【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の態様によれば、車両のワイパー用のブレードガードであって、該ブレードガードが縦軸に沿って延び、ブレードガードが第1の部品と第2の部品とを備え、第1の部品がブレードガードをワイパーに取り付けることができるように構成される、ブレードガードにおいて、第2の部品が車両のガラス面と接触するようになっており、第2の部品がガラス面上に塗布される物質を含有するように構成されるという点において革新的なブレードガードによってこの目的を達成する。
【0007】
したがって、本発明の第1の態様に係るこの形態は、ワイパーのブレードガードを使用することにより、車両のガラス面上への物質の塗布を単純化できるようにする。更に、本発明は、ワイパーのワイパーブレードの摩耗状態とは無関係に物質を塗布できるようにする。
【0008】
第2の部品は、物質を第2の部品の内側で受けて保持できる或いは物質を第2の部品外面上に、特に前記第2の部品を覆う被覆材に配置できるという点において物質を含有するようになっている。
【0009】
第2の部品は、ブレードガードを使用前に物質を蓄えるように構成され又はユーザが第2の部品上に塗布する物質を吸収するようになっている。
【0010】
本発明の第1の態様に係るブレードガードは、以下の改善のうちの少なくとも1つを有利に含み、これらの改善を成す技術的特徴は、別個に又は組み合わせて採用され得る。
【0011】
−ブレードガードが物質を備え、前記物質はブレードガードの第2の部品に含まれる。その結果、この形態は、いつでも使用できる物質を広げる機能をブレードガードに持たせることができるようにする。その後、物質は、ブレードガードの第2の部品に圧力が及ぼされるときに、特にワイパーに装着されるブレードガードが車両のガラス面上に適用されるときに解放される。前述の圧力は、好適には、自動車両用のワイパーシステムを形成するワイパーの駆動アームの圧力である。或いは、圧力は、手動であってもよく、本発明に係るブレードガードを適用して動かすユーザによって実施され得る。
【0012】
−第1の代替案によれば、第2の部品は物質を含有するように構成される吸収材料によって形成される。したがって、吸収材料は、好適には、スポンジ材料、連続気泡構造合成発泡体、フェルト又は織物ストリップであってもよい。この形態によれば、物質は、ブレードガードの第2の部品に吸収されるようになっている。したがって、第2の部品は、物質を受けて、ガラス面上でのブレードガードの使用前に物質を保持するとともに、ブレードガードがガラス面上で使用されるときに物質をガラス面上にわたって広げるのに役立つことができる。
【0013】
−第2の代替案によれば、第2の部品は物質をその外面上で保持するように構成される。第2の部品は、特に、ゴムなどのエラストマー又はシリコンから形成される部品であってもよい。
【0014】
−第2の代替案によれば、物質は第2の部品の被覆材中に含有される。この被覆材は、第2の部品の外面上に配置される層を形成する。また、この形態は、いつでも使用できるブレードガードを提供できるようにし、この場合、ブレードガードが装着されるワイパーが車両に取り付けられるときに物質が車両のガラス面上に塗布される。
【0015】
−前述の代替案のいずれかによれば、第2の部品に含有される又は第2の部品の外面上の物質は一般に液体又はマイクロカプセルの状態にある。したがって、物質を含有するマイクロカプセルは、第1の代替案に係る第2の部品の吸収材料中に或いは第2の代替案に係る第2の部品の被覆材中に存在する。これらのマイクロカプセルは、ブレードガードが車両のガラス面上で往復移動を行うときに壊れるように構成され、それにより、物質をガラス面上に塗布することができる。
【0016】
−前述のいつでも使用できるバージョンの代替案によれば、第2の部品にはユーザによって物質が充填される又は補充され得る。したがって、ブレードガードの別個のリザーバ、例えばボトル、フラスコ、及び/又は、シールされた密封拭き取り具に収容される物質は、ブレードガードの拡散機能の使用直前にユーザによって第2の部品上に塗布され得る。この形態により、ブレードガードの第2の部品に物質を補充することができ、それにより、車両のガラス面を処理するためにブレードガードを数回使用することができる。
【0017】
