特開2020-12106(P2020-12106A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2020012106-両面粘着テープ 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-12106(P2020-12106A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】両面粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20191220BHJP
   C09J 7/26 20180101ALI20191220BHJP
   C09J 7/29 20180101ALI20191220BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   C09J7/38
   C09J7/26
   C09J7/29
   B32B27/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-125325(P2019-125325)
(22)【出願日】2019年7月4日
(31)【優先権主張番号】特願2018-127568(P2018-127568)
(32)【優先日】2018年7月4日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 寛幸
(72)【発明者】
【氏名】川本 友也
(72)【発明者】
【氏名】石堂 泰志
(72)【発明者】
【氏名】土居 智
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AK01B
4F100AK01D
4F100AK12B
4F100AK12D
4F100AK25A
4F100AK25B
4F100AK25D
4F100AK25E
4F100AK42B
4F100AL02B
4F100AL02D
4F100AL09B
4F100AL09D
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100CB05A
4F100CB05E
4F100GB41
4F100JB16B
4F100JB16D
4F100JK02B
4F100JK02D
4F100JK07B
4F100JK07D
4F100JK08B
4F100JK08D
4F100JL13A
4F100JL13E
4F100YY00B
4F100YY00D
4J004AA10
4J004AB01
4J004BA02
4J004CA03
4J004CA04
4J004CB04
4J004CC03
4J004DB02
4J004EA05
4J004FA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープを提供する。
【解決手段】スキン層2bを有する発泡体2と、前記発泡体2の両面にそれぞれ配置された第1の粘着剤層31及び第2の粘着剤層32とを有する両面粘着テープ1であって、前記発泡体2と前記第1の粘着剤層31の間、及び、前記発泡体2と前記第2の粘着剤層32の間に、引張破断点応力が4MPa以上である第1の樹脂層41及び第2の樹脂層42をそれぞれ有する両面粘着テープ1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキン層を有する発泡体と、前記発泡体の両面にそれぞれ配置された第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層とを有する両面粘着テープであって、
前記発泡体と前記第1の粘着剤層の間、及び、前記発泡体と前記第2の粘着剤層の間に、引張破断点応力が4MPa以上である第1の樹脂層及び第2の樹脂層をそれぞれ有する
ことを特徴とする両面粘着テープ。
【請求項2】
第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方は、引張破断点伸びが200%以上であることを特徴とする請求項1記載の両面粘着テープ。
【請求項3】
第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方は、引張弾性率が200MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の両面粘着テープ。
【請求項4】
第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を構成する樹脂は、熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の両面粘着テープ。
【請求項5】
熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項4記載の両面粘着テープ。
【請求項6】
ブロック共重合体は、トリブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項5記載の両面粘着テープ。
【請求項7】
ブロック共重合体におけるトリブロック共重合体の割合が50重量%以上であることを特徴とする請求項6記載の両面粘着テープ。
【請求項8】
ブロック共重合体は、トリブロック共重合体及びジブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の両面粘着テープ。
【請求項9】
ブロック共重合体におけるハードセグメントの割合が10重量%以上、70重量%以下であることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載の両面粘着テープ。
【請求項10】
熱可塑性エラストマーは、スチレン−アクリル系共重合体であることを特徴とする請求項4、5、6、7、8又は9記載の両面粘着テープ。
【請求項11】
スチレン−アクリル系共重合体は、スチレンとアクリル酸に由来するハードセグメントと、n−アクリル酸ブチルに由来するソフトセグメントとを有するスチレン−アクリル系トリブロック共重合体であることを特徴とする請求項10記載の両面粘着テープ。
【請求項12】
スチレン−アクリル系トリブロック共重合体中におけるスチレンとアクリル酸に由来するハードセグメントの割合が10重量%以上、50重量%以下であり、かつ、前記スチレン−アクリル系トリブロック共重合体の重量平均分子量が2万以上であることを特徴とする請求項11記載の両面粘着テープ。
【請求項13】
発泡体は、ポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の両面粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistants、PDA)等の携帯電子機器においては、組み立てのために両面粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1、2)。また、車載用パネル等の車載用電子機器部品を車両本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−242541号公報
【特許文献2】特開2009−258274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電子機器、車載用電子機器等は、高機能化に伴って形状がより複雑化する傾向にあるため、段差、角、非平面部等に両面粘着テープを貼り付けて用いることがある。このような場合、両面粘着テープを変形させた状態で固定するため、元の形状に戻ろうとする力、即ち、復元力や反発力が働き、時間の経過とともに両面粘着テープが剥離することがある。特に部品を変形させた状態で固定する場合、部品自体が元の形状に戻ろうとすることで、両面粘着テープに大きな復元力や反発力がかかる。復元力や反発力による剥離を防止するためには、両面粘着テープに優れた柔軟性(応力緩和性)が要求される。優れた柔軟性を有する両面粘着テープとして、発泡体基材を用いた両面粘着テープが知られている。
【0005】
また、携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等はより高価になる傾向にあるため、例えば仮固定を行った場合や部品固定の際に不具合が生じた場合等には、部品をリワークできることが求められている。特に両面粘着テープにおいては、両粘着面において部品をリワークできることが求められている。
しかしながら、発泡体基材は柔軟性が高い一方で強度が不充分であるため、発泡体基材を用いた両面粘着テープは、部品から剥がす際に発泡体基材が割れたり切れたりしやすく、両面粘着テープの一部が部品上に残ってしまう問題がある。即ち、両面粘着テープの柔軟性と、両粘着面における被着体のリワーク性とを両立することは容易なことではない。
【0006】
