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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-124832(P2020-124832A)
(43)【公開日】2020年8月20日
(54)【発明の名称】疑似ホログラム印刷物とその製造法
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/328 20140101AFI20200727BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20200727BHJP
   G03H 1/02 20060101ALI20200727BHJP
【FI】
   B42D25/328
   G09F3/00 A
   G03H1/02
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-17763(P2019-17763)
(22)【出願日】2019年2月4日
(11)【特許番号】特許第6677834号(P6677834)
(45)【特許公報発行日】2020年4月8日
(71)【出願人】
【識別番号】396017176
【氏名又は名称】ミラクル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230115336
【弁護士】
【氏名又は名称】山下 綾
(72)【発明者】
【氏名】森山 健二
【テーマコード(参考)】
2C005
2K008
【Fターム(参考)】
2C005HA06
2C005JB08
2C005JB25
2C005JB40
2C005KA05
2K008AA13
2K008FF11
2K008HH06
2K008HH18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光沢と色調の複雑・多様に変化する興趣と高級感に富む疑似ホログラム印刷物を提供する。
【解決手段】表面が光反射層11である印刷基材10の表面に印刷された着色下地層12と、その着色下地層を表側から被覆するように印刷された断面平凸レンズ形の透明被覆層13とを備え、上記着色下地層を異なる複数の平行な有色画線12a、12b、12cから成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線から形作ると共に、その1組ずつを上記着色下地層の万線よりも広い線幅W2の万線から成る透明被覆層によって被覆した。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に光反射層を有する印刷基材又は裏面に光反射層を有する透明の印刷基材と、
異なる複数の平行な有色画線から成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線として、上記印刷基材の表面に印刷された着色下地層と、
その着色下地層の上記異なる複数の平行な有色画線から成る1組ずつを表側から全体的に被覆すべく、上記着色下地層の万線よりも広い線幅の万線として印刷された透明被覆層とを備え、
上記透明被覆層が断面平凸レンズ形又はカマボコ形をなすと共に、その透明被覆層同士の隣り合う相互間が無印刷の空白部として、その空白部から上記印刷基材の表面が露出していることを特徴とする疑似ホログラム印刷物。
【請求項2】
着色下地層における1組をなす異なる複数の平行な有色画線が、その線幅又は/及び隣り合う間隔ピッチのすべて同一であると共に、
上記1組ずつを被覆した透明被覆層同士の離隔するピッチも、すべて同一であることを特徴とする請求項1記載の疑似ホログラム印刷物。
【請求項3】
着色下地層における1組をなす異なる複数の平行な有色画線が、シアン、マゼンタ並びにイエローのうちの少なくとも2色から成ることを特徴とする請求項1記載の疑似ホログラム印刷物。
【請求項4】
着色下地層における1組をなす異なる複数の平行な有色画線が、隣り合う間隔を保つ並列状態若しくは隣り合う間隔のない並列状態又は積層重ね刷り状態にあることを特徴とする請求項1記載の疑似ホログラム印刷物。
【請求項5】
着色下地層がその配列角度、線幅又は/及び隣り合う間隔ピッチの異なる万線から成る複数の識別できる可飾線画像として、非重ね刷り状態に区分されていることを特徴とする請求項1記載の疑似ホログラム印刷物。
【請求項6】
着色下地層の可飾線画像が文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭が万線の切り離し両端部によって画定されていることを特徴とする請求項5記載の疑似ホログラム印刷物。
【請求項7】
表面が光反射層である印刷基材又は裏面が光反射層である透明な印刷基材の表面に着色下地層を形成すべく、異なる複数の平行な有色画線から成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線を、有色インクによって印刷する着色下地層形成工程と、
その着色下地層の上記異なる複数の平行な有色画線から成る1組ずつを表側から全体的に被覆すべく、上記着色下地層の有色画線よりも広い線幅の万線を、透明ニスによって断面平凸レンズ形又はカマボコ形に印刷する透明被覆層形成工程とを、インクジェットプリンターによって行うことを特徴とする疑似ホログラム印刷物の製造法。
【請求項8】
着色下地層形成工程での万線を印刷する有色インク並びに透明被覆層形成工程での万線を印刷する透明ニスとして、UV硬化型のそれらを採用することを特徴とする請求項7記載の疑似ホログラム印刷物の製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホログラムと同様な興趣変化に富む視覚効果を得られる商品ラベルや装飾シール、その他の疑似ホログラム印刷物と、その量産上有効な製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に近似する疑似ホログラム印刷物やその製造法が、特許文献1、2に開示されている。
