特開2020-112267(P2020-112267A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-112267(P2020-112267A)
(43)【公開日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】バルブ用の作動システム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/128 20060101AFI20200626BHJP
   G01B 7/30 20060101ALI20200626BHJP
   F16K 37/00 20060101ALN20200626BHJP
【FI】
   F16K31/128
   G01B7/30 M
   F16K37/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-2504(P2020-2504)
(22)【出願日】2020年1月10日
(31)【優先権主張番号】19151967.7
(32)【優先日】2019年1月15日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520011027
【氏名又は名称】コンテレック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メリック アムストゥッツ
【テーマコード(参考)】
2F063
3H056
3H065
【Fターム(参考)】
2F063AA35
2F063BA06
2F063CA16
2F063DA01
2F063DA05
2F063EA01
2F063GA01
3H056AA01
3H056BB24
3H056BB47
3H056CA02
3H056CB03
3H056CC07
3H056CC12
3H056CD04
3H056EE03
3H056EE04
3H065AA01
3H065BA01
3H065BB11
3H065CA01
(57)【要約】
【課題】製造中にバルブに取り付けることができるだけでなく、後付けソリューションとしても適しているバルブ用の作動システムの提供。
【解決手段】作動システム(10)は、外側ハウジング(11)を有する。バルブ(20)の切換軸(21)を収容するための収容領域(12)は、外側ハウジング(11)内に延在する。少なくとも1つの誘導センサは、収容領域(12)と平行に延びる。作動システムは、導電性材料を有し、その長手方向軸線に沿って延びるチャネル(43)を有する少なくとも1つの実質的に円筒形の位置エンコーダ(40)をさらに有する。このチャンネルは、バルブ(20)の切換軸(21)を収容するために装備されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ(20)用の作動システム(10)であって、
外側ハウジング(11)と、
前記バルブ(20)の切換軸(21)を収容するための、前記外側ハウジング(11)内に延在する収容領域(12)と、
前記収容領域(12)と平行に延びる少なくとも1つの誘導センサ(132)と、
導電性材料を有し、その長手方向軸線に沿って延びるチャネル(43)を有する少なくとも1つの実質的に円筒形の位置エンコーダ(40)であって、前記チャネル(43)は、前記バルブ(20)の前記切換軸(21)を収容するために装備されている位置エンコーダ(40)と
を有する作動システム(10)。
【請求項2】
前記位置エンコーダ(40)はエンコーダ部(41)を有し、前記エンコーダ部(41)を通して接続部(42)がその長手方向軸線に沿って案内され、前記接続部(42)は、前記チャネル(43)を取り囲み、少なくとも1つの係合要素(421)を有することを特徴とする、請求項1に記載の作動システム(10)。
【請求項3】
前記エンコーダ部(41)の長さ(L41)は、4mm〜15mmの範囲にあることを特徴とする、請求項2に記載の作動システム(10)。
【請求項4】
前記エンコーダ部(41)は、前記導電性材料からなる円筒状エンコーダ部(41)であることを特徴とする、請求項2または3に記載の作動システム(10)。
【請求項5】
前記エンコーダ部(41)は、前記導電性材料で作られたワイヤー(412)で包まれた環状磁束伝導体(411)を有することを特徴とする、請求項2または3に記載の作動システム(10)。
【請求項6】
前記位置エンコーダ(40)の外径(d40)は、前記チャネル(43)の直径(d43)の少なくとも2倍大きいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項7】
前記誘導センサ(132)は、内側ハウジング(131)によって少なくとも部分的に囲まれたプリント回路基板上に配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項8】
