特開2020-121403(P2020-121403A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-121403リニアアクチュエータ及びリニアアクチュエータを用いたロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-121403(P2020-121403A)
(43)【公開日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】リニアアクチュエータ及びリニアアクチュエータを用いたロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20200717BHJP
【FI】
   B25J19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-12382(P2020-12382)
(22)【出願日】2020年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2019-13414(P2019-13414)
(32)【優先日】2019年1月29日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504168156
【氏名又は名称】学校法人谷岡学園
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】中安 翌
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS19
3C707CX01
3C707HS06
3C707WA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な用途に使用可能なリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】リニアアクチュエータ1は、可撓性を有する長尺状本体3と、姿勢変更指令に応じて長尺状本体3の姿勢を任意の姿勢に変更させる姿勢変更機構とを有している。長尺状本体3の両端に第1及び第2の配線回路基板9及び11が配置されている。長尺状本体3及び第1及び第2の配線回路基板9及び11の材質並びに長尺状本体3の両端と1及び第2の配線回路基板9及び11との間の関係は、姿勢変更機構が駆動状態にあるときに、長尺状本体3が制御可能な変形をするように定められている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する長尺状本体と、
姿勢変更指令に応じて前記長尺状本体の姿勢を任意の姿勢に変更させる姿勢変更機構を有し、
前記長尺状本体には、長手方向の一端から他端に延びる複数の貫通孔が形成されており、
前記姿勢変更機構が、
前記長尺状本体の前記複数の貫通孔を通って、前記長尺状本体の前記長手方向に延び且つ前記長尺状本体の周方向に間隔を開けて配置された複数本の形状記憶合金線状体と、
前記長尺状本体の前記一端と対向するように配置されて前記複数本の形状記憶合金線状体に個別に電流を流す配線パターンを有する第1の配線回路基板と、
前記長尺状本体の前記他端と対向するように配置されて前記複数本の形状記憶合金線状体に個別に電流を流す配線パターンを有する第2の配線回路基板を備え、
前記長尺状本体及び前記第1及び第2の配線回路基板の材質並びに前記長尺状本体の前記一端及び前記他端と前記1及び第2の配線回路基板との間の関係は、前記姿勢変更機構が駆動状態にあるときに、前記長尺状本体が制御可能な変形をするように定められていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記第1及び第2の配線回路基板が変形しない基板材料を用いて形成されており、
前記長尺状本体の前記一端を固定して前記長尺状本体を水平状態にしたときに前記長尺状本体の前記他端が変位しない前記可撓性を前記長尺状本体が有しており、
前記長尺状本体の前記一端及び前記他端と前記第1及び第2の配線回路基板との間は、非接合状態にあることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1及び第2の配線回路基板が変形しない基板材料を用いて形成されており、
前記長尺状本体の前記一端を固定して前記長尺状本体を水平状態にしたときに前記長尺状本体の前記他端が変位しない前記可撓性を前記長尺状本体が有しており、
前記長尺状本体の前記一端と前記第1の配線回路基板とは接合状態にあり、前記長尺状本体の前記他端と前記第2の配線回路基板とは非接合状態にあることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記第1及び第2の配線回路基板が変形しない基板材料を用いて形成されており、
前記長尺状本体の前記一端を固定して前記長尺状本体を水平状態にしたときに前記長尺状本体の前記他端が変位しない前記可撓性を前記長尺状本体が有しており、
前記長尺状本体の前記一端と前記第1の配線回路基板とは接合状態にあり、前記長尺状本体の前記他端と前記第2の配線回路基板とは接合状態にあることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項5】
前記第1及び第2の配線回路基板が変形する基板材料を用いて形成されており、
前記長尺状本体の前記一端を固定して前記長尺状本体を水平状態にしたときに前記長尺状本体の前記他端が変位する硬さを前記長尺状本体が有しており、
前記長尺状本体の前記一端と前記第1の配線回路基板とは接合状態にあり、前記長尺状本体の前記他端と前記第2の配線回路基板とは非接合状態にあることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1及び第2の配線回路基板が変形する基板材料を用いて形成されており、