【0003】
その特許文献1に記載の印刷物は、表面に多数の凸部(3A)又は凹部(3B)を有する光が透過可能であって、透明なニスにて構成された透過層(3)と、その透過層(3)の裏面側に設けられた光の反射面(5A)を有する反射層(5)と、上記透過層(3)と反射層(5)との間に設けられ、多数の有色着色部(7A)が印刷により離散的に配置された着色層(7)と、同じく透過層(3)と反射層(5)との間に設けられ、上記有色着色部(7A)の厚み寸法(T2)と同一の厚み寸法を有し、その有色着色部(7A)同士の隣り合う相互間にメジウム(無色透明インク)にて印刷された無色部(9)とを備え、その無色部(9)が上記透過層(3)の凹部(3B)と対応する部位に設けられた構成である。
【0004】
他方、特許文献2に記載の疑似ホログラム印刷物は、印刷対象物(10)の表面にある光の反射層(2)と、その反射層(2)の上層へ有色インクによって印刷された有色インク層(3)と、その有色インク層(3)の上層における所定の範囲へ透明インクによって印刷される疑似ホログラム層(4)とを有する疑似ホログラム印刷物(1)であって、
【0005】
その疑似ホログラム層(4)が上記有色インク層(3)の光の反射率を低減する複数のつや消し透明インク部(41)と、同じく有色インク層(3)の光の反射率を高める複数の光沢透明インク部(42)と、上記つや消し透明インク及び光沢透明インクを印刷しない複数の空白部(43)とのうち、少なくともいずれか2つ以上で構成されている。
【0006】
また、特許文献2に記載された疑似ホログラム印刷物の製造法は、印刷対象物(10)の表面にある光反射層(2)の上層へ有色インクを印刷する有色インク印刷工程(S1)と、その有色インクの上層における所定の範囲内へつや消し透明インクを離隔的に印刷するつや消し透明インク印刷工程(S2)と、同じく有色インクの上層における所定の範囲内へ光沢透明インクを、上記つや消し透明インクの印刷部分と異なる位置であって、且つ離隔的に印刷する光沢透明インク印刷工程(S3)とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6271855号公報
【特許文献2】特開2017−71137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記特許文献1に記載された印刷物の構成では、透明ニスにて印刷形成された光の透過層(3)が、その表面に必ず凹部(3B)を有することに加えて、着色層(7)の無色部(9)がメジウム(無色透明インク)にて、有色着色部(7A)の厚み寸法(T2)と同一の厚み寸法に印刷されてもいるため、上記光の透過層(3)における凸部(3A)と凹部(3B)との高低差を大きく確保し難く、ただ単に光を散乱させるというに過ぎない。
【0009】
また、上記透過層(3)の凸部(3A)が万線となる旨の説明はない。しかも、上記着色層(7)の有色着色部(7A)が着色カラーの異なる有色画線から成る万線として印刷されている旨の説明もない。
【0010】
そのため、上記着色層(7)の有色着色部(7A)がたとえ縞模様に印刷されたとしても、その縞模様となる平行線や交叉線が太いベタ刷り状態にあると、複雑・多様な色調の興趣変化や高級感に富む目視効果を得られないのである。
【0011】
他方、特許文献2に記載の疑似ホログラム印刷物では、透明インクの印刷されていない空白部(43)を有するが、光の反射率が異なるつや消し透明インク部(41)と光沢透明インク部(42)と上記空白部(43)とのうち、その少なくともいずれか2つ以上を有色インク層(3)と混在させる構成によって、観察者に立体的な錯覚を与えるようになっている。
【0012】
そのため、上記有色インク層(3)有色インクが単一色であると、その濃淡の変化は得られても、色調の変化は得られないのであり、まして有色インク層(3)の有色インクにより印刷された図柄や文字などの画像は、万線から区画形成されていないので、やはり複雑・多様な色調の変化や高級感に富む疑似ホログラム印刷物を得られないのである。
【0013】
更に、その印刷物の製造法としても有色インク印刷工程(S1)のほかに、その後行うつや消し透明インク印刷工程(S2)と光沢透明インク印刷工程(S3)とが必要であり、しかもそのつや消し透明インクと光沢透明インクとは何れも、有色インクによって印刷された文字部分と重なり合わないように印刷しなければならないため、甚だ煩わしく、量産効果を発揮させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では疑似ホログラム印刷物の構成として、表面に光反射層を有する印刷基材又は裏面に光反射層を有する透明の印刷基材と、
【0015】
異なる複数の平行な有色画線から成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線として、上記印刷基材の表面に印刷された着色下地層と、
【0016】
その着色下地層の上記異なる複数の平行な有色画線から成る1組ずつを表側から全体的に被覆すべく、上記着色下地層の万線よりも広い線幅の万線として印刷された透明被覆層とを備え、
【0017】
上記透明被覆層が断面平凸レンズ形又はカマボコ形をなすと共に、その透明被覆層同士の隣り合う相互間が無印刷の空白部として、その空白部から上記印刷基材の表面が露出していることを特徴とする。
【0018】
また、請求項2では着色下地層における1組をなす異なる複数の平行な有色画線が、その線幅又は/及び隣り合う間隔ピッチのすべて同一であると共に、
【0019】
上記1組ずつを被覆した透明被覆層同士の離隔するピッチも、すべて同一であることを特徴とする。
【0020】
請求項3では着色下地層における1組をなす異なる複数の平行な有色画線が、シアン、マゼンタ並びにイエローのうちの少なくとも2色から成ることを特徴とする。
【0021】
