【課題】停電時において、設置場所に関わらず自立運転することが可能であるとともに、表示部による災害情報の提供を行うことが可能な災害時対応ステーション装置を提供する。
【解決手段】この災害時対応ステーション装置100は、災害時および平常時に、それぞれ、災害情報および非災害情報を取得可能な通信部3と、通信部3を介して取得した情報を表示可能なテレビジョン表示部11および電子ペーパー13と、系統電源Kからの電力をテレビジョン表示部11、電子ペーパー13および通信部3を含む複数の構成機器Aに供給する商用電源部41と、災害時における停電時に、商用電源部41に代わって複数の構成機器Aに電力を供給することにより、自立運転を可能とする蓄電池42と、を備える。
前記第1制御部は、前記蓄電池の残容量の低下に基づいて、段階的に、前記複数の構成機器の稼動を停止する制御を行う、請求項2に記載の災害時対応ステーション装置。
前記第1制御部は、前記複数の構成機器のうちの前記災害情報を提供する機器の少なくとも一部の稼動を、前記蓄電池の残容量がゼロになるまで維持するように構成されている、請求項2または3に記載の災害時対応ステーション装置。
前記第1制御部は、停電時において、前記蓄電池の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、前記第2制御部の稼動を停止するとともに、前記災害支援アプリケーションソフトウェアを継続して動作させることが可能に構成されている、請求項10に記載の災害時対応ステーション装置。
前記通信部と通信を行う外部機器からの信号に基づいて、前記表示部の表示画面を変更可能に構成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の災害時対応ステーション装置。
前記通信部を介して前記災害情報に含まれる災害発生情報を取得したこと、停電が発生したこと、および、所定の切り換えボタンが押されたことの少なくとも1つに基づいて、平常時に使用する平常時モードから、災害時に使用する災害時モードに切り換えるように構成されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の災害時対応ステーション装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された災害時給電システムでは、設置場所が自然エネルギーを利用して発電装置による発電が可能な場所でなければ、停電時に自立運転することができない。このため、自然エネルギーによる発電ができない場所に設置された場合には、表示部による緊急情報(災害情報)の提供を行うことができないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、停電時において、設置場所に関わらず自立運転することが可能であるとともに、表示部による災害情報の提供を行うことが可能な災害時対応ステーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による災害時対応ステーション装置は、災害時に各種の災害情報を提供する災害時対応ステーション装置であって、災害時および平常時に、それぞれ、災害情報および非災害情報を取得可能な通信部と、通信部を介して取得した情報を表示可能な表示部と、系統電源からの電力を表示部および通信部を含む複数の構成機器に供給する商用電源部と、災害時における停電時に、商用電源部に代わって複数の構成機器に電力を供給することにより、自立運転を可能とする蓄電池と、を備える。
【0009】
この発明の一の局面による災害時対応ステーション装置では、上記のように構成することにより、停電時において、系統電源から商用電源部への電力が断たれた場合(停電した場合)でも、商用電源部に代えて蓄電池により、表示部および通信部を含む複数の構成機器に電力を供給することができる。これにより、停電時においても、通信部を介して表示部に表示させる災害情報を取得することができる。その結果、停電時において、設置場所に関わらず自立運転することができるとともに、表示部による災害情報の提供を行うことができる。
【0010】
上記一の局面による災害時対応ステーション装置において、好ましくは、複数の構成機器の稼動を個別に制御する第1制御部をさらに備え、第1制御部は、停電時において、蓄電池の残容量の低下に基づいて、複数の構成機器の一部の稼動を停止する制御を行う。このように構成すれば、第1制御部により複数の構成機器の一部の稼動を停止することによって、災害時対応ステーション装置の消費電力を抑制することができるので、停電時において、限りある蓄電池の残容量が低下する速さを遅くすることができる。このため、設置場所に関わらずより長く自立運転することができるとともに、表示部による災害情報の提供をより長く行うことができる。また、災害時において、被災者などにとって重要度の低い機能(機器)を早めに停止させることが可能となる一方、重要度の高い機能(機器)をより長く稼動させることが可能となる。
【0011】
この場合、好ましくは、第1制御部は、蓄電池の残容量の低下に基づいて、段階的に、複数の構成機器の稼動を停止する制御を行う。このように構成すれば、蓄電池の残容量が低下する速さを効果的に遅くすることができるので、停電が長引く場合にも、より適切にかつより長く災害時対応ステーション装置を使用可能な状態に維持することができる。
【0012】
