特開2020-11448(P2020-11448A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-11448高さ調整機構及びこれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-11448(P2020-11448A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】高さ調整機構及びこれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 25/308 20060101AFI20191220BHJP
   B41J 11/14 20060101ALI20191220BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20191220BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20191220BHJP
   F16M 13/00 20060101ALN20191220BHJP
【FI】
   B41J25/308 P
   B41J11/14
   B41J2/01 301
   B41J2/01 305
   B65H29/24 C
   F16M13/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-135185(P2018-135185)
(22)【出願日】2018年7月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】山根 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村岡 敏則
(72)【発明者】
【氏名】中村 了
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
2C064
3F049
【Fターム(参考)】
2C056HA27
2C056HA29
2C058AB15
2C058AB17
2C058AC07
2C058AC12
2C058AD01
2C058AE02
2C058AF27
2C058AF31
2C058DC09
2C058DC23
2C064CC02
2C064DD02
2C064DD14
2C064EE02
2C064FF10
3F049AA10
3F049BA04
3F049LA06
3F049LB03
(57)【要約】
【課題】支持フレームに対する板体の高さを精密に調整することが可能な高さ調整機構、及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】高さ調整機構70において、調整ボルト71は、吸引筐体432に形成された第1ねじ穴711Nと螺合する第1ねじ部711と、ベルト案内部材431に対して下方側から当接する移動部材72の連結ピン722に形成された第2ねじ穴712Nと螺合する第2ねじ部712と、を含む。調整ボルト71の回転に伴って、第1ねじ部711の第1ねじ穴711Nに対する進退に応じて調整ボルト71が第1方向に移動し、第2ねじ部712の第2ねじ穴712Nに対する進退に応じて移動部材72が調整ボルト71に沿って第1方向とは反対の第2方向に移動することによって、当接部721に当接したベルト案内部材431の高さを調整する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームによって下方側から支持された板体の、前記支持フレームに対する高さを調整する高さ調整機構であって、
前記支持フレームに形成された第1ねじ穴と、
前記板体に下方側から当接する当接部と、前記当接部の下方において対向して、第2ねじ穴が形成された対向部とを有する移動部材と、
上下方向に延びる軸心回りに回転可能に設けられ、前記第1ねじ穴と螺合する第1ねじ部と、前記第2ねじ穴と螺合する第2ねじ部とを有し、ねじ山間のピッチが前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とで異なる調整ボルトと、を備え、
前記調整ボルトの回転に伴って、前記第1ねじ部の前記第1ねじ穴に対する進退に応じて前記調整ボルトが前記支持フレームに対して第1方向に移動することによって、前記移動部材が前記支持フレームに対して前記第1方向に移動すると共に、前記第2ねじ部の前記第2ねじ穴に対する進退に応じて前記移動部材が前記調整ボルトに沿って前記第1方向とは反対の第2方向に移動することによって、前記当接部に当接した前記板体の高さを調整する、高さ調整機構。
【請求項2】
前記当接部は、