請求項4では着色下地層における1組をなす異なる複数の平行な有色画線が、隣り合う間隔を保つ並列状態若しくは隣り合う間隔のない並列状態又は積層重ね刷り状態にあることを特徴とする。
【0022】
請求項5では着色下地層がその配列角度、線幅又は/及び隣り合う間隔ピッチの異なる万線から成る複数の識別できる可飾線画像として、非重ね刷り状態に区分されていることを特徴とする。
【0023】
請求項6では着色下地層の可飾線画像が文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭が万線の切り離し両端部によって画定されていることを特徴とする。
【0024】
他方、請求項7では疑似ホログラム印刷物の製造法として、表面が光反射層である印刷基材又は裏面が光反射層である透明な印刷基材の表面に着色下地層を形成すべく、異なる複数の平行な有色画線から成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線を、有色インクによって印刷する着色下地層形成工程と、
【0025】
その着色下地層の上記異なる複数の平行な有色画線から成る1組ずつを表側から全体的に被覆すべく、上記着色下地層の有色画線よりも広い線幅の万線を、透明ニスによって断面平凸レンズ形又はカマボコ形に印刷する透明被覆層形成工程とを、インクジェットプリンターによって行うことを特徴とする。
【0026】
請求項8では着色下地層形成工程での万線を印刷する有色インク並びに透明被覆層形成工程での万線を印刷する透明ニスとして、UV硬化型のそれらを採用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
請求項1の上記構成によれば、その疑似ホログラム印刷物の着色下地層が異なる複数の平行な有色画線の1組を規則正しく離隔的に繰り返し並列した万線から成る一方、その着色下地層における有色画線の1組ずつを表側から全体的に被覆する透明被覆層も、広い線幅の万線から成ると共に、その透明被覆層は断面平凸レンズ形又はカマボコ形として、その隣り合う同士の相互間が無印刷の空白部を確保する並列状態に印刷されているため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良することができ、光沢と色調の複雑・多様に変化する興趣と高級感に富む目視効果を得られるのである。
【0028】
その場合、上記真正なホログラムと同様の目視効果は、請求項2〜4の何れの構成を採用しても達成することができる。
【0029】
特に、請求項5の構成を採用するならば、図8、9の実施形態に例示するような複数の可飾線画像の合成状態をなす疑似ホログラム印刷物として提供することができ、光沢と色調がますます複雑・多様に変化する独創性や装飾性などの高い印刷物を得られる。
【0030】
その場合、請求項6の構成を採用するならば、上記可飾線画像の更に複雑・多様な組み合わせ状態を得られ、上記効果がますます向上する。
【0031】
他方、請求項7の製造法によれば、上記請求項1の疑似ホログラム印刷物をその工程全体のほぼ同時にすばやく実行することができ、着色下地層における着色カラーが異なる複数の有色画線を、その重ね刷りによる汚濁のおそれなく、極めて容易に印刷し得るのであり、量産性に優れる。
【0032】
更に、請求項8の構成を採用するならば、有色インクと透明ニスとの何れもUV硬化型として、すばやく乾燥・固化するため、上記効果がますます向上する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1実施形態に係る疑似ホログラム印刷物の正面図である。
図2図1の一部を抽出して示す拡大説明図である。
図3図2の3−3線断面図である。
図4図3から着色下地層の1組をなす複数の有色画線と、その1組の透明被覆層を抽出して示す斜面図である。
図5図3と対応する部分変形実施形態を示す断面図である。
図6図5と別な部分変形実施形態を示す断面図である。
図7図6と更に別な部分変形実施形態を示す断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る疑似ホログラム印刷物の正面図である。
図9】同じく第3実施形態に係る疑似ホログラム印刷物の正面図である。
図10図8の疑似ホログラム印刷物を製造する工程順序の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面に基いて本発明の実施形態を詳述すると、図1〜4はその本発明に係る疑似ホログラム印刷物(A)の第1実施形態を示しており、(10)は紙やプラスチックフィルム、その他のシート材から成る印刷基材であって、その表面に光の反射層(11)となるアルミホイルが接着一体化されている。
【0035】
但し、図3と対応する図5の変形実施形態に示す如く、光の反射層(11)となるアルミニウムや銀などが裏面に真空蒸着された透明プラスチックフィルム(蒸着フィルム)を、本発明の印刷基材(10)として採用しても良い。
【0036】
何れにしても、上記印刷基材(10)の表面には有色インクによって着色下地層(12)が印刷されている。その着色下地層(12)は図3、4の部分拡大図から明白なように、着色カラーが異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)が、規則正しく離隔的に(整然と一定間隔おきに)繰り返し並列する万線から成る。
【0037】
この点、図示の好ましい実施形態ではシアンの画線(12a)とマゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との三原色から成る有色画線の合計3本(3列)を、着色カラーが異なる複数の縦方向(垂直方向)に沿い延在する平行な1組(1単位)として、その1組(1単位)ずつを一定な間隔ピッチ(D1)での繰り返し並列させることにより、群数の万線から成る着色下地層(12)として形作っているが、その着色下地層(12)における1組(1単位)の有色画線(12a)(12b)(12c)を上記三原色の合計3本(3列)だけに限らず、例えばその三原色にブラックとホワイトとの2色を加えた合計5本(5列)の有色画線に設定しても良く、要するに異なる少なくとも2色から成る合計2本(2列)の有色画線であれば足りる。
