特開2020-123652(P2020-123652A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-123652(P2020-123652A)
(43)【公開日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20200717BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20200717BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200717BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20200717BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20200717BHJP
   B05C 9/12 20060101ALN20200717BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200717BHJP
【FI】
   H01L33/00 H
   B01J19/12 C
   F21S2/00 600
   F21V17/00 200
   F21V5/04 600
   F21V5/04 650
   B05C9/12
   F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-14221(P2019-14221)
(22)【出願日】2019年1月30日
(71)【出願人】
【識別番号】392026888
【氏名又は名称】京都電機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】那須 康介
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓矢
【テーマコード(参考)】
3K011
3K243
4F042
4G075
5F142
【Fターム(参考)】
3K011JA01
3K243MA01
4F042AB00
4F042DB42
4F042DB44
4G075AA33
4G075AA61
4G075AA65
4G075BA04
4G075CA32
4G075DA02
4G075EB34
5F142AA02
5F142CB22
5F142CD02
5F142DB32
5F142EA32
5F142GA21
5F142GA31
(57)【要約】
【課題】被照射面上において高い照度を得ることのできる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、Y軸方向に配列された複数個の光源ユニット3を備え、 各光源ユニット3は、Y軸方向に垂直なX軸方向に延びるLED列と、LED列と対向配置された集光レンズ6と、を備え、LED列はX軸方向に配列された複数個のLED51を有する。複数個の光源ユニット3は、第1の光源ユニットと、第2の光源ユニットと、を含み、図2に示す断面視において、第1の光源ユニットの光軸C2は被照射面Wa上に位置する任意の点Pに向かって延び、第2の光源ユニットの光軸C2は第1の光源ユニットの光軸に対して傾斜し任意の点Pに向かって延びる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Y軸方向に配列された複数個の光源ユニットを備え、
各光源ユニットは、前記Y軸方向に垂直なX軸方向に延びるLED列と、前記LED列と対向配置された集光レンズと、を備え、前記LED列は前記X軸方向に配列された複数個のLEDを有し、前記集光レンズは前記LED列と平行に延び、
前記複数個の光源ユニットは、第1の光源ユニットと、第2の光源ユニットと、を含み、
前記X軸方向に垂直であって前記Y軸方向に平行な断面視において、前記第1の光源ユニットの光軸は被照射面上に位置する任意の点に向かって延び、前記第2の光源ユニットの光軸は前記第1の光源ユニットの光軸に対して傾斜し前記任意の点に向かって延びることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の光源ユニットにおいて、前記任意の点を通り前記被照射面に対して垂直に延びる仮想中心線から前記集光レンズの中心軸までの距離をD、前記中心軸から前記被照射面までの距離をDR、前記仮想中心線に対する前記光軸の傾き角度をθとした場合、以下の数式が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
θ=tan−1(D/DR)
【請求項3】
