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特開2020-122976スパークル低減のための光学スタック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-122976(P2020-122976A)
(43)【公開日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】スパークル低減のための光学スタック
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20200717BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20200717BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20200717BHJP
【FI】
   G02B5/02 C
   G02B5/18
   G09F9/00 313
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-67348(P2020-67348)
(22)【出願日】2020年4月3日
(62)【分割の表示】特願2016-572617(P2016-572617)の分割
【原出願日】2015年6月12日
(31)【優先権主張番号】62/011,984
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シッター、ブレット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラドクリフ、マーク ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ホッフェント、ジュニア.トーマス アール
(72)【発明者】
【氏名】ヘンネン、ダニエル ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー、ミハエル エル.
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ラン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴリアー、ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト、ジェームズ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】コシーク−ウィリアムズ、エレン マリー
【テーマコード(参考)】
2H042
2H249
5G435
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA12
2H042BA13
2H042BA20
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA43
2H249AA60
5G435AA01
5G435DD12
5G435HH03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】精細ディスプレイにおいても、見る者にとって不快な又は気を散らす可能性があるスパークルの発生が少ない光学スタックを提供する。
【解決手段】光学スタック300は、3層の構造からなり、2つの面内次元で回折を発生させる格子構造を含む。光学スタックは、一方向性又は二方向性であり得る2つの格子を含むことができる。第1の格子と第2の格子350とで、それぞれ屈折率差、高低差、両者の積である光路長差を150nm〜350nmの範囲に設定する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層と、
第2の層と、
第3の層とを備える光学スタックにおいて、前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配設され、前記第1の層と前記第2の層との間の第1の境界面は、第1の方向に実質的に沿って延びる第1の格子を有し、前記第2の層と前記第3の層との間の第2の境界面は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に実質的に沿って延びる第2の格子を含み、前記第1の層は屈折率nを有し、前記第2の層は屈折率nを有し、前記第3の層は屈折率nを有し、前記第1の格子はhの高低差を有し、前記第2の格子はhの高低差を有し、hによって乗算された|n−n|は、150nm〜350nmの範囲にあり、hによって乗算された|n−n|は、150nm〜350nmの範囲にあり、さらに、前記第1の格子は、2マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、前記第2の格子は、2マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有する、光学スタック。
【請求項2】
前記光学スタックは、前記第1の層に近接したアンチグレア層をさらに備える、請求項1に記載の光学スタック。
【請求項3】
前記光学スタックが、入射パワーPを有し532nmの波長を有する垂直入射するレーザ光によって照射されたとき、複数の回折ピークが生成され、各回折ピークは、パワー内容及び回折次数を有し、前記複数の回折ピークは、9個の回折ピークからなるセットを含んでなり、前記9個の回折ピークからなるセットの各ピークの回折次数は、前記9個の回折ピークからなるセットに含まれない各回折ピークの回折次数よりも低く、前記9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークの各パワー内容の合計はPであり、Pは少なくとも0.7Pであり、前記9個の回折ピークからなるセットにおける前記回折ピークの各パワー内容は、0.08Pより大きく0.16Pより小さい、請求項1に記載の光学スタック。
【請求項4】
前記光学スタックは可撓性フィルムである、請求項1に記載の光学スタック。
【請求項5】
前記第1のピッチは2〜30ミクロンの範囲にあり、前記第2のピッチは2〜30ミクロンの範囲にある、請求項1に記載の光学スタック。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学スタックを備えるディスプレイにおいて、前記ディスプレイは、複数のピクセルを備え、前記光学スタックは、第1の色を有する前記複数のピクセルの第1のピクセルが前記光学スタックを通して照射され見られるとき、複数の2次画像が生成されるように、前記複数のピクセルに近接して配置され、各2次画像は、前記第1のピクセルからの横方向変位を有し、前記第1のピクセルは、前記第1の色を有する複数の1次近隣ピクセル、及び前記第1の色を有する複数の2次近隣ピクセルを有し、各2次画像の前記横方向変位は、各2次画像が、前記複数の1次近隣ピクセルと重なる、又は前記第1のピクセルと前記複数の1次近隣ピクセルとの間のスペースと重なるようになされ、前記2次近隣ピクセルと前記複数の2次画像の重なりは実質的に存在しない、ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパークル低減のための光学スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
アンチグレア・コーティング、他の不規則なコーティング、擦り傷、又は跡が付けられた表面を有する高精細ディスプレイは、見る者にとって不快な又は気を散らす可能性があるスパークルを発生させる傾向がある。ディスプレイにおけるスパークルは、ディスプレイに対する見る者の位置において少ない変化であちこちに動く又はちらつくように見える粒状パターンとして説明され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高精細ディスプレイにおいてスパークルを低減させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本明細書は、第1の層、第2の層、及び第3の層を含む光学スタックに関する。第2の層は、第1の層と第3の層との間に配設される。第1の層と第2の層との間の第1の境界面は、第1の方向に実質的に沿って延びる第1の格子を含み、第2の層と第3の層との間の第2の境界面は、第1の方向とは異なる第2の方向に実質的に沿って延びる第2の格子を含む。第1の層は屈折率nを有し、第2の層は屈折率nを有し、第3の層は屈折率nを有する。第1の格子はhの高低差を有し、第2の格子はhの高低差を有する。hによって乗算されたn−nの絶対値は、約150nmと約350nmとの間であり、hによって乗算されたn−nの絶対値は、約150nmと約350nmとの間である。第1の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、第2の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有する。場合によっては、第1の層及び第3の層が、光学的に透明な接着剤を含み、場合によっては、第2の層が、ポリマー又はポリマー複合材を含む。場合によっては、第2の層が、光学的に透明な接着剤を含み、場合によっては、第1の層及び第3の層が、ポリマー又はポリマー複合材を含む。場合によっては、第1の格子の第1の方向は、第2の格子の第2の方向と実質的に直交することがある。場合によっては、第1の方向と第2の方向との間の角度は、約5度より大きくかつ90度以下である。場合によっては、光学スタックは可撓性フィルムであり、場合によっては、光学スタックは、アンチグレア層又はアンチグレア特徴部(anti−glare features)を含む。場合によっては、アンチグレア特徴部は、埋め込まれた粒子を含む。
【0005】
別の態様では、本明細書は、屈折率nを有する第1の層と、第1の層に隣接して配設された屈折率nを有する第2の層とを含む光学スタックに関する。第1の層と第2の層との間の第1の境界面は、hの高低差を有する二方向性の格子を含む。hによって乗算されたn−nの絶対値は、約150nm〜約350nmの範囲にある。格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第1の方向の第1のピッチと、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第2の方向の第2のピッチとを有する。光スタックが、入射パワーPを有し約532nmの波長を有する垂直入射するレーザ光によって照射されたとき、複数の回折ピークが生成され、各回折ピークは、パワー内容(power content)及び回折次数を有する。複数の回折ピークは、9個の回折ピークからなるセットを含み、9個の回折ピークからなるセットは、9個の回折ピークからなるセットに含まれない回折ピークよりも低い回折次数を有する。9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークのパワー内容の合計は、少なくとも約0.7PであるPである。9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークのそれぞれのパワー内容は、約0.08Pより大きく約0.16Pより小さい。場合によっては、第2の層は、実質的に平面である外側主表面を含み、場合によっては、外側主表面は、埋め込まれた粒子を含み得るアンチグレア特徴部を含む。場合によっては、Pは、少なくとも約0.8Pであり、9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークのそれぞれのパワー内容は、Pのおよそ9分の1である。場合によっては、第1の層は、ポリマーを含み、第2の層は、光学的に透明な接着剤を含む。場合によっては、光学スタックは可撓性フィルムである。場合によっては、光学スタックは、第1の層の反対側に第2の層に隣接して配置された第3の層を含み、第2の層と第3の層との間の境界面は、第2の格子を含む。