前記長尺状本体の前記一端を固定して前記長尺状本体を水平状態にしたときに前記長尺状本体の前記他端が変位する硬さを前記長尺状本体が有しており、
前記長尺状本体の前記一端と前記第1の配線回路基板とは接合状態にあり、前記長尺状本体の前記他端と前記第2の配線回路基板とは接合状態にあることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1の配線回路基板の外側には、前記姿勢変更指令に従って前記複数本の形状記憶合金線状体に前記配線パターンを介して電流を供給する電流供給回路を実装した実装基板が配置されており、
前記電流供給回路に前記変更指令信号及び電力を供給する複数本の電線が前記長尺状本体と前記第1の配線回路基板を貫通して配置されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項8】
前記第1の配線回路基板及び前記実装基板と前記第2の配線回路基板には、同じ構造の別のリニアアクチュエータが直列接続できるように構成された接続構造をそれぞれ備えている請求項7に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項9】
前記接続構造は、前記第1の配線回路基板及び前記実装基板と前記第2の配線回路基板には、複数の接続導体が貫通する複数の導体貫通凹部または複数の導体貫通孔が周方向に間隔をあけて形成され、
前記複数の接続導体が前記複数の導体貫通凹部または複数の導体貫通孔と前記別のリニアアクチュエータの前記複数の導体貫通凹部または複数の導体貫通孔に跨って配置されて隣り合う2つの前記リニアアクチュエータが電気的及び機械的に接続されるように構成されている請求項8に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項10】
前記複数の形状記憶合金線状体の両端が、それぞれ前記第1の配線回路基板及び前記第2の配線回路基板に半田付けされた複数個のハトメ端子に、カシメによってそれぞれ接続されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項11】
請求項1乃至6のリニアアクチュエータが複数直列に接続されて、進行方向に蠕動運動または蛇行運動をするように構成されているリニアアクチュエータを用いたロボット。
【請求項12】
複数のアクチュエータモジュールが直列に接続されており、直列に接続された前記複数のアクチュエータモジュールが進行方向に蠕動運動または蛇行運動をするように構成されているリニアアクチュエータを用いたロボットであって、
前記アクチュエータモジュールは、前記進行方向に並ぶ一対のエンドプレートの一方のエンドプレートに一端が固定され前記一対のエンドプレートの他方のエンドプレートに他端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)のリニアアクチュエータユニットからなり、
前記リニアアクチュエータユニットは、前記一方のエンドプレートに一端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)の第1リニアアクチュエータからなる第1のリニアアクチュエータ群と、前記他方のエンドプレートに一端が固定され且つ周方向に前記所定の間隔を開けて配置されたn本の第2リニアアクチュエータからなる第2のリニアアクチュエータ群とを備え、前記第1のリニアアクチュエータ群の前記n本の第1リニアアクチュエータの他端と前記第2のリニアアクチュエータ群の前記n本の第2リニアアクチュエータの他端とがそれぞれ屈曲可能な連結機構を介して連結されており、
前記第1リニアアクチュエータ及び前記第2リニアアクチュエータが、それぞれ請求項1乃至10のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータによって構成されていることを特徴とするリニアアクチュエータを用いたロボット。
【請求項13】
前記連結機構は、前記第1リニアアクチュエータの前記他端と前記第2リニアアクチュエータの前記他端との間に配置されて、前記第1リニアアクチュエータと前記第2リニアアクチュエータとを電気的に接続する可撓性を有する電線と、前記第1リニアアクチュエータの前記他端と前記第2リニアアクチュエータの前記他端に両端がそれぞれ嵌合されて前記電線を収納する可撓性を有するチューブ部材とからなる請求項12に記載のリニアアクチュエータを用いたロボット。
【請求項14】
複数のアクチュエータモジュールが直列に接続されており、直列に接続された前記複数のアクチュエータモジュールが進行方向に蠕動運動または蛇行運動をするように構成されているリニアアクチュエータを用いたロボットであって、
前記アクチュエータモジュールは、前記進行方向に並ぶ一対のエンドプレートの一方のエンドプレートに一端が固定され前記一対のエンドプレートの他方のエンドプレートに他端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)のリニアアクチュエータユニットからなり、
前記リニアアクチュエータユニットは、前記一方のエンドプレートに一端が固定され且つ前記他方のエンドプレートに他端が固定されて、周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)のリニアアクチュエータからなり、
