【解決手段】カフ型モニタリング機器(10)は、ポンプを含む制御ユニット筐体(7)と、弾性カフホルダ(3)を含むカフ組立体(18)と、制御ユニット筐体に配置され、制御ユニット筐体と一体に、または別個の部品として設けられているインターフェース部材(6)とを備える。カフ組立体を制御ユニット筐体に結合するために、インターフェース部材を通して少なくとも1つの空気圧結合部および少なくとも1つの電気結合部が設けられ、弾性カフホルダは、2つの保持部材(38)を備え、インターフェース部材(6)は、保持部材にスナップ嵌めされるように構成されている2つの相補的保持部材(68)を備える。
前記インターフェース部材が、前記制御ユニット筐体と前記カフ組立体との間に介挿されて前記制御ユニット筐体と前記カフ組立体とを一緒に固着する別個の部品である、請求項1に記載のカフ型モニタリング機器。
2つのフックが、少なくとも5cm、または前記カフ組立体の高さの少なくとも50%である距離を互いから離間して設けられる、請求項4に記載のカフ型モニタリング機器。
短手方向に沿う孔に連結要素/ピンが設けられ、前記インターフェース部材が、連結ピンを受けるために前記短手方向に配置される短手方向孔を備える、請求項1に記載のカフ型モニタリング機器。
前記インターフェース部材が、前記制御ユニット筐体の方に向けられた第1の面と、前記カフ組立体の方に向けられた第2の面とを示し、前記第1の面が、凹状であり、前記制御ユニット筐体の円筒体に従うように構成されている、請求項1に記載のカフ型モニタリング機器。
前記インターフェース部材の中央部分には、電気ワイヤ接続用の少なくとも1つの貫通孔が設けられ、空気圧流体配管用の少なくとも1つの貫通孔がさらに設けられている、請求項1に記載のカフ型モニタリング機器。
ECG電極が、前記制御ユニット筐体の少なくとも一部の周りに配設され、前記インターフェース部材が、前記制御ユニット筐体上の前記ECG電極を確実に固定するように構成されている、請求項1に記載のカフ型モニタリング機器。
前記カフ組立体を前記インターフェース部材に組み付ける前に、前記カフ組立体とともに配置されたプラグを前記制御ユニット筐体の中に配置されたソケットに電気的に接続するステップ
をさらに含む、請求項16に記載の組立方法。
2つの保持部材を2つの相補的保持部材の中に挿入することによって、前記カフ組立体を前記インターフェース部材に前記組み付けるステップが、密に嵌合するように組み立てを行うステップを含む、請求項16に記載の組立方法。
2つの保持部材を2つの相補的保持部材の中に挿入することによって、前記カフ組立体を前記インターフェース部材に前記組み付けるステップが、前記保持部材を筐体表面と面一に接触させるステップを含む、請求項19に記載の組立方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の1つの態様によれば、個人ユーザに関する心血管データを収集するためのカフ型モニタリング機器が開示され、このカフ型モニタリング機器は、
- 少なくとも1つのポンプを含む制御ユニット筐体と、
- 弾性カフホルダを含み、使用に際して、個人の上肢を囲むように構成されているカフ組立体と、
- 制御ユニット筐体に配置され、制御ユニット筐体と別個の部品として設けられているインターフェース部材と
を備え、
カフ組立体を制御ユニット筐体に結合するために、インターフェース部材を通して少なくとも1つの空気圧結合部および少なくとも1つの電気結合部が設けられ、
弾性カフホルダは、2つの保持部材を備え、
インターフェース部材は、保持部材にスナップ嵌めされるように構成されている2つの相補的保持部材を備える。
【0004】
これらを配設することで、そのような機器の組立てが非常に簡単である。組み立てられた機器は、空気圧結合部および電気結合部が機器の外側から見えないので、美的である。
【0005】
本明細書においては、形状の参照記号は、インターフェース部材について次のように定義され得る:組立方向はRと表され、インターフェース部材の延伸軸はXと表され、インターフェース部材の短手方向はTと表されている。
【0006】
その上、次の特徴のうちの1つまたは複数は、オプションで使用することも、単独でまたは組合せでとることもできる。
【0007】
