(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-111435(P2020-111435A)
(43)【公開日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】運搬具
(51)【国際特許分類】
B65G 7/12 20060101AFI20200626BHJP
【FI】
B65G7/12 F
B65G7/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-3530(P2019-3530)
(22)【出願日】2019年1月11日
(11)【特許番号】特許第6529696号(P6529696)
(45)【特許公報発行日】2019年6月12日
(71)【出願人】
【識別番号】519012574
【氏名又は名称】坪井 進
(74)【代理人】
【識別番号】100143111
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 秀夫
(74)【代理人】
【識別番号】100189876
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 将晴
(72)【発明者】
【氏名】坪井 進
(57)【要約】 (修正有)
【課題】重ねた物品に装着しやすく、運搬の際に重ねた物品が傾きにくく、扉を開閉する際に運搬具を仮置きしても装着状態が解除されず、物品を安定させた状態で運搬しやすい運搬具を提供すること。
【解決手段】運搬具1に一対の挟持体10を備え、一対の挟持体の中央と物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させる誘導手段を備える。誘導手段は、各々の挟持体の前方と後方に配設させ、内方側に突出された突出部材21とし、前方に配設された前記突出部材の内面を前方に傾斜させ、後方に配設された突出部材の内面を後方に傾斜させ、物品を挟持体に挟持させる際に、突出部材の各々の内面が前記物品に接して位置誘導させるようにする。また、挟持状態ロック手段60を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面的に広がりのある物品の上から下ろし、前記物品の左右を挟持させる一対の挟持体を備えた運搬具であって、
前記挟持体の各々の下部には、前記一対の挟持体の中央と前記物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させる誘導手段を備え、
前記誘導手段が、各々の前記挟持体の前方と後方に配設されると共に、内方側に突出された突出部材からなり、
前方に配設された前記突出部材の内面が前方に傾斜され、後方に配設された前記突出部材の内面が後方に傾斜されてなり、
前記物品を前記一対の挟持体に挟持させる際に、各々の前記内面が前記物品に接して位置誘導させる、
ことを特徴とする運搬具。
【請求項2】
前記挟持体の各々が、把持部と、弾発手段と、挟持ロック手段とを有する竿体を備え、
各々の前記竿体が、前記物品の上方に向けて屈曲されてなり、前後方向に伸びる第1水平軸部の周りに軸動可能とされ、
前記把持部が、各々の前記竿体の上方先方に備えられ、
前記弾発手段が、前記把持部の下方に、各々の前記竿体を繋いで備えられ、
前記把持部が把持された状態で、前記一対の挟持体の下方が閉じて前記物品が挟持され、前記挟持ロック手段により前記把持部がロックされ、
前記挟持ロック手段がロック解除されると、前記弾発手段の弾発作用により、前記一対の挟持体の下方が拡開され、前記物品が離脱可能とされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬具。
【請求項3】
各々の前記竿体が、第1水平軸部よりも下方の位置に、夫々前後方向に伸びる第2水平軸部と第3水平軸部とを有し、
各々の前記竿体を、上に位置される第2水平軸部において上方に屈曲させ、下に位置される第3水平軸部において下方に屈曲させることにより、前記物品よりも幅が広い幅広物品が把持可能とされている、
ことを特徴とする請求項2に記載の運搬具。
【請求項4】
前記誘導手段をなす、前方の突出部材と後方の突出部材との距離が調整可能とされ、
前後方向の長さが異なる物品に適用可能とされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の運搬具。
【請求項5】
各々の前記突出部材は垂直軸部を有し、
各々の前記突出部材が垂直軸部に対して水平に軸動可能とされ、
前後に並んだ前記垂直軸部を結ぶ仮想線上において、前後に並んだ前記突出部材の内面の距離が、前記物品の前後の大きさとされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の運搬具。
【請求項6】
各々の前記竿体が、前後に配された一対の竿体からなり、
前方の前記竿体と後方の前記竿体とが、前方の前記突出部材と後方の前記突出部材との間に配設されている、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の運搬具。
【請求項7】
前記物品が、上縁に水平な鍔部と前記鍔部の外縁から垂下される手掛片とを有する部品運搬ケースとされ、
