【解決手段】コンテンツ配信システムは、利用を許諾されたユーザ情報を記憶する記憶部と、事業者からの要求により、ユーザ情報に基づいてコンテンツの配信先候補となるユーザを抽出する抽出部と、抽出されたユーザに対してコンテンツに関するオファー情報を配信し、ユーザからの応答に基づいてコンテンツを配信する配信部と、ユーザからの応答に基づいて、対価を付与する付与部と、を備える。
ユーザ端末と、管理サーバと、事業者端末とを備えるコンテンツ配信システムであって、ユーザ端末に対して事業者端末から提供される所定のコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおいて、
前記管理サーバは、
複数のユーザそれぞれからユーザ情報を取得する取得部と、
前記事業者からの要求により、前記ユーザ情報に基づいて前記コンテンツの配信先候補となるユーザを抽出する抽出部と、
前記抽出されたユーザに対して前記コンテンツに関するオファー情報を配信し、当該ユーザからの応答に基づいて当該ユーザに前記コンテンツを配信する配信部と、
を備えている、
コンテンツ配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システム及びプログラムは、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
ユーザに対して事業者のコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、
複数のユーザそれぞれから利用を許諾されたユーザ情報を記憶する記憶部と、
前記事業者からの要求により、前記ユーザ情報に基づいて前記コンテンツの配信先候補となるユーザを抽出する抽出部と、
前記抽出されたユーザに対して前記コンテンツに関するオファー情報を配信し、当該ユーザからの応答に基づいて当該ユーザに前記コンテンツを配信する配信部と、
前記ユーザからの応答に基づいて、当該ユーザに対価を付与する付与部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
このような構成によれば、ユーザに対して違和感や不快感を与えることがなく、かつ事業者に対してもイメージ悪化や出稿費の高額化を抑制するコンテンツ配信システムを提供することができる。また、事業者に対してユーザ情報が送信されないため、ユーザのプライバシーを保護することができる一方、事業者がコンテンツを配信したいユーザを抽出するため、事業者にとって効率的なコンテンツ配信を行うことができる。
[項目2]
前記ユーザからの応答に基づいて、当該ユーザに対価を付与する付与部
を更に備える、請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
[項目3]
前記事業者から、前記コンテンツの配信に関する予算情報を取得する取得部を更に備え、
前記付与部は、取得した前記予算情報に基づいて、前記対価を決定する、
請求項2に記載のコンテンツ配信システム。
[項目4]
前記配信部は、前記オファー情報が配信されたユーザから、前記コンテンツの配信を承諾する応答があった場合、当該ユーザに前記コンテンツを配信し、
前記付与部は、前記ユーザから前記コンテンツの配信を承諾する応答があった場合、当該ユーザに第1対価を付与する、
ことを特徴とする項目1に記載のコンテンツ配信システム。
このような構成によれば、ユーザに対してコンテンツの配信を承諾するインセンティブを与えることができるため、事業者にとって効果的なコンテンツ配信を行うことができる。
[項目5]
前記付与部は、前記オファー情報が配信されたユーザから、前記事業者による質問に回答する応答があったとき、当該ユーザに第2対価を付与する、
ことを特徴とする項目2に記載のコンテンツ配信システム。
このような構成によれば、ユーザに対して事業者の質問に回答するインセンティブを与えることができるため、事業者にとって効果的な情報収集を行うことができる。
[項目6]
少なくとも前記第1対価又は前記第2対価の価値は、所定の条件に応じて変動する、
請求項3に記載のコンテンツ配信システム。
[項目7]
前記オファー情報には、前記第1対価に関する情報が含まれている、
ことを特徴とする項目2乃至4のいずれか1項に記載のコンテンツ配信システム。
このような構成によれば、ユーザに対してコンテンツの配信を承諾する動機づけを与えることができるため、事業者にとって効果的なコンテンツ配信を行うことができる。
[項目8]
ユーザに対して事業者のコンテンツを配信するプログラムであって、
コンピュータを、
複数のユーザそれぞれから利用を許諾されたユーザ情報を記憶する記憶手段、