あるオプションによれば、インターフェース部材は、制御ユニット筐体とカフ組立体との間に介挿されてそれらを一緒に固着する別個の部品である。インターフェース部材は、制御ユニット筐体とは異なった材料から製造され得る。これらの2つの部品はそれぞれ、違いのある制約および機械的要件を有する場合がある。これらの2つの部品はそれぞれ、互いに独立して製造され、準備される。
【0008】
ある代替のオプションによれば、インターフェース部材は、制御ユニット筐体と一体に作製される。この場合には(図示せず)、3D印刷技術が、この部品を製造するのに使用され得、この技術により、複雑な3D形状を取得することが可能になる。
【0009】
あるオプションによれば、インターフェース部材は、制御ユニット筐体にねじ留めされる。ねじ留めは、よく熟知されており、締結機能について信頼できる機械的解決策をなす。
【0010】
インターフェース部材は、各ねじの円錐台形の貫通ボアを備えることができる。そのような貫通ボアはそれぞれ、インターフェース部材の面から突出しない皿頭ねじを受けるように設計されている。そのため、この組立てでは、面一(flush)になり、したがって、カフ組立体に威圧的にならない。取付けに2つまたは4つのねじを設けることができる。
【0011】
ある特定のオプションによれば、インターフェース部材は、平面X、Rに関して対称を示す。それによって、インターフェース部材は、むしろ製造が簡単である。
【0012】
ある特定のオプションによれば、インターフェース部材は、正中面Tmに関して対称を示す(
図6参照)。それにより、インターフェース部材を組み立てる際の誤りのおそれが防止される。
【0013】
ある特定のオプションによれば、インターフェース部材は、正平面Tmと、平面X、Rとに関する二重対称を示す。そのため、そのような品目の製造が、簡素化される。
【0014】
ある特定のオプションによれば、カフホルダは、一体構造の弾性部品とすることができる。
【0015】
あるオプションによれば、保持部材は、フックとして形成され得る。そのようなフックは、カフホルダ基線層から突出する。大きいフットプリント、すなわち、フックアーム輪郭自体よりも大きいフット(foot)/シュー(shoe)をこれらのフック用に設けることができ、それによって、カフホルダシートに対する強力な埋込みがもたらされ、したがって、大きい解体トルクに耐えることが可能になる。
【0016】
あるオプションによれば、少なくとも5cm、またはカフ組立体の高さの少なくとも50%である距離(E3)を互いから離間した2つのフックが設けられている。この場合、高さは、インターフェース部材の延伸軸Xに沿ってとられる。したがって、組立体は、大きい解体トルクに耐えることができる。
【0017】
あるオプションによれば、短手方向Tに沿う孔に受けられる連結部材(138)が設けられている。これらの連結部材により、相補的保持部材が保持部材から解体されないようになる。
【0018】
あるオプションによれば、インターフェース部材は、連結部材(138)を受けるための短手方向孔(168)を備え、前記短手方向孔は、いくつかの例では、直径が2mm未満である。機器の外側に見えるねじはなく、インターフェース部材は、薄く上品な部品とすることができるので有利である。
【0019】
あるオプションによれば、連結要素(138)は、連結ピンとして形成され得る。別のオプションによれば、連結要素(138)は、連結薄ねじ、たとえば、すり割り付き頭の棒状ねじとして形成され得る。
【0020】
あるオプションによれば、インターフェース部材(6)は、制御ユニット筐体(7)の方に向けられた第1の面(6A)と、カフ組立体の方に向けられた第2の面(6B)とを示し、第1の面は、凹状であり、制御ユニット筐体の円筒体に従うように構成されている。そのため、インターフェース部材と制御ユニット筐体との間の接触領域は最大化され、そのため、機械的取付けはより強力になる。
【0021】
あるオプションによれば、第2の面は、実質的に平らである。カフ組立体の接触は、滑らかであり、威圧的ではない。
【0022】
あるオプションによれば、両方の面ともに凹状であってもよく、特にインターフェース部材(6)の短手方向寸法を大きくできる場合、第2の面(6B)は、カフホルダの凹部に従うようにわずかに凹状を示すことができる。
【0023】
あるオプションによれば、カフホルダは、保持部材またはフックを内部に一体に形成した弾性プラスチック部品である。そのような部品は、製造しやすく、組立てが、簡素化される。
【0024】