各々の前記挟持体の内方に、上方に屈曲された尖頭部を有する軸体が複数備えられ、
前記尖頭部が前記鍔部の下面を支持すると共に、いずれかの前記尖頭部が前記手掛片に係止される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の運搬具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
扉を開閉する必要がある出入口を通行する場合でも、部品が収容された部品運搬ケース(以下、通い箱という。)等の平面的に広がりのある物品を運搬しやすい運搬具に関する。詳細には、重ねた物品に装着しやすく、運搬の際に重ねた物品が傾きにくく、扉を開閉する際に運搬具を仮置きしても装着状態が解除されず、物品を安定させた状態で運搬しやすい運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な製造工場の出入口は、作業環境改善と安全管理を目的として、物品搬送車用のシャッターと作業者用の扉とが並んで設けられ、作業者は物品を運搬する場合でも、作業者用の扉を通行している。より具体的には、敷地内の異なる建物品から部品等が収容された通い箱を運ぶ場合には、両手で通い箱を持ち上げて建物品の扉まで運んでから、扉の前で通い箱を降ろし、扉が閉じないように体で扉を支えた状態で、再度、両手で通い箱を持ち上げなおして扉を通行していた。
【0003】
特許文献1には、コンクリート製のブロックの運搬具の技術が開示されている。特許文献1に記載の運搬具には、ブロックの側面を挟む向かい合った挟持爪を先方に有すると共に、挟持爪を開閉可能とさせるように軸動可能に連結された対をなす把持竿が備えられている。対をなす把持竿は前後に二対備えられ、前後の把持竿上部を繋いでいる把持部を持上げると先方の挟持爪が閉じてブロックを挟持し、把持部を下ろすと先方の挟持爪が開いてブロックの挟持状態が解除される。
【0004】
この技術によれば、隣合わせて並べたブロックの前後の対をなす孔に、夫々対をなす挟持爪を挿し込んで、把持部を持ち上げて運搬すれば、左右両手でブロックを運搬することもできるとされている。しかし、この運搬具は開かれた場所で物品を運搬するには好適であったが、扉を通行する場合等に、運搬具を下ろすと、降ろした運搬具の挟持状態が解除され、物品を脱落させやすいという課題があった。
【0005】
特許文献2には、バッテリーのトレイに、自動車用のバッテリーを搭載させる運搬冶具の技術が開示されている。この運搬冶具には、中央部で軸動可能に交差された一対の縦竿体の上部の夫々を、横竿体の左右に伸びる長孔の中に挿し込んでいる。横竿体の左右各々の外方には第1の軸部を張り出させ、一対の縦竿体の交差部の側面からは第2の縦竿体を上方に伸ばし、第2の縦竿体の左右外方には第2の軸部を張り出させている。
【0006】
そして、上下に並んだ第1の軸部と第2の軸部とを把持し、第1の軸部を上にあげて、一対の縦竿体の先方を閉じて物品を挟持させ、運搬治具を持ち上げて運搬させる。一方、物品を所定の位置に降ろせば、一対の縦竿体の間に装着されたバネの弾発作用により第1の軸部が下方に引き下ろされ、挟持状態が解除され、物品が所定の位置に載置される。
【0007】
物品がバッテリーである場合には、衣服を汚さないように、且つトレイとバッテリーとの隙間に指を挟まないようにして、トレイにバッテリーを載置することができ好適であるとされている。しかし、この技術を平面的に広がりのある物品を運搬する運搬具に適用する場合には、物品を重ねて運ぼうとすると上に積んだ物品が傾きやすく、また、物品を下ろすと、挟持状態が解除され、物品の仮置きができないという課題があった。
【0008】
特許文献3にも、自動車用のバッテリーをトレイに搭載させる運搬治具の技術が開示されている。この運搬治具は、特許文献2に記載の運搬冶具とは構成は異なるが、第2の発明と同様に、物品を重ねて運ぼうとすると、物品が傾いて上に積んだ物品が滑り落ちやすく、また、物品を下ろすと、挟持状態が解除され、物品の仮置きができないという課題があった。
【0009】
特許文献4には、複数段に重ねたトレイの運搬冶具であって、Z字形アームを交差させたアームの先端に鉤部を備えさせた運搬冶具の技術が開示されている。この技術の場合には、鉤部が最下段のトレイの段角部に係るため、トレイを安定した状態で運搬することができるとされている。しかし、トレイを仮置きすると鉤部が外れ、挟持状態が解除され、物品の仮置きができないという課題があった。
【0010】
前記のように、従来の運搬具は、物品の左右を挟持体で挟持させて運搬させている。しかし、物品が平面的に広がりのある物品である場合には、物品を傾かせない安定した状態で運搬させるためには、挟持体の中央に物品の中央が合うようにする必要があった。しかし、従来の運搬具によれば挟持体の中央を物品の中央に合わせにくく、運搬の際に物品が傾きやすく、扉を開閉して通行する場合には物品を運搬しにくいという課題があった、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開昭59−195110号
【特許文献2】実開昭60−96306号
【特許文献3】実開昭61−132381号
