特開2020-118423(P2020-118423A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2020118423-換気システム 図000003
  • 特開2020118423-換気システム 図000004
  • 特開2020118423-換気システム 図000005
  • 特開2020118423-換気システム 図000006
  • 特開2020118423-換気システム 図000007
  • 特開2020118423-換気システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-118423(P2020-118423A)
(43)【公開日】2020年8月6日
(54)【発明の名称】換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20200710BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20200710BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20200710BHJP
【FI】
   F24F7/007 B
   F24F7/06 101Z
   F24C15/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-12377(P2019-12377)
(22)【出願日】2019年1月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤
(72)【発明者】
【氏名】中 耕司
(72)【発明者】
【氏名】神山 義光
(72)【発明者】
【氏名】國分 喜勝
(72)【発明者】
【氏名】梁取 崇
(72)【発明者】
【氏名】山田 香穂里
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 友
(72)【発明者】
【氏名】内田 幸
(72)【発明者】
【氏名】大岩 雄志
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀紀
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
【Fターム(参考)】
3L056BD07
3L056BE01
3L056BF02
3L056BF06
3L058BK09
(57)【要約】
【課題】遠隔から操作可能なレンジフードにおいて、調理中の場合には遠隔操作により運転状態の変化を防止する換気システムを提供する。
【解決手段】換気システム100は、調理器具BN近傍に設置されるレンジフード10と、調理器具における調理の状態を取得する調理状態取得部30と、調理状態取得部が取得した調理状態に基づき、調理中か否かを判定する調理状態判定部40と、遠隔からレンジフードに対する制御信号を受信する受信部50と、受信部が受信した制御信号に基づき、レンジフードを制御する制御部20と、を備え、制御部は、受信部がレンジフードの運転状態を変更する制御信号を受信した場合であって調理状態判定部が調理中であると判定した場合、レンジフードの運転状態を変更しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具近傍に設置されるレンジフードと、
前記調理器具における調理の状態を取得する調理状態取得部と、
前記調理状態取得部が取得した調理状態に基づき、調理中か否かを判定する調理状態判定部と、
遠隔から前記レンジフードに対する制御信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した制御信号に基づき、前記レンジフードを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部が前記レンジフードの運転状態を変更する制御信号を受信した場合であって前記調理状態判定部が調理中であると判定した場合、前記レンジフードの運転状態を変更しない、
換気システム。
【請求項2】
前記調理器具はガス焜炉またはIH焜炉であることを特徴とする請求項1に記載の換気システム。
【請求項3】
前記調理状態取得部は、前記調理器具が設置された部屋を検知範囲に有する人検知部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の換気システム。
【請求項4】
前記受信部が遠隔から前記レンジフードに対する制御信号を受信した場合には調理状態の如何にかかわらず受信した制御信号を実行させるための強制実行モード設定部をさらに備え、