【0006】
別の態様では、本明細書は、第1の層、第2の層、及び第3の層を含む光学スタックであって、第2の層が第1の層と第3の層との間に配設される光学スタックに関する。第1の層と第2の層との間の第1の境界面は、第1の格子を含み、第2の層と第3の層との間の第2の境界面は、第2の格子を含む。第1の層は屈折率nを有し、第2の層は屈折率nを有し、第3の層は屈折率nを有し、第1の格子はhの高低差を有し、第2の格子はhの高低差を有する。hによって乗算されたn−nの絶対値は、約150nmと約350nmとの間であり、hによって乗算されたn−nの絶対値は、約150nmと約350nmとの間である。第1の格子及び第2の格子のうちの少なくとも一方は、二方向性の格子である。第1の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、第2の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有する。場合によっては、光学スタックはアンチグレア層を含む。
【0007】
別の態様では、本明細書は、光学スタックを含むディスプレイに関する。光学スタックは、本明細書に説明されている光学スタックのいずれかであってよい。ディスプレイは、ピクセルを含み、光学スタックは、第1の色を有する第1のピクセルが光学スタックを通して照射され見られるとき、複数の2次画像が生成されるように、ピクセルの近くに配置され、各2次画像は、第1のピクセルからの横方向変位を有する。第1のピクセルは、第1の色を有する1次近隣ピクセル、及び第1の色を有する2次近隣ピクセルを有する。各2次画像の横方向変位は、各2次画像が、1次近隣ピクセルと重なる、又は第1のピクセルと1次近隣ピクセルとの間のスペースと重なるようになされ、2次近隣ピクセルと複数の2次画像の重なりは実質的に存在しない。場合によっては、ピクセルは、ディスプレイ方向に沿って繰り返すパターンで配列され、光学スタックは、格子配向方向を含む配向を有し、ディスプレイ方向と格子配向方向との間の角度は、約5度〜約85度の範囲にある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】光学スタックの断面図。
図2】光学スタックの概略上面斜視図。
図3A】光学スタックの断面図。
図3B図3Aに示された断面に直交する断面に沿った図3Aの光学スタックの断面図。
図3C図3A及び図3Bの光学スタックの斜視図。
図4】光学スタックの断面図。
図5A】アンチグレア層を有する光学スタックの断面図。
図5B】アンチグレア特徴部を含む光学スタックの断面図。
図5C】アンチグレア特徴部を含む光学スタックの断面図。
図5D】アンチグレア層を含む光学スタックの断面図。
図6A】二方向性の構造を含む表面を有する第1の層の斜視図。
図6B】第1の層の二方向性の構造を埋める第2の層を伴う図6Aの第1の層の断面図。
図7】光学スタックの断面図。
図8】光学スタックを組み込んだディスプレイの概略断面図。
図9】光学スタックを照射する様子を示す図。
図10】光学スタックを照射することによって発生された回折パターンを示す図。
図11】光学スタックを照射することによって発生された回折パターンを示す図。
図12】複数のピクセルの平面図。
図13】光学スタックを通して1つのピクセルが照射され見られる図12の複数のピクセルの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ディスプレイにおけるスパークルは、ピクセルからの光がその光路における典型的にはディスプレイの表面上の不均一性と相互作用することによって引き起こされる可能性がある。ピクセルからの光は、不均一性とピクセル光の相互作用により、見る者が移動するにつれてあちこちに動く又はちらつくように見えることがある。そのような不均一性は、ディスプレイに追加され得るフィルム又は他の層の構造又は表面テクスチャを含み得る。たとえば、アンチグレア・フィルムの表面テクスチャは、表面から鏡面反射を低減させ、それによりグレアを低減させるために含まれることが多い。スパークルを発生させ得る不均一性は、ディスプレイ表面上の指紋、擦り傷、又は他の残留物も含む。
【0010】
回折を発生させる一方向性の周期的構造を使用するスパークルを低減させる手法が知られているが、回折を生成し得る二方向性の周期的構造を使用することは、望ましくないことにディスプレイの知覚される解像度を低下させると以前から考えられていた。また、回折を最小限にするように設計された二方向性の周期的構造を含むスパークルを低減させる手法も知られているが、そのような構造は、ディスプレイの知覚される解像度が犠牲にされないよう小さい回折効果を生成するように設計されるべきであると以前から考えられていた。本明細書によれば、2つの平面内次元で回折を発生させるディスプレイ内の構造が、知覚される解像度を実質的に低下させることなく、一方向性の場合と比較して改善されたスパークル低減を伴って利用されることが可能である。特に、制御された回折を得るように選択された2つ以上の一方向性の格子又は少なくとも1つの二方向性の格子を有する光学スタックが、ディスプレイに組み込まれて、知覚されるディスプレイ解像度を実質的に維持しながら、スパークルをかなり低減させることが可能である。
【0011】
ディスプレイは、単一の色領域にさらに分割され得るアドレス可能な要素のグリッドに分割されることが多い。本明細書で使用される場合、「ピクセル」はディスプレイの最小のアドレス可能な要素を指す。単一の色要素が別個にアドレス可能であるディスプレイにおいて、単一の色要素は本明細書では「ピクセル」と呼ばれるが、そのような別個にアドレス可能な単一の色要素は「サブピクセル」として知られることもある。ディスプレイは、第1、第2、及び第3の色のピクセルの周期的配列を含むことができる。場合によっては、第4の色も使用されることがある。たとえば、赤、緑、及び青のピクセルのアレイがディスプレイで使用されてよい。代わりに、黄色、マゼンタ、及びシアンのピクセルのアレイが使用されてもよい。第1の色のピクセルは、典型的には、他の色を有するピクセルが配置される第1の色のピクセル間のスペースを有する周期的パターンで配列される。スパークルは、ディスプレイに対する観察者の位置が変更されたときのピクセルからの光の明るさ又は色の見かけの変化から生じるものとして説明され得る。本明細書によれば、スパークルを低減させる手法は、照射されたピクセルの重複画像を用いて、第1の色の照射されたピクセルとその近隣の第1の色のピクセルとの間のスペースを埋める。この場合、ピクセルからの光がより広いエリアにわたって広げられるので、観察者が気付くことになるピクセルの明るさ、色、又は見かけの位置の変化が小さい。同様に、他の色のピクセルの重複画像が、同様のピクセル間のスペースに配置されることが可能である。しかしながら、一般的に、ディスプレイの解像度を保持することが望ましく、広いエリアにわたる照射されたピクセルの重複画像の広がりは、知覚される解像度を低くするおそれがある。したがって、ディスプレイの知覚される解像度が適切なレベルに維持されながらスパークルが低減されるように、重複画像の位置を制御することが望まれる。
【0012】
本明細書は、ディスプレイ内又はディスプレイ上に組み込まれることが可能であり、知覚される解像度を大きく犠牲にすることなくスパークルを低減させることができる光学スタックを提供する。光学スタックは、二方向性の格子及び/又は複数の一方向性の格子を含む。いくつかの実施形態では、光学スタックは、ポリマー材料を含み、いくつかの実施形態では、光学スタックは、ポリマー及び/又はポリマー複合材及び/又は光学的に透明な接着剤から作られる。いくつかの実施形態では、光学スタックは可撓性フィルムである。他の実施形態では、光学スタックは、ガラス又は他の基板上に作られる。
【0013】
図1は、第1の層110、第2の層120、第3の層130、第1の格子140、及び第2の格子150を含む光学スタック100の断面図である。第1の層110は、第2の層120の反対側に第1の外側主表面180を有し、第3の層130は、第2の層120の反対側に第2の外側主表面190を有する。第1の格子140はhの高低差を有し、第2の格子150はhの高低差を有する。図1に示される実施形態では、第1の外側主表面180及び第2の外側主表面190は実質的に平面である。
【0014】
回折格子によって発生された回折ピークの強度の分布は、格子にわたる屈折率コントラスト(すなわち、格子の一方側直近の光学媒体の屈折率と格子の他方側直近の光学媒体の屈折率との間の差の絶対値)と、格子の高低差との積の関数である。本明細書で使用される場合、屈折率及び屈折率コントラストは、特に指示されない限り、25℃及び大気圧において532nmの波長を有する光を使用する屈折率測定を参照する。屈折率コントラストの高低差倍は、有効解像度を低下させるであろう回折ピークが低い強度で出現するか又は全く測定可能に出現しない一方で、スパークルを低減させる回折ピークが比較的高い強度で出現するように調節されることが可能である。屈折率コントラストと高低差の積の有用な値の範囲は、格子の形状に応じて変わり得る。格子は、任意の周期的に繰り返す形状、たとえば、正弦波形状、方形波形状を有してよく、又は格子は、他の周期的に繰り返す規則的もしくは不規則な形状を有してもよい。
【0015】
第1の層110は屈折率nを有し、第2の層120は屈折率nを有し、第3の層130は屈折率nを有する。いくつかの実施形態では、第1の層及び第3の層は、nがnと等しい又は略等しいように同じ又は類似の材料から作られる。他の実施形態では、nはnと異なることがある。
【0016】