あるオプションによれば、インターフェース部材は、いくつかの例では、6mm未満の、組立方向Rに沿う厚さ(6T)の細長い平らな部品、プラスチック部品である。それによって、そのような薄いインターフェース部材の場合、カフ型モニタリング機器は、美的な外観を示し、コンパクトな解決策になる。延伸軸に沿うインターフェース部材の長さは、いくつかの例では、少なくとも10cmである。
【0025】
あるオプションによれば、電気ワイヤ接続/結合用の少なくとも1つの貫通孔、および空気圧流体配管/結合用の少なくとも1つの貫通孔が、インターフェース部材の中央部分に設けられている。1つの多ワイヤ接続部が可能なだけでなく、2つの空気圧流体接続部も、インターフェース部材、すなわち、インターフェース部材の中に配置されている貫通孔の内部に設けられる。
【0026】
あるオプションによれば、制御ユニット筐体(7)の少なくとも一部の周りに配設されたECG電極(32)が設けられており、インターフェース部材(6)は、制御ユニット筐体上のECG電極を確実に固定するように構成されている。インターフェース部材は、追加の電気機能を有するので有利である。
【0027】
本開示はまた、個人ユーザに関する心血管データを収集するためのカフ型モニタリング機器を組み立てるための組立方法を対象とし、この方法は、
- 少なくとも1つのポンプを含む制御ユニット筐体(7)を用意するステップと、
- 弾性カフホルダ(3)を含むカフ組立体(18)を用意するステップと、
- インターフェース部材(6)を用意するステップと、
- インターフェース部材を制御ユニット筐体に固定するステップと、
- 2つの保持部材を2つの相補的保持部材の中に挿入することによって、カフ組立体をインターフェース部材に組み付けるステップと、
- 連結要素(138)を挿入することによって、カフ組立体をインターフェース部材に固着するステップと
を含む。
【0028】
あるオプションによれば、方法は、
- カフ組立体の中間部分をインターフェース部材から引き上げることによって、カフ組立体をインターフェース部材から解体するステップ
をさらに含むことができる。
【0029】
あるオプションによれば、方法は、
- カフ組立体とともに配置されたプラグを制御ユニット筐体の中に配置されたソケットに電気的に接続してから、カフ組立体をインターフェース部材に組み付けるステップ
をさらに含むことができる。
【0030】
あるオプションによれば、インターフェース部材は、ねじ留めによって制御ユニット筐体に固定される。
【0031】
本開示の他の特徴および利点は、非限定的な例として与えられたその実施形態のうちの1つの次の詳細な説明から、添付の図面を参照して明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
諸図においては、同じ参照記号は、同一または類似の要素を表している。明瞭にする目的で、部品の中には、意図的に他の部品に関して縮尺通りに表していないものもある。また、タイミング図の一部も、意図的に縮尺通りに表していない場合がある。
【0034】
図1は、本開示によるモニタリング機器を使用している構成における個人(また「ユーザ(user)」)Uを示している。この機器(他には「装置(apparatus)」と呼ばれる)は、(血圧モニタ(Blood Pressure Monitor)、すなわち、略言すれば「BPモニタ」という名称の)上腕血圧検知機器であり、以下で明らかになるように拡張機能を示し、したがって、「アップグレードしたBPモニタ(upgraded BP Monitor)」と呼ぶことができる。
【0035】
対象となっているユーザUは、その生体構造における器官および四肢の中でも特に、左腕BG、右腕BD、心臓H、左手MG、右手MDを有する。
【0036】
さらには、対象となっているユーザは、AAと表されている大動脈(「大動脈弓(aortic arch)」)、SCAと表されている鎖骨下動脈、XAと表されている腋窩動脈、BAと表されている上腕動脈を有し、これらは、一般にユーザの心血管系に属する。そのため、Pと記されている関心の血液経路は、心臓Hから上腕動脈BAにおける基準点までの流体導管として定義される。
【0037】
機器10は、スマートフォンE5のようなモバイルエンティティ(より概括的には、タブレット、ラップトップ…のようなユーザUに属するモバイル機器)により、データを交換できるワイヤレス通信性能を有する。そのようなスマートフォンE5は、ひいては、インターネットサーバE6のようなリモートエンティティ(より概括的には、いわゆる「クラウド(cloud)」リソースを排除しない、インターネット内の何らかのところで利用可能な任意のリソース)によりデータを交換することができる。