前記制御部は、前記受信部が前記レンジフードの運転状態を変更する制御信号を受信し、前記調理状態判定部が調理中であると判定した場合であって、前記強制実行モード設定部において強制実行が設定されている場合、前記レンジフードの運転状態を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遠隔から宅内の機器を操作する際在宅者の意図しない操作を防止するための技術が提案されている。たとえば、特許文献1は、手元操作と遠方操作とにおいて異なる作動を行うことができるとともに、ユーザが意図しない運転状態の変更を抑制することができる空気調和機を開示する。この空気調和機は、室内機が設けられている室内から室内機を操作するためのリモコン(手元操作手段)と、室内および室外から室内機を操作するための携帯端末(遠方操作手段)と、携帯端末との間で通信を行う通信アダプタ(通信手段)と、リモコンからの操作である手元操作、および通信アダプタを介した携帯端末段からの操作である遠方操作を受け付ける操作受付手段(主制御部等)と、手元操作手段からの操作を許可する手元操作モードまたは遠方操作手段からの操作を許可する遠方操作モードのいずれかに設定する動作モード設定手段(動作モード設定部等)と、を備える。動作モード設定手段を「手元」に設定すれば、手元操作モードに切り替わって遠隔操作が許可されなくなるので、室内のユーザの意図に反して遠隔操作により運転状態が変化することが防止される。
【0003】
また、特許文献2は、在宅者が望まない遠隔操作を実行する可能性を低減することができるようにする機器制御システムを開示する。この機器制御システムは、遠隔操作端末の情報収集処理部が、宅内情報のダウンロード要求を宅内装置に送信して、宅内装置から宅内情報を収集すると、状況提示処理部が、収集された宅内情報にしたがって操作対象機器の運転状況と操作対象機器が設置されている部屋の在室状況を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−010769号公報
【特許文献2】特開2016−010047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、レンジフードは、キッチンに設置される調理器具(コンロ等)の近傍に設置され、調理から発生する油煙などの物質を大きな排気風量により捕集し、屋外へ排出するために使用される。レンジフードが大排気風量でキッチン内の空気を屋外へ排出するとき屋内は負圧となるため、建物の開口部(たとえば、リビングルームの開放された窓や壁に設けられた給気口など)から外気が屋内に取り入れられる。そうすると、屋外の空気が屋内の空気と入れ替わり混入することにより、屋内の空気質は徐々に屋外の空気質に近づくことになる。発明者らは、この現象を利用し、一般住宅に設置される排気ファンの中では最大の排気風量を有するレンジフードの新しい利用方法として、キッチン以外の居住空間も含めた屋内の空気質の改善を図るためのレンジフードを含む換気システムを提案している。
【0006】
しかし、レンジフードの新しい利用方法は遠隔からなされる場合もあるが、その場合、実際に調理しているときに遠隔操作によりレンジフードの運転状態が変化することは好ましくない
【0007】
そこで、本発明は、かかる事情を鑑みて考案されたものであり、遠隔から操作可能なレンジフードにおいて、調理中の場合には遠隔操作により運転状態の変化を防止する換気システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、調理器具近傍に設置されるレンジフードと、調理器具における調理の状態を取得する調理状態取得部と、調理状態取得部が取得した調理状態に基づき、調理中か否かを判定する調理状態判定部と、遠隔からレンジフードに対する制御信号を受信する受信部と、受信部が受信した制御信号に基づき、レンジフードを制御する制御部と、を備え、制御部は、受信部がレンジフードの運転状態を変更する制御信号を受信した場合であって調理状態判定部が調理中であると判定した場合、レンジフードの運転状態を変更しない換気システムが提供される。
これによれば、レンジフードの運転状態を変更する制御信号を受信した場合に調理中である場合、レンジフードの運転状態を変更しないことで、遠隔から操作可能なレンジフードにおいて、調理中の場合には遠隔操作により運転状態の変化を防止する換気システムを提供することができる。
【0009】
さらに、調理器具はガス焜炉またはIH焜炉であることを特徴としてもよい。
これによれば、調理器具の状態により調理中か否かを判定することで正確な運転状態により判定することができる。
【0010】
さらに、調理状態取得部は、調理器具が設置された部屋を検知範囲に有する人検知部であることを特徴としてもよい。
これによれば、部屋の人の存在により調理中か否かを判定することで柔軟な運転状態により判定することができる。
【0011】
さらに、受信部が遠隔からレンジフードに対する制御信号を受信した場合には調理状態の如何にかかわらず受信した制御信号を実行させるための強制実行モード設定部をさらに備え、制御部は、受信部がレンジフードの運転状態を変更する制御信号を受信し、調理状態判定部が調理中であると判定した場合であって、強制実行モード設定部において強制実行が設定されている場合、レンジフードの運転状態を変更することを特徴としてもよい。
