特開2020-11815(P2020-11815A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-11815(P2020-11815A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/38 20060101AFI20191220BHJP
【FI】
   B65H31/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-134891(P2018-134891)
(22)【出願日】2018年7月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 重春
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054AB01
3F054AC05
3F054BA04
3F054BH14
3F054CA01
(57)【要約】
【課題】排出トレイに排出された記録媒体の姿勢をより確実に整えることができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置100は、記録ヘッドと、排出トレイ72と、整合部材73と、制御部とを備える。記録ヘッドは、記録媒体Pにインクを吐出することにより画像を形成する。排出トレイ72には、記録媒体Pが排出される。整合部材73は、排出トレイ72に記録媒体Pが排出される排出方向DHと交差する整合方向に沿って待機位置と整合位置との間を移動することにより、排出トレイ72に排出された記録媒体Pの姿勢を整える整合処理を実行する。制御部は、記録媒体の所定領域における印字率を取得する。制御部は、所定領域における印字率に基づいて整合部材73の動作を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にインクを吐出することにより画像を形成する記録ヘッドと、
前記記録媒体が排出される排出トレイと、
前記排出トレイに前記記録媒体が排出される排出方向と交差する整合方向に沿って待機位置と整合位置との間を移動することにより、前記排出トレイに排出された前記記録媒体の姿勢を整える整合処理を実行する整合部材と、
前記記録媒体の所定領域における印字率を取得する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記所定領域における前記印字率に基づいて前記整合部材の動作を制御する、インクジェット記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定領域における前記印字率が閾値以上であるか否かを判定し、前記所定領域における前記印字率が前記閾値以上ではないと判定すると、前記整合部材の動作モードを第1動作モードに決定し、前記所定領域における前記印字率が前記閾値以上であると判定すると、前記整合部材の前記動作モードを前記第1動作モードとは異なる第2動作モードに決定する、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第1動作モードにおいて前記整合部材が移動する距離の長さを示す第1移動量は、前記第2動作モードにおいて前記整合部材が移動する距離の長さを示す第2移動量と異なる、請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記第1動作モードにおいて前記整合部材が移動する速度を示す第1移動速度は、前記第2動作モードにおいて前記整合部材が移動する速度を示す第2移動速度と異なる、請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記整合部材は、整合処理中に、前記待機位置と前記整合位置との間を移動する整合動作を少なくとも1回実行し、
前記第1動作モードにおいて前記整合部材が実行する前記整合動作の回数を示す第1整合回数は、前記第2動作モードにおいて前記整合部材が実行する前記整合動作の回数を示す第2整合回数と異なる、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記整合部材は、前記待機位置と前記整合位置との間を移動する際に、前記整合位置で停止し、
前記第1動作モードにおいて前記整合部材が前記整合位置で停止する第1停止時間は、前記第2動作モードにおいて前記整合部材が前記整合位置で停止する第2停止時間と異なる、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、第1整合時間と第2整合時間との差分時間に応じて前記記録媒体が前記排出トレイに排出されるタイミングを調整し、
前記第1整合時間は、前記第1動作モードである場合における前記整合部材が前記整合処理を完了するために要する時間を示し、