前記内側ハウジング(13)は、前記位置エンコーダ(40)を部分的に収容するように備えられたガイド(134)を有することを特徴とする、請求項7に記載の作動システム(10)。
【請求項9】
前記誘導センサ(132)は、40mm〜60mmの範囲の測定経路(s)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項10】
前記誘導センサ(132)に接続される電子位置レギュレータ(14)と、
前記バルブ(20)に接続するためのポート(151)を有する作動装置(15)と
を前記外側ハウジング(11)内にさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項11】
前記電子位置レギュレータ(14)は、前記外側ハウジング(11)の外側に配置されたセンサ(31)用のインターフェース(161)を有するプロセスレギュレータ(16)に接続されることを特徴とする、請求項10に記載の作動システム(10)。
【請求項12】
位置設定点(S14)を前記電子位置レギュレータ(14)に供給するように、および/またはプロセス設定点(S16)を前記プロセスレギュレータ(16)に供給するように装備されたユーザインターフェース(17)をさらに備える、請求項10または11に記載の作動システム(10)。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の作動システム(10)の前記位置エンコーダ(40)によって案内される切換軸(21)を有するバルブ(20)。
【請求項14】
前記位置エンコーダ(40)のシェル表面と前記誘導センサ(132)との間の距離(b)が少なくとも0.5mmであることを特徴とする、請求項13に記載のバルブ(20)。
【請求項15】
前記切換軸(21)は、前記位置エンコーダ(40)の係合要素(421)が係合する接続要素を有することを特徴とする、請求項13または15に記載のバルブ(20)。
【請求項16】
空気圧バルブ(20)であり、前記作動システム(10)の電空作動装置(15)に接続されていることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載のバルブ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ用の作動システムに関する。さらに、それは、作動システムを有するバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、単動式または複動式駆動装置を備えた空気圧作動制御バルブなどの作動システムは、マイクロプロセッサ電子機器を使用してバルブの位置を調整することができる。これには、バルブの現在位置を測定する変位変換器が必要である。次に、これを所定の位置設定点と継続的に比較し、制御に差がある場合は、バルブの実際の位置を修正する。
【0003】
現在位置の非接触測定のために、1つ以上の磁石をバルブの切換軸内に配置することができる。例として、特許文献1(DE202006012959U1)は、ばねによって分離された2つの磁石が作動システムのホールセンサによってその位置を検出できるように配置された切換軸を備えたバルブを記載している。しかしながら、この目的のためには、バルブを製造する際に、切換軸は、磁石を収容するためにすでにセットアップされており、磁石が装備されている必要がある。このソリューションはまた、磁気干渉場に敏感である。
【0004】
しかしながら、多くの場合、切換え軸が磁石または変位変換器用の位置エンコーダとして機能することができる同様の要素を有さないバルブがシステムに設置されている。このようなバルブに作動システムを後付けする場合は、位置エンコーダを装備する必要がある。この目的のために、例えば、コイルとコンデンサを含むディスク状の位置エンコーダを、接続部品によって切換軸の片側に取り付けることができる。その後、それは共振器または発振回路を備えたアクティブ位置エンコーダとして機能する。しかしながら、それは組み立て中に正しく位置合わせする必要がある。位置エンコーダが作動システムに挿入されると、位置エンコーダが見えないため、正しい取り付け位置が達成されたかどうかを直接確認することはできない。そのため、故障したアセンブリは、位置決めシステムの故障した機能を介して間接的にのみ検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国実用新案第202006012959号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、製造中にバルブに取り付けることができるだけでなく、後付けソリューションとしても適しているバルブ用の作動システムを提供することである。作動システムは、組み立て中に位置エンコーダが位置ずれする可能性がないように、かつ磁気バルブまたはサーボモータによって引き起こされるような磁気干渉場の影響を受けないように設計される。本発明のさらなる目的は、そのような作動システムを有するバルブを提供することである。