上下方向に延び、挿通孔が形成されると共に係合片が設けられた一対の脚部と、
前記一対の脚部を連結し、前記板体に下方側から当接する当接板と、を有し、
前記対向部は、前記当接板の下方において対向し、前記一対の脚部の下端部同士を連結するように、前記挿通孔に挿通される連結ピンにより構成され、
前記連結ピンは、
一端部に設けられたピン頭部と、
前記ピン頭部とは反対の他端部に設けられ、前記連結ピンが前記挿通孔に挿通された状態において、前記係合片に係合することにより、前記連結ピンを前記一対の脚部に対して抜け止めする係合爪部と、
前記連結ピンが前記挿通孔に挿通された状態において、前記連結ピンの軸心回りの回転を規制する回り止め部と、を有する、請求項1に記載の高さ調整機構。
【請求項3】
前記板体を前記当接部に向けて付勢する付勢部材を、更に備える、請求項1又は2に記載の高さ調整機構。
【請求項4】
周回移動によってシートを搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの上方側に配置され、前記シートに画像を形成する画像形成部と、
前記搬送ベルトの周回移動を案内する板体と、
前記板体を下方側から支持する支持フレームと、
前記支持フレームに対する前記板体の高さを調整する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高さ調整機構と、を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持フレームに対する板体の高さを調整する高さ調整機構、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置は、シートを給紙する給紙部と、当該給紙部により給紙されたシートを搬送するシート搬送部と、当該シート搬送部により搬送されるシートに画像を形成する画像形成部とを備えている。
【0003】
画像形成部にシートを搬送するシート搬送部としては、シートを搬送する搬送ベルトと、吸引部とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このシート搬送部では、吸引部がシートと搬送ベルトとの間に吸引力を発生させることにより、シートが搬送ベルトに密着され、このように密着された状態でシートが搬送ベルトにより搬送される。
【0004】
吸引部は、支持フレームと当該支持フレームによって下方側から支持された板体とを含み、支持フレームと板体とで囲まれた空間によって吸引空間が画定される。板体は、無端ベルトである搬送ベルトの内周面に接触するように配置され、搬送ベルトの周回移動を案内する機能を有している。
【0005】
ところで、画像形成装置では、例えば厚みが異なる多種多様なシートに対して画像が形成される。このような多種多様なシートに対して高品質の画像を形成するためには、シート搬送部により搬送されるシートと画像形成部との間の高さ方向の距離が精密に調整される必要がある。すなわち、シートを搬送する搬送ベルトと画像形成部との間の高さ方向の距離が精密に調整される必要がある。搬送ベルトと画像形成部との間の距離の調整は、搬送ベルトの周回移動を案内する板体の、その板体を支持する支持フレームに対する高さを調整することによって実現することができる。しかしながら、従来技術では、高さ調整の精密さが十分であるとは言えないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−222418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、支持フレームに対する板体の高さを精密に調整することが可能な高さ調整機構、及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る高さ調整機構は、支持フレームによって下方側から支持された板体の、前記支持フレームに対する高さを調整する機構である。この高さ調整機構は、前記支持フレームに形成された第1ねじ穴と、前記板体に下方側から当接する当接部と、前記当接部の下方において対向して、第2ねじ穴が形成された対向部とを有する移動部材と、上下方向に延びる軸心回りに回転可能に設けられ、前記第1ねじ穴と螺合する第1ねじ部と、前記第2ねじ穴と螺合する第2ねじ部とを有し、ねじ山間のピッチが前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とで異なる調整ボルトと、を備える。そして、高さ調整機構においては、前記調整ボルトの回転に伴って、前記第1ねじ部の前記第1ねじ穴に対する進退に応じて前記調整ボルトが前記支持フレームに対して第1方向に移動することによって、前記移動部材が前記支持フレームに対して前記第1方向に移動すると共に、前記第2ねじ部の前記第2ねじ穴に対する進退に応じて前記移動部材が前記調整ボルトに沿って前記第1方向とは反対の第2方向に移動することによって、前記当接部に当接した前記板体の高さを調整する。
