【解決手段】加熱パーマネントウェーブ方法が、還元剤による還元工程→レブリン酸を含む毛髪処理剤による毛髪強化工程→中間水洗工程→ワインディング工程→加熱工程→酸化剤による酸化工程→水洗工程を含む。
(1−1)毛髪に還元剤を含むパーマネントウェーブ第一剤を塗布する、還元工程。(2−1)レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する、毛髪強化工程と、(3−1)お湯ですすぎ及び/又は洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)60〜100℃で加熱する、加熱工程と、(4−1)酸化剤を含むパーマネントウェーブ第二剤を塗布する、酸化工程。(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程。前記還元工程、前記毛髪強化工程、前記酸化工程、及び水洗工程からなることを特徴とする加熱パーマネントウェーブ処理方法。
(3−1)お湯ですすぎ及び/又は洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)加熱ロッドに巻く、ワインディング工程の間に、(3−2a)乾燥工程、(3−2b)カール形成を望む範囲に満遍なく水性組成物で再度濡らす工程を追加することを特徴とする請求項1に記載の加熱パーマネントウェーブ処理方法。
(2−1)レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する前に、(2−1a)マレイン酸を2.0〜7.0重量%含有し、かつpHが2.5〜4.5である毛髪処理剤を塗布し、毛髪強化工程を二段階とする請求項1〜3のいずれかに記載の加熱パーマネントウェーブ処理方法。
請求項4に記載のマレイン酸を含む毛髪処理剤のpHを2.5〜4.5に調整する成分が第1級アミンであることを特徴とする請求項4に記載の加熱パーマネントウェーブ処理方法。
請求項4又は5に記載のマレイン酸を含む毛髪処理剤に、さらに(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマーを0.2〜1.5%含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の加熱パーマネントウェーブ処理方法。
【背景技術】
【0002】
一般的な加熱パーマネントウェーブは、主成分の還元剤と加熱及び酸化剤の作用により毛髪にカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤等と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤により毛髪のケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後水洗し、加熱可能な電熱ロッドに巻き付けて加熱し、熱を与えながら乾燥するまで放置する。その後、加熱可能な電熱ロッドを外し、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。しかし、このようにして得られたカールでは、毛髪が堅くなり感触が低下する熱によるダメージが発生し、さらにカールの仕上がりも充分ではなかった。
【0003】
効果の高い加熱パーマネントウェーブとして、通電により加熱可能な電熱ロッドを用い、毛髪にカールを形成する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、(1)毛髪に還元剤を含有するパーマネントウェーブ用第1剤を塗布し、5〜20分間放置して毛髪を充分に軟化させた後、水洗する工程(2)水洗後の毛髪の水分を軽く拭き取り、毛髪を通電により加熱可能なロッドに巻き付ける工程(3)毛髪を巻き付けたロッドに通電してロッドを加熱し、80〜140℃で1〜20分間放置する工程(4)上記ロッドに巻き付けた毛髪または上記ロッドから外した毛髪に、酸化剤を含有するパーマネントウェーブ用第2剤を塗布し、1〜15分間放置した後、水洗し、乾燥する工程が開示されている。この方法では、毛髪に還元・酸化による損傷を与えず、かつ毛髪に強力なウェーブを付与できるが、加熱による毛髪のダメージを十分に解消することができない。
【0004】