【特許文献3】実開平02−149612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、部品が収容された部品運搬ケース等の平面的に広がりのある物品を、運搬しながら扉を開閉する場合でも、運搬しやすい運搬具を提供することを課題としている。詳細には、重ねた物品に装着しやすく、運搬の際に重ねた物品が傾きにくく、扉を開閉する際に運搬具を仮置きしても装着状態が解除されず、物品を安定させた状態で運搬しやすい運搬具を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の発明は、平面的に広がりのある物品の上から下ろし、前記物品の左右を挟持させる一対の挟持体を備えた運搬具であって、前記挟持体の各々の下部には、前記一対の挟持体の中央と前記物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させる誘導手段を備え、前記誘導手段が、各々の前記挟持体の前方と後方に配設されると共に、内方側に突出された突出部材からなり、前方に配設された前記突出部材の内面が前方に傾斜され、後方に配設された前記突出部材の内面が後方に傾斜されてなり、前記物品を前記一対の挟持体に挟持させる際に、各々の前記内面が前記物品に接して位置誘導させることを特徴としている。
【0014】
挟持体は、板体又は前後に配された竿体であればよいが、竿体と板体とからなっていてもよい。挟持体は、物品の左右を挟持すると好適であるが、挟持体の向きをかえて前後を挟持するように適用してもよいことは勿論のことである。挟持体の下部には、物品に接しながら一対の挟持体の中央と前記物品の中央とを平面的に合わせるように誘導させる突出部材が備えられている。重ねた物品が位置ずれしやすい物品である場合には、突出部材を挟持体の下部だけではなく、上方まで形成させておけばよい。
【0015】
突出部材は、少なくとも水平方向において傾斜されていればよい。具体的には、前後の突出部材の間隔を、物品に面する先方側は広く、基端部側は狭くなるように水平方向に傾斜させ、運搬具を物品の上から下ろしてから、物品を挟持しながら、挟持体の中央と物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させればよい。
【0016】
本発明の第1の発明によれば、物品を挟持させる一対の挟持体を、平面的に広がりのある物品の左右を挟持させるように下ろしてから、挟持させる際に、誘導手段をなす突出部材を物品の外縁に接しさせながら、挟持体の中央と物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させる。これにより、運搬中に重ねた物品を傾かせないように、挟持体の中央と物品の中央とを平面的に合わせやすいという従来にない有利な効果を奏する。
【0017】
本発明の第2の発明は、第1の発明の運搬具において、前記挟持体の各々が、把持部と、弾発手段と、挟持ロック手段とを有する竿体を備え、各々の前記竿体が、前記物品の上方に向けて屈曲されてなり、前後方向に伸びる第1水平軸部の周りに軸動可能とされ、前記把持部が、各々の前記竿体の上方先方に備えられ、前記弾発手段が、前記把持部の下方に、各々の前記竿体を繋いで備えられ、前記把持部が把持された状態で、前記一対の挟持体の下方が閉じて前記物品が挟持され、前記挟持ロック手段により前記把持部がロックされ、前記挟持ロック手段がロック解除されると、前記弾発手段の弾発作用により、前記一対の挟持体の下方が拡開され、前記物品が離脱可能とされることを特徴としている。
【0018】
ここで第1水平軸の位置は限定されず、各々の挟持部の直上部でもよく、挟持させる物品の中央上部でもよい。把持部は、物品の中央上部に設けられると好適であるが、左右のいずれかに偏っていてもよい。弾発手段は、竿体の形態に応じて圧縮又は引張のいずれかの弾発力を生じさせればよい。挟持ロック手段は、各々の竿体の上部に備えられた把持部を係合させる鉤爪体であればよいが、形態は限定されない。
【0019】
運搬作業員が、重ねた物品の上から下に挟持部を下ろすようにして、運搬具により重ねた物品を囲む。運搬作業員が把持部を弾発手段の弾発力に抗して把持し、挟持ロック手段により把持部をロックする。そして、挟持ロック手段が解除されるまでは、把持部がロックされたまま物品が挟持されている。これにより扉を通行する際に運搬具を仮置きし、再度持上げる際にも、挟持体を挟持させなおす必要がない。一方、把持部のロックを解除すれば、弾発作用により挟持部の下方が拡開され、物品を容易に離脱させることができる。
【0020】
第2の発明によれば、物品を仮置きしても運搬具が物品から離脱されず、一方、把持部をロック解除すれば挟持部が拡開され物品が離脱される。これにより、物品を安定させた状態で、且つ容易に運搬することができる。
【0021】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明の運搬具において、各々の前記竿体が、第1水平軸部よりも下方の位置に、夫々前後方向に伸びる第2水平軸部と第3水平軸部とを有し、各々の前記竿体を、上に位置される第2水平軸部において上方に屈曲させ、下に位置される第3水平軸部において下方に屈曲させることにより、前記物品よりも幅が広い幅広物品が把持可能とされていることを特徴としている。
【0022】
