【解決手段】洗浄機10は、送り台と、ポンプ13と、元弁15と、ノズル切替弁51と、圧縮エア源49と、スイベルジョイント40と、モータと、ノズルブロック47を有する。ノズル切替弁51は、流入室54Cと、第1室54Aと、第2室54Bと、ステム53Dと、第1弁座に当接可能な円錐状の第1弁体55Aと、第2弁座に当接可能な円錐状の第2弁体55Bと、ピストン53Bと、ばね53Cと、を有する。スイベルジョイント40は、スイベルハウジング44、スイベルシャフト43、第1ノズル流路63A、第2ノズル流路63Bを有する。ノズルブロック47は、第1ノズル流路63Aと接続する第1ノズル65Aと、第2ノズル流路63Bと接続する第2ノズル65Bを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のノズルを適用した洗浄機によれば、第2スプレーヘッドを選択するときのノズルの回転位相が限定される。特許文献1のノズルによれば、ベアリングフォロアがリフティングロッドを押し出す力がノズルの装着部に作用する。
本発明は、ノズルの回転位相から独立してスプレーヘッドを選択できる洗浄機を提供することを目的とする。また、ノズルに不要な力が作用しない洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の洗浄機は、
ヘッド部を有する送り台と、
洗浄液を送り出すポンプと、
前記ポンプと接続する元弁と、
前記ヘッド部に配置されたノズル切替弁であって、
バルブハウジングと、
前記元弁と接続する流入口を有する流入室と、
第1ノズル口と、第1開口と、前記第1開口の周縁に配置された第1弁座を有し、前記第1開口を介して前記流入室と接続される第1室と、
第2ノズル口と、第2開口と、前記第2開口の周縁に配置された第2弁座を有し、前記第2開口を介して前記流入室と接続する第2室と、
前記流入室、前記第1開口および前記第2開口を貫通して、前記バルブハウジングに摺動可能に支持されたステムと、
前記流入室の内部で前記ステムに配置され、前記第1弁座に当接可能な円錐状の第1弁体と、
前記流入室の内部で前記ステムに配置され、前記第2弁座に当接可能な円錐状の第2弁体と、
前記ステムに沿って配置されたシリンダ室と、
前記シリンダ室を第1シリンダ室と第2シリンダ室に仕切り、前記シリンダ室の内部を摺動し、前記ステムと連結するピストンと、
前記ピストンを前記第1シリンダ室から前記第2シリンダ室に向かって付勢するばねと、
を有するノズル切替弁と、
前記第2シリンダ室に接続する圧縮エア源と、
スイベルハウジング、前記スイベルハウジング内に回転可能に支持されたスイベルシャフト、前記第1ノズル口と接続する第1ノズル流路および前記第2ノズル口と接続する第2ノズル流路を有し、前記ヘッド部に配置されたスイベルジョイントと、
前記スイベルシャフトを回転するモータと、
前記スイベルシャフトに配置され、前記第1ノズル流路と接続する第1ノズルと、前記第2ノズル流路と接続する第2ノズルとを有するノズルブロックと、を有する。
【0005】
ばねは、ステムを第1シリンダ室から第2シリンダ室に向けて付勢する。ばねは、第1シリンダ室の内部に配置されて良い。また、ばねは、ステムの端部に配置されても良い。
例えば、第1弁体、第2弁体、第1弁座及び第2弁座は金属製である。第1弁体および第2弁体は、セラミック製でも良い。第1弁体及び第2弁体は、第1弁座及び第2弁座よりも硬質である。第1弁体と第1弁座、及び、第2弁体と第2弁体は直接接触する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の洗浄機は、ノズルの回転位相から独立してスプレーヘッドを選択できる。また、本発明の洗浄機によれば、ノズルに不要な力が作用しない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および
