特開2020-121345(P2020-121345A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-121345(P2020-121345A)
(43)【公開日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/095 20060101AFI20200717BHJP
   B23K 31/00 20060101ALN20200717BHJP
【FI】
   B23K9/095 515Z
   B23K31/00 K
   B23K31/00 N
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-82837(P2020-82837)
(22)【出願日】2020年5月8日
(62)【分割の表示】特願2016-124635(P2016-124635)の分割
【原出願日】2016年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 真央
(72)【発明者】
【氏名】吉武 和志
(57)【要約】      (修正有)
【課題】溶接異常の箇所をより簡単に確認することの可能な記憶装置を提供する。
【解決手段】記憶部13は、溶接計測データと、ビード検査データとを関連付けて格納するデータベース13B、13Cを備えている。これにより、例えば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所における他のデータをデータベース13B、13Cから読み出し、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接計測データと、ビード検査データとを関連付けて格納するデータベースを備えた
記憶装置。
【請求項2】
溶接計測データおよび前記ビード検査データは、時間、位置、通し番号または並び順によって関連付けられている
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記溶接計測データは、溶接電圧、溶接電流、ワイヤ送給速度、ワイヤ送給用モータの負荷およびガス流量のうちの少なくとも1つであり、
前記ビード検査データは、ビードの静止画像、ビードの動画像、ビード表面の凹凸データ、ビード内部のX線データおよびビード内部の超音波データのうちの少なくとも1つである
請求項1または請求項2に記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、溶接電流や溶接電圧の観測波形を確認することにより、溶接異常の有無を確認していた(例えば特許文献1)。さらに、上記観測波形を、ロボットの軌跡情報と関連付けて表示することにより、溶接異常の箇所を確認しやすくしていた(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−26640号公報
【特許文献2】特開平11−58007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、溶接産業においては、溶接異常の箇所をより簡単に確認することが要望されている。従って、溶接異常の箇所をより簡単に確認することの可能な記憶装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施の形態に係る記憶装置は、溶接計測データと、ビード検査データとを関連付けて格納するデータベースを備えている。
【0006】
本発明の一実施の形態に係る記憶装置では、溶接計測データと、ビード検査データとを関連付けて格納するデータベースが設けられている。これにより、例えば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所における他のデータをデータベースから読み出し、確認することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施の形態に係る記憶装置によれば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所における他のデータを確認することができるようにしたので、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施の形態に係るビード検査装置の概略構成の一例を表す図である。
図2図1のデータベースの概略構成の一例を表す図である。
図3図1のデータベースの概略構成の一例を表す図である。
図4図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図5図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図6図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図7図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図8図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図9図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図10図1のデータベースの概略構成の一例を表す図である。
図11図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図12図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図13図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図14図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図15図1のデータベースの概略構成の一例を表す図である。
図16図1のデータベースの概略構成の一例を表す図である。
図17図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図18図1の表示部の画面に表示される映像の一例を表す図である。
図19図1のビード検査装置の一変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
【0010】
<1.実施の形態>
[構成]
一実施の形態に係るビード検査装置1の構成について説明する。図1は、ビード検査装置1の概略構成の一例を表したものである。ビード検査装置1は、ビードの品質を検査するための装置である。ビード検査装置1は、制御部11(処理部)と、入力部12と、記憶部13と、表示部14とを備えている。
【0011】
制御部11は、入力部12からの入力を受け付けたり、受け付けた入力内容に基づく処理を行ったり、処理結果などを表示部14に表示させたりする。制御部11は、また、記憶部13に記憶されているビード検査プログラム13Aが制御部11にロードされたときに、ビード検査プログラム13Aに記述された一連の動作を実行する。ビード検査プログラム13Aのロードされた制御部11(以下、単に「制御部11」と称する。)は、ビードの検査結果を表示させる映像信号Dsigを生成する。
