特開2020-110775(P2020-110775A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-110775(P2020-110775A)
(43)【公開日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】攪拌装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 7/04 20060101AFI20200626BHJP
   B01F 15/00 20060101ALI20200626BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20200626BHJP
【FI】
   B01F7/04 Z
   B01F15/00 B
   B01F15/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-4665(P2019-4665)
(22)【出願日】2019年1月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000250007
【氏名又は名称】有光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】有光 幸郎
(72)【発明者】
【氏名】八塚 慎二
【テーマコード(参考)】
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G037DA21
4G037DA30
4G037EA03
4G078AA09
4G078AB05
4G078AB09
4G078BA01
4G078BA09
4G078CA01
4G078DA03
4G078DB10
(57)【要約】
【課題】攪拌爪にかかる負荷が大きくなった場合であっても、攪拌爪が破断することを抑制することができる攪拌装置を提供する。
【解決手段】攪拌装置は、被攪拌物を収納する容器内に設けられ、駆動部によって回転するシャフトと、該シャフトの回転によって前記被攪拌物を前記容器内にて移動させて攪拌する攪拌爪を備えた攪拌装置であって、前記シャフトと攪拌爪との間には、可撓部が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被攪拌物を収納する容器内に設けられ、駆動部によって回転するシャフトと、
該シャフトの回転によって前記被攪拌物を前記容器内にて移動させて攪拌する攪拌爪を備えた攪拌装置であって、
前記シャフトと攪拌爪との間には、可撓部が設けられている
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項2】
前記可撓部は、前記シャフトの回転方向に対し弾性を有する第1板状部を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項3】
前記第1板状部は、一面が前記シャフトの軸方向に略平行になるように該シャフトに締結され、
該第1板状部の一面には、前記攪拌爪が締結される第2板状部が突設してある
ことを特徴とする請求項2に記載の攪拌装置。
【請求項4】
前記第1板状部は、正面視にて三角状又は台形状をなす
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の攪拌装置。
【請求項5】
前記シャフトには、複数の前記攪拌爪が設けられてあり、
前記可撓部は、少なくとも1つ以上の前記攪拌爪と前記シャフトとの間に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の攪拌装置。
【請求項6】
前記駆動部は、所定値以上の負荷が発生した場合、前記シャフトへの駆動力の伝達を停止する停止部を含み、
前記可撓部は、該停止部が作動するよりも前に撓むようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の攪拌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品残物、生ごみ等の処理に用いられる攪拌装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の攪拌装置は、生ごみ等が投入される処理槽(容器)の内部に、当該生ごみ等を攪拌するための攪拌羽根を有している。攪拌羽根は、円筒状のボスと、当該ボスの外周面に突設された攪拌爪(リボン羽根)を含む。
