【課題】マットレスの大きさを容易に変更することができるマットレスを提供すること、並びに、マットレスの大きさを変更するのに使用されていない部材を、使用者の姿勢が楽になるように補助する補助具として利用することができるマットレス拡張部材を提供することである。
【解決手段】本体2と、拡張部材3と、本体2に拡張部材3を着脱可能に連結する連結手段4を有し、連結手段4を介して本体2に拡張部材3を連結することにより大きさを拡張できるマットレス1であって、本体2に連結されていない拡張部材3は、マットレス使用者の楽な姿勢に応じて形態を変更可能である。拡張部材3は、容易に本体2に連結してマットレスを構成することができる。また、本体2に連結されていない拡張部材3は、形態を変更して使用者の楽な姿勢を維持するのに供することができる。
本体と、拡張部材と、本体に拡張部材を着脱可能に連結する連結手段を有し、前記連結手段を介して本体に拡張部材を連結することにより大きさを拡張できるマットレスであって、
前記拡張部材は、本体よりも小さく、且つ、本体の長手方向の長さを拡張するものであることを特徴とするマットレス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では同じ大きさの小型布団を連結して所望の大きさの布団(マットレス)を構成するため、マットレスを配置する場所が狭い場合に対応しにくい。すなわち、大きさを調整するために小型布団を追加しようとしても、マットレスを配置する場所が狭い場合には、小型布団を追加することができない。
また、特許文献1の発明では、マットレスの大きさを変更することはできても、連結されずマットレスを構成していない小型布団は有効利用されていない。
【0005】
そこで本発明は、マットレスの大きさを容易に変更することができるマットレス、並びに、マットレスの大きさを変更するのに使用されていない部材を、使用者の姿勢が楽になるように補助する補助具として利用することができるマットレスの拡張部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、本体と、拡張部材と、本体に拡張部材を着脱可能に連結する連結手段を有し、前記連結手段を介して本体に拡張部材を連結することにより大きさを拡張できるマットレスであって、前記拡張部材は、本体よりも小さく、且つ、本体の長手方向の長さを拡張するものであることを特徴とするマットレスである。
【0007】
請求項1に記載の発明では、連結手段によって本体に拡張部材を着脱可能に連結することができる。すなわち、必要に応じてマットレスの長手方向の長さを調整することができる。ここで、長手方向とは、マットレス上で就寝する就寝者(マットレスの使用者)の頭部側から足側に至る方向の長さである。
拡張部材は本体よりも小さいため、マットレスをベッド上に載置する際には、マットレスがベッドからはみ出しにくい。
拡張部材は、マットレスの長手方向の長さを5〜10%程度延長するのが好ましい。また、本体の長手方向の両側に拡張部材を連結することによって、マットレスの長手方向の長さを10〜20%程度延長してもよい。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記本体に連結されていない前記拡張部材は、形態を変更可能であることを特徴とするマットレスである。
【0009】
請求項2に記載の発明では、本体に連結されていない拡張部材は、形態を変更可能であるので、形態を変更してマットレスの使用者の楽な姿勢を維持する就寝補助具として使用可能である。
すなわち、マットレス使用者が姿勢を変更した際には、拡張部材は、マットレス使用者が姿勢に応じてその都度形態を変更することができる。
例えば、マットレス使用者が仰向け姿勢のときには、拡張部材は、枕、背中当て、膝下当て等として使用することができ、横臥姿勢のときには、抱き枕として使用することもできる。
また、本体に連結されていない拡張部材を有効利用することができるので、当該拡張部材を収納する空間を確保する必要がない。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記連結手段は、前記拡張部材を包含する包含部材で構成されており、拡張部材を包含した前記包含部材が、前記本体に着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマットレスである。
【0011】