前記複数個の光源ユニットが備える複数個の前記集光レンズは前記Y軸方向に沿って一列に並び、前記被照射面から各集光レンズまでの距離は等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
各光源ユニットは、前記集光レンズを保持するレンズホルダを備え、
前記複数個の光源ユニットのうち少なくとも1個の光源ユニットは光センサを更に備え、
前記少なくとも1個の光源ユニットにおいて、前記複数個のLEDから発せられた光は前記集光レンズの外周面から前記集光レンズに入射して前記被照射面へ向けて出射され、前記集光レンズの外周面から前記集光レンズに入射した光の一部は前記集光レンズの端面から出射されて前記光センサにより受光されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記レンズホルダは、前記集光レンズの端部を収容保持する収容凹部を有し、前記収容凹部の底面には導光孔が設けられ
前記光センサは受光部を有し、
前記受光部は前記導光孔を介して前記集光レンズの端面と対向していることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
所定方向に延びるLED列と、
前記LED列と対向配置された集光レンズと、
光センサと、を備え、
前記LED列は前記所定方向に配列された複数個のLEDを有し、
前記集光レンズは前記LED列と平行に前記所定方向に沿って延び、
前記光センサは、前記複数個のLEDから発せられて前記集光レンズの外周面から前記集光レンズに入射した光のうち、前記集光レンズの端面から漏れ出た光を受光することを特徴とする照明装置。
【請求項7】
前記集光レンズを保持するレンズホルダと、制御部と、を更に備え、
前記光センサは受光部を有し、
前記レンズホルダは、前記集光レンズの端部が挿入保持される収容凹部を有し、
前記収容凹部の底面には導光孔が設けられ、
前記受光部は前記導光孔を介して前記集光レンズの端面と対向し、
前記光センサは、前記受光部で受光した光を電気信号に変換し、センサ値として前記制御部へ出力し、
前記制御部は前記センサ値に基づいて前記複数個のLEDへの供給電力を調整することを特徴とする請求項6に記載の照明装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線を照射してワークに塗布された紫外線硬化樹脂や紫外線硬化型インキを硬化させるための照明装置が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。従来、このような照明装置の光源には高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等が用いられていたが、紫外線LED(UV−LED)の性能向上に伴い、光源は紫外線LEDに置き換わりつつある。しかしながら、紫外線LEDの光束(放射束)はまだ1W程度と小さく、用途によっては紫外線硬化樹脂や紫外線硬化型インキを硬化させるだけの十分なエネルギーが得られないことがあった。そこで、図7に示す様に、X軸方向に延びるLED列105をY軸方向に複数列配置させることにより、単一のLED列105を用いたものよりも放射照度を上げたものが提案されている。
【0003】
また、LEDは耐用年数が長いことで知られるが、やはり経年劣化は生じ、使用年数が長くなれば光の強度は減衰してしまう。しかし、この場合であってもLEDへの供給電力を上げれば光の強度は増大する。そこで、LEDから発せられる光の強度を光センサで検出し、検出した光の強度が所定値に達しない場合にはLEDへの供給電力を上げて光の強度を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−255565号公報
【特許文献2】特開2008−102141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、並列配置するLED列の本数を増やせば放射照度は上がる。しかしながら、LED列の本数が所定数を超えると、それ以上は放射照度は増えていかない。例えば、図7に示す構成において、Y軸方向及びX軸方向における紫外線LED151間のピッチPy,Pxを4mm、各LED列105に含まれる紫外線LED151の個数を250個とした場合、紫外線LED151から100mm離れた被照射面における最大照度(最大放射照度)とLED列105の本数との関係を図8に示す。図8から理解されるとおり、LED列105が45本のときに10W/cmで放射照度が飽和している。このことは、紫外線LED151以外のLED(例えば白色LED等)を用いた場合においても同様であり、LED列の本数が所定数に達すると照度は飽和する。
