特開2020-120701(P2020-120701A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020120701-パン焼き方法 図000005
  • 特開2020120701-パン焼き方法 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-120701(P2020-120701A)
(43)【公開日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】パン焼き方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/08 20060101AFI20200717BHJP
【FI】
   A47J37/08
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-12688(P2019-12688)
(22)【出願日】2019年1月29日
(11)【特許番号】特許第6653984号(P6653984)
(45)【特許公報発行日】2020年2月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2019年1月22日共同通信ニュースで発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2019年1月15日にhttps://marna−inc.co.jp/news/20190115−4にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2019年1月19日にhttps://www.j−cast.com/trend/2019/01/19348317.htmlにて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2019年1月15日にhttps://www.nikkei.com/article/DGXLRSP499944_V10C19A10000000/にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2019年1月25日にhttps://sumaiweb.jp/articles/139589にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】591203831
【氏名又は名称】株式会社マーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100079072
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 有里子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一般の簡易なトースターを用いて、水分を含んだ美味なトーストパンを焼くことのできる加湿具を提供すること。
【解決手段】加湿具1は水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製で、パン焼き用のトースター内に配置され、一部が開放された空洞の筐体形状とし、予め水に浸して充分に水分を吸収させ、パン焼き用のトースター内にパンと共に配置して加熱すると、吸収していた水分が蒸発してパンに適度の湿り気を付与することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製で、パン焼き用のトースター内に配置される加湿具。
【請求項2】
一部が開放された空洞の筐体形状としたことを特徴とする請求項1に記載の加湿具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トーストとしてパンを焼くに際して用いるための加湿具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パンを食するに当たってトースターでパンを焼くことは広く行われているが、香ばしく焼こうとするとパンに含まれていた水分が飛び過ぎてしまう傾向にあり、食感や味覚、更には風味が落ちる問題があった。
【0003】
焼いたパンであっても適度の水分が残っていたほうが弾力性があって美味である。特に冷凍したパン、日にちの経てしまったパンなどは水分を含む割合が少ないため、トーストとして焼いてしまうと更に水分が減少し、上記した不満の残る処である。このような点の対処として以下のような提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2016/117667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した発明は、トースター内に水蒸気発生器を組み込んだ構成で、トーストとして焼いたパンに適度の水分を含ませることができるが、装置として複雑で高価なものである。
【0006】
よって本発明は、上述した従来技術の不都合、不満を解消するべく発明されたものであって、従来の一般の簡易なトースターを用いて、水分が損なわれることのない美味なトーストパンを焼くことのできる加湿具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の加湿具は、水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製で、パン焼き用のトースター内に配置されることを特徴とする構成である。
【0008】
またこの加湿具は、一部が開放された空洞の筐体形状とした構成である。
【発明の効果】
【0009】
従って、本発明の加湿具を予め水に浸しておくと素焼きの陶磁器製であるため充分に水分を吸収し、パン焼き用のトースター内にパンと共に配置して加熱すると、吸収していた水分が蒸発してパンに適度の湿り気を付与することができて美味なトーストパンを得ることができるのであり、しかも従来のトースターをそのまま使用することができる。
【0010】
またこの加湿具を一部が開放された空洞の筐体形状とすれば、全体としては小型でも表面積が大きくなるので、保湿量が大きく且つ水分が発散し易くなり、且つトースター内に邪魔になることなく配置できる等、本発明は多くの優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は本発明の加湿具の実施例を示す斜視図、(b)は断面斜視図である。
図2】本発明の加湿具をトースターに配置した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の加湿具1は、水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製であって、パン焼き用のトースター内に配置され、一部が開放された空洞の筐体形状とする。
【実施例】
【0013】
図2はトースター2内の2枚のスライスパン3の間に加湿具1を配置した状態を示したもので、使用前に加湿具1を約20秒ほど水に浸し、充分の水分を含ませておく。
【0014】
加湿具1の形状はいかなる形態でもよく、例えば単なる平板状であっても良いが、可能な限り吸水量が多いほうが望ましく、しかしながら狭いトースター2内ではコンパクトに収納しなければならないので、小型でありながら表面積が大きくて蒸発効率が高まるように図1に示したような一部が開口した空洞の筐体形状としている。
【0015】
図示例の加湿具1は食パンの形態を模しており、トースター2のスライスパン3が載置される部分は網構造であるので、下方を開放することにより加熱されて発する蒸気が網を通してスライスパン3の下面にも当たることになる。従って、焼かれたスライスパン3は表面にこんがりとした焼き目が付くと共に内部は水分を残したふっくら感のある美味なトーストとなる。
【0016】
表はパンの加熱前と加熱後の表面水分量と重量の実験結果で、表の記載欄で、約20秒ほど水に浸した本発明の加湿具1を用いた場合を「あり」、使用しなかった場合を「なし」とし、6枚切りのスライスパンを580W目盛のトースターで3分間、夫々10回の計測を行ったもので、水分量は表面の5か所を計測してデータとして表示したものである。また表1は常温のスライスパン、表2は冷凍のスライスパンのデータである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
上記各データよりすると、表1の常温の場合、10枚のサンプルスライスパンの平均水分測定値は焼く前で26.1%で、本発明の加湿具1を使用しなかった場合の焼いた後は21.4%と水分が減少しているのに対し、本発明の加湿具1を用いた場合の焼いた後は26.1%で水分に変動はなく、焼いた後の重量変化は、本発明の加湿具1を用いた場合は91.0%なのに対し、使用しなかった場合は89.6%と軽くなっている、即ち水分が減少していることが読み取れる。
この傾向は表2の冷凍の場合も同様で、平均水分測定値は焼く前で19.8%で、本発明の加湿具1を使用しなかった場合の焼いた後は15.7%と水分が減少しているのに対し、本発明の加湿具1を用いた場合の焼いた後は16.1%で水分の減少は少なく、焼いた後の重量変化は、本発明の加湿具1を用いた場合は92.6%なのに対し、使用しなかった場合は90.9%と軽くなっている、即ち水分が減少していることが読み取れる。
【0020】
これらの実験結果よりして、パンのトースト焼きに際し本発明の加湿具を用いれば、高価にして複雑な装置を用いることなく、従来のトースターを使用して、適度の湿り気を有する美味なトーストパンを得ることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 加湿具
2 トースター
3 スライスパン
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2019年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製で、一部が開放された空洞の小型筐体形状とし、パン焼き用のトースター内に配置される加湿具。
【手続補正書】
【提出日】2020年1月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製で、一部が開放された空洞の小型筐体形状とした加湿具を、パンと共にパン焼き用のトースター内に配置して、パンを加湿焼成することを特徴とするパン焼き方法
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、ふっくらとしたパンを加湿焼成するパン焼き方法に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
よって本発明は、上述した従来技術の不都合、不満を解消するべく発明されたものであって、従来の一般の簡易なトースターを用いて、水分が損なわれることのない美味なトーストパンを焼く方法を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、水分を充分に吸収できる素焼きの陶磁器製で、一部が開放された空洞の小型筐体形状とした加湿具を、パンと共にパン焼き用のトースター内に配置して、パンを加湿焼成することを特徴とするパン焼き方法である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】