【解決手段】本発明に係るフラックスは、はんだ付けに用いられるフラックスであって、紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物を含むチキソ剤と、グリコールエーテル系溶剤を含む溶剤と、を含有する。
前記グリコールエーテル系溶剤が、へキシルジグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノ n−ブチルエーテル、及び、トリエチレングリコール モノ ブチルエーテルから選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載のフラックス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ソルダペーストに含まれるはんだ合金としては、環境負荷の観点から、鉛を含有しない鉛フリーはんだ合金が用いられている。鉛フリーはんだ合金としては、例えば、Sn−Ag−Cu系合金(SAC系合金)、Sn−Cu系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Zn系合金等が挙げられる。このような鉛フリーはんだ合金は、共晶はんだ合金に比べて融点が高いため、従来のフラックスと共に用いた場合、はんだボールが発生しやすくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生を抑制することが可能なフラックス、及び、該フラックスを含むソルダペーストを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフラックスは、はんだ付けに用いられるフラックスであって、紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物を含むチキソ剤と、グリコールエーテル系溶剤を含む溶剤と、を含有する。
【0008】
斯かる構成により、前記フラックスは、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生を抑制することができる。
【0009】
本発明に係るフラックスは、前記ポリアミド化合物の含有量が、フラックス全体に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。
【0010】
斯かる構成により、前記フラックスは、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生をより抑制することができる。
【0011】
本発明に係るフラックスは、前記グリコールエーテル系溶剤が、へキシルジグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノ n−ブチルエーテル、及び、トリエチレングリコール モノ ブチルエーテルから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
【0012】
斯かる構成により、前記フラックスは、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生をより抑制することができる。
【0013】
本発明に係るフラックスは、前記グリコールエーテル系溶剤の含有量が、フラックス全体に対して、20〜60質量%であることが好ましい。
【0014】
斯かる構成により、前記フラックスは、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生をより抑制することができる。
【0015】
本発明に係るソルダペーストは、上述のフラックスと、はんだ合金とを含有する。
【0016】
斯かる構成により、前記ソルダペーストは、はんだボールの発生を抑制することができる。
【0017】
本発明に係るソルダペーストは、前記はんだ合金が、鉛フリーはんだ合金であってもよい。
【0018】
斯かる構成であっても、前記ソルダペーストは、はんだボールの発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生を抑制することが可能なフラックス、及び、該フラックスを含むソルダペーストを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るフラックス及びソルダペーストについて説明する。
【0021】
<フラックス>
(チキソ剤)
本実施形態に係るフラックスは、チキソ剤として、紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物を含む。このようなポリアミド化合物は、紫外可視吸収スペクトルにおける最大吸収波長が240〜500nmであることが好ましく、240〜300nmであることがより好ましい。紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物としては、例えば、主鎖にベンゼン環、ナフタレン環等の環式化合物含む芳香族ポリアミド化合物(半芳香族ポリアミド化合物又は全芳香族ポリアミド化合物)等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。前記ポリアミド化合物としては、商品名で、例えば、JH−180(伊藤製油社製)、MXナイロン♯6000、MXナイロンs6000、MXナイロンk6000、MXナイロン♯7000、MXナイロンs7000、MXナイロンk7000(以上、三菱瓦斯化学社製)、アーレン(三井化学社製)、ベスタミドHT plus M1000、ベスタミドHT plus M3000(以上、ダイセルエボニック社製)等が挙げられる。これらの中でも、前記ポリアミド化合物は、ポリアミド化合物の溶融温度、フラックスへの溶解性、及び、取り扱いやすさの観点から、JH−180であることが好ましい。
【0022】
ここで、紫外可視吸収スペクトルは、従来公知の方法で測定することができ、例えば、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製、V−670)を用いて、下記の条件で測定することができる。
測定溶媒:1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール
サンプル濃度:1mg/mL
走査速度:400nm/min
開始波長:500nm
終了波長:240nm
【0023】
前記ポリアミド化合物の含有量は、フラックス全体に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、前記ポリアミド化合物の含有量は、フラックス全体に対して、10質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましい。なお、前記ポリアミド化合物が2種以上含まれる場合、前記含有量は前記ポリアミド化合物の合計含有量である。
【0024】
本実施形態に係るフラックスは、前記ポリアミド化合物以外のその他のチキソ剤を含有していてもよい。その他のチキソ剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスアマイド化合物、脂肪族ポリアミド化合物、硬化ひまし油、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリット等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。その他のチキソ剤の含有量は、チキソ剤全体に対して、80質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、その他のチキソ剤を含まないことがさらに好ましい。
