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特開2020-11497印刷装置とその制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-11497(P2020-11497A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】印刷装置とその制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20191220BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20191220BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G03G15/00 303
   G03G21/00 398
   G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-137096(P2018-137096)
(22)【出願日】2018年7月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴一
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HJ07
2C061HK10
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN15
2H270KA46
2H270KA61
2H270LA26
2H270LA28
2H270LA29
2H270LA70
2H270LD03
2H270MA14
2H270MB14
2H270MB27
2H270MB33
2H270MG00
2H270MH06
2H270MH18
2H270MH19
2H270ND28
2H270PA56
2H270QA13
2H270QA23
2H270QA35
2H270QB14
2H270RA01
2H270RB01
2H270RC05
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より適したタイミングでキャリブレーションを実施する印刷装置を提供する。
【解決手段】キャリブレーション機能を有する印刷装置であって、制御部とプリンタエンジンを有し、制御部とプリンタエンジンへの電力供給を停止したスリープモードと、スリープモードよりも消費電力が大きく、かつプリンタエンジンへの電力供給を継続し、制御部の一部への電力供給を停止した節電モードと、で動作できる。印刷装置は、節電モード中にキャリブレーションが要求された場合のキャリブレーションの実行の有無、実行タイミングを設定する第1の設定手段を有する。制御部は、節電モード中にキャリブレーションが要求された場合、第1設定手段による設定に従ってプリンタエンジンによるキャリブレーションの実行を制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリブレーション機能を有する印刷装置であって、
制御部と、
プリンタエンジンと、を有し、
前記制御部と前記プリンタエンジンへの電力供給を停止した第1の省電力モードと、前記第1の省電力モードよりも消費電力が大きく、かつ前記プリンタエンジンへの電力供給を継続し、前記制御部の一部への電力供給を停止した第2の省電力モードと、で動作でき、
前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合のキャリブレーションの実行の有無、或いは実行タイミングを設定する第1設定手段を、更に有し、
前記制御部は、前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合、前記第1設定手段による設定に従って前記プリンタエンジンによるキャリブレーションの実行を制御することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1設定手段は、前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合に、前記キャリブレーションを実行する、或いは前記キャリブレーションを実行しないを、設定できることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1設定手段は、更に、前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合に前記キャリブレーションを実行しないと設定された場合、前記第2の省電力モードからの復帰後に前記キャリブレーションを実行する、或いは前記キャリブレーションを実行しないかを設定できることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1設定手段はさらに、前記第2の省電力モードからの復帰後に前記キャリブレーションを実行すると設定された場合、当該キャリブレーションを前記第2の省電力モードからの復帰直後に実行するか、或いは次のジョブを実行した後に実行するかを設定できることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記キャリブレーションの要求は、前記プリンタエンジンが前回キャリブレーションを実行してから所定の時間が経過していることに応じて生成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記印刷装置が置かれている環境を検知する環境センサを、更に有し、