【0038】
また、上記1組(1単位)をなす有色画線(12a)(12b)(12c)の線幅(太さ)(W1)は例えば0.04mmとして、その複数のすべて同一に設定されており、その複数の隣り合う間隔ピッチ(D1)も例えば0.12mmとして、すべて同一に設定されているが、図2,3から示唆されるように、その1組(1単位)ずつの有色画線同士が隣り合う間隔ピッチ(D2)は、上記1組(1単位)をなす有色画線同士の隣り合う間隔ピッチ(D1)(先に例示した0.12mm)と同一である場合に限らず、これより広く又は狭く相違する場合もあり得る。
【0039】
更に、(13)は着色下地層(12)における複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)ずつを、図3、4のように表側から全体的に被覆する透明被覆層であり、上記着色下地層(12)の万線よりも広い線幅(W2)(太い)の断面平凸レンズ形又はカマボコ形をなす万線として、上記印刷基材(10)へ透明ニスにより印刷されている。
【0040】
その場合、透明被覆層(13)をなす万線の線幅(太さ)(W2)は、例えば0.24mmとしてすべて同一に設定されているが、その透明被覆層(13)の隣り合う同士は例えば0.12mmのすべて同一間隔ピッチ(D3)を保つ離隔状態にあって、その隣り合う相互間が無印刷の空白部(14)として残存されることにより、その空白部(14)から上記印刷基材(10)の表面が露出している。
【0041】
図1〜4の第1実施形態では上記したように、着色下地層(12)における1組をなす有色画線(12a)(12b)(12c)の線幅(太さ)(W1)がその複数(図例の場合3本)のすべて同一に設定されており、またその複数の隣り合う間隔ピッチ(D1)もすべて同一に設定されているが、図5の変形実施形態に併せて示す如く、上記有色画線(12a)(12b)(12c)の線幅(太さ)(W1)又は/及びその隣り合う間隔ピッチ(D1)を、その複数のすべて異ならせてもさしつかえない。これらがたとえ異なっていても、上記1組ずつがすべて同一の配列状態として、規則正しく離隔的に繰り返す万線から構成されておれば足りる。図5の変形実施形態によれば、着色下地層(12)の有色画線(12a)(12b)(12c)における濃淡又は強調度(強弱)の変化を得ることに役立つ。
【0042】
また、図1〜4の第1実施形態では着色下地層(12)における1組をなす異なる複数の有色画線(12a)(12b)(12c)が、その隣り合う一定の間隔ピッチ(D1)を保つ離隔状態に並列されているが、その異なる少なくとも2色から成る合計2本の有色画線であれば、図6の別な変形実施形態から明白なように、例えばシアンの画線(12a)とマゼンタの画線(12b)とをその隣り合う間隔のない言わば接触した並列状態(但し、非重ね刷り状態)や、図7の更に別な変形実施形態に示す如く、例えばマゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との積層重ね刷り状態に各々設定しても良い。図7の変形実施形態によれば、その異なる2色の混じり合った色調(例えば橙色)も得られることになる。
【0043】
更に、図1〜4の第1実施形態ではその図1の概略全体図から窮知されるように、着色下地層(12)を構成する万線と、延いてはその異なる複数の有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組ずつを全体的に被覆する透明被覆層(13)の太い万線とが、その配列角度の90度として、すべて同じ縦方向(垂直方向)に沿い平行に配列されることにより、全体として1つの可飾線画像(縦縞模様の万線パターン)(P)を表示した疑似ホログラム印刷物(A)に仕上げているが、図1と対応する図8、9の第2、3実施形態に例示する如く、上記着色下地層(12)における万線の配列角度を異ならせることにより、その異なる万線から成る複数の識別可能な第1〜3可飾線画像(P1)(P2)(P3)や第1〜4可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を非重ね刷り状態に表示した疑似ホログラム印刷物(A)に仕上げても良い。
【0044】
この点、図8の第2実施形態では着色下地層(12)における配列角度が90度(垂直方向)の万線により、第2、3可飾線画像(P2)(P3)の背景又は地模様となる第1可飾線画像(万線パターン)(P1)と、同じく配列角度が右上がり45度(右上がり傾斜方向)の万線により、左上がり傾斜した楕円リング形の第2可飾線画像(万線パターン)(P2)と、上記配列角度が左上がり45度(左上がり傾斜方向)の万線により、右上がり傾斜した楕円リング形の第3可飾線画像(万線パターン)(P3)との3つを合成状態に表示している。
【0045】
その場合、念のために言えば、上記第2実施形態の第1可飾線画像(P1)を形作る着色下地層(12)の万線は、シアンの画線(12a)とマゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との3色から成り、これに対して第2可飾線画像(P2)を形作る着色下地層(12)の万線は、シアンの画線(12a)とイエローの画線(12c)との2色から成り、第3可飾線画像(P3)を形作る着色下地層(12)の万線は、マゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との2色から成る。
【0046】
このように着色下地層(12)における1組をなす有色画線の本数やその組み合わされる着色カラーが、各可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)について異なることもある。