また、特許文献2には、非巻回状態の毛髪にパーマ第1剤を塗布するパーマ第1剤塗布工程と、パーマ第1剤を塗布した毛髪に対してパーマ第1剤の促進処理を行うパーマ第1剤促進工程と、塗布したパーマ第1剤を毛髪から洗い流すパーマ第1剤除去工程と、水洗工程後の毛髪を内部に発熱装置を備えたロッドに巻き付けるワインディング施術工程と、ロッドを発熱させ毛髪を加熱するロッド加熱工程と、巻き付けていた毛髪をロッドから外すと共にロッドアウトした毛髪にパーマ第2剤を塗布してパーマ第2剤による毛髪処理を行うパーマ第2剤処理工程と、を行うことを特徴とするパーマネントウェーブ施術方法において、上記のパーマ第1剤促進工程は、パーマ第1剤を塗布した毛髪であって非巻回状態の毛髪に対して、間接加熱処理促進機によって、毛髪から離れた位置から加熱を行うことによりパーマ第1剤による処理を促進させ毛髪中のS−S結合を還元開鎖する工程であり、この間接加熱処理促進機として、赤外線や遠赤外線を放射するヒータを備えた発熱装置を被施術者の頭部周りで移動させて頭髪に対して加熱を行うことによって処理を促進する間接加熱処理促進機と、フードまたはキャップ内に温風を導入して加熱を行う間接加熱処理促進機とからなる群から選択された少なくとも一つが用いられるものであり、上記のパーマ第2剤処理工程は、酸化剤を主成分とするパーマ第2剤を毛髪に塗布するもので、毛髪中のS−S結合を閉鎖するものであり、上記パーマ第1剤は、1,3−ブチレングリコール、尿素、システアミン塩酸塩、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ラウレス−4酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、エタノールアミン、ペンテト酸5ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、メチルパラベンを含有するものであり、上記パーマ第2剤は、臭素酸ナトリウム、ホホバ油、加水分解ケラチン、ミネラルオイル、セトリモニウムクロリド、イソプロパノール、オレス−30、オレス−7、オレス−50、オレス−20、オレス−15、オレイルアルコール、ラウリルトリモニウムクロリド、ソルビン酸、水酸化ナトリウム、リン酸を含有したものであることを特徴とするパーマネントウェーブ施術方法が開示されている。この方法では、良好なカールを形成でき、特に、くるっと回ったリッチ感のあるカールを形成できると共に、パーマ施術後、利用者が後日自宅などでヘアドライヤーなどで毛髪をセットした場合にも、良好なカールを復元することができるが、加熱による毛髪のダメージを十分に解消することができない。さらに、上記のパーマ第1剤塗布工程の前に、特に、損傷度の大きなダメージ部分はアルカリに傾いているため、酸性の前処理液を充分に塗布することができることが示されており、酸性の前処理液は、pH3前後(pH2〜4)が好ましく、レブリン酸、クエン酸、乳酸などの酸を主成分として配合されることが開示されているが、一般的に行なわれる損傷度の大きなダメージ部分を保護し、パーマ第1剤の作用を緩和することが目的であり、カールを形成する部分の熱によるダメージを軽減させる事に関する記述はない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の加熱パーマネントウェーブ処理方法は、レブリン酸を含む毛髪処理剤による毛髪強化工程を必須に含有する。以下、本発明について詳述する。
【0011】
(1−1)毛髪に還元剤を含むパーマ第一剤を塗布する、還元工程としては、毛髪の損傷度合いに応じ還元剤の含有量とpHとアルカリ度及び、時間を設定して毛髪を充分に還元させる。
【0012】
(2−1)レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する、毛髪強化工程において、レブリン酸の含有量は、毛髪処理剤の全量に対して、0.1〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%である。0.1重量%未満では、塗布量が多くなりすぎ手間がかかりすぎ、一方、3.0重量%を超えて含有すると、カール効果の低下が見られる。
【0013】
前記毛髪処理剤には、レブリン酸以外にも、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、粉末成分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、増粘剤、粉末成分、香料、粉末成分、色素、水等を含有することができる。
【0014】
この毛髪処理剤の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、乳液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状などの剤型を採りうる。使用時に水で希釈して使用してもよい。
【0015】
(2−1)レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する、毛髪強化工程として、500mL〜3,000mLの毛髪処理剤を万遍なく、充分に塗布することが望ましい。塗布量は、カール形成を望む範囲の広さやパーマ第一剤のpH、アルカリ度により決定される。(1−1)還元工程後の残留アルカリを中和する(除去する)とともに、膨潤していた毛髪を徐々に収縮させる。その後さらに、レブリン酸が毛髪を強化する。毛髪が強化されたことにより、後述する、(3−1)お湯ですすぎ及び/又は洗髪する、中間水洗工程においては、操作性が向上し、(3−2a)乾燥する工程においては、操作性が向上し、(3−3)60〜100℃で加熱する、加熱工程においては、カール形成と熱によるダメージの軽減が両立できる。レブリン酸による毛髪強化の効果は、カルボニル基とカルボキシル基を有する構造に起因する。同様に、カルボニル基とカルボキシル基を有するグリオキシル酸にも毛髪強化の効果は認められるが、ヘアカラーの色落ち作用があり、加熱パーマネントウェーブの毛髪処理剤としては適さない。