前記キャリブレーションの要求は、前記プリンタエンジンが前回キャリブレーションを実行してから所定の時間が経過していない場合でも、前記環境センサにより検知された値と、前回の前記環境センサにより検知された値との差が予め定められた基準値より大きい場合に生成されることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記キャリブレーションの要求の要因ごとに、キャリブレーションを実行するかしないかを設定できる第2設定手段を、更に有し、
前記第1設定手段により、前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合に前記キャリブレーションを実行すると設定されていると、前記制御部は、前記第2設定手段による設定に応じて、当該キャリブレーションの要求の要因に応じた前記プリンタエンジンによるキャリブレーションの実行を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
制御部と、プリンタエンジンとを有し、前記プリンタエンジンのキャリブレーションを実行できる印刷装置の制御方法であって、
前記制御部と前記プリンタエンジンへの電力供給を停止した第1の省電力モードに移行する工程と、
前記第1の省電力モードよりも消費電力が大きく、かつ前記プリンタエンジンへの電力供給を継続し、前記制御部の一部への電力供給を停止した第2の省電力モードに移行する工程と、
前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合のキャリブレーションの実行の有無、或いは実行タイミングを設定する設定工程と、
前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合、前記設定工程における設定に従って前記プリンタエンジンによるキャリブレーションの実行を制御する工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項8に記載の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置とその制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の印刷装置は、印刷画像の画質を補正するために、キャリブレーション機能を有している。例えば、電子写真記録方式のカラープリンタの場合、色ずれ調整(レジストレーション調整)やトナー濃度調整などのキャリブレーションが行われる。このキャリブレーションは、温度や湿度などの環境変動があったとき、一定の枚数を印刷したとき、一定の時間が経過したとき等、調整効果が高いタイミングを推定して自動的に実行されることがある。特許文献1では、印刷データの入力を待機している間にキャリブレーションを実行するか否かを判定し、キャリブレーションが必要と判定すると、印刷データが入力される前にキャリブレーションを実行する。これにより、印刷開始前に必ずキャリブレーションを実施する構成と比較して、印刷データを受信してから印刷を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0003】
また、このような印刷装置は、一般的に、ユーザが装置を使用しない期間の消費電力を抑えるためにスリープモードを有している。ここでスリープモードとは、定着器における加熱や、ファンの回転、或いはCPUや各種センサの動作を停止又は抑制することにより、これらのユニットへの電力供給を停止するか、電力供給を部分的に少なくするものである。ところが、スリープモードが一定時間継続すると、環境条件(温度、湿度等)の変化や、プリンタエンジンの定着器の降温、帯電器の帯電状態の変化等の影響で、プリンタエンジンの印刷特性が変化することがある。そして、印刷特性が変化した状態で印刷を実行すると、印刷画像における階調性や色味が原画像のものを再現していないなど、所望のものと異なる結果となってしまう。そこで、スリープモード中に印刷データを受信した際は、プリンタエンジンにウォーミングアップ処理を指示することが一般的である。ウォーミングアップ処理では、定着器の昇温や帯電状態の安定を図るとともに、上述のキャリブレーション処理を併せて実行することもある。このウォーミングアップ処理は時間を要し、ユーザにダウンタイムを発生させる。
【0004】
このように、スリープモード中に受信した印刷指示に従って実行される印刷制御は、定常時に受信した印刷指示に従って実行される印刷制御と比較すると、印刷開始までの時間が長くなる。そこで、スリープモード中に、スリープモードの経過時間による影響を受けるプリンタエンジン内のユニットへの電力供給を継続し、時間に影響しないユニットへの電力供給のみ停止するモードを有する印刷装置が存在する。経過時間による影響を受けないユニットの例としては、表示パネル等が挙げられる。以降、このモードを「節電モード」と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−90457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