【0009】
この高さ調整機構によれば、調整ボルトは、支持フレームに形成された第1ねじ穴と螺合する第1ねじ部と、板体に対して下方側から当接する移動部材の対向部に形成された第2ねじ穴と螺合する第2ねじ部と、を含む。高さ調整機構においては、調整ボルトの回転に伴って、第1ねじ部の第1ねじ穴に対する進退に応じて調整ボルトが支持フレームに対して第1方向に移動することによって、移動部材が支持フレームに対して前記第1方向に移動すると共に、第2ねじ部の第2ねじ穴に対する進退に応じて移動部材が調整ボルトに沿って前記第1方向とは反対の第2方向に移動することによって、当接部に当接した板体の高さを調整する。例えば、調整ボルトが1回転したときには、調整ボルトが支持フレームに対して第1ねじ部のねじ山間のピッチ分移動し、それとは反対の方向に移動部材が第2ねじ部のねじ山間のピッチ分移動することによって、板体の高さが調整されることになる。ここで、調整ボルトの第1ねじ部と第2ねじ部とは、ねじ山間のピッチが互いに異なるので、各ねじ部のピッチの差分に応じて板体の高さを調整することが可能となる。これにより、支持フレームに対する板体の高さを精密に調整することが可能となる。
【0010】
上記の高さ調整機構において、前記当接部は、上下方向に延び、挿通孔が形成されると共に係合片が設けられた一対の脚部と、前記一対の脚部を連結し、前記板体に下方側から当接する当接板と、を有し、前記対向部は、前記当接板の下方において対向し、前記一対の脚部の下端部同士を連結するように、前記挿通孔に挿通される連結ピンにより構成されていてもよい。そして、前記連結ピンは、一端部に設けられたピン頭部と、前記ピン頭部とは反対の他端部に設けられ、前記連結ピンが前記挿通孔に挿通された状態において、前記係合片に係合することにより、前記連結ピンを前記一対の脚部に対して抜け止めする係合爪部と、前記連結ピンが前記挿通孔に挿通された状態において、前記連結ピンの軸心回りの回転を規制する回り止め部と、を有する。
【0011】
また、上記の高さ調整機構は、前記板体を前記当接部に向けて付勢する付勢部材を、更に備える構成であってもよい。
【0012】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、周回移動によってシートを搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトの上方側に配置され、前記シートに画像を形成する画像形成部と、前記搬送ベルトの周回移動を案内する板体と、前記板体を下方側から支持する支持フレームと、前記支持フレームに対する前記板体の高さを調整する、上記の高さ調整機構と、を備える。
【0013】
この画像形成装置によれば、高さ調整機構は、搬送ベルトの周回移動を案内する板体の、支持フレームに対する高さを精密に調整することができる。これにより、搬送ベルトと画像形成部との間の距離の精密な調整が可能となるので、例えば厚みが異なる多種多様なシートに対して高品質の画像を形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、支持フレームに対する板体の高さを精密に調整することが可能な高さ調整機構、及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を概略的に示す図である。
図2】画像形成装置に備えられる高さ調整機構を示す斜視図である。
図3】高さ調整機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る回転検知装置及び画像形成装置について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向が前後方向(+Xが後、−Xが前)、Y方向が左右方向(+Yが左、−Yが右)、Z方向が上下方向(+Zが上、−Zが下)に各々相当する。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
【0017】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1を概略的に示す図である。図1に示す画像形成装置1は、インク滴を吐出してシートSに画像を形成(記録)するインクジェット記録装置である。画像形成装置1は、装置本体10と、給紙部20と、シート反転部30と、シート搬送部40と、画像形成部50と、排紙部60とを備える。
【0018】