【0025】
(溶剤)
本実施形態に係るフラックスは、溶剤として、グリコールエーテル系溶剤を含む。グリコールエーテル系溶剤とは、分子内に水酸基及びエーテル基の両方を有する溶剤である。グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、ヘキシルジグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノ n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール モノ ブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル(ジブチルジグリコール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)、エチレングリコール モノ フェニルエーテル(フェニルグリコール)、ジエチレングリコール モノ フェニルエーテル(フェニルジグリコール)、プロピレングリコール モノ フェニルエーテル(フェニルプロピレングリコール)等が挙げられる。これらの中でも、グリコールエーテル系溶剤は、へキシルジグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノ n−ブチルエーテル、及び、トリエチレングリコール モノ ブチルエーテルから選択される少なくとも一種であることが好ましい。なお、グリコールエーテル系溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0026】
グリコールエーテル系溶剤の含有量は、フラックス全体に対して、20質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、グリコールエーテル系溶剤の含有量は、フラックス全体に対して、35質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。なお、グリコールエーテル系溶剤が2種以上含まれる場合、前記含有量はグリコールエーテル系溶剤の合計含有量である。
【0027】
本実施形態に係るフラックスは、グリコールエーテル系溶剤以外のその他の溶剤を含有していてもよい。その他の溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族系化合物;酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、オクタンジオール等のアルコール類等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。その他の溶剤の含有量は、溶剤全体に対して、80質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、その他の溶剤を含まないことがさらに好ましい。
【0028】
(樹脂)
本実施形態に係るフラックスは、はんだ濡れ性を向上させる観点から、さらに、樹脂を含んでいてもよい。樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、合成樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロジン及びロジン誘導体(例えば、水素添加ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、アクリル酸変性ロジン等)から選択される1種以上のロジン系樹脂を用いることができる。また、合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の合成樹脂を用いることができる。これらの中でも、樹脂は、フラックスを活性化させる観点から、水添ロジン、酸変性ロジン及びロジンエステルから選択される1種以上であることが好ましい。なお、樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0029】
樹脂の含有量は、フラックス全体に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、樹脂の含有量は、フラックス全体に対して、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。なお、樹脂が2種以上含まれる場合、前記含有量は樹脂の合計含有量である。
【0030】
(活性剤)
本実施形態に係るフラックスは、はんだの溶融性を向上させる観点から、さらに、活性剤を含んでいてもよい。活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、有機酸、ハロゲン化合物、アミンハロゲン塩、ビニルエーテルポリマー等を用いることができる。有機酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ステアリン酸、安息香酸、ドデカン二酸、コハク酸、マレイン酸、イソシアヌル酸等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌル酸等が挙げられる。また、アミンハロゲン塩のアミンとしては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジフェニルグアニジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。アミンハロゲン塩のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素系化合物等が挙げられる。なお、これらの活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
活性剤の含有量は、フラックス全体に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましい。また、活性剤の含有量は、フラックス全体に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。なお、活性剤が2種以上含まれる場合、前記含有量は活性剤の合計含有量である。
【0032】
本実施形態に係るフラックスは、その他の添加材として、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、消泡剤、腐食防止剤等を含んでいてもよい。
【0033】
本実施形態に係るフラックスは、紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物を含むチキソ剤と、グリコールエーテル系溶剤を含む溶剤と、を含有することにより、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生を抑制することができる。
【0034】
