【実施例】
【0162】
種(ヌクレオシド)
【0163】
以下の個々のヌクレオシド化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩が提供される。
【化30】
【化31】
【0164】
ヌクレオシド種の合成
スキーム1
【化32】
【0165】
化合物2:1−((2R,3R,4R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−クロロ−5,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0166】
化合物1(1mmol)をDMF(10mL)に溶解させる。この溶液に、TBSCl(1.1当量)を加え、次いでイミダゾール(1.5当量)を加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。NaHCO
3の飽和水溶液をゆっくりと加えることにより、反応をクエンチする。混合物をDCMおよび水により希釈する。層を分離して、有機層をLiClの5%水溶液により2回、抽出する。有機相をブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。生成物を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0167】
上記のTBS保護ステップからの生成物をTHF(10mL)およびMeOH(5mL)に溶解させる。この溶液を氷浴中で冷却し、次に、1M LiOH水溶液(20当量のLiOH)を最初の溶液に加える。氷浴を取り除き、反応が完了するまで、反応物を撹拌する。反応物を氷浴中で冷却し、HClの4N水溶液をゆっくりと加えることによって中性pHにする。中和した反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物2を単離する。
【0168】
化合物3:1−((2R,3R,4R,5R)−5−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0169】
化合物2(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させて、TEA(2.5当量)を加える。この溶液を0℃に冷却し、次に、DCM(5mL)中の別のDMTrCl(1.45当量)溶液をゆっくりと加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。MeOH(5mL)を添加することにより反応をクエンチし、次に、濃縮する。残留物をDCMと飽和NaHCO
3との間で分配する。層を分離し、有機層をブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。生成物を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0170】
上記のDMTr保護ステップからの生成物(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液に、TBSCl(1.1当量)を加え、次いでイミダゾール(1.5当量)を加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。飽和NaHCO
3をゆっくりと
加えることにより、反応をクエンチする。混合物をDCMおよび水により希釈する。層を分離し、有機層をブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。化合物3を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0171】
化合物4:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0172】
化合物3(1mmol)をCHCl
3(10mL)に溶解させる。この溶液を氷浴中で冷却し、pTSA(1.1当量)のMeOH(3mL)溶液を滴下手法で加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。飽和NaHCO
3を添加することにより反応をクエンチし、DCMにより希釈する。層を分離し、有機相をブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。化合物4を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0173】
化合物5:(2R,3R,4R,5R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−クロロ−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド
【0174】
化合物4(1mmol)をトルエン(8mL)およびDMSO(2mL)に溶解させる。この溶液に、EDCI(3当量)を加える。次に、ピリジン(83L)を加え、次いでTFA(42L)を加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。反応物をEtOAcにより希釈し、有機相を水、次にブラインにより洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、乾燥剤を濾過により除去する。濾液を濃縮すると粗製化合物5が得られ、これをそのまま次の反応に使用する。
スキーム2
【化33】
【0175】
化合物6:1−((2R,3R,4R,5R)−4−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−3−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0176】
DMF(5mL)中のNaH(1.1当量)の氷冷スラリーに、化合物3(1mmol)をDMF(5mL)中の溶液として加える。これを10分間、撹拌し、次に、PMBClを滴下添加する。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。水を添加することにより反応をクエンチし、次に、EtOAcにより希釈する。有機相および水相を分離し、有機相を5%LiCl(2回)、ブライン(1回)により洗浄し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。濾液を濃縮し、PMB保護化合物を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0177】
PMB保護化合物(1mmol)をTHFに溶解させて、次に、THF中のTBAFの1M溶液を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。飽和NH
4Cl水溶液により反応をクエンチし、DCMにより希釈する。層を分離し、有機層をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。脱保護ジオールを、溶離液としてDCMおよびMeOHの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0178】
DMF(5mL)中のNaH(2.2当量)の氷冷スラリーに、脱保護ジオール(1mmol)をDMF(5mL)中の溶液として加える。これを10分間、撹拌する。次に、BnBrを滴下添加する。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。水を添加することにより反応をクエンチし、次に、EtOAcにより希釈する。有機相および水相を分離し、有機相を5%LiCl(2回)、ブライン(1回)により洗浄し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。濾液を濃縮し、Bn保護化合物を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0179】
Bn保護化合物(1mmol)をCHCl
3(10mL)に溶解させる。この溶液を氷浴中で冷却し、pTSA(1.1当量)のMeOH(3mL)溶液を滴下手法で加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。飽和NaHCO
3を添加することにより、反応をクエンチし、DCMにより希釈する。層を分離し、有機相をブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。化合物6を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0180】
化合物7:1−((2R,3R,4R,5R)−4−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−3−クロロ−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0181】
化合物6(1mmol)をトルエン(10mL)に溶解させる。この溶液を氷浴中で冷却し、次に、DAST(10当量)を滴下手法で加える。氷浴を取り除き、反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。飽和NaHCO
3水溶液を添加することにより反応をクエンチし、次に、EtOAcにより希釈する。層を分離し、有機層をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。生成物を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0182】
前の反応からの生成物(1mmol)をACNと水との3:1混合物(10mL)に溶解させる。次に、CAN(3当量)を一度に加え、反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。ブラインを添加することにより反応をクエンチし、EtOAcにより希釈する。層を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。化合物7を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0183】
化合物8:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(フルオロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0184】
化合物7(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)
、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、シチジン生成物を単離する。
【0185】
前の反応からのシチジン生成物(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。MMTrCl(3当量)およびAgNO
3(3当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濾過し、濾液をブラインにより抽出してNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物からMMTr保護生成物を単離する。
【0186】
前の反応からのMMTr保護生成物(1mmol)をアセトン(10mL)に溶解させる。NH
4HCO
2(45当量)および10%Pd/C(1g)を加え、反応が完了したと決定するまで、反応物を還流する。反応物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮する。溶離液としてDCMおよびMeOHの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から脱保護ジオール生成物を単離する。
【0187】
前の反応からの脱保護ジオール生成物(1mmol)をCHCl
3(10mL)に溶解させる。この溶液を氷浴中で冷却し、pTSA(1.1当量)のMeOH(3mL)溶液を滴下手法で加える。反応が完了するまで、反応物を撹拌する。飽和NaHCO
3を添加することにより、反応をクエンチする。混合物を濃縮し、残留物をMeOHに溶解させて、次に濾過する。濾液を濃縮し、溶離液としてDCMおよびMeOHの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物8を単離する。
【0188】
化合物9:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(フルオロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0189】
化合物7(1mmol)をアセトン(10mL)に溶解させる。NH
4HCO
2(45当量)および10%Pd/C(1g)を加え、反応が完了したと決定するまで、反応物を還流する。反応物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮する。化合物9を、溶離液としてDCMおよびMeOHの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
スキーム3
【化34】
【0190】
化合物10:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−(クロロメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1
H,3H)−ジオン
【0191】
化合物4(1mmol)をDCE(10mL)に溶解させる。この溶液に、Ph
3P(2当量)およびCCl
4(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、マイクロ波照射を使用し、反応物を130℃に加熱する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物10を単離する。
【0192】
化合物11:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0193】
化合物10(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0194】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物11を単離する。
【0195】
化合物12:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0196】
化合物10(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物12を単離する。
スキーム4
【化35】
【0197】