本明細書で論じられる任意の実施形態について、格子の高低差によって乗算された任意の格子に関する屈折率コントラストは、約100nmより大きく、又は約150nmより大きく、又は約200nmより大きく、かつ約400nmより小さく、又は約350nmより小さく、又は約300nmより小さくされてよい。たとえば、いくつかの実施形態では、hによって乗算された|n−n|は、約100nmと約400nmの間、又は約150nmと約350nmの間、又は約200nmと約300nmの間である。いくつかの実施形態では、hによって乗算された|n−n|は、約100nmと約400nmの間、又は約150nmと約350nmの間、又は約200nmと約300nmの間である。
【0017】
図1の光学スタック100は様々な方法で作られてよい。いくつかの実施形態では、第1の層110及び第3の層130は、表面構造を材料の層に機械加工することによって作られる。たとえば、表面構造を有する層は、ダイヤモンド工具を使用して、ガラス又は熱可塑性もしくは架橋ポリマー材料などの様々な非ポリマー材料のいずれかの層になるよう構造を切断することによって作られてよい。適切な材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル類、酢酸セルロース、及び二軸延伸ポリプロピレンなどのポリオレフィン類を含み、これらは様々な光学デバイスで一般的に使用されている。適切なダイヤモンド工具は当技術分野で知られており、米国特許第7,140,812号(ブライアンら(Bryan et al.))に説明されているダイヤモンド工具を含む。あるいは、ダイヤモンド工具は、反転パターンを銅微細複製ロールに切断するために使用されてよく、それが、重合性樹脂を利用する連続鋳造及び硬化プロセスを使用して基材上にパターンを作るために使用されてよい。連続鋳造及び硬化プロセスは、当技術分野で知られており、米国特許第4,374,077号(カーフェルド(Kerfeld))、第4,576,850号(マーテンズ(Martens))、第5,175,030号(ルら(Lu et al.))、第5,271,968号(コイルら(Coyle et al.))、第5,558,740(バーナードら(Bernard et al.))、及び第5,995,690号(コッツら(Kotz et al.))に説明されている。
【0018】
第1の層110を作成するための他の適切なプロセスは、レーザ・アブレーション及びエンボス加工を含む。第3の層130は、第1の層110を作るために使用される任意の技術を使用して作られ得る。いくつかの実施形態では、第2の層120は、第1の層110と第3の層130とを一緒に接着するために使用される光学的に透明な接着剤である。いくつかの実施形態では、第1の層110と第3の層130は、格子140が第1の方向を有し、格子150が第1の方向とは異なる第2の方向を有するように第2の層120と一緒に接着された同一又は類似の部品である。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2の層120は、第1の主表面上に第1の格子140を有し、第2の主表面上に第2の格子150を有するように材料を機械加工することによって準備される。そのような構造化層は、他の箇所で論じられている任意の材料及び技術を使用して準備され得る。そして、第1の層110は、第1の格子140に適用される光学的に透明な接着剤又は他のコーティングであってよく、第3の層130は、第2の格子150に適用される光学的に透明な接着剤又は他のコーティングであってよい。
【0020】
第2の層120上に適用されるときに第1の層110及び/もしくは第3の層130として使用され得る、又は第1の層110を第2の層130に対して接着することによって第2の層120を形成するために使用され得る適切な光学的に透明な接着剤は、Optically Clear Adhesive 817x、Optically Clear Adhesive 817x、Optically Clear Adhesive
826x、Liquid Optically Clear Adhesive 2321、CEF22xx、CEF28xxを含み、これらすべてはスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール(St. Paul, MN)所在)から入手可能である。他の適切な光学的に透明な接着剤は、UV硬化性アクリレート、ホットメルト接着剤、及び溶媒キャスト接着剤を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の層110は、第1のポリマーを含み、第2の層120は、第1のポリマーと同じ又は異なり得る第2のポリマーを含み、第3の層130は、第1又は第2のポリマーと同じ又は異なり得る第3のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の層110は、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材を含み、第2の層120は、光学的に透明な接着剤を含み、第3の層130は、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材と同じ又は異なり得る第2のポリマー又は第2のポリマー複合材を含む。いくつかの実施形態では、第1の層110は、第1の光学的に透明な接着剤を含み、第2の層120は、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材を含み、第3の層130は、第1の光学的に透明な接着剤と同じ又は異なり得る第2の光学的に透明な接着剤を含む。適切なポリマー複合材は、ポリマー複合材の屈折率を調整するために含まれる無機ナノ粒子(たとえば、約5nm〜約50nmの範囲の平均サイズを有するジルコニア又はチタニア・ナノ粒子など)を有するポリアクリレートなどのポリマーを含む。いくつかの実施形態では、光学スタックは可撓性フィルムである。多くの実施形態では、光学スタックは、可視スペクトルの光に対して実質的に透明である。
【0022】
図2は、光学スタックの概略上面図であり、光学スタックは、第1の方向213に延びる要素212によって表される第1の格子と、第2の方向215に延びる要素214によって表される第2の格子とを有し、第1の方向213と第2の方向215との間に角度226を有する。要素212によって表される第1の格子は、第1のピッチ232を有し、要素214によって表される第2の格子は、第2のピッチ234を有する。多くの実施形態では、第2の方向215は第1の方向213とは異なる。いくつかの実施形態では、角度226は、0度より大きく、又は約5度より大きく、又は約10度より大きく、又は約20度より大きく、かつ90度以下である。90度よりも大きい角度は90度未満の補角に相当することは理解されよう。いくつかの実施形態では、第1の方向213と第2の方向215は実質的に直交する。いくつかの実施形態では、第1のピッチ232と第2のピッチ234がほぼ等しい。他の実施形態では、第1のピッチ232と第2のピッチ234は異なる。
【0023】
格子によって発生される回折ピークの位置は、格子のピッチの関数である。本明細書の様々な実施形態に登場する格子のピッチは、比較的高い強度を有する回折ピークが、それらがスパークルを低減させるのに有効な領域に配置されるが、回折ピークがディスプレイの有効画像解像度を低下させるであろう領域には配置されないように、調整されることが可能である。回折ピークの位置は、ピクセル間の間隔、ならびに光学スタックがディスプレイ内に配置されたときのピクセルの平面と光学スタックとの間の距離に応じて変わり得る。本明細書で論じられる任意の実施形態について、任意の格子のピッチは、約1マイクロメートルより大きい、又は約2マイクロメートルより大きい、又は約4マイクロメートルより大きい、又は約6マイクロメートルより大きくされてよく、約60マイクロメートルより小さく、又は約50マイクロメートルより小さく、又は約40マイクロメートルより小さく、又は約30マイクロメートルより小さくされてよい。たとえば、いくつかの実施形態では、第1のピッチ232は、約2マイクロメートルと約50マイクロメートルとの間、又は約4マイクロメートルと約40マイクロメートルとの間である。いくつかの実施形態では、第2のピッチ234は、約2マイクロメートルと約50マイクロメートルとの間、又は約4マイクロメートルと約40マイクロメートルとの間である。
【0024】
第1の方向213と第2の方向215は実質的に直交してよく、又は直交しなくてもよい。第1の方向213と第2の方向215が実質的に直交している光学スタックが図3A図3B、及び図3Cに示されている。光学スタック300は、第1の層310、第2の層320、第3の層330、第1の格子340、及び第2の格子350を有する。第1の格子340は、第2の格子350における第2のピットと実質的に同じ第1のピッチを有する。第1の格子340は、第1の方向に沿って(図3Bの平面内に)延び、第2の格子350は、第1の方向と実質的に直交する第2の方向に沿って(図3Aの平面内に)延びる。図3Bは、図3A内に示された断面に沿っていて、図3Aは、図3B内に示された断面に沿っている。図3Cは、光学スタック300の斜視図である。
【0025】
図4は、光学スタック400の断面図を示し、光学スタック400は、第1の層410、第2の層420、第3の層430、第1の格子440、及び第2の格子450を有する。第1の層410は、第2の層420の反対側に第1の外側主表面480を有し、第3の層430は、第2の層420の反対側に第2の外側主表面490を有する。第1の外側主表面480は、格子440におけるピークと実質的に同じ高さである。第1の外側主表面480は、他の箇所で論じられている任意の方法を使用して第2の層420を形成し、光学的に透明な接着剤などのコーティングを第2の層420に適用することによって作られることが可能であり、それにより、コーティングが格子構造を埋めて、実質的に平面の表面である第1の外側主表面480を形成するようにする。同様に、第2の外側主表面490は、格子450におけるピークと実質的に同じ高さであり、これは、光学的に透明な接着剤などのコーティングを第1の層の反対側で第2の層420に適用することによって作られることが可能であり、それにより、コーティングが格子450を埋めて、実質的に平面の表面である第2の外側主表面490を形成するようにする。適切なコーティングは、他の箇所で論じられているものを含む。
【0026】
光学スタック400は、第1の層110及び第3の層130がそれぞれ第1の格子140におけるピークのレベル及び第2の格子150におけるピークのレベルを超えて延びる図1に示された実施形態の代替形態である。別の実施形態では、第1の層410が、第1の格子440におけるピークと実質的に同じ高さである一方、第3の層430は、第2の格子450におけるピークの高さを超えて延びることがある。
【0027】