上記第1制御部をさらに備える構成において、好ましくは、第1制御部は、複数の構成機器のうちの災害情報を提供する機器の少なくとも一部の稼動を、蓄電池の残容量がゼロになるまで維持するように構成されている。このように構成すれば、被災者などにとって特に重要な災害情報の提供を可能な限り長く継続することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、表示部は、電子ペーパーを含み、第1制御部は、電子ペーパーの稼動を停止することなく、蓄電池の残容量がゼロになるまで稼動を維持するように構成されている。このように構成すれば、極めて消費電力の少ない電子ペーパーにより、災害情報の提供をより長く継続することができる。
【0014】
上記第1制御部をさらに備える構成において、好ましくは、表示部は、災害情報としての災害に関する映像を表示するテレビジョン表示部を含み、災害情報としての災害に関する音声を提供するラジオ放送部をさらに備え、第1制御部は、停電時において、蓄電池の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、テレビジョン表示部の稼動を停止するとともに、ラジオ放送部を稼動させるように構成されている。このように構成すれば、映像により災害情報を提供するテレビジョン表示部から、音声のみにより災害情報を提供するラジオ放送部に切り換えることにより、災害時対応ステーション装置の消費電力を効果的に抑制して、より長く災害時対応ステーション装置を使用することができる。
【0015】
上記第1制御部をさらに備える構成において、好ましくは、情報端末の充電を行う充電部をさらに備え、第1制御部は、停電時において、蓄電池の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、充電部の稼動を停止するように構成されている。このように構成すれば、充電部により情報端末の充電を行うことができる。また、充電部の稼動を停止することにより、災害時対応ステーション装置の消費電力を効果的に抑制することができる。
【0016】
上記一の局面による災害時対応ステーション装置において、好ましくは、通信部は、互いに異なる通信方式で複数設けられ、複数の通信部は、外部と通信可能に接続される優先順位が予め設定されており、優先順位に基づいて、複数の通信部の中から、外部と通信可能に接続する1つの通信部を決定するように構成されている。このように構成すれば、外部(外部機器)と通信可能に接続される優先順位を設定することにより、消費電力、通信速度および通信確立の容易性などを考慮して、外部と通信可能に接続する1つの通信部を決定することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、複数の通信部は、Wi−Fi通信部と、3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部と、衛星通信部とを含み、優先順位が1番のWi−Fi通信部、優先順位が2番の3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部、優先順位が3番の衛星通信部の順番で外部との通信の可否を判断するように構成されている。このように構成すれば、情報端末において比較的多く使用されているWi−Fi通信部および3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部を優先して通信の可否を判断することができる。また、Wi−Fi通信部および3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部による通信が確立できない場合に、比較的通信が確立され易く、消費電力が大きい衛星通信部の通信の可否を最後に判断することができる。
【0018】
上記第1制御部をさらに備える構成において、好ましくは、災害時において被災者およびボランティアスタッフに支援サービスを提供する災害支援アプリケーションソフトウェアが保存されているメモリと、災害時において災害支援アプリケーションソフトウェアを起動可能な第2制御部とをさらに備える。このように構成すれば、第2制御部により起動される災害支援アプリケーションソフトウェアによって、災害時に、被災者およびボランティアスタッフに種々の支援サービスを提供することができる。また、第1制御部と第2制御部とを別々に設けることにより、第1制御部と第2制御部とを個別に稼動および停止させることが可能となる。
【0019】
この場合、好ましくは、第1制御部は、停電時において、蓄電池の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、第2制御部の稼動を停止するとともに、災害支援アプリケーションソフトウェアを継続して動作させることが可能に構成されている。このように構成すれば、第2制御部の稼動を停止することにより、災害時対応ステーション装置の消費電力を効果的に抑制することができるとともに、第1制御部により、第2制御部の稼動を停止したとしても災害支援アプリケーションソフトウェアを継続して動作させることができる。
【0020】
上記一の局面による災害時対応ステーション装置において、好ましくは、通信部と通信を行う外部機器からの信号に基づいて、表示部の表示画面を変更可能に構成されている。このように構成すれば、災害時対応ステーション装置を直接操作することなく、消防署などの外部から遠隔操作により、表示部に必要な災害情報を表示させることができる。このため、災害時対応ステーション装置から外部に情報を送信することができない状況になった場合でも、少なくとも、外部から被災者(災害時対応ステーション装置)に向けて災害情報を発信し続けることができる。
【0021】
