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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-124402(P2020-124402A)
(43)【公開日】2020年8月20日
(54)【発明の名称】芳香等成分発生装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20200727BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20200727BHJP
【FI】
   A61L9/12
   A61L9/01 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-19171(P2019-19171)
(22)【出願日】2019年2月5日
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】596159522
【氏名又は名称】株式会社ミュージーコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100166671
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 恵子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA18
4C180CA06
4C180EC01
4C180FF07
4C180GG17
4C180GG19
4C180HH05
4C180LL06
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、芳香等成分発生装置の改良である。
【解決手段】本発明に係る芳香等成分発生装置においては、固定本体部に対して可動本体部が相対移動可能に設けられ、これら固定本体部に対する可動本体部の相対移動により、芳香等成分発生装置のスイッチが切り換えられる。このように、可動本体部の固定本体部に対する相対移動によりスイッチが切り換わるのであり、使い勝手を良くすることができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンと、
ファンの上方に設けられ、芳香成分、消臭成分、防虫成分のうちの1つ以上を含む芳香等成分を含む液体を保持する芳香等成分担持体と、
前記ファンを駆動するモータと、
前記モータを制御する制御部を備えた制御基板と、
前記ファンと、前記芳香等成分担持体と、前記モータと、前記制御基板とのうちの1つ以上を保持する固定本体部と、
前記固定本体部に対して接近・離間可能に設けられ、前記ファンと、前記芳香等成分担持体と、前記モータと、前記制御基板とのうちの前記固定本体部に設けられた前記1つ以上を除くものを保持する可動本体部と、
前記固定本体部に対して前記可動本体部が接近する毎にON信号を出力する1つ以上のスイッチを含むスイッチ装置と
を含むことを特徴とする芳香等成分発生装置。
【請求項2】
前記制御基板が、基板部を含み、
前記制御部が、前記基板部に設けられ、前記スイッチ装置から出力されるON信号に基づいて前記モータを制御するモータ制御部を含み、
前記モータ制御部が、前記スイッチ装置からON信号が出力された場合に、前記モータを始動させるとともに、連続運転させ、次にON信号が出力された場合に、前記モータを前記連続運転から間欠運転に切り換え、次にON信号が出力された場合に、前記モータを停止させるものである請求項1に記載の芳香等成分発生装置。
【請求項3】
前記スイッチ装置が、前記スイッチを3つ以上含み、
前記3つ以上のスイッチの各々が、前記基板部に、互いに等間隔に設けられた請求項2に記載の芳香等成分発生装置。
【請求項4】
前記可動本体部と前記固定本体部とのいずれか一方が、中央部が周辺部より上方に突出した形状を成し、前記芳香等成分担持体を下方から支持する担持体支持部を含み、
前記芳香等成分担持体が前記担持体支持部に前記芳香等成分担持体の下面が前記担持体支持部の前記中央部の上面に当接して保持された状態で、前記担持体支持部の前記周辺部が前記芳香等成分担持体の下面より下方に隙間を隔てて位置する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の芳香等成分発生装置。
【請求項5】