各々の竿体を、第2水平軸部において上方に屈曲させ、また第3水平軸部において下方に屈曲させると、挟持体が物品を挟持させる幅が、第3水平軸部よりも下方における竿体が向い合った幅とされる。通い箱の場合には、平面形状が一辺30cmの正方形形状の物品と、前後方向の長さが同一で幅が2倍の長方形形状の物品とが用いられている。第3の発明によれば、左右方向の幅が大きく異なる物品にも適用でき、安定させた状態で運搬することができるという効果を奏する。
【0023】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の運搬具において、前記誘導手段をなす、前方の突出部材と後方の突出部材との距離が調整可能とされ、前後方向の長さが異なる物品に適用可能とされていることを特徴としている。前方の突出部材と後方の突出部材との距離が調整可能とされる態様は、各々の突出部材を前後にスライドさせればよいが、突出部材を付設させた腕部を屈曲させる等の形態であってもよい。第4の発明によれば、物品の前後方向の長さが異なる場合にも適用可能であり、汎用性のある運搬具とすることができるという効果を奏する。
【0024】
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明の運搬具において、各々の前記突出部材は垂直軸部を有し、各々の前記突出部材が垂直軸部に対して水平に軸動可能とされ、前後に並んだ前記垂直軸部を結ぶ仮想線上において、前後に並んだ前記突出部材の内面の距離が、前記物品の前後の大きさとされていることを特徴としている。
【0025】
まず、物品を挟持させる際に、いずれかの突出部材の内面のいずれかの位置が物品に接する。そして、左右の挟持部材の間隔が狭くなるにつれて、順に他の突出部材の内面も物品に接するようになる。左右の挟持部材の間隔が、更に狭くされると、各々の突出部材の先端側の前後方向が狭く、基端部側の前後方向が広くなるように、各々の突出部材が軸動され、前後に並んだ前記突出部材の内面に物品が挟まれるようにして挟持される。
【0026】
第5の発明によれば、物品を挟持させる際に、物品の中央と挟持部材の中央とを、突出部材を軸動させながら、平面的に緩やかに合わせやすく、各々の突出部材により物品を隙間なく挟持させるため、運搬の際に物品の位置をずらすことがなく、より安定した状態で物品を運搬することができるという有利な効果を奏する。
【0027】
本発明の第6の発明は、第2から第5の発明の運搬具において、各々の前記竿体が、前後に配された一対の竿体からなり、前方の前記竿体と後方の前記竿体とが、前方の前記突出部材と後方の前記突出部材との間に配設されていることを特徴としている。
【0028】
竿体が、一対の竿体からなっていることにより、運搬具が変形しにくく、運搬の際に傾きにくい。また、前方と後方の突出部材の間に、換言すれば物品の前後方向の中央近傍に、一対の竿体が配設され、運搬作業員が運搬中の物品の状態を確認しやすいと共に物品が運搬作業員の体に接しにくい。これにより、運搬作業員が、より安定した状態で物品を運搬することができる。
【0029】
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明の運搬具において、前記物品が、上縁に水平な鍔部と前記鍔部の外縁から垂下される手掛片とを有する部品運搬ケースとされ、各々の前記挟持体の内方に、上方に屈曲された尖頭部を有する軸体が複数備えられ、前記尖頭部が前記鍔部の下面を支持すると共に、いずれかの前記尖頭部が前記手掛片に係止されることを特徴としている。
【0030】
通い箱には、箱の上縁に水平な鍔部と前記鍔部の外縁から垂下される手掛片とからなる手掛け用の窪みが形成されている。挟持体の内方に備えられている複数の軸体の内のいずれかの尖頭部が、窪み部をなす手掛片に係止されると共に、手掛片に係止されていない尖頭部も鍔部を支持しているため、物品を運搬中に運搬具を揺らすことがあっても、挟持体から物品が外れにくく、物品を脱落させにくいという効果を奏する。
【発明の効果】
【0031】
・第1の発明によれば、運搬中に重ねた物品を傾かせないように、挟持体の中央と物品の中央とを平面的に合わせやすいという従来にない有利な効果を奏する。
・第2の発明によれば、物品を安定させた状態で、且つ容易に運搬することができる。
・第3の発明によれば、左右方向の幅が大きく異なる物品にも適用でき、安定させた状態で運搬することができるという効果を奏する。
・第4の発明によれば、物品の前後方向の長さが異なる場合にも適用可能であり、汎用性のある運搬具とすることができるという効果を奏する。
・第5の発明によれば、物品の中央と挟持部材の中央とを、平面的に緩やかに合わせやすく、運搬の際に物品の位置をずらすことがなく、より安定した状態で物品を運搬することができるという有利な効果を奏する。
・第6の発明によれば、運搬作業員が運搬中の物品の状態を確認しやすいと共に物品が運搬作業員の体に接しにくく、運搬作業員が、より安定した状態で物品を運搬することができる。
・第7の発明によれば、物品を運搬中に運搬具を揺らすことがあっても、挟持体から物品が外れにくく、物品を脱落させにくいという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