請求項3に記載の発明では、連結手段は、拡張部材を包含する包含部材で構成されており、拡張部材は包含部材に包含されていて、拡張部材と包含部材は一体化されている。そして、拡張部材を包含した包含部材が、本体に着脱可能であるので、拡張部材は本体に着脱可能に連結される。
【0012】
包含部材が、本体に対して釦で固定されるのが好ましい(請求項4)。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記拡張部材が、複数の分割片から成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマットレスである。
【0014】
請求項5に記載の発明では、拡張部材が、複数の分割片から成るので、分割片同士を組み合わせて使用することができる。例えば、個々の分割片の形状(形態)を変更し、様々な形態を実現することができる。
拡張部材は、本体の長手方向(縦方向)と交差する方向(横方向)に分割されているのが好ましい。すなわち、各分割片同士が本体の横方向に直列に並ぶように分割されているのが好ましい。そして、これらの各分割片が、個々に形状(形態)を変更して互いに組み合わされると、全体として様々な形態を実現することができる。
【0015】
前記拡張部材は、ヒンジ部を有し、前記ヒンジ部を中心に回動させることによって前記拡張部材の形態を変更可能であるのが好ましい(請求項6)。
ここでヒンジ部とは、一方と他方とを互いに相対回動できるように連結する連結構造を意味している。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記連結手段は、前記本体におけるマットレス使用者の足を載置する側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマットレスである。
【0017】
請求項7に記載の発明では、連結手段は、本体におけるマットレス使用者の足を載置する側に設けられているので、マットレス使用者の頭部側に枕を設置した場合、この枕の位置を変更する必要がない。すなわち、マットレスにおける使用者の頭部が載置される側の端部に拡張部材を連結すると、拡張部材を含めたマットレス全体の端部(拡張部材の端部)から枕までの距離が長くなる。よって、この場合には、拡張部材で拡張した分だけ枕を当該端部側へ移動させる必要がある。ところが、本発明では、連結手段がマットレスにおけるマットレス使用者の足を載置する側に設けられているので、連結手段で拡張部材を連結しても、マットレスにおける使用者の頭部載置側の端部から枕までの距離は変化しない。そのため、予めマットレスに設置された枕を動かすことなくマットレスの大きさ(長さ)を変更することができる。
【0018】
請求項8に記載の発明は、マットレスの長手方向に並んだ複数の前記拡張部材同士を結合する結合手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のマットレスである。
【0019】
請求項8に記載の発明では、マットレスの長手方向に並んだ複数の拡張部材同士を結合する結合手段を有するので、マットレス使用者の身長に合わせて必要な数だけ拡張部材を連結することができる。すなわち、本発明によると、マットレスの大きさを調整し易い。
【0020】
本体におけるマットレス使用者の頭部を載置する側に枕を取り付ける枕取付手段を有するのが好ましい(請求項9)。
【0021】
請求項10に記載の発明は、マットレスの大きさを拡張する拡張部材であって、前記拡張部材は、マットレスに着脱が可能であり、マットレスに装着されていないときの拡張部材は、形態を変更可能であることを特徴とするマットレスの拡張部材である。
【0022】
請求項10に記載の発明では、拡張部材は、マットレスに装着してマットレスの大きさを拡張することができると共に、マットレスに装着していないときの拡張部材は、形態を変更して、マットレス使用者が楽な姿勢を維持するのに利用することができる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、複数の前記拡張部材が、マットレスの長手方向に配置されて、互いに着脱可能であることを特徴とする請求項10に記載のマットレスの拡張部材である。
【0024】