上記一の局面による災害時対応ステーション装置において、好ましくは、災害時対応ステーション装置本体の周辺にある複数の情報端末と接続されて、通信を確立するアクセスポイントをさらに備え、アクセスポイントを介して、情報端末との間で災害情報を送受信可能に構成されている。このように構成すれば、災害時に、被災者などの情報端末がデータ通信不能となった場合でも、通信環境を提供することができる。また、アクセスポイントを介して、災害時対応ステーション装置から複数の情報端末に共通の災害情報を容易に送信することができる。
【0022】
上記一の局面による災害時対応ステーション装置において、好ましくは、通信部を介して災害情報に含まれる災害発生情報を取得したこと、停電が発生したこと、および、所定の切り換えボタンが押されたことの少なくとも1つに基づいて、平常時に使用する平常時モードから、災害時に使用する災害時モードに切り換えるように構成されている。このように構成すれば、通信部を介して災害情報に含まれる災害発生情報を取得したことに基づく場合、災害発生時に自動で確実に災害時モードに切り換えることができる。また、停電が発生したことことに基づく場合、災害発生時に自動で災害時モードに切り換えることができる。また、所定の切り換えボタンが押されたことに基づく場合、被災者などの意思により災害時モードに切り換えることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、停電時において、設置場所に関わらず自立運転することが可能であるとともに、表示部による災害情報の提供を行うことが可能な災害時対応ステーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(災害時対応ステーション装置の構成)
図1〜
図3を参照して、本発明の一実施形態による災害時対応ステーション装置100について説明する。
【0027】
図1に示すように、災害時対応ステーション装置100は、災害時に各種の災害に関する情報(災害情報)を提供することが可能に構成されている。たとえば、災害時対応ステーション装置100は、テレビジョン表示部11およびラジオ放送部12を備えており、被災者などに対して災害に関するニュースを提供可能に構成されている。また、災害時対応ステーション装置100は、充電部15を備えており、携帯電話などの情報端末T(
図2参照)を充電可能に構成されている。また、災害時対応ステーション装置100は、外部との通信を行う通信部3(
図2参照)を備えており、消防署および自衛隊などを含む災害対応を行う機関などのコンピュータ(外部機器O)と相互に通信すること(連絡を取り合うこと)が可能に構成されている。災害時対応ステーション装置100は、市役所、体育館および道の駅などの比較的多くの人が集まる場所に設置される。以下、災害時対応ステーション装置100の詳細について説明する。なお、テレビジョン表示部11は、特許請求の範囲の「表示部」の一例である。
【0028】
災害時対応ステーション装置100は、単一の災害時対応ステーション装置本体100aを備えている。
【0029】
また、
図2に示すように、災害時対応ステーション装置100は、テレビジョン表示部11と、ラジオ放送部12と、電子ペーパー13と、タッチパネル式操作部14と、充電部15と、アクセスポイント2(Wi−Fiステーション)と、通信部3と、商用電源部41と、蓄電池42と、第1制御部51(制御コンピュータ)と、第2制御部52(サーバコンピュータ)とをさらに備えている。なお、電子ペーパー13は、特許請求の範囲の「表示部」の一例である。
【0030】
商用電源部41および蓄電池42は、テレビジョン表示部11、電子ペーパー13、ラジオ放送部12、タッチパネル式操作部14、充電部15、アクセスポイント2、第1制御部51および第2制御部52を含む災害時対応ステーション装置100の複数の構成機器Aに、電力を供給するように構成されている。
【0031】
災害時対応ステーション装置100は、通信部3を介して、平常時に非災害情報を取得するように構成されている。非災害情報とは、たとえは、宣伝広告情報や、市役所におけるサービス情報などの種々の情報であり、災害情報とは異なる情報である。要するに、災害時対応ステーション装置100は、災害時および非災害時のいずれにおいても使用可能に構成されており、災害時に災害情報を提供する「災害時モード」と、平常時(非災害時)に非災害情報を提供する「平常時モード」とを、切り換え可能に構成されている。
【0032】
詳細には、災害時対応ステーション装置100は、通信部3を介して気象庁のコンピュータなどの外部機器O(
図2参照)から、災害情報に含まれる災害発生情報を取得した場合には、平常時に使用する平常時モードから、災害時に使用する災害時モードに切り換えるように構成されている。
【0033】
(災害時対応ステーション装置本体の構成)
図1に示すように、災害時対応ステーション装置本体100aは、側面視で、L字形状に形成されている。詳細には、災害時対応ステーション装置本体100aは、直方体形状の後部100bと、後部100bの前方に配置され、後部100bよりも高さが小さい直方体形状の前部100cとを含んでいる。
【0034】
後部100bの前面には、テレビジョン表示部11と、電子ペーパー13と、スピーカー10とが配置されている。前部100cの上面には、充電部15と、タッチパネル式操作部14とが配置されている。
【0035】
なお、図示しないが災害時対応ステーション装置本体100aの下面には、移動のためのローラ部、および、所定位置に固定するための固定部が設けられていてもよい。
【0036】
(テレビジョン表示部の構成)
テレビジョン表示部11は、ディスプレイおよびチューナーなどのテレビ用の放送波を受信して映像として表示する構成一式を含んでおり、災害情報としての災害に関する映像を表示するように構成されている。たとえば、テレビジョン表示部11は、公共放送の災害に関するニュース映像を表示するように構成されている。なお、テレビジョン表示部11の音声は、スピーカー10から出力される。