【0047】
また、図9の第3実施形態ではやはり着色下地層(12)における配列角度が右上がり45度(右上がり傾斜方向)の万線により、半ドーナツ形の第1可飾線画像(万線パターン)(P1)と、同じく配列角度が左上がり45度(左上がり傾斜方向)の万線により、上記第1可飾線画像(P1)と向かい合う半ドーナツ形の第2可飾線画像(万線パターン)(P2)と、上記配列角度が零度(水平方向)の万線により、第4可飾線画像(P4)の背景または地模様となる円形の第3可飾線画像(万線パターン)(P3)と、上記配列角度が90度(垂直方向)の万線により、アルファベット文字の第4可飾線画像(万線パターン)(P4)との4つを合成状態に表示している。
【0048】
つまり、着色下地層(12)における複数の可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)は文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭が上記万線の切り離し両端部により区画されているため、その各可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)の縁取りは必要なく、上記可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)の複数が全体的な組み合わせ状態に表示された疑似ホログラム印刷物(A)となっても、その可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)同士の非重ね刷り状態に保たれている。
【0049】
尚、複数の識別できる上記可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を得る方法として、着色下地層(12)における万線の配列角度を異ならせているが、その方法のみに限らず、同じく着色下地層(12)における万線の線幅(太さ)(W1)を異ならせたり、その万線同士の隣り合う間隔ピッチ(D1)を異ならせたり、更にその何れか2つの方法を組合わせて採用したりしても良い。
【0050】
図1〜4の第1実施形態とその図5〜7の各種部分変形実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)は、上記構成を備えているため、その異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)の1組(1単位)が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線から成る着色下地層(12)を、その万線よりも広い線幅(W2)の万線から成る断面平凸レンズ形又はカマボコ形の透明被覆層(13)を通じて見た時、その見る位置と方向次第では、上記透明被覆層(13)の平凸レンズ作用による光の屈折角度又は反射角度が異なって、その可飾線画像(P)の着色下地層(12)が見えたり、見えなかったりするほか、その見える程度(濃淡)も変る結果、真正なホログラムと同様な光沢と色調の多様に変化する目視効果を得られることになる。
【0051】
その場合、断面平凸レンズ形又はカマボコ形をなす透明被覆層(13)同士の隣り合う相互間は、無印刷の空白部(14)として、印刷基材(10)の表面が露出しているため、その平凸レンズとして透明被覆層(13)を印刷基材(10)の表面から背高く隆起させることができ、その可及的に大きな光の屈折作用によって、上記光沢と色調の多様な変化を広角度から見られる効果がある。
【0052】
特に、図8、9の第2、3実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)のように、上記透明被覆層(13)によって被覆された着色下地層(12)を、その配列角度、線幅(W1)又は/及び隣り合う間隔ピッチ(D1)が異なる万線から成る複数の識別できる可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)として、非重ね刷り状態に区成するならば、その複数の可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)が合成状態に表示された疑似ホログラム印刷物(A)として、上記光沢と色調がますます複雑・多様に変化した興趣と高級感に富む目視効果を得られるのである。
【0053】
図1〜4の第1実施形態とその図5〜7の各種部分変形実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)を製造するに当っては、複数のノズルを備えたインクジェットプリンター(図示省略)と、好ましくはUV硬化型の有色インク並びにUV硬化型の透明ニスを用いて、次の工程を実行すれば良い。
【0054】
即ち、図3に示すような表面が光反射層(11)である紙などの印刷基材(10)か、又は図5に示すような裏面が光反射層(11)である透明なプラスチックフィルム(蒸着フィルム)などの印刷基材(10)を用意して、図2、3のような異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)が規則正しく離隔的に(整然と一定の間隔おきに)繰り返し並列する万線を、UV硬化型の有色インクにより上記印刷基材(10)の表面へインクジェット印刷して、その万線から構成される着色下地層(12)を形成する。
【0055】
それから上記着色下地層(12)における異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)ずつを、表側から全体的に被覆すべく図3、4のように、上記着色下地層(12)の有色画線(12a)(12b)(12c)よりも広い線幅(W2)(太い)の万線を、UV硬化型の透明ニスによって断面平凸レンズ形又はカマボコ形にインクジェット印刷するのである。
【0056】