当該芳香等成分発生装置が、前記ファンの作動により吸気口からエアを吸引して流出口から流出させることにより、前記芳香等成分を放出するものであり、
前記固定本体部が、内側本体部とされ、
前記可動本体部が、前記内側本体部の外側面を隙間を隔てて囲むカバー部を備えた外側本体部とされ、
前記内側本体部と前記カバー部の内側面の下端部との間の隙間が前記吸気口とされた請求項1ないし4のいずれか1つに記載の芳香等成分発生装置。
【請求項6】
前記カバー部の内側面と前記芳香等成分担持体の外側面との間に隙間が設けられ、
前記エアが、前記隙間を通る請求項5に記載の芳香等成分発生装置。
【請求項7】
前記カバー部の内側面と前記芳香器成分担持体の外側面との少なくとも一方に、互いに接近する向きに突出する凸部が設けられた請求項5または6に記載の芳香等成分発生装置。
【請求項8】
前記制御基板が、前記固定本体部の前記可動本体部に上下方向において対向する部分に保持され、
前記可動本体部が、前記カバー部の中間部に設けられた中間板を含み、
前記中間板が、前記スイッチ装置に対向して位置する請求項4ないし7のいずれか1つに記載の芳香等成分発生装置。
【請求項9】
本体と、
前記本体に相対回転可能に保持されたファンと、
前記ファンの下流側に設けられ、芳香成分、消臭成分、防虫成分のうちの1つ以上を有する芳香等成分を含む液体を保持する芳香等成分担持体と
を含み、前記ファンの作動によりエアを吸気口から吸引して流出口から流出させることにより、前記芳香等成分を放出する芳香等成分発生装置であって、
前記エアが、前記芳香等成分担持体の外側面と前記本体の内側面との間の隙間を通り、
前記芳香等成分担持体の外側面と前記本体の前記内側面との少なくとも一方に、互いに接近する向きに突出する少なくとも1つの凸部が設けられた芳香等成分発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香成分、消臭成分、防虫成分等のうちの1つ以上の成分である芳香等成分を発生させる芳香等成分発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本体に保持されたスピーカと、スピーカの上方に設けられた芳香成分担持体と、スピーカと芳香成分担持体との間の本体に形成された複数の孔とを含む芳香器が記載されている。スピーカと芳香成分担持体との間の複数の穴は音口であり、音口を介して伝達されたエアが、芳香成分担持体の外周面と本体の内周面との間の開口から流出させられ、それにより、芳香成分担持体に保持された芳香成分が拡散される。
特許文献2には、本体に保持されたファンと、ファンの側方に設けられた芳香成分担持体群と、ファンと芳香成分担持体群との間の本体に形成された複数の孔とを含む芳香器が記載されている。この芳香器においては、ファンの回転により形成されたエアが複数の孔を経て、芳香成分担持体群を通って流出させられる。それにより芳香成分が拡散される。また、芳香成分担持体群には、概して球状を成し、陶器によって製造された芳香成分担持体が複数含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−68373号公報
【特許文献2】特開2000−254217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、芳香等成分発生装置の改良を図ることであり、例えば、使い勝手をよくすること、または、芳香等成分を良好に拡散可能とすること等である。
【課題を解決するための手段および作用】
【0005】
本発明に係る芳香等成分発生装置においては、固定本体部に対して可動本体部が相対移動可能に設けられ、これら固定本体部に対する可動本体部の相対移動により、芳香等成分発生装置のスイッチが切り換えられる。
また、本発明に係る芳香等成分発生装置において、ファンの作動によりエアが吸気口から吸引されて流出口から流出させられ、それにより、芳香等成分担持体に保持された芳香等成分が放出される。エアは、芳香等成分担持体の外側面と本体の内側面との間の隙間を通るが、これら芳香等成分担持体の外側面と本体の内側面との間に絞り部が設けられる。それにより、芳香等成分担持体の表面において渦が生じ易くなる。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明に係る芳香等成分発生装置においては、可動本体部の固定本体部に対する相対移動によりスイッチが切り換わるのであり、使い勝手を良くすることができる。また、芳香等成分担持体の表面において渦が生じ易くなるため、芳香等成分を良好に放出させることが可能となる。以上のように、芳香等成分発生装置の改良を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例1に係る芳香等成分発生装置としての芳香器の斜視図である。