装置本体10は、シートSに画像を形成するための各種の装置を収容する箱形の筐体である。この装置本体10には、シートSの搬送通路となる第1搬送路11、第2搬送路12及び第3搬送路13が形成されている。
【0019】
給紙部20は、シートSを第1搬送路11へ給紙する。給紙部20は、給紙カセット21とピックアップローラー22とを備える。給紙カセット21は、装置本体10に対して着脱自在であり、内部にシートSを収容する。ピックアップローラー22は、給紙カセット21の−Y側であり且つ+Z側の端部に配置される。ピックアップローラー22は、給紙カセット21に収容されたシート束の最上層のシートSを1枚ずつ繰り出し、第1搬送路11へ送り出す。
【0020】
第1搬送路11に給紙されたシートSは、その第1搬送路11に設けられた第1搬送ローラー対111によって、第1搬送路11の下流端に配置された、シート搬送部40のレジストローラー対44まで搬送される。また、装置本体10の−Y側の側面には給紙トレイ25が配置されており、給紙トレイ25の上面部にはシートSが載置可能とされる。給紙トレイ25上に載置されたシートSは、給紙ローラー24によってレジストローラー対44に向かって送り出される。
【0021】
レジストローラー対44は、シート搬送部40において上流端に配置された搬送ローラー対である。レジストローラー対44は、シートSのスキュー矯正を行うとともに、画像形成部50による画像形成処理のタイミングに合わせてシートSを、シート導入ガイド部23を介して搬送ベルト41に向けて送り出す。このようにして、レジストローラー対44は、シートSを画像形成部50に向けて搬送する。
【0022】
シート導入ガイド部23は、レジストローラー対44により送出されたシートSを、シート搬送部40における搬送ベルト41の外周面411に向けてガイドする。
【0023】
シート導入ガイド部23によりガイドされたシートSは、その先端部が搬送ベルト41の外周面411に接すると、搬送ベルト41の駆動により外周面411上に保持された状態でシート搬送方向Aに搬送される。なお、シート搬送方向Aは、Y方向において−Y側から+Y側に向かう方向である。
【0024】
シート搬送部40は、画像形成部50の−Z側において、ラインヘッド51と対向するように配置されている。シート搬送部40は、画像形成部50の−Z側をシートSが通過するように、シート導入ガイド部23によりガイドされて導入されたシートSを、シート搬送方向Aに搬送する。シート搬送部40は、レジストローラー対44に加えて、搬送ベルト41と吸引部43とを備える。
【0025】
搬送ベルト41は、X方向に幅を有してY方向に延びる無端状のベルトである。搬送ベルト41は、画像形成部50と対向して配置され、外周面411上にてシートSをシート搬送方向Aに搬送する。より具体的には、搬送ベルト41は、画像形成部50のラインヘッド51と対向した所定の搬送領域内において外周面411上にシートSを保持して、シート搬送方向Aに搬送する。
【0026】
搬送ベルト41は、第1ローラー421、第2ローラー422、第3ローラー423、及び一対の第4ローラー424に張架される。この張架された搬送ベルト41の内側において、内周面412に対向して吸引部43が配置されている。第1ローラー421は、搬送ベルト41の幅方向となるX方向に沿って延びる駆動ローラーであり、シート搬送方向Aにおいて吸引部43よりも下流側に配置される。第1ローラー421は、不図示の駆動モータによって回転駆動され、所定の周回方向に搬送ベルト41を周回させる。搬送ベルト41が周回することにより、その外周面411上に保持されたシートSがシート搬送方向Aに搬送される。
【0027】
第2ローラー422は、X方向に沿って延びるベルト速度検知ローラーであり、シート搬送方向Aにおいて吸引部43よりも上流側に配置される。第2ローラー422は、第1ローラー421と協働し、搬送ベルト41の外周面411におけるラインヘッド51と対向する領域と、搬送ベルト41の内周面412における吸引部43と対向する領域との平面性が維持されるように、配置される。ここで、搬送ベルト41の外周面411において、ラインヘッド51と対向する領域であって、第1ローラー421と第2ローラー422との間の領域が、シートSを保持して搬送するための前記所定の搬送領域となる。第2ローラー422は、搬送ベルト41の周回に連動して従動回転する。第2ローラー422には不図示のパルス板が取り付けられ、このパルス板は、第2ローラー422と一体になって回転する。パルス板の回転速度を測定することにより、搬送ベルト41の回転速度が検知される。
【0028】