また、照明装置の構成によっては光センサの設置場所が問題になっていた。
【0006】
そこで本発明は、高い照度を得ることのできる照明装置の提供を目的とする。
また、本発明は光の強度を検出可能な照明装置の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる照明装置は、Y軸方向に配列された複数個の光源ユニットを備え、各光源ユニットは、前記Y軸方向に垂直なX軸方向に延びるLED列と、前記LED列と対向配置された集光レンズと、を備え、前記LED列は前記X軸方向に配列された複数個のLEDを有し、前記集光レンズは前記LED列と平行に延び、前記複数個の光源ユニットは、第1の光源ユニットと、第2の光源ユニットと、を含み、前記X軸方向に垂直であって前記Y軸方向に平行な断面視において、前記第1の光源ユニットの光軸は被照射面上に位置する任意の点に向かって延び、前記第2の光源ユニットの光軸は前記第1の光源ユニットの光軸に対して傾斜し前記任意の点に向かって延びる。
【0008】
また、本発明にかかる照明装置は、所定方向に延びるLED列と、前記LED列と対向配置された集光レンズと、光センサと、を備え、前記LED列は前記所定方向に配列された複数個のLEDを有し、前記集光レンズは前記LED列と平行に前記所定方向に沿って延び、前記光センサは、前記複数個のLEDから発せられて前記集光レンズの外周面から前記集光レンズに入射した光のうち、前記集光レンズの端面から漏れ出た光を受光する。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる照明装置によれば、断面視において、前記第1の光源ユニットの光軸は被照射面上に位置する任意の点に向かって延び、前記第2の光源ユニットの光軸は前記第1の光源ユニットの光軸に対して傾斜し前記任意の点に向かって延びるので、第1の光源ユニットからの光と前記第2光源ユニットからの光は被照射面上で重なりあうことになり、被照射面を高い照度で照明することができる。
【0010】
また、本発明にかかる照明装置によれば、集光レンズの端面から漏れ出た光を光センサで受光するので、集光レンズの外周面から被照射面に向けて出射される光を邪魔することなく光源ユニットからの光の強度を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る照明装置を、ワークを搭載するベルトコンベアに対向させて設置した状態を示す概略斜視図。
図2図1のIIーII線概略断面図。
図3図1に示す照明装置が備える光源ユニットを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は要部拡大斜視図。
図4】(a)は図3(a)のIVaーIVa断面図、(b)は(a)の分解図。
図5】本発明の実施例における光路のシミュレーション結果を示す図。
図6】本発明の実施例におけるLED列の本数と放射照度との関係を示すグラフ。
図7】従来の照明装置におけるLED配置を示す概略図。
図8】従来の照明装置におけるLED列の本数と放射照度との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る照明装置について説明する。図1及び図2を参照して、本実施形態の照明装置1はライン光照射装置であって、下側に開口部2aを有する筐体2と、筐体2に収容保持された複数個(図2に示す例では5個)の光源ユニット3と、図示しない制御部と、を備え、例えばベルトコンベアBに搭載されて所定の搬送方向(Y軸方向)に搬送されるワークWに上方から光Lをライン状に照射する。
【0013】
図3をも参照して、各光源ユニット3は、Y軸方向と直交するX軸方向に延びる長尺状のプリント基板4と、プリント基板4に配設されたLED列5と、LED列5と間隔を空けて対向配置された集光レンズ6と、保持部材7と、光センサ8と、を備える。LED列5は、X軸方向に沿って直線状に等間隔で配列された複数個のLED51を有する。集光レンズ6はX軸方向に延びる長尺状のレンズ部材であって、本実施形態では集光レンズ6として中実の透明円柱形状を有するロッドレンズを用い、その中心軸(レンズ中心軸)C1がLED51の光軸上に位置するように位置決めされている。
【0014】