図2】上記芳香器の断面図である。
図3】上記芳香器のスイッチ装置の周辺を概念的に示す図である。
図4】上記芳香器のモータ制御部の周辺を概念的に示すブロック図である。
図5】上記制御基板の記憶部に記憶されたモータ制御プログラムを表すフローチャートである。
図6】上記芳香器におけるエアの流れを概念的に示す図である。
図7】本発明の実施例2に係る芳香等成分発生装置としての芳香器の断面図である。
図8】本発明の実施例3に係る芳香等成分発生装置としての芳香器の断面図である。
図9】本発明の実施例4に係る芳香等成分発生装置としての芳香器の断面図である。
図10】本発明の別の実施例に係る芳香等成分発生装置としての芳香器の断面図である。
図11】本発明の実施例5に係る芳香等成分発生装置としての芳香器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態に係る芳香等成分発生装置としての芳香器について図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
実施例1に係る芳香器8は、図1,2に示すように、概して円筒状を成す本体10、芳香成分、消臭成分、防虫成分等である芳香等成分を有する液体を保持する芳香等成分担持体12、エアの流れを生じさせるファン14、ファン14を駆動する電動モータ(以下、モータと略称する)16、モータ16を制御する制御部等を有する制御基板18、バッテリ20等を含む。芳香器8は、ファン14の作動によりエアの流れを生じさせて、芳香等成分担持体12に保持された芳香等成分を放出させるものである。
【0010】
芳香等成分担持体12は、芳香等成分を有する液体を保持可能な多孔質のものとすることが望ましく、例えば、無機材料の焼成物(例えば、セラミック、陶器、陶磁器等)とすることができる。また、芳香等成分担持体12は、本実施例において、概して円盤状を成し、上面12uと下面12dと外側面12fとを含み、下面12dの中央部には上方に向かって凹んだ凹部12hが設けられる。凹部12hの底面12bは平坦面とされる。以下、本明細書において芳香等成分担持体12を陶板12と称する。
また、芳香等成分を有する液体には、芳香剤,消臭剤,防虫剤等の薬剤、アロマオイル,ハーブオイル等の天然成分を含むオイル等が該当する。
【0011】
本体10は、固定本体部26と可動本体部28とを含み、可動本体部28は固定本体部26に上下方向に相対移動可能に保持される。本実施例において、固定本体部26に、制御基板18、バッテリ20が保持され、可動本体部28に、陶板12、ファン14、モータ16が保持される。
固定本体部26は、概して有底円筒状を成すベース30、ベース30に設けられ、上下方向に伸びた複数の支柱32等を含む。ベース30の中央部の凹部にはバッテリ20が着脱可能に取り付けられる。複数の支柱32は、ベース30の外周部のほぼ同一円周上に、互いに間隔を隔てて設けられる。これら複数の支柱32により、制御基板18が、ベース30より上方において保持される。制御基板18は、固定本体部26の上端に位置し、可動本体部28の中間板42に対向して位置する。
【0012】
可動本体部28は、上下方向に伸び、概して中空円筒状を成すカバー部40と、カバー部40の内側の、上下方向の中間部に取り付けられた中間板42と、中間板42に設けられ、上下方向に伸びる複数の支柱44と、複数の支柱44に保持された担持体支持部としての陶板等支持部46とを含む。
カバー部40の内径は、ベース30の外径より大きく、カバー部40は、固定本体部26の大部分を隙間を隔てて囲む。中間板42は円環状を成し、外周部においてカバー部40にねじ等の締結部材により一体的に移動可能に固定され、中央部が上下方向に貫通した貫通孔42hとされる。
【0013】
複数の支柱44は、中間板42の貫通孔42hの周りに、ほぼ同一円周上に互いに間隔を隔てて設けられる。