その場合、インクジェットプリンターは複数のノズル(プリンターヘッド)を備えており、併せて有色インクと透明ニスもUV硬化型のそれらであるため、上記着色下地層形成工程とその後続する透明被覆層形成工程とをほぼ同時にすばやく実行することができ、光沢や色調の興趣変化と高級感に富む疑似ホログラム印刷物(A)を効率良く量産し得ることになる。
【0057】
更に、図8、9の第2、3実施形態に示すような複数の異なる第1〜4可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)が組み合わせ状態にある疑似ホログラム印刷物(A)を製造する方法でも、その各可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)の印刷工程としては、上記第1実施形態に基き説明した着色下地層形成工程と透明被覆層形成工程とを同じように行えば良い。
【0058】
但し、その複数の可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)が重ね刷り状態とならないように、例えば図8の第2実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)の製造法において、その第1可飾線画像(P1)を最初に印刷すると仮定すれば、その時には図10(イ)のように後続する第2、3可飾線画像(P2)(P3)の印刷予定部位を空白部(S)として確保しておく。
【0059】
そして、上記第1可飾線画像(P1)の印刷後、引き続き図10(ロ)(ハ)のように第2、3可飾線画像(P2)(P3)の印刷を順次行うのである。尚、その複数の可飾線画像(P1)(P2)(P3)を印刷する順序は、自由に選定することができる。
【0060】
尚、上記疑似ホログラム印刷物(A)はその印刷基材(10)の裏面へ、例えば離型シート(図示省略)を貼り合わせておくことにより、これを剥離して、商品のパッケージや名刺などに貼り付け使用する商品ラベルや装飾シールなどとして提供することができる。
【符号の説明】
【0061】
(10)・・・印刷基材
(11)・・・光反射層
(12)・・・着色下地層
(12a)・・・有色画線(シアン)
(12b)・・・有色画線(マゼンタ)
(12c)・・・有色画線(イエロー)
(13)・・・透明被覆層
(14)・・・空白部
(A)・・・疑似ホログラム印刷物
(D1)・・・隣り合う間隔ピッチ
(D2)・・・隣り合う間隔ピッチ
(D3)・・・隣り合う間隔ピッチ
(P)・・・可飾線画像
(P1)・・・第1可飾線画像
(P2)・・・第2可飾線画像
(P3)・・・第3可飾線画像
(P4)・・・第4可飾線画像
(W1)・・・線幅(太さ)
(W2)・・・線幅(太さ)


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2020年1月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に光反射層(11)を有する印刷基材(10)又は裏面に光反射層(11)を有する透明な印刷基材(10)と、
異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線として、上記印刷基材(10)の表面へ有色インクによりインクジェット印刷された着色下地層(12)と、
その着色下地層(12)の上記異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組ずつを表側から全体的に被覆すべく、上記着色下地層(12)有色画線(12a)(12b)(12c)よりも広い線幅(W2)の万線として、透明ニスにより断面平凸レンズ形にインクジェット印刷された透明被覆層(13)とを備え、
その透明被覆層(13)同士の隣り合う相互間が無印刷の空白部(14)として、その空白部(14)から上記印刷基材(10)の表面が露出している疑似ホログラム印刷物(A)であって、
上記透明被覆層(13)により被覆された着色下地層(12)の有色画線(12a)(12b)(12c)から成る万線の配列角度のみか、その配列角度と1組をなす本数並びにその組み合わされる着色カラー、線幅(W1)又は/及び隣り合う間隔ピッチ(D1)とが異なる複数の識別できる可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を、文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭を上記万線の切り離し両端部が区成することにより、縁取りのない非重ね刷り状態にある複数の上記可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を合成状態に表示したことを特徴とする疑似ホログラム印刷物。
【請求項2】
請求項1に記載された疑似ホログラム印刷物の製造法であって、
各可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を形作る着色下地層(12)の万線を印刷基材(10)の表面へ、有色インクによってインクジェット印刷する着色下地層形成工程と、
その着色下地層(12)を表側から全体的に被覆する透明被覆層(13)を、その隣り合う相互間に空白部(14)を保つ状態として、透明ニスにより断面平凸レンズ形にインクジェット印刷する透明被覆層形成工程とを、
上記有色インクと透明ニスとの何れもUV硬化型のそれとして、可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)同士が縁取りのない非重ね刷り状態を保つように、インクジェットプリンターによりほぼ同時に実行することを特徴とする疑似ホログラム印刷物の製造法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホログラムと同様な興趣変化に富む視覚効果を得られる商品ラベルや装飾シール、その他の疑似ホログラム印刷物と、その量産上有効な製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に近似する疑似ホログラム印刷物やその製造法が、特許文献1、2に開示されている。