化合物13:(2R,3R,4R,5R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−クロロ−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル
【0198】
化合物5(1mmol)をピリジン(10mL)に溶解させる。この溶液に、HONH
2・HCl(1.5当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。水を添加することにより反応をクエンチする。反応物をEtOAcにより抽出し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。粗生成物をACN(10mL)に溶解させて、CDI(1.5当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌し、次に、水を添加することによりクエンチする。混合物をDCMにより抽出し、合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。化合物13を、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から単離する。
【0199】
化合物14:(2R,3R,4R,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−クロロ−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル
【0200】
化合物13(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0201】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物14を単離する。
【0202】
化合物15:(2R,3R,4R,5R)−4−クロロ−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル
【0203】
化合物13(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物15を単離する。
スキーム5
【化36】
【0204】
化合物16:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0205】
(Ph)
3PCH
2BrBr(2mmol)をTHF(10mL)に溶解させる。この
溶液を−78℃に冷却し、tBuOK(1M/THF、3mmol)を滴下法で加える。この溶液を−78℃で撹拌し、次に、化合物5のTHF(5mL)溶液を滴下法で加える。次に、反応物を室温に加温し、反応が完了したと決定するまで撹拌を継続する。NH
4Clの飽和水溶液を添加することにより、反応をクエンチする。混合物をEtOAcにより抽出し、合わせた有機抽出物をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から生成物を単離する。
【0206】
前の反応からの生成物(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させる。この溶液を−78℃に冷却し、次に、tBuOK(1M/THF、3当量)を滴下法で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。飽和NH
4Clを添加することにより、反応をクエンチする。混合物をEtOAcにより抽出し、合わせた有機抽出物をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物16を単離する。
【0207】
化合物17:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0208】
化合物16(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0209】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物17を単離する。
【0210】
化合物18:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0211】
化合物16(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物18を単離する。
スキーム6
【化37】
【0212】
化合物19:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−ビニルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0213】
(Ph)
3PCH
3Br(4mmol)をTHF(10mL)に懸濁させ、次に、nBuLi(2.5M/ヘキサン、4mmol)を滴下法で加える。冷浴を氷浴により置きかえ、反応物を1時間、撹拌する。この溶液に、化合物5(1mmol)のTHF(5mL)溶液を加える。氷浴を取り除き、反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。飽和NH4Clを添加することにより反応をクエンチし、混合物をEtOAcにより抽出する。有機相をブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物19を単離する。
【0214】
化合物20:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−5−ビニルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0215】
化合物19(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0216】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物20を単離する。
【0217】
化合物21:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−5−ビニルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0218】
化合物19(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物21を単離する。
スキーム7
【化38】
【0219】
化合物22:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−エチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0220】
化合物19(1mmol)をEtOAc(10mL)に溶解させる。10%Pd/C(1g)を加え、反応容器中の気体を抜き、H
2により再充填する。反応が完了したと決定するまで、反応物を激しく撹拌する。反応物をセライトのパッドを通して濾過する。濾液を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによってこの残留物から化合物22を単離する。
【0221】
化合物23:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−エチル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0222】
化合物22(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0223】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物23を単離する。
【0224】
化合物24:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−エチル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0225】
化合物22(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物24を単離する。
スキーム8
【化39】
【0226】
化合物25:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−プロピルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0227】
化合物5から化合物22への変換と同様の方法で、化合物5を化合物25に変換する(Wittig反応、その後に、得られたオレフィンのPd/Cを触媒とする水素化)。
【0228】
化合物26:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−5−プロピルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0229】
化合物25(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0230】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物26を単離する。
【0231】
化合物27:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−5−プロピルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0232】
化合物25(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物27を単離する。
スキーム9
【化40】
【0233】
化合物28:((2R,3R,4R,5R)−3−アセトキシ−4−クロロ−2−(クロロメチル)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルアセテート
【0234】
化合物12(1mmol)をピリジン(10mL)に溶解させ、Ac
2O(2.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物28を単離する。
【0235】
化合物29:((2R,3R,4R,5R)−3−アセトキシ−5−(5−ブロモ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−クロロ−2−(クロロメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルアセテート
【0236】
化合物28(1mmol)をピリジン(10mL)に溶解させ、NBS(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物29を単離する。
【0237】
化合物30:((2R,3R,4R,5R)−3−アセトキシ−4−クロロ−2−(クロロメチル)−5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルアセテート
【0238】
化合物29(1mmol)をジオキサン(10mL)に溶解させる。この溶液に、Sn
2Me
6(2当量)および(Ph
3P)
2PdCl
2(0.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を80℃で撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物からスタニル化生成物を単離する。このスタンナン(1mmol)をACN(10mL)に溶解させて、Selectfluor(2.2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物34を単離する。
化合物31:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン
【0239】
化合物30(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物に飽和NH
3水溶液(50mL)を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、化合物35を単離する。
【0240】
化合物32:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0241】
化合物30(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、次に、飽和NH
3水溶液(50mL)を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物36を単離する。
スキーム10
【化41】
【0242】
化合物33:1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−シクロプロピルテトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0243】
化合物19(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液に、BzCl(1当量)、Et
3N(1.5当量)およびDMAP(0.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。NaHCO
3の飽和水溶液を添加することにより、反応をクエンチする。この混合物をDCMにより希釈し、層を分離する。有機相を0.1N HCl、ブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物からベンゾイル化生成物を単離する。
【0244】
ACN(10mL)中でこのベンゾイル化生成物(1mmol)をPd(OAc)
2(0.1当量)と合わせ、この溶液をCH
2N
2のEt
2O(100mL)溶液に加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。AcOHを添加することにより反応をクエンチする。混合物をNaHCO
3の飽和水溶液、ブラインにより抽出し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。
【0245】
その粗製シクロプロパン化生成物(1mmol)をMeOH中の7N NH
3に溶解させる。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よって残留物から化合物33を単離する。
【0246】
化合物34:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0247】
化合物22(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物にTHF(100mL)中の飽和NH
3溶液を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、MeOHおよびDCMの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0248】