【0038】
スマートフォンE5によって提供されるユーザインターフェース性能は、機器の使用および拡張機能に関する支援ディスプレイに完全に関係しているので、モニタリング機器10は、小型のディスプレイを有するか、またはまったくディスプレイを有しないかのいずれかである。
【0039】
モニタリング機器10は、何らかの疾患を患う人達だけでなく健常な人達の家庭環境において使用されるように意図されている。このモニタリング機器10は、医療環境においても使用され得るが、非医療従事者、すなわち、被測定のユーザ自身が使用するのに特に適している。
【0040】
モニタリング機器10は、腕BGの周りに巻かれるカフ組立体18、制御ユニット筐体7を備える。カフ組立体18については、より詳細に後述する。カフ組立体18は、インターフェース部材6を介して制御ユニット筐体7に結合され、その目的および詳細については、後述する。
【0041】
モニタリング機器は、その他の時間には、特には、後述するように折り畳まれた構成で収納される。
【0042】
カフ組立体
図1に示されているように、機器は、腕、すなわち、肩と肘との間に構成される上肢の一部の周りに巻かれるカフ組立体(「アームバンド(armband)」も使用され得る)を備える。
【0043】
別の構成または変形形態においては、機器は、たとえば前腕における他のところ、すなわち手首において使用され得る。概して言えば、カフ組立体18は、使用に際して、ユーザの上肢を囲むように構成されている。
【0044】
図1に示されているように、機器は、ユーザの左腕に装着されている。しかしながら、たとえば右上肢における他のところで機器を使用することは除外されない。
【0045】
図2に示されているように、ユーザの左腕は、81と表されている骨という名称の上腕骨と、筋肉(特には図示せず)と、82と表されている上述の上腕動脈とを含む。上腕骨は、Zと表されている軸に沿って延在する。腕BGの周りに巻かれているとき、カフ組立体18は、腕の軸Zと実質的に一致する基準軸を有する略円筒形状である。
【0046】
図3〜
図5に示されているように、カフ組立体18は、最も内側の品目から最も外側の品目へ向かって、少なくとも次の構成要素:
- 1と表される内側層、
- 2と表される膨張式ブラダ、
- 3と表されるカフホルダ、
- 4と表される中間シート、
- 5と表される外側バンド
を備える。
【0047】
平らに広げられた構成におけるカフ組立体18の全体的な寸法に関しては、長手方向Lに沿うカフ組立体の長さL1は、20cm〜40cmの間で構成され得る。短手方向軸W方向に沿う長さH1は、10cm〜20cmの間で構成され得る。
【0048】
内側層1は、薄い布層である。内側層1は、ライクラ製とすることができる。ライクラは、汚れおよび/または汗を集めにくい快適な材料となる。内側層1は、特にはブラダ2の内向きに向けられた外側壁がテクスチャ加工される(texturized)(同様にテクスチャ付けされる(textured))とき、本発明の枠ではオプションである。
【0049】
膨張式ブラダ2は、主面内に互いに積み重なって配置されたプラスチック材料(例としては、PVC、TPU、PAなど)の、周囲境界において一緒に溶接された2枚のシート2A、2Bから作製されている。
【0050】
膨張式ブラダ2は、99、199と表されている2つの流体接続ポートを有する。一方のポートは、膨張し、収縮するためのものであり、他方のポートは、測定チャネルに専用であり、それにより、測定される圧力は、膨張中、ポンプの非定常流による摂動を受けない。他の構成においては、両方の機能に、たった1つのポートしか存在しない場合も、すなわち単一のポートが存在する場合もある。
【0051】
99、199と表されている接続ポートは、カフ組立体の厚さ方向Yに沿って、インターフェース部材6の組立方向Rに沿って主面と直角に延在する。公称膨張状態における空気容積は、0.05リットル〜0.2リットルの間で構成され得る。
【0052】
カフホルダ3は、カフ組立体の構造的弾性補強材を形成する。カフホルダは、弾性プラスチックシートであり、第1の長手方向端部35は、インターフェース部材6に取り付けられ、第2の端部36は、テーパ付けられた端部部分を有し、すなわち、縁部へと厚さが減少し、第1の長手方向端部35は近位と呼ばれ、第2の端部36は遠位と呼ばれる。