印刷データの受信待機中にキャリブレーションを実行するか否かを判定し、必要と判定した場合は、随時キャリブレーションを実行する構成の場合、騒音などの観点から、スリープモード中にキャリブレーションは実施しないのが望ましい。しかし、上述の節電モードで、表示パネルへの電力供給を停止する構成の場合、ユーザは、表示パネルが消灯中の印刷装置が、節電モードか、スリープモードかを判別できない。また節電モード中はプリンタエンジンのユニットへの電力供給が遮断されていないため、印刷装置はキャリブレーションを実行してしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点の少なくとも一つを解決することにある。
【0008】
本発明の目的は、印刷装置において、より適したタイミングでキャリブレーションを実施することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る印刷装置は以下のような構成を備える。即ち、
キャリブレーション機能を有する印刷装置であって、
制御部と、
プリンタエンジンと、を有し、
前記制御部と前記プリンタエンジンへの電力供給を停止した第1の省電力モードと、前記第1の省電力モードよりも消費電力が大きく、かつ前記プリンタエンジンへの電力供給を継続し、前記制御部の一部への電力供給を停止した第2の省電力モードと、で動作でき、
前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合のキャリブレーションの実行の有無、或いは実行タイミングを設定する第1設定手段を、更に有し、
前記制御部は、前記第2の省電力モードのときにキャリブレーションが要求された場合、前記第1設定手段による設定に従って前記プリンタエンジンによるキャリブレーションの実行を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷装置において、プリンタエンジンへの電力供給を継続し、前記制御部の一部への電力供給を停止した第2の省電力モードではキャリブレーションを実施しないよう制御することが可能であり、ユーザの意図しないタイミングでのキャリブレーションを抑制することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】本発明の実施形態1に係る複合機(MFP)のハードウェア構成を説明するブロック図。
図2】実施形態1に係るプリンタエンジンのハードウェア構成を説明するブロック図。
図3】実施形態1に係るプリンタエンジンのCPUが実行する、キャリブレーション要求をMFPコントローラへ通知する処理を説明するフローチャート。
図4】実施形態1に係るMFPコントローラのCPUによる処理を説明するフローチャート。
図5】実施形態1に係るMFPにおける節電モード時、及び節電モードから復帰したときのキャリブレーションの実行を設定する画面例を示す図。
図6】実施形態2に係るMFPコントローラのCPUが実行する処理を説明するフローチャート。
図7】実施形態2に係るMFPにおける、節電モード中にキャリブレーションを実行するかどうかを、キャリブレーションの要因ごとに設定するための画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでするものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る複合機(MFP)のハードウェア構成を説明するブロック図である。尚、以下の実施形態では、複合機を例に説明するが、印刷機能のみを有するプリンタ(印刷装置)であってもよい。
【0015】
このMFPの動作を制御するMFPコントローラ10は、CPU101、ROM102、RAM103、表示部インターフェース104、表示部105、操作部インターフェース106、操作部107を備える。また、MFPコントローラ10は、ネットワークインタフェースカード(NIC)108、プリンタインターフェース109、電源制御部111を備えている。
【0016】
CPU101は、システムバス110に接続される各デバイスを総括的に制御する。CPU101は、電源供給部12より電源が供給されると、ROM102に記憶されたブートプログラムを実行する。通常、ブートプログラムは、ストレージに保存されているメインプログラムをRAM103に展開し、その展開されたメインプログラムの先頭にジャンプする。RAM103は、メインプログラムの格納場所としてだけでなく、メインプログラムのワークエリアなどとして機能する。表示インターフェース104は、表示部105に対する描画を制御する。操作部インターフェース106は、MFPに装備された操作部107からの入力を制御する。操作部107は、テンキー、カーソルキー、ワンタッチキー等を備える。ここで操作部107は、表示部105に内包されるタッチパネルであってもよい。NIC108は、LANを介して、メールやファイルのサーバなどと双方向にデータのやり取りを行う。プリンタインターフェース109は、プリンタエンジン11の制御を行う。プリンタエンジン11は、電子写真方式で記録紙に画像を形成(印刷)を行う。プリンタエンジン11については後述する。プリンタエンジン11はプリンタインターフェース109に接続されており、CPU101はプリンタインターフェース109を介してプリンタエンジン11とやり取りする。