前記n本のリニアアクチュエータが、それぞれ請求項1乃至10のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータによって構成されていることを特徴とするリニアアクチュエータを用いたロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアアクチュエータ及びリニアアクチュエータを用いたロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2011−187050号公報には、やわらかい動きや生物的な動きを表現することができる三次元モーション・ディスプレイ装置に用いることができるリニアアクチュエータの従来例が示されている。このリニアアクチュエータは、回路基板からなるベースの表面に一端が固定され且つ他端が自由端となる可撓性を有する長尺状本体と、姿勢変更指令に応じて長尺状本体の姿勢を任意の方向に変更させる姿勢変更機構とを有している。姿勢変更機構は、長尺状本体の内部に配置されて、通電により形状を変形する複数本の形状記憶合金線状体を用いて長尺状本体の姿勢を変更するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−187050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のリニアアクチュエータは、単体で使用するには適したものである。しかしながらこの種のリニアアクチュエータを直列に接続して使用することはできない。そのためリニアアクチュエータの用途が制限されている問題がある。
【0005】
本発明の目的は、様々な用途に使用可能なリニアアクチュエータ及びリニアアクチュエータを用いたロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリニアアクチュエータは、可撓性を有する長尺状本体と、姿勢変更指令に応じて長尺状本体の姿勢を任意の姿勢に変更させる姿勢変更機構とを有している。長尺状本体には、長手方向の一端から他端に延びる複数の貫通孔が形成されている。姿勢変更機構は、長尺状本体の複数の貫通孔を通って、長尺状本体の前記長手方向に延び且つ長尺状本体の周方向に間隔を開けて配置された複数本の形状記憶合金線状体と、長尺状本体の一端と対向するように配置されて複数本の形状記憶合金線状体に個別に電流を流す配線パターンを有する第1の配線回路基板と、長尺状本体の他端と対向するように配置されて複数本の形状記憶合金線状体に個別に電流を流す配線パターンを有する第1の配線回路基板を備えている。そして長尺状本体及び第1及び第2の配線回路基板の材質並びに長尺状本体の一端及び他端と1及び第2の配線回路基板との間の関係は、姿勢変更機構が駆動状態にあるときに、長尺状本体が制御可能な変形をするように定められている。
【0007】
本発明のリニアアクチュエータによれば、長尺状本体を制御可能に変形させることができるので、リニアアクチュエータをユニットとして様々な用途に使用できる。
【0008】
第1及び第2の配線回路基板が変形しない基板材料を用いて形成されており、長尺状本体の一端を固定して長尺状本体を水平状態にしたときに長尺状本体の他端が変位しない可撓性を長尺状本体が有している場合には、長尺状本体の一端及び他端と第1及び第2の配線回路基板との間の関係は、次のようにすることができる。すなわち長尺状本体の一端及び他端と第1及び第2の配線回路基板との間は、非接合状態にあってもよい。また長尺状本体の一端と前記第1の配線回路基板とは接合状態にあり、長尺状本体の他端と第2の配線回路基板とは非接合状態にあってもよい。さらに長尺状本体の一端と第1の配線回路基板とが接合状態にあり、長尺状本体の他端と第2の配線回路基板とが接合状態にあってもよい。
【0009】
また第1及び第2の配線回路基板が変形する基板材料を用いて形成されており、且つ長尺状本体の一端を固定して長尺状本体を水平状態にしたときに長尺状本体の他端が変位する硬さを長尺状本体が有していてもよい。この場合には、長尺状本体の一端と第1の配線回路基板とは接合状態にあり長尺状本体の他端と第2の配線回路基板とは非接合状態にあればよい。または長尺状本体の一端と第1の配線回路基板とは接合状態にあり、長尺状本体の他端と第2の配線回路基板とは接合状態にあってもよい。
【0010】
第1の配線回路基板の外側には、姿勢変更指令に従って複数本の形状記憶合金線状体に配線パターンを介して電流を供給する電流供給回路を実装した実装基板が配置されていてもよい。この場合、電流供給回路に変更指令信号及び電力を供給する複数本の電線が長尺状本体と第1の配線回路基板を貫通して配置されているのが好ましい。電流供給回路を実装した実装基板を別に設けると、第1及び第2の配線回路基板の配線パターンをある程度自由に形成することができる。そのため、長尺状本体の本数を増やした場合でも、簡単に対応することができる。
【0011】
第1の配線回路基板及び前記実装基板と第2の配線回路基板には、同じ構造の別のリニアアクチュエータが直列接続できるように構成された接続構造をそれぞれ備えているのが好ましい。このような接続構造を予め備えていれば、直列接続を簡単に実現することができる。
【0012】
接続構造は、第1の配線回路基板及び実装基板と第2の配線回路基板には、複数の接続導体が貫通する複数の導体貫通凹部または複数の導体貫通孔が周方向に間隔をあけて形成されており、複数の接続導体が複数の導体貫通凹部または複数の導体貫通孔と別のリニアアクチュエータの複数の導体貫通凹部または複数の導体貫通孔に跨って配置されて隣り合う2つの前記リニアアクチュエータが電気的及び機械的に接続されるように構成されているのが好ましい。
【0013】
複数の形状記憶合金線状体の両端が、それぞれ第1の配線回路基板及び第2の配線回路基板に半田付けされた複数個のハトメ端子に、カシメによってそれぞれ接続されているのが好ましい。ハトメ端子を用いると、形状記憶合金線状体を確実に配線回路基板に対して機械的に接続することができる。
【0014】
本発明のリニアアクチュエータを複数直列に接続すれば、進行方向に蠕動運動または蛇行運動をするリニアアクチュエータを用いたロボットを提供することができる。
【0015】