【0037】
(ラジオ放送部の構成)
ラジオ放送部12は、チューナーおよび検波回路などのラジオ用の放送波を受信してスピーカー10を介して音声として出力する構成一式を含んでおり、災害情報としての災害に関する音声を提供するように構成されている。たとえば、ラジオ放送部12は、公共放送の災害に関するニュース音声を提供するように構成されている。ラジオ放送部12は、テレビジョン表示部11と比較して、音声のみを出力するため、消費電力を抑制することが可能である。なお、ラジオ放送部12の音声は、スピーカー10から出力される。
【0038】
(電子ペーパーの構成)
図2に示すように、電子ペーパー13は、通信部3を介して取得した災害情報および非災害情報などを表示可能に構成されている。災害時対応ステーション装置100は、通信部3と通信を行う外部機器Oからの信号に基づいて、電子ペーパー13の表示画面を変更可能に構成されている。
【0039】
具体例として、災害時対応ステーション装置100は、消防署および自衛隊などを含む災害対応を行う機関のパソコン(外部機器O)からの信号に基づいて、電子ペーパー13の表示画面を変更可能に構成されている。すなわち、災害時対応ステーション装置100は、外部機器Oから電子ペーパー13を遠隔操作可能に構成されている。なお、電子ペーパー13は、表示画面の変更時に僅かに電力を消費するだけで、極めて消費電力が少ない。このため、災害時対応ステーション装置100は、電子ペーパー13により、極めて小さな消費電力で情報を提供することができる。
【0040】
電子ペーパー13は、災害時対応ステーション装置本体100a(
図1参照)に設けられたスキャナ接続部(図示せず)に接続されたスキャナ(図示せず)により読み取った画像を、表示することも可能に構成されている。この他、電子ペーパー13は、タッチパネル式操作部14により入力された情報などの種々の情報を表示可能に構成されている。
【0041】
(タッチパネル式操作部の構成)
タッチパネル式操作部14は、液晶表示部を有するタブレット端末により構成されている。タッチパネル式操作部14は、災害時対応ステーション装置本体100a(
図1参照)に複数(2つ)設けられている。タッチパネル式操作部14は、テレビジョン表示部11、ラジオ放送部12、電子ペーパー13などの構成機器Aを操作することが可能に構成されている。また、タッチパネル式操作部14は、単なる検索用端末として被災者などが使用することも可能である。
【0042】
(充電部の構成)
充電部15は、携帯電話などの情報端末Tの充電を行うことが可能に構成されている。充電部15は、複数の情報端末Tに対して、同時に充電を行うことが可能なように複数のコネクタ(情報端末Tへの接続部)を有している。なお、複数のコネクタは、単一種類により構成されていてもよいし、種々の充電仕様に対応可能なように複数種類により構成されていてもよい。
【0043】
(アクセスポイントの構成)
アクセスポイント2は、災害時対応ステーション装置本体100a(
図1参照)の周辺にある複数の被災者などの情報端末Tと接続されて、Wi−Fiによる通信を確立するように構成されている。すなわち、アクセスポイント2は、災害時に、被災者などの情報端末Tがデータ通信不能となった場合でも、通信環境を提供することができる。また、アクセスポイント2は、災害時対応ステーション装置本体100aの周辺にある複数の被災者などの情報端末Tを、災害時対応ステーション装置100(第1制御部51、第2制御部52)に接続するように構成されている。
【0044】
また、災害時対応ステーション装置100は、アクセスポイント2を介して情報端末Tとの間で災害情報を送受信可能に構成されている。具体的には、災害時対応ステーション装置100は、災害情報として、災害に関する掲示情報、避難施設の管理情報、支援物資の管理情報、避難者などからの問い合わせ情報(質問、回答)、避難者の登録情報などを、アクセスポイント2を介して情報端末Tとの間で送受信可能に構成されている。
【0045】
通信部3は、災害時および平常時に、それぞれ、災害情報および非災害情報を取得可能なように構成されている。通信部3は、インターネットを介して外部(外部機器O)との通信を確立するように構成されている。通信部3は、互いに異なる通信方式で複数設けられている。複数の通信部3には、外部(外部機器O)と通信可能に接続される優先順位が予め設定されており、優先順位に基づいて、複数の通信部3の中から、外部機器Oと通信可能に接続される1つの通信部3を決定するように構成されている。
【0046】
詳細には、複数の通信部3は、Wi−Fi通信部31と、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)による通信規格の通信部32と、衛星通信部33とを含んでいる。
【0047】
災害時対応ステーション装置100は、優先順位が1番のWi−Fi通信部31、優先順位が2番の3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部32、優先順位が3番の衛星通信部33の順番で外部(外部機器O)との通信の可否を判断するように構成されている。これにより、災害時対応ステーション装置100は、外部(外部機器O)との通信が可能と判断した1つの通信部3と、外部(外部機器O)との通信を確立するように構成されている。なお、通信部3の切り換えは、第1制御部51による制御の下、行われる。
【0048】
(商用電源部の構成)