本発明は、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スキン層を有する発泡体と、前記発泡体の両面にそれぞれ配置された第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層とを有する両面粘着テープであって、前記発泡体と前記第1の粘着剤層の間、及び、前記発泡体と前記第2の粘着剤層の間に、引張破断点応力が4MPa以上である第1の樹脂層及び第2の樹脂層をそれぞれ有する両面粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
発泡体基材が割れたり切れたりすることを防止して被着体のリワーク性を向上させるためには、例えば発泡体基材と粘着剤層の間にポリエチレンテレフタレート(PET)シートを配置すること等により、両面粘着テープの強度を高めることが考えられる。しかしながら、発泡体基材の片面のみにPETシートを配置した場合は被着体のリワーク性が向上するものの、両面に配置すると両面粘着テープの柔軟性が大きく損なわれてしまい、復元力や反発力により剥離しやすくなるだけでなく、製造後にロール状体に巻き取る際にシワや折れが生じるという問題も生じる。
これに対して、本発明者らは、発泡体と、発泡体の両面にそれぞれ配置された第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層とを有する両面粘着テープにおいて、発泡体をスキン層を有するものとし、更に、発泡体と第1の粘着剤層の間、及び、発泡体と第2の粘着剤層の間に、第1の樹脂層及び第2の樹脂層をそれぞれ配置した。更に、本発明者らは、第1の樹脂層及び第2の樹脂層の引張破断点応力を一定以上となるように調整することで、両面粘着テープの強度と柔軟性とのバランスを取ることを検討した。本発明者らは、このような両面粘着テープとすることにより、両面粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができること、即ち、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の両面粘着テープは、スキン層を有する発泡体と、上記発泡体の両面にそれぞれ配置された第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層とを有する。
上記発泡体はスキン層を有する。上記発泡体を、スキン層を有するものとすることにより、両面粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができる。即ち、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープを得ることができる。上記発泡体は、発泡層の両面にスキン層を有する構造であることがより好ましい。
なお、上記スキン層とは、上記発泡体の表層部に存在する層であって、上記発泡体の内側(コア部分)の気泡がある層(発泡層)に隣接して存在する層を意味する。スキン層は発泡層よりも密度が高い層であり、好ましくは気泡が極めて少ない、より好ましくは気泡がない(後述の拡大写真で気泡が確認できない)層である。
【0010】
上記発泡体は、連続気泡構造を有していても独立気泡構造を有していてもよいが、独立気泡構造を有することが好ましい。上記発泡体が独立気泡構造を有することで、より優れた基材強度を発揮することができる。上記発泡体は、単層構造であっても多層構造であってもよい。
【0011】
上記発泡体を構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のオレフィン系エラストマー、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)等のエラストマー樹脂等が挙げられる。なかでも、気泡構造を制御しやすく優れた強度と柔軟性とを発揮できることから、ポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン樹脂が好ましい。上記ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられる。
【0013】
また、上記ポリエチレン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、上記発泡体に高い柔軟性を与えるとともに、上記発泡層及び上記スキン層の薄肉化が可能になる。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと必要に応じて少量のα−オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。この場合、エチレンの含有量は特に限定されないが、全モノマー量に対して75重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましい。
上記α−オレフィンとして、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
【0014】
上記ポリエチレン樹脂の密度は特に限定されないが、好ましい下限は0.870g/cm、好ましい上限は0.910g/cmであり、より好ましい下限は0.875g/cm、より好ましい上限は0.907g/cmであり、更に好ましい下限は0.880g/cm、更に好ましい上限は0.905g/cmである。
上記ポリエチレン樹脂としては、複数のポリエチレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリエチレン樹脂を加えてもよい。
【0015】
上記スキン層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.01mm、好ましい上限は0.15mmである。上記スキン層の厚みが0.01mm以上であれば、両面粘着テープの強度が充分となり、被着体に残渣を残すことなく両面粘着テープを剥離することができ、両粘着面における被着体のリワーク性が向上する。上記スキン層の厚みが0.15mm以下であれば、上記スキン層を設けても両面粘着テープの柔軟性が損なわれることがなく、復元力や反発力による両面粘着テープの剥離を抑制できるとともに、ロール状体に巻き取る際のシワや折れを抑制することができる。両面粘着テープの強度及び柔軟性の観点から、上記スキン層の厚みのより好ましい下限は0.03mm、より好ましい上限は0.1mmである。上記スキン層の厚みは、例えば、発泡体原反の架橋時に照射する電子線の加速電圧及び線量、並びに発泡体原反押出し時のダイの形状による冷却時間の違い等によって調整することができる。なお、発泡層の両面にスキン層を有する構造である場合は、少なくとも一方のスキン層が上記の厚みを有することが好ましく、両方のスキン層が上記の厚みを有することがより好ましい。
また、気泡が極めて少ない層がスキン層、気泡がある層が発泡層であるため、気泡が極めて少ない層と気泡がある層との境界から発泡体の表面までの距離をスキン層の厚みとする。このとき、デジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、「VHX−900」等)を用いて、500倍倍率で発泡体の断面の拡大写真を撮影し、スキン層と発泡層との境界を確認する。
【0016】
上記発泡体の密度は特に限定されないが、好ましい下限は0.03g/cm、好ましい上限は0.8g/cmである。上記発泡体の密度をこの範囲内とすることにより、両面粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができる。両面粘着テープの強度及び柔軟性の観点から、上記発泡体の密度のより好ましい下限は0.04g/cm、より好ましい上限は0.7g/cmであり、更に好ましい下限は0.055g/cm、更に好ましい上限は0.6g/cmであり、特に好ましい下限は0.06g/cm、特に好ましい上限は0.5g/cmである。
なお、上記発泡体の密度とは、上記スキン層を含めた発泡体全体について測定した密度を意味する。密度は、JIS K 6767に準拠して電子比重計(例えば、ミラージュ社製、「ED120T」)を使用して測定できる。
【0017】
上記発泡体の25%圧縮強度は特に限定されないが、好ましい下限は40kPa、好ましい上限は100kPaである。上記発泡体の25%圧縮強度をこの範囲内とすることにより、両面粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができる。両面粘着テープの強度及び柔軟性を更に向上させる観点から、上記発泡体の25%圧縮強度のより好ましい下限は50kPa、より好ましい上限は80kPaである。
なお、上記発泡体の25%圧縮強度とは、上記スキン層を含めた発泡体全体について測定した25%圧縮強度を意味する。25%圧縮強度は、JIS K 6254に準拠し測定することで求めることができる。
【0018】
上記発泡体の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.2mm、好ましい上限は2.9mmである。上記発泡体の厚みをこの範囲内とすることにより、両面粘着テープを携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の固定に好適に用いることができる。上記部品等の固定により好適に用いることができる観点から、上記発泡体の厚みのより好ましい下限は0.3mm、より好ましい上限は2.5mmである。