陶板等支持部46は、概して円盤状を成し、中央部と、その中央部の周辺に位置する周辺部としての外周部とを含み、外周部において、複数の支柱44により中間板42より上方において保持される。また、陶板等支持部46の中央部は外周部より上方に突出し、外周部が中央部に対して下方に向かって湾曲した形状を成す。陶板等支持部46の中央部の上面である平坦面が陶板保持面46uとされる。陶板12が陶板等支持部46に、底面12bが陶板保持面46uに当接して保持された状態において、陶板等支持部46の外周部は陶板12の下面12dより下方に隙間を隔てて位置する。そのため、陶板等支持部46の外周部を陶板12の傾きを許容する傾斜許容部46cと称することができる。また、陶板等支持部46の中央部の下部にはモータ等保持部50が取り付けられる。モータ等保持部50は、図2に示すように、陶板等支持部46より下方に位置する。モータ等保持部50により、モータ16およびファン14が、中間板42より上方、かつ、陶板より下方に、それぞれ間隔を隔てて保持される。なお、陶板等支持部46はモータ等支持部の一部であると考えることができる。また、陶板等支持部46の外径は、陶板12の外径とほぼ同じとすることができる。
【0014】
図2,3に示すように、ベース30と中間板42との間には複数(本実施例においては4つ)の支持部55a、55b、55c、55d(以下、支持部55a、55b、55c、55dを総称する場合等これらを区別する必要がない場合には、単に、支持部55と称する)が設けられる。支持部55は、それぞれ、上下方向に伸びたガイド54およびスプリング56を含み、上下方向に伸縮可能とされている。これらガイド54およびスプリング56により可動本体部28の固定本体部26に対する接近・離間が許容される。支持部55は、中間板42の周辺部のほぼ同一円周上に間隔を隔てた位置にそれぞれ設けられる。本実施例においては、互いに隣接する支持部55aと支持部55bとの間、互いに隣接する支持部55cと支持部55dとの間には、それぞれ、中心角70°の間隔が設けられ、互いに隣接する支持部55bと支持部55cとの間、互いに隣接する支持部55dと支持部55aとの間には、それぞれ、中心角110°の間隔が設けられる。このように、支持部55bと支持部55cとの間、支持部55dと支持部55aとの間に中心角110°の間隔が設けられることにより、バッテリ20の固定保体部26への着脱が容易となる。
【0015】
中間板42とベース30との間には制御基板18が位置するが、支持部55(ガイド54およびスプリング56)は、それぞれ、図3に示すように、制御基板18の基板部18vの外周部に内周部に向かって凹んで形成された4つの切欠き18hを通って伸びる。スプリング56は、可動本体部28が固定本体部26に対して離間した状態において定常状態にある。可動本体部28は、スプリング56のばね力に抗して固定本体部26に接近させられ、スプリング56の復元力により固定本体部26から離間させられる。なお、接近限度、離間限度は、ガイド54等に設けられた図示しないストッパにより規定される。
【0016】
制御基板18は、概して円板状を成す本体である基板部18v、基板部18vに設けられた複数(本実施例においては4つ)のスイッチ18sa、18sb、18sc、18sd(以下、4つのスイッチ18sa、18sb、18sc、18sdを総称する場合等区別する必要がない場合には、単にスイッチ18sと称する)および制御部としてのモータ制御部18c(図4参照)等を含む。スイッチ18sは、基板部18vの切欠き18hとほぼ同一円周上に、中心角90°ずつ隔てて4個搭載される。図3に示すように、スイッチ18sは、切欠き18hと交互に、両側に位置する切欠き18hの中間に位置する。例えば、一方の対角位置にある2つのスイッチ18sa,18scは、それぞれ、スイッチ18sa,18scの各々と隣接して両側に位置する切欠き18hから中心角35°ずつ隔てて設けられ、他方の対角位置にある2つのスイッチ18sb,18sdは、それぞれ、スイッチ18sb,18sdの各々と隣接して両側に位置する切欠き18hとの間に中心角55°ずつ隔てて設けられる。具体的には、スイッチ18saは、支持部55aが通る切欠き18hと支持部55bが通る切欠き18hとからそれぞれ中心角35°隔たった位置に設けられ、スイッチ18sbは、支持部55bが通る切欠き18hと支持部55cが通る切欠き18hとからそれぞれ中心角55°隔たった位置に設けられるのである。また、スイッチ18sは、中間板42の下面との間に隙間を隔てて設けられる。中間板42の下面がスイッチ18sから離間した状態で、スイッチ18sはOFF状態にある。中間板42の下面がスイッチ18sに当接して、押圧することにより、スイッチ18sはONとなり、ON信号を出力する。本実施例において、4つのスイッチ18s等によりスイッチ装置が構成される。なお、スイッチ18sのON/OFFとモータ16のON/OFFとは同じであるとは限らない。