前記事業者からの要求により、前記ユーザ情報に基づいて前記コンテンツの配信先候補となるユーザを抽出する抽出手段、
前記抽出されたユーザに対して前記コンテンツに関するオファー情報を配信し、当該ユーザからの応答に基づいて当該ユーザに前記コンテンツを配信する配信手段、
前記ユーザからの応答に基づいて、当該ユーザに対価を付与する付与手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
このような構成によれば、ユーザに対して違和感や不快感を与えることがなく、かつ事業者に対してもイメージ悪化や出稿費の高額化を抑制するプログラムを提供することができる。また、事業者に対してユーザ情報が送信されないため、ユーザのプライバシーを保護することができる一方、事業者がコンテンツを配信したいユーザを抽出するため、事業者にとって効率的なコンテンツ配信を行うことができる。
【0012】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成例を示す図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、管理サーバ1を含んで構成される。管理サーバ1は、一又は複数のユーザ端末2および事業者端末3と通信ネットワーク4を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク4は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。なお、本実施形態では、事業者端末3は、ユーザ端末2と直接通信することはできず、管理サーバ1を介して情報のやりとりが行われる。
【0013】
本実施形態のコンテンツ配信システムは、一又は複数のユーザに対して、コンテンツの一例としての広告を配信しようとするものである。本実施形態のコンテンツ配信システムは、たとえば、オファー情報に対するユーザの応答に基づいて、当該ユーザに広告や対価を提供する。
【0014】
管理サーバ1は、複数のユーザに関するユーザ情報を蓄積するデータバンクとして機能したり、事業者端末3からの要求に応じてユーザ端末2に対してオファー情報や広告を配信するマーケティングプラットフォームとして機能したりするコンピュータである。管理サーバ1は、たとえば、パーソナルコンピュータやワークステーション、クラウドコンピューティングによる仮想的なコンピュータである。管理サーバ1は、事業者端末3から広告の配信先候補(ターゲット)となるユーザを検索する要求を受け付けると、蓄積(記憶)されたユーザ情報に基づいて配信先候補となるユーザを抽出する。次に、管理サーバ1は、事業者端末3から当該配信先候補となるユーザに対してオファー情報を送信する要求を受け付けると、ユーザに対してオファー情報を送信する。そして、管理サーバ1は、ユーザからのオファー情報に対する応答に基づいて、当該ユーザに対して事業者の広告を配信し、当該ユーザに対して対価を付与する。管理サーバ1は、いわゆるWebアプリケーションとしてこれらの機能を実行することを想定する。
【0015】
ユーザ端末2および事業者端末3は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。
【0016】
ユーザ端末2は、ユーザの選択に応じて管理サーバ1に送信(蓄積)するユーザ情報(パーソナルデータ)を入力または管理するパーソナルデータ管理装置として機能したり、管理サーバ1から送信されたオファー情報に対する応答などを行うコミュニケーション装置として機能したりする。ユーザ端末2には、たとえば、本実施形態に係るコンテンツ配信システムに対応するアプリケーションソフトがインストールされている。
【0017】
事業者端末3は、事業者(担当者)が管理サーバ1に対して、広告の配信先候補となるユーザを検索する要求をしたり、検索されたユーザにオファー情報や広告を配信する要求をしたりするマーケティングプラットフォームとして機能する。なお、事業者端末3は、管理サーバ1とは異なり、管理サーバ1に記憶されているユーザ情報の参照やユーザ端末2との通信が規制されている。
【0018】
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成例を示す図である。管理サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。制御部10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(図示せず)がストレージ12に構築されていてもよい。送受信部13は、管理サーバ1を通信ネットワーク4に接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fi(登録商標)などの近距離通信インターフェースを備えていてもよい。入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0019】
