覆う幅を有する。また、各バッフル板37の板厚は、バッフル板37の下面とノズルユニット26の上端面42との間隙が、細気管支に対しては比較的小さな粒子径(3〜5μm)のエアロゾルが、気管支に対しては比較的中程度の粒子径(5〜8μm)のエアロゾルが、咽頭に対しては比較的大きな粒子径(10〜20μm)のエアロゾルが生じる板厚を有している。例えば、各バッフル板37の板厚は、圧縮空気の圧力が0.25MPa、流量が10Lのときに、バッフル板37の下面とノズルユニット26の上端面42との間隙(離間距離)が、細気管支に対しては0.9mm、気管支に対しては1.2mm、咽頭に対しては1.5mmになる板厚となっている。一方、4本目のバッフル板37は、更に大きな粒子径のエアロゾルが生じる板厚を有している。また、先端孔43の直径、各バッフル板37の下面とノズルユニット26の上端面42との離間距離は、圧縮空気の圧力と流量、エアロゾルの噴霧する流量によって、本実施形態に限定されることなく、適宜選定すれば良い。なお、バッフル板37枚数は、例えば、3枚であっても良く、噴霧するエアロゾルの粒子径の種類の数に応じて、定めればよい。また、バッフル板37の配置位置は、例えば、バッフル板37が4枚の場合に90度毎には限られず、各バッフル板37の間にエアロゾルの発生に支障がない空間が確保される間隔であれば、任意の角度で良い。
【0031】
バッフル25と胴部22は、胴部22の側壁の下端面に有する複数の突起53が、其々の突起53に対応する回転部36の上面に有するスリット状の突起受け54に挿入されて掛合しており、胴部22を回転させると、軸35を中心として、胴部22とバッフル25は一体となって回転する。胴部22は、胴部22の90度毎に配置されたストッパ溝51が皿部23に設けられたストッパ52に係止し、バッフル板37がノズルユニット26の直上に確実に位置するようになっている。
【0032】
ネブライザキット4は、ポロプロピレン(PP)からなる。なお、ネブライザキット4の材質は、ポリプロピレンに限られず、薬液と接触することから、吸水率が小さく、低溶出等の安全性を満たす材料であれば、良い。
【0033】
次に、ネブライザ1の使用方法について、説明する。
【0034】
先ず、ネブライザ本体2の空気吐出口11をネブライザホース3の一端に挿入し、他端に薬液を薬液溜め29に注入しマウスピースをマウスピース装着口に装着したネブライザキット4のホース接続口31を挿入する。次に、胴部22を回転し、薬液を投与する部位に対応するバッフル板37を選択した上で、ネブライザ本体2の電源を投入し、ネブライザ本体2から圧縮空気を送気する。
【0035】
図6は、ネブライザキット4のエアロゾルを発生させる機構を示す模式図である。斜線を施した矢印がネブライザ本体2から送気される圧縮空気の、黒色の矢印が薬液の、白抜きの矢印がエアロゾルの流れを示す。
【0036】
ネブライザ本体2から送気された圧縮空気は、ノズル端32からノズル27に流入し、先端孔43から噴き出し、バッフル板37に噴き付けられる。その際、ノズルユニット26とバッフル板37との間隙に生じた負圧の作用によって、薬液溜め29に貯留されている薬液(101)は、流通孔45を経由してキャップ孔44付近まで吸い上げられ、更にこの負圧によって圧縮空気と共にバッフル板37に噴き付けられる。薬液は、バッフル板37に衝突して霧状粒子となり、空気に付加されてエアロゾルが生成される。エアロゾルは、粒子経路34を経由して、マウスピース5から外部に排出される。なお、其々のバッフル板37の板厚が異なることから、ノズルユニット26とバッフル板37との間隙の離間距離が変わり、ノズルユニット26とバッフル板37との間隙に生じた負圧に応じて、薬液がバッフル板37に噴き付けられる圧力に対応するエアロゾルの粒子径を生じる。一方、大きな粒子径の薬液は、胴部22とネブライザキャップ21を隔離する隔壁30に衝突し、落下して薬液溜め29に戻ることから、所定量の薬液を確実に吸入することが可能である。
【0037】
なお、薬液の吸入治療が終了後、電源を切り、ネブライザキットを洗浄するが、ネジ1本で組み付けており、また、部品点数も少なく、構造も複雑でないことから、簡便に分解・組立が可能である。また、バッフル板37の板厚により、バッフル板37とノズルユニット26の上端面までの間隙の離間距離を定めていることから、ネブライザキット4の組み付け状況によって、離間距離が変化することなく、確実にエアロゾルの大きさを選択することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係るネブライザキット及びネブライザであれば、吸入療法の効果を十分発揮すべく、疾患により吸入する薬剤が沈着する部位に対応して、部品を交換することなく、吸引するエアロゾルの粒子径を容易かつ正確に調節可能なネブライザキット及びネブライザを提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…ネブライザ
2…ネブライザ本体
3…ネブライザホース
4…ネブライザキット
5…マウスピース
11…空気吐出口
21…ネブライザキャップ
22…胴部
23…皿部
24…薬液瓶
25…バッフル
26…ノズルユニット
27…ノズル
28…ノズルキャップ
29…薬液溜め
30…隔壁
31…ホース接続口
32…ノズル端
33…マウスピース接続口
34…粒子経路孔
35…軸
36…回転部
37…バッフル板
38…中心盤
41…鍔
42…上端面
43…先端孔
44…流通孔
51…ストッパ溝
52…ストッパ
53…突起
54…突起受け
101…薬液
図1
図2
図3
図4
図5
図6