【0017】
モータ制御部18cには、図4に示すように、スイッチ18sが図示しない回路により接続されるとともにモータ16が接続される。
【0018】
図2に示すように、可動本体部28の円筒状のカバー部40の内側面の環状の下端部40aと、固定本体部26のベース30の外側面30fとの間の環状の隙間が吸気口64とされ、カバー部40の内側面の上端部40bと陶板12の外側面12fの環状の上端部12aとの間の隙間が概して上方に開口する流出口としての開口部66とされる。このように、吸気口64が可動本体部28と固定本体部26との間の隙間とされ、開口部66が可動本体部28と陶板12との間の隙間とされるため、芳香成分等発生装置の製造を容易にし得る。
本体10の内部には、吸気口64から開口部66に達するエア通路roが形成される。エア通路roは、図6の破線が示すように、吸気口64、カバー部40の内側面と固定本体部26との間の隙間、制御基板18と中間板42との間の隙間、貫通孔42h、ファン14、陶板12の外側面12fとカバー部40の内側面との間の隙間、開口部66等を通る。また、エア通路roの一部は、カバー部40の内側面とベース30の外側面30fとの間の隙間、複数の支柱32の間の隙間、制御基板18の切欠き18h、貫通孔42hを通る場合もある。
【0019】
一方、カバー部40の内側面の陶板12の外側面12fに対向する部分には、陶板12の外側面12fに向かって突出した環状凸部40sが設けられる。この環状凸部40sにより、エア通路roの一部が絞られるのであり、環状凸部40sと陶板12の外側面12fとにより絞り部68が構成される。絞り部68は、エア通路roの開口部66または開口部66の近傍に位置する。
【0020】
以上のように構成された芳香器8において、図6に示すように、陶板12の上面12u付近に、芳香等成分を有する液体Lqが含浸されて担持される。陶板12は、底面12bが陶板保持面46uに当接した状態で、陶板等支持部46に取り付けられる。そして、可動本体部28に下方に向かう力Fが加えられることにより、可動本体部28が固定本体部26に接近し、中間板42の少なくとも一部が4つのスイッチ18sのうちの少なくとも1つに当接して押圧することにより、スイッチ18sがOFFからONとなり、ON信号を出力する。停止状態にあるモータ16が始動させられ、連続運転させられる。それにより、ファン14が回転させられ、吸気口64からエアが吸引され、エア通路roに沿って流れ、開口部66から外部に流出させられる。図6において、エアの流れを矢印Rで示す。
【0021】
開口部66から流出したエアは陶板12の上面に向かって流れ易い。また、開口部66または開口部66の近傍に絞り部68が設けられるため、陶板12の上面12uにおいて渦が生じ易い。その結果、陶板12に含浸された液体Lqが気化することにより発生した芳香等成分をエアにより良好に拡散させることができる。
また、スイッチ18sが同一円周上に等間隔で4個設けられるため、下方に向かうFが可動本体部28のいずれの部分に加えられても、4つのうちの少なくとも1つのスイッチ18sはONに切り換わり易い。そのため、芳香器8の使い勝手を良くすることができる。
なお、可動本体部28に加えられた力Fが除かれて、スプリング56の復元力により可動本体部28が固定本体部26から離間させられた状態、すなわち、スイッチ18sのOFF状態においても、モータ16は連続運転状態にある。
【0022】
そして、次に、可動本体部28に下方に向かう力Fが加えられることにより、可動本体部28が固定本体部26に接近し、少なくとも1つのスイッチ18sがOFFからONになり、ON信号を出力する。スイッチ18sのON信号によりモータ16は連続運転から間欠運転に切り換えられる。連続運転において、モータ16には連続的に電流が供給され、モータ16は連続して回転する。間欠運転において、モータ16に電流が供給される電流供給状態と電流が供給されない非電流供給状態とが交互に切り換えられる。電流供給状態から非電流供給状態に切り換えられても、慣性によりモータ16は回転し続けるが、その後、停止し、停止状態が保持される。そのため、間欠運転において、モータは、連続して回転する回転状態と停止状態とに交互に切り換えられる。
次に、可動本体部28に下方に向かう力が加えられることにより、少なくとも1つのスイッチ18sがOFFからONになり、ON信号を出力すると、間欠運転の状態にあるモータ16が停止させられる。
【0023】