第3ローラー423は、X方向に沿って延びるテンションローラーであり、搬送ベルト41が撓まないように、搬送ベルト41に張力を与える。第3ローラー423は、搬送ベルト41の周回に連動して従動回転する。一対の第4ローラー424はそれぞれ、Y方向に沿って延びるガイドローラーであり、搬送ベルト41が吸引部43の−Z側を通過するように、搬送ベルト41を案内する。一対の第4ローラー424は、搬送ベルト41の周回に連動して従動回転する。
【0029】
また、搬送ベルト41は、外周面411から内周面412にわたって厚み方向に貫通した複数の吸引孔を有している。
【0030】
吸引部43は、画像形成部50と搬送ベルト41を介して対向して配置されている。より詳しくは、吸引部43は、第1ローラー421、第2ローラー422、第3ローラー423、及び一対の第4ローラー424によって張架された搬送ベルト41の内側において、内周面412に対向して配置されている。吸引部43は、搬送ベルト41の外周面411に保持されたシートSと搬送ベルト41との間に負圧を発生させることにより、シートSを搬送ベルト41の外周面411に密着させる。吸引部43は、ベルト案内部材431と、吸引筐体432と、吸引装置433と、排気ダクト434とを備える。
【0031】
ベルト案内部材431は、搬送ベルト41の内周面412における、第1ローラー421と第2ローラー422との間の領域に対向して配置され、搬送ベルト41の幅方向(Y方向)の長さと略同一の幅寸法を有する板体である。ベルト案内部材431は、吸引筐体432の上面部を構成し、+Z側から見たときに、吸引筐体432と略同一の形状を有している。ベルト案内部材431は、第1ローラー421と第2ローラー422との間において、第1ローラー421の回転に連動した搬送ベルト41の周回移動を案内する。
【0032】
また、ベルト案内部材431は、搬送ベルト41の内周面412に対向したベルト案内面に形成された、複数の溝部を有している。各溝部は、搬送ベルト41の吸引孔に対応して形成される。更にベルト案内部材431は、各溝部に対応して設けられた貫通孔を有している。貫通孔は、各溝部内においてベルト案内部材431の厚み方向に貫通した孔部であり、各溝部を介して、搬送ベルト41の吸引孔と連通する。
【0033】
以上のように構成されたベルト案内部材431を備えた吸引部43は、ベルト案内部材431の溝部並びに貫通孔と、搬送ベルト41の吸引孔とを介して、搬送ベルト41の+Z側の空間から空気を吸引することにより吸引力を発生させる。この吸引力により、搬送ベルト41の上方の空間に吸引部43へ向かう気流(吸引風)が発生する。シートSがシート導入ガイド部23により搬送ベルト41上にガイドされて搬送ベルト41の外周面411の一部を覆うと、シートSに吸引力(負圧)が作用して、シートSが搬送ベルト41の外周面411に密着される。
【0034】
吸引部43において、吸引筐体432は、吸引筐体432の上面部を構成するベルト案内部材431を下方側から支持する支持フレームを構成する。ベルト案内部材431の吸引筐体432に対する高さは、後述の高さ調整機構によって調整される。吸引筐体432は、+Z側が開口した箱形の筐体であり、当該+Z側の開口がベルト案内部材431によって覆われるように、搬送ベルト41の−Z側に配置される。吸引筐体432は、その上面部を構成するベルト案内部材431と協働して吸引空間432Aを画定する。すなわち、吸引筐体432とベルト案内部材431とで囲まれた空間が、吸引空間432Aとなる。この吸引空間432Aは、ベルト案内部材431の溝部並びに貫通孔を介して、搬送ベルト41の吸引孔に連通する。
【0035】
吸引筐体432の底壁部には開口部432Bが形成され、この開口部432Bに対応して吸引装置433が配置されている。この吸引装置433には、排気ダクト434が接続されている。この排気ダクト434は、装置本体10に設けられた不図示の排気口と連結されている。
【0036】
シート搬送部40の+Z側には、画像形成部50が配置されている。具体的には、画像形成部50は、シート搬送部40の+Z側において、搬送ベルト41の外周面411と対向するように配置されている。画像形成部50は、搬送ベルト41の外周面411上に保持された状態でシート搬送方向Aに搬送されるシートSに、画像形成処理を施して画像を形成する。本実施形態では、画像形成部50は、画像形成方式がインクジェット式であり、インク滴を吐出してシートSに画像を形成する。
【0037】
画像形成部50は、ラインヘッド51Bk、51C、51M、51Yを備える。ラインヘッド51Bkはブラック色のインク滴を吐出し、ラインヘッド51Cはシアン色のインク滴を吐出し、ラインヘッド51Mはマゼンタ色のインク滴を吐出し、ラインヘッド51Yはイエロー色のインク滴を吐出する。ラインヘッド51Bk、51C、51M、51Yは、シート搬送方向Aの上流側から下流側に向かって並設される。ラインヘッド51Bk、51C、51M、51Yは、吐出するインク滴の色が異なる以外は同一の構成を有するため、ラインヘッド51と総称することもある。