【0053】
平らな構成におけるカフホルダの寸法は、ブラダの対応する寸法よりもわずかに小さい。
【0054】
カフホルダの厚さは、0.5mm〜3mmの間で構成され得る。
【0055】
カフホルダは、ポリプロピレンから作製され得る。
【0056】
第2の端部36は、テーパ付けられた端部部分を有し、すなわち、縁部に向かって厚さが減少しているので有利である。
【0057】
弾性カフホルダ3は、第1の長手方向端部35において2つの保持部材38を備える。図示の例においては、保持部材は、正中面Tmに関して対称に配置されたフックとして形成される(
図6参照)。フックは、距離E3だけ互いから離間している。E3は、少なくとも5cm、またはカフ組立体の高さH1の少なくとも50%である。
【0058】
フックは、フックアームの端部に配置されている。図示の例においては、「フィレット(fillet)」という名称でもある丸い形状34の大きいフットプリントがこれらのフックアーム用に設けられている。そのため、フット(foot)/シュー(shoe)は、フックアームの輪郭自体よりも大きい。それにより、カフホルダシートに対する強い埋込みが可能になる。
【0059】
弾性カフホルダ3は、膨張式ブラダの流体ポート99、199を適切に通すように構成された2つの貫通孔37を備える。
【0060】
弾性カフホルダ3は、音響センサ90を取り付けそれを機械的に固着させるためのソケットを備える突起39を含む。
【0061】
中間シート4は、伸張できない、すなわち、伸縮できない布製である。
【0062】
中間シート4は、ナイロン布製とすることができる。
【0063】
その上、膨張式ブラダの1つまたは2つの流体ポート99、199を通すことを目的として、
図5に示されているように、中間シート4に第1の開口部41が設けられている。
【0064】
さらには、カフ組立体18は、制御ユニット筐体に固定されており、カフホルダの少なくとも2つのフックを通すために、中間シート4に第2の開口部42が設けられており、前記フックは、制御ユニット筐体7またはその取付部材6の中に保持されるように構成されている。
【0065】
外側バンド5は外層を構成する。外側バンド5は、1つまたは複数の発泡領域を備えることができる。外側バンド5は、固定手段(フックとループ(すなわち、ベルクロ(登録商標))など)を備えることができる。ロールオーバー収納構成のための磁石58およびフェライトまたは金属パッド59を設けることができる。磁石58またはフェライト59は、中間シート4とともに、または外側バンド5とともに配置され得る。
【0066】
外側バンド5は、後述する取付バンド8の一部またはすべてを形成する、カフ組立体を越える伸張部を備えることができる。
【0067】
その上、膨張式ブラダの1つまたは2つの流体ポート99、199を通すことを目的として、
図5に示されているように、外側バンド5に第1の開口部51が設けられている。
【0068】
さらには、カフ組立体18は、制御ユニット筐体に固定されており、カフホルダの少なくとも2つのフックを通すために、外側バンド5に第2の開口部52が設けられており、前記フックは、制御ユニット筐体7またはその取付部材6の中に保持されるように構成されている。
【0069】
境界接合部または境界シーム
膨張式ブラダの周囲境界における少なくとも3つの側には、境界接合部が設けられており、境界接合部は、内側層1(オプションで)と、膨張式ブラダ2と、中間シート4と、外側バンド5とを一緒に接合し固着する。
【0070】
図示の例では、境界接合部は、境界シームである。第1の境界シームBS1、第2の境界シームBS2、および第3の境界シームBS3が設けられており、まとめてBSと表される。
【0071】
カフホルダ3がブラダ2と中間シート4の間のカフ組立体の内部に挿入された後に作製される第4の境界シームBS4を設けることができる。
【0072】
代替の解決策によれば、シームを作製するのではなく、超音波溶接または熱溶接の技法を使用することが可能である。
【0073】
制御ユニット筐体
図10から明白であるように、制御ユニット筐体7は、空気圧ユニット9を備える。
【0074】
制御ユニット筐体7は、空気圧ユニットを制御しユーザの少なくとも動脈圧を決定するように構成されている電子コントローラ75を備える。
【0075】