なお、上記発泡体の厚みとは、上記スキン層を含めた発泡体全体の厚みを意味する。
【0019】
上記第1の粘着剤層と第2の粘着剤層(以下、両者をあわせて単に「粘着剤層」ともいう。)は同じ組成であってもよいし、それぞれ異なる組成であってもよい。上記粘着剤層は特に限定されず、例えば、アクリル粘着剤層、ゴム系粘着剤層、ウレタン粘着剤層、シリコーン系粘着剤層等が挙げられる。なかでも、光、熱、水分等に対し比較的安定で、種々の被着体に接着が可能である(被着体選択性が低い)ことから、アクリル共重合体を含有するアクリル粘着剤層が好ましい。
【0020】
上記アクリル粘着剤層を構成するアクリル共重合体は、ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとを含むモノマー混合物を共重合して得られることが好ましい。全モノマー混合物に占めるブチルアクリレートの含有量の好ましい下限は40重量%、好ましい上限は80重量%である。上記ブチルアクリレートの含有量をこの範囲内とすることにより、上記アクリル粘着剤層が高い粘着力とタック性とを両立することができる。全モノマー混合物に占める2−エチルヘキシルアクリレートの含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は40重量%である。上記2−エチルヘキシルアクリレートの含有量をこの範囲内とすることにより、上記アクリル粘着剤層が高い粘着力を発揮することができる。
【0021】
上記モノマー混合物は、必要に応じてブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート以外の共重合可能な他の重合性モノマーを含んでいてもよい。上記共重合可能な他の重合性モノマーとして、例えば、アルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能性モノマー等が挙げられる。
上記アルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等が挙げられる。上記アルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。上記官能性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0022】
上記モノマー混合物を共重合して上記アクリル共重合体を得るには、上記モノマー混合物を、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記モノマー混合物をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
【0023】
上記アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましい下限が40万、好ましい上限が150万である。上記アクリル共重合体の重量平均分子量をこの範囲内とすることにより、上記アクリル粘着剤層が高い粘着力を発揮することができる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は50万、より好ましい上限は140万である。
なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0024】
上記アクリル共重合体の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は、好ましい上限が10.0である。Mw/Mnが10.0以下であると、低分子成分の存在比率が抑えられ、上記アクリル粘着剤層の高温下での軟化が抑えられ、バルク強度の低下が抑制され接着強度の低下が抑制される。Mw/Mnのより好ましい上限は3.0である。
【0025】
上記粘着剤層は、粘着付与樹脂を含有してもよい。
上記粘着付与樹脂として、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記粘着剤層の主成分となる樹脂(例えば、アクリル共重合体)100重量部に対する好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が10重量部以上であると、上記粘着剤層の粘着力の低下が抑制される。上記粘着付与樹脂の含有量が60重量部以下であると、上記粘着剤層が硬くなり難く粘着力又はタック性の低下が抑制される。
【0027】
上記粘着剤層は、架橋剤が添加されることにより上記粘着剤層を構成する樹脂(例えば、上記アクリル共重合体、上記粘着付与樹脂等)の主鎖間に架橋構造が形成されていることが好ましい。上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記粘着剤層にイソシアネート系架橋剤が添加されることで、イソシアネート系架橋剤のイソシアネート基と上記粘着剤層を構成する樹脂(例えば、上記アクリル共重合体、上記粘着付与樹脂等)中のアルコール性水酸基とが反応して、上記粘着剤層の架橋が緩くなる。従って、上記粘着剤層は、断続的に加わる剥離応力を分散させることができ、両面粘着テープの粘着力がより向上する。
上記架橋剤の添加量は、上記粘着剤層の主成分となる樹脂(例えば、上記アクリル共重合体)100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜7重量部がより好ましい。
【0028】
上記粘着剤層の架橋度は、高すぎても低すぎても、大きなせん断方向の負荷が加わると被着体から剥離しやすくなることがあるので、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましく、15〜50重量%が更に好ましく、20〜45重量%が更により好ましく、30〜40重量%が非常に好ましい。
なお、上記粘着剤層の架橋度は、上記粘着剤層をW(g)採取し、この粘着剤層を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量W(g)を測定し、下記式(1)により算出する。
架橋度(重量%)=100×W/W (1)
【0029】
上記粘着剤層は、粘着力を向上させる目的で、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、エポキシシラン類、アクリルシラン類、メタクリルシラン類、アミノシラン類、イソシアネートシラン類等が挙げられる。
【0030】
上記粘着剤層は、遮光性を付与する目的で、着色材を含有してもよい。上記着色材は特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、酸化チタン等が挙げられる。なかでも、比較的安価で化学的に安定であることから、カーボンブラックが好ましい。
【0031】
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、片面の粘着剤層の厚みの好ましい下限は0.01mm、好ましい上限は0.1mmである。上記粘着剤層の厚みをこの範囲内とすることにより、両面粘着テープを携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の固定に好適に用いることができる。上記部品等の固定により好適に用いることができる観点から、上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は0.015mm、より好ましい上限は0.09mmである。
【0032】
本発明の両面粘着テープは、上記発泡体と上記第1の粘着剤層の間、及び、上記発泡体と上記第2の粘着剤層の間に、第1の樹脂層及び第2の樹脂層(以下、両者をあわせて単に「樹脂層」ともいう。)をそれぞれ有する。
上記樹脂層は、引張破断点応力が4MPa以上である。上記樹脂層を配置し、その引張破断点応力をこの範囲内となるように調整することで、両面粘着テープの強度と柔軟性とのバランスを取り、両面粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができる。即ち、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープを得ることができる。被着体のリワーク性を更に高める観点から、上記樹脂層の引張破断点応力は5MPa以上であることが好ましく、7MPa以上であることがより好ましい。上記樹脂層の引張破断点応力の上限は特に限定されないが、実質的には200MPa程度が上限である。
【0033】