上記の反応からの生成物をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物34を単離する。
【0249】
化合物35:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0250】
化合物33(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させて、1M TBAFのTHF(3当量)溶液を室温で加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から化合物35を単離する。
スキーム11
【化42】
【0251】
化合物36:1−((2R,3R,4R)−4−(ベンジルオキシ)−3−クロロ−5,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0252】
化合物1(1mmol)をDMF(10mL)に溶解させる。この溶液にK
2CO
3(5当量)を加え、次に、PMBCl(1.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をEtOAcおよび水により希釈する。層を分離し、有
機相を5%のLiCl水溶液(2回)およびブラインにより洗浄する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。得られた残留物をDMF(10mL)に溶解させ、0℃に冷却する。この冷却溶液にNaH(1.1当量)を加え、次いでBnBr(1.2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。飽和NH
4Cl水溶液を添加することにより、反応をクエンチする。混合物をEtOAcにより希釈する。層を分離し、有機相を5%のLiCl水溶液(2回)およびブラインにより洗浄する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物からBn保護物質を精製する。
【0253】
次に、Bn保護化合物(1mmol)をMeOH(10mL)に溶解させて、NaOMe(15当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。AcOHを添加することにより反応をクエンチし、得られた混合物を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物36を精製する。
【0254】
化合物37:1−((2R,3R,4R,5R)−4−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−3−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0255】
化合物36(1mmol)をピリジン(10mL)に溶解させる。この溶液に、BzCl(1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をEtOAcおよび水により希釈する。層を分離し、有機相を水およびブラインにより洗浄する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物からモノBz保護物質を精製する。
【0256】
上記のBz保護物質(1mmol)をDMF(10mL)に溶解させる。この溶液にCs
2CO
3(5当量)、次にBnBr(1.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をEtOAcおよび水により希釈する。層を分離し、有機相を5%のLiCl水溶液(2回)およびブラインにより洗浄する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物からビスBn保護物質を精製する。
【0257】
次に、ビスBn保護化合物(1mmol)をMeOH(10mL)に溶解させて、NaOMe(15当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。AcOHを添加することにより反応をクエンチし、得られた混合物を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物37を精製する。
【0258】
化合物38:1−((2R,3R,4R,5R)−4−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−3−クロロ−5−((R)−1−フルオロエチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0259】
化合物37(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(1.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濃縮し、溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物から生成物であるアルデヒドを単
離する。
【0260】
上記からのアルデヒド(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させ、溶液を−78℃に冷却する。この冷却した溶液に、MeMgBr(3当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。NH
4Clの飽和水溶液を添加することにより、反応をクエンチする。得られた混合物をEtOAcにより希釈し、層を分離する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から生成物であるアルコールを精製する。
【0261】
上記からのアルコール(1mmol)をトルエン(10mL)に溶解させる。この溶液にDAST(5当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。Na
2CO
3の飽和水溶液を添加することにより、反応をクエンチする。得られた混合物をEtOAcにより希釈し、層を分離する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から生成物であるフッ化物を精製する。
【0262】
上記からのフッ化物(1mmol)をACN:H2Oの3:1混合物(10mL)に溶解させる。この溶液にCAN(4当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をブラインおよびEtOAcにより希釈する。層を分離し、次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてEtOAcおよびヘキサンの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物38を精製する。
【0263】
化合物39:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−((R)−1−フルオロエチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0264】
化合物38(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物に濃NH
4OH水溶液(15mL)を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0265】
上記からのアミノ化生成物(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液に、MMTrCl(2.1当量)およびAgNO
3(2.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を濾過し、濾液をブラインにより洗浄し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物からMMTr保護生成物を単離する。
【0266】
上記からのMMTr保護生成物(1mmol)をアセトン(10mL)に溶解させる。この溶液にHCO
2NH
4(20当量)および10%Pd/C(2g)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を還流する。反応物を冷却して濾過する。濾液を濃縮し、残留物をEtOAcにもどして溶解させる。この溶液をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から脱保護生成物を精製する。
【0267】
上記からの脱保護生成物(1mmol)をAcOHの80%水溶液に溶解させる。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。溶媒を蒸発によって反応物から除去し、残留物をトルエンにより2回、共蒸発させる。溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物39を精製する。
【0268】
化合物40:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−((R)−1−フルオロエチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0269】
化合物38(1mmol)をアセトン(10mL)に溶解させる。この溶液にHCO
2NH
4(20当量)および10%Pd/C(2g)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を還流する。反応物を冷却して濾過する。濾液を濃縮し、残留物をDCMにもどして溶解させる。この溶液をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から脱保護生成物を精製する。
スキーム13
【化43】
【0270】
化合物41:1−((2R,3R,4R)−3−クロロ−5,5−ビス(ヒドロキシメチル)−4−((4−メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0271】
化合物1(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液にAgNO
3(2当量)およびコリジン(1当量)およびMMTrCl(4当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をセライトによって濾過し、DCMにより前に流して洗浄する。濾液を1Mクエン酸、半飽和ブラインおよび5%NaHCO
3により洗浄する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物からMMTr保護生成物を単離する。
【0272】
次に、上記からのMMTr保護化合物(1mmol)をMeOH(10mL)に溶解させて、NaOMe(15当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を0℃に冷却し、AcOH(15当量)を添加することによりクエンチし、得られた混合物を濃縮する。溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物41を精製する。
【0273】
化合物42:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)−4−((4−メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)−5−((メチルチオ)メチ
ル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0274】
化合物41(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液にピリジン(10mL)を加え、反応物を−35℃に冷却する。反応物にTf
2O(2.1当量)を加え、反応が完了したと決定するまで、−35℃で反応物を撹拌する。水を添加することにより反応をクエンチする。混合物をEtOAcにより抽出し、合わせた有機洗浄物をNa
2SO
4で乾燥させる。濾過剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物からビス−トリフレート化生成物を単離する。
【0275】
上記からのビス−トリフレート化生成物(1mmol)をDMF(10mL)に溶解させる。この溶液を0℃に冷却し、NaH(1.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。この混合物に、NaSMe(3当量)および15−クラウン−5(0.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をEtOAcおよびNH
4Clの飽和水溶液により希釈する。層を分離し、有機相をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。濾過剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物から無水生成物を単離する。
【0276】
上記からの無水生成物(1mmol)をTHF(10mL)に溶解させる。この溶液に1N NaOH水溶液(1.1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をEtOAcおよびNaHCO
3の飽和水溶液により希釈する。層を分離し、有機相をブラインにより抽出し、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物から化合物42を単離する。
【0277】
化合物43:4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−5−((メチルチオ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0278】
化合物42(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液にAgNO
3(2当量)およびコリジン(1当量)およびMMTrCl(4当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物をセライトによって濾過し、DCMにより前に流して洗浄する。濾液を1Mクエン酸、半飽和ブラインおよび5%NaHCO
3により洗浄する。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、残留物からMMTr保護生成物を単離する。
【0279】
上記からのMMTr保護生成物(1mmol)をACN(10mL)に溶解させ、次に、DMAP(2当量)、TPSCl(2当量)およびTEA(2当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を室温で撹拌する。次に、反応物に濃NH