請求項11に記載の発明では、複数の拡張部材が、マットレスの長手方向に配置されて、互いに着脱可能であるので、マットレスの大きさを容易に変更することができる。すなわち、マットレスの使用者の身長に合わせて、マットレスの大きさを容易に変更することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のマットレス、並びに、マットレスの拡張部材は、長手方向の長さを変更することができる。マットレスを構成する本体に対して拡張部材が小さいため、マットレスの長手方向の長さを微調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら説明する。
図1(a)、
図1(b)に示すように、マットレス1は、本体2、拡張部材3(マットレス拡張部材)、包含部材4(連結手段)を有している。
【0028】
本体2は周知のマットレスと同様に、長手方向(縦方向)と短手方向(横方向)とを有する平面視して長方形のクッション性を有する部材を、被覆部材(生地)で被覆した構造を有している。ここで、長手方向(縦方向)とは、マットレス1上で就寝する就寝者(マットレス1の使用者)の頭部側から足側に至る方向の長さである。また、短手方向(横方向)とは、長手方向と直交する方向である。
【0029】
本体2における、長手方向にのびる両側面であって、両端付近には、締結部材5a、5bが設けられている。締結部材5a、5bは、本実施形態では釦が採用されているが、その他、フック等の別の締結構造を採用することもできる。
【0030】
拡張部材3は、本体2の端部に連結されて、マットレス1の長手方向の長さを拡張する部材である。拡張部材3は、分割片3a、3bで構成されている。分割片3a、3bは、本体2と同様にクッション性を有する部材を被覆部材(生地)で被覆した構造を有している。分割片3bは、分割片3aと同じ構造を有しているため、以下では、分割片3aの構造について説明し、分割片3bの重複する説明は省略する。
【0031】
分割片3aの被覆部材(表面を構成する部材)には、分割片3aを先端構成部9aと基端構成部9bの二つの部位に仕切る仕切部6(ヒンジ部)が設けられている。仕切部6は、直方体の分割片3aの長手方向の側面8c(
図2(a))の中央部分に、長手方向に沿ってのびるように構成されている。
【0032】
仕切部6は、分割片3aを先端構成部9aと基端構成部9bの二つの部位に仕切ると共に、ヒンジ(ヒンジ機構)として機能する部位である。すなわち仕切部6は、先端構成部9aと基端構成部9bを互いに回動させることができる。換言すると、先端構成部9aと基端構成部9bは、仕切部6を中心に互いに回動することができる。
【0033】
先端構成部9aと基端構成部9bには、それぞれ互いに対面接触する傾斜面7a、7b(
図2(b))が設けられている。先端構成部9aの自由端側(仕切部6とは反対側)の辺10は、傾斜面7aと直方体(
図2(a))の天面8aが交差する部位を構成している。
【0034】
分割片3aが直方体形状を呈するときには、傾斜面7a、7bが対向して密着し、辺10は、
図2(a)で見て側面8dの上端に位置している。また、
図2(b)に示すように、分割片3aが三角柱形状を呈するときには、傾斜面7a、7bが同一面内に配置されると共に、
図2(a)に示す直方体の底面8bと天面8aが別の同一面内に配置される。そして辺10は、
図2(b)に示すように、三角柱の先端(頂部)の位置に配置される。
【0035】
すなわち、分割片3aは、仕切部6を中心に先端構成部9aと基端構成部9bが回動することによって、
図2(a)に示す直方体形状と、
図2(b)に示す三角柱形状を呈することができる。
【0036】
包含部材4(連結手段)は、本体2や分割片3aを被覆する被覆部材と同様の素材(生地)で構成されている。また、包含部材4は、
図2(a)に示すように、マットレス1の横幅に相当する長さを有し、内部に分割片3a、3bと、マットレス1の一部を収容することができる部材である。
【0037】
包含部材4は、開口4aを有している。この開口4aを介して、包含部材4内に分割片3a、3b及びマットレス1の一部を収容することができる。開口4a付近には、締結部材11a、11bが設けられている。締結部材11a、11bは、本体2の締結部材5a、5bに対応する位置に設けられている。
【0038】
次に、マットレス1の使用方法について説明する。
【0039】
マットレス1の全長を延ばす際には、本体2に対して拡張部材3を装着する。すなわち、包含部材4内に拡張部材3(分割片3a、3b)を収容し、さらに包含部材4内に本体2の一部を収容する。換言すると、拡張部材3を収容した包含部材4を、本体2の端部に装着する。そして、