商用電源部41は、系統電源Kからの電力を、災害時対応ステーション装置100の複数の構成機器Aに供給するように構成されている。商用電源部41は、停電が発生しない限り、系統電源Kからの電力を複数の構成機器Aに供給し続けるように構成されている。
【0049】
(蓄電池の構成)
蓄電池42は、災害時における停電時に、商用電源部41に代わって複数の構成機器Aに電力を供給することにより、災害時対応ステーション装置100の自立運転を可能とするように構成されている。蓄電池42は、比較的大きな蓄電容量を有しており、停電時発生から数日間(たとえば、5日程度)継続して災害時対応ステーション装置100を稼動させることが可能である。
【0050】
蓄電池42は、災害時および非災害時に関わらず、商用電源部41(系統電源K)による災害時対応ステーション装置100への電力供給が可能な間(非停電時)に、蓄電されるように構成されており、非停電時においては常に(略)満充電状態に保持されている。ただし、停電が解消した直後を除く。
【0051】
(第1制御部の構成)
図2に示すように、第1制御部51は、災害時対応ステーション装置100の複数の構成機器Aの稼動を個別に制御するように構成されている。すなわち、第1制御部51は、災害時対応ステーション装置100の各部のON/OFFを個別に制御するように構成されている。
【0052】
第1制御部51は、蓄電池42の残容量情報を取得可能に構成されている。第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量の低下に基づいて、複数の構成機器Aの一部の稼動を停止する制御を行うように構成されている。すなわち、第1制御部51は、蓄電池42の残容量の低下に基づいて、災害時対応ステーション装置100の全体の消費電力を抑制するように構成されている。
【0053】
この際、第1制御部51は、蓄電池42の残容量の低下に基づいて、段階的に、複数の構成機器Aの稼動を停止する制御を行うように構成されている。なお、一例ではあるが、第1制御部51は、段階的に、複数の構成機器Aの稼動を停止する場合、機能や消費電力などを考慮して、被災者などの立場から重要度が低いとされる機器から順に稼動を停止するように構成されている。
【0054】
また、第1制御部51は、複数の構成機器Aのうちの災害情報を提供する機器の少なくとも一部の稼動を、蓄電池42の残容量がゼロになるまで維持するように構成されている。すなわち、第1制御部51は、可能な限り長く、被災者などに災害情報を提供し続けることが可能なように、災害時対応ステーション装置100の複数の構成機器Aの稼動を個別に制御するように構成されている。
【0055】
具体的には、第1制御部51は、電子ペーパー13の稼動を停止することなく、蓄電池42の残容量がゼロになるまで稼動を維持するように構成されている。なお、電子ペーパー13は、上記の通り、極めて消費電力が少ない。
【0056】
第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、テレビジョン表示部11の稼動を停止するとともに、ラジオ放送部12を稼動させるように構成されている。たとえば、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量が50%に低下したことに基づいて、テレビジョン表示部11の稼動を停止するとともに、ラジオ放送部12を稼動させるように構成されている。すなわち、第1制御部51は、映像および音声の両方により災害情報を提供する状態から、音声のみにより災害情報を提供する状態に切り換えるように構成されている。
【0057】
また、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、充電部15の稼動を停止するように構成されている。たとえば、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量が50%に低下したことに基づいて、充電部15の稼動を停止するように構成されている。
【0058】
また、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、第2制御部52の稼動を停止するように構成されている。たとえば、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量が30%に低下したことに基づいて、第2制御部52の稼動を停止するように構成されている。この際、第1制御部51は、第2制御部52により動作していた後述する災害支援アプリケーションソフトウェア(の少なくとも一部機能)を、第2制御部52に代わって継続して動作させることが可能に構成されている。
【0059】
(第2制御部の構成)
図2に示すように、第2制御部52は、高機能なサーバコンピュータと、各種の制御を行うシングルボードの小型コンピュータとによる機能毎に構成されており、蓄電池42の残容量の低下に応じて、機能を順次停止させて、消費電力を抑制するように構成されている。
【0060】
第2制御部52は、災害時において災害支援アプリケーションソフトウェアを起動可能に構成されている。災害支援アプリケーションソフトウェアとは、災害時において被災者およびボランティアスタッフなどに支援サービスを提供するためのアプリケーションソフトウェアである。災害時対応ステーション装置100には、災害支援アプリケーションソフトウェアが保存されているメモリ53が設けられている。
【0061】
第2制御部52により起動される災害支援アプリケーションソフトウェアの機能について説明する。
【0062】
