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特開2020-116412解放可能捕捉特徴を有するIVCフィルタ回収システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-116412(P2020-116412A)
(43)【公開日】2020年8月6日
(54)【発明の名称】解放可能捕捉特徴を有するIVCフィルタ回収システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/01 20060101AFI20200710BHJP
【FI】
   A61F2/01
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-68098(P2020-68098)
(22)【出願日】2020年4月6日
(62)【分割の表示】特願2017-530605(P2017-530605)の分割
【原出願日】2015年12月10日
(31)【優先権主張番号】14/569,567
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】515345089
【氏名又は名称】アバンテック バスキュラー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス デビア
(72)【発明者】
【氏名】フランク ベッキング
(72)【発明者】
【氏名】カール ハルデン
(72)【発明者】
【氏名】テレサ ルバルカバ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG19
4C160MM33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】好適な解放可能捕捉特徴を有するIVCフィルタ回収システムを提供する。
【解決手段】編組で作製されたファネルトラップ型デバイスまたはシステムが、下大静脈(IVC)フィルタまたは他の医療デバイスの捕捉および回収、もしくは代わりに、捕捉および後続の解放のために説明される。送達および/または回収デバイス、それらが含まれるキット、使用方法、ならびに製造方法が、全て考慮される。本明細書に説明される例示的実施形態は、特に、フィルタ回収中の任意の複雑な体験に対処することに関して、本必要性および/または他の必要性を満たす。具体的には、本主題のデバイスまたはシステムは、所望であれば、下大静脈(IVC)フィルタもしくは他の医療デバイスの捕捉または回収および後続の解放を可能にする特徴を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管医療デバイス回収のためのシステムであって、
伸長スリーブと、
前記スリーブ内で受容される伸長シャフトであって、前記シャフトは、可撓性遠位延在部を有し、前記延在部は、フラップおよびより近位の開口部を形成するように、遠位開口部において内向きに折り返される、シャフトと
を備え、
前記近位の開口部は、前記医療デバイスの一部がそれを通して通過するときに前記医療デバイスの前記一部を受容し捕捉するように定寸され
前記システムは、前記医療デバイスの前記一部を解放するために、内向きに位置付けられることから外向きに位置付けられることに前記フラップを逆転させるために適合される、システム。
【請求項2】
前記遠位延在部は、編組を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記編組は、Nitinolを含み、72〜288エンド数を有し、軸方向繊維を組み込む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記フラップの少なくとも内面は、インプラントの一部のフック状部分の侵入に対して前記編組を保護するようにコーティングされており、前記フラップの内面は、前記遠位延在部内のポケットを形成する前記フラップの面である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記コーティングは、ウレタンを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記スリーブは、カテーテルを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記医療デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記一部は、フックを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フラップを逆転させるための適合は、前記シャフトの管腔内で受容されるプッシャである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プッシャは、前記折り返された延在部に取り付けられるワイヤを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プッシャは、スリーブと拡張可能遠位区分とを備えるプランジャを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記プランジャはさらに、前記スリーブ内で受容され、前記拡張可能遠位区分を拡張するために遠位端において接続される、引張ワイヤを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記拡張可能遠位区分は、編組を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