【0017】
電源制御部111は、電源供給部12から、MFPコントローラ10の各ユニット101〜110へ供給される電力を制御する。実施形態1におけるスリープモード(第1の省電力モード)では、電源制御部111は、各ユニット101〜110へ供給する電力を制限しない。一方、実施形態1における節電モード(第2の省電力モード)では、電源制御部111は、MFPコントローラ10の中の比較的電力消費の大きい一部のユニット(例えば、表示部105)への電力供給を制限する。
【0018】
図2は、実施形態1に係るプリンタエンジン11のハードウェア構成を説明するブロック図である。
【0019】
プリンタエンジン11は、プリンタエンジンCPU201(以下、CPU201)、プリンタエンジンROM202、プリンタエンジンRAM203、シリアルインタフェース204を備える。また、プリンタエンジン11は、I/O(入出力ポート)205、電子写真系ユニット206、用紙搬送系ユニット207、環境センサ208を備える。
【0020】
CPU201は、電源が供給されると、プリンタエンジンROM202に記憶された制御プログラムを実行する。プリンタエンジンRAM203は、制御プログラムの実行時に、CPU201にワークエリアを提供する。CPU201は、シリアルインタフェース204を介して、MFPコントローラ10のCPU101により発行された各種命令を受信する。そして、受信した各種命令に従って、システムバス209に接続されるI/O205を介して、電子写真系ユニット206や用紙搬送系ユニット207を制御する。
【0021】
更にCPU201は、I/O205を介して環境センサ208による環境変動の検知結果を取得できる。環境変動を検知するためのパラメータの例としては、温度などが挙げられる。パラメータとして温度を用いる場合は、環境センサ208として温度センサを用いることになる。
【0022】
電源制御部210は、電源供給部12よりプリンタエンジン11の各ユニット201〜209へ供給される電力を制御する。実施形態1におけるスリープモードでは、電源制御部210は各ユニット201〜209へ電源を供給しない。一方、実施形態1における節電モードでは、電源制御部210は各ユニット201〜209へ電源を供給するように制御する。不揮発メモリ211は、キャリブレーションを実行した日時などを記憶するのに使用される。
【0023】
尚、前述のスリープモードから節電モードへの移行は、例えば、FAX着信呼出設定がオフになった、FAXジョブが残っている、USBメモリが接続された、コインベンダ機能が有効になったなどが挙げられる。
【0024】
プリンタエンジンの各ユニット201〜209は、印刷制御の速度に大きく影響するため、節電モードでは、スリープモードと比較して、印刷開始までの時間を短縮できる。また節電モードは、MFPコントローラ10の比較的電力消費の大きいユニット(例えば、表示部105)への電力供給を制限するモードであるため、通常モードと比較して消費電力を節約できる。
【0025】
図3は、実施形態1に係るプリンタエンジン11のCPU201が実行する、キャリブレーション要求をMFPコントローラ10へ通知する処理を説明するフローチャートである。この図3のフローチャートで示す処理が周期的に実行されることにより、プリンタエンジン11は、環境の変化を捉えてキャリブレーション要求を生成することが可能になる。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU201がプリンタエンジンROM202に記憶されているプログラムを実行することにより達成される。
【0026】
まずS301でCPU201は、現在の日時情報を取得する。ここで現在の日時情報は、CPU201により計算されても良く、またMFPコントローラ10のCPU101により計算された値を、プリンタインターフェース109を介して受け取っても良い。また或いは不図示のタイマから取得した日時情報であってもよい。次にS302に進みCPU201は、S301で取得した日時情報と、前回キャリブレーションを実施したときの日時情報とを比較する。この前回キャリブレーションを実施したときの日時情報は、不揮発メモリ211に記憶されている。この比較の結果、その差分が所定値(閾値)以上であればS305に進みCPU201は、時間経過によるプリンタエンジンの特性の変化を解消するためにキャリブレーション要求を生成して、この処理を終了する。
【0027】