図2に示すように、実施形態の洗浄機10は、送り台21、モータ23、ポンプ13、元弁15、圧縮エア源49、ノズル切替弁51、スイベルジョイント(流体用回転接手)40及びノズルブロック47を有する。洗浄機10は、ソレノイド弁50、マニホールド69、第1流路、第2流路、第1ノズル65A、第2ノズル65B、テーブル68、タンク11、洗浄室17、テレスコピックカバー19、プロペラシャフト27、ギヤ装置39、カップリング41及び移動装置22を有しても良い。第1流路は、第1ノズル流路63A、第1環状流路61A、第3ノズル流路59Aを有する。第2流路は、第2ノズル流路63B、第2環状流路61B、第4ノズル流路59Bを有する。テーブル68は、乾燥対象物67を固定する。
【0009】
ノズルブロック47は、回転軸1を中心に回転する。回転軸1は、送り台21の長手方向と異なる方向に延びる。例えば、送り台21は正面から見て前後方向(Y方向)に延び、回転軸1は鉛直方向(Z方向)に伸びる。テーブル68および対象物67は、左右方向(X方向)の軸を中心として回転して良い。移動装置22は、例えばトラバースコラムである。送り台21は、XYZ方向に移動可能に、移動装置22に配置される。
【0010】
洗浄室17は、開口17Aを有する。テーブル68及び対象物67は、洗浄室17内に配置される。XZ方向に移動可能なテレスコピックカバー19は、開口17Aを覆う。送り台21は、テレスコピックカバー19を貫通する。ヘッド部21A、ノズル切替弁51、マニホールド69、スイベルジョイント40、ノズルブロック47、第3ノズル流路59A及び第4ノズル流路59Bは、洗浄室17の内部に配置される。ヘッド部21Aは、送り台21の先端部である。モータ23、圧縮エア源49、ソレノイド弁50、タンク11、ポンプ13及び元弁15は、洗浄室17の外部に配置される。
【0011】
洗浄機10は、供給流路12、戻し流路14、吐出流路18、及び洗浄流路16を有する。タンク11は、洗浄液71を貯留する。
ポンプ13は液体ポンプであり、吸入口13Aおよび吐出口13Bを有する。ポンプ13は、例えば渦巻きポンプ、ギヤポンプ、ピストンポンプである。流路12は、タンク11と吸入口13Aを接続する。ポンプ13は、洗浄液71を吐出する。
元弁15は、例えば2つの流入口15A,15Bと2つの流出口15C,15Dを持つ4ポート2位置弁である。なお、元弁15は2つの開閉弁を持ち、どちらか一方の弁のみを開いても良い。
流路18は、吐出口13Bと2つの流入口15A,15Bを接続する。
流路14は、流出口15Dとタンク11とを接続する。
洗浄流路16は、流出口15Cとノズル切替弁51とを接続する。洗浄流路16は、送り台21の内部に、送り台21に沿って延びる。洗浄流路16は、接続口(第1の入口)16Aを有する。接続口16Aは、送り台21の基端部に位置し、洗浄室17の外部に配置される。
【0012】
圧縮エア源49は、例えばコンプレッサやコンプレッサとの接続口である。圧縮エア源49は、圧縮空気75をノズル切替弁51へ供給する。
【0013】
洗浄機10は、エア流路48を有する。エア流路48は、接続口(空気入口)48Aを有する。接続口48Aは、送り台21の基端部に位置し、洗浄室17の外部に配置される。エア流路48は、送り台21の内部に、送り台21の長手方向に延びる。
【0014】
エア流路48、洗浄流路16、第3ノズル流路59Aおよび第4ノズル流路59Bの一部は、マニホールド69内に配置されても良い。ノズル切替弁51は、マニホールド69を介して、ヘッド部21Aに配置されても良い。本実施形態のマニホールド69及びノズル切替弁51は、ヘッド部21Aに配置される。マニホールド69及びノズル切替弁51は横方向に延び、送り台21の下方に配置されても良い。
【0015】
第3ノズル流路59Aは、ノズル切替弁51とスイベルジョイント40を接続する。
図1に示すように、第3ノズル流路59Aは、第1配管59A1を含む。第1配管59A1は、ヘッド部21Aの外部に配置される。第1配管59A1は、側面視でΠ字状をなし、ヘッド部21Aの側方に配置される。第4ノズル流路59Bは、第2配管59B1を含む。第2配管59B1は、第1配管59A1と実質的に同じ形状である。
【0016】
送り台21は中空形状であり、例えば円形断面又は矩形断面を持つ。
モータ23は、送り台21の基端部に配置される。モータ23は、例えばサーボモータである。
プロペラシャフト27は、送り台21の内部に、送り台21に沿って配置される。プロペラシャフト27の両端は、ベアリング25で支持される。プロペラシャフト27は、モータ23と接続する。