災害支援アプリケーションソフトウェアは、情報を掲示する機能を有している。たとえば、災害支援アプリケーションソフトウェアは、用紙をスキャンしたデータ、被災者が情報端末Tやタッチパネル式操作部14などにより入力したデータなどを、電子ペーパー13に表示する機能を有している。また、災害支援アプリケーションソフトウェアは、被災者が情報端末Tやタッチパネル式操作部14などにより登録した情報などの種々の情報を、一定間隔で切り換えて表示する機能を有している。また、災害支援アプリケーションソフトウェアは、情報に文字情報が含まれる場合に、文字を異なる言語の文字に翻訳する(切りかえる)機能を有している。
【0063】
災害支援アプリケーションソフトウェアは、施設の利用予約管理を行う機能を有している。たとえば、災害支援アプリケーションソフトウェアは、避難所にある授乳場所、着替え場所、浴室などの共用設備の利用に際して、予約券を発行する機能を提供する。予約券には、共用設備の利用開始時刻情報、利用時間情報、利用順番情報などが含まれる。なお、一例ではあるが、予約券は、アクセスポイント2に接続されている被災者などの情報端末Tに表示される。
【0064】
災害支援アプリケーションソフトウェアは、支援物資を管理する機能を有している。たとえば、災害支援アプリケーションソフトウェアは、避難所に到着した支援物資、要求中の支援物資の到着予定日時、個人別に要求した支援物資の状況(たとえば到着状況)などを管理する機能を有している。
【0065】
災害支援アプリケーションソフトウェアは、被災者からの問い合わせに対応する機能を有している。たとえば、災害支援アプリケーションソフトウェアは、アクセスポイント2に接続されている被災者などの情報端末Tからの質問に対して、避難所のスタッフやボランティアが回答するための機能を有している。また、災害支援アプリケーションソフトウェアは、被災者からのよくある質問を、利用者がタッチパネル式操作部14を操作して、検索可能とする機能を有している。
【0066】
災害支援アプリケーションソフトウェアは、被災者(避難者)を登録する機能を有している。たとえば、災害支援アプリケーションソフトウェアは、災害時対応ステーション装置100が設置されている避難所に被災者がいることを登録する機能を有している。これにより、災害時対応ステーション装置100は、避難所内で個人へのサポートを迅速に行うことが可能となる。また、災害支援アプリケーションソフトウェアは、他の避難所に設置されている他の災害時対応ステーション装置100との間で登録情報を送受信することが可能に構成されている。すなわち、災害時対応ステーション装置100は、他の避難所にいる被災者を確認可能に構成されている。なお、被災者(避難者)の登録は、タッチパネル式操作部14を用いた各種の個人情報(マイナンバー、氏名、住所、年齢など)の入力操作や、免許証などのスキャン操作などにより行われる。
【0067】
なお、上記した災害支援アプリケーションソフトウェアの各種機能のうち重要とされる機能は、蓄電池42の残容量が低下した場合、第2制御部52に代わって第1制御部51により提供される。たとえば、災害支援アプリケーションソフトウェアの情報を掲示する機能は、蓄電池42の残容量が低下した場合、第2制御部52に代わって第1制御部51により提供される。
【0068】
(第1制御部による消費電力を抑制する制御処理)
次に、
図3を参照して、第1制御部51による災害時対応ステーション装置100の消費電力を抑制する制御処理について説明する。第1制御部51による消費電力を抑制する制御処理は、蓄電池42の残容量の低下に伴い行われる。
【0069】
ステップS1において、第1制御部51により、蓄電池42の残容量が50%に低下したか否かが判断される。そして、ステップS1において、第1制御部51により、蓄電池42の残容量が50%に低下したと判断されない場合(残容量が50%よりも大きい場合)には、ステップS1が繰り返される。また、ステップS1において、第1制御部51により、蓄電池42の残容量が50%に低下したと判断された場合には、ステップS2に進む。
【0070】
ステップS2において、第1制御部51により、充電部15およびテレビジョン表示部11の稼動が停止されるとともに、ラジオ放送部12が稼動される。そして、ステップS3に進む。
【0071】
ステップS3において、第1制御部51により、蓄電池42の残容量が30%に低下したか否かが判断される。そして、ステップS3において、第1制御部51により、蓄電池42の残容量が30%に低下したと判断されない場合(残容量が30%よりも大きい場合)には、ステップS3が繰り返される。また、ステップS3において、第1制御部51により、蓄電池42の残容量が30%に低下したと判断された場合には、ステップS4に進む。
【0072】
ステップS4において、第1制御部51により、第2制御部52の稼動が停止される。この際、災害支援アプリケーションソフトウェアの各種機能のうち重要とされる機能は、第2制御部52に代わって第1制御部51により提供される。以上で、第1制御部51による災害時対応ステーション装置100の消費電力を抑制する制御処理が完了する。
【0073】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
本実施形態では、上記のように構成することにより、停電時において、系統電源Kから商用電源部41への電力が断たれた場合(停電した場合)でも、商用電源部41に代えて蓄電池42により、表示部(テレビジョン表示部11、電子ペーパー13)および通信部3を含む複数の構成機器Aに電力を供給することができる。これにより、停電時においても、通信部3を介して表示部に表示させる災害情報を取得することができる。その結果、停電時において、設置場所に関わらず自立運転することができるとともに、表示部による災害情報の提供を行うことができる。