4OH水溶液(15mL)を加え、反応が完了したと決定するまで、室温で撹拌を継続する。反応物を濃縮し、EtOAcおよびヘキサンの混合物により溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離する。
【0280】
上記からのアミノ化生成物(1mmol)をAcOHの80%水溶液に溶解させる。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。溶媒を蒸発によって反応物から除去し、残留物をトルエンにより2回、共蒸発させる。溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物43を精製する。
【0281】
化合物44:1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−5−((メチルチオ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0282】
化合物43(1mmol)をAcOHの80%水溶液に溶解させる。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。溶媒を蒸発によって反応物から除去し、残留物をトルエンにより2回、共蒸発させる。溶離液としてMeOHおよびDCMの混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、この残留物から化合物44を精製する。ヌクレオシド三リン酸
【化44】
【化45】
【0283】
ヌクレオシド三リン酸の一般合成
【化46】
【0284】
一般手順:
【0285】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をP(O)(OMe)
3(10mL)に溶解させ、氷浴中で冷却する。この溶液にP(O)Cl
3(2当量)を加える。少なくとも50%の変換が起こったと決定されるまで、反応物を氷浴中で撹拌する。次に、[nBu
3]
2P
2O
7H
2(10当量)のACN(10mL)溶液を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を0℃で撹拌する。次に、炭酸水素トリエチルアンモニウムの1M溶液(5mL)を添加することにより、反応をクエンチする。反応物を濃縮し、残留物をイオン交換カラムクロマトグラフィーにより半精製する。改質剤として0.1%TEAを使用する逆相C18カラムクロマトグラフィーによって、この半精製された物質をさらに精製すると、一般式GS−2であるヌクレオシド三リン酸が四TEA塩として得られる。
【0286】
非環式ホスホルアミデートプロドラッグの一般合成
【化47】
【0287】
一般手順:
【0288】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をTHF:NMPの9:1混合物(10mL)に溶解させる。この溶液を−78℃に冷却し、tBuMgClの1M THF(2当量)溶液を加える。この溶液を−78℃で30分間、次に、0℃で1時間、撹拌する。この溶液に、パラ−ニトロフェノールホスホルアミデート(1.1当量)のTHF(5mL)溶液を加える。反応が完了したと決定するまで、得られた反応物を撹拌する。NH
4Clの飽和水溶液により反応をクエンチし、EtOAcにより希釈する。層を分離し、有機相を水およびブラインによりさらに抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、乾燥剤
を真空濾過により除去して、濾液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、一般式GS−3のヌクレオシドプロドラッグが得られる。
【0289】
非環式ホスフェートプロドラッグの一般合成
【化48】
【0290】
一般手順:
【0291】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をTHF:NMPの9:1混合物(10mL)に溶解させる。この溶液を−78℃に冷却し、tBuMgClの1M THF(2当量)溶液を加える。この溶液を−78℃で30分間、次に、0℃で1時間、撹拌する。この溶液に、パラ−ニトロフェノールホスフェートエステル(1.1当量)のTHF(5mL)溶液を加える。反応が完了したと決定するまで、得られた反応物を撹拌する。NH
4Clの飽和水溶液により反応をクエンチし、EtOAcにより希釈する。層を分離し、有機相を水およびブラインによりさらに抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、乾燥剤を真空濾過により除去して、濾液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、一般式GS−4のヌクレオシドプロドラッグが得られる。
【0292】
環式ホスホルアミデートプロドラッグの一般合成
【化49】
【0293】
一般手順:
【0294】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をTHF:NMPの9:1混合物(10mL)に溶解させる。この溶液を−78℃に冷却し、tBuMgClの1M THF(2当量)溶液を加える。この溶液を−78℃で30分間、次に、0℃で1時間、撹拌する。この溶液に、クロロホスホルアミデート(1.1当量)のTHF(5mL)溶液を加える。反応が完了したと決定するまで、得られた反応物を撹拌する。NH
4Clの飽和水溶液により反応をクエンチし、EtOAcにより希釈する。層を分離し、有機相を水およびブラインによりさらに抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、乾燥剤を真空濾過により除去して、濾液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってこの濃縮物を精製すると、非環式ホスホルアミデート中間体が得られる。
【0295】
上記の非環式ホスホルアミデート中間体(1mmol)をDMSOに溶解させる。この
溶液にtBuOK(1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を0℃に冷却し、1N HCl(1当量のHCl)を添加することによりクエンチする。得られた混合物を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、一般式GS−5のヌクレオシドプロドラッグが得られる。
【0296】
環式ホスフェートプロドラッグの一般合成
【化50】
【0297】
一般手順:
【0298】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をTHF:NMPの9:1混合物(10mL)に溶解させる。この溶液を−78℃に冷却し、tBuMgClの1M THF(2当量)溶液を加える。この溶液を−78℃で30分間、次いで、0℃で1時間、撹拌する。この溶液に、ビスパラ−ニトロフェノールホスフェートエステル(1.1当量)のTHF(5mL)溶液を加える。反応が完了したと決定するまで、得られた反応物を撹拌する。NH
4Clの飽和水溶液により反応をクエンチし、EtOAcにより希釈する。層を分離し、有機相を水およびブラインによりさらに抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、乾燥剤を真空濾過により除去して、濾液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってこの濃縮物を精製すると、非環式パラ−ニトロフェノールホスフェートエステル中間体が得られる。
【0299】
上記の非環式パラ−ニトロフェノールホスフェートエステル中間体(1mmol)をDMSOに溶解させる。この溶液にtBuOK(1当量)を加える。反応が完了したと決定するまで、反応物を撹拌する。反応物を0℃に冷却し、1N HCl(1当量のHCl)を添加することによりクエンチする。得られた混合物を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、一般式GS−5のヌクレオシドプロドラッグが得られる。
【0300】
エステル、カルバメート、カーボネートプロドラッグ(R
2=NH
2)の一般合成
【化51】
【0301】
一般手順:
【0302】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をDMF(10mL)に溶解させる。この溶液に、N’,N’−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを加える。反応物を一晩、撹拌する。反応物を濃縮し、得られたアミジン保護生成物をそのまま次の反応に使用する。
【0303】
上記のアミジン保護生成物(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液にDIPEA(2.2当量)を加える。ビス−エステル、ビス−カーボネートまたはビス−カルバメートをそれぞれ入手するために、この溶液に、酸塩化物(2当量)、クロロギ酸エステル(2当量)またはカルバミン酸クロリド(2当量)のどちらかを加える。一旦反応が完了したと決定されると、飽和NaHCO
3溶液を添加することにより反応をクエンチする。混合物をEtOAcにより希釈し、層を分離する。有機層を水およびブラインにより洗浄し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。得られた粗生成物を次の反応に供する。
【0304】
上記の粗製ビス−エステル、ビス−カーボネートまたはビス−カルバメート(1mmol)をMeOH(10mL)に溶解させる。この溶液にヒドラジン水和物(10当量)を加える。完了するまで反応物を撹拌し、反応物を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、一般式GS−7のヌクレオシドプロドラッグが得られる。
【0305】
エステル、カルバメート、カーボネートプロドラッグ(R
2=OH)の一般合成
【化52】
【0306】
一般手順:
【0307】
一般式GS−1のヌクレオシド(1mmol)をDMF(10mL)に溶解させる。この溶液に、DBU(1.2当量)およびBOMCl(1.1当量)を加える。完了するまで、反応物を撹拌する。MeOHを添加することにより反応をクエンチし、得られた混合物を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、BOM保護ヌクレオシドが得られる。
【0308】
上記のBOM保護ヌクレオシド(1mmol)をDCM(10mL)に溶解させる。この溶液にDIPEA(2.2当量)を加える。ビス−エステル、ビス−カーボネートまたはビス−カルバメートをそれぞれ入手するために、この溶液に、酸塩化物(2当量)、クロロギ酸エステル(2当量)またはカルバミン酸クロリド(2当量)のどちらかを加える。一旦反応が完了したと決定されると、飽和NaHCO
3溶液を添加することにより反応をクエンチする。混合物をEtOAcにより希釈し、層を分離する。有機層を水およびブラインにより洗浄し、次に、Na
2SO
4で乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの濃縮物を精製することにより、BOM保護ビス−エステル、ビス−カーボネートまたはビス−カルバメートが得られる。
【0309】
上記のBOM保護ビス−エステル、ビス−カーボネートまたはビス−カルバメート(1mmol)をEtOH(10mL)に溶解させる。この溶液に、10%Pd(OH)2/Cを加える。反応容器の雰囲気をH2に交換し、反応が完了するまで反応物を撹拌する。反応物をセライトによって濾過し、濾液を濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるこの濃縮物の精製により、一般式GS−8のヌクレオシドプロドラッグが得られる。
【0310】
実施例1および2の合成
【化53】
【0311】
中間体2 − ((3R,4R,5R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4−クロロ−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ビス(メチレン)ジベンゾエート
【0312】
中間体1(Collect. Czech. Chem. Commun.1997年、62巻、957〜970頁)(590mg、1.18mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させた。反応物にtert−ブチルジメチルシリルクロリド(889mg、5.9mmol)およびイミダゾール(804mg、11.8mmol)を加え、次に、これを50℃で16時間、撹拌した。HPLCにより約16%の変換率であることが示された。反応物を65℃に加温し、3時間、撹拌した。HPLCにより約17%の変換率であることが示された。反応物を80℃に加温し、2時間、撹拌した。HPLCにより約42%の変換率であることが示された。さらなるtert−ブチルジメチルシリルクロリド(889mg、5.9mmol)およびイミダゾール(804mg、11.8mmol)を加えた。反応物を80℃で48時間、撹拌した。
【0313】
HPLCにより約89%の変換率であることが示された。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(40mL)により希釈した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、次に、ブライン(20mL)により洗浄した。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製残留物を、SiO
2カラムクロマトグラフィー(40gのSiO
2 Combiflash HP Gold Column、0〜40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、中間体2および3(655mgの異性体混合物、90%)の混合物が得られた。
【0314】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.17 - 7.96 (m, 5H), 7.69 - 7.34 (m, 6H), 6.42 - 6.34 (m, 1H), 6.01 (m, 1H), 5.65 (m, 1H), 5.00 (dd, J = 12.8 Hz, 1H), 4.85 - 4.71 (m, 2H), 4.65 - 4.47 (m, 3H), 4.05 -
3.97 (m, 1H), 3.90 - 3.80 (m, 1H), 0.97 (s, 9H), 0.78 (s, 9H), 0.19 (s, 3H), 0.13 (s, 3H), -0.01 (s, 3H), -0.15 (s, 3H).