図1(a)に示すように、包含部材4の締結部材11a、11bと、本体2の締結部材5a、5bを結合する。
図1(a)では、本体2の両端に拡張部材3を連結してマットレス1の全長を延ばす例を示したが、本体2の片方の端部のみに拡張部材3を装着してもよい。
【0040】
本体2には、包含部材4を介して拡張部材3が連結されるため、本体2と拡張部材3の境界部分が包含部材4で覆われている。また、本体2と包含部材4は、締結部材5a、5b、11a、11bによって締結されている。そのため、本体2と拡張部材3が離間することがない。さらに、包含部材4は、生地で形成されているため、厚みが少なく、本体2との段差が少ない。そのため、マットレスの使用者に違和感を与えない。
その結果、マットレスの使用者は、快適にマットレス1を使用することができる。
【0041】
図2(a)、
図2(b)に示す分割片3a(拡張部材3)は、本体2に連結されていないときには、例えば
図6(a)に示すように、使用者が楽な姿勢を維持するために使用することができる。
図6(a)では、
図3(a)及び
図3(e)に示すように組み合わされた分割片3a、3bによって、使用者の頭部が高い位置となる姿勢を維持すると共に、膝関節が自然に曲がった姿勢を維持することができる状態を示している。
図6(a)に示す例では、拡張部材3とは別のクッション35を併用し、使用者の頭部が高い位置で維持できるように工夫されている。
【0042】
また、使用者が、
図6(a)に示す姿勢を崩したいときには、別の楽な姿勢を維持できるように、分割片3a、3bの形態、組み合わせ、レイアウト等を任意に変更することができる。例えば、横臥姿勢(横向き)を維持する場合には、両膝で分割片3aを挟み、側頭部の下に分割片3bを配置することもできる。
【0043】
拡張部材3(分割片3a、3b)は、本体2(マットレス1)の長手方向の長さを5〜10%程度延長するのが好ましい。また、本体2の長手方向の両側に拡張部材3(分割片3a、3b)を連結することによって、マットレス1の長手方向の長さを10〜20%程度延長してもよい。拡張部材3(分割片3a、3b)は本体2よりも小さいため、マットレス1をベッド(図示せず)に載置する際には、マットレス1がベッドからはみ出しにくい。
【0044】
本実施形態においては、拡張部材3を二つの分割片3a、3bで構成する場合について説明したが、三つ以上の分割片で拡張部材3を構成することもできる。また、分割片3a、3bのように分割せず、
図4(b)に示すように、一続きの拡張部材12としてもよい。拡張部材12も、拡張部材3と同様に、マットレス21の長手方向の長さを拡張する部材である。
【0045】
図4(b)に示すマットレス21では、
図1に示す本体2と包含部材4が使用されており、包含部材4内には拡張部材12が収容される。すなわち、拡張部材12は、分割片3a、3bを併せた長さを有する部材である。
【0046】
図4(b)に示す例では、拡張部材12は、上部構成部12aと下部構成部12bを有し、両者が仕切部13で接続された構造を有している。上部構成部12aと下部構成部12bは、
図4(b)に示すように直方体形状の姿勢(閉じた姿勢)を呈することができる。
図4(b)に示す閉じた状態の拡張部材12は、
図6(b)に示すように、使用者の膝下に置いて使用することができる。
【0047】
また、使用者がマットレス21上で
図6(b)に示す仰向け状態から横臥状態に姿勢を変更したい場合には、
図6(b)に示す拡張部材12を外し、代わりに側頭部を載置できるように拡張部材12を頭部の下に配置することもできる。
【0048】
さらに、仕切部13を中心に両構成部12a、12bが相対回動すると、
図4(c)に示すように、拡張部材12は、扁平形状(開いた姿勢)を呈することができる。
【0049】
図5(a)、
図5(b)は、本発明の別の実施形態に係るマットレス31の組立斜視図及び分解斜視図である。
マットレス31は、本体32と拡張部材33を有している。本体32と拡張部材33は、ファスナー34で着脱が可能である。
本体32と拡張部材33の大きさは、
図4(b)に示す本体2、拡張部材12と同程度の大きさである。拡張部材33は、本体32の長手方向の端部に連結され、マットレス31の長さを拡張する機能を有する。
【0050】
拡張部材33は、