図5Aは、光学スタック500を示し、光学スタック500は、コーティングなしの光学スタック505、第1の主表面581、外側主表面582、バインダ583、埋め込まれた粒子585、アンチグレア層587、及びアンチグレア特徴部588を含む。第1の主表面581は、アンチグレア特徴部588を含む外側主表面582を作成するようにアンチグレア層587によってコーティングされている。コーティングなしの光学スタック505は、本明細書の任意のコーティングなしの光学スタックを表す。たとえば、コーティングなしの光学スタック505は、図1の光学スタック100に対応してよく、その場合、第1の主表面581は、第1の層110の第1の外側主表面180に対応する。アンチグレア層587は、バインダ583及び埋め込まれた粒子585を含む。アンチグレア層587は、外側主表面582の不規則な表面構造を作成することができるビーズ又は他の粒子を含有する任意のコーティングであってよい。適切な埋め込まれた粒子585は、ガラス・ビーズ、ポリマー・ビーズ、シリカ粒子、又はシリカ粒子の凝集体を含み、それらは、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲、又は約0.3マイクロメートル〜約2マイクロメートルの範囲の平均直径を有する。バインダ583は、任意の光学的に透明な接着剤又は透明ポリマーなど他の透明材料から選択され得る。バインダ583の適切な材料は、光学的に透明な接着剤及び他の箇所で論じられている他のコーティングを含む。アンチグレア層587の他の適切な材料は、たとえば、米国特許第7,291,386号(リヒターら(Richter et al.))に説明されているような硬化された無機ポリマー・マトリックス中の凝集シリカ粒子を含む。
【0028】
代わりに又は加えて、いくつかの実施形態は、光学スタックの最外層のいずれかに埋め込まれた粒子を含む。埋め込まれた粒子は、本明細書の任意の光学スタックの任意の最外層に含まれ得る。図5Bに示される特定の実施形態では、光学スタック501は、第1の層510、第2の層520、第3の層530、第1の格子540、及び第2の格子550を含む。埋め込まれた粒子585は、アンチグレア特徴部588を含む外側主表面582を作成するために第1の層510に含まれる。バインダ583及び埋め込まれた粒子585として使用するのに適した任意の材料が、第1の層510で使用されてもよい。
【0029】
図5Cは、別の実施形態を示し、ここでは、外側主表面582を微細複製、粗面化、又はテクスチャリングすることによってアンチグレア特徴部588が光学スタック502に提供される。光学スタック502は、本明細書の任意の光学スタックを表し得る。たとえば、光学スタック502は、光学スタック100から、第1の外側主表面180を構造化して外側主表面582を作成することによって得ることができる。表面を構造化してアンチグレア特徴部を作成するための方法は、当技術分野で知られており、たとえば、米国特許第5,820,957号(シュレーダーら(Schroeder et al.))に説明されている。いくつかの実施形態では、アンチグレア特徴部588は、たとえば、米国特許出願公開第2012/0064296号(ウォーカーら(Walker et al.))に説明されているような切断旋盤加工を使用して、微細複製によって本明細書の光学スタックのいずれかの任意の外側主表面において直接得ることができる。
【0030】
アンチグレア機能性を提供するための別の手法は、本開示の光学スタックのいずれかにアンチグレア層を追加することである。これは図5Dに示されており、図5Dでは、第2の光学スタック502が、第1の光学スタック506、第1の主表面561、及び第1の光学スタック506に近接したアンチグレア層597を含む。第1の光学スタック506は、アンチグレア層597をまだ含んでいない本明細書の任意の光学スタックを表す。たとえば、第1の光学スタック506は、図1の光学スタック100に対応することができ、この場合、第1の主表面561は、第1の層110の第1の外側主表面180に対応する。この場合、アンチグレア層597は第1の層110に近接する。図5Dでは、アンチグレア層597は、第1の光学スタック506の第1の外側主表面561に隣接する。代替的実施形態では、1つ又は複数の追加の層が、第1の光学スタック506とアンチグレア層597を分離する。アンチグレア層597として使用するための適切な層は、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール(St. Paul, MN)所在)から入手可能なNatural View Anti−Glareフィルムを含み、米国特許第5,820,957号(シュレーダーら(Schroeder et al.))及び米国特許出願公開第2012/0064296号(ウォーカーら(Walker et al.))に説明されているアンチグレア・フィルムを含む。
【0031】
2つの一方向性の格子を使用することの代替形態は、単一の二方向性の格子を使用することである。別の代替形態は、単一の光学スタックにおいて、2つの二方向性の格子、又は二方向性の格子及び一方向性の格子を使用することである。そのような光学スタックは、2つの一方向性の格子を有する光学スタックを構築するための前述と同じ技術及び材料を使用して構築され得る。
【0032】
二方向性の格子は、2つの方向で繰り返す任意の形状を有することができる。たとえば、格子は、正弦波形状、方形波形状を有してよく、又は格子は、他の周期的に繰り返す規則的もしくは不規則な形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、二方向性の格子は、
z(x,y)=f(x)+g(g) (式1)
の形式の形状を有する。式中、f(x)及びg(y)はそれぞれ、x及びyの関数であり、x及びyは、サンプルの平面における座標であり、z(x,y)は、光学スタックの平面と平行な平面に対する格子の垂直変位である。いくつかの実施形態では、座標xと座標yは実質的に直交する。他の実施形態では、x及びyは斜交座標であり得る。式1の形式の構造は、関数f(x)によって説明される形状を有する工具を使用して作られることが可能であり、工具がy方向に沿って移動されると、工具は工具加工表面(tooled surface)の内外を移動され、工具加工表面の内外の工具の動きは関数g(y)によって記述される。いくつかの実施形態では、f(x)は、第1の高低差を有する第1の周期的関数であり、g(y)は、第2の高低差を有する第2の周期的関数である。いくつかの実施形態では、第1の高低差は第2の高低差とは異なる。これは、場合によって有用であり得る非対称回折パターンを生成することができる。いくつかの実施形態では、第1の高低差と第2の高低差との間の差の絶対値によって乗算された格子の屈折率コントラストは、10nmより大きく、又は20nmより大きく100nmより小さい。第1の高低差が第2の高低差とは異なる実施形態において、格子全体の高低差は、第1の高低差と第2の高低差の大きい方を指す。
【0033】
いくつかの実施形態では、
【0034】
【数1】

(式2)
の形式の形状を有する二方向性の格子が使用され、式中、rは光学スタックの平面内の2次元位置ベクトルであり、k及びkは光学スタックの平面内の非共線2次元ベクトルであり、●はスカラー積であり、hは格子の高低差である。いくつかの実施形態では、k及びkは実質的に直交する。いくつかの実施形態では、kとkとの間の角度は、0度より大きく、又は5度より大きく、又は10度より大きく、かつ90度以下である。2つの正弦波の積は他の2つの正弦波の和として記述され得るので、式2は式1の特殊な場合であり、したがって、工具を使用して式1で説明される構造を作成する方法は、式2によって説明される構造を作るために使用され得る。
【0035】
図6Aは、第1の層625、第1の方向627、第2の方向628、第1のピッチ637、及び第2のピッチ638を示す。第1の構造化表面678は、二方向性であり、第1の方向627において第1のピッチ637を有し、第2の方向628において第2のピッチ638を有する。第1の構造化表面678は、一方向性の格子を作成するために論じられたプロセスのいずれかを使用して第1の層625上に作成され得る。たとえば、第1の構造化表面678は、透明層625の外側表面を機械加工することによって作成され得る。
【0036】
図6Bは、光学スタック600を示し、光学スタック600は、図6Aの第1の層625と、第1の構造化表面678を埋める第2の層645とを含む。第1の層625と第2の層645との間の境界面は、第1の格子680を含む。第2の層645は、第1の外側主表面681を含む。第1の層625又は第2の層645として使用するための適切な材料は、光学スタックにおける層として使用するための他の箇所で論じられている任意の材料を含む。いくつかの実施形態では、第2の層645は、第1の層625に適用された光学的に透明な接着剤であり、第1の格子680におけるピークと実質的に同じ高さの平坦化された層を形成する。他の実施形態では、第2の層645は、図6Bに示されるように第1の格子680におけるピークの高さを超えて延び、この場合、第2の層645は、第1の層625の反対側に第1の外側主表面681を含む。いくつかの実施形態では、第1の外側主表面681は実質的に平面の表面である。光学スタック600はまた、第1の透明層625の第2の外側主表面691を含む。いくつかの実施形態では、第2の外側主表面691は実質的に平面の表面である。
【0037】
第1の格子680は、構造化表面678の第1のピッチ637に等しい第1のピッチと、構造化表面678の第2のピッチ638に等しい第2のピッチとを含む。いくつかの実施形態では、第1のピッチは、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲、又は約4マイクロメートル〜約40マイクロメートルの範囲である。いくつかの実施形態では、第2のピッチは、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲、又は約4マイクロメートル〜約40マイクロメートルの範囲である。
【0038】
第1の層625は屈折率nを有し、第2の層645は屈折率nを有する。第1の格子680は高低差hを有する。高低差hによって乗算された第1の格子680の屈折率コントラストは、図1の格子に関して説明された範囲にあり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、hによって乗算された|n−n|は、約100nm〜約400nm、又は約150nm〜約350nm、又は約200nm〜約300nmである。
【0039】