運搬具に一対の挟持体を備えさせ、一対の挟持体の中央と前記物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させる誘導手段を備えさせた。誘導手段は、各々の挟持体の前方と後方に配設させ、内方側に突出された突出部材とし、前方に配設された前記突出部材の内面を前方に傾斜させ、後方に配設された突出部材の内面を後方に傾斜させ、物品を挟持体に挟持させる際に、突出部材の各々の内面が前記物品に接して位置誘導させるようにした。
【実施例1】
【0034】
通い箱を運搬作業員が運搬するに適した実施例1の運搬具1を、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、2段に重ねた通い箱100の左右を運搬具1により挟持させる状態の斜視図を示している。
図1における左下を前方として、以下運搬具1を説明する。
図2は、重ねた通い箱100の上から運搬具1を下ろして挟持させる工程を説明する説明図を示している。
図3は、挟持体10の構成を説明する説明図を示している。
図1においては、挟持体を狭くする方向を太線矢印で示している。
【0035】
通い箱100は、平面形状が一辺30cmの正方形形状とされ、上縁が鍔部101に囲まれると共に、側面の鍔部の略中央部からは手掛片102が垂下され、手掛部としての窪部が形成されている。また、通い箱100の下部は段部をなすように絞られ、通い箱が重ねられた状態で、上に載せた通い箱が下の通い箱からずれ落ちないようにされている。
【0036】
運搬具1は、左右一対の挟持体10,10からなっている。挟持体10は、通い箱100を挟持させる挟持板20と、通い箱100の上方において2か所の屈曲部で屈曲され、前後に配設された竿体30と、竿体30の上部に形成された把持部40と、把持部の下方で左右の竿体を繋ぐように配設された弾発手段50と、把持部が閉じた状態を固定させる鉤爪体60とからなっている。
【0037】
挟持板20は、左右各々の挟持体10の下方に、前後に分割されて付設され、前方の挟持板は前方部が、後方の挟持板は後方部が通い箱100に向けて内側に屈曲され、突出部材21とされている。通い箱100を挟持体10により挟持させる際に、各々の突出部材21,21・・が通い箱100の隅部に接し、通い箱の中心と4枚の挟持板20に囲まれた挟持体10の中心とを平面的に合わせるように誘導させる。各々の挟持板20には、前後方向にスライドされるスライド部をなす細幅板体22が一体に形成されている。
【0038】
竿体30は、前後に配された2本の竿体が、一対の挟持体の一方の竿体とされている。各々の竿体は上に伸びてから内方に屈曲され、通い箱100の中央上部を越えてから上方に屈曲されている。前後の竿体30の下方は、内方側に開放部が形成された略コ字形状をなすスライドレール31で連結されている。
【0039】
ここで
図3を参照して、挟持板20と竿体30の構成について詳細に説明する。
図3(A)図は、
図3(B)
図A−A位置断面図、
図3(B)図は
図3(A)
図B−B位置断面図、
図3(C)図は
図3(A)
図C−C位置断面図を示している。なお、理解を容易にするため、各図とも物品を破線で示している。各々の挟持板20の上下方向略中央部には、前記細幅板体22が一体に形成されている。前方の細幅板体22は後部が後方に突出され、後方の細幅板体22は前部が前方に突出され、突出された各々には上下にボルト孔が貫通されている。
【0040】
前後夫々の細幅板体22が、竿体30の下部を連結しているスライドレール31にスライド可能に挿入される。この細幅板体22をスライドレール31に沿ってスライドさせることにより、前方の突出部材と後方の突出部材との距離が調整される。詳細には、スライドレール31の前方部と後方部には、垂直方向に貫通された長孔32が形成され、前方部の長孔32と、前方の細幅板体の後方に貫通されたボルト孔とにボルト33が貫通されて螺着され、前方の突出部材の前方への突出位置が決定される。また、後方の突出部材についても同様とされている。
【0041】
前後の突出部材の屈曲部23,23の距離を、通い箱100の前後の寸法よりもやや大きい寸法に調整しておけば、通い箱100に突出部材21が接しにくく、挟持する際に挟持体10を、通い箱100の上から下ろすことが容易である。一方、前後の突出部材の屈曲部23,23の距離と通い箱100の前後の寸法とを揃った寸法としておけば、挟持した際に通い箱100の中心と挟持体10の中心との平面的な位置が揃った位置にすることが容易であり、運搬する際により安定して運搬しやすい。
【0042】
また、スライドレール31の下面と、細幅板体22の下面とには、内方に向けて、上方に屈曲された尖頭部を有する軸体61が、夫々複数個付設されている。細幅板体の複数個の軸体の尖頭部62が通い箱100の鍔部101を支障すると共に、スライドレール31中央部近傍の複数個の軸体の尖頭部63が通い箱100の手掛部に係止され、運搬の際に通い箱100が揺れても運搬具1から通い箱を脱落させにくくしている。
【0043】
なお、スライドレール31の外側には、軟質樹脂部材からなる緩衝部材64が添着されている。緩衝部材64は、通い箱を運搬している運搬具1が揺れて運搬作業員の体に触れても、運搬作業員を傷つけないようにされている。軟質樹脂材は、発泡樹脂剤が好適であるが限定されない。
【0044】