図3は、管理サーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ1は、受付部111、抽出部112、配信部113、付与部114、ユーザ情報記憶部151、コンテンツ情報記憶部152、およびコイン情報記憶部153を備える。
【0020】
なお、受付部111、抽出部112、配信部113および付与部114は、管理サーバ1が備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現される。また、ユーザ情報記憶部151、コンテンツ情報記憶部152およびコイン情報記憶部153は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。
【0021】
ユーザ情報記憶部151は、複数のユーザそれぞれから利用を許諾されたユーザに関する情報(以下、ユーザ情報という。)を記憶する。ユーザ情報は、いわゆるパーソナルデータであって、ユーザが自ら登録した情報や、ユーザ端末2に記憶されている情報、ユーザが利用している各種アプリのサーバに記憶されている情報などである。
図4は、ユーザ情報の構成例を示す図である。
【0022】
図4に示すように、ユーザ情報は、ユーザを識別するための情報(ユーザID、識別記号等)、)基本情報、利用サービス情報および付加情報から構成される。
【0023】
基本情報は、プロフィール情報、ステータス情報および趣味嗜好情報から構成されている。プロフィール情報は、年齢(生年月日)、性別、国籍、身長、体重などの項目から構成されている。ステータス情報は、居住地域、住所、職種、年収、未婚/結婚などの項目から構成されている。趣味嗜好情報は、趣味、飲酒の有無、喫煙の有無、好物、好きなブランドなどの項目から構成されている。
各項目に格納されている情報は、ユーザによって事前に登録されたアンケートなどの情報や、ユーザ端末2に記憶されている情報である。なお、各項目において、ユーザが利用を許諾しなかった情報、または登録を行わなかった情報には、「#N/A」が格納されている。
【0024】
利用サービス情報は、金融アプリ情報、管理アプリ情報、ライフログアプリ情報、IT利用状況情報、ECアプリ情報およびSNSアプリ情報から構成されている。金融アプリ情報は、銀行アプリ、クレジットカードアプリ、家計簿アプリ、投資アプリ、決済系アプリなどの項目から構成されている。管理アプリ情報は、カレンダーアプリ、名刺アプリ、連絡先アプリなどの項目から構成されている。ライフログアプリ情報は、ヘルスケアアプリ、睡眠アプリ、ダイエットアプリなどの項目から構成されている。IT利用状況情報は、端末の利用時間、データ通信量、通話時間などの項目から構成されている。ECアプリ情報は、Eコマースに関する各アプリ(ショッピングアプリ)の項目から構成されている。SNSアプリ情報は、SNSに関する各アプリ(SNSアプリ)の項目から構成されている。
各項目において、ユーザから連動(同期)が許諾されたアプリに対しては「連動済」が格納され、管理サーバ1はアプリのサーバにあるユーザに関する情報を自動的に取り込むことができる。例えば、銀行アプリと連動(同期)している場合には、事前にユーザによってログインIDとパスワードが登録されており、管理サーバ1は銀行アプリのサーバから出金や入金などの明細を自動で取り込むことができる。なお、各項目において、ユーザが連動を許諾しなかったアプリ、ユーザが利用していないアプリ、またはユーザが利用を許諾しなかった情報には、「#N/A」が格納されている。
【0025】
付加情報は、レシート画像情報、商品・店舗画像情報および位置情報から構成されている。レシート画像情報は、撮影された日付ごとにユーザが購入した商品のレシート画像が格納されている。商品・店舗画像情報は、撮影された日付ごとにユーザが購入した商品や店舗の画像が格納されている。位置情報は、特定された日付ごとにユーザ端末2のGPSで特定された位置情報(緯度および経度)が格納されている。なお、ユーザは、これらの付加情報(画像)に対しても、利用を許諾するか否かをユーザ端末2において選択することができる。
【0026】
コンテンツ情報記憶部152は、複数の事業者それぞれに対応するコンテンツの情報(以下、コンテンツ情報という。)を記憶する。