別の実施形態が図7に示されており、これは、第3の層627が図6Bに示された光学スタックに追加されている光学スタック601を示す。光学スタック601は、第2の格子682及び第1の外側主表面686を含む。第3の層627は、第1の層625の反対側に第2の層645に隣接して配設される。第2の層と第3の層との間の境界面は、第2の格子682を含む。第2の格子682は、第1の格子680と同じ又は異なり得る。第2の格子682は、二方向性又は一方向性であり得る。第3の層627で使用するための適切な材料は、光学スタックにおける層として使用するための他の箇所で論じられている任意の材料を含む。第3の層627は屈折率nを有し、第2の格子682は高低差hを有する。高低差hによって乗算された第2の格子682の屈折率コントラストは、図1の格子に関して説明された範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、第2の透明層627は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲又は約4マイクロメートル〜約40マイクロメートルの範囲の少なくとも1つのピッチを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の層625は、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材を含み、第2の層645は、光学的に透明な接着剤を含む。いくつかの実施形態では、第3の層627は、光学スタックに含まれ、いくつかの実施形態では、第3の層627は、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材と同じ又は異なり得る第2のポリマー又は第2のポリマー複合材を含む。いくつかの実施形態では、第1の層625は、第1のポリマーを含み、第2の層645は、第1のポリマーと同じ又は異なり得る第2のポリマーを含み、第3の層627は、第1及び第2のポリマーと同じ又は異なり得る第3のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の層625は、第1の光学的に透明な接着剤を含み、第2の層645は、ポリマー又はポリマー複合材を含み、第3の層627は、第1の光学的に透明な接着剤と同じ又は異なり得る第2の光学的に透明な接着剤を含む。いくつかの実施形態では、光学スタック600又は光学スタック601は可撓性フィルムである。
【0041】
いくつかの実施形態では、光学スタック600又は光学スタック601は、アンチグレア層を含むことができる。アンチグレア層は、光学スタック600において第2の層645に近接してもしくは第1の層625に近接して配設されてよく、又は光学スタック601において第3の層627に近接してもしくは第1の層625に近接して配設されてよい。いくつかの実施形態では、光学スタック600の第1の外側主表面681又は第2の外側主表面691は、埋め込まれた粒子を含むことができるアンチグレア特徴部を含んでよい。図5A図5Dに関連して先に論じられたアンチグレア特徴部のいずれも、図6B及び図7に示されている実施形態に適用され得る。たとえば、図6Bを参照すると、第1の外側主表面681又は第2の外側主表面691が、粒子を含有するバインダなどのアンチグレア層でコーティングされることが可能であり、あるいは、第1の外側主表面681又は第2の外側主表面691にアンチグレア特徴部を作成するために、第2の層645又は第1の層625に粒子が含まれることが可能であり、あるいは、アンチグレア特徴部を作成するために、第1の外側主表面681又は第2の外側主表面691が微細複製、粗面化、又はテクスチャリングされることが可能である。同様に、図7における光学スタック601について、第1の外側主表面686又は第2の外側主表面691が、粒子を含有するバインダなどのアンチグレア層でコーティングされることが可能であり、あるいは、第1の外側主表面686又は第2の外側主表面691にアンチグレア特徴部を作成するために、第3の層627又は第1の層625に粒子が含まれることが可能であり、あるいは、アンチグレア特徴部を作成するために、第1の外側主表面686又は第2の外側主表面691が微細複製、粗面化、又はテクスチャリングされることが可能である。
【0042】
一方向性又は二方向性の格子は、他の箇所で論じられている任意のプロセスによって得られることができる。一方向性又は二方向性の格子を得るための代替的な技術は、2012年12月21日に出願された米国特許出願第13/723716号(ウォルクら(Wolk et al.))に説明されているような構造化転写テープを使用することである。この技術では、構造化テンプレート層がキャリア上に配設される。得られた構造が、次いで、未硬化バックフィル層でコーティングされて、未硬化バックフィル層が構造化テンプレート層に完全に接触するようになる。次いで、バックフィルは、乾燥、熱架橋、又は光架橋されて、安定した中間フィルムを作成することができる。次いで、構造が反転され、レセプター基板に対して積層され、レセプター基板は、場合によっては接着促進層でコーティングされている。次いで、構造化テンプレート層が除去され、レセプター基板に付着された構造化バックフィル層を残すことができる。いくつかの実施形態では、バックフィルは、光硬化の前に室温で粘着性であり、この場合、接着促進層が必要とされないことがある。たとえば、ポリビニル・シルセスキオキサンが、接着促進層なしにバックフィル層として使用され得る。
【0043】
次いで、構造化バックフィル層は、光学的に透明な接着剤又は他のコーティングによって埋められて、本明細書の光学スタックを形成することができる。たとえば、図6Bの光学スタック600は、この技術を使用して作られることが可能であり、第1の層625はバックフィル材料から形成され、第2の層645は光学的に透明な接着剤又は他のコーティングによって提供される。代わりに、レセプター基板の両側に構造を適用するために構造化積層転写フィルム方法が使用されることが可能であり、次いで、基板の両側の構造は、光学的に透明な接着剤又は他のコーティングによって埋められて、本明細書の光学スタックを形成することが可能である。たとえば、図7の光学スタック601がこの技術を使用して作られてよく、ここでは、両側のバックフィル層を有するレセプター基板が第2の層645を形成し、光学的に透明な接着剤又は他のコーティングが第1の層625及び第3の層627を形成する。
【0044】
転写テープ手法では、テンプレート層がバックフィル層に対して構造を与える。構造化テンプレート層は、エンボス加工、複製プロセス、押出し、鋳造、もしくは表面構造化、又は他の箇所で論じられている他の構造化方法によって形成され得る。
【0045】
典型的には、バックフィル層は、化学線放射、たとえば、可視光線、紫外線放射、電子ビーム放射、熱、及びこれらの組合せを使用して硬化されるモノマーを含む重合性組成物から作られる。アニオン、カチオン、フリー・ラジカル、縮合、又は他の任意の様々な重合技術が使用されてよく、これらの反応は、光、光化学、又は熱開始によって触媒されてよい。強化シリコーンポリマーが、それらの高い化学的安定性及びガラスに対する優れた接着性のため、バックフィル層に使用され得る。この場合、ガラス基板に対する接着のために接着促進層が必要とされなくてよい。バックフィルに使用され得る材料は、ポリシロキサン樹脂、ポリシラザン類、ポリイミド類、ブリッジ又はラダー型のシルセスキオキサン類、シリコーン類、シリコーン・ハイブリッド材料、ビニル・シルセスキオキサン類;ゾル・ゲル材料;ナノ粒子複合材、及び多くの他のものを含む。
【0046】
ポリマー樹脂にナノ粒子又は金属酸化物前駆体を組み込むことによって、より高い屈折率を有する上記材料の異なる種類が合成され得る。Silecs SC850材料(サイレクス・インターナショナル社(Silecs International Pte.
Ltd.)[シンガポール所在])変性シルセスキオキサン(n≒1.85)、及びブルワー・サイエンス(Brewer Science)(ミズーリ州ローラ(Rolla,MO)所在)高屈折率ポリイミドOptiNDEX D1材料(n≒1.8)は、このカテゴリーの例である。他の材料は、メチルトリメトキシシラン(MTMS)とビストリエトキシシリルエタン(BTSE)のコポリマー(ロら(Ro et. al), Adv. Mater. 2007, 19, 705−710)を含む。この合成は、シルセスキオキサンの非常に小さな架橋された環状のケージを有する容易に溶解するポリマーを形成する。この可撓性構造は、コーティングの充填密度及び機械的強度の増加をもたらす。これらのコポリマーの比率は、非常に低い熱膨張係数、低い有孔率、及び高い弾性率のために調整され得る。
【0047】
格子を得る別の技術は、PCT公開WO2014/014595号(ウォルクら(Wolk et al.))に説明されているような構造化積層転写フィルムを使用することである。この技術では、剥離可能な表面と剥離可能な表面上の犠牲層とを有するライナー(キャリア基板)を含む積層転写フィルムが準備される。フィルムは、犠牲層上に構造化表面を作成するために任意の熱可塑性複製技術(たとえばホットエンボス加工)を使用して構造化される。次いで、構造化犠牲層は、バックフィル層によってコーティングされ、多くの場合は実質的に平坦化される。フィルムがレセプター基板に積層され、ライナーが除去される。任意の接着促進層が、バックフィル層又はレセプター基板に適用され得る。次いで、構造化犠牲層は、きれいにベークアウトされ、又は他の方法で除去され、構造化表面を実質的にそのままバックフィル層上に残す。
【0048】
次いで、構造化バックフィル層は、光学的に透明な接着剤又は他のコーティングによって埋められて、他の箇所で説明されているような本明細書の光学スタックを形成することができる。代わりに、レセプター基板の両側に構造を適用するために構造化積層転写フィルム方法が使用されることが可能であり、次いで、層の両側の構造は、光学的に透明な接着剤又は他のコーティングによって埋められて、他の箇所で説明されているような本明細書の光学スタックを形成することが可能である。
【0049】
構造化転写テープ手法においてバックフィル層に関連して論じられている材料は、構造化積層転写フィルム手法におけるバックフィル材料として使用されてもよい。犠牲層のために使用され得る材料は、ポリビニル・アルコール(PVA)、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリノルボルネン、ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(シクロヘキセン・カーボネート)、ポリ(シクロヘキセン・プロピレン)カーボネート、ポリ(エチレン・カーボネート)ポリ(プロピレン・カーボネート)、及び他の脂肪族ポリカーボネート、ならびにR.E.ミスティア、E.R.ツインネーム(R.E. Mistler, E.R. Twiname)、「バインダ(Binders)」、Tape Casting: Theory and Practice, American Ceramic Society, 2000、第2章、2.4節に説明されている他の材料を含む。これらの材料のための市販の供給源は多くある。これらの材料は、典型的には、熱分解又は燃焼による溶解又は熱分解によって容易に除去される。
【0050】