保持部材7は、プリント基板4を支持する基板支持部71と、基板支持部71のX軸方向両側に位置する一対のレンズホルダ72,73と、を有する。基板支持部71は平坦面71aを有し、この平坦面71aにプリント基板4が装着されている。レンズホルダ72,73のX軸方向内面72a,73aには円形状の収容凹部72b,73bが設けられており、集光レンズ6は、そのX軸方向両端部が収容凹部72b,73bに挿入された状態でレンズホルダ72,73に保持される。本実施形態においては、各レンズホルダ72,73は第1ホルダ部72A,73Aと第2ホルダ部72B,73Bとを有し、第2ホルダ部72B,73Bは第1ホルダ部72A,73Aに対して着脱自在とされ、これにより照明装置1の組立て容易性を確保しているが、レンズホルダ72,73はそれぞれ一体形成されたものであっても良い。
【0015】
また、図4に示すように、一方のレンズホルダ72のX軸方向外面72cには収容凹部72dが設けられ、収容凹部72bの底面(収容凹部72bと収容凹部72dとを仕切る壁部)72eにはX軸方向に延びる導光孔72fが貫通して設けられ、収容凹部72bと収容凹部72dとは導光孔72fを介して連通している。
【0016】
光センサ8は、センサ基板81と、センサ基板81に搭載された受光部82と、を有し、受光部82が導光部72fを介して集光レンズ6の端面6aと対向するようにレンズホルダ72に装着されている。そして、受光部82に届いた光は電気信号に変換されて制御部(図示せず)へ入力される。
【0017】
かかる構成において、複数個のLED51から発せられた光は集光レンズ6の外周面から集光レンズ6に入射し、その大部分は集光レンズ6により集光されてワークW上の被照射面WaをX軸方向に延びるライン状に照明する。また、集光レンズ6に入射した光の一部は集光レンズ6の端面6aから漏れ、このように漏れた光の一部は導光孔72fを介して光センサ8(光センサ8の受光部82)に届く。光センサ8に届いた光は電気信号に変換され、センサ値として制御部に入力される。制御部は、光センサ8からのセンサ値に基づいて光源ユニット3からの光量が十分か否かを検出し、光量が十分でない場合には光源ユニット3(LED51)への供給電力を上げる。なお、光量に基づいてLED51への供給電力を調整する構成は公知であるので詳細な説明は省略する。
【0018】
このように、本実施形態の照明装置1によれば、集光レンズ6の端面6aから漏れ出す光を光センサ8で受光するように構成したので、光センサ8が集光レンズ6の外周面から被照射面Waに向けて出射された光を邪魔することがない。また、制御部は光センサ8が受光した光量に基づいて光源ユニット3(LED51)への供給電力を調整するので、例えばLED51が経年劣化等して光源ユニット3からの光量が低下した場合には、光源ユニット3への供給電力を調整して光源ユニット3からの光量を所定値に維持することができる。
【0019】
次に、光源ユニット3の配置について図2を参照して説明する。図2に示すように、光源ユニット3は、集光レンズ6が被照射面WaとLED51の間に位置すると共に、複数個の集光レンズ6がY軸方向に沿って直線状に並ぶように配置される。また、光源ユニット3は、図2に示す断面視(X軸方向に垂直でY軸方向に平行な断面視)において、これらの光軸C2が被照射面Wa上に位置する任意の点Pに向かって相互に傾斜して延びるように配置される。
【0020】
そして、i番目(例えば、図2の紙面右側から数えてi番目)の光源ユニット3の傾き角度θは、次のようにして求めることができる(図2には紙面右側から数えて1番目(i=1)の場合を例示している)。ここで、「光源ユニット3の傾き角度」とは、仮想中心線C3に対するi番目の光源ユニット3の光軸C2の傾き角度を意味する。また、仮想中心線3Cは、点Pを通り被照射面Waに対して垂直に延びる線をいう。そして、i番目の光源ユニット3のレンズ中心軸C1から仮想中心軸C3までの距離(Y軸方向における距離)をD、当該レンズ中心軸C1から被照射面Waまでの距離をDRとすると、i番目の光源ユニット3の傾き角度θ
θ=tan−1(D/DR) ・・・ 式1
となる。なお、本実施形態では全てのレンズ中心軸C1はY軸方向(ワークWの搬送方向)に沿って直線状に配列されていることから、レンズ中心軸C1から被照射面Waまでの距離DRは全ての光源ユニット3において同一となる。
【0021】
より具体的に説明すると、図2の例では、紙面右側から数えて3番目(i=3)の光源ユニット3のレンズ中心軸C1は仮想中心線C3上に位置している。そして、レンズ中心軸C1から被照射面Waまでの距離DRが123.5mmであり、全ての集光レンズ6が21mm間隔の等ピッチで配置されている場合、紙面右側から数えて2番目〜4番目(i=2〜4)の光源ユニット3の傾き角度θはそれぞれ次のようになる。
【0022】