MS m/z=614.9[M+1]
【化54】
【0315】
中間体4 − 1−((2R,3R,4R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−クロロ−5,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0316】
中間体2および3の混合物(655mg、1.06mmol)をメタノール(10mL)に溶解させた。反応物に炭酸カリウム(352mg、2.13mmol)を加え、12時間、撹拌した。
【0317】
反応混合物を酢酸エチル(50mL)により希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、次に、ブライン(20mL)により洗浄した。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製残留物をSiO
2カラムクロマトグラフィー(40gのSiO
2 Combiflash HP Gold Column、0〜65〜90%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、中間体4および5(200mgの中間体4(低い方のスポット)、および135mgの中間体5(一番上のスポット)、78%)が得られた。
中間体4:
【0318】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.32 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.77 (dd, J = 8.1, 2.3 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.92
(dd, J = 7.4, 6.5 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.85 (ddd,
J = 29.3, 12.1, 2.7 Hz, 2H), 3.62 (ddd, J = 12.3, 9.0, 5.6 Hz, 2H), 3.01 (dd, J = 8.7, 3.0 Hz, 1H), 2.35 (dd, J = 9.8, 3.8 Hz, 1H), 0.96 (s, 9H), 0.20 (s, 3H), 0.16 (s, 3H).
MS m/z=406.9[M+1]、405.1[M−1]
【化55】
【0319】
中間体6 − 1−((2R,3R,4R,5S)−5−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0320】
中間体4(120mg、0.29mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解させた。反応物に無水ピリジン(1mL)を加え、次に、これを窒素雰囲気下、氷浴中で冷却して撹拌した。反応物に4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(120mg、0.35mmol)を一度に加えた。反応物を2時間、撹拌した。さらなる4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(120mg、0.35mmol)を加え、2時間、撹拌した。メタノール(2mL)を加えて反応を停止し、次に、これを減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(40mL)に溶解させて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、次にブライン(20mL)により洗浄した。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を、SiO
2カラムクロマトグラフィー(4gのSiO
2 Combiflash HP Gold Column、0〜40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、中間体6(190mg、92%)が得られた。
【0321】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.49 (s, 1H), 7.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.41 - 7.34 (m, 2H), 7.31 - 7.15 (m, 7H), 6.85 (dd, J = 9.0,
2.2 Hz, 4H), 6.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.77 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.29 (m, 1H), 4.72 (dd, J = 8.1, 5.4 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 3.88 (dd, J = 11.5, 4.8 Hz, 1H), 3.71 (s, 6H), 3.52 (dd, J = 11.4, 5.4 Hz, 1H), 3.44 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 2.83 (d, J
= 10.6 Hz, 1H), 0.68 (s, 9H), -0.01 (s, 3H), -0.29 (s, 3H).
MS m/z=707.4[M−1]、731.2[M+Na]
【化56】
【0322】
中間体7 − 1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0323】
中間体6(180mg、0.254mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させた。イミダゾール(138mg、2.03mmol)およびtert−ブチルジフェニルシリルクロリド(260uL、1.02mmol)を加えた。反応物を50℃で16時間、撹拌した。
【0324】
さらなるイミダゾール(140mg、2.03mmol)およびtert−ブチルジフェニルシリルクロリド(260uL、1.02mmol)を加えた。反応物を50℃で8時間、撹拌した。さらなるイミダゾール(140mg、2.03mmol)およびtert−ブチルジフェニルシリルクロリド(260uL、1.02mmol)を加えた。反応物を50℃で16時間、撹拌した。
【0325】
HPLCにより約94%の変換率であることが示された。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(40mL)により希釈して、ブライン(20mL)により3回、洗浄した。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を、SiO
2カラムクロマトグラフィー(4gのSiO
2 Combiflash HP Gold Colum
n、0〜20〜50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、表題化合物(205mg、85%)が無色油状物として得られた。
【0326】
物質を80%(v/v)酢酸水溶液(10mL)に溶解させ、4時間、撹拌した。反応物を酢酸エチル(40mL)により希釈して、ブライン(20mL)により3回、洗浄した。次に、有機物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で2回、洗浄すると、pH8となった。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を、SiO
2カラムクロマトグラフィー(4gのSiO
2 Combiflash HP Gold Column、0〜35%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、中間体7(106mg、2ステップで59%)が得られた。
【0327】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.79 (s, 1H), 7.68 - 7.57 (m, 4H), 7.54
- 7.37 (m, 6H), 6.23 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.54 - 5.45 (m, 1H),
4.49 - 4.41 (m, 1H), 4.37 (dd, J = 7.9, 5.8 Hz, 1H), 3.96 (d, J
= 11.4 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 3.74 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.56 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 1.11 (s, 9H), 0.93 (s, 9H), 0.16 (s, 3H), 0.03 (s, 3H).
MS m/z=643.5[M−1]、667.4[M+Na]
【化57】
【0328】
中間体8 − 1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−(クロロメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0329】
中間体7(104mg、0.164mmol)を1,2−ジクロロエタン(2mL)に溶解させ、アルゴンガス下で撹拌した。四塩化炭素(32uL、0.328mmol)およびトリフェニルホスフィン(86mg、0.328mmol)を反応物に加え、次に、これを130℃で40分間、マイクロ波照射した。反応物を減圧下で濃縮した。粗製物を、SiO
2カラムクロマトグラフィー(4gのSiO
2 Combiflash HP Gold Column、0〜20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、中間体8(76mg、70%)が得られた。
【0330】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.45 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.72 - 7.57
(m, 4H), 7.54 - 7.34 (m, 7H), 6.15 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.54 (dd, J = 8.2, 2.2 Hz, 1H), 4.45 - 4.34 (m, 2H), 4.00 (d, J = 11.2
Hz, 1H), 3.91 - 3.76 (m, 2H), 3.58 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 1.12 (s, 9H), 0.94 (s, 9H), 0.16 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
MS m/z=661.5[M−1]
【化58】
【0331】
中間体9 − 4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−クロロ−5−(クロロメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0332】
中間体8(74mg、0.111mmol)を無水アセトニトリル(5mL)に溶解させた。反応物にトリエチルアミン(31uL、0.223mmol)および2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド(68mg、0.223mmol)を加えた。反応物に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(27mg、0.223mmol)を加え、室温で16時間、撹拌した。
【0333】
反応物に、1,4−ジオキサン(5mL)中の0.5Mアンモニアを加え、2時間、撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(40mL)に溶解させて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)およびブライン(10mL)により洗浄した。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を、SiO
2カラムクロマトグラフィー(4gのSiO
2 Combiflash HP Gold Column、0〜80%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、中間体9(57mg、78%)が得られた。
MS m/z=662.0[M+1]
【化59】
【0334】
(実施例1)
4−アミノ−1−((2R,3R,4R,5R)−3−クロロ−5−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピリミジン−2(1H)−オン
【0335】
中間体9(50mg、0.075mmol)を無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解させた。フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(119mg、0.377mmol)を加え、反応物を室温で30分間、撹拌した。HPLCにより、反応の完了が示された。トリフルオロ酢酸(29uL、0.377mmol)を加えると、わずかに酸性の溶液が得られた。混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(Phenomenex Gemini C
18カラム、0〜100%のアセトニトリル/水)により精製した。フラクションを合わせて、減圧下で濃縮した。物質を分取HPLC(Phenomenex Gem
ini C
18カラム、0〜50%アセトニトリル/改質剤として0.1%トリフルオロ酢酸を含む水)により再精製した。フラクションを合わせて、減圧下で濃縮した。物質を水(1mL)に溶解させ、次に、少量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えるとpH8となった。溶液を水により平衡化した事前充填C
18カラムにロードした。カラムを水により洗浄(5カラム容積)し、次に、水中70%アセトニトリルで溶出した。フラクションを合わせ、冷凍乾燥すると、実施例1(9.4mg、40%)が得られた。
【0336】
1H NMR (400 MHz, D
2O) δ 7.61 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.11 (d, J =
8.6 Hz, 1H), 5.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.72 (dd, J = 8.7, 5.3 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.86 - 3.66 (m, 4H).