ギヤ装置39は、ヘッド部21Aに配置される。ギヤ装置39は、小歯車28、連結歯車29および傘歯車37を有する。連結歯車29は、大歯車29Bと、大歯車29Bと連結した傘歯車29Aを有する。小歯車28は、プロペラシャフト27の先端部に固定される。連結歯車29は、ベアリング33で支持される。大歯車29Bは、小歯車28と噛み合う。傘歯車29Aは、傘歯車37と噛み合う。
カップリング41は、第1のカップリング41A及び第2のカップリング41Bを有する。第1のカップリング41Aは、傘歯車37に固定される。傘歯車37および第1のカップリング41Aは、ベアリング35で支持される。第2のカップリング41Bは、例えばキーである。第1のカップリング41Aは、例えば第2のカップリング41Bを摺動できるキー溝である。カップリング41は、スイベルジョイント40を介して、傘歯車37の回転をノズルブロック47に伝達する。
【0017】
図3に示すように、ノズル切替弁51は、バルブハウジング52、第1弁体55A、第2弁体55B、第1弁座57A、第2弁座57B、シリンダ53、パッキン56A及びパッキン56Bを有する。バルブハウジング52は、流入口51C、第1ノズル口51A、第2ノズル口51B、流入室54C、第1室54A、第2室54B、貫通穴60を有する。シリンダ53は、シリンダ室53A、ピストン53B、ステム53D及びばね53Cを有する。シリンダ53は、ガイド53Gを有しても良い。
【0018】
流入室54Cは、バルブハウジング52の中央に配置され、例えば円筒状である。流入室54Cは、流入口51Cと接続する。
第1室54Aは流入室54Cの一方端(
図3の左側)に配置され、例えば円筒状である。第1室54Aは流入室54Cと、円形断面を持つ第1開口58Aで接続する。第1室54Aは、第1ノズル口51Aと接続する。
第2室54Bは、流入室54Cの他方端(
図3の右側)に配置され、例えば円筒状である。第2室54Bは流入室54Cと、円形断面を持つ第2開口58Bで接続する。第2室54Bは、第2ノズル口51Bと接続する。
【0019】
貫通穴60は円筒穴であり、第1室54A、第1開口58A、流入室54C、第2開口58B、第2室54B及びシリンダ室53Aを貫通する。貫通穴60は、第1端部60Aと第2端部60Bを有する。第1端部60Aは、第1室54Aの流入室54Cと反対側(
図3の左側)に配置される。第2端部60Bは、第2室54Bのシリンダ室53A側(
図3の右側)に配置される。第2端部60Bは、シリンダ室53Aに接続する。貫通穴60は、第1開口58A、第2開口58B、シリンダ室53Aと同軸に延びる。
なお、ばね53Cは、貫通穴60の第1端部60Aにおいて、ステム53Dの端部に配置されても良い。
【0020】
第1弁体55Aは円錐状である。第1弁体55Aは金属であり、例えば析出硬化系ステンレス鋼である。例えば、第1弁体55Aの硬度は、第1弁座57Aよりも低い。第1弁体55Aは第1弁座57Aと金属接触し、洗浄液71を封止する。第2弁体55Bは、第1弁体55Aと実質的に同じ形状である。
【0021】
第1弁座57Aは、第1開口58Aの周囲に配置される。第1弁座57Aは金属であり、例えば析出硬化系ステンレス鋼である。
図4Aに示すように、第1弁座57Aは、第1開口58Aのエッジであってよい。
図4Bに示すように、第1弁座57Aはテーパ面であっても良い。第1弁座57Aがテーパ面であるとき、第1弁座57Aのテーパ角74は、第1弁体55Aのテーパ角72と同じか、若干広くて良い。例えばテーパ角74が60°、テーパ角72が58°である。第2弁座57Bは、第1弁座57Aと実質的に同じ形状である。
【0022】
ステム53Dは、貫通穴60、第1室54A、第1開口58A、流入室54C、第2開口58B、第2室54B及びシリンダ室53Aを貫通して配置される。ステム53Dは、第1端部60A及び第2端部60Bに支持される。ステム53Dの直径は、第1開口58Aの直径よりも小さい。第1弁体55Aおよび第2弁体55Bは、ステム53Dに固定される。望ましくは、ステム53Dは、第1弁体55A及び第2弁体55Bと一体に形成される。ステム53Dは、端部60A、60Bに摺動して、軸方向に往復する。ステム53Dが一方端(