前記第2整合時間は、前記第2動作モードである場合における前記整合部材が前記整合処理を完了するために要する時間を示す、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記記録媒体を前記排出トレイに向けて搬送する搬送機構を更に有し、
前記制御部は、前記搬送機構の動作を制御することにより、前記記録媒体が前記排出トレイに排出されるタイミングを調整する、請求項7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記搬送機構は、前記記録媒体の姿勢を補正するレジストローラーを有し、
前記制御部は、前記レジストローラーの動作を制御することによって、前記記録媒体が前記排出トレイに排出されるタイミングを調整する、請求項8に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記所定領域は、前記記録媒体の端部の領域である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体の姿勢を整える整合部材を備える画像形成装置がある。例えば、特許文献1には、ジョガーフェンスを備える記録媒体後処理装置が開示されている。詳しくは、特許文献1に開示のジョガーフェンスは、記録媒体の幅サイズに応じた位置で待機する。ジョガーフェンスは、記録紙の進入に応じて、第1の停止位置、第2の停止位置、及び第3の停止位置の順に移動する。第1の停止位置は、記録媒体の幅方向の端から所定距離離れた位置である。第3の停止位置は、記録媒体の幅方向の端に略当接する位置である。第2の停止位置は、第1の停止位置よりも記録媒体の幅方向の端に近く、第3の停止位置よりも記録媒体の幅方向の端から遠い位置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−169292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インクジェット記録装置の場合、記録媒体に形成される画像の印字率が高いと場合、インクと記録媒体との間に摩擦が生じる場合がある。したがって、特許文献1に開示の技術のように、記録媒体の進入に応じてジョガーフェンスの位置を変更するだけでは、記録媒体の姿勢を確実に整えることができない虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、排出トレイに排出された記録媒体の姿勢をより確実に整えることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドと、排出トレイと、整合部材と、制御部とを備える。前記記録ヘッドは、記録媒体にインクを吐出することにより画像を形成する。前記排出トレイには、前記記録媒体が排出される。前記整合部材は、前記排出トレイに前記記録媒体が排出される排出方向と交差する整合方向に沿って待機位置と整合位置との間を移動することにより、前記排出トレイに排出された前記記録媒体の姿勢を整える整合処理を実行する。前記制御部は、前記記録媒体の所定領域における印字率を取得する。前記制御部は、前記所定領域における前記印字率に基づいて前記整合部材の動作を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、排出トレイに排出された記録媒体の姿勢をより確実に整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット記録装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る記録部の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る記録部の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る排出トレイ、整合機構、及びその近傍を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態1に係る排出トレイ及び2つの整合部材を示す図である。
図6】本発明の実施形態1に係る排出トレイ及び2つの整合部材を示す図である。
図7】本発明の実施形態1に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の実施形態1に係る動作モード決定処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態2に係る排出タイミング調整処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