【0016】
(3−1)お湯ですすぎ及び/又は洗髪する、中間水洗工程にて、パーマ第一剤とレブリン酸を含む毛髪処理剤を十分に洗い流す。
(3−2)水洗後の毛髪の水分を軽く拭き取り、好ましくは適度にタオルドライした状態で加熱ロットに巻く、ワインディング工程を行なう。
(3−3)60〜100℃で加熱する、加熱工程にて、所望のカールに応じ加熱温度と乾燥度合いを調整する。加熱温度が高く、十分に乾燥する程、強いカール形成となる。
【0017】
(4−1)酸化剤を含むパーマ第二剤を塗布する、酸化工程としては、加熱ロッドに巻き付けた毛髪及び/又は加熱ロッドから外した毛髪に塗布し、十分に酸化させる。
【0018】
(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程にて、パーマ第二剤を十分に洗い流す。
【0019】
さらに、(3−1)お湯ですすぎ及び/又は洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)加熱ロッドに巻く、ワインディング工程の間に、カール効果の向上のために、(3−2a)ドライヤーで乾燥させながらブラシ等で整える又は、毛髪を表面温度が100〜200℃の整髪又は毛髪矯正アイロンで整えながら乾燥させる、乾燥工程と、(3−2b)カール形成を望む範囲に満遍なく水性組成物をスプレーやアプリケーター、刷毛などを使って塗布し、再度濡らす工程を追加することもできる。
【0020】
前記水性組成物は、水を必須成分として含み、水以外にも、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、粉末成分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、増粘剤、粉末成分、香料、粉末成分、色素等を含有することができる。
【0021】
また、(2−1)レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する前に、(2−1a)マレイン酸含む毛髪処理剤を塗布し、毛髪強化工程を二段階としてもよい。
【0022】
マレイン酸の配合量は、毛髪処理剤の全量に対して、2.0〜7.0重量%、好ましくは3.5〜5.5重量%である。配合量が2.0重量%未満で熱によるダメージの軽減効果の向上を得ることができず、一方、7.0重量%を超えて配合しても、配合量に見合った熱によるダメージの軽減効果の向上は期待できない。
【0023】
前記毛髪処理剤は、pHを2.5〜4.5の範囲、好ましくは3.0〜4.0の範囲である。pHが2.5未満では、毛髪の収れん作用が強くなりカール効果の向上を得ることができず、また、pHが4.5を超えると、毛髪の収れん効果が弱くなりカール効果の向上が得ることができない。
pHを上記範囲に調整するためのアルカリ剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、トリエタノールアミンやイソプロパノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基、好ましくはモノエタノールアミンなどの第1級アミンを用いることができる。
【0024】
他の好ましい成分として、(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマーを加えてもよく、配合量は、前記毛髪処理剤の全量に対して、0.2〜1.5重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%である。配合量が0.2重量%未満では熱によるダメージの軽減効果及びカール効巣の向上を得ることができず、一方、1.5重量%を超えて配合しても、配合量に見合った熱によるダメージの軽減効果及びカール効果の向上は期待できない。
【0025】
前記毛髪処理剤には、マレイン酸、第1級アミン及び(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマー以外にも、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、粉末成分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、増粘剤、粉末成分、香料、粉末成分、色素、水等を含有することができる。
【0026】