リニアアクチュエータの用途は、単なる直列接続する用途だけでなく、複数のアクチュエータモジュールが直列に接続されており、直列に接続された複数個のアクチュエータモジュールが進行方向に蠕動運動または蛇行運動をするように構成されているリニアアクチュエータを用いたロボットにも適用できる。このロボットでは、アクチュエータモジュールは、進行方向に並ぶ一対のエンドプレートの一方のエンドプレートに一端が固定され一対のエンドプレートの他方のエンドプレートに他端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)のリニアアクチュエータユニットからなる。リニアアクチュエータユニットは、一方のエンドプレートに一端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)の第1リニアアクチュエータからなる第1のリニアアクチュエータ群と、他方のエンドプレートに一端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本の第2リニアアクチュエータからなる第2のリニアアクチュエータ群とを備えている。そして第1のリニアアクチュエータ群のn本の第1リニアアクチュエータの他端と第2のリニアアクチュエータ群のn本の第2リニアアクチュエータの他端とがそれぞれ屈曲可能な連結機構を介して連結されている。そして第1リニアアクチュエータ及び第2リニアアクチュエータが、それぞれ本発明のリニアアクチュエータによって構成されている。
【0016】
このロボットでは、複数本のリニアアクチュエータユニットが一対のエンドプレート間に並設されることになるため、長さを任意に決めることができて、しかもパワーのある蠕動運動または蛇行運動をするロボットを提供することができる。
【0017】
特に、n本のリニアアクチュエータユニットを、それぞれ長手方向に直線状に延びた状態から長手方向の中央部を長手方向と直交する方向に変位させるように変形し且つ長手方向の中央部を長手方向と直交する方向に変位させた状態から長手方向に直線状に延びた状態に変形するように構成すれば、蠕動運動を確実に実現できる。またn本のリニアアクチュエータユニットを適宜に曲げることにより、アクチュエータモジュールを、直線状態、ひねり状態、傾斜状態または収縮状態のいずれかの状態にすることができる。そのためこれらの状態を適宜に組み合わせることにより、複雑な蠕動運動または蛇行運動をするロボットを提供することができる。
【0018】
連結機構は、第1リニアアクチュエータの他端と第2リニアアクチュエータの他端との間に配置されて、第1リニアアクチュエータと第2リニアアクチュエータとを電気的に接続する可撓性を有する電線と、第1リニアアクチュエータの他端と第2リニアアクチュエータの他端に両端がそれぞれ嵌合されて電線を収納する可撓性を有するチューブ部材とからなる構成にしてもよい。このような連結構造は、可撓性が高いため、アクチュエータモジュールの変形を滑らかに実現することができる。
【0019】
またリニアアクチュエータユニットを、一方のエンドプレートに一端が固定され且つ前記他方のエンドプレートに他端が固定されて、周方向に所定の間隔を開けて配置されたn本(nは2以上の整数)のリニアアクチュエータから構成してもよい。この場合、n本のリニアアクチュエータを、それぞれ本発明のリニアアクチュエータによって構成しても、蠕動運動または蛇行運動をするロボットを簡単に構成することができる。
【0020】
なお長尺状本体は、弾力性また可撓性を有する材料により形成されており、姿勢変更機構が非駆動状態にあるときに、長尺状本体はその弾力性または可撓性により予め定めた姿勢に復帰する。なお記弾力性または可撓性を有する材料としては、ゴム系材料が好ましい。特に、長尺状本体は、シリコーンゴム材料によって一体成形されたものであるのが好ましい。
【0021】
具体的には、回路基板の表面に形成された配線パターンには、複数個のハトメ端子が半田接続される複数の半田付け電極が形成されているのが好ましいい。そしてハトメ端子は、筒部の一端にフランジ部を有する形状を有しているものを用いるのが好ましい。この場合に、ハトメ端子のフランジ部が、半田付け電極に半田付け接続されており、筒部に形状記憶合金線状体の一端が挿入された状態で筒部がカシメられた状態にあるのが好ましい。このような構造であれば、複数の形状記憶合金線状体を簡単且つ確実に回路パターンに対して機械的且つ電気的に接続することができる。なお長尺状本体に形成された複数の貫通孔の回路基板側に位置する一端に複数のハトメ端子の筒部が嵌合されているのが好ましい。この篏合によって、長尺状本体の一端の回路パターンに対する位置決めを確実なものとすることができる。
【0022】
なお複数本の形状記憶合金線状体の他端と導電線の他端とが共通接続用のハトメ端子の筒部内に挿入された状態で、筒部がカシメられた状態にするのが好ましい。このようなハトメ端子を用いると、複数本の形状記憶合金線状体を簡単且つ確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施の形態のリニアアクチュエータと複数の接続導体を示した斜視図である。
図2】リニアアクチュエータの分解斜視図と、各部の部分拡大図を示す図である。
図3】(A)は第1の配線回路基板の正面図であり、(B)は第2の配線回路基板の正面図であり、(C)は実装基板の正面図である。
図4】(A)及び(B)は、配線回路基板と長尺状本体の関係を説明するために用いるである。
図5】本実施例のリニアアクチュエータを直接に接続する場合の接続状態を説明するために用いるである。
図6】本実施例のリニアアクチュエータを複数本直接に接続した蛇行運動をするロボットの概略図である。
図7】(A)及び(B)はアクチュエータモジュールの非変形状態と変形状態を示す図であり、(C)はリニアアクチュエータユニットの構成を説明するために用いる図である。
図8】6個のアクチュエータモジュールを直列に接続したロボットを示している。
図9】蠕動運動をするロボットの例である。