[実施形態1]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置100の構成について説明する。図1は、実施形態1に係るインクジェット記録装置100の構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、本体筐体1、給紙機構2、第1搬送機構3、第2搬送機構4、記録部5、第3搬送機構6、及び排出機構7を備える。本体筐体1は、給紙機構2、第1搬送機構3、第2搬送機構4、記録部5、第3搬送機構6、及び排出機構7を収容する。
【0012】
給紙機構2は、給紙カセット21及び給紙ローラー22を有する。給紙カセット21には、少なくとも1枚の用紙Pが収容される。給紙ローラー22は、給紙カセット21に収容された用紙Pを1枚ずつ給紙する。給紙カセット21から給紙された用紙Pは、第1搬送機構3へ搬送される。なお、用紙Pは、記録媒体の一例である。
【0013】
第1搬送機構3は、給紙機構2から給紙された用紙Pを、第2搬送機構4へ第1搬送方向M1に沿って搬送する。第1搬送機構3は、レジストローラー31を有する。レジストローラー31は、用紙Pを一時停止させる。この結果、用紙Pの第2搬送機構4へ送出されるタイミングが調整される。また、レジストローラー31は、用紙Pの姿勢を補正する。詳しくは、レジストローラー31は、用紙Pに対して斜行補正を行う。
【0014】
第2搬送機構4は、第1搬送機構3から搬送された用紙Pを、第2搬送方向M2に沿って第3搬送機構6へ搬送する。詳しくは、第2搬送機構4は、第1搬送ベルト41、第1駆動ローラー42、及び第1従動ローラー43を有する。第1搬送ベルト41は、無端状に形成されて、第1駆動ローラー42、及び第1従動ローラー43に巻き付けられる。第1駆動ローラー42は、モーターが駆動することにより、図1において反時計回り方向に回転する。この結果、第1搬送ベルト41が第1走行方向V1に走行する。
【0015】
第1搬送ベルト41は、第1載置面41sを有する。第1載置面41sは、第1搬送ベルト41の外周面のうち、用紙Pが載置される面である。第1搬送ベルト41が第1走行方向V1に走行することにより、第1載置面41sに載置された用紙Pが第2搬送方向M2へ搬送される。
【0016】
記録部5は、第1載置面41sに対向して配置される。記録部5は、画像データに基づいて用紙Pに画像を形成する。記録部5は、インクを吐出することにより用紙Pに画像を形成する。
【0017】
記録部5は、ヘッドハウジング51、及び4つのラインヘッド52を含む。ヘッドハウジング51は、4つのラインヘッド52を支持する。4つのラインヘッド52はそれぞれ、イエロー色、マゼンダ色、シアン色、及びブラック色のインクを吐出する。以下、イエロー色のインクを吐出するラインヘッド52を「ラインヘッド52Y」と記載し、マゼンダ色のインクを吐出するラインヘッド52を「ラインヘッド52M」と記載し、シアン色のインクを吐出するラインヘッド52を「ラインヘッド52C」と記載し、ブラック色のインクを吐出するラインヘッド52を「ラインヘッド52K」と記載する場合がある。ラインヘッド52K、52C、52M、52Yは、用紙Pの第2搬送方向M2に沿ってこの順で配置される。
【0018】
記録部5によって画像が形成された用紙Pは、第3搬送機構6へ送出される。
【0019】
第3搬送機構6は、第2搬送機構4から搬送された用紙Pを、第3搬送方向M3に沿って排出機構7へ搬送する。詳しくは、第3搬送機構6は、第2搬送ベルト61、第2駆動ローラー62、及び第2従動ローラー63を有する。第2搬送ベルト61は、無端状に形成されて、第2駆動ローラー62、及び第2従動ローラー63に巻き付けられる。第2駆動ローラー62は、モーターが駆動することにより、図1において反時計回り方向に回転する。この結果、第2搬送ベルト61が第2走行方向V2に走行する。
【0020】
第2搬送ベルト61は、第2載置面61sを有する。第2載置面61sは、第2搬送ベルト61の外周面のうち、用紙Pが載置される面である。第2搬送ベルト61が第2走行方向V2に走行することにより、第2載置面61sに載置された用紙Pが第3搬送方向M3へ搬送される。第3搬送方向M3へ搬送された用紙Pは、排出機構7へ送出される。なお、本実施形態において、第2搬送方向M2及び第3搬送方向M3は、Y軸の負側から正側へ向かう方向である。
【0021】
排出機構7は、本体筐体1の外部へ用紙Pを排出する。排出機構7は、排出ローラー対71、排出トレイ72、及び整合機構73を有する。
【0022】
排出ローラー対71は、回転することにより、排出口1hを介して本体筐体1の外部へ用紙Pを排出する。排出口1hは、本体筐体1の側面に形成される。本体筐体1の外部へ排出された用紙Pは、排出トレイ72に排出される。以下、用紙Pが排出される方向を「排出方向DH」と記載する。
【0023】