−第2の部品に含有される又はこの第2の部品を満たすようになっている物質は、疎水性の溶液である。この疎水性の溶液は、ワイパーによって分散される水の量を減らすことができるようにし、したがって、水の付着、特に車両のガラス面上へ投げ出される可能性が高い雨滴の付着を減少させることによって、処理されたガラス面を通じた視認性を向上させることができる。
【0018】
−ブレードガードは、好適には、ガラス面上にわたるブレードガードの20回の往復移動によって物質をガラス面上に塗布し、この場合、往復移動は、第1の位置と第2の位置との間のブレードガードの戻り移動であり、第1の位置は、ブレードガードの休止位置に対応する初期位置であり、第2の位置は、ブレードガードの作動位置に対応する最終位置である。
【0019】
車両に応じて、ガラス面がウインドスクリーンである場合、休止位置と呼ばれるブレードガードの第1の位置は、ボンネットに沿うことができ、すなわち、ガラス面に対して略水平な位置となることができ、或いは更には、側方ピラーに沿うことができ、すなわち、ガラス面に対して略垂直な位置となることができ、また、ブレードガードがその初期位置に戻るために回転方向を変える作動位置と呼ばれるブレードガードの第2の位置は、ボンネットに沿うことができ、すなわち、ガラス面に対して略水平な位置となることができ、或いは更には、側方ピラーに沿うことができ、すなわち、ガラス面に対して略垂直な位置となることができる。
【0020】
より具体的には、物質は、5〜10回の往復移動によってガラス面上に塗布される。
【0021】
−ブレードガードは、ブレードガードが縦軸に沿って湾曲される第1のプロファイルと、ブレードガードが略直線状である、特に直線状である少なくとも1つの第2のプロファイルとをとるように構成される。したがって、ブレードガードは、一方では、ガラス面上への塗布以外の任意の状況でワイパーブレードを保護するというその機能を果たすためにワイパーの湾曲したプロファイルに追従できるようにするとともに、他方では、ブレードガードの往復移動中であっても車両のガラス面を顕在化させることができるようにする可撓性を有する。第1のプロファイルに係るブレードガードの第1の曲率半径は、第2のプロファイルに係るブレードガードが収まる第2の曲率半径よりも厳密に小さい。第2のプロファイルは、ガラス面が完全に平らではないという点で略直線状である。
【0022】
−第1の部品は、少なくとも1つの隔壁によって互いに分離される第1の容積と第2の容積とを画定し、この場合、第2の部品は少なくとも部分的に第2の容積内に収容される。第1の容積は、ワイパーのワイパーブレードを収容するように構成される。
【0023】
−ブレードガードはこの隔壁を備え、該隔壁は、ブレードガードの縦軸とブレードガードの縦軸に対して垂直な横軸とを含む平面内で延び、この場合、隔壁は、ブレードガードの第1の容積と第2の容積との間に距離間隔を形成する。したがって、隔壁は、ブレードガードがワイパーに装着されるときに第2の部品から第1の部品への物質の任意の移動を防止する。
【0024】
−第2の部品は、その形状が第2の容積の形状と適合する第1の部分と、第2の容積から突出する第2の部分とを備える。好適には、第2の部分は、ブレードガードの第1の部品の第2の容積から延出し、第2の部品のこの部分こそが特にガラス面と接触して物質を広げるようになっている。したがって、この形態は、第1の部品がガラス面に触れることなくブレードガードの第2の部品をガラス面に当接させることができるようにし、それにより、ガラス面に何らかの引っ掻き傷を引き起こすリスクが制限される。
【0025】
−隔壁は、第1の容積と第2の容積との間で延びる少なくとも1つのオリフィスを備えることができ、この場合、オリフィスは、ブレードガードの第2の部品上への物質の塗布を容易にすることができる。より具体的には、オリフィスによって、ブレードガードの第1の部品の第1の容積と第2の容積との間に接続部を設けることができる。したがって、物質がブレードガードの第1の容積の近傍に塗布されると、物質は、第2の容積内に収容されるブレードガードの第2の部品に向かって移動できる。したがって、好適には、物質を、第2の容積へと移動するように、したがって、ブレードガードの第2の部品と接触するように第1の容積の縦方向端部の近傍に塗布することができ、この場合、第1の容積の縦方向端部には容易にアクセスすることができる。
【0026】
−第1の部品の第1の容積は、隔壁に対して第2の容積と反対側に位置される2つの縁部によって画定される。より具体的には、2つの縁部は横軸に沿って互いの方へ向けて延びる。好適には、縁部は横軸に沿って空間により分離される。この形態により、ワイパーのワイパーブレードを少なくとも部分的に第1の容積内に収容することができる。