図3の左側)まで移動したときに、第1弁体55Aは第1弁座57Aに当接し、第2弁体55Bは第2弁座57Bと離間する。ステム53Dが他方端(
図3の右側)まで移動したときに、第2弁体55Bは第2弁座57Bに当接し、第1弁体55Aは第1弁座57Aと離間する。
【0023】
第1開口58Aの直径をD1(m)、第1弁体55Aの最大直径をD2(m)、第1室54A内部におけるステム53Dの直径をD3(m)とすると、
D2 > D1 > D3 (式1)
が成り立つ。
【0024】
パッキン56Aはステム53Dに配置され、ステム53Dと第1端部60Aとの間を封止する。パッキン56Bはステム53Dに配置され、ステム53Dと第2端部60Bの間を封止する。
【0025】
シリンダ室53Aは、第2端部60Bの流入室54Cと反対側(
図3の右側)に配置される。シリンダ室53Aは、円筒状である。ピストン53Bはシリンダ室53Aの内部に配置され、シリンダ室53Aを往復する。ピストン53Bは、ステム53Dと接続する。望ましくは、ピストン53Bはステム53Dと一体に形成される。ピストン53Bは、シリンダ室53Aを第1シリンダ室53Eおよび第2シリンダ室53Fに区画する。ピストン53Bにガイド53Gが配置されてよい。ばね53Cは、例えば圧縮コイルばねや皿ばねである。ばね53Cは第1シリンダ室53E内に配置され、第1シリンダ室53Eの一方端側(
図3の左側)の壁面からピストン53Bを離す方向に付勢する。ガイド53Gは、ばね53Cの内径と実質的に同じ外径を持つ。ガイド53Gは、ばね53Cを支持する。
【0026】
ソレノイド弁50は、例えば2位置3ポート方向切替弁である。ソレノイド弁50は、圧縮エア源49に接続されたポート50A、第2シリンダ室53Fに接続されたポート50B及び大気へ開放されたポート50Cを有する。位置501において、ソレノイド弁50は、ポート50Bをポート50Cに接続する。位置502において、ソレノイド弁50は、ポート50Aをポート50Bへ接続する。ソレノイド弁50は、第2シリンダ室53Fへの空気75の供給と、第2シリンダ室53Fからの空気75の排出を切り替える。ソレノイド弁50は、複動式の弁でも、スプリングバック式の弁でも良い。
【0027】
図3に示すように、スイベルジョイント40は、スイベルシャフト(スピンドル)43、第1環状流路61A、第2環状流路61B、第1ノズル流路63A及び第2ノズル流路63Bを有する。スイベルジョイント40は、スイベルハウジング44、ベアリング45及び複数のパッキン62を有して良い。第2のカップリング41Bは、スイベルシャフト43の基端部に配置される。
【0028】
スイベルハウジング44は中空円筒状である。スイベルハウジング44は、内面に円筒面44Aを有する。
スイベルシャフト43は円筒状であり、円筒面43Aを有する。スイベルシャフト43は、スイベルハウジング44の内部にベアリング45によって支持される。円筒面43Aは、円筒面44Aに摺動する。円筒面43Aに環状流路61A,61B及びパッキン62が回転軸1の軸方向に並んで配置される。パッキン62は、環状流路61A,61Bの間、及び環状流路61A,61Bの外側に配置される。パッキン62は、第1環状流路61Aや第2環状流路61Bの両側の、円筒面43Aと円筒面44Aとの間を封止する。
【0029】
第3ノズル流路59Aは、第1ノズル口51Aと第1環状流路61Aを接続する。第3ノズル流路59Aは、第1環状流路61Aに面するように円筒面44Aに開口する。第4ノズル流路59Bは、第2ノズル口51Bと第2環状流路61Bを接続する。第4ノズル流路59Bは、第2環状流路61Bに面するように円筒面44Aに開口する。
【0030】
図1および
図3に示すように、ノズルブロック47は、スイベルシャフト43に固定される。ノズルブロック47は、回転軸1に沿って棒状に延びる。第1ノズル65A及び第2ノズル65Bは、ノズルブロック47の先端部に配置される。