図5は、コンテンツ情報の構成例を示す図である。
【0027】
図5に示すように、コンテンツ情報には、事業者に対応付けて、データファイル、アンケートファイル、第1対価および第2対価が含まれている。データファイルは、事業者の商品等に関する広告のデータであって、たとえば、動画広告や記事広告である。なお、データファイルは、広告ページのURLであってもよい。アンケートファイルには、事業者の商品やイメージに関するアンケート(質問)が記述されている。本実施形態では、このアンケートは、オファー情報とともにユーザに送信される。第1対価は、コンテンツの配信(閲覧)を承諾した一のユーザに対して付与される対価である。第2対価は、事業者によるアンケート(質問)に回答した一のユーザに対して付与される対価である。なお、各ユーザに付与される第1対価と第2対価は、事業者の広告出稿料の一部又は全部が充てられている。本実施形態では、第1対価は、第2対価よりも高く設定されている。
【0028】
コイン情報記憶部153は、各ユーザの所有コインに関する情報(以下、コイン情報という。)を記憶する。
図6は、コイン情報の構成例を示す図である。
【0029】
図6に示すように、コイン情報には、複数のユーザそれぞれに対応付けて、所有コイン数が含まれている。なお、後述するように、配信部113は、ユーザに対価としてのコインを付与した場合、この所有コイン数を上昇させる。
【0030】
なお、各ユーザは、所有しているコインや、所有の履歴、交換等の履歴、失効の履歴等を管理・把握すること可能である。
【0031】
受付部111は、複数のユーザ端末2それぞれから利用を許諾されたユーザ情報などを受け付け、ユーザ情報記憶部151に記憶する。また、受付部111は、事業者端末3からの各種要求を受け付ける。
【0032】
抽出部112は、事業者端末3(事業者)からの広告の配信先候補となるユーザを検索する要求により、ユーザ情報記憶部151のユーザ情報に基づいて広告の配信先候補となるユーザを抽出する。
【0033】
配信部113は、事業者端末3(事業者)からの広告の配信先候補となるユーザに対してオファー情報を送信する要求により、当該ユーザに対してオファー情報を送信(配信)する。また、配信部113は、オファー情報が送信されたユーザからの応答に基づいて、当該ユーザに対して事業者の広告を配信する。本実施形態では、配信部113は、ユーザが広告の配信に関するオファーを承諾する応答をした場合、当該ユーザに対して事業者の広告を配信する。
【0034】
付与部114は、ユーザに対して対価(第1対価および第2対価)を付与する。本実施形態では、付与部114は、ユーザからオファーを承諾する応答があった場合、当該ユーザに対して第1対価を付与する。また、本実施形態では、付与部114は、ユーザがオファーとともに送信されたアンケート(質問)に回答する応答があった場合、当該ユーザに対して第2対価を付与する。
【0035】
図7は、管理サーバ1により実行される処理について説明する図である。
【0036】
受付部111は、ユーザ端末2から送信されたユーザ情報を受け付ける(ステップS201)。本実施形態では、受付部111は、ユーザ端末2から利用を許諾する選択が行われたユーザ情報の送信を受け付ける。
【0037】
図8は、ユーザ端末2において表示されるユーザ情報の入力管理画面300の一例を示す図である。本実施形態では、ユーザ端末2は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムに対応するアプリケーションソフトが起動されたことにより、入力管理画面300を表示させる。同図では、ユーザ情報における基本情報(プロフィール)に関する項目を入力するための入力欄301、当該項目の利用を許諾するか否かを選択するスライドボタン302、および各項目に入力された入力情報と利用を許諾するか否かの選択情報を管理サーバ1に送信するための送信ボタン303が示されている。
ユーザ端末2は、ユーザによって送信ボタン303が押下された場合、残りの基本情報(ステータス情報など)や利用サービス情報などを入力したり、当該入力した項目(情報)の利用やアプリ等との連動を許諾するか否かを選択したりすることができる画面に遷移し、これらの入力情報や選択情報を管理サーバ1に送信することができる。
なお、ユーザ端末2は、ユーザによって入力欄301に入力された情報(項目)に対して、「利用許諾しない」が選択されていた場合には、当該入力された情報を管理サーバ1には送信せず、アプリケーションソフトに対応付けてユーザ端末2内に記憶する。
【0038】
図7に戻り、受付部111は、ユーザ端末2から送信されたユーザ情報をユーザ情報記憶部151に記憶する(ステップS202)。