図10】蛇行運動をするロボットの例である。
図11】(A)乃至(D)は、図7に示したアクチュエータモジュールの動作の典型例を示す図である。
図12】(A)乃至(C)は、図7の4本のリニアアクチュエータユニットをそれぞれリニアアクチュエータにより構成したアクチュエータモジュールの動作の典型例を示す図である。
図13】(A)乃至(C)は、3本のリニアアクチュエータを用いたアクチュエータモジュールの動作の典型例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明のリニアアクチュエータの実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施の形態のリニアアクチュエータ1と複数の接続導体CCを示した斜視図であり、図2はリニアアクチュエータ1の分解斜視図と、各部の部分拡大図を示す図である。図3(A)は後述する第1の配線回路基板9の正面図であり、図3(B)は後述する第2の配線回路基板11の正面図であり、(C)は後述する実装基板15の正面図である。
【0025】
これらの図に示すように、本実施の形態のリニアアクチュエータ1は、可撓性を有する長尺状本体3と、姿勢変更指令に応じて長尺状本体の姿勢を任意の姿勢に変更させる姿勢変更機構(7〜11)とを有している。長尺状本体3には、長手方向の一端から他端に延びる複数の貫通孔5が形成されている。長尺状本体3は、長尺状本体3の一端を固定して長尺状本体3を水平状態にしたときに長尺状本体3の他端が変位しない可撓性を有していても、または長尺状本体3の一端を固定して長尺状本体3を水平状態にしたときに長尺状本体3の他端が変位する可撓性を有していてもよい。これを実現するために、長尺状本体3の材質はゴム材料または樹脂材料(本実施の形態では、シリコーンゴム材料)等の適宜の材質から選定されている。
【0026】
姿勢変更機構(7〜11)は、長尺状本体3の複数の貫通孔5を通って、長尺状本体3の長手方向に延び且つ長尺状本体3の周方向に間隔を開けて配置された複数本の形状記憶合金線状体7と、長尺状本体3の両端に配置されて複数本の形状記憶合金線状体7に個別に電流を流す配線パターンWP1を有する第1の配線回路基板9及び配線パターンWP2を有する第2の配線回路基板11を備えている。第1の配線回路基板9及び第2の配線回路基板11は、変形しない基板材料または変形する基板材料のいずれで形成されていてもよい。
【0027】
本実施の形態では、長尺状本体3及び第1及び第2の配線回路基板9及びb11の材質並びに長尺状本体3の一端及び他端と1及び第2の配線回路基板9及び11との間の関係は、姿勢変更機構(7〜11)が駆動状態にあるときに、長尺状本体3が制御可能な変形をするように定められている。具体的には、本実施の形態では、第1及び第2の配線回路基板9及び11が変形しない基板材料を用いて形成されており、長尺状本体3の一端を固定して長尺状本体3を水平状態にしたときに長尺状本体3の他端が変位しない可撓性を長尺状本体が有している。図4(A)に示すように、長尺状本体3の一端及び他端と第1及び第2の配線回路基板9及び11との間は、積極的に間隙gを形成して、非接合状態にしている。なお図4(A)では、第2の配線回路基板11と長尺状本体3との間に間隙を示していないが、実際には両者は非接触状態にある。図4(B)に示すように、積極的に長尺状本体3の一端及び他端と第1及び第2の配線回路基板9及び11との間に間隙を形成しなくてもよいのは勿論である。
【0028】
そしてこの場合、長尺状本体3の一端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の一方とを接合状態にし、長尺状本体3の他端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の他方とを非接合状態にしもよい。また長尺状本体3の一端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の一方とを接合状態にし、且つ長尺状本体3の他端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の他方を接合状態にしてもよい。
【0029】
また第1及び第2の配線回路基板9及び11がフレキシブル基板のように変形する基板材料を用いて形成されており、且つ長尺状本体3の一端を固定して長尺状本体3を水平状態にしたときに長尺状本体3の他端が変位する硬さを長尺状本体が有している場合には、次のようすればよい。すなわち長尺状本体3の一端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の一方を接合状態にし、長尺状本体3の他端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の他方とを非接合状態にするか、または長尺状本体3の一端と第1及び第2の配線回路基板の一方を接合状態にし、長尺状本体3の他端と第1及び第2の配線回路基板9及び11の他方も接合状態にしてもよい。このようにすれば、長尺状本体3を制御可能に変形させることができる。
【0030】
図3(A)に示すように、第1の配線回路基板9は、表裏どちらの面も使用できるように、表裏両面に同じ配線パターンWP1が形成されており、配線パターンWP中には周方向に等間隔をあけて形成された6個の貫通孔TH1の周囲に半田付け電極SEが形成されている。第1の配線回路基板9の外周部には径方向外側に向かって開口する6個数の凹部Rが周方向に等間隔をあけて形成され、この凹部R1の周囲に端部電極EE1が形成されている。
【0031】