【0038】
ラインヘッド51は、搬送ベルト41の外周面411上に保持された状態でシート搬送方向Aに搬送されるシートSにインク滴を吐出して、シートSに画像を形成する。詳しくは、ラインヘッド51は、搬送ベルト41により搬送されてラインヘッド51に対向する位置を通過するシートSへ向けて、インク滴を吐出する。これにより、シートSに画像が形成される。
【0039】
ラインヘッド51からインク滴が吐出され、画像が形成されたシートSは、搬送ベルト41により搬送されて、当該搬送ベルト41のシート搬送方向Aの下流側に配置された搬送ユニット45に送出される。搬送ユニット45は、シート搬送部40から受け取ったシートSをシート搬送方向Aの下流側に更に搬送する。この搬送ユニット45の下流側にデカーラユニット46が配置されている。デカーラユニット46は、搬送ユニット45から受け取ったシートSのカールを矯正しながら、シートSをシート搬送方向Aの下流側に更に搬送する。デカーラユニット46により搬送されるシートSは、第2搬送路12に送出される。
【0040】
第2搬送路12は、装置本体10の+Y側の側面に沿って延設されている。第2搬送路12に送出されたシートSは、その第2搬送路12に設けられた第2搬送ローラー対121によって、装置本体10の+Y側に形成された排紙口12Aに向けて搬送され、排紙口12Aから排紙部60上に排出される。
【0041】
一方、第2搬送路12に送出されたシートSが、第1面(表面)の画像形成処理が完了した両面印刷用のものである場合には、当該シートSは、シート反転部30に送り出される。シート反転部30は、第2搬送路12の途中で分岐された搬送路であり、シートSが反転(スイッチバック)される部分である。シート反転部30によって表裏が反転されたシートSは、第3搬送路13に送出される。第3搬送路13に送出されたシートSは、その第3搬送路13に設けられた第3搬送ローラー対131によって逆送され、レジストローラー対44及びシート導入ガイド部23を介して、表裏が反転した状態で再び搬送ベルト41の外周面411上に供給される。このように表裏が反転した状態で搬送ベルト41の外周面411上に供給されたシートSは、搬送ベルト41により搬送されながら、画像形成部50によって、第1面とは反対側の第2面(裏面)に画像形成処理が施される。両面印刷が完了したシートSは、第2搬送路12を通過して排紙口12Aから排紙部60上に排出される。
【0042】
<高さ調整機構について>
次に、図2及び図3を参照して、画像形成装置1に備えられる高さ調整機構70について説明する。図2は高さ調整機構70を示す斜視図であり、図3は断面図である。高さ調整機構70は、吸引筐体432によって支持された板体であって、搬送ベルト41の周回移動を案内するベルト案内部材431の、吸引筐体432に対する高さを調整する機構である。なお、ベルト案内部材431は、吸引筐体432の上面部を構成し、吸引筐体432の底壁部4321と平行に対向するように配置されている(図2参照)。ベルト案内部材431は、底壁部4321に向かう下方側に突出した有底筒状に形成され、底壁部4321に対向して、下方に突出した複数のボス部4311を有している。ベルト案内部材431は、各ボス部4311を介して高さ調整機構70によって高さが調整される。ベルト案内部材431の各ボス部4311に対応した各高さ調整機構70は、同一の構造である。
【0043】
高さ調整機構70は、図3に示すように、吸引筐体432の底壁部4321に配設された第1ねじ穴711Nと、移動部材72と、調整ボルト71と、付勢部材73とを備える。
【0044】
第1ねじ穴711Nは、吸引筐体432の底壁部4321を貫通した貫通孔432Hの内面にねじ溝が切られて構成される。
【0045】
移動部材72は、ベルト案内部材431におけるボス部4311の底面4312に下方側から当接する当接部721と、当該当接部721の下方において対向して、第2ねじ穴712Nが形成された対向部としての連結ピン722とを含む。
【0046】
当接部721は、上下方向(Z方向)に延びる一対の脚部721Bと、上面において前記一対の脚部721Bを連結する当接板721Aとを有し、下方に開口したコ字形状に形成される。当接板721Aは、ボス部4311の底面4312に下方側から当接する。当接板721Aは、ボス部4311の底面4312に当接した状態において、吸引筐体432の底壁部4321に対して上方側で平行に対向している。一対の脚部721Bは、当接板721Aの端縁から下方側に延びる。一対の脚部721Bは、下端部が吸引筐体432の底壁部4321に対して下方側に延出するように、底壁部4321を貫通した貫通開口432AAに挿通されている。また、一対の脚部721Bの双方には挿通孔721BHが形成され、一対の脚部721Bのうちの1つの脚部には係合片721BAが形成されている。