【0039】
受付部111は、事業者端末3から広告の配信先候補を検索する要求を受け付ける(ステップS203)。本実施形態では、受付部111は、事業者端末3から広告の配信先候補を抽出するための検索条件を受け付ける。
【0040】
図9は、事業者端末3において表示される配信先候補の検索条件指定画面400の一例を示す図である。事業者端末3は、管理サーバ1が提供するWebアプリケーションにアクセスすることにより、検索条件指定画面400を表示させる。同図では、事業者が広告の配信先候補となるユーザを抽出するための検索条件を入力する入力欄401、さらに詳細な検索条件を入力するための詳細条件追加ボタン402、および入力した検索条件を管理サーバ1に送信するための検索実行ボタン403が示されている。
なお、事業者端末3は、事業者(担当者)から詳細条件追加ボタン402が押下された場合、ユーザ情報に関する他の項目を検索条件に指定することができる画面を表示させる。
【0041】
図7に戻り、抽出部112は、事業者からの要求により、広告の配信先候補となるユーザを抽出する(ステップS204)。本実施形態では、抽出部112は、ユーザ情報記憶部151を参照し、事業者端末3から送信された検索条件に合致する一又は複数のユーザを抽出(検索)する。
【0042】
抽出部112は、広告の配信先候補として抽出(検索)した結果を事業者端末3に送信する(ステップS205)。本実施形態では、抽出部112は、上記ステップS204で抽出したユーザ数を事業者端末3に送信する。
【0043】
図10は、事業者端末3において表示される検索結果画面500の一例を示す図である。同図では、配信先候補として検索(抽出)されたユーザ数を示す結果提示領域501、検索されたユーザに対してオファーを送信するためのオファー実行ボタン502、配信先候補を再検索するための再検索ボタン503が示されている。
【0044】
図7に戻り、受付部111は、事業者端末3からオファーを送信する要求を受け付ける(ステップS206)。本実施形態では、受付部111は、事業者端末3においてオファー実行ボタン502が押下された場合に、事業者端末3からオファーを送信する要求を受け付ける。
【0045】
配信部113は、ユーザにオファー情報を送信する(ステップS207)。本実施形態では、配信部113は、上記ステップS204で抽出されたユーザのユーザ端末2に対して、広告の配信に関するオファー情報を送信(配信)する。また、配信部113は、コンテンツ情報記憶部152を参照し、オファーを送信する要求を行った事業者のアンケートファイルを取得して、オファー情報とともに当該アンケートファイルをユーザ端末2に送信する。また、本実施形態では、オファー情報には、第1対価に関する情報と第2対価に関する情報が含まれている。
【0046】
上述した第1対価又は第2対価のすくなくともいずれかは、所定の条件に応じて変動させることとしてもよい。ここで、所定の条件の例示としては、商品(コンテンツ)の属性や、ユーザの行動(購買活動、過去のオファー情報に対する対応行動等)等が上げられるがこれに限られない。
【0047】
図11は、ユーザ端末2において表示されるオファー通知画面600の一例を示す図である。同図では、オファーの詳細情報を示す詳細情報提示領域601、第1対価に関する情報を示す第1対価提示領域602、オファーを承諾するための承諾ボタン603、第2対価に関する情報を示す第2対価提示領域604、オファーは承諾せずにアンケートのみ回答するための回答ボタン605、およびオファーとアンケートの回答を拒否するための拒否ボタン606が示されている。
ユーザ端末2は、ユーザによって承諾ボタン603が押下された場合、管理サーバ1にオファーを承諾する旨の応答を行う。また、ユーザ端末2は、ユーザによって回答ボタン605が押下された場合、オファー情報とともに送信されたアンケートファイルを開いてユーザからのアンケートに対する回答を受け付け、当該回答を管理サーバ1に送信する応答を行う。また、ユーザ端末2は、ユーザによって拒否ボタン606が押下された場合、管理サーバ1にオファーを拒否する旨の応答を行う。
【0048】
図7に戻り、受付部111は、ユーザ端末2からのオファーに対する応答を受け付ける(ステップS208)。本実施形態では、受付部111は、オファーに対する応答として、「オファーの承諾」、「アンケートのみ回答」、および「オファーの拒否」の3通りの応答のいずれかを受け付ける。
【0049】
配信部113は、上記ステップS208の応答が「オファーの承諾」であったか否かを判定する(ステップS209)。当該判定が肯定された場合には、処理はステップS210に進み、否定された場合には、処理はステップS212に進む。