本明細書の光学スタックを作るために使用され得る代替的構造化積層転写フィルム技術は、2013年2月27日に出願された米国特許出願第13/778276号(フリーら(Free et al.))の埋め込まれた構造を有する積層転写フィルムの技術を使用することである。この技術では、剥離可能な表面と剥離可能な表面上の犠牲テンプレート層とを有するライナー(キャリア基板)を含む積層転写フィルムが準備される。犠牲テンプレート層は、犠牲材料及び無機ナノ材料を含む。積層転写フィルムは、犠牲テンプレート層上に構造化表面を作成するために任意の熱可塑性複製技術(たとえばホットエンボス加工)を使用して構造化される。次いで、構造化犠牲テンプレート層は、バックフィル層によってコーティングされ、多くの場合は実質的に平坦化される。フィルムがレセプター基板に対して積層され、ライナーが除去される。任意の接着促進層が、バックフィル層又はレセプター基板に対して適用され得る。次いで、犠牲テンプレート層の犠牲材料はベークアウトされ、バックフィル層の構造化表面上にナノ材料の緻密化層を残す。
【0051】
「ナノ材料の緻密化層」は、ポリマー又は他の有機成分及び無機ナノ材料を含有する層の熱分解又は燃焼によりもたらされる、ナノ材料の体積分率が高い層を指す。緻密化層は、ナノ材料、部分的に溶融されたナノ材料、化学焼結ナノ材料、焼結プロセスによりもたらされる溶融ガラス状材料、又はガラス原料を含み得る。緻密化層はさらに、焼結助剤又はバインダの役割をする残留非粒子状有機又は無機材料を含み得る。
【0052】
他の箇所で説明されている犠牲材料及びバックフィル材料が、埋め込まれた構造を有する積層転写フィルムの技術と共に使用され得る。適切な無機ナノ材料は、金属酸化物のナノ粒子などの無機ナノ粒子を含み得る。ナノ粒子は、およそ5nm〜75nmの粒径を有することができる。ジルコニア、シリカ、チタニア、酸化アンチモン類、アルミナ、酸化スズ類、及び/又は複合金属酸化物のナノ粒子は、積層転写フィルム中に10重量%〜70重量%の量で存在し得る。
【0053】
本明細書の任意の実施形態の光学スタックが、たとえば、光学的に透明な接着剤を使用してディスプレイの外側表面に光学スタックを接着することによって、ディスプレイに組み込まれ得る。これは図8に示されており、図8は、光学スタック801と、光学的に透明な接着剤層832と、外側表面837を有するディスプレイ・ユニット836とを含むディスプレイ800を概略的に示す。本明細書の任意の光学スタックであり得る光学スタック801が、光学的に透明な接着剤層832を介してディスプレイ・ユニット836に付着される。いくつかの実施形態では、光学スタック801の外層が光学的に透明な接着剤によって形成され、光学的に透明な接着剤層832のような別個の光学的に透明な接着剤層が必要とされない。代替実施形態では、光学スタックは、ディスプレイ・パネルとディスプレイの外側ガラス層との間に配置されることがある。ディスプレイ800は、ディスプレイの長さ又は幅に沿ったディスプレイ方向dを有する。光学スタック801は、少なくとも1つの格子配向方向を含む配向を有する。たとえば、図2を参照すると、第1の方向213は、要素212で表される第1の格子が沿って延びる方向であり、格子配向方向を定義する。同様に、図6を参照すると、第1の方向627は、構造化表面678が第1のピッチ637で沿って繰り返す方向であり、格子配向方向を定義する。ディスプレイ方向と格子配向方向との間の角度は、任意の値とすることができる。しかしながら、この角度が0度より大きく90度より小さいように光学スタックを配置することが、モアレを低減するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ方向と格子配向方向との間の角度は、約5度〜約85度、又は約10度〜約80度、又は約20度〜約70度の範囲である。
【0054】
本明細書に説明されている光学スタックは、光源が光学スタックを通して見られたとき、回折を生成することができる。図9は、光学スタック901によって生成された回折を測定するための技術を示す。光源920が、光学スタック901を通して送られる光線925を生成して、画面940上に投射される回折光935を生成する。光学スタック901の配向は、光学スタック901がディスプレイ内で使用されるときに光源に向くであろう外側主表面が光源920に向くように選択され得る。いくつかの実施形態では、光学スタックは、図10に示されるように回折パターン1020を生成する。回折パターン1020は、中央回折ピーク1035と、回折光のエネルギーの大部分を含む9個の回折ピークからなるセット1036と、高次回折ピーク1037及び1038とを含む。
【0055】
光線925は、入射パワーPを有する。場合によっては、光線925は、約532nmの波長を有するレーザ光のビームである。この波長を有する光を生成するレーザは、緑のレーザ・ポインタで一般に使用されるダイオード励起固体倍周波数(DPSSFD)レーザを含む。他のいくつかの場合、光源925はディスプレイにおけるピクセルである。ピクセルは、緑のピクセルであってよく、約520nm〜570nmの範囲の波長を有する光を生成することができる。回折ピークのそれぞれは、光パワー内容及び回折次数を有する。9個の回折ピークからなるセット1036における回折ピークの各パワー内容の合計は、本明細書ではPである。いくつかの実施形態では、Pは、少なくとも約0.6P、又は少なくとも約0.7P、又は少なくとも約0.8P、又は少なくとも約0.9P、又はさらに少なくとも約0.95Pである。いくつかの実施形態では、9個の回折ピークからなるセット1020の回折ピークの各パワー内容は、約0.06Pより大きく、又は約0.07Pより大きく、又は約0.08Pより大きく、又は約0.09Pより大きく、又は約0.1Pより大きく、かつ約0.18Pより小さく、又は約0.17Pより小さく、又は約0.16Pより小さく、又は約0.15Pより小さく、又は約0.14Pより小さく、又は約0.13Pより小さく、又は約0.12Pより小さい。いくつかの実施形態では、9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークのそれぞれのパワー内容は、Pの9分の1に実質的に等しい。
【0056】
いくつかの実施形態では、9個の回折ピークからなるセットの各ピークの回折次数は、9個の回折ピークからなるセットに含まれない各回折ピークの回折次数よりも低い。二方向性の格子又は2つの一方向性の格子を有する実施形態では、回折次数は、対の整数(q,q)で表されることが可能である。q+qがp+pよりも小さい場合、回折次数(q,q)は回折次数(p,p)よりも小さい。図10に示された実施形態では、中央回折ピーク1035は、(0,0)の回折次数を有するのに対し、9個の回折ピークからなるセット1036における残りの8個の回折ピークは、回折次数(±1,0)、(0,±1)、又は(±1,±1)を有する。より高い回折次数を有する回折ピーク1037、及びさらに高い回折次数を有する回折ピーク1038も図10に示されている。回折ピーク1037及び回折ピーク1038は、9個の回折ピークからなるセット1036における回折ピークよりも低いパワー内容を有する。
【0057】
図10に示された実施形態では、回折パターンは正方のアレイの回折ピークを形成する。これは、典型的には、第1の方向に直交する第2の方向のピッチに実質的に等しい第1の方向のピッチを有する二方向性の格子を光学スタックが有するときに発生する。格子が第1の方向の第1のピッチと第1の方向に直交しない第2の方向の第2のピッチとを有する実施形態では、図11に示されるように軸に沿って回折パターンが伸ばされることがあり、図11は、9個の回折ピークからなるセット1136が最も低い9個の回折次数を有することを示している。
【0058】
回折ピーク間の強度分布は、格子の高低差によって乗算された格子の屈折率コントラストを修正することによって調整されることが可能である。適切な材料及び格子形状を選択することにより、格子は、所与の光の波長について9個の最も低い次数の回折ピークに対する略等しい強度をもたらすように最適化され得る。多くの実施形態では、緑が可視スペクトルの中央に近く、眼は緑色光に対して明所視応答度が高いので、この最適化のために532nmなどの緑の波長が選ばれる。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の格子の高低差によって乗算された第1の一方向性の格子の屈折率コントラストは、第1の波長を有する光によって照射されたときに第1の格子のみによって生成される最も低い3つの回折次数に対する略等しい強度を与えるように選択され、第2の格子の高低差によって乗算された第2の一方向性の格子の屈折率コントラストは、第2の波長を有する光によって照射されたときに第2の格子のみによって生成される最も低い3つの回折次数に対する略等しい強度を与えるように選択される。第2の波長が第1の波長とほぼ等しい実施形態では、第1の格子と第2の格子の両方を含む光学スタックが、第1又は第2の波長を有する光によって照射されたときに、最も低い回折次数を有する9個の回折ピークが略等しい強度を有する回折パターンを生成する。いくつかの実施形態では、第1の波長は、赤色光の波長範囲(たとえば475nm)にあり、第2の波長は、青色光の波長範囲(たとえば650nm)にある。緑の波長範囲(たとえば532nm)にある波長を有する光によって照射されたとき、回折パターンは、第1のセットの3つの回折ピークでより高い強度を有し、第1のセットの3つの回折ピークの両側の各セットの3つの回折ピークでより低い強度を有する非対称強度分布で生成される。そのような非対称強度分布は、場合によって有用であり得る。いくつかの実施形態では、第1の格子の高低差によって乗算された屈折率コントラストと第2の格子の高低差によって乗算された屈折率コントラストとの間の差の絶対値が、10nmより大きく、又は20nmより大きく100nmより小さい。
【0060】
図12は、複数のピクセルを示し、第1の色を有する第1のピクセル1240は、第1の色を有する1次近隣ピクセル1250によって囲まれ、第1のピクセル1240と1次近隣ピクセル1250との間にスペース1255がある。スペース1255に配置された第1の色以外の色を有するピクセルがあり得る。正方格子上の正方ピクセルとして示されているが、他の形状が使用されてもよい。たとえば、ディスプレイによっては実質的に長方形のピクセルを使用する。ピクセル間の間隔も図12に示されたものと異なってよく、ディスプレイで使用されるピクセルの配列に応じて変わってよい。本明細書で使用される場合、第1の色を有する第1のピクセル1240の「1次近隣ピクセル」は、凸領域1270内又はそれと交差する第1のピクセル1240以外の第1の色を有するピクセルを指し、それらは、点のセットであって、点のセット内の各点が第1のピクセル1240の中心から線によってその点まで到達されることがその線がいずれの境界線も交差しないようにして可能である特性を有する点のセットとして定義されてよく、境界線は以下のように定義される。境界線1274は、第1のピクセル1240の中心から延び第1のピクセル1240と同じ色を有する近隣ピクセル1251の中心を通る線1272に対して直角の線であり、境界線1274は、線1272上で第1のピクセル1240から最も遠い近隣ピクセル1251の点1276と交差する。(点1276は、明瞭にするために図12では近隣ピクセル1251からわずかにずらされて示されている。)境界線は、第1のピクセル1240と同じ色を有する各近隣ピクセルについて定義される。ピクセルの周期的アレイのために、最も近い近隣ピクセルの境界線のみが、凸領域1270を定義するのに寄与する。1次近隣ピクセルは、最も近い近隣ピクセル、及び最も近い近隣ピクセルではない追加的ピクセルを含む。たとえば、図12におけるピクセル1252は、第1のピクセル1240の1次近隣要素であるが、ピクセル1251がより近いので最も近い近隣要素ではない。本明細書で使用される場合、「2次近隣ピクセル」は、凸領域1270の外側に位置付けされる第1のピクセルと同じ色を有するピクセルを指す。2次近隣要素1260が図12に示されている。