【0003】
攪拌羽根のボスは、モータによって回転駆動される攪拌軸に締結されており、攪拌軸の回転によってボス及び攪拌爪が回転する。処理槽内に投入されて収納された生ごみ等は、攪拌爪の回転によって処理槽内にて回転移動して攪拌され、例えば、生ごみ等の投入に合わせて混入された微生物によって分解されて有機肥料となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−164826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
攪拌羽根を回転させて生ごみ等を攪拌する際、多量の生ごみ等が投入された場合、攪拌爪にかかる負荷は、大きくなる。これに対し、特許文献1の攪拌装置の攪拌羽根は、ボスの外周面を基端部として攪拌爪が突設されている構造であるため、攪拌爪にかかる負荷が大きくなった場合、攪拌爪が破断する虞がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、攪拌爪にかかる負荷が大きくなった場合であっても、攪拌爪が破断することを抑制することができる攪拌装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る攪拌装置は、被攪拌物を収納する容器内に設けられ、駆動部によって回転するシャフトと、該シャフトの回転によって前記被攪拌物を前記容器内にて移動させて攪拌する攪拌爪を備えた攪拌装置であって、前記シャフトと攪拌爪との間には、可撓部が設けられている。
【0008】
本態様にあたっては、シャフトと攪拌爪との間には可撓部が設けられているので、攪拌爪に過大な負荷が加えられた場合であっても、可撓部が撓むことにより、攪拌爪が破損することを抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様に係る攪拌装置は、前記可撓部は、前記シャフトの回転方向に対し弾性を有する第1板状部を含む。
【0010】
本態様にあたっては、可撓部は、シャフトの回転方向に対し弾性を有する第1板状部を含むため、シャフトの回転によって攪拌爪に加えられた負荷を効率的に緩和することができる。
【0011】
本開示の一態様に係る攪拌装置は、前記第1板状部は、一面が前記シャフトの軸方向に略平行になるように該シャフトに締結され、該第1板状部の一面には、前記攪拌爪が締結される第2板状部が突設してある。
【0012】
本態様にあたっては、第2板状部は、シャフトの軸方向に略平行に締結された第1板状部の一面から突設してあるため、第2板状部の一面は、シャフトの回転方向に対し平行に位置する。従って、第2板状部の一面に締結された攪拌爪のシャフトの回転方向に対する剛性を向上させることができる。
【0013】
本開示の一態様に係る攪拌装置は、前記第1板状部は、正面視にて三角状又は台形状をなす。
【0014】
本態様にあたっては、第1板状部は、正面視にて三角状又は台形状をなしており、すなわち矩形状における角部が欠落した形状をなしている。従って、第1板状部の断面二次モーメントを小さくして第1板状部の撓み量を大きくすることにより、攪拌爪に加えられた負荷を効率的に緩和することができる。
【0015】
本開示の一態様に係る攪拌装置は、前記シャフトには、複数の前記攪拌爪が設けられてあり、前記可撓部は、少なくとも1つ以上の前記攪拌爪と前記シャフトとの間に設けられている。
【0016】
本態様にあたっては、複数の攪拌爪を設けることにより効率的に被攪拌物の攪拌を行いつつ、これら攪拌爪に過度な負荷が加えられた場合であっても、可撓部によって当該負荷を緩和し、これら攪拌爪が破損することを抑制することができる。
【0017】
本開示の一態様に係る攪拌装置は、前記駆動部は、所定値以上の負荷が発生した場合、前記シャフトへの駆動力の伝達を停止する停止部を含み、前記可撓部は、該停止部が作動するよりも前に撓むようにしてある。
【0018】
本態様にあたっては、可撓部は、停止部が作動するよりも前に撓むようにしてあるので、瞬間的に過度な負荷が作用した場合であっても、当該負荷を緩和して、攪拌爪が破損することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