【0047】
連結ピン722は、当接板721Aの下方において対向し、一対の脚部721Bの下端部同士を連結するように、一対の脚部721Bに形成された挿通孔721BHに挿通される略円柱状のピン部材である。連結ピン722は、一端部に設けられたピン頭部7221と、他端部に設けられ脚部721Bの係合片721BAに係合する係合爪部7222と、その外周面においてピン頭部7221の近傍に設けられた回り止め部7223と、を有する。ピン頭部7221と、係合片721BAに係合する係合爪部7222とは、連結ピン722が一対の脚部721Bの挿通孔721BHに挿通された状態において、連結ピン722を一対の脚部721Bに対して抜け止めする。また、回り止め部7223は、連結ピン722の外周面に形成されるDカット面により構成され、連結ピン722が一対の脚部721Bの挿通孔721BHに挿通された状態において、連結ピン722の軸心回りの回転を規制して、連結ピン722を回り止めする。
【0048】
また、連結ピン722は、その軸心に対して直交する方向に貫通した貫通孔722Hを有し、その貫通孔722Hの内面にねじ溝が切られた第2ねじ穴712Nが設けられている。
【0049】
当接部721と連結ピン722とを含んで構成される移動部材72は、当接部721の一対の脚部721Bが底壁部4321の貫通開口432AAに挿通され、連結ピン722が一対の脚部721Bの挿通孔721BHに挿通されることにより、吸引筐体432の底壁部4321に対して取り付けられる。このように、移動部材72が吸引筐体432の底壁部4321に取り付けられた状態において、当接部721の当接板721Aがボス部4311の底面4312に下方側から当接し、連結ピン722が底壁部4321に対して下方側で平行に対向している。更にこの状態で、調整ボルト71が底壁部4321の第1ねじ穴711Nと連結ピン722の第2ねじ穴712Nとに締結される。
【0050】
調整ボルト71は、上下方向(Z方向)に延びる軸心L1回りに回転可能に設けられ、頭部71Aと、頭部71Aに隣接する第1軸部71Bと、第1軸部71Bから先端まで延びる第2軸部71Cと、第1軸部71Bに形成された第1ねじ部711と、第2軸部71Cに形成された第2ねじ部712とを有する。調整ボルト71において、第2軸部71Cは第1軸部71Bより小径である。調整ボルト71は、ベルト案内部材431に対して垂直な姿勢でボス部4311の中空部に上方から挿入され、ボス部4311の底面4312に形成された挿通孔431Hと、当接板721Aに形成された挿通孔721Hとに挿通される。この状態で更に、調整ボルト71は、吸引筐体432の底壁部4321に形成された貫通孔432Hと、移動部材72の連結ピン722に形成された貫通孔722Hとに挿通される。この状態の調整ボルト71において、第1軸部71Bに形成された第1ねじ部711は、底壁部4321の第1ねじ穴711Nと螺合し、第2軸部71Cに形成された第2ねじ部712は、連結ピン722に形成された第2ねじ穴712Nと螺合する。なお、調整ボルト71の上端部を構成する頭部71Aは、ボス部4311の中空部において、底面4312から上方側に離れた位置に配置されている。
【0051】
調整ボルト71において、第1ねじ部711のねじ山間の第1ピッチ711Pと、第2ねじ部712のねじ山間の第2ピッチ712Pとは、異なっている。第2ねじ部712の第2ピッチ712Pは、第1ねじ部711の第1ピッチ711Pより小さく設定されている。例えば、第1ねじ部711の第1ピッチ711Pは「0.7mm」であり、第2ねじ部712の第2ピッチ712Pは「0.5mm」である。
【0052】
上記のように構成された高さ調整機構70においては、調整ボルト71の軸心L1回りの回転に伴って、第1ねじ部711の第1ねじ穴711Nに対する進退に応じて調整ボルト71が吸引筐体432の底壁部4321に対して第1方向(上下方向の一方向)に移動することによって、移動部材72が底壁部4321に対して前記第1方向に移動すると共に、第2ねじ部712の第2ねじ穴712Nに対する進退に応じて移動部材72が調整ボルト71に沿って前記第1方向とは反対の第2方向(上下方向の他方向)に移動する。これにより、当接部721の当接板721Aに当接したボス部4311を有したベルト案内部材431の高さが調整される。
【0053】