また図3(B)に示すように、第2の配線回路基板11の表面には、配線パターンWP2が形成されており、配線パターンWP2中には周方向に等間隔をあけて形成された6個の貫通孔TH2の周囲に6個の半田付け電極SE2が形成されている。6個の半田付け電極SE2は、+5Vが印加される共通接続ラインCLに接続されている。第2の配線回路基板11の外周部には径方向外側に向かって開口する6個数の凹部R2が周方向に等間隔をあけて形成され、この凹部R2の周囲に端部電極EE2が形成されている。また第2の配線回路基板11の中央部近傍に周方向に等間隔をあけて4個の貫通孔TH3が形成され、この貫通孔TH3にはスルーホール導電部が形成されている。
【0032】
図3(C)に示すように、実装基板15の表面には電流供給回路CSCが実装されており、実装基板15の外周部には径方向外側に向かって開口する12個数の凹部R3が周方向に等間隔をあけて形成され、この凹部R3の周囲に端部電極EE3が形成されている。また実装基板15の中央部近傍に周方向に等間隔をあけて4個の貫通孔TH4が形成され、この貫通孔TH4にはスルーホール導電部が形成されている。
【0033】
第1の配線回路基板9の外側に、姿勢変更指令に従って6本の形状記憶合金線状体7に配線パターンを介して電流を供給する電流供給回路CSCを実装した実装基板15を配置し、電流供給回路CSCに変更指令信号及び電力を供給する電線17が長尺状本体3と第1の配線回路基板9を貫通して配置すると、第1及び第2の配線回路基板9及び11の配線パターンをある程度自由に形成することができる。そのため、長尺状本体6の本数を増やした場合でも、簡単に対応することができる。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態では、第1の配線回路基板9の外側には、絶縁シート13を介して、姿勢変更指令に従って複数本の形状記憶合金線状体7に配線パターンWP1及びWP2を介して電流を供給する電流供給回路CSCを実装した実装基板15が配置されている。
【0035】
図2に示す2つの拡大図に示すように、形状記憶合金線状体7の一端7A及び他端7Bは、第1の配線回路基板9及び第2の配線回路基板11の配線パターンWPの半田付け電極SEに半田付けされるハトメ端子ETにカシメによってそれぞれ接続されている。ハトメ端子ETは、筒部ET1の一端にフランジ部ET2を有する形状を有していて、筒部ET1の内部に形状記憶合金線状体7の端部が挿入された状態で、筒部ET1がカシメられることにより、形状記憶合金線状体7の接続が完了する。本実施の形態では、図2に示した拡大図2A及び2Bに示すように、ハトメ端子ETのフランジ部ET2が、第1の配線回路基板9の半田付け電極EE1及び第2の配線回路基板11の半田付け電極EE2に半田層Sによって半田付け接続されている。本実施の形態では、半田付け前に筒部ET1に形状記憶合金線状体7の一端7A及び他端7Bが挿入された状態で筒部ET1がカシメられている。このような構造であれば、形状記憶合金線状体7を簡単且つ確実に配線パターンに対して機械的且つ電気的に接続することができる。本実施の形態によれば、半田付け性の悪い複数本の形状記憶合金線状体7を、ハトメ端子ETを用いて配線パターンの電極SE1,SE2に対して簡単に接続することが可能になる。なお本実施の形態では、ハトメ端子の電極上への半田付け前に、ハトメ端子への形状記憶合金線状体のカシメ作業を行っているが、ハトメ端子を用いずに他の接続手段を用いて形状記憶合金線状体を半田付け電極に接続してもよいのは勿論である。
【0036】
本実施の形態では、第1の配線回路基板9には、6つの半田付け電極EE1によって囲まれる中央位置に基板を厚み方向に貫通する貫通孔TH5が形成されている。そして長尺状本体7には、6つの貫通孔5によって囲まれる中央位置に、長手方向に延びる中心貫通孔6が形成されている。また絶縁シート13の中央部に貫通孔TH6が形成されている。またそして第2の配線回路基板11の中央部に設けられた4つの貫通孔TH3、長尺状本体7の中心貫通孔6、第1の配線回路基板の貫通孔TH5、絶縁シート13の貫通孔6、そして実装基板15の4つの貫通孔TH4を通って、電力供給と信号供給のための4本の被覆導電線17が配置されている。なお理解を容易にするために図2においては、導電線17の長さは、長く延ばした状態で描いてある。4本の導電線17の心線の一端は、実装基板15の4つの貫通孔TH4の周囲に設けられた電極に半田付け接続されている。また4本の導電線17の心線の他端は、第2の配線回路基板11の4つの貫通孔TH3の周囲に設けられた電極に半田付け接続されている。
【0037】
実装基板15の外周部に設けられた12個の凹部R3の周囲に設けられた端部電極EE3のうち、1つ置きの6個の端部電極EE3が、第1の配線回路基板9の6個の端部電極EE1と整合するように実装基板15が絶縁シート13を介して第1の配線回路基板9の外側に配置され、6本のピン状の接続導体CCによって、6個の端部電極EE1と6個の端部電極EE3が電気的に且つ機械的に接続される。
【0038】
図3に示すように、実装基板15の外周部に設けられた12個の凹部R3の周囲に設けられた端部電極EE3のうち残りの1つ置きの6個の端部電極EE3は、直列接続される他のリニアアクチュエータ1の第2の配線回路基板11の6個の端部電極EE2と6本のピン状の接続導体CCによって電気的に且つ機械的に接続される。符号17は絶縁シートである。なお各ピン状の接続導体CCは、半田によって各電極と接続される。本実施例では、第1の配線回路基板9及び実装基板15と第2の配線回路基板11に設けた導体貫通凹部を構成する凹部R1〜R3の内部及び開口部に設けた端部電極EE1〜EE3と接続導体CCによって、同じ構造の別のリニアアクチュエータ1を直列接続する接続構造が構成されている。このような接続構造を予め備えていれば、直列接続を簡単に実現することができる。なお凹部R1〜R3に変えて接続導体CCを貫通する導体貫通孔を設けても良い。この場合には、第1の配線回路基板9及び実装基板15と第2の配線回路基板11の径寸法を長尺状本体3の直径よりも大きくしておけばよい。
【0039】