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方は、引張破断点伸びが200%以上であることが好ましい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を引張破断点伸びが200%以上のより伸びやすい樹脂層とすることにより、被着体に残渣を残すことなく両面粘着テープを剥離することができ、両粘着面における被着体のリワーク性が向上する。また、両面粘着テープ全体の柔軟性を確保して、復元力や反発力による両面粘着テープの剥離を抑制することができる。更に、両面粘着テープをロール状体に巻き取る際のシワや折れを抑制することができ、取り扱い性が格段に向上する。被着体のリワーク性をより高める観点から、上記引張破断点伸びは300%以上であることが好ましく、450%以上であることがより好ましい。上記引張破断点伸びの上限は特に限定されないが、実質的には1500%程度が上限である。
【0034】
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方は、引張弾性率が200MPa以下であることが好ましい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を引張弾性率が200MPa以下のより柔軟な樹脂層とすることにより、両面粘着テープ全体の柔軟性を確保して、復元力や反発力による両面粘着テープの剥離を抑制することができる。また、両面粘着テープをロール状体に巻き取る際のシワや折れを抑制することができ、取り扱い性が格段に向上する。
【0035】
なお、本明細書において引張破断点応力、引張破断点伸び及び引張弾性率は、樹脂層の機械特性を意味し、JIS K 7161に準ずる方法により測定することができる。
具体的には例えば、高分子計器社製の打ち抜き刃「引張3号型ダンベル状」等を用いて、上記樹脂層をダンベル状に打ち抜いて試験片を作製する。得られた試験片を、例えば島津製作所社製「オートグラフAGS−X」等を用いて、引張速度100mm/minで測定し試験片を破断させる。試験片が破断した際の単位面積当たりの破断強度から引張破断点応力を算出する。試験片が破断した際の伸びから、「(破断時掴み具間距離/初期掴み具間距離)×100」にて引張破断点伸びを算出する。1〜3%の歪み間の引張強度の傾きから引張弾性率を算出する。
【0036】
上記樹脂層を構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。なかでも、柔軟性に優れていることから、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂のなかでは、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0037】
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を構成する樹脂は、柔軟性及び被着体のリワーク性を更に高める観点から、熱可塑性エラストマーを含むことが好ましい。
上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を構成する樹脂における上記熱可塑性エラストマーの割合は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上であり、100重量%であってもよい。上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を構成する樹脂における上記熱可塑性エラストマーの割合は、通常100重量%以下である。
【0038】
上記熱可塑性エラストマーは、柔軟性及び被着体のリワーク性を更に高める観点から、ハードセグメントとソフトセグメントとを有するブロック共重合体であることが好ましい。
上記ブロック共重合体は、トリブロック共重合体を含むことが好ましい。上記ブロック共重合体がトリブロック共重合体を含むことにより、上記樹脂層が弾性体としての強度、伸び、柔軟性及び自己粘着性を発揮することができ、また、上記樹脂層と上記発泡体との密着性がより向上して両面粘着テープにより優れたリワーク性を付与することができる。また、上記ブロック共重合体は、柔軟性及び被着体のリワーク性を更に高める観点から、トリブロック共重合体及びジブロック共重合体を含む(トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物である)ことも好ましい。
上記ブロック共重合体における上記トリブロック共重合体の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。上記ブロック共重合体における上記トリブロック共重合体の割合は、通常100重量%以下である。
【0039】
上記ブロック共重合体におけるハードセグメントの割合は、10重量%以上、70重量%以下であることが好ましく、12重量%以上、65重量%以下であることがより好ましく、14重量%以上、60重量%以下であることが更に好ましく、50重量%以下であることが特に好ましい。上記ハードセグメントの割合をこの範囲内とすることにより、上記樹脂層の上記発泡体、とりわけポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなる発泡体に対する密着性が向上する。
【0040】
上記熱可塑性エラストマーは、具体的には例えば、スチレン−アクリル系(共)重合体、スチレン系(共)重合体、オレフィン系(共)重合体、塩化ビニル系(共)重合体、ポリエーテルエステル系トリブロック系(共)重合体、ポリエステル系(共)重合体、ウレタン系(共)重合体、アミド系(共)重合体又はアクリル系(共)重合体であってよい。
なかでも、上記熱可塑性エラストマーがスチレン−アクリル系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、スチレン系(共)重合体又はオレフィン系(共)重合体であることが好ましい。上記熱可塑性エラストマーがこれらの(共)重合体であることにより、上記樹脂層が弾性体としての強度、伸び、柔軟性及び自己粘着性を発揮することができ、また、上記樹脂層と上記発泡体との密着性がより向上して両面粘着テープにより優れたリワーク性を付与することができる。
更に、上記熱可塑性エラストマーがスチレン−アクリル系共重合体、アクリル系共重合体又はスチレン系共重合体であることがより好ましく、スチレン−アクリル系共重合体であることが更に好ましい。上記熱可塑性エラストマーがスチレン−アクリル系共重合体であることにより、上記樹脂層の上記発泡体、とりわけポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなる発泡体に対する密着性が向上する。これにより、両面粘着テープにより優れたリワーク性を付与することができるとともに、上記樹脂層と上記基材とを接着させるために接着剤等を用いる必要がなく、得られる両面粘着テープの厚みを薄くすることができる。
【0041】
上記スチレン−アクリル系共重合体は、上述したようにブロック共重合体であることが好ましく、トリブロック共重合体であることがより好ましい。上記スチレン−アクリル系共重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記スチレン−アクリル系共重合体のハードセグメントを構成する成分としては特に限定されないが、スチレンを主たる組成とし、より強度を高めるためにアクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の極性モノマーを加えてもよい。上記スチレン−アクリル系共重合体のソフトセグメントを構成する成分としては特に限定されないが、n−アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられ、より強度を高めるためにアクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の極性モノマーを加えてもよい。
なかでも、スチレンとアクリル酸に由来するハードセグメントと、n−アクリル酸ブチルに由来するソフトセグメントとを有するスチレン−アクリル系トリブロック共重合体が好適である。このスチレン−アクリル系トリブロック共重合体のハードセグメント及び/又はソフトセグメントが極性モノマーを有してもよい。
スチレン−アクリル系共重合体のハードセグメント及び/又はソフトセグメントが極性モノマーを含む場合、極性モノマーの配合量は、スチレン−アクリル系共重合体の理論酸価が3mgKOH/g以上であることが好ましく、5mgKOH/g以上であることがより好ましく、8mgKOH/g以上であることが特に好ましい。スチレン−アクリル系共重合体のハードセグメント及び/又はソフトセグメントが極性モノマーを含む場合、極性モノマーの配合量は、スチレン−アクリル系共重合体の理論酸価は、貯蔵安定性がより向上する点で、50mgKOH/g以下であることが好ましく、40mgKOH/g以下であることがより好ましい。ここで、スチレン−アクリル系共重合体の理論酸価とは、ブロック共重合体1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数のことである。
【0042】