制御ユニット筐体7は、オン/オフスイッチ71およびディスプレイ77を備える。
【0076】
空気圧ユニット9は、電気モータ97によって駆動する上記のポンプ72と、放電弁96と、逆止弁98と、圧力センサ95とを備える。
【0077】
制御ユニット筐体7は、略円筒形状を示す。制御ユニット筐体7の直径D7は、いくつかの例では、40mm未満であり、いくつかの例では、約35mmである。提案された構成は、自律使用のためのバッテリ76を含む、測定に必要な構成要素をすべて収容するコンパクトな解決策となる。
【0078】
インターフェース部材
図6に関してすでに述べたように、組立方向はRと表され、インターフェース部材の延伸軸はXと表され、インターフェース部材の短手方向はTと表されている。Tmは、RおよびTに平行な正中面を指定する。
【0079】
示されている例によれば、インターフェース部材6は、制御ユニット筐体とカフ組立体との間に介挿されて、それらを一緒に固着する別個の部品である。
【0080】
図示されていない別の実施形態によれば、インターフェース部材は、たとえば3D印刷技術を使用することによって、制御ユニット筐体と一体に作製され得る。
【0081】
図6および
図9に示されているように、インターフェース部材6は、制御ユニット筐体にねじ留めされる。より正確には、インターフェース部材の中に貫通孔62が設けられている。
【0082】
ねじ69は、インターフェース部材を制御ユニット筐体に固定するために設けられる。
【0083】
図示の例においては、貫通孔62は、円錐台形の貫通ボアであり、提案されたねじは、皿頭ねじのタイプである。
【0084】
インターフェース部材の中間部分には、電気ワイヤ接続/結合用の少なくとも1つの貫通孔63、空気圧流体配管/結合用の2つの貫通孔64a、64bが設けられている。
【0085】
制御ユニット筐体7の本体には、ねじ69を受けるためのねじ孔が設けられている。取付けにおいては2つまたは4つのねじを設けることができる(図示は4つ)。
【0086】
インターフェース部材6は、保持部材38とスナップ嵌めされるように構成された2つの相補的保持部材68を備える。この場合、相補的保持部材は、肩または肘の形態、すなわち、保持部材が制御ユニット筐体から離れて移動しないようにする止め具支台(stop abutment)の形態である。
【0087】
保持部材38の自由先端部は、カフ組立体の縁部の方に、すなわち、互いから離れる方に向けられるので有利である。カフホルダ3の弾力性により、このシステムは、インターフェース部材6の中間部分付近のカフ組立体に対して(R方向で)内向きの圧力を加えること(
図9の矢印D)によって、カフ組立体を制御ユニット筐体7から解体しやすくする。組立ておよび解体は、追加の道具または機械類が必要でなく、非常に迅速であり、したがって、意のままに繰り返すことができ、そのことは、機器の部品を試験し交換するのに非常に便利である。
【0088】
1つの実施形態においては、インターフェース部材6は、連結ピン138を受けるための短手方向(T)に配置された短手方向孔168を備える。これらの連結ピンにより、相補的保持部材68が保持部材38から解体されないようになる。前記連結ピン138および短手方向孔168は、いくつかの例では、2mm未満の直径であり、そのため、これはほぼ隠され、改ざんしにくい。
【0089】
連結ピンではなく、連結機能を有する任意の他の機械的部品が、すり割り付き頭の薄い棒状ねじと同様に使用され得る。そのため、「連結要素(interlock element)」という句が包括的に使用される。
【0090】
連結要素138が、容易に取外し可能であり、それにより、カフ組立体を制御ユニット筐体7から解体することが可能および容易になることを注記する。ここで、フック68は、互いから離れる方に向けられていることを注記する。
【0091】
インターフェース部材6は、制御ユニット筐体7の方に向けられた第1の面6Aと、カフ組立体の方に向けられた第2の面6Bとを示す。
【0092】
第1の面6Aは、凹状であり、制御ユニット筐体の円筒体に従うように構成されている。第2の面6Bは、実質的に平らであり、またはわずかなくぼみを示す。
【0093】
インターフェース部材の長手方向端部は、それぞれ6Cおよび6Dと表されている。2つの端部6Cと6Dとの間の距離は、少なくとも10cm、またはカフホルダの高さH1の2/3である。
【0094】