この毛髪処理剤の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、乳液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状などの剤型を採りうる。使用時に水で希釈して使用してもよい。
【実施例】
【0027】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り重量%を示す。
【0028】
(実施例1〜4及び比較例1〜2)
下記の表1に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
加熱パーマネントウェーブ処理方法及びレブリン酸を含む毛髪処理剤の熱によるダメージの軽減効果及びカール効果を、以下の評価基準に従って評価した。
【0029】
<熱によるダメージ度合及びカール効果の評価>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、その後市販の8レベルのブラウン系のヘアカラーにて2回染め、水分を切った毛束を試験毛束とした。
(1−1)チオグリコール酸を含むパーマ第一剤を8mL塗布し、10分放置する、還元工程と、(2−1)レブリン酸を含む毛髪処理剤を50mL塗布する、毛髪強化工程と、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)80℃で加熱し十分に乾燥する、加熱工程と、(4−1)加熱ロッドから外し、過酸化水素を含むパーマ第二剤を15mL塗布し、8分放置する、酸化工程と、(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程にて、カールを形成した。
感触の評価は、濡れている時及び乾燥している時の両方で実施し、下記の評価基準にて評価した。また、カール効果の評価は、毛束を十分に濡らした後、ぶら下げた状態で24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により評価した。さらに、濡れている時のカール効果と乾燥した時のカールの効果の差を下記の評価基準により評価した。いずれの評価も、10年以上の美容師経験を有する3名が実施した。
【0030】
<感触の評価基準(未処理毛との比較)>
感触が優れているほど、熱によるダメージが軽減されていることを示している。
1.堅さを感じる
2.やや堅さを感じる
3.ほぼ同等の感触で、堅さを感じない
4.同等の感触で、堅さを感じない
5.つるっとした感触で堅さを感じない
<乾燥した時のカール効果の評価基準>
カール形成力が高いほど、カール効果が高い
1.弱いカール形成
2.やや弱いカール形成
3.僅かに強いカール形成
4.やや強いカール形成
5.カール形成できている
6.高いカール形成
<濡れている時のカール効果と乾燥した時のカールの効果の差の評価基準>
加熱パーマネントウェーブは、濡れている時のカール効果より、乾燥した時のカールの効果が高く、その差が少ないほどスタイルがつくりやすく、カール効果が高いことを示している。
1.かなり差を感じる
2.差を感じる
3.僅かに差を感じるが、気にならない範囲
4.ほとんど差を感じない
5.差を感じない
【0031】
【表1】
【0032】
実施例1〜4に示されるように、レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する、毛髪強化工程を実施すると、優れた感触と十分なカール効果が得られた。これに対し、比較例1に示されるように、レブリン酸を含まず、毛髪強化工程を行なわない場合には、感触が不十分であり及び、濡れている時と乾燥した時のカール効果の差があった。又、比較例2に示されるように、レブリン酸の濃度が範囲外である場合には、乾燥した時のカール効果が不十分であり及び、濡れている時と乾燥した時のカール効果の差があった。
【0033】
(実施例5及び比較例3〜5)
下記の表2に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
加熱パーマネントウェーブ処理方法及びレブリン酸を含む毛髪処理剤の熱によるダメージの軽減効果及びカール効果を、前記の評価基準に従って評価した。
【0034】
<熱によるダメージ度合及びカール効果の評価>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、その後市販の8レベルのブラウン系のヘアカラーにて2回染め、水分を切った毛束を試験毛束とした。
(1−1)チオグリコール酸を含むパーマ第一剤を8mL塗布し、10分放置する、還元工程と、(2−1)表2に掲げた組成を有する毛髪処理剤を50mL塗布する、毛髪強化工程と、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)80℃で加熱し十分に乾燥する、加熱工程と、(4−1)加熱ロッドから外し、過酸化水素を含むパーマ第二剤を15mL塗布し、8分放置する、酸化工程と、(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程にて、カールを形成した。