医療システムであって、前記システムは、
埋込医療デバイスの近位端を覆って前進させられるように構成される回収デバイスのファネルトラップ形状の回収延在部であって、前記ファネルトラップ形状の回収延在部は、第1の折り目によって形成される2層編組と、第2の折り目によって形成される内向きに指向されたフラップとを備え、前記内向きに指向されたフラップは、近位開口部を備え、前記近位開口部は、前記埋込医療デバイスの前記近位端が前記近位開口部を越えて前進させられた後、前記埋込医療デバイスの前記近位端を捕捉するように構成され回収延在部と、
捕捉後に前記近位端を解放するように、前記ファネルトラップ形状の回収延在部のファネルトラップ形状を形成する屈曲部に対して外向きに前記内向きに指向されたフラップをフリップさせる手段と
を備える、システム。
【請求項15】
前記フラップをフリップさせる手段は、ワイヤを含み、前記ワイヤは、前記フラップに接続され、前記回収デバイスの管腔内で受容される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記フラップをフリップさせる手段は、前記回収デバイスの管腔内で受容される拡張可能区分を含むプランジャを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記拡張可能区分は、前記内向きに指向されたフラップを押し出すように拡張されるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記プランジャは、前記ファネルトラップ形状の回収延在部が患者の血管系の中にある間に、前記回収デバイスの前記管腔に挿入されるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記フラップは、前記回収デバイスが引き下げられると、回転させられる、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される実施形態は、血管内一時下大静脈(IVC)フィルタまたは他のインプラント回収デバイスもしくはシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一時IVCフィルタは、恒久フィルタとよく似て配置されるが、概して、大腿静脈または内頸静脈アプローチから、別個の血管内手技において回収され得るように設計される。現在利用可能な一時フィルタの殆どは、グースネックスネアまたはマルチループスネアを採用することによって、それらが除去のために捕捉され、カテーテルもしくはシース内で受容されることができる、フック様特徴を含む。
【0003】
回収は、原則として単純な手技であるが、多くの場合、スネアループを用いてフィルタのフックを捕捉すると、困難に遭遇する。そのような困難は、フィルタが傾転させられる、または配置において歪んでしまうときに、悪化する。いくつかのフィルタは、そのような配向を回避するように設計される。しかしながら、デバイスが安定した様式でIVCの中へ係留されないため、問題が依然としてよく起こる。血栓に加えて、一定の血流が、IVC内でフィルタを歪曲させ、再捕捉を困難にし得る。したがって、フィルタ改良型回収システムの必要性が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に説明される例示的実施形態は、特に、フィルタ回収中の任意の複雑な体験に対処することに関して、本必要性および/または他の必要性を満たす。具体的には、本主題のデバイスまたはシステムは、所望であれば、下大静脈(IVC)フィルタもしくは他の医療デバイスの捕捉または回収および後続の解放を可能にする特徴を含む。換言すると、本主題のデバイスは、他の複雑な事態を回避するために、いわゆる「救済」が所望される場合に、いったん達成されると、IVCフィルタ捕捉の逆転を可能にする。
【0005】
捕捉された、または引っ掛かったIVCフィルタを解放する能力は、フィルタとの組織内方成長の量が期待されるより大きい場合に望ましくあり得る。フィルタ回収手技中に(ある意味)進行を逆転させたいことの他の理由も、当技術分野の技能がある医師によって表され得る。
【0006】
本主題のシステムでは、逆転オプションは、設計の動作に関して、比喩的であるとともに文字通りでもある。すなわち、別様にIVCフィルタを捕捉することを意図されている回収デバイスに組み込まれるフラップの配向を再構成して逆転させるための特徴が提供される。内転状態では、回収デバイス内のフラップは、フィルタを保定するように構成される。フラップは、外転させられる(すなわち、外向きに返される、または裏返しにされる)とき、フィルタを解放する、もしくはフィルタの解放を可能にするかのいずれかである。
【0007】
一実施形態では、プッシャワイヤが、別様に内転したフラップ構成を外転させることを促進するように、設計に組み込まれる。本ワイヤは、並んだ構成における一対のフィラメント、捻転させられ、ワイヤケーブルを形成するように設定される一対の(またはそれを上回る)フィラメント、カテーテル構造の一部を備えてもよい、もしくは別様に構成されてもよい。
【0008】
別の実施形態では、別個のプランジャまたはプッシャ要素が、回収デバイスの管腔(随意に、中心管腔)を通して展開され、次いで、フラップ反転を達成するように、拡張され、さらに前進させられてもよい。本実施例では、プランジャデバイスは、別個に提供され、使用のために所望されるときに、回収デバイス内の管腔を通して追跡されてもよい。代替として、プランジャは、キットまたは組み合わせのように、回収デバイスに組み込まれてもよい、もしくは収納されてもよい。
