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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-112516(P2020-112516A)
(43)【公開日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】コンプライアント機構
(51)【国際特許分類】
   G12B 5/00 20060101AFI20200626BHJP
   B23Q 1/34 20060101ALI20200626BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20200626BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20200626BHJP
   B23Q 5/28 20060101ALN20200626BHJP
   B23Q 1/01 20060101ALN20200626BHJP
【FI】
   G12B5/00 T
   B23Q1/34 Z
   H01L21/68 K
   G03F7/20 521
   B23Q5/28 B
   B23Q1/01 T
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-5437(P2019-5437)
(22)【出願日】2019年1月16日
(71)【出願人】
【識別番号】514150181
【氏名又は名称】大銀微系統股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HIWIN MIKROSYSTEM CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李鈞翔
(72)【発明者】
【氏名】范智凱
(72)【発明者】
【氏名】張宇榮
【テーマコード(参考)】
2F078
2H197
3C048
5F131
【Fターム(参考)】
2F078CA01
2F078CA06
2F078CA08
2F078CB05
2F078CB12
2F078CC04
2F078CC07
2F078CC11
2H197CD12
2H197CD13
2H197FB03
2H197HA03
2H197JA02
2H197JA03
3C048BB12
3C048BB20
3C048CC11
3C048DD26
5F131CA32
5F131CA45
5F131CA46
5F131CA47
5F131CA62
5F131EA02
5F131EA14
5F131EA22
5F131EA23
5F131FA13
5F131FA14
5F131FA17
5F131FA32
5F131FA33
(57)【要約】
【課題】 本発明はコンプライアント機構を提供することを課題とする。
【解決手段】 コンプライアント機構は、シャーシと、シャーシと互いに隔たれたテーブルと、シャーシとテーブルとの間に橋設され、それぞれがシャーシに固定された第1胴部と、第1胴部と互いに隔たれ、テーブルと連結された第2胴部と、第1撓性部及び第2撓性部のそれぞれにより第1胴部及び第2胴部と連結され、その中で、第1撓性部と第2撓性部は異なる次元上の弾性を有している、第3胴部とを有する、複数のコンプライアントユニットとが含まれる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシと、
前記シャーシと互いに隔たれたテーブルと、
前記シャーシと前記テーブルとの間に橋設され、それぞれが前記シャーシに固定された第1胴部と、前記第1胴部と互いに隔たれ、前記テーブルと連結された第2胴部と、第1撓性部及び第2撓性部のそれぞれにより前記第1胴部及び前記第2胴部と連結され、その中で、前記第1撓性部と前記第2撓性部は異なる次元上の弾性を有している、第3胴部とを有する、複数のコンプライアントユニットと、を含むことを特徴とするコンプライアント機構。
【請求項2】
各前記第2胴部は、それぞれが円弧状ブロック及び前記円弧状ブロックの凹弧側に凹設された溝を有し、且つ各前記第2胴部の溝が互いに順次繋ぎ合わされて円環状を呈するようにさせていることを特徴とする請求項1に記載のコンプライアント機構。
【請求項3】
前記テーブルは、各前記第2胴部間の間に位置するテーブル体と、前記テーブル体に突設され、且つ円環状を呈するように連結された前記溝中に嵌合接続される円環状のほぞとを有することを特徴とする請求項2に記載のコンプライアント機構。
【請求項4】
前記ほぞの内・外側円環面の形状及び前記溝の溝壁の両側の形状は同じテーパー状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のコンプライアント機構。
【請求項5】
前記第3胴部は開口を有し、前記第1撓性部は前記第3胴部の開口中に位置し、
前記第1撓性部は第1結合部材、第1可撓性部材及び2つの第2可撓性部材を有し、前記第1可撓性部材は前記第1結合部材と前記第2胴部との間に橋設され、各前記第2可撓性部材はそれぞれ前記第3胴部の開口の内側壁面と前記第1結合部材との間に橋設されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコンプライアント機構。
【請求項6】
前記コンプライアントユニットに含まれる第3胴部の数は2つであり、また前記第1撓性部の数を2つにして、且つ各前記第1撓性部を各前記第3胴部の開口中に異なる次元の弾性を提供する方式で別々に設置することを特徴とする請求項5に記載のコンプライアント機構。
【請求項7】
前記第1胴部は開口を有し、前記第2撓性部は前記第1胴部の開口中に位置し、