【0003】
その特許文献1に記載の印刷物は、表面に多数の凸部(3A)又は凹部(3B)を有する光が透過可能であって、透明なニスにて構成された透過層(3)と、その透過層(3)の裏面側に設けられた光の反射面(5A)を有する反射層(5)と、上記透過層(3)と反射層(5)との間に設けられ、多数の有色着色部(7A)が印刷により離散的に配置された着色層(7)と、同じく透過層(3)と反射層(5)との間に設けられ、上記有色着色部(7A)の厚み寸法(T2)と同一の厚み寸法を有し、その有色着色部(7A)同士の隣り合う相互間にメジウム(無色透明インク)にて印刷された無色部(9)とを備え、その無色部(9)が上記透過層(3)の凹部(3B)と対応する部位に設けられた構成である。
【0004】
他方、特許文献2に記載の疑似ホログラム印刷物は、印刷対象物(10)の表面にある光の反射層(2)と、その反射層(2)の上層へ有色インクによって印刷された有色インク層(3)と、その有色インク層(3)の上層における所定の範囲へ透明インクによって印刷される疑似ホログラム層(4)とを有する疑似ホログラム印刷物(1)であって、
【0005】
その疑似ホログラム層(4)が上記有色インク層(3)の光の反射率を低減する複数のつや消し透明インク部(41)と、同じく有色インク層(3)の光の反射率を高める複数の光沢透明インク部(42)と、上記つや消し透明インク及び光沢透明インクを印刷しない複数の空白部(43)とのうち、少なくともいずれか2つ以上で構成されている。
【0006】
また、特許文献2に記載された疑似ホログラム印刷物の製造法は、印刷対象物(10)の表面にある光反射層(2)の上層へ有色インクを印刷する有色インク印刷工程(S1)と、その有色インクの上層における所定の範囲内へつや消し透明インクを離隔的に印刷するつや消し透明インク印刷工程(S2)と、同じく有色インクの上層における所定の範囲内へ光沢透明インクを、上記つや消し透明インクの印刷部分と異なる位置であって、且つ離隔的に印刷する光沢透明インク印刷工程(S3)とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6271855号公報
【特許文献2】特開2017−71137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記特許文献1に記載された印刷物の構成では、透明ニスにて印刷形成された光の透過層(3)が、その表面に必ず凹部(3B)を有することに加えて、着色層(7)の無色部(9)がメジウム(無色透明インク)にて、有色着色部(7A)の厚み寸法(T2)と同一の厚み寸法に印刷されてもいるため、上記光の透過層(3)における凸部(3A)と凹部(3B)との高低差を大きく確保し難く、ただ単に光を散乱させるというに過ぎない。
【0009】
また、上記透過層(3)の凸部(3A)が万線となる旨の説明はない。しかも、上記着色層(7)の有色着色部(7A)が着色カラーの異なる有色画線から成る万線として印刷されている旨の説明もない。
【0010】
そのため、上記着色層(7)の有色着色部(7A)がたとえ縞模様に印刷されたとしても、その縞模様となる平行線や交叉線が太いベタ刷り状態にあると、複雑・多様な色調の興趣変化や高級感に富む目視効果を得られないのである。
【0011】
他方、特許文献2に記載の疑似ホログラム印刷物では、透明インクの印刷されていない空白部(43)を有するが、光の反射率が異なるつや消し透明インク部(41)と光沢透明インク部(42)と上記空白部(43)とのうち、その少なくともいずれか2つ以上を有色インク層(3)と混在させる構成によって、観察者に立体的な錯覚を与えるようになっている。
【0012】
そのため、上記有色インク層(3)有色インクが単一色であると、その濃淡の変化は得られても、色調の変化は得られないのであり、まして有色インク層(3)の有色インクにより印刷された図柄や文字などの画像は、万線から区画形成されていないので、やはり複雑・多様な色調の変化や高級感に富む疑似ホログラム印刷物を得られないのである。
【0013】
更に、その印刷物の製造法としても有色インク印刷工程(S1)のほかに、その後行うつや消し透明インク印刷工程(S2)と光沢透明インク印刷工程(S3)とが必要であり、しかもそのつや消し透明インクと光沢透明インクとは何れも、有色インクによって印刷された文字部分と重なり合わないように印刷しなければならないため、甚だ煩わしく、量産効果を発揮させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では表面に光反射層を有する印刷基材又は裏面に光反射層を有する透明な印刷基材と、
【0015】
異なる複数の平行な有色画線から成る1組が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線として、上記印刷基材の表面へ有色インクによりインクジェット印刷された着色下地層と、
【0016】
その着色下地層の上記異なる複数の平行な有色画線から成る1組ずつを表側から全体的に被覆すべく、上記着色下地層の有色画線よりも広い線幅の万線として、透明ニスにより断面平凸レンズ形にインクジェット印刷された透明被覆層とを備え、
【0017】
その透明被覆層同士の隣り合う相互間が無印刷の空白部として、その空白部から上記印刷基材の表面が露出している疑似ホログラム印刷物であって、
【0018】
上記透明被覆層により被覆された着色下地層の有色画線から成る万線の配列角度のみか、その配列角度と1組をなす本数並びにその組み合わされる着色カラー、線幅又は/及び隣り合う間隔ピッチとが異なる複数の識別できる可飾線画像を、文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭を上記万線の切り離し両端部が区成することにより、縁取りのない非重ね刷り状態にある複数の上記可飾線画像を合成状態に表示したことを特徴とする。