スライドレール31の天面前端には前方の竿体30の下端が、スライドレール31の天面後端には後方の竿体30の下端が一体に溶着され、竿体30が外方に開かれれば、スライドレール31に沿ってスライドされる挟持板20も併せて外方に広がり、挟持板20の間隔が広がるようにされている。スライドレール31から上方に伸びている竿体30は、通い箱100を4段重ねた高さのやや上方で、通い箱100の上方に向けて屈曲されている。屈曲部の近傍には前後の竿体30,30を繋ぐ補強板34(
図1参照)が付設されている。
【0045】
更に、屈曲された各々の竿体30,30は、通い箱100の中心上部を越えてから上方に向けて屈曲される。前方及び後方とも、左方の竿体30,30と右方の竿体30,30は、通い箱100の中心上部の交差位置35で軸動可能に交差されている。更に、左方及び右方とも、前方と後方の竿体30,30の頂部において把持部40,40をなす軸体により連結されると共に、前方の交差位置と後方の交差位置とが第1水平軸部をなす軸体41により軸動可能に連結されている(
図1参照)。
【0046】
前方及び後方とも、左方の竿体30と右方の竿体30の間には、把持部40と交差位置35との間の位置に、弾発手段50としてのコイルバネが付設されている。実施例1の弾発手段50は圧縮された状態から伸長する圧縮ばねとされている。また、把持部40の後方部には、一方の把持部の軸体の回りに軸動可能とされ、他方の把持部の軸体に係止される鉤爪体60が挟持ロック手段として付設されている。左右の把持部30,30を近寄らせた状態で鉤爪体60を引っ掛け、把持部30,30の開放をロックする。
【0047】
ここで、
図2を参照して、通い箱100に運搬具1を挟持させる工程を具体的に説明する。下方が段部をなすように絞られた通い箱100が2段重ねられ、挟持体10で挟持される物品とされている。
図2の各図は、2段重ねの通い箱100の前方からの側面図を示している。通い箱100の上縁の周囲には鍔部101が形成されると共に、左右の側面の略中央部の鍔部からは垂下された手掛片102が形成されている(
図2各図、
図3(A)図参照)。
【0048】
把持部40,40が把持されて、左右の挟持板20,20の間隔が広がった状態の挟持体10が、2段重ねの通い箱100の上方から下ろされ位置合わせされる。物品の左右の幅よりも左右の挟持板20,20の間隔が広くされているため、挟持体10が下ろされる際には、挟持板20,20が物品に引っ掛かりにくく、容易に挟持板20,20の下方を物品の底部の近傍まで下ろすことができる(
図2(A)図参照)
【0049】
挟持板20,20の下方を物品の底部の近傍まで下ろしてから、把持部40,40が把持されると、挟持板20,20の間隔が狭くされる(
図2(B)図参照)。そして、先方が広く開いた突出部材21,21・・のいずれかの位置に物品を摺らせ、挟持体10の中央と物品の中央とを平面的に合わせるように誘導させながら、左右の挟持板20,20により物品の左右面を挟持させる(
図1参照)。
【0050】
挟持板20,20が物品を挟持した状態において、運搬具1が僅かに持ち上げられると、スライドレール31の下面と、細幅板体22の下面とに付設された軸体61の上方に屈曲された尖頭部62,63が物品の鍔部を支える状態とされる。スライドレール31の下面に付設された複数の軸体の尖頭部63は、手掛片102に係止された状態となり、物品が揺れても外れにくい(
図3(B)図参照)。また、前後の細幅板体22の下面に付設されている複数の軸体の尖頭部62は鍔部101の下面を支えている(
図3(C)図参照)。
【0051】
手掛片102を含めて鍔部101の全体が複数の尖頭部62,63で支えられ又は係止されているため、物品を運搬する際に物品を揺動させても、安定した状態で物品を運搬することができる。通い箱の前後方向の寸法が異なる場合には、スライドレール31に挿通されている細幅板体22の前後方向の突出寸法を調整して、通い箱100の隅部に突出部材の屈曲部23の内面が接するように、前方の突出部材21と後方の突出部材21との距離が調整されればよい。
【実施例2】
【0052】
実施例2は、誘導手段をなす突出部材70が、垂直軸部71を有し、突出部材70が垂直軸部71に対して水平に軸動可能とされた運搬具2を、
図4を参照して説明する。
図4(A)図は開いた状態の突出部材70が通い箱100の隅部に接し始める状態を示し、
図4(B)図は前方と後方の突出部材70がいずれも通い箱100の隅部に接した状態を示し、
図4(C)図は左右の挟持体10の間隔を狭くし、前後に並んだ垂直軸部71を結ぶ仮想線上において前後に並んだ突出部材70,70の内面で通い箱100を挟んだ状態を示している。なお、
図4は、理解を容易にするため半面を示している。
【0053】
運搬具2においては、前方と後方の突出部材70,70がなす傾斜面72が開かれた状態で、通い箱100を左右の挟持体10により挟持させ始めると、まず、前方又は後方のいずれかの傾斜面72のみが通い箱100の隅部に接する(
図4(A)図参照)。更に左右の挟持体10の間隔を狭くし、他の傾斜面72を他の隅部に接しさせるようにして、左右の挟持体10の中心と通い箱100の中心を平面的に合わせるように誘導させる(
図4(B)図参照)。
【0054】
そして、更に左右の挟持体10の間隔を狭くするよう、把持部40(
図1参照)が把持される。前方と後方の突出部70,70とも、垂直軸部71よりも外方が通い箱100に押されて間隔が広くなると共に、垂直軸部71よりも内方が狭くなる(