ノズルブロック47及びスイベルシャフト43の内部に、ノズルブロック47及びスイベルシャフト43を通して第1ノズル流路63Aおよび第2ノズル流路63Bが配置される。第1ノズル流路63Aは回転軸1に沿って延びる。第1ノズル流路63Aの一端は第1環状流路61Aに開口し、第1ノズル流路63Aの他端は第1ノズル65Aと接続する。第2ノズル流路63Bは、第2環状流路61Bを第2ノズル65Bに接続する。第2ノズル流路63Bは、第1ノズル流路63Aと実質的に同じである。
【0031】
図5に従って、洗浄機10が洗浄液71の噴射を開始する方法を説明する。元弁15を閉める(S1)。ポンプ13を起動する(S2)。次いでソレノイド弁50を切り替えて、ノズル切替弁51を切り替える(S3)。次に、元弁15を開ける(S4)。洗浄液71が元弁15、ノズル切替弁51、スイベルジョイント40、ノズルブロック47を通って第1ノズル65A又は第2ノズル65Bから噴出する。
【0032】
図6Aは、第1ノズル65Aから洗浄液71が噴出している状態を示す。
図6Aを参照して、第1ノズル65Aからの噴射方法を説明する。
ステップS1により、元弁15が閉まる。すると、洗浄液71が流入室54Cに流入しない。したがって、洗浄液71の圧力P71はステム53Dに作用しない。
ステップS3において、ソレノイド弁50が位置501に切り替わり、第2シリンダ室53Fから空気75が排気される。ばね53Cの弾性力により、ピストン53Bが
図6Aの右側に移動する。第1弁体55Aは第1弁座57Aから離間し、第2弁体55Bは第2弁座57Bに密着する。
ステップS4により、洗浄液71は流入口51Cから流入室54Cへ流入し、第1開口58Aとステム53Dとの隙間、第1室54Aを通って、第1ノズル口51Aから流出する。径D1が径D3よりも大きいため、流入室54Cに満たされた洗浄液71の圧力P71(Pa)は、ステム53Dを
図6Aの右側へ押す。圧力P71がステム53Dに及ぼす力F(N)は、次式で表される。
【数1】
【0033】
図6Bは、第2ノズル65Bから洗浄液71が噴出している状態を示す。
図6Bを参照して、第2ノズル65Bからの噴射方法を説明する。
ステップS3において、ソレノイド弁50が位置502に切り替わり、第2シリンダ室53Fへ空気75が供給される。このとき、圧力P71はステム53Dに作用しない。ピストン53Bは、ばね53Cの弾性力に抗して
図6Bの左側に移動する。
ステップS4により、洗浄液71は流入口51Cから流入室54Cへ流入し、第2開口58Bとステム53Dとの隙間、第2室54Bを通って、第2ノズル口51Bから流出する。流入室54Cに満たされた洗浄液71の圧力P71は、ステム53Dを
図6Bの左側へ押す。洗浄液71によって作用する力Fは、式2で表される。
【0034】
噴射中においては、第1ノズル65Aと第2ノズル65Bのいずれを選択したときであっても、ステム53Dは圧力P71によって閉弁する側に力Fで押し付けられる。圧力P71が増大すれば、力Fが増加する。
他方、ノズル切替弁51が駆動するとき(S3)は、元弁15が閉まっているため、圧力P71はステム53Dに作用しない。したがって、空気75の圧力P75は、ピストン53Bがばね53Cの圧縮力に抗して、一方端(
図6Bの左側)へ移動できる高さを持てば良い。圧力P75、ピストン53Bの径は、ばね53Cの圧縮力によってのみ定まる。ピストン53Bの径は、圧力P71と無関係である。そのため、ピストン53Bを小型化できる。
【0035】
図7に従って、第1ノズル65A又は第2ノズル65Bの噴射を停止する方法を説明する。元弁15を停止する(S11)。ポンプ13を停止する(S12)。ステップS12は省いてよい。
【0036】
圧力P71がステム53Dを閉弁側に押しつけ、空気75の圧力P75は圧力P71によらないため、洗浄機10は高圧の洗浄液71の利用に好適である。ノズル65A,65Bの切替は、洗浄室17の外部に配置されたソレノイド弁50で行うため、洗浄機10は噴射した洗浄液71やその噴霧によって傷みにくい。
ノズル切替弁51やマニホールド69は、ノズル65A又は65Bと離れて、ヘッド部21Aに配置されている。そのため、ノズル切替弁51やマニホールド69が第1ノズル65A又は第2ノズル65Bの移動を阻害しにくく、第1ノズル65A又は第2ノズル65Bが対象物67に接近できる。
【0037】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。