後述する接続ワイヤに取り付けられるコネクタ84が設けられている。1つの例においては、コネクタは、平らなフレックスPCB型コネクタである。このコネクタは、中央の貫通孔63を通って挿入され、制御ユニット筐体の中に設けられる対応する電気ソケット78上にプラグ接続される。
【0095】
空気圧接続部に関しては、接続ポート99、199が制御ユニット筐体の空気圧構成要素の中に気密な形で受けられるように、制御ユニット筐体の中にOリング93を、または同様に相補的管を設けることができる。
【0096】
連結部材がまだ挿入されていないのであれば、カフ組立体をインターフェース部材から解体することが可能であることは、
図9からやはり明らかである。より正確には、矢印Dに沿って押圧力がかけられる場合、フックは、互いの方に少し移動する傾向があり、そのため、保持肩部からフックを解体することが可能になる。
【0097】
いくつかの例においては、スナップ嵌め機構は、筐体表面と密に嵌合し、面一に(flush)接触している。密な嵌合部は、特に、筐体の外表面によって画定される平面と垂直な方向に沿って、異なるピース同士が定位置にされると動くことを防止する寸法付け(dimensioning)として理解すべきである。これにより、しっかりした構造を得ることが可能になるだけでなく、筐体の中に延びる保持部材の一部の埋込みを可能にするために、普通なら含まれることになるオリフィスまたは陥凹部を筐体の中に含めることが回避される。それによって、
図9に示されている例においては、スナップ嵌め機構は、保持部材38を備え、保持部材38は、一方での筐体7と、他方でのインターフェース部材6との間に密に嵌合される。この例においては、各保持部材38は、凸状で連続している筐体7の外表面に面一に当接する。この例においては、各保持部材はまた、インターフェース部材の、相補的保持部材68に付随している対応する表面に面一に当接する。言い換えれば、各保持部材38は、インターフェース部材の相補的保持部材68と、筐体7の凸状で連続的な外側または外表面との間にしっかり挟まれている。
【0098】
取付バンド
取付バンド8が設けられている。取付バンド8は、長手方向Lに沿ってカフ組立体から延出し、測定サイクル中、取付バンドをカフ組立体の外側バンドに瞬間的に固着するように構成されている。
【0099】
取付バンド8は、可撓性であり、少なくとも血圧測定中、カフ組立体18の外壁87にその数字を固着するための固定手段を備える。適切な位置は、ユーザが、自分の腕の大きさに従って選択する。
【0100】
1つの構成においては、固定手段は、ユーザの腕の包囲された様々な外周(πD2)の調整および固着が利用可能になるように、ループパッドおよびフックパッドを、一方の場所にループパッド88を、もう一方の対応場所にフックパッド89を備えることができる。これにより、腕がどんな大きさであっても、便利に取り付けることが可能になる。
【0101】
センサ(StethoおよびECG)
機器10は、90と表されている音響センサをさらに備えることができる。
【0102】
カフ組立体18は、腕の皮膚(または薄手の衣類)に接触し腕に押し付けるように意図された、86と表されている内壁を有する。アームバンドは、内壁86に関してバンドの反対側に87と表されている外壁を有する。
【0103】
使用構成においては、音響センサ90は、胸部、すなわち、胸部の左側に接して位置決めされる。心臓が発する音波4Hは、音響センサ90の高感度部分91によって検知され、高感度部分91は、左側胸部に押し当たり、すなわち、胸部に隣接している。音響波4Hは、それ自体が電気信号に変換され、したがって、ここでは詳述しない。音響波4Hは、薄手の衣類、または下着などを通して問題なく検知され得ることに留意すべきである。
【0104】
1つの特定のオプションによれば、機器には、ECG機能、すなわち、心電図(ElectroCardioGraphic)機能がさらに備わっている。
【0105】
この目的として、3つの接触電極31、32、33が設けられており、それらの3つは、ほとんどの従来技術の機器の中のようにリンクワイヤを有する必要なしに機器の中に一体にされる。
【0106】
第1の電極31は、バンドの内壁86上に配置され、高感度面を腕の皮膚の方に向けている。第3の電極33もまた、内壁86上に配置され、やはり、高感度面を腕の皮膚の方に向けている。
【0107】
電極はそれぞれ、2cm
2〜10cm
2の間で構成されている面積の薄いパッドとして形成され、5cm
2〜7cm