【0061】
図13は、複数のピクセルを示し、第1のピクセルが本明細書による光学スタックを通して照射され見られる。第1のピクセルの1次近隣要素1350及び第1のピクセルの2次近隣要素1360が、図13に示されている。照射された第1のピクセルが、1次画像1342及び複数の2次画像1352を生成し、各2次画像は、1次画像1342に対して横方向(すなわち図13の平面内の)変位1393を有する。1次画像は、最も低い回折次数によって特徴付けられ、照射された第1のピクセルからの最も小さい変位を有する画像である。2次画像は、1次画像のパワー内容の少なくとも0.2倍のパワー内容を有する1次画像以外の画像であるように定義される。1次画像のパワー内容の0.2倍よりも小さいパワー内容を有する画像として定義される3次画像1362も生成され得る。
【0062】
スパークルを低減するために、2次画像がピクセル間のスペースに配置されることが好ましい。ディスプレイの解像度の低下を回避するために、2次画像が凸領域1370内に配置されるように2次画像1352の横方向変位1393がなされることが好ましい。いくつかの実施形態では、2次画像1352の横方向変位1393は、各2次画像が、複数の1次近隣要素1350と重なる、又は第1のピクセルと複数の1次近隣要素1350との間のスペースと重なるようになされ、2次近隣ピクセル1360と複数の2次画像1352の重なりは実質的に存在しない。3次画像1362のパワー内容は、ディスプレイの知覚される解像度をほとんど低下させないほどに十分に小さいので、かすかな3次画像1362が2次近隣ピクセル1360と重なることは許容され得る。
【0063】
(実施例)
(実施例1)
光学フィルムAが以下の手順に従って準備された。たとえば、工具は、たとえば、PCT公開出願WO00/48037号(キャンベルら(Campbell et al.))ならびに米国特許第7,350,442号(エーネスら(Ehnes et al.))及び第7,328,638号(ガーディナーら(Gardiner et al.))で説明されている高速工具サーボ(fast tool servo)(FTS)を利用したダイヤモンド旋削方法を使用して作製された。工具は、5ミル(0.13mm)の厚さのPETフィルムの下塗り側の正弦波構造(sinusoidal structures)を作成するために、たとえば、米国特許第5,175,030号(ルら(Lu et al.))及び第5,183,597号(ル(Lu))に説明されているような鋳造及び硬化プロセスで使用された。1.56の屈折率を有するアクリル樹脂が正弦波構造を形成するために使用された。正弦波構造は、2.6マイクロメートルの高低差、及び16マイクロメートルのピッチ(ピーク間又は谷間の距離)を有した。
【0064】
光学フィルムBが、正弦波構造のピッチが8マイクロメートルであることを除いて光学フィルムAに関して説明されたように作られた。
スパークルは、(ディスプレイ−メトロロジーアンドシステム(Display−Messtechnik & Systeme)[ドイツ、カールスルーエ(Karlsruhe, Germany)所在]からの)SMS 1000スパークル測定システム(Sparkle Measurement System)を使用して測定された。フィルムは、Google Nexus 7 2013モデル(323PPI)、Amazon
7インチ Kindle Fire HD(216PPI)、及びMicrosoft
Surface RT(148PPI)の各デバイスについて適切な画面サイズに切断された。スパークル測定は、まず、画面上の所定の位置にフィルムを追加せず行われ、次いで、Natural View Screen Protector(スリーエム社(3M Company)[ミネソタ州セントポール(St. Paul, MN)所在]からのアンチグレア・フィルム)のみを用いて行われた。これらの対照群の結果は表1に示され、それぞれ「フィルムなし」及び「NV」で示されている。
【0065】
次に、光学フィルムAのサンプルが、1.47の屈折率を有する光学的に透明な接着剤によって上塗りされて、ディスプレイの水平方向に対して30度の角度で格子配向方向で3つのデバイスのそれぞれの画面に適用された。正弦波構造の高低差と、光学的に透明な接着剤と正弦波構造を形成するために使用されたアクリレートとの間の屈折率の差の絶対値との積は、約234nmであった。フィルムは、接着剤が画面と正弦波構造との間にあるようにデバイスに適用された。Natural View Screen Protectorフィルムが、PETの上部で最外表面として適用された。スパークルが再び測定され、表1におけるNV−Wとして記録されている。
【0066】
光学フィルムBのサンプルが、光学フィルムAに関して説明されたように3つのデバイスに適用され、Natural View Screen Protectorフィルムが光学フィルムBの上部に適用された。スパークルが光学フィルムAに関して説明されたように測定され、表1におけるNV−Nとして記録されている。
【0067】
次に、2つの部片の光学フィルムAからなる光学スタックが、上述されたビーズなしの光学的に透明な接着剤を用いて組み立てられた。フィルムは、2つのフィルムの正弦波パターンが、隣接層のPETに付着された1つの層の光学的に透明な接着剤と互いに直角に延びるように配向された。フィルムは、画面に最も近いフィルムの正弦波構造がディスプレイの水平軸に対して30度の角度で延びるように、上述された同じビーズなし接着剤を用いて7インチKindle Fire HDに付着された。再び、Natural View Screen Protectorフィルムが上部PET表面に適用された。スパークルが上述されたように測定され、表1における2D−Wとして記録されている。
【0068】
2つの部片の光学フィルムBからなる同様のスタックがビーズなし接着剤を用いて、Google Nexus及びMicrosoft RTの画面に適用された。再び、Natural View Screen Protectorフィルムが上部PET表面に適用された。スパークルが上述されたように測定され、表1における2D−Nとして記録されている。
【0069】
【表1】

(実施例2)
Microsoft RTデバイスを使用し、画面上の単一の緑のピクセルがMicrosoft Paintソフトウェアを用いて照射された。2つの部片の光学フィルムBからなる光学スタックが、実施例1と同様に準備された。光学スタックが実施例1で説明されたようにデバイスの画面に付着されたが、Natural View Screen
Protectorフィルムは適用されなかった。画像を取り込むために、Olympus MX50顕微鏡ならびにOlympus U−TV 0.5XC−3カメラ及びStream Startソフトウェア(オリンパスアメリカ(Olympus America Inc.)[ニューヨーク州メルビル(Melville NY)所在]からすべて入手可能)を使用して、所定の位置に光学スタックがある画像とない画像が比較された。むき出しの画面のみの場合、単一の照射されたピクセル画像が観察された。照射されたピクセル上の画面に光学スタックを適用した後、9個のピクセル画像が観察された。ピクセル画像が、基本のピクセル配列に対して約45度回転された略正方形の格子上に配列された。2次近隣ピクセルとピクセル画像の間の重なりはなかった。
【0070】
(実施例3)
実施例2のピクセル画像の強度は、以下のように測定された。カメラ画像が、Matlabの画像処理ツールボックス(マスワークス(MathWorks)[マサチューセッツ州ネイティック(Natick MA)所在]から入手可能)に取り込まれた。ツールボックスを使用して、水平の線が9個のピクセル画像のそれぞれの中央を横切って定義され、これらの線に沿って緑の強度値が決定された。ピクセル画像あたりの平均強度の値が、画像にわたる線に沿って強度を積分し、画像幅によって割ることによって計算された。この量は、ピクセル画像すべてが同様のサイズを有するので、ピクセル画像のパワー内容に比例すると解釈された。次いで、ピクセル画像の9個すべてのピクセル画像あたりの平均強度の合計Iが計算された。合計Iは、各ピクセル画像Pのパワー内容の合計に比例することが期待される。Iに対する画像あたりの各ピクセル画像の平均強度の比率も計算された。ピクセル画像あたりの平均強度と9個のピクセル画像に対する比率との両方が表2に報告されている。(ピクセル画像番号5が中央にあり、ピクセル画像番号1及び9がそれぞれ中央画像の上及び下にあり、ピクセル画像番号3及び7がそれぞれ、中央画像の右及び左にあり、ピクセル画像番号4が、中央画像の左上にあり、ピクセル画像番号6が、中央画像の右下にあり、ピクセル画像番号2が、中央の右上にあり、ピクセル画像番号8が、中央の左下にあった。)
表2のデータは、ディスプレイにおいて単一の緑のピクセルを照射することによって収集されたが、光学スタックを照射するために緑色レーザが使用された場合に同様の結果が期待される。特に、表に報告された比率は、回折パターンを生成するために緑色レーザが使用された場合、各回折ピークのパワー内容の合計Pに対する回折ピークのパワー内容の比率に対応することになる。
【0071】
【表2】

以下は、本明細書の例示的な実施形態のリストである。
【0072】
実施形態1は、
第1の層と、
第2の層と、
第3の層とを備える光学スタックであって、第2の層は、第1の層と第3の層との間に配設され、第1の層と第2の層との間の第1の境界面は、第1の方向に実質的に沿って延びる第1の格子を含み、第2の層と第3の層との間の第2の境界面は、第1の方向とは異なる第2の方向に実質的に沿って延びる第2の格子を含み、第1の層は屈折率nを有し、第2の層は屈折率nを有し、第3の層は屈折率nを有し、第1の格子はhの高低差を有し、第2の格子はhの高低差を有し、hによって乗算された|n−n|は、約150nmと約350nmとの間であり、hによって乗算された|n−n|は、約150nmと約350nmとの間であり、さらに、第1の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、第2の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有する、光学スタックである。