一方、S302で、その差分が閾値以下であればS303へ進む。S303でCPU201は、環境センサ207が検知した値を取得する。そしてS304に進みCPU201は、S303で取得した環境センサ207が検知した値から、プリンタエンジン11における印刷特性の変化が発生し得るかどうかを判定する。具体的には、前回の環境センサ207により検知された値との差が、予め定められた基準値より大きいか否かで判定を行う。ここで基準値より大きいと判定した場合はS305に進み、プリンタエンジンの特性変化を解消するためにキャリブレーション要求を生成する。一方、S304で基準値以下であると判定すると、キャリブレーション要求を生成することなく、この処理を終了する。S305でCPU201は、シリアルインタフェース203を介してMFPコントローラ10へキャリブレーション要求を送信して、この処理を終了する。
【0028】
尚、実施形態1におけるスリープモードは、プリンタエンジン11への電源供給を停止する動作モードである。従って、スリープモード中は、CPU201に電力が供給されないため、図3に示す制御は実施されない。
【0029】
また実施形態1における節電モードは、プリンタエンジン11への電力供給を停止しない動作モードであるため、節電モードでは、図3に示す処理が実施される。
【0030】
図4は、本実施形態1に係るMFPコントローラ10のCPU101による処理を説明するフローチャートである。図4のフローチャートで示す処理を周期的に実行することで、MFPコントローラ10はキャリブレーション要求をリアルタイムで受け取ることが可能となる。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU101がRAM103に展開したプログラムを実行することにより達成される。
【0031】
まずS401でCPU101は、キャリブレーション要求があるか否か判定する。このキャリブレーション要求は、図3を参照して説明したプリンタエンジン11よりプリンタインターフェース109を介して通知されるキャリブレーション要求を含むが、これに限定されるものではない。即ち、操作部インターフェース106やNIC108などにより要求されるキャリブレーション要求を含んでもよい。S401でキャリブレーション要求がないと判定した場合は、この処理を終了し、キャリブレーション要求がある場合はS402へ進む。
【0032】
S402でCPU101は、MFPコントローラ10が節電モード中(第2省電力モード中)であるか否かを判定する。ここで節電モード中でなければS406に進み、節電モード中であればS403に進む。S403とS404でCPU101は、MFPコントローラ10の設定に基づき、節電モード中にキャリブレーション要求を受けた際の動作を決定する。
【0033】
図5は、実施形態1に係るMFPにおける節電モード時、及び節電モードから復帰したときのキャリブレーションの実行を設定する画面例を示す図である。
【0034】
図5(A)は節電モード中にキャリブレーションを実行するか否かを設定する画面例を示し、この画面は操作部107に表示される。ボタン502或いはボタン503を押下することで、節電モード中にキャリブレーションを実行するかどうかをMFPコントローラ10に設定できる。ボタン502は、「節電モード中はキャリブレーションを実施しない」ように設定するボタンである。またボタン503は、「節電モード中もキャリブレーションを実施する」ように設定するボタンである。
【0035】
図5(B)は、図5(A)でボタン502、即ち、「節電モード中はキャリブレーションを実施しない」が選択された状態でOKボタンが押下されたときに遷移する画面例を示す。
【0036】
図5(B)は、操作部107への表示例を示している。ユーザは、この画面でボタン504〜506のいずれかを選択してOKボタンを押下することで、節電モード時のキャリブレーションを受け付けた際に、キャリブレーションをいつ実行するかのタイミングを設定することができる。
【0037】
ここでボタン504は、節電モードから復帰した後もキャリブレーションを実施しないように設定する。ボタン505は、節電モードからの復帰直後にキャリブレーションを実行するように設定する。更にボタン06は、次のジョブを実行した後にキャリブレーションを実行するように設定する。尚、この画面による設定は、RAM103に記憶される。
【0038】
説明を図4に戻し、S403でCPU101は、MFPコントローラ10が節電モード中にキャリブレーションする設定であるかどうかを判定する。言い換えると、図5(A)のボタン503が選択されていたかどうかを判定する。節電モード中にキャリブレーションする設定であった場合は、キャリブレーションを実行するためにS406に進む。
【0039】
一方、S403でCPU101は、節電モード中にキャリブレーションする設定でないと判定するとS404に進む。S404でCPU101は、MFPコントローラ10が節電モードからの復帰時にキャリブレーションを実行する設定であるかを判定する。言い換えると、図5(B)のボタン505が選択されていたかどうかを判定する。節電モードからの復帰時にキャリブレーションする設定であった場合はS405に進み、そうでなかった場合は、この処理を終了する。
【0040】
S405でCPU101は、節電モードからの復帰時にキャリブレーションの実行要求を発生するように設定して、この処理を終了する。このようにS405で、節電モードからの復帰時にキャリブレーションの実行要求を発生するように設定した場合は、節電モードからの復帰時に再度この処理を実行することで、キャリブレーションが実施される。