前記第2撓性部は第2結合部材、第3可撓性部材及び2つの第4可撓性部材を有し、前記第3可撓性部材は前記第2結合部材と前記第3胴部の外側壁面との間に橋設され、各前記第4可撓性部材はそれぞれ前記第1胴部の開口の内側壁面と第2結合部材との間に橋設されることを特徴とする請求項6に記載のコンプライアント機構。
【請求項8】
前記第1胴部が有する開口の数は2つであり、また前記第2撓性部の数を2つにして、且つ各前記第2撓性部を各前記第1胴部の開口中に異なる次元の弾性を提供する方式で別々に設置することを特徴とする請求項7に記載のコンプライアント機構。
【請求項9】
前記テーブルと前記シャーシとの間に設置されて前記テーブルを駆動させるための第1駆動ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンプライアント機構。
【請求項10】
前記駆動ユニットはエンコーダー及び複数のリニアモーターを含むことを特徴とする請求項9に記載のコンプライアント機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモーションプラットフォームに関し、特にコンプライアント機構に関するものであり、それはショートストロークの精密定位プラットフォームに応用することでモーション精度及びレスポンス速度を向上させることができる。
【背景技術】
【0002】
ナノメートルサイズの半導体技術の発展に伴い、半導体設備製造業者においては高精度・ハイレスポンスを具備する設備の技術的な研究開発が目標とされ続けており、その中で、広く測定設備の構成ユニットとされているモーションプラットフォームは、高速の運動速度が提供可能である一方で、慣性の作用のため、運動中の物体を極めて短い時間内に精確な位置上で停止させることは実際のところ困難であり、さらに一般的には、完全に停止する前の揺れ動く程度が大きいほど、相対的に整定に要する時間は大きくなるため、精確な位置上への迅速な定位が難しくなる。
【0003】
周知技術では、運動物の慣性が招く整定の難しさを払拭するために、コンプライアント機構によって移動後に生じる運動誤差に対する補償を提供することで、整定時間を低減させるとともに精度の向上を期待するものが開示されており、こうした周知技術は確かに運動物に対して運動位置誤差の補償を提供することができるものの、コンプライアント機構自体の精度を確保するために、周知のコンプライアント機構では柔軟性を提供するための各構成部位が全て一体成形されるため、これが周知のコンプライアント機構の製造難易度を高くしており、また高コンプライアント構成の一部に弾性疲労が生じて補修を要する場合には、周知のコンプライアント機構が一体成形であるため、機構全体を取り外して交換するほかなく、資源を有効利用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、本発明は、分離可能な幾つかの独立したコンプライアントユニットで構成され、製造、組立加工や補修に便利なコンプライアント機構を提供することを主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明が提供するコンプライアント機構は、シャーシと、シャーシと互いに隔たれたテーブルと、シャーシとテーブルとの間に橋設され、それぞれがシャーシに固定された第1胴部と、第1胴部と互いに隔たれ、テーブルと連結された第2胴部と、第1撓性部及び第2撓性部のそれぞれにより第1胴部及び第2胴部と連結され、その中で、第1撓性部と第2撓性部は異なる次元上の弾性を有している、第3胴部とを有する、複数のコンプライアントユニットとが含まれる。
【0006】
その中で、第3胴部は開口を有し、第1撓性部は第3胴部の開口中に位置し、第1撓性部は第1結合部材、第1可撓性部材及び2つの第2可撓性部材を有し、第1可撓性部材は第1結合部材と第2胴部との間に橋設され、各第2可撓性部材はそれぞれ第3胴部の開口の内側壁面と第1結合部材との間に橋設される。
【0007】
その中で、第1胴部は開口を有し、第1撓性部は第1胴部の開口中に位置し、第2撓性部は第2結合部材、第3可撓性部材及び2つの第4可撓性部材を有し、第3可撓性部材は第2結合部材と第3胴部の外側壁面との間に橋設され、各第4可撓性部材はそれぞれ第1胴部の開口の内側壁面と第2結合部材との間に橋設される。
【0008】
その中で、第1胴部、第2胴部、第3胴部、第1撓性部及び第2撓性部の相対的な位置、数、形状又は構造は、上記の内容に限らず、実際の状況に応じて変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施例の立体組立図である。
図2】本発明の第1実施例の分解立体図である。
図3】本発明の第1実施例における図2のコンプライアントユニットの立体概略図である。
図4】本発明の第1実施例における図3の別の画角の概略図である。
図5】本発明の第1実施例の平面図である。
図6】本発明の第1実施例における図5の切断線6−6の断面図である。
図7】本発明の第1実施例における図5の切断線7−7の断面図である。
図8】本発明の第2実施例の分解立体図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
図1図7を参照して、本発明の第1実施例が提供するコンプライアント機構は、シャーシ10と、シャーシ10と互いに隔たれたテーブル20と、シャーシ10とテーブル20との間に橋設された複数のコンプライアントユニット30とが含まれる。本実施例中、コンプライアントユニット30の数は4つであり、且つモジュール化設計されており、シャーシ10及びテーブル20と組み合わせて一体型部材にすることができ、且つコンプライアントユニット30のそれぞれはいずれも単独で交換可能である。コンプライアントユニット30のうちの1つが疲労破損した場合には、保守担当者がそのコンプライアントユニット30を取り換えればよく、コンプライアント機構全体を交換する必要がないため、コンプライアント機構のメンテナンスコストが大幅に低減されると同時に、メンテナンス・調整の利便性も向上する。