MS m/z=309.8[M+1]
【化60】
【0337】
(実施例2) − ((2R,3R,4R,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−クロロ−2−(クロロメチル)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルテトラハイドロジェントリホスフェート
【0338】
PO(OMe)
3(0.3mL)中の実施例1(4.08mg、0.013mmol)およびNaHCO
3(7mg、0.083mmol)の溶液に、0℃でPOCl
3(31mg、0.202mmol)を加えた。反応混合物を0℃で4時間、撹拌し、4時間撹拌した時点で、イオン交換HPLCにより、約80%の変換率であることが示された。ピロホスフェートトリブチルアミン塩(250mg)のCH
3CN(0.5mL)溶液を加え、次いでトリブチルアミン(125mg、0.67mmol)を加えた。反応混合物を0℃で0.5時間、撹拌すると、イオン交換HPLCにより、反応の完了が示された。反応を炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、8mL)によりクエンチした。反応混合物を室温で0.5時間、撹拌し、次に、濃縮して、水により2回、共蒸発させた。残留物をH
2O(5mL)に溶解させ、イオン交換カラムにロードして、H
2O、次に、5〜35%の炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M)−H
2Oにより溶出した。生成物フラクションを合わせて濃縮し、H
2Oと共蒸発させると、約28mgの物質が得られた。物質を2mLのH
2Oに溶解させ、NaHCO
3(40mg)により処理した。得られた混合物を、C−18カラムを用い、H
2Oにより溶出して精製し、生成物を含有しているフラクションを合わせて減圧下で濃縮すると、実施例2が四ナトリウム塩(3.0mg、35.7%)として得られた。
【0339】
1H NMR (400 MHz, D
2O): δ 7.77 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.24 (d, J =
6.8 Hz, 1H), 6.07 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.6-4.7 (m, 2H), 4.1-4.25
(m, 2H), 3.89 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.79 (d, J = 12.0 Hz, 1H).
【0340】
31P NMR (400 MHz, D
2O): δ -8.10 (d, J = 50.8 Hz), -13.76 (d, J =
46 Hz), -23.97 (t, J = 49.4 Hz).
MS m/z=548.4[M−1]、549.9[M+1]
【0341】
細胞におけるRSVの阻害に関するEC
50、およびRSVウイルスのポリメラーゼの阻害に関するIC
50の決定方法
【0342】
細胞培養物におけるRSVの阻害に関する記載されているヌクレオシドのEC
50を決定するため、およびRSVウイルスのポリメラーゼの阻害に関する記載されているヌクレオシド三リン酸のIC50を決定するため、以下のアッセイを使用することができた。
RSV Pol IC50の決定
【0343】
転写反応は、30μLの反応緩衝液[50mM TRIS酢酸塩(pH8.0)、120mM酢酸カリウム、5%グリセロール、4.5mM MgCl
2、3mM DTT、2mM エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−四酢酸(EGTA)、50μg/mL BSA、2.5U RNasin(Promega)、ATP、GTP、UTP、CTPおよび1.5uCi[α−
32P]NTP(3000Ci/mmol)]中で、粗製RSV RNP複合体5μgを含有していた。転写アッセイにおいて使用される放射標識ヌクレオチドは、RSV RNP転写の阻害を評価されるヌクレオチドアナログに適合するよう選択した。冷却した競合NTPを、そのK
mの半分の最終濃度で加えた(ATP=20μM、GTP=12.5μM、UTP=6μMおよびCTP=2μM)。残りの3種のヌクレオチドは、最終濃度100μMで加えた。
【0344】
ヌクレオチドアナログがRSV RNP転写を阻害したかどうか決定するために、5倍きざみで6段階の連続希釈を使用して化合物を加えた。30℃で90分間インキュベートした後、RNP反応をQiagen RLT溶解緩衝液350μLにより停止し、RNAをQiagen RNeasy 96キットを使用して精製した。精製されたRNAを65℃で10分間、RNAサンプルローディングバッファー(Sigma)中で変性させて、2Mホルムアルデヒドを含有する1.2%アガロース/MOPSゲル上で実施した。アガロースゲルを乾燥させて、Stormホスホルイメージャースクリーンに感光させて、Stormホスホルイメージャー(GE Healthcare)を使用して現像した。放射標識転写物の合計を50%低下させる化合物の濃度(IC
50)を、二連の非線形回帰分析により算出した。
RSV細胞培養物EC
50の決定
【0345】
RSVに対する抗ウイルス活性は、HEp−2細胞において、感染性の細胞変性細胞保護アッセイを使用して決定される。このアッセイでは、ウイルス感染および/または複製を阻害する化合物は、細胞生存試薬を使用して定量することができるウイルス誘発性の細胞死滅に対する、細胞保護効果をもたらす。ここで使用される技法は、公開されている文献(Chapmanら、Antimicrob Agents Chemother. 2007年、51巻(9号):33
46〜53頁)において記載されている方法を新規に適応したものである。
【0346】
HEp−2細胞は、ATCC(Manassas、VI)から入手し、10%ウシ胎児血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを補充したMEM培地中で維持する。細胞は、1週間に2回、継代し、準集密段階で維持する。化合物の試験前に、RSV株A2の市販保存液(Advanced Biotechnologies、Columbia、MD)の力価測定を行い、HEp−2細胞における望ましい細胞変性効果を生じさせる、ウイルス保存液の適切な希釈度を決定する。
【0347】
抗ウイルス試験の場合、HEp−2細胞は、大きな細胞培養用フラスコ内で、ほぼ集密ではあるが、完全にはそうなっていないところまで成長させる。試験される化合物は、用量応答フォーマットに標準化されているプレート一つあたり、8種または40種の試料のどちらかで、384ウェルの化合物希釈プレート中でDMSOで予め希釈される。プレート中で、3倍きざみで連続希釈した各試験化合物を調製し、試験試料を音波移送装置(acoustic transfer apparatus)(Echo、Labcyte)により、1ウェルあたり100nlで、細胞培養アッセイ384ウェルプレートに移す。各化合物の希釈物は、一連または四連の試料で、乾燥アッセイプレートに移され、このプレートは、アッセイを行う準備が整うまで、保管される。陽性および陰性対照は、垂直方向のブロックにおいて、プレートの両端に対向して置かれる(1カラム分)。
【0348】
続いて、50,000個/mlの密度の細胞を用いる滴定により先に決定したウイルス保存液の適切な希釈液を使用して感染性混合物を調製し、20uL/ウェルを自動装置(uFlow、Biotek)により化合物を伴う試験プレートに加える。各プレートには、それぞれ、0%および100%のウイルス阻害標準試料を生成するための陰性および陽性対照(それぞれ、16連)が含まれる。RSVによる感染後に、37℃の細胞培養インキュベータ内で、試験プレートを4日間、インキュベートする。インキュベート後、細胞生存試薬である、Cell TiterGlo(Promega、Madison、WI)をアッセイプレートに加え、このプレートを短時間、インキュベートし、アッセイプレートすべてにおける発光の読取り測定を行う(Envision、Perkin Elmer)。RSV誘発性の細胞変性効果、阻害率は、残存している細胞生存レベルから決定される。これらの数値は、各試験濃度について、0%および100%の阻害対照に対して算出され、各化合物のEC
50値は、RSV誘発性の細胞変性効果を50%阻害する濃度として非線形回帰により決定される。様々な有効な抗RSVツール用化合物が、抗ウイルス活性の陽性対照として使用される。
【0349】
実施例1の場合のEC
50は>50μMである。
【0350】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩
【化61】
であって、式中、
R1は、NHおよびNから選択され、
平行している実線と併せた破線(−−−−)は、任意選択の二重結合を表し、
R2は、オキソまたはNH2から選択され、ただし、R2がオキソの場合、R1がNHであり、平行している前記実線と併せた前記破線(−−−−)によって表される前記結合は単結合であることを条件とし、R2がNH2である場合、R1はNであり、平行している前記実線と併せた前記破線(−−−−)によって表される前記結合は二重結合であることを条件とし、
R3は、H、F、CH2F、CHF2およびCF3の群から選択され、
R5は、CN、無置換C1〜C4アルキル、1、2または3個のハロゲンにより置換されているC1〜C4アルキル、−S−CH3および−O−CH3から選択される1個の置換基により置換されているC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、無置換C3〜C6シクロアルキル、FおよびCH3から選択される1、2または3個の置換基により置換されているC3〜C6シクロアルキルの群から選択され、
R4’は、H、−C(=O)R6、−C(=O)OR6および−C(=O)NR6R7の群から選択され、
R4は、H、−C(=O)R6、−C(=O)OR6および−C(=O)NR6R7の群から選択されるか、
あるいは
c)R4は、式:
【化62】
の基であり、
式中、
Yはそれぞれ、O、S、NR、+N(O)(R)、N(OR)、+N(O)(OR)またはN−NR2であり、
W1およびW2は、一緒になった場合、−Y3(C(Ry)2)3Y3−であるか、
または、W1もしくはW2の一方は、R4’と一緒になって、−Y3−であり、W1もしくはW2のもう一方は、式Iaであるか、
または、W1およびW2はそれぞれ、独立して、式Iaの基
【化63】
であり、
式中、
Y1はそれぞれ、独立して、O、S、NR、+N(O)(R)、N(OR)、+N(O)(OR)またはN−NR2であり、
Y2はそれぞれ、独立して、結合、O、CR2、−O−CR2−、NR、+N(O)(R)、N(OR)、+N(O)(OR)、N−NR2、S、S−S、S(O)またはS(O)2であり、
Y3はそれぞれ、単結合であり、
M1は、0、1、2または3であり、
Rxはそれぞれ、独立して、Ryまたは式
【化64】
であり、
式中、
M2a、M2bおよびM2cはそれぞれ、独立して0または1であり、