モータ16は図5のフローチャートで表されるモータ制御プログラムの実行により制御される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、4つのスイッチ18sのうちの少なくとも1つがON信号を出力したか否かが判定される。判定がYESである場合には、S2において停止状態にあるモータ16が始動させられ、連続運転させられる。S3において、少なくとも1つのスイッチ18sがON信号を出力したか否かが判定され、判定がYESになった場合には、S4においてモータ16が連続運転から間欠運転に切り換えられる。S5において、少なくとも1つのスイッチ18sがON信号を出力したか否かが判定され、判定がYESになった場合には、S6において、モータ16は停止させられる。以下、S1〜6が繰り返し実行される。
【0024】
このように、本実施例において、モータ16は、スイッチ18sからON信号が出力される毎に作動状態が切り換えられるのであるが、ON信号の出力回数に応じて制御されると考えることもできる。また、スイッチ18sから2回ON信号が出力された場合に、モータ16が間欠運転させられる。それにより、消費電力の低減を図ることができる。
【0025】
その後、陶板12を外す場合には、陶板12の外周部の一部に下方に向かう力Pを加えればよい。陶板12は、陶板12の底面12bと陶板等支持部材46の陶板支持面46uの端部との当接点Sを支点として傾き、陶板12の力Pを加えた部分とは反対側の部分Qが持ち上がる。それにより、陶板12を容易に取り外すことができる。なお、陶板12の傾きは、傾斜許容部46cにより許容される。
【0026】
以上のように、本実施例においては、固定本体部26が内側本体部に対応し、可動本体部28が外側本体部に対応する。
【0027】
なお、上記実施例においては、可動本体部28と固定本体部26との間の環状の隙間が吸気口66とされたが、カバー部40の側部に1つ以上の吸気口を設けることもできる。その場合には、ファン14の側方または下方に設けることが望ましい。
【0028】
また、絞り部68は、陶板12の外側面12fにカバー部40の内側面に向かって突出する環状凸部を設けることによって構成されるようにしたり、陶板12の外側面12fとカバー部40の内側面との両方に環状凸部を設けることによって構成されるようにしたりすること等もできる。さらに、環状の凸部に限らず、カバー部40の内側面と陶板12の外側面12fとの少なくとも一方に、側面の一部に沿った1つ以上の凸部を設けることもできる。なお、陶板12の外側面12fとカバー部40の内側面との少なくとも一方に凸部を設けることにより、絞り部68を設けることは不可欠ではない。
【0029】
また、モータ16の制御態様は問わない。例えば、少なくとも1つのスイッチ18sからON信号が出力された場合に始動させ、次にON信号が出力された場合に停止させるようにすることもできる。
さらに、スイッチ装置に含まれるスイッチ18sの個数は3個としたり、5個以上としたりすること等ができる。また、支持部55の個数も問わない。例えば、3個としたり、5個以上としたりすることができる。さらに、支持部55の間隔は問わない。例えば、支持部55aと支持部55bとの間の間隔、支持部55cと支持部55dとの間の間隔を、中心角70°以下(例えば、60°、50°等)としたり、中心角70°より大きく(例えば、80°、90°等)としたりすること等ができる。
また、本体10が固定本体部26と可動本体部28とを含んで構成されるようにすることは不可欠ではない。スイッチ18sも、可動本体部28の固定本体部26に対する接近によりON信号が出力されるようにすることは不可欠ではない。
【0030】
また、可動本体部28、陶板12等の形状は問わない。例えば、可動本体部28を断面が多角形の枠状を成すものとしたり、陶板12を概して多角形板としたりすること等ができる。具体的には、可動本体部28のカバー部40を概して多角形の筒状を成すものとすること等ができるのである。
さらに、固定本体部26、可動本体部28等を製造する材料は問わない。例えば、金属材料、樹脂材料、木材等により製造することができる。
また、本発明に係る芳香等成分発生装置は、芳香器に限らず、消臭装置、防虫装置等に適用することができる。
さらに、陶板等支持部46が傾き許容部46cを有することは不可欠ではなく、円盤状を成すものとすることができる。
【0031】