図4(C)図参照)。そうすると、突出部材の傾斜面72,72が物品の前後の面を挟むように接し、挟持体10に挟まれた通い箱100が前後に遊動できない状態となる。これにより、物品を運搬する際に物品が揺れ動きにくくなり、より安定した状態で物品を運搬することができる。なお、実施例1と同様な構成の一部については、図面に同一の符号を付し説明を省略している。
【実施例3】
【0055】
実施例3は、竿体36が、第1水平軸部80よりも下方の位置に、夫々前後方向に伸びる第2水平軸部81と第3水平軸部82とを有し、竿体36を屈曲させることにより幅が広い幅広物品が挟持可能とされている運搬具3を、
図5を参照して説明する。
図5(A)図は、幅の狭い通い箱100に適用される場合を示し、
図5(B)図は、幅の広い通い箱103に適用される場合を示している。
【0056】
左右各々の竿体36は、挟持板20の直上部の竿体が屈曲される位置に第2水平軸部81と、第2水平軸部81と挟持板20との中間に第3水平軸部82を有する。第2水平軸部81と第3水平軸部82は、夫々前後方向に伸びている。また、第2水平軸部81と第3水平軸部82の両側に伸びている各々の竿体からは、略四分円弧の形状をなした連結アーム83,83が、夫々第2水平軸部81と第3水平軸部82を中心にして、竿体36の内面側に伸びている(
図5(A)図参照)。
【0057】
各々の連結アーム83,83には、一方からの連結アーム83,と他方からの連結アーム83とが重なる位置の両端に、貫通孔84が穿孔されている。貫通孔84に割ピン(図省略)を挿しこむことにより、竿体36を伸ばした状態と、竿体36を屈曲させた状態とを選択して固定できるようにされている。
【0058】
幅が狭い通い箱100から幅が広い通い箱103に換えて、運搬具3を適用する場合には、まず、第2水平軸体81を中心とする2つの連結アーム83の貫通孔84に挿し込まれている割ピンを抜いて、屈曲されている竿体36をまっすぐに伸ばした状態とさせる。そして、2つの連結アームが重なった位置の貫通孔84に割ピンを挿しこんで、竿体36を伸ばした状態に固定させる。
【0059】
次に、第3水平軸体82を中心とする2つの連結アーム83の貫通孔84に挿し込まれている割ピンを抜いて、伸びた状態の竿体36を屈曲させた状態とさせる。そして、2つの連結アームが重なった位置の貫通孔84に割ピンを挿しこんで、竿体36が屈曲された状態に固定させる(
図5(B)図参照)。上方の第2水平軸部81で竿体がまっすぐに伸ばされた状態とされ、下方の第3水平軸部82で竿体が屈曲された状態とされることにより、向い合う挟持板20,20の間隔が広くなり、幅が広い通い箱103にも適用可能となる。
【実施例4】
【0060】
実施例4は、運搬具1から運搬具3の竿体とは異なる形態の竿体を備えた運搬具4及び運搬具5を、
図6を参照して説明する。
図6(A―1)図と
図6(A―2)図は運搬具4の側面図を示し、
図6(B―1)図と
図6(B―2)図は運搬具5の側面図を示している。
図6においては、理解を容易にするために、左方の竿体を実線で示し、右方の竿体を破線で示している。
【0061】
運搬具4の左右の竿体90,90は、通い箱の側面上方において内方に屈曲され、通い箱の中心上部を越してから上方に屈曲されている。左右の各々の竿体90,90は、挟持板20,20の直上部に第1水平軸部91,91を備えている。左右の第1水平軸部91,91は、水平に伸びる水平軸92で連結されている。各々の竿体90,90の上端部に形成された左右の把持部42,42の間隔が広くされると、挟持板20,20の間隔が広くなり、通い箱の上方から挟持体10を下ろすことが容易になる(
図6(A―1)図参照)。
【0062】
実施例1と同様に、把持部42,42が把持され、通い箱が挟持されてから、挟持ロック手段をなす鉤爪部60により把持部42,42がロックされ、挟持板20の挟持状態もロックされる(
図6(A―2)図参照)。運搬具4においては、弾発手段93をなすコイルバネには、把持部42,42が閉じた状態で圧縮力が作用している。挟持ロック手段が解除されると、コイルバネに作用していた圧縮力により、左右の竿体30,30の間隔が開くように離間して、運搬具4から通い箱が離脱される。
【0063】
運搬具5の左右の竿体94,94は、挟持板20の直上部において内方に屈曲され、通い箱100の中心上部の手前で上方に屈曲されると共に、通い箱の中心上部まで伸びた腕部95を備えている。左右の竿体94,94は、各々の腕部95,95に第1水平軸部96を備え、第1水平軸部96において左右の竿体が軸動可能に連結されている。また、各々の左右の把持部97,97の周囲には、左右の把持部を連結させている把持補助板98が巻き付けられている。運搬具5においては、把持部が把持されたとは、把持補助板98が持上げられたことをいう。
【0064】
把持補助板98を押し下げると、その上に位置することになる左右の把持部97,97の間隔が狭くなる。一方、下方の左右の挟持板20,20の間隔が広くなり、挟持板を通い箱100の上から下ろすことが容易になる(
図6(B−1)図参照)。実施例1と同様に挟持板を通い箱の上から下ろし、通い箱の中心と挟持部の中心とを平面的に合わせてから、把持補助板98を持ち上げて、把持補助板98を上がったままに、図示していない挟持ロック手段によりロックさせる(