【0009】
どのように構成されても、本主題の回収デバイスまたはシステム、(アセンブリを伴う、および伴わない)それらが含まれるキット、使用方法および製造方法(生体内または生体外の構成要素の組立を含む)は全て、本開示の範囲内に含まれる。同部分のいくつかの側面が、上記で説明され、より詳細な議論が、以下の図に関連して提示される。
【0010】
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点は、以下の図および発明を実施するための形態を吟味することにより、当業者に明白であろう、または明白となるであろう。全てのそのような付加的システム、デバイス、方法、特徴、および利点は、本説明内に含まれ、本明細書に説明される本主題の範囲内であり、付随の請求項によって保護されることが意図される。例示的実施形態の特徴は、請求項内のこれらの特徴の明白な記載がない場合に、いかようにも添付の請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
血管医療デバイス回収のためのシステムであって、
伸長スリーブと、
前記スリーブ内で受容される伸長シャフトであって、前記シャフトは、可撓性遠位延在部を有し、前記延在部は、フラップおよびより近位の開口部を形成するように、遠位開口部において内向きに折り返される、シャフトと、
を備え、
前記近位開口部は、前記医療デバイスの拡大端を受容し、それを通して通過させるように定寸され、
装置は、前記スリーブが遠位延在部を覆って前進させられるときに、前記医療デバイスの前記拡大端が前記遠位延在部内のポケットの中で固着されるように、適合され、
前記システムは、前記医療デバイスの前記拡大端を解放するために、内向きに位置付けられることから外向きに位置付けられることに前記フラップを逆転させるために適合される、
システム。
(項目2)
前記遠位延在部は、編組を備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記編組は、Nitinolを含み、72〜288エンド数を有し、軸方向繊維を組み込む、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記フラップの少なくとも内面は、インプラントの拡大端のフック状部分の侵入に対して前記編組を保護するようにコーティングされる、項目2に記載のシステム。
(項目5)
前記コーティングは、ウレタンを含む、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記スリーブは、カテーテルを備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記医療デバイスをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記拡大端は、フックを備える、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記フラップを逆転させるための適合は、前記シャフトの管腔内で受容されるプッシャである、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記プッシャは、前記折り返された延在部に取り付けられるワイヤを備える、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記プッシャは、スリーブと、拡張可能遠位区分とを備える、プランジャを備える、項目9に記載のシステム。
(項目12)
前記プランジャはさらに、前記スリーブ内で受容され、前記遠位区分を拡張するために遠位端において接続される、引張ワイヤを備える、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記拡張可能遠位区分は、編組を備える、項目12に記載のシステム。
(項目14)
患者の血管系内で行われる医療方法であって、
埋込医療デバイスのフック状端を覆ってファネルトラップ形状の回収デバイスを前進させるステップと、
前記回収デバイスの内向きに指向されたフラップを用いて、前記医療デバイスの前記フック状端を捕捉するステップと、
捕捉後に前記フック状端を解放するように、前記フラップを外転させるステップと、
を含む、方法。
(項目15)
前記外転させるステップは、前記フラップに接続され、前記回収デバイスの管腔内で受容されるワイヤを前進させることによるものである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記外転させるステップは、前記回収デバイスの前記管腔内で受容される拡張可能区分を含む、プランジャを前進させることによるものである、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記拡張可能部材を拡張し、前記内向きに指向されたフラップを押し出すステップをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記ファネルトラップ形状のデバイスが前記患者の前記血管系の中にある間に、前記プランジャを前記回収デバイスの前記管腔に挿入するステップをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記患者の前記血管系の中への導入に先立って、前記回収デバイスに含まれる拡張可能部材を伴うプランジャを提供するステップをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目20)