【0050】
配信部113は、ユーザ端末2に広告の配信を行う(ステップS210)。なお、本実施形態では、配信部113は、ユーザ端末2から広告の閲覧が完了したことを通知する情報が送信されたことを条件に、次のステップS211に進むこととしてもよい。
【0051】
付与部114は、ユーザに第1対価を付与する(ステップS211)。本実施形態では、付与部114は、コイン情報記憶部153におけるユーザに対応する所有コイン数を上昇させる。なお、付与部114は、コンテンツ情報記憶部152に記憶されている第1対価をユーザの所有コイン数の上昇量とする。
【0052】
配信部113は、上記ステップS208の応答が「アンケートのみ回答」であったか否かを判定する(ステップS212)。当該判定が肯定された場合には、処理はステップS213に進み、否定された場合には、処理はステップS214に進む。
【0053】
付与部114は、ユーザに第2対価を付与する(ステップS213)。本実施形態では、付与部114は、コイン情報記憶部153におけるユーザに対応する所有コイン数を上昇させる。なお、付与部114は、コンテンツ情報記憶部152に記憶されている第2対価をユーザの所有コイン数の上昇量とする。
【0054】
配信部113は、上記ステップS211または上記ステップS213において付与された対価をユーザ端末2に通知する(ステップS214)。なお、配信部113は、対価が付与されなかったユーザに対しては、当該通知を行わない。
【0055】
図12は、ユーザ端末2において表示される対価の獲得通知画面700の一例を示す図である。同図では、ユーザが獲得した対価の詳細情報を示す詳細情報提示領域701が示されている。
【0056】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0057】
本実施形態では、管理サーバ1が機能部と記憶部とを両方備えているものとしたが、これに限らず、たとえば、記憶部をデータベースサーバが備えるようにし、管理サーバ1からデータベースサーバにアクセスするようにしてもよい。
【0058】
本実施形態では、受付部111は、上記ステップS201においてユーザ端末2から利用を許諾する選択が行われたユーザ情報の送信を受け付けることを説明したが、利用を許諾しないユーザ情報の送信を受け付けてもよい。この場合、受付部111は、ステップS202において送信されたユーザ情報をユーザ情報記憶部151に記憶する際、利用が許諾されていないユーザ情報には、配信先候補の検索(抽出)に使用しないことを示す情報を付加する。
【0059】
本実施形態では、配信部113は、上記ステップS207においてユーザ端末2に広告に関するオファー情報を送信することを説明したが、このオファー情報とともに広告(コンテンツ)も送信することとしてもよい。この場合、ユーザ端末2は、ユーザからオファーを承諾する応答があったとき、オファー情報の表示(オファー通知)に続けて広告を表示させる。
【0060】
上述した実施の形態においては、ユーザは自己のユーザ端末の情報のうち、事業者に提供してもよい一部の情報を管理サーバ1に送信することとしていた。即ち、管理サーバ1は、ユーザ端末の一部の情報を管理することとしていた。しかしながら、例えば、送信した情報の一部を特定の事業者に対して提供可能又は不可能にしたりというカスタマイズをすることとしてもよい。これにより、情報の許諾のパターンや、事業者毎の提供のカスタマイズが可能になる。
【0061】
また、ユーザ端末から全ての情報を一括で送信させることとし、送信した情報に全ての事業者又は事業者毎に許諾の可否を表すラベルを付すこととしてもよい。これにより、ユーザは、管理サーバに送信する情報をユーザ端末側で選択する必要がなくなる。
【0062】
<第2の実施の形態>
続いて、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図13は、本実施の形態において管理サーバ1により実行される処理について説明する図である。なお、本実施の形態においては、上述した実施の形態において同一の機能を有する要素(
図3等参照)については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0063】
第1の実施の形態における管理サーバ1の受付部111は、ユーザ端末2から送信されたユーザ情報を受け付けていた。しかしながら、本実施の形態では、まず、ユーザ端末2においてユーザ情報が匿名化される(S302)。
【0064】