攪拌爪にかかる負荷が大きくなった場合であっても、攪拌爪が破断することを抑制することができる攪拌装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態に係る攪拌装置の内部構造を略示する側面図である。
図2】複数の攪拌爪及び可撓部が設けられたシャフトの斜視図である。
図3】複数の攪拌爪及び可撓部が設けられたシャフトの側面図である。
図4】可撓部を略示する斜視図である。
図5】可撓部を略示する正面図である。
図6】可撓部を略示する側面図である。
図7】可撓部を略示する平面図である。
図8】攪拌爪を略示する正面図である。
図9】攪拌爪及び可撓部を締結している要部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態に係る攪拌装置1の内部構造を略示する側面図である。攪拌装置1は、箱状をなす筐体2、及びこの筐体2内のフレームに固定された容器3(処理槽)を備える。筐体2は基台21を有しており、基台21を平坦な床に載置して、工場又は商業施設等の設備室に据え付けられている。以下の説明において、図に示す使用状態における上下を使用する。
【0022】
容器3の上部側には、投入口31が設けられ、容器3の下部側には、取出口32が設けられている。攪拌装置1の容器3には、例えば、食品残物、生ごみ等が投入される。投入された容器3内に収納された食品残物等は、攪拌爪6によって容器3内にて回転移動されて攪拌される。攪拌された食品残物等は、容器3内に存在する微生物等によって分解され有機肥料となり、この有機肥料は、取出口32から取り出される。攪拌装置1は、生ごみ等の処理の用途に限定されず、木くず、樹脂製廃棄物の処理、又は高粘性流体の攪拌にも適用することができる。
【0023】
容器3の内部には、軸方向が、重力方向に対し略垂直となるように丸棒状のシャフト5が、回転自在に設けられている。シャフト5には、プーリー41がシャフト5と同軸に設けられている。
【0024】
攪拌装置1は、シャフト5を回転駆動するための駆動部4を有している。駆動部4は、所定の回転運動を行うモータ(図示せず)、モータの軸と同軸に設けられたプーリー52、及び駆動部4のプーリー52とシャフト5に設けられたプーリー41との間で駆動部4の回転トルクを伝達するための伝達ベルト42を含む。駆動部4による回転トルクは、伝達ベルト42を介してシャフト5に伝達され、シャフト5は周方向に回転する。
【0025】
駆動部4は、更に停止部43を含む。停止部43は、駆動部4のモータに所定値以上の負荷が作用した場合、例えば、モータの回転を停止、又はモータの軸とプーリー52との係合を解除して、シャフト5にかかる負荷を軽減するように構成してある。
【0026】
図2は、複数の攪拌爪6及び可撓部7が設けられたシャフト5の斜視図である。図3は、複数の攪拌爪6及び可撓部7が設けられたシャフト5の側面図である。
【0027】
シャフト5の外周面には、複数の突設片51が設けられている。突設片51は矩形板状をなし、その一面の長手方向をシャフト5の軸方向に略平行にして、シャフト5の外周面から突出して設けられている。突設片51の一面には、締結用のボルトを挿通するための2つの孔部が長手方向に並設されている。
【0028】
突設片51は、シャフト5の軸方向における夫々の位置において、互いに反対方向となるように2つずつ設けられている。すなわち、軸方向における夫々の位置において、2つの突設片51が、周方向にて略180°異なるように設けられている。この2つの突設片51の組合せは、シャフト5の軸方向において4つ等配されている。等配されている突設片51の組合せ夫々における周方向に対する角度は、45°ずつ異なるようにしてある。シャフト5の突設片51には、可撓部7がボルトによって締結され、この可撓部7を介して、攪拌爪6がシャフト5に締結されている。
【0029】
図4は、可撓部7を略示する斜視図である。図5は、可撓部7を略示する正面図である。図6は、可撓部7を略示する側面図である。図7は、可撓部7を略示する平面図である。可撓部7は、第1板状部71及び第2板状部72を含み、鋼又はステンレス等の金属製である。可撓部7の材質は、ばね用ステンレス鋼帯(JISG4313/SUS304-CSP)であることが望ましい。
【0030】