また、上記実施例においては、可動本体部28に陶板12、ファン14およびモータ16が保持され、固定本体部26にバッテリ20および制御基板18が保持される場合について説明したが、それに限らない。その場合の一例を実施例2,3の図7,8に示す。なお、以下の実施例において実施例1における芳香器と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0032】
実施例2に係る芳香器80においては、図7に示すように、本体81が固定本体部82と可動本体部84とを含み、固定本体部82に制御基板18、バッテリ20、ファン14およびモータ16が保持され、可動本体部84に陶板12が保持される。実施例2においては、可動本体部84にモータ16およびファン14等が保持されないため、実施例1における場合に比較して、スプリング56の強度を小さくすることができ、その分、コストダウンを図ることができる。
【実施例3】
【0033】
実施例3に係る芳香器90においては、図8に示すように、本体91が固定本体部92と可動本体部94とを含み、固定本体部92に制御基板18、ファン14およびモータ16が保持され、可動本体部94に陶板12、バッテリ20が保持される。バッテリ20は、陶板等支持部46の下部に設けられたバッテリ保持部材96によって保持される。なお、ガイド54およびスプリング56の図示は省略したが実際には、ベース30と中間板42との間に設けられる。以下の図10においても同様である。
【実施例4】
【0034】
また、バッテリは不可欠ではなく、芳香器に電源コードまたはUSBコード100を介して外部(例えば、家庭用コンセントまたはパソコン等)から電力が直接供給されるようにすることができる。その一例を図9〜11に示す。
図9に示す芳香器110においては、制御基板18が本体111の固定本体部112に保持され、ファン14、モータ16、陶板12が可動本体部114に保持される。本実施例においては、支柱32を短くすることが可能となる。
図10に示す芳香器120においては、本体121の固定本体部122にファン14、モータ16、制御基板18が保持され、可動本体部124に陶板12が保持される。それにより、支柱44の長さを短くすることが可能となる。
【実施例5】
【0035】
また、上記各実施例に記載の芳香器において、陶板12および開口部66の上方に芳香室を設けることができる。その場合の一例を図11に示す。
本実施例に係る芳香器140の本体141の可動本体部142は、上記各実施例に記載の芳香器のカバー部40にハット状の上カバー部144を被せた形状を成す。上カバー部144は、概して中空の有底円筒状を成し、底部146が上方に位置し、筒部の下端がカバー部40の上端部40bに当接する。底部146の中央部には上下方向に貫通し、上方に向かって開口する流出口150が設けられ、上カバー部144の内部が芳香室152とされる。芳香室152には陶板12の上面12uが対向するとともに、開口部66が開口する。
【0036】
芳香器140においては、本体141の内部に、吸気口64から開口部66、芳香室152、流出口150を通るエア通路ro´が形成される。ファン14の作動により、矢印R´が示すように、吸気口64からエアが吸引され、開口部66を経たエアが芳香室152に流入するが、開口部66から流出したエアは陶板12の上面12uにおいて渦状となり易いため、芳香室152の内部に芳香等成分を良好に放出させることができる。芳香室152の内部には、芳香等成分を含んだエアが溜まり、上面の流出口150から外部に流出する。このように、実施例5に係る芳香器140においては、芳香室152に溜まった芳香等成分を含むエアが、流出口150から流出させられるため、芳香等成分を良好に外部に流出させて、拡散させることができる。
【0037】
以上のように、絞り部68は、エア通路の流出口または流出口の近傍に設けても、エア通路の中間部に設けてもよいのである。
【0038】
以上、複数の実施例を記載したが、その他、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
8,80,90,110,120,140:芳香器 12:陶板 14:ファン 16:モータ 18:制御基板 20:バッテリ 26,82,92,112,122:固定本体部 28,84,94,114,124,142:可動本体部 40:カバー部 42:中間板 46:陶板等支持部 55:支持部 56:スプリング 18s:スイッチ 64:吸気口 66:開口部 68:絞り 150:流出口 152:芳香室
図1
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図11