【0007】
この課題は、本発明の一態様では、例えば制御バルブとして使用され得るバルブ、特に比例バルブ用の作動システムによって解決される。これは、外側ハウジングを有する。バルブの切換軸の収容領域は、外側ハウジング内に延在する。ここで、収容領域とは、その位置と寸法の点で切換軸を収容するのに適した外側ハウジング内の任意の自由空間として理解される。収容領域を制限する必要はない。むしろ、それは外側ハウジング内のより大きな自由空間の部分領域でもあり得る。少なくとも1つの誘導センサが、収容領域と平行に延びる。これは、作動システムの変位変換器として機能する。
【0008】
さらに、作動システムは、少なくとも1つの実質的に円筒形の位置エンコーダを含む。これは導電性材料を有する。その長手方向軸線に沿って、バルブの切換軸を収容するように構成されたチャネルが延びる。位置エンコーダは、作動システムの他の部分に永続的に接続されない。作動システムが既存のバルブの後付けソリューションである場合、代わりに、チャネルに通すことにより、切換軸に取り付けられた単一の部品にすることができる。その後、切換軸と位置エンコーダを外側ハウジングに挿入できる。位置エンコーダ内の導電性材料の存在により、誘導センサに平行な切換軸の動きを誘導的に測定できる。「導電性」という用語は、ここでは、25℃の温度で10S/mを超える導電率を有するすべての材料として理解される。特に、銅および/またはアルミニウムが導電性材料として適している。
【0009】
位置エンコーダの円筒形の形状は、それが切換軸に対して回転対称であることを保証する。したがって、組み立て中に切換軸に対して任意の方法で回転することができ、位置ずれを引き起こすことはない。切換軸に対して誘導センサが内部に配置された外側ハウジングを回転させても、位置ずれは生じない。
【0010】
位置エンコーダはいくつかの部分からなることが好ましい。それは、エンコーダ部を有する。これにより、切換軸の誘導位置決定が可能になる。接続部は、その長手方向軸線に沿ってエンコーダ部を通って案内される。これはチャネルを囲み、少なくとも1つの係合要素を有する。係合要素によって、接続部は、切換軸に係合することにより、切換軸に固定され得る。これにより、位置エンコーダが切換軸に沿って滑るのを防ぐ。接続部は、誘導センサと相互作用しないように、プラスチックからなることが好ましい。それは、エンコーダ部に接続されている。この接続は、例えば、ラッチまたは接着によって行われる。
【0011】
信頼できる位置決定を実行できるようにするために、エンコーダ部の長さは、4mm〜15mmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは、10mm〜15mmの範囲である。接続部は、特にエンコーダ部と少なくとも同じ長さであり、これよりも長いことが好ましい。
【0012】
作動システムの一実施形態では、エンコーダ部は、導電性材料からなる円筒形エンコーダ部である。そのようなエンコーダ部は、誘導センサに対してパッシブエンコーダ部として機能する。別の一実施形態では、エンコーダ部は、導電性材料で作られたワイヤーで包まれたリング状の磁束伝導体を有する。このようなエンコーダ部は、誘導センサに対してアクティブエンコーダ部として機能する。
【0013】
さらに、信頼できる誘導測定のために、位置エンコーダの外径は、チャネルの直径の少なくとも2倍、特に好ましくは少なくとも2.5倍の大きさであることが好ましい。
【0014】
作動システムの堅牢な一実施形態では、誘導センサは、内側ハウジングによって少なくとも部分的に囲まれたプリント回路基板上に配置されることが好ましい。内側ハウジングは、誘導センサの機能を損なわないために導電性でなくてもよく、したがって特にプラスチックからなる。ここで、ハウジングは、別個のコンポーネントと、誘導センサとプリント回路基板のプラスチックインサート成形品の両方であると理解されている。
【0015】
内側ハウジングは、位置エンコーダを部分的に収容するように設計されたガイドを有することが好ましい。特に、それは、収容領域に平行に走り、湾曲した断面を有する凹部の形状を有する。ここで、ガイドは、位置エンコーダが内側ハウジングに接触しないように形作られていることが好ましい。
【0016】
典型的なバルブの全作動範囲における位置測定を確実にするために、誘導センサの測定経路は3mm〜100mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは40mm〜60mmの範囲である。誘導センサの機能原理により、誘導センサの長さはその測定経路よりも長く、例えば、測定経路の150%である。
【0017】