これによれば、強制実行モード設定部を備えることで調理中と判定される場合であっても遠隔からの操作を優先させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、遠隔から操作可能なレンジフードにおいて、調理中の場合には遠隔操作により運転状態の変化を防止する換気システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る第一実施例の換気システムが建物に設置された場合を示す図。
図2】本発明に係る第一実施例の換気システムのブロック図。
図3】本発明に係る第一実施例の換気システムにおける制御フローを示すフローチャート。
図4】本発明に係る第一実施例の変形例の換気システムにおける制御フローを示すフローチャート。
図5】本発明に係る第二実施例の換気システムのブロック図。
図6】本発明に係る第二実施例の換気システムにおける制御フローを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1乃至図4を参照し、本実施例における換気システム100を説明する。換気システム100は、建物HS(本実施例では住宅)に設置され、遠隔から操作可能なレンジフード10を使用し、屋内の空気質の改善を図るものである。レンジフード10は、キッチンに設置される調理器具BN(コンロ等)の近傍に設置され、調理から発生する油煙などの物質を大きな排気風量により捕集し屋外へ排出するために使用されることで、キッチンなどの空気質を改善する。これが、レンジフード10の通常の空気質改善機能であり通常の利用方法である。
【0015】
また、レンジフード10が大排気風量でキッチン内の空気を屋外へ排出するとき屋内は負圧となるため、建物HSの開口部(たとえば、リビングルームの開放された窓や壁に設けられた給気口など)から外気が屋内に取り入れられる。そうすると、屋外の空気が屋内の空気と入れ替わり混入することにより、屋内の空気質は徐々に屋外の空気質に近づくことになる。発明者らは、この現象を利用し、一般住宅に設置される排気ファンの中では最大の排気風量を有するレンジフード10の新しい利用方法として、キッチン以外の居住空間も含めた屋内の空気質の改善を図るためのレンジフード10を含む換気システム100を提案している。これが、レンジフード10の新しい空気質改善機能である。
【0016】
このようなレンジフード10の新しい利用方法は、使用者が外出時に遠隔からなされる場合も想定されている。一方、キッチンで料理をしている場合にはレンジフード10を通常の利用方法で使用していると想定されるが、その場合に、遠隔操作によりレンジフード10の運転状態が変化すること、たとえばレンジフード10の運転を停止することなどは好ましくない。かかる問題に鑑み、換気システム100におけるレンジフード10は、遠隔から操作可能であるが、調理中の場合には遠隔操作により運転状態の変化を防止する。
【0017】
なお、本明細書における空気質とは、空気を構成する物質(たとえば、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素など)、空気に含まれる物質(たとえば、水分、油分、塵埃、におい物質などが微粒子状或いはガス状となったもの)、空気の運動エネルギーを示す指標(温度)などを言い、人間が感じ得るまたは影響を受け得る空気の質を示す概念である。空気質は、一般的には、温度、湿度、一酸化炭素濃度、汚染物質濃度などとして、それぞれの空気質に対応した検知器(センサ)を用いて測定される。
【0018】
換気システム100は、調理器具BN近傍に設置されるレンジフード10と、調理器具BNにおける調理の状態を取得する調理状態取得部30と、調理状態取得部30が取得した調理状態に基づき調理中か否かを判定する調理状態判定部40と、遠隔からレンジフード10に対する制御信号を受信する受信部50と、受信部50が受信した制御信号に基づきレンジフード10を制御する制御部20と、を備える。
【0019】
調理状態取得部30は、調理器具BNが運転状態にあり調理が行われているか否かの状態を、調理器具BNから取得する。調理状態取得部30は、調理器具BNと通信を行い、調理器具BNから直接その状態に関する情報を取得してもよいし、カメラなどで使用者が調理器具BNを使用している状態を撮影することでその状態に関する情報を取得してもよい。なお、調理器具BNは、ガス焜炉またはIH焜炉であることが好ましい。これによれば、これらの調理器具BNの状態により調理中か否かを判定することで正確な運転状態により判定することができる。
【0020】
調理状態判定部40は、調理状態取得部30が取得した調理状態の情報に基づき、調理中か否かを判定する。調理状態判定部40は、調理状態取得部30が直接調理器具BNから火力が使用されている旨の状態を取得した場合には、実際に調理中であると判定してもよいし、使用者が調理器具BNを使用している状態を撮像画像として取得した場合には、実際に調理中か否かを総合的に判断してもよい。調理状態判定部40は、調理状態について判定を行うと制御部20に伝達する。