図2に示す拡張部材3の分割片3aのように、仕切部36で仕切られた先端構成部37と基端構成部38を有している。そして、仕切部36を中心に回動することができ、直方体形状と三角柱形状を呈することができる。
【0051】
次に、さらに別の実施形態について、
図7、
図8を参照しながら説明する。
図7(a)、
図7(b)に示すように、マットレス41は、本体2と拡張部材16を有する。本体2の長手方向の一端側には、ファスナー24(連結手段)の一部を構成する一片22が設けられている。この一片22が設けられた本体2の一端側は、マットレス使用者の足を載置する側として想定されている。また、一片22が設けられた一端側とは反対側の他端側が、マットレス使用者の頭部を載置する側として想定されている。
【0052】
拡張部材16は、本体2の幅と略一致する長さを有する四角柱形状を呈する部材である。拡張部材16は上面16aを有し、上面16aは、本体2の上面と高さが略一致している。すなわち、拡張部材16は、上面16aによって本体2の上面の面積を拡げることができる。また、拡張部材16は、長手方向に半割状に開いて厚みを半分とし、且つ、面積を倍にする形態に変化することができる。
【0053】
拡張部材16の上面16aの長手方向に延びる一方側の辺には、一片25が設けられており、他方側の辺には、他片23が設けられている。拡張部材16の他片23は、本体2の一片22と共にファスナー24(連結手段)を構成する。
【0054】
また、拡張部材16の上面16aには、カバー17が設けられている。カバー17は、他片23に沿って延びる細長い薄片である。すなわち、カバー17は、上面16aの一部又は全部を覆うことができる大きさ(面積)を有する薄片である。カバー17は、上面16aから離間する方向に回動して裏返り、他片23を覆うことができる。
【0055】
このような拡張部材16を本体2に連結することにより、マットレス41の面積を拡大することができる。すなわち、
図7(a)に示す本体2の一片22と拡張部材16の他片23を結合する(
図8(a)に示すようにファスナー24を締める)ことにより、本体2と拡張部材16を着脱可能に連結することができる。また、
図8(b)に示すように、拡張部材16のカバー17を裏返すことにより、カバー17でファスナー24を覆い、ファスナー24を隠すことができる。
【0056】
本体2と一体化された拡張部材16には、さらに別の拡張部材16を連結し、マットレス41の面積をさらに拡張することができる。すなわち、
図8(b)に示すように、本体2に連結された拡張部材16の一片25と、別の拡張部材16の他片23によってファスナー26(結合手段)が構成される。ファスナー26を締結することにより、
図8(c)に示すように、拡張部材16同士が連結されて一体化される。このように、マットレス41は、使用者の身長に合わせて同じ構造の拡張部材16を連結して大きさを拡張することができる。
【0057】
一方、本体2の他方側(使用者の頭部を配置する側)には、
図8(a)等に示すように、装着具15(枕取付手段)を介して枕14が装着されている。
【0058】
装着具15は、周知の布生地で形成されている。
図7(a)、
図7(b)に示すように、装着具15は、開口45aを有する第1空間45と、開口46aを有する第2空間46を備えている。開口45aは、第1空間45の出入口を構成しており、開口46aは、第2空間46の出入口を構成している。第1空間45と第2空間46は、布生地からなる仕切47(
図9(a))によって仕切られている。すなわち、第1空間45と第2空間46の間には仕切47があり、両者は連続していない。第1空間45は、第2空間46の下方に設けられている。
【0059】
また、開口45aと開口46aは、互いに反対側に設けられている。すなわち、装着具15の一方側に開口45a(第1開口)が設けられており、装着具15の他方側に開口46a(第2開口)が設けられている。具体的には、開口45aは、マットレス41が配置された側(
図9(a)で見て右側)に設けられており、開口46aは、マットレス41が配置された側とは反対側(
図9(a)で見て左側)に設けられている。
【0060】
図7(b)に示すように、第1空間45は有底であり、底部45bを有している。すなわち、第1空間45における開口45aとは反対側に底部45bが設けられている。
第2空間46も有底であり、底部46b(
図7(a))を有している。すなわち、第2空間46における開口46aとは反対側に底部46bが設けられている。
【0061】
次に、装着具15を介して枕14をマットレス41に取り付ける方法について説明する。