バルブの位置を調整するために、作動システムは、好ましくは、その外側ハウジング内に電子位置レギュレータを有し、この位置レギュレータは誘導センサに接続されている。電子位置レギュレータには、特にマイクロプロセッサが含まれている。さらに、バルブに接続するためのポートを有する作動装置が提供される。バルブの実施形態に応じて、作動装置は、電気式、空気圧式、または電空式の作動装置とすることができる。
【0018】
位置レギュレータは、外部位置設定点を処理することができる。しかしながら、プロセス設定点はまた、実際のプロセス値と比較する場合は、外側ハウジングの外側に位置するセンサ用のインターフェースを有するプロセスレギュレータに電子位置レギュレータを接続することが好ましい。そのため、このセンサは、実際のプロセス値を提供することができる。電子位置レギュレータとプロセスレギュレータは、個別のコンポーネントまたは単一のコンポーネントに実装することができる。
【0019】
さらに、作動システムは、位置設定点を電子位置レギュレータに供給するように、および/またはプロセス設定点をプロセスレギュレータに供給するように構成されたユーザインターフェースを有することが好ましい。
【0020】
本発明の別の一態様では、目的は、例えば制御バルブとして使用され得るバルブ、特に比例バルブによって解決される。これは、上述の本発明の態様に係る作動システムの位置エンコーダを介して案内される切換軸を有する。
【0021】
好ましくは、切換軸と位置エンコーダは、少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1.0mmの距離が位置エンコーダのシェル表面と誘導センサとの間に維持されるように、位置決めシステムに挿入される。さらに、誘導センサと、誘導センサと位置エンコーダとの間に配置される可能な内側ハウジングとの間の距離は、少なくとも0.3mmであることが好ましく、より好ましくは少なくとも0.5mmである。
【0022】
切換軸は、位置エンコーダの係合要素が係合する接続要素を有することが好ましい。これにより、切換軸上の位置エンコーダの正確な位置決めが可能になる。接続要素は、好ましくは凹部であり、特に、切換軸の周りのリング状の溝として設計することができる。
【0023】
特に、バルブは空気圧バルブとすることができる。これは、その後、作動システムの電空作動装置に接続される。
【0024】
本発明の例示的な実施形態を図面に示し、以下の説明でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の例示的な一実施形態に係るバルブの概略的な長手方向の描写を示す。
図2】センサ要素の位置エンコーダおよび図1に係るバルブの切換軸の一部の概略図を、IIとして示された視線方向から示す。
図3】線III−IIIに沿った図2に係る描写の断面を示す。
図4】線IV−IVに沿った図3の描写の断面を示す。
図5図2に係る位置エンコーダおよび切換軸の一部の等角図を示す。
図6図2に係る位置エンコーダおよび切換軸の一部の別の等角図を示す。
図7】本発明に係る作動システムの例示的な一実施形態における位置エンコーダおよび2つのセンサ要素を示す。
図8】本発明の例示的な一実施形態における位置エンコーダのエンコーダ部を示す。
図9】本発明の例示的な一実施形態に係る作動システムの誘導センサの信号を図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
バルブ20に接続された本発明の例示的な一実施形態に係る作動システム10が図1に示される。バルブ20は空気圧作動バルブとして設計され、線30上に配置される。作動システム10は、外側ハウジング11を有する。このハウジング内には、バルブ20の切換軸21が突出する収容領域12が画定される。位置エンコーダ40は、切換軸21上に配置される。センサ要素13は、収容領域12に平行に配置される。それは、電空アクチュエータ15を制御する電子位置レギュレータ14に測定データを供給する。これは、バルブ20の空気圧駆動装置22へのポート151を有する。位置レギュレータ14により制御される作動装置の通気バルブ152は、バルブ20を閉じるために、圧力供給部50からポート151を介して空気圧駆動装置22に圧縮空気を供給することができる。電子位置レギュレータ14により制御される作動装置15の排気バルブ153は、ポート151により空気圧駆動装置から排気領域60に空気を放出することができる。プロセスレギュレータ16は、バルブ20の下流の線30内に配置されたセンサ31を接続することができるインターフェース161を有する。センサ31は、この場合、流量センサとして設計される。ディスプレイおよびボタンを備えたユーザインターフェース17は、外側ハウジング11の外側に付けられる。それは、位置設定点S14の入力およびプロセス設定点S16の入力を可能にする。