整合機構73は、排出トレイ72に設けられる。整合機構73は、排出トレイ72に排出された用紙Pの姿勢を整える。以下、排出トレイ72に排出された用紙Pの姿勢を整える処理を「整合処理」と記載する。
【0024】
本実施形態において、整合機構73は、用紙Pが給紙されてから排出トレイ72に排出されるまでの間、待機状態である。整合機構73は、排出トレイ72に用紙Pが排出される度に、整合処理を実行する。
【0025】
整合機構73は、動作モードに応じて整合処理を実行する。動作モードは、標準動作モード及び特別動作モードを含む。
【0026】
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る記録部5の構成について説明する。図2及び図3は、本実施形態に係る記録部5の構成を示す図である。なお、図2は、斜め上方から見た記録部5を示し、図3は、下方(第1搬送機構3側)から見た記録部5を示す。
【0027】
図2に示すように、各ラインヘッド52Y〜52Kは、3つの記録ヘッド521を有する。3つの記録ヘッド521は、X軸方向に沿って配置される。
【0028】
図3に示すように、各記録ヘッド521は、複数のノズルが形成されるノズル面521sを有する。ノズル面521sは、図1を参照して説明した第1搬送ベルト41の第1載置面41sと対向する。したがって、複数のノズルからインクが吐出されることにより、第1載置面41sに載置される用紙Pに画像が形成される。
【0029】
次に、図4図6を参照して、実施形態1に係る整合機構73の構成について説明する。図4は、実施形態1に係る排出トレイ72、整合機構73、及びその近傍を示す斜視図である。
【0030】
図4に示すように、整合機構73は、2つの整合部材731を有する。2つの整合部材731は、排出トレイ72の上面72aに設けられる。2つの整合部材731は、幅方向DWにおいて対向して配置される。
【0031】
図5は、実施形態1に係る排出トレイ72及び2つの整合部材731を示す図である。詳しくは、図5は、排出トレイ72を上方から見た図である。なお、図5に示す1点鎖線は、幅方向DWにおける排出トレイ72の中心位置を示す。以下、幅方向DWにおける排出トレイ72の中心位置を「第1中心位置C1」と記載する。なお、幅方向DWは、排出方向DHと直交する方向である。本実施形態において、幅方向DWは、X軸方向と一致する。
【0032】
図5に示すように、2つの整合部材731の各々は、整合面731aを有する。2つの整合面731aは、幅方向DWにおいて対向する。
【0033】
待機状態において、2つの整合部材731の整合面731aはそれぞれ、待機位置WPに位置する。以下、2つの整合部材731の整合面731aのそれぞれの位置を「整合部材731の位置」と記載する。
【0034】
続いて、図6を参照して、実施形態1に係る2つの整合部材731の動作について説明する。なお、2つの整合部材731の動作は、同一であるため、図6では、2つの整合部材731のうち、一方の整合部材731の動作について説明する。
【0035】
図6は、実施形態1に係る排出トレイ72及び2つの整合部材731を示す図である。詳しくは、図6は、排出トレイ72を上方から見た図である。図6に示す1点鎖線は、第1中心位置C1を示し、黒丸は、第2中心位置C2を示す。第2中心位置C2は、排出トレイ72に排出される用紙Pの幅方向の中心位置を示す。
【0036】
図6に示すように、整合部材731は、整合方向の一例である幅方向DWに沿って移動自在である。整合部材731は、整合機構73が有する駆動部が駆動することにより、幅方向DWに沿って移動する。詳しくは、整合部材731は、待機位置WPと整合位置SPとの間を往復する。
【0037】
より詳しくは、整合部材731は、待機位置WPから整合位置SPまで移動し、整合位置SPにおいて、所定時間停止した後、待機位置WPまで移動する。以下、整合部材731が待機位置WPから整合位置SPまで移動し、整合位置SPにおいて、所定時間停止した後、待機位置WPまで移動する一連の動作を「整合動作」と記載する。また、整合部材731が整合動作を実行する間に移動する距離の長さ、換言すると、整合部材731が待機位置WPと整合位置SPとの間を往復する際に移動する距離の長さを「移動量」と記載する。また、整合部材731が待機位置WPと整合位置SPとの間を移動する速度を「移動速度」と記載する。また、整合部材731が整合位置SPで停止する時間を「停止時間」と記載する。更に、1回の整合処理において、整合動作が実行される回数を「整合回数」と記載する。
【0038】
整合位置SP及び待機位置WPは、給紙機構2から給紙される用紙Pの幅方向DWのサイズに応じて決定される。制御部10は、例えば、給紙カセット21から用紙Pが給紙される際に、給紙される用紙Pの幅方向DWのサイズを取得する。
【0039】