前記外転させるステップは、前記回収デバイスを引き下げることによって達成される、項目14に記載の方法。
【0011】
本明細書に記載される主題の詳細は、その構造および動作の両方に関して、類似参照番号が類似部品を指す、付随の図の検討によって、明白となり得る。図中の構成要素は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、主題の原理の例証に強調が置かれる。また、全ての例証は、概念を伝えることを意図しており、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性は、文字通りまたは精密ではなく、概略的に図示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aおよび1Bは、本システムで使用され得るようなIVCフィルタ変形例の例示的実施形態の写真である。
図2図2A−2Cは、可逆フィルタ捕捉特徴を含む、第1の回収システムの例示的実施形態を描写する、側面断面図である。
図3図3Aおよび3Bは、フィルタ捕捉特徴逆転のためのプランジャを含む、回収システムの別の例示的実施形態を描写する、側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本主題が詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の例示的実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、本開示の範囲が添付の請求項のみによって限定されるであろうため、限定的であることを意図しないことを理解されたい。
【0014】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつ代用可能であることを意図している。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、一実施形態のみに関して説明される場合、特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、別様に明示的に記述されない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態とともに使用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、常に、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または、一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別のもので代用する、請求項の導入の先行する基礎ならびに書面による支援としての役割を果たし、仮に以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記述していなかったとしても、そのような役割を果たす。特に、本説明を読んだ当業者によって、ありとあらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性が容易に認識されるであろうことを考えれば、可能性として考えられる全ての組み合わせおよび代用を明示的に記載することは、過度の負担である。
【0015】
図1Aは、回収のためのフック12の端インターフェースを伴うGUNTHER TULIP(Cook Medical, Inc.)一時IVCフィルタ10を示す。IVCフィルタ20について図1Bに示されるように、フックは、ナビン型インターフェース22のために修正または代用されてもよい。ナビン24は、ハブ28からの延在部26上にレーザ形成またははんだ形成された隆起もしくは突起を備えてもよい。代替として、フィルタ回収インターフェース22は、延在部26上に(例えば、スエージ加工、溶接、接着等によって)搭載されるバンド(例えば、Ptマーカバンド)を備えてもよい。どのようにして拡大部が作成されても、捕捉および/または解放のためのシステムの他の部分とのその相互作用は、以下の図で明白であろう。
【0016】
図2Aは、医療デバイス(フィルタ10または20等)を解放もしくは可逆的に捕捉するように適合される、回収システム100の遠位端の断面図を提供する。システム100は、編組材料で作製されたファネルトラップ構造の形態で遠位延在部40を伴うシャフト30を含む。患者の血管系とともに使用中に、シャフトは、(市販のカテーテルまたは全体的システム100のカスタム部品であり得る)伸長スリーブ60内で受容される。
【0017】
種々のシステムアーキテクチャでは、カテーテルもしくはプッシャシャフトおよび/またはスリーブ30(ならびに以下でさらに詳述されるプランジャのもの)は、単純押出(例えば、PTFE、FEP、PEEK、PI等)を含んでもよい、もしくは従来のカテーテル構築技法を使用して構築され、ライナ、編組支持体および他の外側ジャケット、金属ハイポチューブ等を含んでもよい。フィルタ10もしくは20のフレームは、従来のレーザ切断ならびに電解研磨技法を使用して構築され、および/または別様に構築されてもよい。組み込まれたシースを伴わないガイド/送達カテーテルを通して追跡するために意図される実施形態では、装填シースが採用されてもよい。有利なこととして、任意のそのような装填シースは、分割可能である。他の典型的経皮アクセス器具(ワイヤ等)、弁、および他のハードウェアもまた、実施形態に関連して採用されてもよい。
【0018】