上記スチレン−アクリル系トリブロック共重合体中におけるスチレンとアクリル酸に由来するハードセグメントの割合の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は50重量%である。上記ハードセグメントの割合のより好ましい下限は15重量%、より好ましい上限は40重量%である。上記ハードセグメントの割合がこの範囲内であると、上記樹脂層の上記発泡体、とりわけポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなる発泡体に対する密着性が向上する。これにより、両面粘着テープにより優れたリワーク性を付与することができるとともに、上記樹脂層と上記発泡体とを接着させるために接着剤等を用いる必要がなく、得られる両面粘着テープの厚みを薄くすることができる。また、上記ハードセグメントの割合がこの範囲内であると、リワーク性にとって適当な引張破断点応力及び引張破断点伸びとなる。
【0043】
上記スチレン−アクリル系トリブロック共重合体の重量平均分子量は、2万以上であることが好ましい。上記重量平均分子量が2万以上であることにより、上記樹脂層の上記発泡体、とりわけポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなる発泡体に対する密着性が向上する。上記重量平均分子量は2.4万以上であることがより好ましい。上記重量平均分子量の上限は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すれば60万程度が上限である。
【0044】
上記アクリル系共重合体は、上述したようにブロック共重合体であることが好ましく、トリブロック共重合体であることがより好ましい。上記アクリル系共重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系共重合体のハードセグメントを構成する成分としては特に限定されないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸トリデシル等が挙げられる。
上記アクリル系共重合体のソフトセグメントを構成する成分としては特に限定されないが、n−アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
なかでも、メタクリル酸メチルに由来するハードセグメントと、n−アクリル酸ブチルに由来するソフトセグメントとを有するアクリル系トリブロック共重合体が好適である。
【0045】
上記アクリル系トリブロック共重合体中におけるメタクリル酸メチルに由来するハードセグメントの割合の好ましい下限は22重量%、好ましい上限は50重量%である。上記ハードセグメントの割合のより好ましい下限は24重量%、より好ましい上限は48重量%である。上記ハードセグメントの割合がこの範囲内であると、上記樹脂層の上記発泡体、とりわけポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなる発泡体に対する密着性が向上する。これにより、両面粘着テープにより優れたリワーク性を付与することができるとともに、上記樹脂層と上記基材とを接着させるために接着剤等を用いる必要がなく、得られる両面粘着テープの厚みを薄くすることができる。また、上記ハードセグメントの割合がこの範囲内であると、上記樹脂層が優れた耐熱性及び耐熱収縮性を発揮することができ、例えば100〜200℃、10〜30分間程度の熱処理を行った場合でも、溶融してしまったり、シワが発生したりすることもない。更に、ロール状体にした後に展開しようとしたときに、ブロッキングにより展開できなくなることもない。
【0046】
上記アクリル系トリブロック共重合体の重量平均分子量は、3万以上であることが好ましい。上記重量平均分子量が3万以上であることにより、上記樹脂層の上記発泡体、とりわけポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂からなる発泡体に対する密着性が向上する。上記重量平均分子量は5万以上であることがより好ましい。上記重量平均分子量の上限は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すれば20万程度が上限である。
【0047】
上記樹脂層は、着色されていてもよい。上記樹脂層を着色することにより、両面粘着テープに遮光性を付与することができる。
上記樹脂層を着色する方法は特に限定されず、例えば、上記樹脂層を構成する樹脂にカーボンブラック、酸化チタン等の粒子又は微細な気泡を練り込む方法、上記樹脂層の表面にインクを塗布する方法等が挙げられる。
【0048】
上記樹脂層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機充填剤、無機充填剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。また、上記第1の樹脂層及び第2の樹脂層の少なくとも一方を構成する樹脂が熱可塑性エラストマーを含む場合、樹脂として上記熱可塑性エラストマー以外の樹脂を含んでもよい。
【0049】
上記樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記樹脂層の厚みをこの範囲内とすることにより、両面粘着テープの両粘着面における被着体のリワーク性が向上する。被着体のリワーク性をより高める観点から、上記樹脂層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は70μmである。
【0050】
本発明の両面粘着テープは、必要に応じて、上記基材、上記粘着剤層及び上記樹脂層以外の他の層を有してもよい。
【0051】
本発明の両面粘着テープの厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は3mmである。両面粘着テープの厚みをこの範囲内とすることにより、復元力や反発力による両面粘着テープの剥離を抑制し、充分な接着及び固定を実現しながら、両面粘着テープの両粘着面における被着体のリワーク性を向上させることができる。復元力や反発力による両面粘着テープの剥離抑制及び両粘着面における被着体のリワーク性の更なる向上の観点から、本発明の両面粘着テープの厚みのより好ましい下限は0.4mm、より好ましい上限は2.8mmである。
【0052】
図1に、本発明の一実施態様に係る両面粘着テープの一例を示す模式図を示した。図1の本発明の一実施態様に係る両面粘着テープ1は、発泡体2の両面に第1の粘着剤層31と第2の粘着剤層32とを有する。発泡体2は、発泡層2aと、この発泡層2aを挟むようにして存在するスキン層2bとを有するものである。そして、発泡体2と第1の粘着剤層31の間に第1の樹脂層41が配置されており、発泡体2と第2の粘着剤層32の間に第2の樹脂層42が配置されている。
【0053】
本発明の両面粘着テープの製造方法として、例えば、以下のような方法が挙げられる。
まず、スキン層を有する発泡体を作製する。ここでスキン層を有する発泡体を作製する方法としては、例えば、発泡体原反の表層部の架橋度を高くすることで、発泡体原反を発泡させる時の発泡を抑制し、得られる発泡体の表層部にスキン層を形成する方法等が挙げられる。また、スキン層を有する発泡体は、射出発泡成形法や、発泡剤を混合した樹脂を押出機で押出す押出発泡成形法等によって形成することができる。
【0054】
次いで、上記発泡体と第1の樹脂層との積層体を製造し、この積層体に第2の樹脂層を積層し、第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層からなる積層体を形成する。
ここで樹脂層と発泡体とを積層させるためには、樹脂層に自己粘着性(タック性)があることが好ましい。また、加温したラミネーターにより樹脂層と発泡体とを圧着することで密着性を向上させることもできる。また、発泡体原料を発泡させて発泡体を得る工程時に樹脂層を差し込むことでより密着性を向上させることができる。また、樹脂層として用いる樹脂シート、又は、発泡体に表面処理(例えば、プラズマ処理やコロナ処理等)を施すことでも、樹脂層と発泡体との密着性を向上させることができる。樹脂層に自己粘着性がない場合には、樹脂層と発泡体との間に接着剤層を設けて積層させてもよい。樹脂層のポリマー鎖を反応点となる水酸基や酸基で修飾することで、樹脂層と発泡体との密着性を向上させることもできる。
【0055】