整合位置SPは、第1中心位置C1と第2中心位置C2とが略一致するように排出トレイ72に排出された用紙Pに、整合部材731が接触するように設定される。以下、第1中心位置C1と第2中心位置C2とが略一致するように排出トレイ72に排出された用紙Pを「正常排出用紙P」と記載する。第2中心位置C2は、用紙Pの幅方向DWにおける中心位置を示す。換言すると、整合位置SPは、正常排出用紙Pの幅方向DWにおける2つの端面Ptのうちの一方の端面Ptに整合面731aが接触する位置である。本実施形態において、整合位置SPは、正常排出用紙Pの2つの端面Ptのうちの一方の位置と略一致する位置に設定される。なお、もう一方の整合部材731に対応する整合位置SPは、正常排出用紙Pの2つの端面Ptのうちの他方の位置と略一致する位置に設定される。すなわち、2つの整合位置SPは、正常排出用紙Pの2つの端面Ptの位置と略一致する位置に設定される。
【0040】
待機位置WPは、排出トレイ72上における正常排出用紙Pの位置に基づいて決定される。待機位置WPは、例えば、正常排出用紙Pの幅方向DWにおける2つの端面Ptのうちの一方の端面Ptから所定の長さだけ離れる位置に設定される。なお、もう一方の整合部材731に対応する待機位置WPも同様に、正常排出用紙Pの幅方向DWにおける2つの端面Ptのうちの他方の端面Ptから所定の長さだけ離れる位置に設定される。
【0041】
次に、図7を参照して、実施形態1に係るインクジェット記録装置100の構成について更に説明する。図7は、実施形態1に係るインクジェット記録装置100の構成を示すブロック図である。
【0042】
図7に示すように、インクジェット記録装置100は、記憶装置9、及び制御部10を更に備える。
【0043】
記憶装置9は、各種のデータを記憶する。記憶装置9は、ストレージデバイス及び半導体メモリーによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)によって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を構成する。記憶装置9は、制御プログラムを記憶する。
【0044】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーによって構成される。また、制御部10は、画像形成処理用の集積回路を備える。画像形成処理用の集積回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(field−programmable gate array)によって構成される。制御部10は、記憶装置9に記憶された制御プログラムを実行することにより、インクジェット記録装置100の各部の動作を制御する。本実施形態において、制御部10は、整合機構73の動作を制御する。
【0045】
制御部10は、画像データに基づいて、用紙Pの所定領域における印字率を取得する。以下、用紙Pの所定領域における印字率を「所定領域印字率」と記載する。本実施形態において、所定領域は、画像形成領域の4つの端部を含む。4つの端部は、幅方向DWにおいて対向する2つ端部及び排出方向DHにおいて対向する2つの端部を有する。画像形成領域は、図1を参照して説明した記録部5によって画像を形成することが可能な領域を示す。
【0046】
制御部10は、所定領域印字率を取得すると、所定領域印字率に基づいて整合部材731の動作を制御する。本実施形態において、制御部10は、所定領域印字率を取得すると、動作モード決定処理を実行する。
【0047】
動作モード決定処理では、整合部材731の動作モードが、標準動作モード及び特別動作モードのいずれかに決定される。なお、標準動作モードは、第1動作モードの一例であり、特別動作モードは、第2動作モードの一例である。
【0048】
特別動作モードは、標準動作モードよりも排出トレイ72に排出された用紙Pの姿勢を整合部材731が整えることができるように、整合機構73を動作させる動作モードである。特別動作モードは、標準動作モードと比較して、動作項目の動作条件が異なる。動作項目は、移動量、移動速度、整合回数、及び停止時間を含む。
【0049】
管理者は、排出トレイ72に排出された用紙Pの姿勢がより正確に整えられるように、標準動作モードの動作項目に含まれる移動量、移動速度、整合回数、及び停止時間の少なくとも1つの動作条件を変更することにより第2動作モードを設定する。本実施形態において、特別動作モードは、標準動作モードと比較して、移動量、移動速度、整合回数、及び停止時間のすべての動作条件が異なる。
【0050】