本実施形態では、マットレス41における使用者の頭部を載置する側から、マットレス41を、開口45a(第1開口)を介して第1空間45内に収容し、マットレス41に装着具15を取り付けることを想定している。
【0062】
図9(a)に示すように、装着具15の開口45a側にマットレス41を配置し、開口46a側に枕14を配置する。
図9(b)、
図9(c)に示すように、開口45aを介してマットレス41を第1空間45内に収容し、装着具15をマットレス41に取り付ける。
【0063】
本実施形態では、装着具15はマットレス41に対して短い。また、マットレス41(本体2)の端部が、第1空間45の底部45bに当接している。マットレス41の端部が底部45bに当接したとき、装着具15は、マットレス41の一部のみを収容してマットレス41に取り付けられている。
【0064】
また、開口46aを介して第2空間46内に枕14を収容する。すなわち、装着具15の第2空間46は、枕14を収容する収容部として機能する。第2空間46には底部46bが設けられており、有底である。そのため、枕14は第2空間46の範囲内でのみ移動が可能である。すなわち、枕14の移動可能な範囲は、第2空間46内に限定されている。
【0065】
マットレス41(本体2)の端部が、底部45bに当接してマットレス41(本体2)と装着具15の位置が固定されており、また、枕14の移動が第2空間46の範囲内に限定されている。その結果、マットレス41に対する枕14の位置がほぼ固定される。この枕14がマットレス41に対して固定された位置は、
図9(c)に示すように、本体2のみでは足がマットレス41からはみ出してしまうような、比較的背が高い使用者の頭部がちょうど配置される位置である。枕14は、装着具15の第2空間46内に収容されているため、使用者は直に枕14に触れることがない。そのため、使用者の寝返り等の動作によって枕14が第2空間46内を移動することはほとんどない。
【0066】
このように、装着具15によって、マットレス41に枕14が装着されている。また、装着具15は、マットレス41のカバーとして機能している。すなわち、マットレス41における装着具15が装着された部位は、装着具15によって覆われており、第2空間46から枕14が取り出されても、マットレス41における装着具15で覆われた部位は外部に露出しない。
【0067】
さらに、マットレス41(本体2)と枕14は、仕切47によって隔離されている。そのため、装着具15に対して枕14を出し入れしても、枕14がマットレス41と摩擦することがない。よって、マットレス41は汚れにくく、また、破損しにくい。
【0068】
マットレス41は、使用者の足を載置する側の端部側に拡張部材16を必要な数だけ連結して拡張することができる。すなわち、マットレス41では、使用者の頭部を載置する側に装着具15を装着しているが、
図8(b)、
図8(c)に示すように、使用者の足を載置する側の端部に、拡張部材16の一片25(ファスナー26の一部)が露出している。そのため、マットレス41の本体2や、本体2に一体化された拡張部材16に対して、拡張部材16を連結し、マットレス41の大きさを容易に拡張することができる。
【0069】
なお、
図9では、図示の都合上、装着具15と枕14、装着具15とマットレス41の本体2との間に、相当な隙間があるように描写しているが、実際には、装着具15は枕14及び本体2と密着している。
【0070】
マットレス41の長さを拡張する拡張部材16は、ファスナー24、26によらず、
図10に示す包含部材48で本体2に連結することもできる。すなわち、
図10(a)に示すように、包含部材48の内部に、二つ(複数)の拡張部材16を同時に収容する。さらに、包含部材48に本体2の一部を収容する。そして、
図10(b)に示すように、釦50で包含部材48を本体2に固定する。
【0071】
また、二つの拡張部材16の代わりに、二つの拡張部材16を合わせた大きさの拡張部材49(
図11(a))を使用することもできる。すなわち、
図11(a)に示す包含部材48の内部に拡張部材49を収容し、さらに包含部材48に本体2の一部を収容する。そして、
図11(b)に示すように、釦50で包含部材48を本体2に固定し、マットレス41aを構成する。
【0072】
このように、拡張部材の大きさは、任意に選定することができる。また、拡張部材を本体に連結する形態も適宜選定が可能である。