第1板状部71は、正面視において台形状をなす。すなわち、第1板状部71は、矩形における一つの角部を除去した形状(角落ち形状)をなし、この角を除去した残部によって、その一面に台形状を含む5角形を形成している。第1板状部71は、台形状に限定されず三角状であってもよい。第1板状部71は、角部を除去することによる斜辺部が形成されており、この斜辺部は直線状に限定されず、凹又は凸となる曲線状であってもよい。
【0031】
第1板状部71の一面において、紙面上、左右に平行に位置する長辺と短辺との間には、シャフト5の突設片51と締結するためのボルトが挿通されるシャフト側孔部73が、2つ並設されている。
【0032】
第1板状部71の一面には、第2板状部72が略垂直に立ち上がって突設されている。第2板状部72は、矩形板状をなし、第1板状部71の一面の長辺側の端部から、当該一面に交差するように突設されている。第2板状部72の一面の長手方向は、第1板状部71の一面の長辺と平行となるようにしてある。図5に示すごとく、可撓部7は、第1板状部71と第2板状部72によって、L字状をなす。第1板状部71の端面は、L字の長辺に相当する。第2板状部72の端面は、L字の短辺に相当する。第2板状部72の一端面、すなわち第2板状部72の突出方向に平行な端面と、第1板状部71の一端面、すなわち角落ち形状による斜辺部に連続する端面とは、略水平となるように第2板状部72は設けられている。
【0033】
第2板状部72の長手方向の長さは、第1板状部71の長辺の長さより、小さく設定してある。従って、第1板状部71の長辺側の端部において、第2板状部72が突設されている部位と、第2板状部72が突設されていない部位とが存在する。上述した2つのシャフト側孔部73は、第2板状部72が突設されていない部位に対応した位置に設けられている。
【0034】
第2板状部72は、第1板状部71の長辺側の端部の一部を延設し、この延設した部分を略直角に折り曲げることによって形成することができる。又は、第2板状部72は、第1板状部71の長辺側の端部に、この長辺より短い辺を有する矩形状の板を接合することによって、設けるものであってもよい。
【0035】
第2板状部72の一面には、長手方向に沿って、攪拌爪6と締結するための攪拌爪側孔部74が2つ並設されている。
【0036】
第1板状部71及び第2板状部72の板厚は、略同じに設定してあり、この板厚は、材質、攪拌爪6の大きさ、又は駆動部4による駆動トルクに応じて適宜決定される。
【0037】
図8は、攪拌爪6を略示する正面図である。攪拌爪6は、折り曲げられてL字状に湾曲した長板状の湾曲板部61と、湾曲部の一端に設けられたコの字状の爪部62を含む。L字をなす湾曲板部61の短辺側には、可撓部7が締結され、長辺側には、爪部62が設けられている。
【0038】
湾曲板部61の他端側には、可撓部7と締結するためのボルトが挿通される孔部が、短手方向に沿って2つ並設(図2参照)されている。
【0039】
爪部62は、湾曲板部61の一端面に、一面が固定された矩形状の平板部と、平板部の長手方向の両端が折り曲げられた2つの折曲部を含む。爪部62は、この平板部及び2つの折曲部によって、コの字を形成している。爪部62は、コの字による凹側を湾曲板部61の一端面に向け、平板部の略中央に湾曲板部61の一端面を接合し、湾曲板部61の長手方向と平板部の長手方向が、略垂直に交差するように、湾曲板部61に固定してある。
【0040】
図9は、攪拌爪6及び可撓部7を締結している要部の説明図である。シャフト5の突設片51に設けられた孔部、及び可撓部7に設けられたシャフト側孔部73には、ボルトが挿通され、このボルト及びナットによって、突設片51及び可撓部7は、締結されている。
【0041】
突設片51は、その一面がシャフト5の軸方向に平行に設けられており、突設片51の2つの孔部夫々は、この軸方向に平行に形成されている。可撓部7の2つのシャフト側孔部73夫々は、突設片51の2つの孔部夫々に位置合わせてして締結されているため、この2つのシャフト側孔部73夫々もシャフト5の軸方向に平行に位置している。可撓部7は、第1板状部71の一面の一部を突設片51の一面に対向して、突設片51に締結してある。
【0042】
第1板状部71の一面の垂線は、シャフト5の軸方向と垂直に位置する。従って、シャフト5が回転する際、第1板状部71は、回転方向に対し弾性を有する板ばねとして機能する。
【0043】