M2dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり、
Ryはそれぞれ、独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、R、−C(=Y1)R、−C(=Y1)OR、−C(=Y1)N(R)2、−N(R)2、−+N(R)3、−SR、−S(O)R、−S(O)2R、−S(O)(OR)、−S(O)2(OR)、−OC(=Y1)R、−OC(=Y1)OR、−OC(=Y1)(N(R)2)、−SC(=Y1)R、−SC(=Y1)OR、−SC(=Y1)(N(R)2)、−N(R)C(=Y1)R、−N(R)C(=Y1)OR、−N(R)C(=Y1)N(R)2、−SO2NR2、−CN、−N3、−NO2、−ORまたはW3であるか、
あるいは、同一炭素原子上の二つのRyが一緒になった場合、3、4、5、6または7個の炭素環原子を有する炭素環式環を形成するか、
あるいは、同一炭素原子上の二つのRyが一緒になった場合、前記炭素原子と一緒になって、3、4、5、6または7個の環原子を有する複素環を形成し、ここで、1個の環原子はOまたはNから選択され、他の環原子はすべて炭素であり、
Rはそれぞれ、独立して、H、(C1〜C8)アルキル、(C1〜C8)置換アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)置換アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C2〜C8)置換アルキニル、C6〜C10アリール、C6〜C10置換アリール、3〜10員の複素環、3〜10員の置換複素環、5〜12員のヘテロアリール、5〜12員の置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり、
W3は、W4またはW5であり、
W4は、R、−C(Y1)Ry、−C(Y1)W5、−SO2Ryまたは−SO2W5であり、
W5は、フェニル、ナフチル、C3〜C8炭素環、または3〜10員の複素環から選択され、ここで、W5は、0、1、2、3、4、5または6個のRy基により独立して置換されており、
R6およびR7はそれぞれ、独立して、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C4〜C8)カルボシクリルアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10置換アリール、5〜10員のヘテロアリール、5〜10員の置換ヘテロアリール、−C(=O)(C1〜C8)アルキル、−S(O)n(C1〜C8)アルキルまたはアリール(C1〜C8)アルキルであるか、
あるいは、R6およびR7は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、前記複素環の環炭素原子のいずれか一つが、−O−、−S−または−NRa−により任意選択で置きかえられることができ、
R6またはR7のそれぞれの(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニルまたはアリール(C1〜C8)アルキルはそれぞれ、ハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2またはORaから選択される、1、2、3または4個の置換基により任意選択で独立して置換されており、前記(C1〜C8)アルキルのそれぞれの非末端炭素原子のうちの1、2または3個が、−O−、−S−または−NRa−により任意選択で置きかえられていてもよいか、あるいは
b)R4は、
【化65】
から選択される基であり、
式中、
R8は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、
【化66】
から選択され、
R9は、HおよびCH3から選択され、
R10は、HまたはC1〜C6アルキルから選択され、
R10’は、HまたはC1〜C6アルキルから選択されるか、
あるいはR10およびR10’は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3、4、5または6員のスピロ環を形成し、ここで、前記スピロ環のすべての環原子は炭素であるか、
あるいはR10およびR10’は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3、4、5または6員のスピロ環を形成し、ここで、前記スピロ環の環原子のうちの1個または2個は、O、SおよびNの群から選択され、前記スピロ環の他の環原子のすべてが炭素であり、
R11は、H、C1〜C8アルキル、ベンジル、C3〜C6シクロアルキル、−CH2−C3〜C6シクロアルキル、−CH2CH2−S−C(O)−C3〜C6アルキル、
【化67】
から選択され、
R7’は、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジル、−O−ベンジル、−CH2−C3〜C6シクロアルキルおよびCF3から選択されるか、あるいは
e)R4およびR4’は組み合わさって、
【化68】
から選択される構造を形成する、化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項2)
式(II)
【化69】
の上記項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、式中、R3、R4、R4’およびR5は、上記項1において定義されているとおりである、化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項3)
式(III)
【化70】
の上記項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩であって、式中、R3、R4、R4’およびR5は、上記項1において定義されているとおりである、化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項4)
R3、R4およびR5が、上記項1に記載されているとおりであり、R4’が水素である、上記項1、2および3のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項5)
R5が、CN、無置換C1〜C3アルキル、FおよびClから選択される1、2または3個のハロゲンにより置換されているC1〜C3アルキル、−S−CH3および−O−CH3から選択される1個の置換基により置換されているC1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、無置換C3〜C5シクロアルキル、FおよびCH3から選択される1、2または3個の置換基により置換されているC3〜C5シクロアルキルの群から選択される、上記項1、2、3および4のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項6)
R3が水素である、上記項1、2、3、4および5のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項7)
R3がFである、上記項1、2、3、4および5のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項8)
R3およびR4がそれぞれ水素である、上記項1、2、3、4、5および6のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項9)
R3、R4およびR4’がそれぞれ水素である、上記項1、2、3、4、5、6および8のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項10)
R3がFであり、R4が水素である、上記項1、2、3、4、5および7のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項11)
R3がFであり、R4およびR4’がそれぞれ水素である、上記項1、2、3、4、5、7および10のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項12)
R3が、HおよびFの群から選択され、R5が、CN、メチル、エチル、プロピル、ビニル、プロペニル、エチニル、CH2F、CHF2、CH2Cl、CH2SMe、−CH2OMeおよびシクロプロピルの群から選択される、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項13)
R3が、HおよびFの群から選択され、R5が、CN、メチル、エチル、プロピル、ビニル、プロペニル、エチニル、CH2F、CHF2、CH2Cl、CH2SMe、−CH2OMeおよびシクロプロピルの群から選択され、R4’が水素である、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項14)
R3が、HおよびFの群から選択され、R5が、CN、メチル、エチル、プロピル、ビニル、プロペニル、エチニル、CH2F、CHF2、CH2Cl、CH2SMe、−CH2OMeおよびシクロプロピルの群から選択され、R4がHであり、R4’が水素である、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項15)
R4が、
【化71】
から選択され、
式中、
n’は、1、2、3および4から選択され、
R7は、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジル、−O−ベンジル、−CH2−C3〜C6シクロアルキル、−O−CH2−C3〜C6シクロアルキルおよびCF3から選択され、
R7’は、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジル、−O−ベンジル、−CH2−C3〜C6シクロアルキルおよびCF3から選択され、
R8は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、
【化72】
から選択され、
R9は、HおよびCH3から選択され、
R10は、HまたはC1〜C6アルキルから選択され、
R11は、H、C1〜C8アルキル、ベンジル、C3〜C6シクロアルキルおよび−CH2−C3〜C6シクロアルキルから選択される、
上記項1、2、3、4、5、6および7のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項16)
R4が、
【化73】
【化74】
から選択され、
式中、
R7は、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジルおよび−CH2−C3〜C6シクロアルキルから選択され、
R7’は、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジル、−O−ベンジル、−CH2−C3〜C6シクロアルキルおよびCF3から選択され、
R10は、HまたはC1〜C6アルキルから選択され、
R10’は、HまたはC1〜C6アルキルから選択されるか、