【0035】
【表2】
【0036】
実施例5に示されるように、レブリン酸を含む毛髪処理剤を塗布する、毛髪強化工程を実施すると、優れた感触と十分なカール効果が得られた。これに対し、比較例3〜5に示されるように、レブリン酸以外の酸を含む毛髪処理剤の場合には、感触が不十分で、乾燥した時のカール効果が不十分及び/又は濡れている時と乾燥した時のカール効果の差があった。
【実施例6】
【0037】
実施例5に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
加熱パーマネントウェーブ処理方法及びレブリン酸を含む毛髪処理剤の熱によるダメージの軽減効果及びカール効果を、前記の評価基準に従って評価した。
【0038】
<熱によるダメージ度合及びカール効果の評価>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、その後市販の8レベルのブラウン系のヘアカラーにて2回染め、水分を切った毛束を試験毛束とした。
(1−1)チオグリコール酸を含むパーマ第一剤を8mL塗布し、10分放置する、還元工程と、(2−1)実施例5に掲げた組成を有する毛髪処理剤を50mL塗布する、毛髪強化工程と、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)80℃で加熱し乾燥する、加熱工程と、(4−1)加熱ロッドから外し、過酸化水素を含むパーマ第二剤を15mL塗布し、8分放置する、酸化工程と、(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程に、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程の間に、(3−1a)ドライヤーで乾燥させながらブラシで整える、乾燥工程と、(3−1b)カール形成を望む範囲に満遍なく水をスプレーを使って塗布し、再度濡らす工程を追加してカールを形成した。
【0039】
【表3】
【0040】
実施例6に示されるように、(3−1a)乾燥工程と、(3−1b)再度濡らす工程を追加すると、カール効果が向上する。
【0041】
(実施例7〜15及び比較例6〜9)
下記の表4に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
加熱パーマネントウェーブ処理方法及びレブリン酸を含む毛髪処理剤、マレイン酸を含む毛髪処理剤の熱によるダメージの軽減効果及びカール効果を、以下の評価基準に従って評価した。
【0042】
<熱によるダメージ度合及びカール効果の評価>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、その後市販の8レベルのブラウン系のヘアカラーにて2回染め、水分を切った毛束を試験毛束とした。
(1−1)チオグリコール酸を含むパーマ第一剤を8mL塗布し、10分放置する、還元工程と、(2−1a)マレイン酸を含む毛髪処理剤を3mL塗布する、第一段階毛髪強化工程と、(2−1)レブリン酸を1.5%含む毛髪処理剤を50mL塗布する、第二段階毛髪強化工程と、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−1a)ドライヤーで乾燥させながらブラシで整える、乾燥工程と、(3−1b)カール形成を望む範囲に満遍なく水をスプレーを使って塗布し、再度濡らす工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)80℃で加熱し乾燥する、加熱工程と、(4−1)加熱ロッドから外し、過酸化水素を含むパーマ第二剤を15mL塗布し、8分放置する、酸化工程と、(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程にて、カールを形成した。
【0043】
<感触の評価基準>
(2−1a)の工程がない場合との比較
1.硬くなる
2.同等
3.さらに硬さが軽減
4.しなやかな感触
5.大変しなやかな感触
<乾燥した時のカール効果の評価基準>
(2−1a)の工程がない場合との比較
1.カール低下
2.同等
3.僅かにカールが強くなる
4.ややカールが強くなる
5.カールが強くなる
<濡れている時のカール効果と乾燥した時のカールの効果の差の評価基準>
(2−1a)の工程がない場合との比較
1.差が広がる
2.同等
3.差がやや少なくなる
4.差が少なくなる
5.差が非常に少なくなる
【0044】
【表4】
【0045】
実施例7〜15に示されるように、マレイン酸を2.0〜7.0重量%と、pH2.5〜4.5の範囲に調節した毛髪処理剤を用いた場合に、十分な感触及びカール効果の向上が得られた。これに対し、比較例6〜9に示されるように、マレイン酸の濃度及び/又はpHが範囲外である場合には、感触及び/又はカール効果の向上が不十分であった。