2の間の面積が選択可能であり、薄いパッドの形状は、腕の皮膚の標準的な湾曲に従うようにやや湾曲している。
【0108】
第1の電極31および第3の電極33は、たとえば短手方向に(Wに沿って)互いに離れて、インターフェース部材とは反対のカフ組立体遠位端部(第2の端部36)に配置されている。代替としては、第1の接触電極31および第3の接触電極33は、たとえばLに沿って互いに離れて、別々に配置されてもよい。図示の例においては、接触電極31、33を支持するバックパッド19が設けられている。ライクラ内側層1は、バックパッド19と接触電極31、33との間のこの箇所で挟み込まれている。
【0109】
カフ組立体が加圧されたときにはいつでも、第1の接触電極31および第3の接触電極33は、腕の皮膚にしっかりと押し付けられ、それによって、小さい電気的接触抵抗とのかなり良好な接触が確保される。従来技術の慣習に反して、接触電極においてはジェルがまったく必要でないことに留意すべきである。接触電極は、素肌に接して置くべきであるが、圧力のおかげで、皮膚と電極との間に薄手の下着生地を有することを排除しない。
【0110】
接触電極は、ステンレス鋼、銀、または他のコーティング済み材料(銀、クロム、金、チタン、または白金によりコーティングされた)で作製され得、物理的気相成長法(PVD法)によってコーティングされた材料を排除しない。接触電極はまた、内側層に縫合された導電ワイヤ(ステンレス鋼、銀など)で作製されてもよい。
【0111】
電極は2つで十分である場合もあり、そのため、第3の電極33は、オプションと見なされることに留意すべきである。
【0112】
第2の電極32に関しては、
図4で最良にわかるように、制御ユニット組立体の外表面の周りに配置される。導電性材料が、制御ユニット筐体の少なくとも一部のコーティングを形成する。金属コーティング材料(銀、チタン、クロム)が、物理的気相成長法(PVD法)によって堆積される。金属コーティング材料は、導電性材料から作製される空の円筒であってもよい。
【0113】
1つの例においては、第2の電極は、円筒の下側3分の1、たとえば、ユーザの指が届くことのできる外周の周りをすべて覆う(
図1参照)。そのため、ユーザが、良好な電気的接触を伴って第2の電極を掴む/握ることは容易である。1つの例によれば、第2の電極は、制御組立体ユニットの下側部20%にわたって位置し、他の実装形態では、その高さは、30%または40%のように、より大きくてもよい。
【0114】
機器は、センサと制御ユニット筐体7との間の電気的結合を可能にする接続ワイヤをさらに備える。接続ワイヤ44、45は、接触電極を制御ユニット筐体に電気的に結合する。
【0115】
接続ワイヤ49は、音響センサを制御ユニット筐体に電気的に結合するために設けられる。接続ワイヤは、カフ組立体の中に一体にされ、その中に保護され、外側からは見えない。
図5に示されているように、接続ワイヤは、ブラダの外側帯、いくつかの例では中間シート(4)と外側バンド(5)との間に配置されているので、膨張および測定を妨害しない。
【0116】
ワイヤ44、45、49は、上述のコネクタ84に電気的に結合されている。
【0117】
システム全体
制御ユニット筐体7、取付バンド8、およびカフ組立体は、短手方向軸Wに沿って実質的に同じ高さ(H1、H3、H7)である(インターフェース部材の延伸軸Xと一致する)。これにより、美的な組立てが可能になり、巻上げ式の構成が容易になる。この構成により、占有容積を最適化することが可能になる。
【0118】
図2に示されているように、制御ユニット筐体7および音響センサ90は、30cmの基準腕外周における使用構成で画定されるカフ組立体の円筒構成に関して90°〜140°の間で構成されている角度αで配置されている。
【0119】
図10に示されているように、スマートフォンE5とともにワイヤレス結合部E8が設けられている。
【0120】
スイッチ71は、物理スイッチ、もしくはタップスイッチ、または触覚領域であってもよいことに留意されたい。
【0121】
連結部材を使用することが必須ではないことは理解されるものとする。1つの実施形態においては、強力なスナップ嵌め接続保持部材および相補的保持部材を設けてもよい。2つ以上のフックおよび相補的肩部または止め具支台を設けてもよい。様々なフックは、相異なる向きを示すことができ、それにより、異なる向きに沿う機械的トルクに、解体せずに耐えることができるようになる。