【0012】
制御部11は、例えば、プロセッサなどによって構成されている。入力部12は、例えば、キーボードおよびマウスによって構成されている。記憶部13は、例えば、不揮発性メモリによって構成されており、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、抵抗変化型メモリなどによって構成されている。表示部14は、例えば、液晶パネル、または有機ELパネルなどによって構成されている。
【0013】
記憶部13は、ビード検査プログラム13A、データベース13Bおよびデータベース13Cを格納している。記憶部13には、データベース13Bとデータベース13Cとが関連付けて格納されている。
【0014】
データベース13Bは、例えば、図2に示したように、溶接計測データDmを有している。溶接計測データDmは、溶接電圧、溶接電流、ワイヤ送給速度、ワイヤ送給用モータの負荷およびガス流量のうちの少なくとも1つの計測値である。データベース13Bでは、溶接計測データDmに対して、インデックスInaが割り当てられている。インデックスInaは、例えば、時間(溶接時刻)、位置(位置座標)または通し番号で表現されている。
【0015】
データベース13Cは、例えば、図3に示したように、ビード検査データIbを有している。ビード検査データIbは、ビードの静止画像、ビードの動画像、ビード表面の凹凸データ、ビード内部のX線データおよびビード内部の超音波データのうちの少なくとも1つである。データベース13Cでは、ビード検査データIbの格納されている箇所のアドレスAdに対して、インデックスInbが割り当てられている。インデックスInbは、例えば、時間(溶接時刻)、位置(位置座標)または通し番号で表現されている。
【0016】
ビードの静止画像は、溶接中に所定の周期で撮影された静止画像である。ビードの動画像は、溶接中に所定のフレームレートで撮影された動画像である。ビード表面の凹凸データは、例えば、ビードにレーザセンサを照射することにより得られる反射光に基づいて得られた1次元データである。ビード内部のX線データは、ビードにX線データを照射することにより得られる透過X線に基づいて得られた2次元データである。ビード内部の超音波データは、ビードに超音波を照射することにより得られる反射波に基づいて得られた2次元データである。
【0017】
[動作]
次に、ビード検査プログラム13Aのロードされた制御部11の動作について説明する。制御部11は、溶接計測データDmおよびビード検査データIbの少なくとも一方の経時変化もしくは位置変化を表示させる映像信号Dsigを生成する。制御部11は、例えば、溶接計測データDmの経時変化もしくは位置変化を表示させる映像信号Dsigを生成したとする。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図4に示したように、溶接計測データDm(溶接電流)の経時変化もしくは位置変化のグラフを表示部14の画面14Aに表示する。また、制御部11は、例えば、ビード検査データIbの経時変化もしくは位置変化を表示させる映像信号Dsigを生成したとする。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図5に示したように、ビード検査データIb(静止画像)の経時変化もしくは位置変化の連結画像を画面14Aに表示する。
【0018】
ここで、制御部11は、例えば、溶接計測データDmを表示させる映像信号Dsigを生成した場合に、時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)がユーザによって指定されたときには、映像信号Dsigに含まれていなかった方のデータ(ビード検査データIb)の中から、少なくとも、指定された時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に対応する部分を表示させる映像信号Dsigを生成する。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図6に示したように、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に対応する部分の経時変化もしくは位置変化の連結画像を画面14Aに表示する。
【0019】
なお、ユーザによる指定は、例えば、図5に示したように、画面14Aに表示されたマウスポインタMPを、所望の時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に合わせた上で、マウスをクリックすることによってなされる。
【0020】
また、制御部11は、例えば、ビード検査データIbを表示させる映像信号Dsigを生成した場合に、時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)がユーザによって指定されたときには、映像信号Dsigに含まれていなかった方のデータ(溶接計測データDm)の中から、少なくとも、指定された時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に対応する部分を表示させる映像信号Dsigを生成する。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図7に示したように、溶接計測データDmのうち、少なくとも、指定された時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に対応する部分の経時変化もしくは位置変化のグラフを画面14Aに表示する。
【0021】
制御部11は、例えば、溶接計測データDmを表示させる映像信号Dsigを生成した場合に、時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)がユーザによって指定されたときには、映像信号Dsigに含まれていなかった方のデータ(ビード検査データIb)の中から、少なくとも、指定された時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に対応する部分を、双方のデータの時間もしくは位置を対応付けて表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図8に示したように、溶接計測データDmおよびビード検査データIbの時間もしくは位置を対応付ける引き出し線L1を画面14Aに表示する。
【0022】
さらに、制御部11は、例えば、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分を、溶接計測データDmよりも拡大して表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図8に示したように、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分を、溶接計測データDmよりも拡大して画面14Aに表示する。