例えば、調整ボルト71が時計方向R1に1回転したときには、第1ねじ部711と第1ねじ穴711Nとの螺合によって調整ボルト71が、吸引筐体432の底壁部4321に対して第1ねじ部711のねじ山間の第1ピッチ711P分下方側に移動する。そして、第2ねじ部712と第2ねじ穴712Nとの螺合によって移動部材72が、第2ねじ部712のねじ山間の第2ピッチ712P分上方側に移動する。ここで、調整ボルト71において、第1ねじ部711の第1ピッチ711Pと第2ねじ部712の第2ピッチ712Pとは、互いに異なっているので、第1ピッチ711Pと第2ピッチ712Pとの差分に応じてベルト案内部材431の高さを調整することが可能となる。第1ピッチ711Pが「0.7mm」であり、第2ピッチ712Pが「0.5mm」である場合には、調整ボルト71が時計方向R1に1回転したときに、調整ボルト71は底壁部4321に対して「0.7mm」下方側に移動し、移動部材72は「0.5mm」上方側に移動する。このため、ベルト案内部材431を、第1ピッチ711Pと第2ピッチ712Pとの差分である「0.2mm」分下方側に移動させることができ、このようにして吸引筐体432の底壁部4321に対するベルト案内部材431の高さを精密に調整することが可能となる。
【0054】
一方、調整ボルト71が反時計方向R2に1回転したときには、第1ねじ部711と第1ねじ穴711Nとの螺合によって調整ボルト71が、吸引筐体432の底壁部4321に対して第1ねじ部711のねじ山間の第1ピッチ711P分上方側に移動する。そして、第2ねじ部712と第2ねじ穴712Nとの螺合によって移動部材72が、第2ねじ部712のねじ山間の第2ピッチ712P分下方側に移動する。例えば、第1ピッチ711Pが「0.7mm」であり、第2ピッチ712Pが「0.5mm」である場合には、調整ボルト71が反時計方向R2に1回転したときに、調整ボルト71は底壁部4321に対して「0.7mm」上方側に移動し、移動部材72は「0.5mm」下方側に移動する。このため、ベルト案内部材431を、第1ピッチ711Pと第2ピッチ712Pとの差分である「0.2mm」分上方側に移動させることができ、このようにして吸引筐体432の底壁部4321に対するベルト案内部材431の高さを精密に調整することが可能となる。
【0055】
本実施形態では、高さ調整機構70は、図3に示すように、付勢部材73を更に備えている。付勢部材73は、例えば、ボス部4311の中空部に配置されたコイルばね部材であり、一端部が調整ボルト71の頭部71Aに接続され、他端部がボス部4311の底面4312に接続されている。付勢部材73は、ボス部4311を介してベルト案内部材431を、移動部材72の当接部721に向けて付勢する。具体的には、付勢部材73は、ボス部4311の底面4312が当接部721の当接板721Aに当接するように、ベルト案内部材431を下方側に付勢する。これにより、高さ調整機構70による高さ調整に際して移動部材72が調整ボルト71に沿って移動するときに、当接部721の当接板721Aがボス部4311の底面4312から離れることが規制され、底面4312に対して当接板721Aを常に当接させることができる。このため、高さ調整機構70によるベルト案内部材431の高さの調整を、精密に維持することができる。
【0056】
画像形成装置1において、高さ調整機構70は、搬送ベルト41の周回移動を案内するベルト案内部材431の、吸引筐体432に対する高さを精密に調整することができる。これにより、搬送ベルト41と画像形成部50との間の距離の精密な調整が可能となるので、例えば厚みが異なる多種多様なシートSに対して高品質の画像を形成することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形実施形態を採ることができる。
【0058】
上記の実施形態では、画像形成装置1としてインクジェット記録装置について説明したが、本発明の画像形成装置1はインクジェット記録装置に限定されるものではない。本発明の画像形成装置1は、板体の支持フレームに対する高さを調整する高さ調整機構70を備えた装置であればよく、インクジェット式以外でも、レーザービーム式、サーマル式、ワイヤドット式等の種々の画像形成方式(記録方式)の装置とすることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
40 シート搬送部
41 搬送ベルト
43 吸引部
431 ベルト案内部材(板体)
432 吸引筐体(支持フレーム)
50 画像形成部
70 高さ調整機構
71 調整ボルト
711 第1ねじ部
711N 第1ねじ穴
712 第2ねじ部
712N 第2ねじ穴
72 移動部材
721 当接部
721A 当接板
721B 一対の脚部
722 連結ピン(対向部)
7221 ピン頭部
7222 係合爪部
7223 回り止め部
73 付勢部材
図1
図2
図3