【0075】
本実施形態では、上記のように、複数の構成機器Aの稼動を個別に制御する第1制御部51をさらに備え、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量の低下に基づいて、複数の構成機器Aの一部の稼動を停止する制御を行う。これにより、第1制御部51により複数の構成機器Aの一部の稼動を停止することによって、災害時対応ステーション装置100の消費電力を抑制することができるので、停電時において、限りある蓄電池42の残容量が低下する速さを遅くすることができる。このため、設置場所に関わらずより長く自立運転することができるとともに、表示部(テレビジョン表示部11、電子ペーパー13)による災害情報の提供をより長く行うことができる。また、災害時において、被災者などにとって重要度の低い機能(機器)を早めに停止させることが可能となる一方、重要度の高い機能(機器)をより長く稼動させることが可能となる。
【0076】
本実施形態では、上記のように、第1制御部51は、蓄電池42の残容量の低下に基づいて、段階的に、複数の構成機器Aの稼動を停止する制御を行う。これにより、蓄電池42の残容量が低下する速さを効果的に遅くすることができるので、停電が長引く場合にも、より適切にかつより長く災害時対応ステーション装置100を使用可能な状態に維持することができる。
【0077】
本実施形態では、上記のように、第1制御部51は、複数の構成機器Aのうちの災害情報を提供する機器の少なくとも一部の稼動を、蓄電池42の残容量がゼロになるまで維持するように構成されている。これにより、被災者などにとって特に重要な災害情報の提供を可能な限り長く継続することができる。
【0078】
本実施形態では、上記のように、表示部として、電子ペーパー13を設け、第1制御部51は、電子ペーパー13の稼動を停止することなく、蓄電池42の残容量がゼロになるまで稼動を維持するように構成されている。これにより、極めて消費電力の少ない電子ペーパー13により、災害情報の提供をより長く継続することができる。
【0079】
本実施形態では、上記のように、表示部として、災害情報としての災害に関する映像を表示するテレビジョン表示部11を設け、災害情報としての災害に関する音声を提供するラジオ放送部12をさらに備え、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、テレビジョン表示部11の稼動を停止するとともに、ラジオ放送部12を稼動させるように構成されている。これにより、映像により災害情報を提供するテレビジョン表示部11から、音声にのみにより災害情報を提供するラジオ放送部12に切り換えることにより、災害時対応ステーション装置100の消費電力を効果的に抑制して、より長く災害時対応ステーション装置100を使用することができる。
【0080】
本実施形態では、上記のように、情報端末Tの充電を行う充電部15をさらに備え、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、充電部15の稼動を停止するように構成されている。これにより、充電部15により情報端末Tの充電を行うことができる。また、充電部15の稼動を停止することにより、災害時対応ステーション装置100の消費電力を効果的に抑制することができる。
【0081】
本実施形態では、上記のように、通信部3は、互いに異なる通信方式で複数設けられ、複数の通信部3は、外部と通信可能に接続される優先順位が予め設定されており、優先順位に基づいて、複数の通信部3の中から、外部と通信可能に接続する1つの通信部3を決定するように構成されている。これにより、外部(外部機器O)と通信可能に接続される優先順位を設定することにより、消費電力、通信速度および通信確立の容易性などを考慮して、外部と通信可能に接続する1つの通信部3を決定することができる。
【0082】
本実施形態では、上記のように、複数の通信部3は、Wi−Fi通信部31と、3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部32と、衛星通信部33とを含み、優先順位が1番のWi−Fi通信部31、優先順位が2番の3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部32、優先順位が3番の衛星通信部33の順番で外部との通信の可否を判断するように構成されている。これにより、情報端末Tにおいて比較的多く使用されているWi−Fi通信部31および3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部32を優先して通信の可否を判断することができる。また、Wi−Fi通信部31および3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部32による通信が確立できない場合に、比較的通信が確立され易く、消費電力が大きい衛星通信部33の通信の可否を最後に判断することができる。
【0083】
本実施形態では、上記のように、災害時において被災者およびボランティアスタッフに支援サービスを提供する災害支援アプリケーションソフトウェアが保存されているメモリ53と、災害時において災害支援アプリケーションソフトウェアを起動可能な第2制御部52とをさらに備える。これにより、第2制御部52により起動される災害支援アプリケーションソフトウェアによって、災害時に、被災者およびボランティアスタッフに種々の支援サービスを提供することができる。また、第1制御部51と第2制御部52とを別々に設けることにより、第1制御部51と第2制御部52とを個別に稼動および停止させることが可能となる。