匿名化は、個人が識別できない状態にする加工であり、例えばk−匿名化などが例示できるがこれ以外の方法であってもよい。また、情報のクラスタリングによる上位概念化、カテゴリ化等により、情報を抽象化することとしてもよい。
【0065】
受付部111は、ユーザ端末2によって匿名化されて送信された匿名ユーザ情報をユーザ情報記憶部151に記憶する(ステップS306)。
【0066】
その後、上述した第1の実施の形態と同様に、受付部111は、事業者端末3から広告の配信先候補を検索する要求を受け付ける(ステップS308)。本実施形態では、受付部111は、事業者端末3から広告の配信先候補を抽出するための検索条件を受け付ける。
【0067】
本実施の形態による抽出部112は、更に、匿名ユーザ情報と、検索条件とをマージするための手段を有している。即ち、例えば、匿名化されたユーザ情報にタグ付け等を行うことにより、それをキーにして検索条件とマッチング可能となる。
【0068】
抽出部112は、事業者からの要求により、広告の配信先候補となるユーザを抽出する(ステップS312)。本実施形態では、抽出部112は、ユーザ情報記憶部151を参照し、事業者端末3から送信された検索条件に合致する一又は複数のユーザを抽出(検索)する。
【0069】
抽出部112は、広告の配信先候補として抽出(検索)した結果を事業者端末3に送信する(ステップS314)。本実施形態では、抽出部112は、上記ステップS312で抽出したユーザ数を事業者端末3に送信する。
【0070】
その後、受付部111は、事業者端末3からオファーを送信する要求を受け付ける(ステップS316)。本実施形態では、受付部111は、事業者端末3においてオファー実行ボタン502が押下された場合に、事業者端末3からオファーを送信する要求を受け付ける。
【0071】
このような構成によれば、管理サーバ1は、実質的に個人情報を保有することがなく、コンテンツのマッチングを安全に行うことが可能となる。
【0072】
<第3の実施の形態>
上述した実施の形態においては、ユーザの情報は管理サーバ1において記憶・管理することとしていた。しかしながら、ユーザ情報をユーザ端末側で管理することとしてもよい。これにより、個人情報を含むユーザ情報をユーザ端末から外に出すことなくシステムを提供することが可能となる。
【0073】
図14に示されるように、管理サーバの抽出部は、事業者からの要求(条件情報)に基づいて、確認リクエストをユーザ端末に送信してこの条件情報を満たすユーザ端末から要求充足情報を送信させる。これにより、管理サーバ1においては、事業者側が所望とする条件を満たすユーザ端末の情報を得ることができる。こうして得たユーザ端末に対して上述したオファー情報を送信する。
【0074】
また、
図15に示されるように、ユーザ情報は分散型台帳技術により所定の端末に分散して保持させることとしてもよい。この場合、管理サーバは、複数のユーザそれぞれから利用を許諾された各自のユーザ情報及び当該ユーザ情報に関連付けられた識別情報を取得する。
【0075】
事業者からの要求により、ユーザ情報に基づいて識別情報を抽出する抽出部と、
抽出された識別情報に関連づけられたユーザに対してオファー情報を配信することとしてもよい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においては、ユーザの獲得したコイン等の経済的価値の取引履歴を可視化することが可能となる。
【0076】
即ち、管理サーバ1は、ユーザからのリクエストに応じて、少なくとも、コインの付与の履歴、他の対価への交換の履歴、対価の失効の履歴に関する情報を提供するポイント履歴提供部を備えている。
【0077】
この場合、例えば、
図16に示されるように、日付、ユーザ又はシステム側が起こしたアクション、コインの変動量に関する項目を添えたテーブル等にて履歴を管理すればよい。
【0078】
図示されるように、テーブルには、提供情報の欄が設けられている。即ち、コインが付与された際に、どのような情報を提供したのかがわかる。当該部分は、ユーザにとっての自分の情報の価値に等しい意味を持つ。
【0079】
<第5の実施の形態>
本実施の形態においては、ユーザが事業者端末に提供したユーザ情報の使われ方や提供先を可視化することが可能となる。
【0080】
管理サーバ1は、ユーザからのリクエストに応じて、少なくとも、ユーザ情報の利用履歴を提供する情報履歴提供部を備えている。
【0081】
この場合、例えば、
図17に示されるように、日付、情報の提供先、提供された情報を少なくとも含むテーブルで管理される。
【0082】
ユーザは、自己の情報が誰に対して使用されたのかを知ることができる。