次いで、上記粘着剤層を形成する粘着剤溶液を調製して、該粘着剤溶液を離型フィルムの離型処理面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して第1の粘着剤層を形成する。この第1の粘着剤層を上記第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層からなる積層体の第1の樹脂層側の表面に重ね合わせる。一方、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に第2の粘着剤層が形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを上記第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層からなる積層体の第2の樹脂層側の表面に重ね合わせて、第1の粘着剤層/第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層/第2の粘着剤層からなる積層体を得る。そして、得られた積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、第1の粘着剤層/第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層/第2の粘着剤層を有し、かつ、両粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。両面粘着テープをロール状体に巻き取る際は、第2の粘着剤層に接する離型フィルムを剥ぎ取り、第2の粘着剤層を内側に巻き取ればよい。この際、第1の粘着剤層に接する離型フィルムは両面離型処理されていることが必要となる。
【0056】
本発明の両面粘着テープの用途は特に限定されず、例えば、携帯電子機器部品、車載用電子機器部品等の固定に用いられる。これらの用途における本発明の両面粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
【0057】
本発明の両面粘着テープは、優れた柔軟性を有し、ロール状体に巻き取る際のシワや折れを抑制することができる。本発明の両面粘着テープは、優れた柔軟性を有し、復元力や反発力のような低速での剥離応力がかかった状態での接着信頼性に優れることから、段差、角、非平面部等に貼り付けられたり、部品を変形させた状態で固定するために用いられたりすることが好ましい。一方、本発明の両面粘着テープは、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れることから、例えば仮固定を行った場合や部品固定の際に不具合が生じた場合等にも、被着体に残渣を残すことなく両面粘着テープを剥離することができる。
【0058】
本発明の両面粘着テープが用いられる物品として、例えば、TV、モニター、携帯電子機器等に使用されるフラットパネルディスプレイ、携帯電子機器のカメラモジュール、携帯電子機器の内部部材、車輌用内装、家電(例えば、TV、エアコン、冷蔵庫等)の内外装等が挙げられる。本発明の両面粘着テープの被着体として、例えば、携帯電子機器のサイドパネル、背面パネル、各種銘板、加飾フィルム、装飾フィルム等が挙げられる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明の一実施態様に係る両面粘着テープの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
(1)第1の樹脂層の準備
第1の樹脂層として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(東レ社製、X30)を準備した。該シートの引張破断点応力、引張破断点伸び及び引張弾性率をJIS K 7161に準ずる方法により測定した。
【0063】
(2)発泡体の製造
ポリオレフィン樹脂として低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF420」、密度0.920g/cm)100重量部を用いた。このポリエチレン樹脂100重量部、熱分解型発泡剤としてのアゾジカルボンアミド8重量部、分解温度調整剤としての酸化亜鉛1重量部及び酸化防止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.5重量部を押出機に供給して130℃で溶融混練し、厚み約0.2mmの長尺シート状の発泡体原反を押出した。
次に、上記長尺シート状の発泡体原反を、その両面に加速電圧500kVの電子線を4.0Mrad照射して架橋した。架橋後の発泡体原反を熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して発泡させるとともに、発泡させながらMDの延伸倍率を2.5倍、TDの延伸倍率を2.5倍として延伸させた。これにより、厚み800μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体(密度0.07g/cm、25%圧縮強度55kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み10.5μmのスキン層を有していた。
【0064】
(3)第2の樹脂層の準備
第2の樹脂層として、以下のアクリル系トリブロック共重合体aからなるシート(厚み50μm)を準備した。該シートの引張破断点応力、引張破断点伸び及び引張弾性率をJIS K 7161に準ずる方法により測定した。
【0065】
・アクリル系トリブロック共重合体a(アクリルTPE−a)(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなるハードセグメントの割合が30重量%、ポリアクリル酸ブチル樹脂からなるソフトセグメントの割合が70重量%、重量平均分子量が59000、クラレ社製、LA2250)
【0066】
(4)粘着剤溶液の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に酢酸エチル52重量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。酢酸エチルが沸騰してから、30分後に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.08重量部を投入した。ここにブチルアクリレート70重量部、2−エチルヘキシルアクリレート27重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部からなるモノマー混合物を1時間30分かけて、均等かつ徐々に滴下し反応させた。滴下終了30分後にアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加し、更に5時間重合反応させ、反応器内に酢酸エチルを加えて希釈しながら冷却することにより、固形分40重量%のアクリル共重合体の溶液を得た。
得られたアクリル共重合体について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、71万であった。数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は5.5であった。
得られたアクリル共重合体の固形分100重量部に対して、軟化点150℃の重合ロジンエステル15重量部、軟化点145℃のテルペンフェノール10重量部、軟化点70℃のロジンエステル10重量部を添加した。更に、酢酸エチル(不二化学薬品社製)30重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL45」)3.0重量部を添加し、攪拌して、粘着剤溶液を得た。
【0067】
(5)両面粘着テープの製造
第1の樹脂層としてのPETシートに接着剤層を塗布し、塗布した接着剤層を介して上記PETシートを発泡体とラミネーションし、第1の樹脂層/発泡体からなる積層体を形成した。この積層体の発泡体側の表面に第2の樹脂層としてのアクリル系トリブロック共重合体aからなるシートを積層し、温度80℃のゴムロールを用いて0.4MPaの圧力で5m/分の速度で熱ラミネートして、第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層からなる積層体を形成した。
上記粘着剤溶液を厚み100μmの離型処理を施したポリエチレン(PE)/上質紙/ポリエチレン(PE)からなる離型ライナーの離型処理面に塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚み50μmの第1の粘着剤層を形成した。一方、上記粘着剤溶液を厚み100μmの離型処理を施したポリエチレン(PE)/上質紙/ポリエチレン(PE)からなる離型ライナーの離型処理面に塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚み50μmの第2の粘着剤層を形成した。
第1の粘着剤層が形成された剥離ライナー及び第2の粘着剤層が形成された離型ライナーを、上記第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層からなる積層体の第1の樹脂層側及び第2の樹脂層側の表面にそれぞれ重ね合わせて、第1の粘着剤層/第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層/第2の粘着剤層からなる積層体を得た。そして、得られた積層体をゴムローラによって加圧することによって、第1の粘着剤層/第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層/第2の粘着剤層を有し、かつ、各粘着剤層の表面が離型ライナーで覆われた両面粘着テープを得た。