センサ31が接続されていない場合、位置設定点S14が位置レギュレータ14に供給されるように、外側ハウジング11内のスイッチ18を切換えることができる。次いで、切換軸21の実際の位置が、位置エンコーダ40とのその誘導相互作用によって生成されたセンサ要素13の信号から位置レギュレータ14内で計算され、実際の位置が位置設定点S14と比較される。実際の値と設定値との間に偏差がある場合、実際の値は、作動装置15の適切な制御によって設定値にリセットされる。一方、センサ31が接続されている場合、スイッチ18は、位置レギュレータ14がプロセスコントローラ16から入力信号を受信するように切換えられる。これは、本事例の流量設定点であるプロセス設定点S16を、センサ31によって測定された流量の実際の値と比較することによって計算される。計算された値は位置レギュレータ14に転送され、そこで位置設定点S14を置き換える。
【0027】
センサ要素13と位置エンコーダ40との間の誘導相互作用により、切換軸21の正確な位置決めを決定することが可能になる。これらは、図2図6に詳しく示される。センサ要素13は、プラスチック製の厚さ0.5mmの内側ハウジング131を有し、その中で誘導センサ132が、接続ケーブル133を備えたプリント回路基板上に配置される。これは、図示されない穴によって内側ハウジング131に熱的に固定される。位置エンコーダ40は、エンコーダ部41と接続部42とからなる。エンコーダ部41は、本事例では12.5mmの長さL41を有する銅製の円筒として設計されている。その外径は、位置エンコーダ40の外径d40に対応し、本事例では18mmである。エンコーダ部41の長手方向軸線に沿って、円形の穴が走り、そこに接続部42が挿入される。これはプラスチックからなり、その内部に直径d43が4.9mmのチャネル43を有する。この直径d43は、切換軸21の外径に対応する。接続部は、エンコーダ部41の全長L41にわたって延び、それを超えて延びる。その長さは25.1mmである。それは、ばね状の係合要素421で終端を迎え、これは、さねはぎ接続の方法で、切換軸21の周りのリングの溝211に係合する。係合要素421が位置する位置エンコーダ40の側では、接続部は、一区間内でエンコーダ部41の外径まで実質的に広げられ、そこでそれに接着される。エンコーダ部41のシェル表面に対応する誘導センサ132に面する位置エンコーダ40のシェル表面と誘導センサ132の表面との間の距離は1.0mmであり、シェル表面と内側ハウジング131の表面との間の距離は0.5mmである。内側ハウジング131は、位置エンコーダに面するガイド134を有する。これは、シェル表面と内側ハウジングとの間の距離が、ガイド134の領域内でエンコーダ部41の半径方向に一定であるように、湾曲した断面を備えた凹部の形状を有する。
【0028】
図7は、異なる一実施形態において、作動システム10が2つのセンサ要素13a、13bを有することができ、これらは両方とも収容領域12に平行に延びるが、互いに90度の角度で配置されることを示している。これにより、バルブ20の安全関連用途の冗長位置測定が可能になる。縮尺通りではないこの簡略化された描写では、位置エンコーダ40のシェル表面と誘導センサ132との間の距離bが、センサ要素13aの内側ハウジング131aの厚さcを含むのに十分なだけでなく、設置公差を確保するのに十分大きいこともまた示されている。同じことが第2のセンサ要素13bにも当てはまる。
【0029】
代替の例示的な一実施形態では、位置エンコーダ40のエンコーダ部41は銅シリンダーではない。図8に示されるように、エンコーダ部は、代わりに、フェライトからなるリング状の磁束伝導体411を有する。これは銅ワイヤー412で包まれている。コンデンサ413は、ワイヤー412と直列に接続されている。したがって、ワイヤー412とコンデンサ413は共振器を形成する。このエンコーダ部41はアクティブエンコーダ部として機能し、一方、銅製のエンコーダ部41はパッシブエンコーダ部として機能する。
【0030】
図1図6に記載の例示的な実施形態では、誘導センサ132は、50mmの収容領域12に沿った測定経路sおよび78mmの長さを有する。図9では、測定された電圧Umessの経過および較正された電圧Ukalの経過が、例として、この測定経路sにわたってプロットされている。さらに、測定経路s上の直線性Lの経過が示されている。較正後、非直線性は約±0.4%のみであった。
【0031】