本実施の形態では、6本の形状記憶合金線状体7から選択した少なくとも1本の形状記憶合金線状体と設置電極GNDとの間に電流を供給すれば、長尺状本体3は変形する。すなわち長尺状本体3は、形状記憶合金線状体7に電流を流すことにより、長尺状本体7を任意の方向に曲げることができる。例えば長尺状本体3を周方向に60°間隔で外側に曲げる場合には、1本の形状記憶合金線状体7のみに通電すると、形状記憶合金線状体7が緊張収縮して、例えば第2の配線回路基板11に対して第1の配線回路基板9を移動させて(または第1の配線回路基板9に対して第2の配線回路基板11を移動させて)、長尺状本体3をその1本の形状記憶合金線状体7が位置する方向に曲げる。逆方向に曲げるためには、前記1本の形状記憶合金線状体7と180°反対側に位置する形状記憶合金線状体7に電流を流すと、長尺状本体3は逆方向に曲がる。隣り合う2本の形状記憶合金線状体7に電流を流すとこの2本の記憶合金線状体7の丁度中間に向かう方向に長尺状本体3が曲がることになる。各形状記憶合金線状体7に流す電流の量やタイミングを適切に設定することにより、長尺状本体3は単に一方向に向かって曲がるだけでなく、旋回や振動やその組み合わせのような複雑な運動を実行することができる。
【0040】
(長尺状ロボット)
本実施の形態のリニアアクチュエータ1を複数直列に接続すれば、図6に示すように進行方向に蛇行運動をするリニアアクチュエータを用いたロボットを提供することができる。また図7(A)及び(B)に示すように2つのリニアアクチュエータ1A及び1Bを直列に接続して構成したアクチュエータモジュール21を複数個並列に接続して構成した複数個のアクチュエータモジュール21を進行方向に蠕動運動または蛇行運動をするように組み合わせれば、リニアアクチュエータを用いたロボット30を構成することができる。図8は、この蠕動運動または蛇行運動をするように構成されたリニアアクチュエータを用いたロボット30の構成を示している。
【0041】
このロボット30で用いるアクチュエータモジュール21は、進行方向に並ぶ一対のエンドプレート23及び25の一方のエンドプレート23に一端が固定され他方のエンドプレート25に他端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置された4本のリニアアクチュエータユニット27を備えた構造を有している。4n本のリニアアクチュエータユニット27は、それぞれ長手方向に直線状に延びた状態から長手方向の中央部を長手方向と直交する方向に変位させるように変形し且つ長手方向の中央部を長手方向と直交する方向に変位させた状態から長手方向に直線状に延びた状態に変形するように構成されている。
【0042】
図7(A)及び(B)に示すように、リニアアクチュエータユニット27は、一方のエンドプレート23に一端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置された4本の第1リニアアクチュエータ1Aからなる第1のリニアアクチュエータ群と、他方のエンドプレート25に一端が固定され且つ周方向に所定の間隔を開けて配置された4本の第2リニアアクチュエータ1Bからなる第2のリニアアクチュエータ群とを備えている。そして第1のリニアアクチュエータ群の4本の第1リニアアクチュエータ1Aの他端と第2のリニアアクチュエータ群の4本の第2リニアアクチュエータ1Bの他端とがそれぞれ屈曲可能な連結機構29を介して連結されている。本実施の形態では、第1リニアアクチュエータ1A及び第2リニアアクチュエータ1Bが、それぞれ上記リニアアクチュエータ1によって構成されている。
【0043】
このアクチュエータモジュール21を用いたロボット30では、4本のリニアアクチュエータユニット27が一対のエンドプレート23及び25間に並設されることになるため、長さを任意に決めることができて、しかもパワーのある蠕動運動または蛇行運動をするロボットを提供することができる。
【0044】
図7(C)に示すように、連結機構29は、第1リニアアクチュエータ1Aの他端と第2リニアアクチュエータ1Bの他端との間に配置されて、第1リニアアクチュエータ1Aと第2リニアアクチュエータ1Bとを電気的に接続する可撓性を有する電線EWと、第1リニアアクチュエータ1Aの他端と第2リニアアクチュエータ1Bの他端に両端がそれぞれ嵌合されて電線EWを収納する可撓性を有するチューブ部材CMとから構成される。本実施の形態では、チューブ部材CMをシリコンチューブによって構成している。このような連結構造29は、可撓性が高いため、アクチュエータモジュール21の変形を滑らかに実現することができる。一対のエンドプレート23及び25の両面部分には、嵌合固定用の凹部20が周方向に一定間隔をあけて形成されている。凹部20の内部には、実装基板19の端部電極EE3または第2の配線回路基板11の端部電極EE2と嵌合されて電気的に接続可能なピン状の図示しない4本の端子電極部が周方向に一定間隔を開けて固定されている。また一対のエンドプレート23及び25の内部には、隣接するアクチュエータモジュール21に電力及び制御指令を伝送するための制御回路または伝送回路が実装されている。アクチュエータモジュール21に供給する電力は、電力ケーブルを介して給電してもよいし、エンドプレート23及び25内に電池を配置して、この電池から給電してもよい。
【0045】
図7(A)に示すリニアアクチュエータモジュール21では、4本の4本のリニアアクチュエータユニット27が直線状になっており、図6(B)では4本のリニアアクチュエータユニット27の連結構造29が径方向外側に向かって突出するように、第1リニアアクチュエータ1Aの他端と第2リニアアクチュエータ1Bの他端が外側に移動するように、第1リニアアクチュエータ1Aと第2リニアアクチュエータ1Bとが湾曲している。
【0046】