詳しくは、特別動作モードにおける移動量は、標準動作モードにおける移動量よりも大きい値が設定される。換言すると、特別動作モードにおいて、各整合部材731は、標準動作モードで動作する場合よりも、幅方向DWにおいて用紙Pの内側まで移動する。以下、標準動作モードにおける移動量を「第1移動量」と記載し、特別動作モードにおける移動量を「第2移動量」と記載する。第2移動量は、例えば、第1移動量の1.2倍の値が設定される。なお、第1移動量は、例えば、5ミリメートルである。
【0051】
また、特別動作モードにおける移動速度は、標準動作モードにおける移動速度よりも小さい値が設定される。換言すると、特別動作モードにおいて、各整合部材731は、標準動作モードで動作するよりも遅い速度で移動する。以下、標準動作モードにおける移動速度を「第1移動速度」と記載し、特別動作モードにおける移動速度を「第2移動速度」と記載する。第2移動速度は、例えば、第1移動速度の0.8倍の値が設定される。第1移動速度は、例えば、55ミリメートル/秒である。
【0052】
また、特別動作モードにおける整合回数は、標準動作モードにおける整合回数よりも大きい値が設定される。換言すると、特別動作モードにおいて、各整合部材731は、標準動作モードで動作するよりも整合動作をより多く実行する。以下、標準動作モードにおける整合回数を「第1整合回数」と記載し、特別動作モードにおける整合回数を「第2整合回数」と記載する。第2整合回数は、例えば、第1整合回数の2倍の値が設定される。第1整合回数は、例えば、1回である。
【0053】
また、特別動作モードにおける停止時間は、標準動作モードにおける停止時間よりも大きい値が設定される。換言すると、特別動作モードにおいて、各整合部材731は、標準動作モードで動作するよりも停止時間が長い。以下、標準動作モードにおける停止時間を「第1停止時間」と記載し、特別動作モードにおける停止時間を「第2停止時間」と記載する。第2停止時間は、例えば、第1停止時間の1.5倍の値に設定される。第1停止時間は、例えば、80ミリ秒である。
【0054】
次に、図8を参照して、実施形態1に係る動作モード決定処理について説明する。図8は、実施形態1に係る動作モード決定処理を示すフローチャートである。
【0055】
図8に示すように、制御部10は、所定領域印字率が閾値未満であるか否かを判定する(ステップS101)。制御部10は、所定領域印字率が閾値未満であると判定すると(ステップS101;Yes)、整合部材731の動作モードを標準動作モードに決定して(ステップS102)、動作モード決定処理を終了する。一方、制御部10は、所定領域印字率が閾値未満ではないと判定すると(ステップS101;No)、整合部材731の動作モードを特別動作モードに決定して(ステップS103)、動作モード決定処理を終了する。なお、閾値は、予め設定されて記憶装置9に記憶されている。閾値は、変更可能である。
【0056】
以上、実施形態1について説明した。複数の用紙Pが排出トレイ72に続けて排出される場合において、例えば、後行して排出トレイ72に排出された用紙Pに、ソリッド画像のような印字率が高い画像が形成されている場合、先行して排出トレイ72の排出された用紙Pに吐出されたインクと、後行して排出トレイ72に排出される用紙Pとの間に摩擦が生じる場合がある。この場合、整合部材731は、先行する用紙Pと後行する用紙Pとの姿勢を整えにくい。本実施形態によれば、制御部10は、後行の用紙Pを排出トレイ72に排出する際、所定領域印字率に応じて、整合部材731の動作を制御する。詳しくは、制御部10は、所定領域印字率が閾値未満であるか否かを判定し、所定領域印字率が閾値未満ではないと判定すると、整合部材731の動作モードを標準動作モードとは異なる特別動作モードに決定する。特別動作モードは、標準動作モードよりも用紙Pの姿勢を整えることができるように管理者によって設定される動作モードである。したがって、本実施形態によれば、排出トレイ72に排出された用紙Pの姿勢をより確実に整えることができる。
【0057】
なお、本実施形態において、特別動作モードの移動量、移動速度、整合回数、及び停止時間のすべての値が対応する標準動作モードの動作項目の動作条件と異なる値に設定される場合を説明したが、特別動作モードは、標準動作モードよりも用紙Pの姿勢を整え易い動作モードであればよく、特別動作モードは、特別動作モードの動作項目のうちの少なくとも1つの動作条件が、対応する標準動作モードの動作項目の動作条件と異なっていればよい。
【0058】
また、本実施形態において、特別動作モードにおける移動速度として、標準動作モードにおける移動速度よりも小さい値が設定される場合を説明したが、特別動作モードにおける移動速度は、排出トレイ72に排出された用紙Pの姿勢を整え易い動作条件であればよく、標準動作モードにおける移動速度よりも大きい値が設定されてもよい。
【0059】
また、本実施形態において、所定領域が画像形成領域の4つの端部を示す場合を説明したが、所定領域は、4つの端部に限定されない。所定領域は、例えば、画像形成領域における中央部分又は画像形成領域の全域であってもよい。あるいは、所定領域は、画像形成領域の4つの端部のうちの1〜3つの端部であってもよい。