まず、2番目の光源ユニット3については、レンズ中心軸C1から仮想中心線C3までの距離Di=2は+21mmであるから、2番目の光源ユニット3の傾き角度θi=2は式1より9.65°となる。また、3番目の光源ユニット3については、レンズ中心軸C1から仮想中心線C3までの距離Di=3は0mmであるから、3番目の光源ユニット6の傾き角度θi=3は式1より0°となる。更に、4番目の光源ユニット4については、レンズ中心軸C1から仮想中心線C3までの距離Di=4はー21mmであるから、4番目の光源ユニット3の傾き角度θi=4は式1より−9.65°となる。
【0023】
なお、レンズ中心軸C1から被照射面Waまでの距離DRは、筐体2の開口部2aから被照射面Waまでの距離(ワークディスタンス)WDや集光レンズ6の直径等に応じて予め決められている。また、LED51からレンズ中心軸C1までの距離DLは全ての光源ユニット3において共通であり、仮想中心線C3上に配置された光源ユニット3から発せられた光の照度が被照射面Wa上において高くなるように(好ましくは最大となるように)、予め設定しておく。
【0024】
かかる構成において、各々の光源ユニット3から発せられた光は被照射面Wa上で重なり合い、被照射面Waを高い照度で照明することができる。
【0025】
[実施例]
本実施形態の照明装置1において、LED列5(光源ユニット3)を11本並べた場合における光路のシミュレーション結果を図5に示す。また、本実施形態の照明装置1において、LED列5の本数と被照射面Wa上に位置する点Pにおける照度(放射照度)との関係を図6のグラフに示す。なお、集光レンズ(ロッドレンズ)6の直径は20mmであり、X軸方向におけるLED51間のピッチは4mmである。また、全ての集光レンズ6がY軸方向に21mm間隔の等ピッチで並ぶように配置し、ワークディスタンスWDは100mmとした。LED51には紫外線LEDを用いた。図8に示す従来のものと比較して高い放射照度を達成できていることが確認できた。
【0026】
以上、本発明の実施形態に係る照明装置について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0027】
例えば、上記実施形態においては、集光レンズ6がY軸方向に直線状に並ぶように複数個の光源ユニット3を配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば、集光レンズ6が点Pを中心とする円弧上に位置するように配置することもできる。この場合、レンズ中心軸C1から被照射面Waまでの距離DRは光源ユニット3毎に異なる。
【0028】
また、Y軸方向における集光レンズ6間のピッチは必ずしも一定である必要はない。更に、必ずしも仮想中心軸C3上に光源ユニット3を配置する必要はなく、仮想中心軸C3上に光源ユニット3を配置しなくても良い。また、図2に示す例では複数個の光源ユニット3が仮想中心軸C3を中心に線対称となる様に配置されているが、光源ユニット3の配置は必ずしも線対称である必要はない。
更に、集光レンズ6はロッドレンズに限定されず、シリンドリカルレンズ、リニアフレネルレンズなど、他の集光レンズを用いることもできる。
【0029】
上記実施形態においては、各光源ユニット3に光センサ8を設けたが、必ずしも全ての光源ユニット3に光センサ8を設ける必要はなく、例えば任意の1個又は複数個の光源ユニット3に光センサ8を設けても良く、少なくとも1個の光源ユニット3に設ければ良い。
【0030】
ワークWは図1に示す様なベルトコンベアBに搭載されて搬送されるものに限定されず、例えば連続的に搬送されるシート状物であってもよく、照明装置1も紫外線硬化用の紫外線を照射させるものに限定されず、例えば品質検査用の検査光を照射するものであっても良い。LED51は、紫外線LEDに限定されず、白色LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、赤外LED等、その種類を問わない。センサ8についても、白色光、赤色光、青色光、緑色光、赤外光等、使用するLED51の種類に応じた光を検出するものを選択して使用すれば良い。
【0031】
上記実施形態では、照明装置1はライン光照射装置としたが、集光レンズ6の端面6aから漏れ出す光を光センサ8で受光してLED51への供給電力を調整する構成については、ライン光照射装置以外の照明装置にも応用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 照明装置
3 光源ユニット
4 プリント基板
5 LED列
6 集光レンズ
8 光センサ
51 LED
72,73 レンズホルダ
72f 導光孔
82 受光部
W ワーク
Wa 被照射面
P 点
C1 中心軸(レンズ中心軸)
C2 光軸
C3 仮想中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8