【0084】
本実施形態では、上記のように、第1制御部51は、停電時において、蓄電池42の残容量がゼロになる前の所定の残容量に低下したことに基づいて、第2制御部52の稼動を停止するとともに、災害支援アプリケーションソフトウェアを継続して動作させることが可能に構成されている。これにより、第2制御部52の稼動を停止することによって、災害時対応ステーション装置100の消費電力を効果的に抑制することができるとともに、第1制御部51により、第2制御部52の稼動を停止したとしても災害支援アプリケーションソフトウェアを継続して動作させることができる。
【0085】
本実施形態では、上記のように、通信部3と通信を行う外部機器Oからの信号に基づいて、表示部(電子ペーパ13)の表示画面を変更可能に構成されている。これにより、災害時対応ステーション装置100を直接操作することなく、消防署などの外部から遠隔操作により、表示部に必要な災害情報を表示させることができる。このため、災害時対応ステーション装置100から外部に情報を送信することができない状況になった場合でも、少なくとも、外部から被災者(災害時対応ステーション装置100)に向けて災害情報を発信し続けることができる。
【0086】
本実施形態では、上記のように、災害時対応ステーション装置本体100aの周辺にある複数の情報端末Tと接続されて、通信を確立するアクセスポイント2をさらに備え、アクセスポイント2を介して、情報端末Tとの間で災害情報を送受信可能に構成されている。これにより、災害時に、被災者などの情報端末Tがデータ通信不能となった場合でも、通信環境を提供することができる。また、アクセスポイント2を介して、災害時対応ステーション装置100から複数の情報端末Tに共通の災害情報を容易に送信することができる。
【0087】
本実施形態では、上記のように、通信部3を介して災害情報に含まれる災害発生情報を取得したことに基づいて、平常時に使用する平常時モードから、災害時に使用する災害時モードに切り換えるように構成されている。これにより、通信部3を介して災害情報に含まれる災害発生情報を取得したことに基づく場合、災害発生時に自動で確実に災害時モードに切り換えることができる。
【0088】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0089】
たとえば、上記実施形態では、災害時対応ステーション装置の入力装置としてタッチパネル式操作部を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、キーボードなどのタッチパネル式操作部以外の操作部を用いてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、災害時対応ステーション装置が互いに異なる規格の3つの通信部(Wi−Fi通信部、3G、4Gまたは5Gによる通信規格の通信部、衛星通信部)を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、災害時対応ステーション装置が単一の通信部を備えていてもよい。また、災害時対応ステーション装置が互いに異なる規格の2つまたは4つ以上の通信部を備えていてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、通信部を介して気象庁のコンピュータから災害情報を取得したことに基づいて、平常時モードから災害時モードに切り換える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、
図4に示す災害時対応ステーション装置200のように、所定の切り換えボタンBを設け、所定の切り換えボタンBが押されたことに基づいて、平常時モードから災害時モードに切り換えてもよい。また、停電が発生したことに基づいて、平常時モードから災害時モードに切り換えてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、蓄電池の残容量の低下に基づいて、2段階(50%、30%)で段階的に、複数の構成機器の稼動を停止する制御を行うように、第1制御部を構成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、蓄電池の残容量の低下に基づいて、1段階または3段階以上で段階的に、複数の構成機器の稼動を停止する制御を行うように、第1制御部を構成してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、複数の制御部(第1制御部、第2制御部)を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、単一の制御部を備えていてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、災害時対応ステーション装置本体をL字形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、災害時対応ステーション装置本体(全体)を直方体形状などのL字形状以外の形状に形成してもよい。
【0095】
また、災害時対応ステーション装置が通信部、表示部、商用電源部および蓄電池を備えているのであれば、上記実施形態の災害時対応ステーション装置とは異なる構成を備えていてもよいし、充電部などの上記実施形態の災害時対応ステーション装置が備えている構成を備えていなくてもてもよい。
【0096】
また、災害支援アプリケーションソフトウェアは、上記実施形態とは異なる機能を備えていてもよいし、上記実施形態において説明した機能を備えていなくてもよい。