あるいはR10およびR10’は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3、4、5または6員のスピロ環を形成し、ここで、前記スピロ環のすべての環原子は炭素であるか、
あるいはR10およびR10’は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3、4、5または6員のスピロ環を形成し、ここで、前記スピロ環の環原子のうちの1個または2個は、O、SおよびNの群から選択され、前記スピロ環の他の環原子のすべてが炭素であり、
R11は、C1〜C8アルキル、ベンジル、C3〜C6シクロアルキルおよび−CH2−C3〜C6シクロアルキルから選択される、
上記項1、2、3、4、5、6、7および15のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項17)
R3が、HおよびFの群から選択され、
R4’が、水素であり、
R5が、CN、メチル、エチル、プロピル、ビニル、プロペニル、エチニル、CH2F、CHF2、CH2Cl、CH2SMe、−CH2OMeおよびシクロプロピルの群から選択され、
R4が、
【化75】
の群から選択され、
式中、
R7は、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジルおよび−CH2−C3〜C6シクロアルキルから選択され、
R11は、C1〜C8アルキル、ベンジル、C3〜C6シクロアルキルおよび−CH2−C3〜C6シクロアルキルから選択される、
上記項1、2、3、4、5、6、7、15および16のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項18)
R4が、
【化76】
から選択される、上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16および17のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項19)
R4が、
【化77】
である、上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16、17、18および19のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項20)
R4が、
【化78】
である、上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16、17、18および19のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項21)
R4が、
【化79】
である、上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16、17、18および19のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項22)
R4およびR4’が組み合わさって構造
【化80】
を形成し、
R11が、H、C1〜C8アルキル、ベンジル、C3〜C6シクロアルキル、−CH2−C3〜C6シクロアルキル、
【化81】
から選択される、上記項1、2、3、5、6、7および12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項23)
R4およびR4’が組み合わさって構造
【化82】
を形成し、
式中、R9は、HおよびCH3から選択され、R10は、HまたはC1〜C6アルキルから選択され、R10’は、HまたはC1〜C6アルキルから選択され、R11は、H、C1〜C8アルキル、ベンジル、C3〜C6シクロアルキルおよび−CH2−C3〜C6シクロアルキルから選択される、上記項1、2、3、5、6、7および12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項24)
R4が、
【化83】
であり、
R7’が、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジル、−O−ベンジル、−CH2−C3〜C6シクロアルキルおよびCF3から選択される、
上記項1、2、3、4、5、6、7、12、15および16のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項25)
R7’が、イソプロピルである、上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16および17のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項26)
R4が、
【化84】
であり、
R7が、C1〜C8アルキル、−O−C1〜C8アルキル、ベンジル、−O−ベンジル、−CH2−C3〜C6シクロアルキル、−O−CH2−C3〜C6シクロアルキルおよびCF3から選択される、
上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16および17のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項27)
R7が、t−ブチルである、上記項1、2、3、4、5、6、7、15、16および17のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項28)
【化85】
【化86】
の群から選択される、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13および14のいずれかに記載の化合物、
または薬学的に許容されるその塩。
(項29)
【化87】
【化88】
の群から選択される、上記項1、2、3、4、5、6、7、12、13、15、16、17、18および21のいずれかに記載の化合物、
または薬学的に許容されるその塩。
(項30)
式
【化89】
の、上記項1、2、4、5、6、8、9、12、13および14のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項31)
式
【化90】
の、上記項1、2、4、5、6、7、12、13、15、16、17、18、19および29のいずれかに記載の化合物、
または薬学的に許容されるその塩。
(項32)
ヒトにおけるPneumovirinaeウイルス感染を処置する方法であって、治療有効量の、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を前記ヒトに投与するステップを含む方法。
(項33)
ヒトにおけるヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法であって、治療有効量の、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を前記ヒトに投与するステップを含む方法。
(項34)
上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびに薬学的に許容される担体または添加剤を含む医薬組成物。
(項35)
上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩が使用されることを特徴とする、ヒトにおけるPneumovirinaeウイルス感染または呼吸器合胞体ウイルス感染の処置が意図されている医薬を製造する方法。
(項36)
ヒトにおけるPneumovirinaeウイルス感染または呼吸器合胞体ウイルス感染の処置に使用するための、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項37)
ヒトにおいてPneumovirinaeウイルス感染または呼吸器合胞体ウイルス感染を処置するのに有用な医薬の調製における、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用。
(項38)
本明細書において記載されている化合物。
(項39)
ヒトにおけるヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法において使用するための、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1種の追加の活性治療剤。
(項40)
ヒトにおけるヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法であって、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1種の追加の活性治療剤を前記ヒトに投与するステップを含む方法において使用するための、上記項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
(項41)
ヒトにおけるヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法において使用するための、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1種の追加の活性治療剤。
(項42)
ヒトにおけるヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法であって、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1種の追加の活性治療剤を前記ヒトに投与するステップを含む方法において使用するための、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
(項43)
ヒト呼吸器合胞体ウイルス感染の処置を必要とするヒトであって、細気管支炎にも罹っているヒトにおいて、ヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法において使用するための、式(I)、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
(項44)
ヒト呼吸器合胞体ウイルス感染の処置を必要とするヒトであって、肺炎にも罹っているヒトにおいて、ヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を処置する方法において使用するための、式(I)、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
(項45)
ヒト呼吸器合胞体ウイルス感染を罹っているヒトにおける呼吸器の症状を改善する方法において使用するための、式(I)、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
(項46)
ヒトにおけるヒト呼吸器合胞体ウイルス感染またはヒトにおけるPneumovirinaeウイルス感染の処置における、同時、別々または逐次使用のための組合せ調製物としての、式(I)、式(II)、式(III)の化合物、もしくは本明細書における実施例の具体的な化合物のうちの一つ、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および/もしくはエステル。