【0060】
また、本実施形態において、2つの整合位置SPの各々が、正常排出用紙Pの2つの端面Ptの位置と略一致する位置に設定されたが、2つの整合位置SPの各々は、正常排出用紙Pの2つの端面Ptの位置よりも用紙Pの内側であってもよい。
【0061】
[実施形態2]
次に、図9を参照して、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2では、連続して用紙Pが排出トレイ72に排出される場合において、先行の用紙Pに対する整合処理の動作モードに応じて、後行の用紙Pを排出トレイ72に排出するタイミングを調整する点が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0062】
本実施形態において、制御部10は、整合部材731の動作モードを特別動作モードに決定することにより、後行の用紙Pを排出トレイ72に排出するタイミングを調整する必要があるか否かを判定する。
【0063】
図9は、実施形態2に係る排出タイミング調整処理を示すフローチャートである。排出タイミング調整処理は、制御部10が動作モードを特別動作モードに決定すると開始される。
【0064】
図9に示すように、制御部10は、1回の整合処理に要する整合時間が増加するか否かを判定する(ステップS201)。詳しくは、制御部10は、第1整合時間及び第2整合時間を算出し、第2整合時間が第1整合時間よりも大きいか否かを判定することにより整合時間が増加するか否かを判定する。第1整合時間は、標準動作モードにおいて、2つの整合部材731が1回の整合処理を完了するために要する時間を示す。第2整合時間は、特別動作モードにおいて、2つの整合部材731が1回の整合処理を完了するために要する時間を示す。
【0065】
制御部10は、第2整合時間が第1整合時間よりも大きいため、整合時間が増加すると判定すると(ステップS201;Yes)、後行の用紙Pを排出トレイ72に排出するタイミングを調整する(ステップS202)。詳しくは、制御部10は、後行の用紙Pを排出トレイ72に排出するタイミングを、整合部材731の動作モードが標準動作モードである場合よりも遅くする。具体的には、制御部10は、後行の用紙Pを排出トレイ72に排出するタイミングを、動作モードが標準動作モードである場合よりも差分時間だけ遅くする。差分時間は、第2整合時間と第1整合時間との差分を示す。
【0066】
本実施形態において、制御部10は、レジストローラー31の動作を制御することにより、後行の用紙Pが排出トレイ72に排出されるタイミングを調整する。制御部10は、例えば、レジストローラー31による後行の用紙Pを送出するタイミングを調整することにより、後行の用紙Pが排出トレイ72に排出するタイミングを調整する。
【0067】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、後行の用紙Pが2つの整合部材731の少なくとも1つに接触することが抑制される。この結果、ジャムの発生が抑制される。
【0068】
なお、本実施形態において、レジストローラー31の動作を制御することにより、後行の用紙Pが排出トレイ72に排出されるタイミングを調整したが、制御部10は、後行の用紙Pが給紙ローラー22によって給紙カセット21から給紙されるタイミングを調整することにより、後行の用紙Pが排出トレイ72に排出されるタイミングを調整してもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態について、図面(図1図9)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す構成は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0070】
例えば、本発明の実施形態では、ライン方式のヘッドユニットに本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明は、例えば、シリアル方式のヘッドユニットにも適用可能である。
【0071】
また、実施形態1及び実施形態2において説明した事項は、適宜組み合わせ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、インクジェット記録装置の分野に有用である。
【符号の説明】
【0073】
5 記録部
10 制御部
72 排出トレイ
73 整合機構
100 インクジェット記録装置
521 記録ヘッド
731 整合部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9