本実施形態に係るフラックスは、前記ポリアミド化合物の含有量が、フラックス全体に対して、0.1〜10質量%であることにより、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生をより抑制することができる。
【0035】
本実施形態に係るフラックスは、グリコールエーテル系溶剤が、へキシルジグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノ n−ブチルエーテル、及び、トリエチレングリコール モノ ブチルエーテルから選択される少なくとも一種であることにより、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生をより抑制することができる。
【0036】
本実施形態に係るフラックスは、グリコールエーテル系溶剤の含有量が、フラックス全体に対して、20〜60質量%であることにより、はんだ合金と共に用いた場合に、はんだボールの発生をより抑制することができる。
【0037】
本実施形態に係るフラックスは、例えば、溶剤、チキソ剤、並びに、必要に応じて、樹脂、活性剤、及び、その他の添加材を加熱容器に投入した後、160〜180℃まで加熱することにより全原料を溶解させ、最後に、室温まで冷却することにより得ることができる。
【0038】
<ソルダペースト>
本実施形態に係るソルダペーストは、上述のフラックスと、はんだ合金とを含有する。より具体的には、前記ソルダペーストは、はんだ合金粉末と、前記フラックスとを混合することにより得られる。前記フラックスの含有量は、前記ソルダペースト全体に対して、5〜20質量%であることが好ましい。また、前記はんだ合金粉末の含有量は、前記ソルダペースト全体に対して、80〜95質量%であることが好ましい。
【0039】
前記はんだ合金としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉛フリーはんだ合金、鉛を含むはんだ合金が挙げられるが、環境負荷低減の観点から、鉛フリーはんだ合金であることが好ましい。前記鉛フリーはんだ合金としては、例えば、スズ、銀、銅、インジウム、亜鉛、ビスマス、アンチモン等を含む合金が挙げられる。より具体的には、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu、Sn/Ag/Bi、Sn/Bi、Sn/Ag/Cu/Bi、Sn/Sb、Sn/Zn/Bi、Sn/Zn、Sn/Zn/Al、Sn/Ag/Bi/In、Sn/Ag/Cu/Bi/In/Sb、In/Ag等の合金が挙げられる。
【0040】
本実施形態に係るソルダペーストは、上述のフラックスと、はんだ合金とを含有することにより、はんだボールの発生を抑制することができる。
【0041】
本実施形態に係るソルダペーストは、はんだ合金が鉛フリーはんだ合金であっても、はんだボールの発生を抑制することができる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
<ソルダペーストの作製>
表1に示す配合量の各原料を加熱容器に投入し、180℃まで加熱することにより、全原料を溶解させた。その後、室温まで冷却することにより、均一に分散されたフラックスを得た。なお、表1に示す各配合量は、フラックスに含まれる各成分の含有量と等しい。次に、各フラックスを11.8質量%、はんだ粉(Sn−3.0wt%Ag−0.5wt%Cu)を88.2質量%となるように混合して、各実施例及び各比較例のソルダペーストを得た。
【0044】
【表1】
【0045】
表1に示す各原料の詳細を以下に示す。
KE−604:酸変性ロジン、荒川化学工業社製
ポリアミド化合物:紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物(最大吸収波長:260nm)
J−530:ビスアマイド化合物、伊藤製油社製
ターレン VA−79:脂肪族ポリアミド化合物、共栄社化学社製
ヘキシルジグリコール:へキシルジグリコール、日本乳化剤社製
2−エチルヘキシルジグリコール:2−エチルヘキシルジグリコール、日本乳化剤社製
ダワノールTPnB:トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ダウケミカル社製
ブチルプロピレンジグリコール:ジプロピレングリコール モノ n−ブチルエーテル、日本乳化剤社製
ブチルトリグリコール:トリエチレングリコール モノ ブチルエーテル、日本乳化剤社製
ジメチルテトラグリコール:テトラエチレングリコール ジメチルエーテル、日本乳化剤社製
オクタンジオール:オクタンジオール、KHネオケム社製
アジピン酸:アジピン酸、住友化学社製
セバシン酸:セバシン酸、伊藤製油社製
TAIC6B:トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌル酸、日本化成社製
【0046】
<はんだボール発生の評価>
(試験基板の作製)
まず、サイズ100mm×100mm、厚み1.6mmの基板を用意し、下記(i)及び(ii)に示すプリヒート時及びはんだ溶融時を想定した温度条件で熱処理を行った。なお、熱処理は、(i)→(ii)→(i)→(ii)の順に2サイクル行った。
<温度条件>
(i)プリヒート時
昇温速度:1.0〜3.0℃/秒
プリヒート温度:150〜190℃/60〜100秒
加熱環境:大気雰囲気
(ii)はんだ溶融時
昇温速度:1.0〜2.0℃/秒
溶融温度:219℃以上30秒以上
ピーク温度:230〜250℃
加熱環境:大気雰囲気
【0047】
続いて、各実施例及び各比較例のソルダペーストを、熱処理した基板表面上の異なる2つの位置に塗布した。塗布されたソルダペーストはいずれも、サイズが4.0mm×3.0mmの長方形状であり、厚さが120μmであった。次に、異なる2つの位置に塗布されたソルダペーストに跨がるように部品(6330R 型番:RK73B3ATTE130J メーカー:KOA)を搭載し、上記温度条件で加熱した。なお、加熱は、(i)→(ii)の順に行った。
【0048】
(はんだボール個数の計数)
加熱後の基板における部品搭載箇所を、X線透過装置(TUX−3100、マース東研社製)を用いて撮影した。撮影条件は、管電圧75.0V、管電流65.0μA、フィラメント電流3.130A、倍率10.9倍とした。その後、撮影した写真から発生したはんだボールの個数を目視で計数した。結果を表1に示す。なお、発生したはんだボールの個数が5個以下のソルダペーストを合格と判定した。
【0049】
表1の結果から分かるように、本発明の要件をすべて満たす各実施例のソルダペーストは、はんだボールの発生が抑制されている。
【0050】
一方、フラックスのチキソ剤として、紫外可視吸収スペクトルにおいて、波長が240〜500nmの間にUV吸収が見られるポリアミド化合物を含まない比較例1及び2のソルダペーストは、はんだボールの発生が多いことが分かる。
【0051】
また、溶剤としてジメチルテトラグリコールを含み、グリコールエーテル系溶剤を含まないフラックスを用いた比較例3及び4のソルダペーストは、はんだボールの発生が多いことが分かる。なお、溶剤としてオクタンジオールを含み、グリコールエーテル系溶剤を含まないフラックスを用いた比較例5は、フラックスが強くゲル化して強固な固体状になり、ソルダペーストを作製することができなかったため、測定を行わなかった。