ファネルトラップ構造40は、サブアセンブリとして作製され、カテーテル/プッシャシャフトに取り付けられてもよい。それぞれ、あらゆる目的で参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US14/42343号および米国特許出願第14/569,500号は、最終的なデバイスのファネルトラップ部分を構築するためのプリフォームの製造における随意のステップを詳述する。一般に、前述の形成方法は、形状が実質的に円筒形であり、内部の折り畳まれた「フラップ」区分を含む、熱固化(おそらく多段階熱固化)プリフォームが提供されるものである。したがって、プリフォームは、カテーテル追跡のためのその完全圧縮状態における本主題のデバイスに類似する。次いで、プリフォームは、所望の「作業」直径に(例えば、円錐形で)拡張され、それに応じて熱固化される。これは、円錐形に熱固化され、搭載の準備ができた状態にされてもよい、または円錐形で熱固化され、カテーテル本体30に搭載することによって円錐形に変換されてもよい。
【0019】
回収システム延在部40が随意に作製され得る編組は、Nitinol(好ましくは、体温において超弾性である)、CoCr、ステンレス鋼、または別の生体適合性材料を含んでもよい。編組は、有利なこととして、1オーバー1、2オーバー2、または他のメイポール編組パターンで、72〜288(より典型的には、96または144〜192)個のフィラメント「端」を組み込む。(超弾性)Nitinolを用いると、ワイヤは、有利なこととして、直径が約0.001〜約0.003インチである。その場合、示され、説明される可撓性ファネルトラップアーキテクチャを構築する、柔軟で比較的「平滑」なマトリクス表面が提供される。そのような表面の価値は、その非外傷性側面にあり、そして/または、角度を外れて配向されたとしても、捕捉のためにIVCフィルタインターフェースを定位置に誘導することを助ける能力にある。再捕捉をさらに支援するために、ファネルトラップ構造は、選択可能に指向可能であり得る。
【0020】
編組は、いわゆる「軸方向」フィラメントも含んでもよい。これらは、最終的に形成されるデバイスの柱強度を向上させるために使用されてもよい。軸方向フィラメントは、形成されているときにメイポール編組パターンで組み込まれてもよいか、または、後に手動で追加されてもよい。代替として、(図2Aに示されるように)ファネルトラップ構造40は、あらゆる目的で参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第62/091,433号にさらに説明されるように、間置支持部材#を含んでもよい。
【0021】
いわゆる「ファネルトラップ」構造または延在部40は、示されるように形状が略円錐台形であってもよい、または別様に構成されてもよい。外側円錐形(すなわち、断面が三角形)を用いると、構造は、据え付けられたフィルタを解放するために生じる必要があり得る、任意の必要または望ましい組織離散のために高度に支持的である。依然として、本デバイスは、その側面に沿って外向きに曲げられてもよい、または別様に構成されてもよい。
【0022】
図2Aは、さらなる構造オプションおよび詳細を図示する。ここで、内側および外側編組層42/42’は、(例えば、加熱炉、塩炉等の中で)従来の技法を使用して、(より)大型の遠位開口部48を有する外側周縁46を形成し、(より)小型でより近位の開口部54を有する内側開口部または周縁52を形成する内側屈曲部50で交わる、編組ワイヤの遠位屈曲部44を伴って、ファネル形状で熱固化される。別の言い方をすれば、ファネル形状トラップを構築するために使用される編組は、より近位の開口部を提供するように、遠位開口部において(例えば、フラップ56内で)折り返される。
【0023】
重要なこととして、遠位周縁開口部48は、より近位の周縁開口部54より大きく、フラップ56の近位にある、および/またはそれに半径方向に隣接するポケット58の中へ、フィルタ係合特徴もしくは拡大部12/24を誘導する際に動作し、該ポケットにおいて、フィルタ係合特徴もしくは拡大部12/24は、捕捉され、後に、スリーブ60を前進させると係止される。このようなフィルタ10の初期捕捉が、図2Bに示されている。
【0024】
捕捉を確実にすることを助けるために、スリーブ60は、別個のカテーテルの中に引き下げられる前に、トラップ区分40を完全に覆って前進させられてもよい。換言すると、ファネル区分40を覆って(システム、またはデバイス一体型スリーブ、もしくは原位置カテーテルであっても)スリーブ60を前進させることは、「トラップを閉鎖し」、回収されるインプラントをしっかりと捕捉する。別様に、シャフト30は、本来システム100を導くために使用されるアクセスカテーテルにインプラントが引き込まれるまで、引き下げられてもよい。いずれかまたは全てのそのような活動は、システム100に組み込まれるマーカ特徴を介して、医師によって透視下で視覚化されてもよい。
【0025】
着目すべきこととして、システム100は、さらなるナブまたはナビン24の端インターフェースを用いてフィルタ20を捕捉するときにも同じように使用されてもよい。その場合、以下で詳述される捕捉逆転特徴は、インプラント端を解放するために使用される必要がなくてもよい。しかしながら、本特徴をそのように含むことによって、より豊富なフィルタに対処し、そして捕捉が達成された後にその捕捉を解放するいかなる必要性にも対処する、解決策が提供される。
【0026】