【0011】
各コンプライアントユニット30はそれぞれがシャーシ10に固定された第1胴部31と、第1胴部31と互いに隔たれ、テーブル20と連結された第2胴部32と、第1胴部31と第2胴部32との間にそれぞれ位置し、且つ互いに隔たれた2つの第3胴部33と、各第3胴部33及び第2胴部32にそれぞれ連結された2つの第1撓性部34と、各第3胴部33及び第1胴部31にそれぞれ連結された2つの第2撓性部35とを含み、その中で、テーブル20の移動方向を制限するための、第1撓性部34と第2撓性部35の配置位置及び方向に基づく異なる次元上の弾性(例えばX軸の次元A1、Y軸の次元A2)を有する。本実施例において、具体的には、第2胴部32と連結される各第1撓性部34がそれぞれA1及びA2の次元の異なる弾性を提供し、第1胴部31と連結される各第2撓性部35がそれぞれA1及びA2方向の次元の異なる弾性を提供し、これにより、各第3胴部33が第1胴部31、第2胴部32との間でいずれとも次元方向の異なる2つの弾性を得ることができる。また部材間の結合における空間状態については、第1胴部31に2つの開口311を備えて、それぞれに次元の異なる弾性を有する各第2撓性部35を収容させて設けており、また各第3胴部33それぞれに、次元の異なる弾性を有する各第1撓性部34を収容させて設けるための開口333を備えている。
【0012】
各第2胴部32は、それぞれが円弧状ブロック321及び円弧状ブロック321の凹弧側に凹設された溝322を有し、且つ各第2胴部32の溝322が互いに順次繋ぎ合わされて円環状を呈するようにさせている。テーブル20は、各第2胴部32間の間に位置するテーブル体21と、テーブル体21に突設され、且つ円環状を呈するように連結された溝322中に嵌合接続される円環状のほぞ22とを有する。その中で、ほぞ22の内・外側円環面の形状及び溝322の溝壁の両側の形状は同じテーパー状を呈している。
【0013】
第1撓性部34は第1結合部材341、2つの第1可撓性部材342及び2つの第2可撓性部材343を有し、第1可撓性部材342は第1結合部材341と第2胴部32との間に橋設され、各第2可撓性部材343はそれぞれ第3胴部33の開口333の内側壁面と第1結合部材341との間に橋設される。詳述すると、第1撓性部34の2つの第1可撓性部材342は、第2可撓性部材343と並列方式で第3胴部33の開口333中に配置され、且つそれぞれ対応する第1結合部材341、第2胴部32及び第3胴部33の開口333の内側壁面に連結される。その中で、第1可撓性部材342及び第2可撓性部材343の相対的な位置、数、形状又は構造は、上記の実施例が開示するものに限らず、実際の状況に応じて変えることができる。
【0014】
また、第1可撓性部材342及び第2可撓性部材343のそれぞれには、耐変形能を向上させるための補強リブ344が一体に凸設されている。
【0015】
第2撓性部35が有する第2結合部材351、第3可撓性部材352及び第4可撓性部材353は、いずれも第1撓性部34の部材と同一であり、異なる点として、第1撓性部34では第3可撓性部材352が第2結合部材351と第3胴部33の外側壁面との間に橋設され、各第4可撓性部材353が第1胴部31の開口の内側壁面と第2結合部材351との間に橋設される。また、第3可撓性部材352及び第4可撓性部材353のそれぞれには、耐変形能を向上させるための補強リブ354が一体に凸設されている。
【0016】
本実施例中、コンプライアントユニット30はモジュール化設計であるため、製造、組立及び取り外しが容易になる作用を有しており、4つのコンプライアントユニット30は、互いに嵌合される方式によってテーブル20を嵌入して固定することができると同時に、ほぞ22と溝322の対応し合う構造設計によってテーブル20が自動的にコンプライアントユニット30上に調整されて嵌合されることを実現可能にしている。その後は、調整ねじ(図示しない)を用いて各コンプライアントユニット30とテーブル20との間を精確に微調整し、ピッチ(Pitch)、ヨー(Yaw)、ロール(Roll)の角度誤差を改善することにより、組立精度を向上させる。
【0017】
テーブル20とシャーシ10との間は駆動ユニット40を有し、駆動ユニット40はエンコーダー41及び複数のリニアモーター42を含む。
【0018】
上記部材の構成により、本発明のコンプライアント機構は、使用において、ロングストロークの高速移動後、慣性の作用により極めて短い時間内に所定の精確な位置で停止させることができない場合に、各コンプライアントユニット30の第1撓性部34及び第2撓性部35とリニアモーター42との組み合わせによって、移動後のテーブル20に対して運動誤差の補償を行うことで、整定時間を低減し、生産効率を向上させるという目的を達成することができる。
【実施例2】
【0019】
図8が示す通り、本発明の第2実施例は、コンプライアントユニット30の数が8つであるという点が第1実施例とは主に異なり、同様に互いに嵌合される方式によってテーブル20を嵌入して固定する。また、コンプライアントユニット30は、シャーシ10に固定された第1胴部31と、第1胴部31と互いに隔たれ、テーブル20と連結された第2胴部32と、第1撓性部34及び第2撓性部35のそれぞれにより第1胴部31及び第2胴部32と連結される第3胴部33とを有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】
2020112516000001.pdf