【0021】
受信部50は、遠隔にある遠隔操作端末TMからレンジフード10に対する制御信号を受信するために、遠隔操作端末TMと通信をする機能を有する。受信部50の通信機能は、特に限定されず、公知の通信技術により適宜実行される。受信部50は、遠隔操作端末TMから制御信号を受信すると、制御部20に伝達する。
【0022】
レンジフード10は、運転開始/停止ボタンや風量ボタンなどの操作部(図示せず)を有し、屋内の使用者の指示により運転を行うと共に、受信部50から制御部20に伝達された制御信号により運転を行うように構成されている。調理器具BNで調理をする使用者は、通常操作部を操作して、レンジフード10の運転の状態を決定する。たとえば、使用者は、強火で中華料理を調理している時には最大排気量の「強」で運転するであろうし、弱火で鍋を保温している時には最小排気量の「弱」で運転する。このように、使用者が実際に調理器具BNで調理をしている最中は、その使用者の意図の下でレンジフード10が使用されることが好ましい。
【0023】
また、レンジフード10は、遠隔から指示として伝達された制御信号により運転を行う。たとえば、建物HSには人がおらず全員が不在の場合には新しい空気質改善機能として、遠隔に居る使用者の意図の下でレンジフード10を使用することが望まれている。しかし、建物HSに人が居て調理を行っている場合に、遠隔に居る使用者の意図の下でレンジフード10を使用しようとすると、お互いの使用意思が衝突することになる。
【0024】
そこで、換気システム100では、制御部20は、受信部50がレンジフード10の運転状態を変更する制御信号を受信した場合であって調理状態判定部40が調理中であると判定した場合、レンジフード10の運転状態を変更しない。このように、遠隔から操作可能なレンジフード10において、レンジフード10の運転状態を変更する制御信号を遠隔から受信したが調理中である場合はレンジフード10の運転状態を変更しない。これにより、調理中の場合には調理する人の意図の下でレンジフード10を使用させるために遠隔操作により運転状態の変化を防止する換気システム100を提供することができる。
【0025】
なお、本実施例では、レンジフード10は、調理状態取得部30、調理状態判定部40、受信部50、制御部20を内部に有した一体構成であるが、それぞれが別体であってもよい。この場合、制御部20と通信するための公知の通信機能を他の構成要素は有する。
【0026】
図3を参照して、換気システム100における処理フローについて説明する。なお、フローチャートにおけるSはステップを意味する。換気システム100の受信部50は、S100において、遠隔操作端末TMからレンジフード10に対する指示である制御信号を受信し、制御部20にそれを伝達する。換気システム100の調理状態取得部30は、S102において、調理中か否かを示す調理器具BNの状態を取得する。換気システム100の調理状態判定部40は、S104において、調理器具BNの状態として電源がONになっており火力が使用されているか否かを判定する。
【0027】
調理器具BNの状態が電源ONでない場合は、S110において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を実行する。たとえば、屋内の空気質を屋外の空気質に近づけるために、大きな排気風量で室内の空気を排気し、外気を取り入れる。逆に、調理器具BNの状態が電源ONである場合は、S108において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を拒否し、実行せず、制御信号を受信する前の運転状態を継続する。これにより、調理中の場合には調理する人の意図を優先してレンジフード10を使用させることができる。
【0028】
なお、遠隔操作端末TMから受信した制御信号がレンジフード10の運転状態を変更する制御信号であっても、安全方向に機能する場合には、その制御信号による指示を実行してもよい。たとえば、調理器具BNが使用中であっても、排気風量を増加させる変更である場合、制御部20はその指示を実行してもよい。すなわち、制御部20は、受信部50がレンジフード10の運転状態を変更する制御信号を受信した場合であって調理状態判定部40が調理中であると判定した場合、かつ、運転状態を変更する制御信号が排気風量を増加させることを示す場合、レンジフード10の運転状態を変更してもよい。
【0029】
また、調理状態取得部30は、調理器具BNが設置された部屋を検知範囲に有する人検知部31を含んでもよい。人検知部31は、好ましくは調理器具BNの前で調理する人を検知するように通常キッチンに設置され、一般的には所謂人感センサである。人感センサは、赤外線、超音波、可視光など様々な方式により人の所在を検知するが、人検知部31は、いずれの方式であってもよい。また、人検知部31は、人感センサだけではなく、人の認識機能を有するカメラであってもよく、この場合、調理状態判定部40は、人の位置や動作などから調理中か否かを総合的に判定することが好ましい。また、人検知部31は、他に、照明のオン/オフ、冷蔵庫開け閉め、水道の開閉、物音、GPSなどを検知することにより、人の存在の有無を検知してもよい。このように、部屋の人の存在により調理中か否かを判定することで柔軟な運転状態により判定することができる。
