特開2020-111039(P2020-111039A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000003
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000004
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000005
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000006
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000007
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000008
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000009
  • 特開2020111039-コンクリート成形物製造装置 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-111039(P2020-111039A)
(43)【公開日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】コンクリート成形物製造装置
(51)【国際特許分類】
   B28B 7/10 20060101AFI20200626BHJP
【FI】
   B28B7/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-12574(P2019-12574)
(22)【出願日】2019年1月9日
(71)【出願人】
【識別番号】517084656
【氏名又は名称】株式会社ネクステック
(72)【発明者】
【氏名】高宮 一雅
【テーマコード(参考)】
4G053
【Fターム(参考)】
4G053AA07
4G053BB05
4G053BD02
4G053BE01
4G053BE05
4G053EA02
4G053EB05
(57)【要約】
【課題】コンクリート成形物の製造が、手間をかけることなく容易に行えるようにする。
【解決手段】 型枠内においてコンクリートを養生、固化させコンクリート成形物を得るためのコンクリート成形物製造装置において、底部に位置する型枠1の下面を支持固定するように間隔をおいて配置される複数本の底部支持固定材9のそれぞれに、側部に位置する型枠3の外面を支持固定する一対の側部支持固定材11が所定の間隔を介して回動可能に立設され、コンクリートの養生、固化後に、側部支持固定材11のそれぞれが回動により支持固定される型枠3と一体に外方に開かれることで、コンクリート成形物Xの取り出しが行われるもの。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠内においてコンクリートを養生、固化させコンクリート成形物を得るためのコンクリート成形物製造装置において、
底部に位置する前記型枠の下面を支持固定するように間隔をおいて配置される複数本の底部支持固定材のそれぞれに、側部に位置する前記型枠の外面を支持固定する一対の側部支持固定材が所定の間隔を介して回動可能に立設され、
前記コンクリートの養生、固化後に、前記側部支持固定材のそれぞれが前記回動により前記支持固定される型枠と一体に外方に開かれることで、前記コンクリート成形物の取り出しが行われることを特徴とするコンクリート成形物製造装置。
【請求項2】
前記底部型枠と前記側部型枠の外側位置において、前記底部支持固定材と前記側部支持固定材とが傾斜状態に配置される伸縮支持材により連結されている請求項1記載のコンクリート成形物製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビル建築現場等において使用するコンクリート成形物製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ビルの建築現場ではビルに組み込まれる梁等の構造物の製造を行っている。その製造は現場において設置する型枠内にコンクリートを流入して養生固化し、その後、型枠から取り外して行っている。梁等の構造物は現場において多数必要となるのでその製造が繰り返し行われるが、製造毎に型枠の組み立て、型枠の解体を行うので非常に手間がかかる問題があった。とくに、型枠の解体はコンクリート成形物を型枠から引き剥がすようにして行うので多大な手間を要した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は上記の事情に鑑みて行ったもので、コンクリート成形物の製造が、手間をかけることなく容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、型枠内においてコンクリートを養生、固化させコンクリート成形物を得るためのコンクリート成形物製造装置において、底部に位置する前記型枠の下面を支持固定するように間隔をおいて配置される複数本の底部支持固定材のそれぞれに、側部に位置する前記型枠の外面を支持固定する一対の側部支持固定材が所定の間隔を介して回動可能に立設され、前記コンクリートの養生、固化後に、前記側部支持固定材のそれぞれが前記回動により前記支持固定される型枠と一体に外方に開かれることで、前記コンクリート成形物の取り出しが行われることを特徴とするコンクリート成形物製造装置を提供する。
【0005】
上記構成のコンクリート成形物製造装置によれば、コンクリートの養生、固化後に、側部支持固定材のそれぞれが回動により支持固定される型枠と一体に外方に開かれることで、コンクリート成形物の取り出しが行われる。側部支持固定材のそれぞれが外方に型枠と一体に開かれることで、コンクリート成形物面から型枠の引き剥がしが容易に行われる。コンクリート成形物が取り外された後に側部支持固定材のそれぞれが回動により垂直位置に復帰されることで、再使用が可能となる。
【0006】