【0073】
実施形態2は、第1の層が、第1の光学的に透明な接着剤を含み、第3の層が、第2の光学的に透明な接着剤を含む、実施形態1の光学スタックである。
実施形態3は、第2の層が、ポリマー又はポリマー複合材を含む、実施形態2の光学スタックである。
【0074】
実施形態4は、第2の層が、光学的に透明な接着剤を含む、実施形態1の光学スタックである。
実施形態5は、第1の層が、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材を含み、第3の層が、第2のポリマー又は第2のポリマー複合材を含む、実施形態4の光学スタックである。
【0075】
実施形態6は、第1の方向と第2の方向が実質的に直交する、実施形態1の光学スタックである。
実施形態7は、第1の方向と第2の方向との間の角度が、約5度より大きくかつ90度以下である、実施形態1の光学スタックである。
【0076】
実施形態8は、光学スタックが可撓性フィルムである、実施形態1の光学スタックである。
実施形態9は、光学スタックが、第1の層に近接したアンチグレア層をさらに備える、実施形態1の光学スタックである。
【0077】
実施形態10は、第1の層が、第2の層の反対側に外側主表面をさらに含み、外側主表面は、アンチグレア特徴部を含む、実施形態1の光学スタックである。
実施形態11は、アンチグレア特徴部が、埋め込まれた粒子を含む、実施形態10の光学スタックである。
【0078】
実施形態12は、
屈折率nを有する第1の層と、
第1の層に隣接して配設された屈折率nを有する第2の層とを備える光学スタックであって、第1の層と第2の層との間の第1の境界面は、第1の格子を含み、第1の格子は、hの高低差を有し、hによって乗算された|n−n|は、約150nm〜約350nmの範囲にあり、第1の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第1の方向の第1のピッチを有し、光スタックが、入射パワーPを有し約532nmの波長を有する垂直入射するレーザ光によって照射されたとき、複数の回折ピークが生成され、各回折ピークは、パワー内容及び回折次数を有し、複数の回折ピークは、9個の回折ピークからなるセットを含み、9個の回折ピークからなるセットの各ピークの回折次数は、9個の回折ピークからなるセットに含まれない各回折ピークの回折次数よりも低く、9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークの各パワー内容の合計はPであり、Pは少なくとも約0.7Pであり、9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークの各パワー内容は、約0.08Pより大きく約0.16Pより小さい、光学スタックである。
【0079】
実施形態13は、第2の層が、第1の層の反対側に、実質的に平面の外側主表面を含む、実施形態12の光学スタックである。
実施形態14は、第2の層が、アンチグレア特徴部を有する、第1の層の反対側の外側主表面を含む、実施形態12の光学スタックである。
【0080】
実施形態15は、アンチグレア特徴部が、埋め込まれた粒子を含む、実施形態14の光学スタックである。
実施形態16は、Pが、少なくとも約0.8Pであり、9個の回折ピークからなるセットにおける回折ピークのそれぞれのパワー内容は、Pの9分の1に実質的に等しい、実施形態12の光学スタックである。
【0081】
実施形態17は、第1の層は、第1のポリマーを含み、第2の層は、光学的に透明な接着剤を含む、実施形態12の光学スタックである。
実施形態18は、光学スタックが可撓性フィルムである、実施形態12の光学スタックである。
【0082】
実施形態19は、第1の層の反対側に第2の層に隣接して配設された第3の層をさらに備え、第2の層と第3の層との間の第2の境界面は、第2の格子を含む、実施形態12の光学スタックである。
【0083】
実施形態20は、格子が、第1の方向とは異なる第2の方向における約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有する二方向性の格子である、実施形態12の光学スタックである。
【0084】
実施形態21は、
第1の層と、
第2の層と、
第3の層とを備える光学スタックであって、第2の層は、第1の層と第3の層との間に配設され、第1の層と第2の層との間の第1の境界面は、第1の格子を含み、第2の層と第3の層との間の第2の境界面は、第2の格子を含み、第1の層は屈折率nを有し、第2の層は屈折率nを有し、第3の層は屈折率nを有し、第1の格子はhの高低差を有し、第2の格子はhの高低差を有し、hによって乗算された|n−n|は、約150nmと約350nmとの間であり、hによって乗算された|n−n|は、約150nmと約350nmとの間であり、さらに、第1の格子及び第2の格子のうちの少なくとも一方は、二方向性の格子であり、第1の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、第2の格子は、約2マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有する、光学スタックである。
【0085】
実施形態22は、第1の層に近接したアンチグレア層をさらに備える、実施形態21の光学スタックである。
実施形態23は、実施形態1乃至22のいずれかの光学スタックを備えるディスプレイであって、ディスプレイは、複数のピクセルを備え、光学スタックは、第1の色を有する複数のピクセルの第1のピクセルが光学スタックを通して照射され見られるとき、複数の2次画像が生成されるように、複数のピクセルに近接して配置され、各2次画像は、第1のピクセルからの横方向変位を有し、第1のピクセルは、第1の色を有する複数の1次近隣ピクセル、及び第1の色を有する複数の2次近隣ピクセルを有し、各2次画像の横方向変位は、各2次画像が、複数の1次近隣ピクセルと重なる、又は第1のピクセルと複数の1次近隣ピクセルとの間のスペースと重なるようになされ、2次近隣ピクセルと複数の2次画像の重なりは実質的に存在しない、ディスプレイである。
【0086】
実施形態24は、複数のピクセルが、ディスプレイ方向に沿って繰り返すパターンで配列され、光学スタックが、格子配向方向を含む配向を有し、ディスプレイ方向と格子配向方向との間の角度が、約5度〜約85度の範囲である、実施形態23のディスプレイである。
【0087】
図における要素に対する説明は、特に指定されない限り、他の図における対応する要素に対して同様に当てはまることを理解されたい。本発明は、上述された特定の実施形態に限定されるものとみなされるべきでなく、それらの実施形態は、本発明の様々な態様の説明を容易にするために詳細に説明されている。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲内にある様々な修正形態、等価プロセス、及び代替デバイスを含む、本発明のすべての態様を包含するものと理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2020年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層と、
第2の層と、
第3の層とを備える光学スタックにおいて、前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配設され、
前記第1の層と前記第2の層との間の第1の境界面は、第1の方向に実質的に沿って延びる第1の格子を有し、前記第2の層と前記第3の層との間の第2の境界面は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に実質的に沿って延びる第2の格子を含み、前記第1の層は屈折率nを有し、前記第2の層は屈折率nを有し、前記第3の層は屈折率nを有し、前記第1の格子はhの高低差を有し、前記第2の格子はhの高低差を有し、hによって乗算された|n−n|は、150nm〜350nmの範囲にあり、hによって乗算された|n−n|は、150nm〜350nmの範囲にあり、さらに、前記第1の格子は、2マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、前記第2の格子は、2マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有し、
前記第1の層は、第1のポリマー又は第1のポリマー複合材を含んでなり、前記第2の層は光学的に透明な接着剤を含んでなり、前記第3の層は、第2のポリマー又は第2のポリマー複合材を含んでなる、
光学スタック。
【請求項2】
前記第1の層は第1のポリマー複合材を含んでなり、前記第1のポリマー複合材はナノ粒子を含有する、請求項1に記載の光学スタック。
【請求項3】
前記第3の層は第2のポリマー複合材を含んでなり、前記第2のポリマー複合材はナノ粒子を含有する、請求項1に記載の光学スタック。
【請求項4】
第1の層と、
第2の層と、
第3の層とを備える光学スタックにおいて、前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配設され、
前記第1の層と前記第2の層との間の第1の境界面は、第1の方向に実質的に沿って延びる第1の格子を有し、前記第2の層と前記第3の層との間の第2の境界面は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に実質的に沿って延びる第2の格子を含み、前記第1の層は屈折率nを有し、前記第2の層は屈折率nを有し、前記第3の層は屈折率nを有し、前記第1の格子はhの高低差を有し、前記第2の格子はhの高低差を有し、hによって乗算された|n−n|は、150nm〜350nmの範囲にあり、hによって乗算された|n−n|は、150nm〜350nmの範囲にあり、さらに、前記第1の格子は、2マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の第1のピッチを有し、前記第2の格子は、2マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の第2のピッチを有し、
前記第1の層は第1の光学的に透明な接着剤を含んでなり、前記第2の層はポリマー又はポリマー複合材を含んでなり、前記第3の層は第2の光学的に透明な接着剤を含んでなる、
光学スタック。
【請求項5】
前記第2の層はポリマー複合材を含んでなり、前記ポリマー複合材はナノ粒子を含有する、請求項4に記載の光学スタック。
【請求項6】
前記ナノ粒子はジルコニア又はチタニアのナノ粒子からなる、請求項2、3、又は5のいずれか1項に記載の光学スタック。