【0041】
具体的には、S401ではキャリブレーション実行要求が発生しているのでS402に進み、S402では節電モードが解除されているのでS406に進み、その結果、キャリブレーションが実行されるようになる。S406でCPU101は、キャリブレーション実行命令を、プリンタインターフェース109を介してプリンタエンジン109に通知して、この処理を終了する。
【0042】
以上説明したように実施形態1によれば、ユーザは、節電モード中、及び節電モードからの復帰後のキャリブレーションの実行の有無と、その実行タイミングを指定できる。これにより、ユーザにとって、より有意義なタイミングでのキャリブレーションの実施が可能となる。
【0043】
[実施形態2]
上述の実施形態1では、キャリブレーションの実行要求をトリガとしたキャリブレーション実施の例で説明した。しかし節電モード中において、キャリブレーションの発生要因によっては実行されることが望ましく、また別の要因によっては、実行されないことが望ましいケースが存在する。上記の課題を解決するため、キャリブレーションの発生要因によってはキャリブレーションを実行しないようにする実施形態2に関して以下に説明する。尚、実施形態2に係るMFPのハードウェア構成は、前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
図6は、実施形態2に係るMFPコントローラ10のCPU101が実行する処理を説明するフローチャートである。図6の処理が周期的に実行されるようにすることで、MFPコントローラ10はキャリブレーション要求をリアルタイムで受け取ることが可能となる。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU101がRAM103に展開したプログラムを実行することにより達成される。図6において、S601〜S605の処理は、前述の実施形態1に係る図4のS401〜S405の処理とほぼ同等であるため、相違点のみを説明する。
【0045】
S602でCPU101は、MFPコントローラ10が節電モード中であるか否かを判定し、節電モード中でなければ、プリンタエンジン11にキャリブレーションを実行させるためにS607に進む。一方、節電モード中であれば、S603に進む。S603でCPU101は、MFPコントローラ10が節電モード中にキャリブレーションする設定であるかどうかを判定する。これは前述の図5の画面の設定に基づくものである。ここで節電モード中にキャリブレーションする設定であると判定した場合は、キャリブレーションの要因を判別するためにS606に進む。一方、節電モード中にキャリブレーションする設定でないと判定した場合はS604に進む。S606でCPU101は、節電モード中に発生したキャリブレーション要求を実行するかを、その要因に基づいて判定する。
【0046】
図7は、実施形態2に係るMFPにおける、節電モード中にキャリブレーションを実行するかどうかを、キャリブレーションの要因ごとに設定するための画面例を示す図である。この画面は操作部107に表示される。
【0047】
図7において、701〜704は、キャリブレーションが発生し得る各要因を示し、ボタン705〜708は、各対応する要因ごとにキャリブレーションを実施するか否かを設定するボタンである。ボタン705〜708は、押下するたびに「実施する」「実施しない」がトグル表示され、各要因ごとにキャリブレーションを「実施する」か「実施しない」かを設定できる。尚、この画面による設定は、RAM103に記憶される。
【0048】
S606でCPU101は、キャリブレーションの要因を参照する。例えば、その要因が「FAXジョブ」702によるキャリブレーションであった場合は、CPU101は、それに対応するボタン705の設定を確認する。そして、その設定が「実施する」であった場合、キャリブレーション実行させるためにS607へ進む。一方、その設定が「実施しないで」あった場合は、そのままこの処理を終了する。S607でCPU101は、キャリブレーションの実行命令をプリンタインターフェース109を介してプリンタエンジン109に通知して、この処理を終了する。
【0049】
以上説明したように実施形態2によれば、節電モード中であっても、キャリブレーションの要因に応じたキャリブレーションの実施、或いは非実施を制御できる。これにより、ユーザにとって、より有意義なタイミングでのキャリブレーションの実施が可能となる。
【0050】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0051】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【符号の説明】
【0052】
10…MFPコントローラ、11…プリンタエンジン、12…電源供給部、101…CPU(MFPコントローラ)、107…操作部、201…CPU(プリンタエンジン)、208…環境センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7