【0046】
(実施例16〜24)
下記の表5に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
加熱パーマネントウェーブ処理方法及びレブリン酸を含む毛髪処理剤、マレイン酸を含む毛髪処理剤の熱によるダメージの軽減効果及びカール効果を、前記の評価基準に従って評価した。
【0047】
<熱によるダメージ度合及びカール効果の評価>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、その後市販の8レベルのブラウン系のヘアカラーにて2回染め、水分を切った毛束を試験毛束とした。
(1−1)チオグリコール酸を含むパーマ第一剤を8mL塗布し、10分放置する、還元工程と、(2−1a)マレイン酸を含む毛髪処理剤を3mL塗布する、第一段階毛髪強化工程と、(2−1)レブリン酸を1.5%含む毛髪処理剤を50mL塗布する、第二段階毛髪強化工程と、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−1a)ドライヤーで乾燥させながらブラシで整える、乾燥工程と、(3−1b)カール形成を望む範囲に満遍なく水をスプレーを使って塗布し、再度濡らす工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)80℃で加熱し乾燥する、加熱工程と、(4−1)加熱ロッドから外し、過酸化水素を含むパーマ第二剤を15mL塗布し、8分放置する、酸化工程と、(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程にて、カールを形成した。
【0048】
【表5】
【0049】
実施例16〜24に示されるように、マレイン酸を2.0〜7.0重量%と、モノエタノールアミンにてpH2.5〜4.5の範囲に調節した毛髪処理剤を用いた場合に、十分な感触及びカール効果の向上が得られた。
【0050】
(実施例25〜26及び比較例10)
下記の表6に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
加熱パーマネントウェーブ処理方法及びレブリン酸を含む毛髪処理剤、マレイン酸及び(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマーを含む毛髪処理剤の熱によるダメージの軽減効果及びカール効果を、以下の評価基準に従って評価した。
【0051】
<熱によるダメージ度合及びカール効果の評価>
人毛(中国人)を長さが15cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販のシャンプーにて洗浄し、その後市販の8レベルのブラウン系のヘアカラーにて2回染め、水分を切った毛束を試験毛束とした。
(1−1)チオグリコール酸を含むパーマ第一剤を8mL塗布し、10分放置する、還元工程と、(2−1a)マレイン酸及び(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマーを含む毛髪処理剤を3mL塗布する、第一段階毛髪強化工程と、(2−1)レブリン酸を1.5%含む毛髪処理剤を50mL塗布する、第二段階毛髪強化工程と、(3−1)洗髪する、中間水洗工程と、(3−1a)ドライヤーで乾燥させながらブラシで整える、乾燥工程と、(3−1b)カール形成を望む範囲に満遍なく水をスプレーを使って塗布し、再度濡らす工程と、(3−2)直径約20mmの加熱ロッドに巻く、ワインディング工程と、(3−3)80℃で加熱し十分に乾燥する、加熱工程と、(4−1)加熱ロッドから外し、過酸化水素を含むパーマ第二剤を15mL塗布し、8分放置する、酸化工程と、(5−1)お湯ですすぐ、水洗工程にて、カールを形成した。
【0052】
<感触の評価基準>
実施例20との比較
1.硬くなる
2.同等
3.さらに硬さが軽減
4.しなやかな感触
5.大変しなやかな感触
<乾燥した時のカール効果の評価基準>
実施例20との比較
1.カール低下
2.同等
3.僅かにカールが強くなる
4.ややカールが強くなる
5.カールが強くなる
<濡れている時のカール効果と乾燥した時のカールの効果の差の評価基準>
実施例20との比較
1.差が広がる
2.同等
3.やや少なくなる
4.少なくなる
5.非常に少なくなる
【0053】
【表6】
【0054】
実施例25〜26に示されるように、(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマーを加えた毛髪処理剤を用いた場合に、十分な感触及びカール効果の向上が得られた。これに対し、比較例10に示されるように、(ラネス40−マレイン酸Na/スチレンスルホン酸)コポリマーの濃度が範囲外である場合には、感触及びカール効果の向上が不十分であった。