【0068】
(実施例2〜21、比較例1〜4)
発泡体及び第2の樹脂層の種類及び厚みを表1又は2に示したように変更した以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープを製造した。使用した発泡体及び第2の樹脂層の材料を下記に示す。
【0069】
[発泡体]
・実施例15で使用したポリエチレン樹脂からなる発泡体
ポリオレフィン樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(エクソンケミカル社製「Exact3027」、密度0.900g/cm)70重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製「アフィニティーKC8852」、密度0.875g/cm、融点(DSC法)Tm:66℃)30重量部を用いた。なお、直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製「アフィニティーKC8852」)は、メタロセン化合物の重合触媒を用いて得られたエチレン−1−オクテン共重合体であった。また、発泡剤の重量部を7重量部に変更した。更に、MDの延伸倍率を2.0倍、TDの延伸倍率を2.0倍に変更した。
上記以外は実施例1と同様にして、厚み800μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体(密度0.13g/cm、25%圧縮強度81kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み9.8μmのスキン層を有していた。
【0070】
・実施例16で使用したポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とからなる発泡体
ポリオレフィン樹脂としてポリプロピレン樹脂(エチレン−プロピレンランダム共重合体、住友化学社製「AD571」、密度0.90g/cm、MFR0.5g/10分)80重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー社製「ZF231」、MFR2g/10分、密度0.917g/cm)20重量部を用いた。この樹脂成分に、アゾジカルボンアミド(熱分解型発泡剤)7.5重量部及びジビニルベンゼン(架橋助剤)3重量部を添加した。更に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(酸化防止剤)0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート(酸化防止剤)0.3重量部、及び、メチルベンゾトリアゾール(金属害防止剤)0.5重量部を添加し、単軸押出機に供給して185℃で溶融混練し、厚み0.5mmの長尺シート状の発泡体原反を押出した。
次に、上記長尺シート状の発泡体原反を、その両面に加速電圧800kVの電子線を1.5Mrad照射して架橋した。架橋後の発泡体原反を熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して発泡させ、厚み800μmのポリプロプレン樹脂とポリエチレン樹脂とからなる発泡体(密度0.08g/cm、25%圧縮強度120kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み12.6μmのスキン層を有していた。
【0071】
・実施例17及び18で使用したポリウレタン樹脂からなる発泡体
ポリオールとして、ポリオール成分であるポリプロピレングリコール(PPG)(重量平均分子量800)90重量部及びネオペンチルグリコール(分子量800)10重量部と、酸成分であるε−カプロラクタムとからなるポリエステルポリオール(ポリオール成分/酸成分配合比率(重量比)=8:1)を用いた。
ポリオールの合計100重量部にアミン触媒(ダブコLV33、三共エアープロダクト社製)を0.7重量部、整泡剤(SZ5740M、東レ・ダウコーニング社製)を1重量部添加し、攪拌した。そこへポリイソシアネート(ポリメリックMDI、東ソー社製)をイソシアネートインデックス60になるよう調整し投入した。その後、0.2g/cmになるように窒素ガスと混合攪拌し、微細な気泡が混入した溶液を得た。その溶液を厚み50μmのPETセパレーター(ニッパ製、V−2)上にアプリケーターを使用して所定の厚みに塗布し、発泡体原料を反応させ、厚み800μmのポリウレタン樹脂からなる発泡体(密度0.48g/cm、25%圧縮強度32kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み6.7μmのスキン層を有していた。
【0072】
・実施例19で使用したポリエチレン樹脂からなる発泡体
電子線量を6.0Mradに変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み800μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体(密度0.15g/cm、25%圧縮強度154kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み40μmのスキン層を有していた。
【0073】
・実施例20で使用したポリエチレン樹脂からなる発泡体
電子線量を4.5Mradに変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み800μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体(密度0.08g/cm、25%圧縮強度120kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み12μmのスキン層を有していた。
【0074】
・実施例21で使用したポリエチレン樹脂からなる発泡体
電子線量を3.8Mradに変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み800μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体(密度0.06g/cm、25%圧縮強度43kPa)を得た。この発泡体は、発泡層の両面にそれぞれ厚み8μmのスキン層を有していた。
【0075】
・比較例4で使用したポリエチレン樹脂からなる発泡体
熱分解型発泡剤としてのアゾジカルボンアミドを9重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚み900μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体(密度0.10g/cm、25%圧縮強度48kPa)を得た。これをスライサー(水平裁断機)(桜機械工業社製 SK−20)でスライスしてスキン層を除去し、スキン層を有しない厚み800μmのポリエチレン樹脂からなる発泡体を得た。
【0076】
[第2の樹脂層の材料]
・アクリル系トリブロック共重合体b(アクリルTPE−b)(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなるハードセグメントの割合が21重量%、ポリアクリル酸ブチル樹脂からなるソフトセグメントの割合が79重量%、重量平均分子量が73000、クラレ社製、LA2140e)
【0077】
・アクリル系トリブロック共重合体c(アクリルTPE−c)(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなるハードセグメントの割合が23重量%、ポリアクリル酸ブチル樹脂からなるソフトセグメントの割合が77重量%、重量平均分子量が112000、クラレ社製、LA2330)
【0078】
・アクリル系トリブロック共重合体d(アクリルTPE−d)(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなるハードセグメントの割合が55重量%、ポリアクリル酸ブチル樹脂からなるソフトセグメントの割合が45重量%、重量平均分子量が60000、クラレ社製、LA4285)
【0079】
・アクリル系トリブロック共重合体e(アクリルTPE−e)(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなるハードセグメントの割合が40重量%、ポリアクリル酸ブチル樹脂からなるソフトセグメントの割合が60重量%、重量平均分子量が60000、クラレ社製、LA2270)
【0080】
・アクリル系ジブロック共重合体f(アクリルTPE−f)(クラレ社製、LA1114)
【0081】
・アクリル系トリブロック共重合体e(アクリルTPE−e)とアクリル系ジブロック共重合体f(アクリルTPE−f)との重量比85/15の割合の混合物(アクリルTPE−e,f)
【0082】