前記底部型枠と前記側部型枠の外側位置において、前記底部支持固定材と前記側部支持固定材とが傾斜状態に配置される伸縮支持材により連結されている構成とされることで、伸縮支持材を縮状態にすることで側部支持固定材が外方に型枠と一体に開かれ、伸び状態にすることで側部支持固定材が垂直位置に復帰される。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、ビルの建築現場等におけるコンクリート成形物の製造が、手間をかけることなく容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】 この発明のコンクリート成形物製造装置の斜視図
図2】 この発明のコンクリート成形物製造装置の正面図
図3】 この発明のコンクリート成形物製造装置の組み立て説明斜視図
図4】 この発明のコンクリート成形物製造装置の組み立て説明正面図
図5】 この発明のコンクリート成形物製造装置の要部断面図
図6】 この発明のコンクリート成形物製造装置の使用説明図
図7】 この発明のコンクリート成形物製造装置の要部斜視図
図8】 この発明のコンクリート成形物製造装置の要部施工説明斜視図
【発明の好ましい実施形態】
【0009】
図1はこの発明のコンクリート成形物製造装置Aを示す斜視図、図2は同正面図である。1は底部型枠、3は側部型枠、5は端部型枠であり、それぞれの型枠1、3、5は複数枚の型枠パネルが接合されて構成されている。7のそれぞれは台枠であり、それら4本の台枠7上に直交するように7本の底部支持固定材9が間隔をおいて配置され、それら底部支持固定材9上の中央に上記底部型枠1が支持固定されている。14は底部支持固定材9のそれぞれを連結固定する連結固定材である。底部支持固定材9のそれぞれに一対の側部支持固定材11が所定の間隔を介して相対するように立設され、これら側部支持固定材11により上記側部型枠3の外面が支持固定されている。13は端部支持固定材であり、上記端部型枠5の外面を固定支持している。15のそれぞれは装置固定材であり、コンクリート成形物製造装置Aの外形を固定支持している。17のそれぞれは伸縮支持材であり、底部型枠1と側部型枠3の外側位置で、底部支持固定材9と側部支持固定材11との間に傾斜状態に配置されている。伸縮支持材17はネジ部42と筒部44と操作部41を備え、操作部41の回転操作によりネジ部42が筒部44内に出入りしてその全体長さが伸縮される。19、20のそれぞれは型枠1、3、5内に配置される鉄筋である。
【0010】
上記底部支持固定材9への側部支持固定材11の取り付けは、図3図4図5に示すように、連結片21を介して行われる。底部支持固定材9の隙間8に上部から挿し入れられた連結片21が底部支持固定材9の垂直部23それぞれに軸支ピン27で回動可能に軸支されて取り付けられ、連結片21の上水平部25が側部支持固定材11の下端面部26に固定ボルト29で固定されて取り付けられている。24のそれぞれは補強プレートで垂直部23に固着されている。伸縮支持材17の上端片31、下端片33はともに扁平に形成され、上記連結片21と同様にして、上端片31が側部支持固定材11の隙間、下端片33が底部支持固定材9の隙間それぞれに挿し入れられ、ともに軸支ピン36、37により回動可能に軸支されて取り付けられている。
【0011】
上記コンクリート成形物製造装置Aの使用について説明する。図1に示す状態において型枠1、3、5内にコンクリートが流入され、固化、養生後に型枠1、3、5内からコンクリート成形物が次のようにして取り出される。始めに、装置固定材15のそれぞれを外すとともに、伸縮支持材17それぞれの操作部41を回転させて伸縮支持材17の長さをそれぞれの伸縮支持材17において同寸法縮小させる。これにより、側部支持固定材11が底部支持固定材9に、伸縮支持材17の上端、下端が側部支持固定材11、底部支持固定材9にともに回動可能に軸支されて取り付けられていることで、図6に示すように、側部支持固定材11それぞれの上部側が若干外方(矢印方向)に引っ張られ、相対する側部支持固定材11が側部型枠3とともに外方に5〜10度開き状態となり、側部型枠3面がコンクリート成形物X面から剥がされる。次に端部支持固定材13のそれぞれを外し、端部型枠5のそれぞれをコンクリート成形物Xより引き剥がし取り外す。次にクレーンにより吊り上げることでコンクリート成形物Xを底部型枠1から引き剥がし取り出す。コンクリート成形物Xが取り外されたコンクリート成形物製造装置Aは、伸縮支持材17における操作により側部支持固定材11のそれぞれが側部型枠3とともに垂直位置に復帰され、端部支持固定材13とともに端部型枠5が装着され、装置固定材15のそれぞれにより全体が固定されることで、次のコンクリート成形物の製造に使用される。
【0012】
図7図8により鉄筋19の端部型枠5からの突出配置構造を説明する。端部型枠5の鉄筋挿通穴51の両側に一対のスライドガイド53が固着されている。鉄筋19の篏合湾曲部55を備えスライドガイド53に下方からスライド装着される位置決め片57に支持されて、鉄筋19はその周面下端58が鉄筋挿通穴51の下縁56より若干浮いた位置となるように配置されている。60は枠状の取付け台でナット64が上部下面に固定状態に取り付けられ、ナット64には取付け台60の上部を通して螺入される位置調整ボルト62が装着されている。この取付け台60が端部型枠5の外面のリブ69上に設置され、位置調整ボルト62の上面に位置決め片57の下部片68が載置される状態において、位置調整ボルト62が回転操作されて下部片68に押し上げられることで鉄筋挿通穴51内の鉄筋19が上昇して鉄筋挿通穴51の下縁56より若干浮いた位置に配置され、その位置において鉄筋19の周囲にコーキング材70が充填されて固定されている。鉄筋19が鉄筋挿通穴51の下縁56より若干浮いた位置とされることで、端部型枠5の取り外し時に鉄筋19の周面下端58の鉄筋挿通穴51の下縁56への接触が防止され、これにより鉄筋挿通穴51の下縁56の損傷が防止されて端部型枠5の再使用が支障なく行われる。
【符号の説明】
【0013】
A コンクリート成形物製造装置
1 底部型枠
3 側部型枠
5 端部型枠
9 底部支持固定材
11 側部支持固定材
17 伸縮支持材
X コンクリート成形物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8