図6(B−2)図参照)。
【0065】
そうすると把持部97,97がロックされると共に、下方の挟持板20,20が通い箱100を挟んだままとされ、運搬具が仮置きされても、運搬具5は通い箱100に装着されたままとなる。運搬具5においては、弾発手段99をなすコイルバネには、挟持部20,20に通い箱100を挟持させ、把持部97,97が開いた状態で引張力を作用させている(
図6(B−2)図参照)。挟持ロック手段が解除されると、コイルバネに作用していた引張力により、左右の把持部97,97が近接し、左右の竿体の間隔が開くように離間して、運搬具から通い箱が離脱される。
【0066】
(その他)
・上記の実施例では、主として通い箱を運搬する例を説明したが、物品が通い箱に限定されないのは勿論のことである。
・また、物品の下縁部を支える尖頭部を有する軸体に換えて、物品の下縁部を支える平板が挟持板から突出されていてもよい。軸体に換えて、物品の下方部を支える滑り止めのゴム板が装着されていてもよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1,2,3,4,5…運搬具、
100…通い箱、101…鍔部、102…手掛片、
10…挟持体、20…挟持板、21…突出部材、22…細幅板体、23…屈曲部、
30,36…竿体、31…スライドレール、32…長孔、33…ボルト、34…補強板、
35…交差位置、
40…把持部、41…軸体、42…把持部、
50…弾発手段、60…鉤爪体、
61…軸体、62…尖頭部、63…尖頭部、64…緩衝部材、
70…突出部材、71…垂直軸部、72…傾斜面、
80…第1水平軸部、81…第2水平軸部、82…第3水平軸部、
103…幅広物品、83…連結アーム、84…貫通孔、
90…竿体、91…第1水平軸部、92…水平軸、93…弾発手段、94…竿体、
95…腕部、96…第1水平軸部、97…把持部、98…把持補助板、99…弾発手段
【手続補正書】
【提出日】2019年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面的に広がりのある物品の上から下ろし、前記物品の左右を挟持させる一対の挟持体を備えた運搬具であって、
前記挟持体の各々が、把持部と、弾発手段と、挟持ロック手段とを有する竿体を備え、
各々の前記竿体が、前記物品の上方に向けて屈曲されてなり、前後方向に伸びる第1水平軸部の周りに軸動可能とされ、
前記把持部が、各々の前記竿体の上方先方に備えられ、
前記弾発手段が、前記把持部の下方に、各々の前記竿体を繋いで備えられ、
前記挟持体の各々の下部には、誘導手段が備えられ、
前記誘導手段が、各々の前記挟持体の前方と後方に配設されると共に、内方側に突出された突出部材からなり、
前方に配設された前記突出部材の内面が前方に傾斜され、後方に配設された前記突出部材の内面が後方に傾斜されてなり、
前記物品を前記一対の挟持体に挟持させる際に、各々の前記内面が前記物品に接して、前記一対の挟持体の中央と前記物品の中央とを平面的に合わせるように位置誘導させ、
前記把持部が把持された状態で、前記一対の挟持体の下方が閉じて前記物品が挟持され、前記挟持ロック手段により前記把持部がロックされ、
前記挟持ロック手段がロック解除されると、前記弾発手段の弾発作用により、前記一対の挟持体の下方が拡開され、前記物品が離脱可能とされる、
ことを特徴とする運搬具。
【請求項2】
各々の前記竿体が、第1水平軸部よりも下方の位置に、夫々前後方向に伸びる第2水平軸部と第3水平軸部とを有し、
各々の前記竿体を、上に位置される第2水平軸部において上方に屈曲させ、下に位置される第3水平軸部において下方に屈曲させることにより、前記物品よりも幅が広い幅広物品が把持可能とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬具。
【請求項3】
前記誘導手段をなす、前方の突出部材と後方の突出部材との距離が調整可能とされ、
前後方向の長さが異なる物品に適用可能とされている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運搬具。
【請求項4】
各々の前記突出部材は垂直軸部を有し、
各々の前記突出部材が垂直軸部に対して水平に軸動可能とされ、
前後に並んだ前記垂直軸部を結ぶ仮想線上において、前後に並んだ前記突出部材の内面の距離が、前記物品の前後の大きさとされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の運搬具。
【請求項5】
各々の前記竿体が、前後に配された一対の竿体からなり、
前方の前記竿体と後方の前記竿体とが、前方の前記突出部材と後方の前記突出部材との間に配設されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の運搬具。
【請求項6】
前記物品が、上縁に水平な鍔部と前記鍔部の外縁から垂下される手掛片とを有する部品運搬ケースとされ、
各々の前記挟持体の内方に、上方に屈曲された尖頭部を有する軸体が複数備えられ、
前記尖頭部が前記鍔部の下面を支持すると共に、いずれかの前記尖頭部が前記手掛片に係止される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の運搬具。