【0023】
制御部11は、例えば、ビード検査データIbを表示させる映像信号Dsigを生成した場合に、時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)がユーザによって指定されたときには、映像信号Dsigに含まれていなかった方のデータ(溶接計測データDm)の中から、少なくとも、指定された時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)に対応する部分を、双方のデータの時間もしくは位置を対応付けて表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図9に示したように、溶接計測データDmおよびビード検査データIbの時間もしくは位置を対応付ける引き出し線L1を画面14Aに表示する。
【0024】
さらに、制御部11は、例えば、溶接計測データDmのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分を、ビード検査データIbよりも拡大して表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図9に示したように、溶接計測データDmのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分を、ビード検査データIbよりも拡大して画面14Aに表示する。
【0025】
なお、データベース13Cが、例えば、図10に示したように、画像連結されたビード検査データIbを格納していてもよい。この場合、データベース13Cでは、画像連結されたビード検査データIbの格納されている箇所のアドレスAdが格納されている。
【0026】
データベース13Cが、画像連結されたビード検査データIbを格納している場合には、制御部11は、溶接計測データDmを表示させる映像信号Dsigを生成した場合に、時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)が指定されたときには、画像連結されたビード検査データIbを表示させる映像信号を生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図11に示したように、画像連結されたビード検査データIbを画面14Aに表示する。
【0027】
このとき、制御部11は、画像連結されたビード検査データIbを、双方のデータの時間もしくは位置を対応付けて表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図11に示したように、溶接計測データDmおよびビード検査データIbの時間もしくは位置を対応付ける引き出し線L1を画面14Aに表示する。
【0028】
ところで、データベース13Cは、ビード検査データIbとして、ビードの動画像を格納していてもよい。この場合、制御部11は、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分の動画像を表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図12に示したように、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分の動画像を画面14Aに表示する。
【0029】
また、データベース13Cは、ビード検査データIbとして、ビード表面の凹凸データ(レーザセンサのデータ)を格納していてもよい。この場合、制御部11は、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分の凹凸データ(レーザセンサのデータ)を表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図13に示したように、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分の凹凸データ(レーザセンサのデータ)を画面14Aに表示する。
【0030】
また、データベース13Cは、ビード検査データIbとして、ビード内部のX線データを格納していてもよい。この場合、制御部11は、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分の凹凸データ(レーザセンサのデータ)を表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分のビード内部のX線データを画面14Aに表示する。
【0031】
また、データベース13Cは、ビード検査データIbとして、ビード内部の超音波データを格納していてもよい。この場合、制御部11は、ビード検査データIbのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分の超音波データを表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分のビード内部の超音波データに表示する。
【0032】
また、制御部11は、例えば、図14に示したような選択ボックスSBを表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。選択ボックスSBは、ビード検査データIbとして採り得るデータの一覧となっており、例えば、ビードの静止画像、ビードの動画像、レーザセンサ(ビード表面の凹凸データ)、ビード内部のX線データおよびビード内部の超音波データを含むリストとなっている。このとき、制御部11は、選択ボックスSB内の1つのデータがユーザによって選択されたときには、選択されたデータのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分を表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図6図8図9に示したように、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分のデータ(ビード検査データIb)を画面14Aに表示する。
【0033】
ところで、データベース13Bにおいて、例えば、図15に示したように、溶接計測データDmに対するインデックスInaの割り当てが省略されていてもよい。同様に、データベース13Cにおいて、例えば、図16に示したように、ビード検査データIbの記憶部13内のアドレスAdに対するインデックスInaの割り当てが省略されていてもよい。この場合、データベース13Bには、溶接計測データDmの時間(溶接時刻)、位置(位置座標)間隔(計測ピッチ)が格納されている。同様に、データベース13Cには、ビード検査データIbの時間(溶接時刻)、位置(位置座標)間隔(撮影ピッチ)が格納されている。このように、計測ピッチや撮影ピッチが記憶部13に格納されていることにより、インデックスIna,Inbが設けられているのと同様に、溶接計測データDmと、ビード検査データIbとが関連付けられる。