【0027】
−ワイパーブレードは、ブレードガードの縁部を収容するための接合部を備える。より具体的には、横軸に沿うワイパーブレードの寸法は、接合部の近傍でより小さく、したがって、2つの溝が画定され、これらの溝内にブレードガードの第1の縁部及び第2の縁部が収容される。したがって、この接合部は、ブレードガードをワイパーブレード上に保持できるようにする。
【0028】
或いは、ブレードガードは、ワイパーブレードの支持体又はエアデフレクタなどのワイパーの構造要素の近傍でワイパー上に保持され得る。
【0029】
−ブレードガードは、第2の部品を保護するように構成される保護ストリップを備える。この保護の目的は、ブレードガードの第2の部品の第2の部分が損傷する危険を減らすことである。また、保護ストリップは、外部環境に対する第2の部品の露出、したがって第2の部品に含まれる物質の露出を低減することによって第2の部品を保護する。保護ストリップは、特に、第2の部品が乾燥する危険性を減らすことができるようにし、したがって、例えばブレードガードが個別に保管される又はワイパーに取り付けられるときに、塗布される物質の保管寿命を延ばすことができる。保護ストリップは、物質をガラス面上に塗布できるようにするために、車両のガラス面上でのブレードガードの使用前に取り外されるようになっている。
【0030】
−ブレードガードの第2の部品は、ブレードガードの第1の部品と保護ストリップとの間に位置される。
【0031】
−保護ストリップは例えば第2の部品に接着される。或いは、保護ストリップは、ブレードガードの第2の部品及び/又は第1の部品に接着される。好適には、保護ストリップが第1の部品に接着されると、第2の部品はブレードガードの第1の部品の第2の容積内に完全に閉じ込められ、それにより、外部環境に対する、第2の部品の露出の減少、したがって、第2の部品が含有する物質の露出の減少が最大にされ、第2の部品に含有される物質の保管寿命が延びる。好適には、保護ストリップがブレードガードから取り外されると、第2の部品は、ブレードガードの第1の部品の第2の容積から少なくとも部分的に延出する。
【0032】
−第1の部品は合成材料から形成される。好適には、第1の部品は押出し又は成形によって得られる。
【0033】
−第1の部品及び第2の部品は共押出しによって得られる。
【0034】
−ブレードガードは、オリジナル機器として、すなわち、それが製造されるときに車両に取り付けられるように、車両製造業者向けに販売され得る。また、ブレードガードは、特にディーラーや自動車両のスペアパーツ販売会社とのスペアパーツとして、アフターセールスネットワークで販売され得る。
【0035】
−車両は自動車両である。より具体的には、自動車両は自動車又は重量物運搬車である。
【0036】
第2の態様によれば、本発明の更なる目的は、少なくとも1つのワイパーブレードと本発明の第1の態様に係るブレードガードとを備えるワイパーである。
【0037】
第2の態様に係るこの形態は、物質を車両のガラス面上に塗布するためのブレードガードを備えるワイパーを提供できるようにし、この場合、ワイパーは、いつでの使用できる、すなわち、自動車両にいつでも設置できる状態にある。
【0038】
本発明の第2の態様に係るワイパーは、以下の改善のうちの少なくとも1つを有利に含み、これらの改善を成す技術的特徴は、別個に又は組み合わせて採用され得る。
【0039】
−ワイパーブレードは、ブレードガードの第1の部品内に収容される。より具体的には、ワイパーブレードは、ブレードガードの第1の部品の第1の容積内に収容される。
【0040】
−ワイパーブレードとブレードガードの第1の部品との間に隙間が設けられる。言い換えると、ワイパーブレードは、第1の部品の隔壁又はこの第1の部品の壁に当接していない。この形態は、ブレードガードがワイパーブレードを保護できるようにし、その結果、ワイパーブレードは、いかなる衝撃からも及びブレードガードとの接触から隔離される。
【0041】
−ワイパーは、オリジナル機器として、すなわち、それが製造されるときに車両に取り付けられるように、車両製造業者向けに販売され得る。また、ワイパーは、特にディーラーや自動車両のスペアパーツ販売会社とのスペアパーツとして、アフターセールスネットワークで販売され得る。
【0042】
本発明の更なる特徴、詳細、及び、利点は、添付の概略図面を参照して、一方では以下の説明を読むと、他方では非限定的な例として与えられる幾つかの実施形態から、より明確に分かるようになる。