・スチレン−アクリル系トリブロック共重合体(スチレン/アクリルTPE)
スチレン(St)84.2gと、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)1.8gと、アクリル酸(AA)13gと、RAFT剤(723037−1G、ALDRICH社製)1.6gと、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(ABN−E)0.35gとを2口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した。その後、85℃で6時間撹拌して重合反応を行った(第一段階反応)。
反応終了後、フラスコ内にn−ヘキサン4000gを投入し、撹拌して反応物を沈殿させた後、未反応のモノマー(St、HEA、AA)及びRAFT剤をろ別し、反応物を70℃で減圧乾燥して共重合体(ハードセグメントA)を得た。
アクリル酸ブチル(BA)100g、ABN−E0.035g及び酢酸エチル50gからなる混合物(ソフトセグメントB)と、先に得られた共重合体(ハードセグメントA)とを2口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した。その後、85℃で6時間撹拌して重合反応を行い、ハードセグメントAとソフトセグメントBからなるブロック共重合体を含む反応液を得た。なお、混合物(ソフトセグメントB)とハードセグメントAの配合量は、得られるブロック共重合体におけるハードセグメントとソフトセグメントとの重量比が20/80となる量とした。
また、反応液の一部を採取し、これにn−ヘキサン4000gを投入し、撹拌して反応物を沈殿させた後、未反応のモノマー(BA)及び溶媒をろ別し、反応物を70℃で減圧乾燥してスチレン−アクリル系トリブロック共重合体を得た。上記により、StとHEAとAAに由来するハードセグメントの割合が20重量%、BAに由来するソフトセグメントの割合が80重量%、重量平均分子量が20000のスチレン−アクリル系トリブロック共重合体を得た。
【0083】
・スチレン系トリブロック共重合体a(スチレンTPE−a)(スチレンに由来するハードセグメントの割合が14重量%、イソプレンに由来するソフトセグメントの割合が86重量%、同組成のジブロック成分をGPC面積比で12%含む、日本ゼオン社製、♯3620)
【0084】
・スチレン系トリブロック共重合体b(スチレンTPE−b)(スチレンに由来するハードセグメントの割合が14重量%、イソプレンに由来するソフトセグメントの割合が86重量%、同組成のジブロック成分をGPC面積比で26%含む、日本ゼオン社製、♯3421)
【0085】
・ポリエーテルエステル系ブロック共重合体a(ポリエーテルエステルTPE−a)(PBTからなるハードセグメントとポリエーテルからなるソフトセグメントとを有する、東レ・デュポン社製、♯5557)
【0086】
・ポリエーテルエステル系ブロック共重合体b(ポリエーテルエステルTPE−b)(PBTからなるハードセグメントとポリエーテルからなるソフトセグメントとを有する、東レ・デュポン社製、♯7247)
【0087】
・ウレタン系ブロック共重合体(ウレタンTPE)(BASF社製、1198ATR)
【0088】
・2軸延伸ポリプロピレン(OPP)からなるシート(東洋紡社製、♯60)
なお、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)からなるシートは、粘着剤層を介して発泡体と積層させた。
【0089】
・ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシート(東洋紡社製、♯25)
なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシートは、粘着剤層を介して発泡体と積層させた。
【0090】
・パルプ不織布シート(立東商会社製、SPC)
なお、パルプ不織布シートは、粘着剤層を介して発泡体と積層させた。
【0091】
・アクリル粘着剤
以下の方法でアクリル粘着剤を調製した。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に酢酸エチル52重量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。酢酸エチルが沸騰してから、30分後に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.08重量部を投入した。ここにモノマー混合物(アクリル酸ブチル(BA)60重量部、アクリル酸2−エチルへキシル(2EHA)36.9重量部、アクリル酸(AAc)3重量部、及び、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(2HEA)0.1重量部)を1時間30分かけて、均等かつ徐々に滴下し反応させた。滴下終了30分後にアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加し、更に5時間重合反応させ、反応器内に酢酸エチルを加えて希釈しながら冷却することにより、アクリル共重合体含有溶液を得た。
得られたアクリル共重合体含有溶液の不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、粘着付与樹脂を合計30重量部(水添ロジン系樹脂10部、ロジンエステル系樹脂10部、テルペンフェノール樹脂10部)添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤を得た。
【0092】
<評価>
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表1又は2に示した。
【0093】
(1)柔軟性の評価(ロール状体への巻き取りの評価)
得られた両面粘着テープ(離型ライナー/第1の粘着剤層/第1の樹脂層/発泡体/第2の樹脂層/第2の粘着剤層)を直径3インチの紙芯に、第2の粘着剤層側が内側になるように巻きつけてロール状体を得た。
得られたロール状体の側面と表層を目視にて観察した。更に、ロール状体から両面粘着テープを引き出した後、第2の粘着剤層側から目視にて観察して、以下の基準により評価した。
○:確認した全ての箇所にシワや折れが認められなかった。
△:確認した一部の箇所にシワや折れが認められた。
×:確認した全ての箇所にシワや折れが認められた。
【0094】
(2)被着体のリワーク性の評価
得られた両面粘着テープを幅5mm×長さ100mm、及び、幅10mm×長さ100mmの大きさにそれぞれ切り出して、5mm幅サンプル及び10mm幅サンプルを調製した。
得られた各サンプルの第1の粘着剤層側の離型ライナーを剥がし、厚み2mmのガラス板(幅50mm、長さ125mm)に第1の粘着剤層側を貼り合わせ、両面粘着テープ上に2kgのゴムローラを300mm/分の速度で一往復させた後、23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置した。次いで、発泡体の層間を裂きあげ、両面粘着テープから第2の粘着剤層と第2の樹脂層、及び、発泡体の一部を除去した後、両面粘着テープの残った部分を水平方向から30°の角度方向に300mm/分の速度にて引っ張り、ガラス板から両面粘着テープの残った部分を剥離した。第1の粘着剤層側のリワーク性について、以下の基準により評価した。第2の粘着剤層側についても、同様の評価を行った。
○:両面粘着テープの残った部分を除去できた。
△:剥離途中で両面粘着テープの一部が破断したものの、両面粘着テープの残った部分を除去できた。
×:両面粘着テープの残った部分を除去できなかった。
【0095】
(3)第2の樹脂層と発泡体との密着性の評価
第2の樹脂層と発泡体とを積層する際のゴムロール温度を23℃に変更した以外はそれぞれの実施例、比較例と同様にして、両面粘着テープを別途製造した。なお、それぞれの実施例、比較例では、第2の樹脂層と発泡体とを積層する際のゴムロール温度は80℃であった。
ゴムロール温度23℃及び80℃にて得られた両面粘着テープについて、上記(2)と同様にして第2の粘着剤層側のリワーク性の評価を行い、ガラス板から両面粘着テープの残った部分を剥離した際の第2の樹脂層と発泡体との間の浮きを観察した。
○:ゴムロール温度23℃であっても浮きが発生しなかった。
△:ゴムロール温度23℃では浮きが発生したが、ゴムロール温度80℃では浮きが発生しなかった。
×:ゴムロール温度80℃で浮きが発生した。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、優れた柔軟性を有する一方で、両粘着面における被着体のリワーク性にも優れた両面粘着テープを提供することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 両面粘着テープ
2 発泡体
2a 発泡層
2b スキン層
31 第1の粘着剤層
32 第2の粘着剤層
41 第1の樹脂層
42 第2の樹脂層
図1