図8は、6個のアクチュエータモジュール21A乃至21Fを直列に接続したロボットを示している。図7では、アクチュエータモジュール21B,21D及び21Eが変形状態にあり、他のアクチュエータモジュール21A,21C及び21Fが非変形状態になっている。変形状態になるアクチュエータモジュールを適宜に変えることにより、このロボットはいわゆるミミズの動きと同様の蠕動運動をにする。
【0047】
図9は、蠕動運動をするロボットの例であり、アクチュエータモジュール21A乃至21Mのうち、アクチュエータモジュール21A,21B,21E,21F,21J及び21Kが径方向外側に完全に膨らむ形状になっており、アクチュエータモジュール21C,21D,21G及び21Lが径方向外側に半分程度膨らむ形状になっており、アクチュエータモジュール21H,21I及び21Mが直線状になっている。このようなアクチュエータモジュールの変形を長手方向に順番に移動するように繰り返すことにより、このロボットは矢印方向に蠕動運動をする。
【0048】
また図10は、蛇行運動をするロボットの例であり、アクチュエータモジュール21A乃至21Nのうち、アクチュエータモジュール21A,21B,21Gが直線状になっており、アクチュエータモジュール21C乃至21F及び21Hが、矢印で示す進行方向の左側に位置する2本のリニアアクチュエータユニットが外側に変形し、アクチュエータモジュール21I乃至21Lが進行方向の右側に位置する2本のリニアアクチュエータユニットが外側に変形し、アクチュエータモジュール21M及び21Nが進行方向の左側に位置する2本のリニアアクチュエータユニットが外側に変形するこにより、蛇行形状を作り、この蛇行形状の変形が移動するように、アクチュエータモジュールの変形を長手方向に順番に移動するように繰り返すことにより、このロボットは蛇行運動をする。
【0049】
図11(A)乃至(D)は、1つのアクチュエータモジュール21の動作の典型例を示す図である。図11(A)は、4本のリニアアクチュエータユニット27を無通電状態にして各アクチュエータモジュール21を真っ直ぐな状態にしたときのアクチュエータモジュール21の状態を示している。図11(B)は、4本のリニアアクチュエータユニット27のそれぞれを、周方向の同一方向に曲げたときのアクチュエータモジュール21の状態を示している。この状態では、アクチュエータモジュール21はひねられた状態にある。図11(C)は、4本のリニアアクチュエータユニット27のそれぞれを、径方向外側に曲がりの程度を変えて、アクチュエータモジュール21を任意の方向に傾けた状態を示している。図11(D)は、4本のリニアアクチュエータユニット27のそれぞれを、径方向外側に同じ曲げて、アクチュエータモジュール21を収縮した示している。図6乃至図10に示した上記の実施の形態では、図11に示すアクチュエータモジュール21の姿勢態様を組み合わせて、ロボットに蠕動運動と蛇行運動をすることを実現している。
【0050】
上記実施の形態では、アクチュエータモジュール21を4本のアクチュエータユニット27によって構成しているが、図12(A)乃至(C)に示すように、図11の4本のアクチュエータユニット27をそれぞれリニアアクチュエータ1により構成して、アクチュエータモジュール21を構成してもよい。図12(A)は、4本のリニアアクチュエータ1を無通電状態にして各アクチュエータユニット1を真っ直ぐな状態にしたときのアクチュエータモジュール21の状態を示している。図12(B)は、4本のリニアアクチュエータ1のそれぞれを、周方向の同一方向に曲げたときのアクチュエータモジュール21の状態を示している。この状態では、アクチュエータモジュール21は、ひねられた状態にある。図12(C)は、4本のリニアアクチュエータ1の湾曲の程度をそれぞれ変えて、アクチュエータモジュール21を任意の方向に傾けた状態を示している。なお図13(A)乃至(C)に示すように、3本のリニアアクチュエータユニット27をそれぞれリニアアクチュエータ1により構成して、アクチュエータモジュール21を構成してもよい。3本以上のリニアアクチュエータユニット27をそれぞれリニアアクチュエータ1により構成したアクチュエータモジュール21を複数連結したロボットでも、各アクチュエータモジュール21中のリニアアクチュエータ1の状態を変えることにより、蠕動運動と蛇行運動をするロボットの実現が可能である。例えば、図12(B)または図13(B)の動作のようにひねり動作をしたときと、しないときとでは、一対のエンドプレート23及び25間の間隔寸法が小さくなったり大きくなったりする。そこで複数のアクチュエータモジュール21を直線状に連結して、図9に示すように、奇数番目のアクチュエータモジュールと偶数番目のアクチュエータモジュールにひねり動作とひねらない動作を交互に行わせると、あたかも蠕動運動をしているような動きを実現できる。また図12及び図13の複数のアクチュエータモジュール21を直線状に連結して、各アクチュエータモジュール21の動きを任意に組み合わせることにより、蛇行運動をしているような動きを実現できる。
【0051】
なお図8乃至図10のロボットには、外装を施してもよいのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のリニアアクチュエータによれば、長尺状本体を制御可能に変形させることができるので、リニアアクチュエータをユニットとして様々な用途に使用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 リニアアクチュエータ
3 長尺状本体
5 貫通孔
7 形状記憶合金線状体
9 第1の配線回路基板
11 第2の配線回路基板
13 絶縁シート
15 実装基板
17 電線
21 アクチュエータモジュール
23,25 エンドプレート
27 リニアアクチュエータユニット
29 連結構造
30 ロボット
g 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13