【0034】
[効果]
次に、ビード検査装置1の効果について説明する。
【0035】
従来では、溶接電流や溶接電圧の観測波形を確認することにより、溶接異常の有無を確認していた。さらに、上記観測波形を、ロボットの軌跡情報と関連付けて表示することにより、溶接異常の箇所を確認しやすくしていた。ところで、溶接産業においては、溶接異常の箇所をより簡単に確認することが要望されている。
【0036】
一方、ビード検査装置1では、溶接計測データDmおよびビード検査データIbのうちいずれか一方を表示させる映像信号Dsigが生成された場合に、時間もしくは位置が指定されたときには、溶接計測データDmおよびビード検査データIbのうち、映像信号Dsigに含まれていなかった方のデータの中から、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分を表示させる映像信号Dsigが生成される。これにより、例えば、ユーザが、溶接異常の疑われる箇所の時間もしくは位置を指定するだけで、その箇所における他のデータを確認することができる。従って、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【0037】
ビード検査装置1では、溶接計測データDmと、ビード検査データIbとを関連付けて格納するデータベース13A,13Bが設けられている。これにより、例えば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所における他のデータをデータベースから読み出し、確認することができる。従って、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【0038】
ビード検査装置1において、指定された時間もしくは位置に対応する部分が拡大して表示される場合には、例えば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所を拡大して表示させることができる。従って、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【0039】
ビード検査装置1において、ビード検査データIbおよび溶接計測データDmのうち、少なくとも、指定された時間もしくは位置に対応する部分が、双方のデータの時間もしくは位置を対応付けて表示される場合には、例えば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所をより簡単に確認することができる。
【0040】
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態のビード検査装置1の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記実施の形態で付されていた符号と同一の符号が付される。また、上記実施の形態と異なる構成要素の説明を主に行い、上記実施の形態と共通の構成要素の説明については、適宜、省略するものとする。
【0041】
[変形例A]
上記実施の形態では、ビード検査データIbおよび溶接計測データDmのいずれか一方のデータが最初に画面14Aに表示され、その後に、残りのデータが画面14Aに表示されていた。しかし、例えば、制御部11は、溶接計測データDmおよびビード検査データIbの双方の経時変化もしくは位置変化を表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図17に示したように、溶接計測データDmおよびビード検査データIbの双方の経時変化もしくは位置変化のグラフを表示部14の画面14Aに表示する。
【0042】
このとき、さらに、時間(溶接時刻)もしくは位置(位置座標)がユーザによって指定されたときには、溶接計測データDmおよびビード検査データIbのうち、指定された時間もしくは位置に対応する部分を、当初よりも拡大して表示させる映像信号Dsigを生成してもよい。このとき、制御部11が、生成した映像信号Dsigを表示部14に出力すると、表示部14は、例えば、図18に示したように、溶接計測データDmおよびビード検査データIbのうち、指定された時間もしくは位置に対応する部分を表示部14の画面14Aに、当初よりも拡大して表示する。これにより、例えば、ユーザが、一方のデータにおいて溶接異常の疑われる箇所を見つけたときに、その箇所を、当初よりも拡大して表示させることができる。従って、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【0043】
[変形例B]
上記実施の形態では、ビード検査装置1が、データベース13Bおよびデータベース13Cを備えていた。しかし、例えば、図19に示したように、ビード検査装置1において、データベース13Bおよびデータベース13Cが省略されていてもよい。ただし、この場合には、例えば、ビード検査装置1とネットワーク3で接続されたサーバ装置2内に、データベース13Bおよびデータベース13Cが設けられている。
【0044】
サーバ装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備えている。記憶部22は、データベース13Bおよびデータベース13Cを格納している。通信部23は、ネットワーク3を介してビード検査装置1と通信を行う。制御部21は、ビード検査装置1からの要求に応じて、記憶部13に記憶されているデータベース13Bおよびデータベース13C内のデータを、通信部23を介してビード検査装置1に出力する。
【0045】
ネットワーク3は、例えば、インターネットで標準的に利用されている通信プロトコル(TCP/IP)を用いて通信を行うネットワークであってもよく、そのネットワーク独自の通信プロトコルを用いて通信を行うセキュアなネットワークであってもよい。ネットワーク3は、例えば、インターネット、イントラネット、または、ローカルエリアネットワークである。ネットワーク3と、ビード検査装置1またはサーバ装置2との接続は、例えば、有線LAN(local Area Network)であってもよいし、Wi−Fi等の無線LANや、携帯電話回線などであってもよい。
【0046】
本変形例では、ビード検査装置1は、サーバ装置2内にあるデータベース13Bおよびデータベース13Cを用いることで、上記実施の形態と同様に、溶接異常の箇所をより簡単に確認することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…ビード検査装置、2…サーバ装置、3…ネットワーク、11…制御部、12…入力部、13…記憶部、13A…ビード検査プログラム、13B,13C…データベース、14…表示部、14A…画面、15…通信部、21…制御部、22…記憶部、23…通信部、Ad…アドレス、Dsig…映像信号、Dm…溶接計測データ、Ib…ビード検査データ、Ina,Inb…インデックス、L1…引き出し線、MP…マウスポインタ、SB…選択ボックス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19