本主題の捕捉解放または逆転特徴に関して、図2A−2Cに示される実施形態では、これらは、内側シャフト62および押動「ワイヤ」64との関連で提供される。示される(および図2Bのコールアウトで完全に標識される)構成では、ワイヤフィラメントは、周縁52の一区分を覆って、またはそれを通してループ状であり、バンド68(圧着PTマーカバンド等)によって固着される「U」字形66を形成する。そのように編組に固着されているので、ワイヤ64が図2Cに示されるように前進させられたとき、延在部40のフラップ区分56は、内転構成から外転構成に移行されることができる。これは、フィルタ10のフック12を解放する。
【0027】
フック12を放出または解放するための作用は、明らかである。これは、フックが逆転フラップから滑り出すことができるように、シャフト30を引き下げることにより、達成され得る。また、フラップ56は、本デバイスが図2Bに示される構成にあるときに、フラップに引き込まれた場合にフックの絡み合いまたは閉じ込めに対して編組を保護するために、その内面上にコーティング70(例えば、TICOFLEXウレタンコーティング)を組み込んでもよい。
【0028】
図3Aおよび3Bのシステム100’は、より複雑なプッシャ200がプッシャワイヤ64に代用されることを除いて、上記に類似する。本プッシャ200は、(ワイヤ64のように)カテーテル本体30の管腔72内で受容されてもよい。
【0029】
プッシャ200は、図で見られるようなその機能を与えられる、「プランジャ」と見なされてもよい、または称されてもよい。すなわち、プッシャ200は、本システムのファネルトラップ延在部30内のその拡張後に、管腔72内で前進させられ、インプラント係合特徴解放を達成するように、外向きにフラップ56を押動するために使用される。プッシャは、医療手技中のシステム100’の導入中に、管腔72の中に存在してもよい。代替として、これは、別個に梱包され、捕捉されたインプラント10の解放が何らかの形で望ましいことを医師が決定する場合に、「要求に応じて」管腔72を通して挿入および追跡されてもよい。
【0030】
いずれの場合も、プッシャ200は、スリーブ202と、拡張可能遠位区分204とを備える。拡張可能遠位区分は、示されるような編組を備えてもよい。押し出しおよび圧縮状態から、引き込みおよび拡張状態への編組作動のための引張ワイヤ206が、スリーブ内に含まれてもよい。別様に、編組(または管に切断されたNitinolステントアーキテクチャ等の他の材料)が、いったん管腔から退出し、遠位端に接続されると、自己拡張するように、拡大構成で熱固化されてもよい。
【0031】
図3Aおよび3Bに示される(すなわち、編組ベースの区分204を伴う)変形例では、編組の遠位端は、遠位Ptマーカバンド208内でワイヤ206に固着されてもよい。別のマーカバンド210が、拡張可能区分の近位端に提供されてもよく、編組間端の近位端をスリーブまたはシャフト202に固着する。したがって、引張ワイヤ206が作動させられるとき、たとえ拡張可能区分の材料自体が透視下で可視的ではなくても、区分204の拡張および/または収縮が(すなわち、マーカの作動を視認することによって)検出されることができる。
【0032】
変形例
【0033】
使用方法および/または製造方法を含む、本主題の方法は、論理的に可能である任意の事象の順序、ならびに任意の記載された事象の順序で実行されてもよい。医療方法は、デバイス提供、インプラント位置付け、再配置、回収、および/または解放と関連付けられる、病院のスタッフの活動のうちのいずれかを含んでもよい。
【0034】
さらに、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、および、言及された範囲内の任意のその他の言及された値または介在する値が、本開示内に含まれることが理解される。また、記載された実施形態の任意の随意の特徴が、独立して、または本明細書に説明される特徴のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものと組み合わせて、記載および請求され得ることが考慮される。
【0035】
単数のアイテムの言及は、複数の同一アイテムが存在しているという可能性を含む。より具体的には、本明細書および添付の請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」、「該(said)」、および「前記(the)」という単数形は、別様に具体的に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明ならびに以下の請求項の中の主題としているアイテムのうちの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、請求項は、任意の随意の要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、本記述は、請求項の要素の記載と関連する「単に(solely)」、「のみ(only)」、および同等物等の排他的用語の使用、または「消極的」限定の使用のための先行詞としての機能を果たすことを意図している。
【0036】
実施形態は、種々の修正および代替形態を被るが、その具体的実施例が、図面に示され、本明細書に詳細に説明されている。しかしながら、これらの実施形態は、開示される特定の形態に限定されるものではなく、対照的に、これらの実施形態は、本開示の精神内にある全ての修正、均等物、および代替案を網羅するものであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素、ならびにその範囲内にない特徴、機能、ステップ、または要素によって請求項の範囲を定義する消極的限定が、請求項に記載もしくは追加されてもよい。
図1
図2
図3