作動システム10およびバルブ20は、図示の方法で共に製造することができる。しかしながら、バルブ20を作動システム10に後付けすることも可能である。そうするために、位置エンコーダ40は、係合要素421が凹部211内に係合するまでチャネル43を通して切換軸21を押すことによって、切換軸21に付けられる。その後、切換軸21が収容領域12内に突出し、バルブ20の空気圧駆動装置22が位置決めシステムのポート151に接続されるように、作動システム10がバルブ20上に配置される。線30内にセンサ31がある場合、それはインターフェース161に接続される。その後、作動システム10は動作の準備が整う。設置中に位置エンコーダ40を誤って調整する危険性はない。それは切換軸21の長手方向軸線に沿って凹部211によって画定される位置に達するとすぐに、誘導センサ132を使用した位置測定を損なうことなく、必要に応じて切換軸21を中心に回転させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2020年3月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ(20)用の作動システム(10)であって、
外側ハウジング(11)と、
前記バルブ(20)の切換軸(21)を収容するための、前記外側ハウジング(11)内に延在する収容領域(12)と、
前記収容領域(12)と平行に延びる少なくとも1つの誘導センサ(132)と、
導電性材料を有し、その長手方向軸線に沿って延びるチャネル(43)を有する少なくとも1つの実質的に円筒形の位置エンコーダ(40)であって、前記チャネル(43)は、前記バルブ(20)の前記切換軸(21)を収容するために装備されている位置エンコーダ(40)と
を有する作動システム(10)において、
前記位置エンコーダ(40)はエンコーダ部(41)を有し、前記エンコーダ部(41)を通して接続部(42)がその長手方向軸線に沿って案内され、前記接続部(42)は、前記チャネル(43)を取り囲み、少なくとも1つの係合要素(421)を有することを特徴とする、作動システム(10)。
【請求項2】
前記エンコーダ部(41)の長さ(L41)は、4mm〜15mmの範囲にあることを特徴とする、請求項に記載の作動システム(10)。
【請求項3】
前記エンコーダ部(41)は、前記導電性材料からなる円筒状エンコーダ部(41)であることを特徴とする、請求項またはに記載の作動システム(10)。
【請求項4】
前記エンコーダ部(41)は、前記導電性材料で作られたワイヤー(412)で包まれた環状磁束伝導体(411)を有することを特徴とする、請求項またはに記載の作動システム(10)。
【請求項5】
前記位置エンコーダ(40)の外径(d40)は、前記チャネル(43)の直径(d43)の少なくとも2倍大きいことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項6】
前記誘導センサ(132)は、内側ハウジング(131)によって少なくとも部分的に囲まれたプリント回路基板上に配置されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項7】
前記内側ハウジング(13)は、前記位置エンコーダ(40)を部分的に収容するように備えられたガイド(134)を有することを特徴とする、請求項に記載の作動システム(10)。
【請求項8】
前記誘導センサ(132)は、40mm〜60mmの範囲の測定経路(s)を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項9】
前記誘導センサ(132)に接続される電子位置レギュレータ(14)と、
前記バルブ(20)に接続するためのポート(151)を有する作動装置(15)と
を前記外側ハウジング(11)内にさらに有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の作動システム(10)。
【請求項10】
前記電子位置レギュレータ(14)は、前記外側ハウジング(11)の外側に配置されたセンサ(31)用のインターフェース(161)を有するプロセスレギュレータ(16)に接続されることを特徴とする、請求項に記載の作動システム(10)。
【請求項11】
位置設定点(S14)を前記電子位置レギュレータ(14)に供給するように、および/またはプロセス設定点(S16)を前記プロセスレギュレータ(16)に供給するように装備されたユーザインターフェース(17)をさらに備える、請求項または10に記載の作動システム(10)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の作動システム(10)の前記位置エンコーダ(40)によって案内される切換軸(21)を有するバルブ(20)であって、
前記切換軸(21)は、前記位置エンコーダ(40)の係合要素(421)が係合する接続要素を有する、バルブ(20)
【請求項13】
前記位置エンコーダ(40)のシェル表面と前記誘導センサ(132)との間の距離(b)が少なくとも0.5mmであることを特徴とする、請求項12に記載のバルブ(20)。
【請求項14】
空気圧バルブ(20)であり、前記作動システム(10)の電空作動装置(15)に接続されていることを特徴とする、請求項12または13に記載のバルブ(20)。
【外国語明細書】
2020112267000001.pdf