【0030】
図4を参照して、人検知部31を使用した場合の換気システム100における処理フローについて説明する。S200〜S204は、上記S100〜S104と同じなので説明を省略する。調理器具BNの状態が電源ONでない場合は、S210において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を実行する。調理器具BNの状態が電源ONである場合は、調理状態判定部40は、S206において、人検知部31の情報により調理者がキッチンに居るか否かを判断する。調理者がキッチンに居ないと判定された場合、制御部20は、調理器具BNはONだが調理中ではないと判断し、S210において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を実行する。調理者がキッチンに居ると判定された場合、制御部20は、実際に料理中であると判断し、S208において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を拒否し、実行せず、制御信号を受信する前の運転状態を継続する。これにより、調理中の場合には調理する人の意図を優先してレンジフード10を使用させると共に、人の存在の有無により調理中か否かを判定することで柔軟に判定することができる。このように、調理状態判定部40は、レンジフード10の運転情報を使用することなく調理中か否かの判定を行うことができる。なお、調理中か否かの判定を行うにあたりレンジフード10の情報や他の機器(照明、空気清浄機、電子レンジ)の情報を総合的に見て判断するようにしてもよい。
【0031】
<第二実施例>
図5および図6を参照し、本実施例における換気システム100Aを説明する。なお、重複記載を避けるために同じ要素には同じ符号を付し説明を省略し、上記実施例と異なる点を中心に説明する。換気システム100Aは、調理器具BN近傍に設置されるレンジフード10と、調理器具BNにおける調理の状態を取得する調理状態取得部30と、調理状態取得部30が取得した調理状態に基づき調理中か否かを判定する調理状態判定部40と、遠隔からレンジフード10に対する制御信号を受信する受信部50と、受信部50が受信した制御信号に基づきレンジフード10を制御する制御部20と、受信部50が遠隔からレンジフード10に対する制御信号を受信した場合には調理状態の如何にかかわらず受信した制御信号を実行させるための強制実行モード設定部60と、を備える。
【0032】
強制実行モード設定部60は、たとえば、レンジフード10の操作部などに設けられる。使用者が在宅中に強制実行モード設定部60をセットし、出かけた時に遠隔操作端末TMからレンジフード10の運転を指示する制御信号を送信した場合、制御部20は、たとえ調理中であっても遠隔からの制御信号を優先して、実行する。このように、強制実行モード設定部60を備えることで調理中と判定される場合であっても遠隔からの操作を優先させることができる。
【0033】
図6を参照して、強制実行モード設定部60を使用した場合の換気システム100Aにおける処理フローについて説明する。S300〜S304は、上記S100〜S104と同じなので説明を省略する。調理器具BNの状態が電源ONでない場合は、S310において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を実行する。調理器具BNの状態が電源ONである場合は、S306において、強制実行モード設定部60において強制実行モードがセットされているか否かを検査する。強制実行モードがセットされている場合、制御部20は、S210において、調理中であっても遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を実行する。強制実行モードがセットされていない場合、制御部20は、S308において、遠隔操作端末TMから受信した制御信号で指示された内容を拒否し、実行せず、制御信号を受信する前の運転状態を継続する。これにより、調理中の場合であって遠隔から操作することができる。
【0034】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0035】
100 換気システム
10 レンジフード
20 制御部
30 調理状態取得部
31 人検知部
40 調理状態判定部
50 受信部
60 強制実行モード設定部
BN 調理器具
TM 遠隔操作端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6