上述のごとく、停止部43は、モータに所定値以上の負荷が作用した場合、モータの回転を停止する等によってシャフト5にかかる負荷を軽減する。従って、停止部43がモータの回転を停止するにあたり、モータ電流等に基づき負荷を検知又は判定するための処理を行う必要があるところ、可撓部7の第1板状部71は、当該処理を必要とせず、即座に過度な負荷を緩和するように機能する。すなわち、可撓部7の第1板状部71は、停止部43が作動するよりも前に、過度な負荷に対し撓むことによって、板バネの機能を発揮する。
【0044】
可撓部7の第2板状部72に設けられた攪拌爪側孔部74、及び攪拌爪6の湾曲板部61に設けられた孔部には、ボルトが挿通され、このボルト及びナットによって、可撓部7及び攪拌爪6は、締結されている。第2板状部72に設けられた2つの攪拌爪側孔部74は、シャフト5の軸方向に対し垂直、すなわち径方向に対し平行に位置する。
【0045】
第2板状部72は、第1板状部71に対し略垂直となるように突設されているため、第2板状部72の一面は、シャフト5が回転する際の周方向に対し、平行に位置する。すなわち、第2板状部72の一面の垂線は、シャフト5の軸方向と平行に位置する。
【0046】
第2板状部72に締結された攪拌爪6は、湾曲板部61の端面を回転方向に向けて、シャフト5の回転に基づき回転する。図3に示すごとく、シャフト5は、紙面上、時計回りに回転する。従って、攪拌爪6は、攪拌爪6の湾曲板部61のL字の角部を回転方向にむけて、回転するようにしてある。
【0047】
シャフト5と攪拌爪6との間には、可撓部7が設けられており、可撓部7の第1板状部71はシャフト5の突設片51と締結し、可撓部7の第2板状部72は攪拌爪6の湾曲板部61と締結してある。第1板状部71は、シャフト5の回転方向に対し、板バネとして機能するように設けられている。従って、駆動部4による駆動トルクがシャフト5に伝達され、シャフト5及び攪拌爪6が回転している際、瞬間的に過度な負荷が発生した場合、板バネとして機能する可撓部7の第1板状部71が撓むことによって、この過度な負荷を緩和し、攪拌爪6が破損することを抑制することができる。
【0048】
可撓部7の第1板状部71は、正面視において、矩形における一つの角部が除去された台形状又は三角状をなしている。従って、断面二次モーメントを小さくして撓み量を大きくし、瞬間的に発生した過度な負荷を効率的に緩和することができる。また、角部を除去することにより、被攪拌物が第1板状部71に引っ掛かることを抑制することができる。
【0049】
シャフト5には、複数の攪拌爪6が設けられおり、これら攪拌爪6とシャフト5の突設片51との間は、可撓部7を介在してある。従って、複数の攪拌爪6によって、攪拌能力を向上させつつ、瞬間的に過度な負荷が発生した場合であっても、複数の攪拌爪6夫々に締結してある可撓部7によって、過度な負荷を緩和して、これら複数の攪拌爪6が破損することを抑制することができる。
【0050】
可撓部7は、停止部43が作動するよりも前に撓むため、瞬間的に過度な負荷が作用した場合、可撓部7が撓むことにより負荷を緩和して、停止部43が当該過度な負荷に応じて作動するまでの間に、攪拌爪6が破損することを抑制することができる。
【0051】
実施形態1において、突設片51と可撓部7とは、別体の部品として構成したが、これに限定されない。可撓部7は、突設片51と一体に形成されていてもよい。突設片51は、シャフト5の外周面を基端として突設してあり、突設片51の先端において、実施形態1の可撓部7と同様に第1板状部71又は、第1板状部71及び第2板状部72が形成してあるものであってもよい。突設片51の先端に形成されている第1板状部71が撓むことによって、過度な負荷が発生した場合、攪拌爪6が破損することを抑制することができる。
【0052】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
1 攪拌装置
2 筐体
21 基台
3 容器
31 投入口
32 取出口
4 駆動部
41 プーリー
42 伝達ベルト
43 停止部
5 シャフト
51 突設片
52 プーリー
6 攪拌爪
61 湾曲板部
62 爪部
7 可撓部
71 第1板状部
72 第2板状部
73 シャフト側孔部
74 攪拌爪側孔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9