【0019】
また、請求項2では請求項1に記載された疑似ホログラム印刷物の製造法であって、
【0020】
各可飾線画像を形作る着色下地層の万線を印刷基材の表面へ、有色インクによってインクジェット印刷する着色下地層形成工程と、
【0021】
その着色下地層を表側から全体的に被覆する透明被覆層を、その隣り合う相互間に空白部を保つ状態として、透明ニスにより断面平凸レンズ形にインクジェット印刷する透明被覆層形成工程とを、
【0022】
上記有色インクと透明ニスとの何れもUV硬化型のそれとして、可飾線画像同士が縁取りのない非重ね刷り状態を保つように、インクジェットプリンターによりほぼ同時に実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の上記構成によれば、その疑似ホログラム印刷物の着色下地層が異なる複数の平行な有色画線の1組を規則正しく離隔的に繰り返し並列した万線から成る一方、その着色下地層における有色画線の1組ずつを表側から全体的に被覆する透明被覆層も、広い線幅の万線から成ると共に、その透明被覆層は断面平凸レンズ形として、その隣り合う同士の相互間が無印刷の空白部を確保する並列状態に印刷されているため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良することができ、光沢と色調の複雑・多様に変化する興趣と高級感に富む目視効果を得られるのである。
【0024】
しかも、上記透明被覆層により被覆された着色下地層における万線の配列角度を異ならせたり、その万線の配列角度と線幅(太さ)又は/及び隣り合う間隔ピッチを異ならせたり、同じく万線とその1組をなす本数並びにその組み合わされる着色カラーとを異ならせることにより、その異なる万線から成る複数の識別できる可飾線画像が、文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭を上記万線の切り離し両端部で区成することにより、縁取りがない非重ね刷り状態に合成表示されているため、上記光沢と色調がますます複雑・多様に変化する独創性や装飾性などの高い疑似ホログラム印刷物を得られるのである。
【0025】
他方、請求項2の製造法によれば、請求項1に記載の疑似ホログラム印刷物を、インクジェットプリンターにより効率良く量産できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1本発明の第1実施形態に係る疑似ホログラム印刷物の正面図である。
図2図1の一部を抽出して示す拡大説明図である。
図3図2の3−3線断面図である。
図4図3から着色下地層の1組をなす複数の有色画線と、その1組の透明被覆層を抽出して示す斜面図である。
図5図3と対応する部分変形実施形態を示す断面図である。
図6図5と別な部分変形実施形態を示す断面図である。
図7図6と更に別な部分変形実施形態を示す断面図である。
図8本発明の第2実施形態に係る疑似ホログラム印刷物の正面図である。
図9同じく第3実施形態に係る疑似ホログラム印刷物の正面図である。
図10図8の疑似ホログラム印刷物を製造する工程順序の説明図である
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基いて本発明の実施形態を詳述すると、図1〜4はその本発明に係る疑似ホログラム印刷物(A)の第1実施形態を示しており、(10)は紙やプラスチックフィルム、その他のシート材から成る印刷基材であって、その表面に光の反射層(11)となるアルミホイルが接着一体化されている。
【0028】
但し、図3と対応する図5の変形実施形態に示す如く、光の反射層(11)となるアルミニウムや銀などが裏面に真空蒸着された透明プラスチックフィルム(蒸着フィルム)を、本発明の印刷基材(10)として採用しても良い。
【0029】
何れにしても、上記印刷基材(10)の表面には有色インクによって着色下地層(12)が印刷されている。その着色下地層(12)は図3、4の部分拡大図から明白なように、着色カラーが異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)が、規則正しく離隔的に(整然と一定間隔おきに)繰り返し並列する万線から成る。
【0030】
この点、図示の好ましい実施形態ではシアンの画線(12a)とマゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との三原色から成る有色画線の合計3本(3列)を、着色カラーが異なる複数の縦方向(垂直方向)に沿い延在する平行な1組(1単位)として、その1組(1単位)ずつを一定な間隔ピッチ(D1)での繰り返し並列させることにより、群数の万線から成る着色下地層(12)として形作っているが、その着色下地層(12)における1組(1単位)の有色画線(12a)(12b)(12c)を上記三原色の合計3本(3列)だけに限らず、例えばその三原色にブラックとホワイトとの2色を加えた合計5本(5列)の有色画線に設定しても良く、要するに異なる少なくとも2色から成る合計2本(2列)の有色画線であれば足りる。
【0031】
また、上記1組(1単位)をなす有色画線(12a)(12b)(12c)の線幅(太さ)(W1)は例えば0.04mmとして、その複数のすべて同一に設定されており、その複数の隣り合う間隔ピッチ(D1)も例えば0.12mmとして、すべて同一に設定されているが、図2,3から示唆されるように、その1組(1単位)ずつの有色画線同士が隣り合う間隔ピッチ(D2)は、上記1組(1単位)をなす有色画線同士の隣り合う間隔ピッチ(D1)(先に例示した0.12mm)と同一である場合に限らず、これより広く又は狭く相違する場合もあり得る。
【0032】
更に、(13)は着色下地層(12)における複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)ずつを、図3、4のように表側から全体的に被覆する透明被覆層であり、上記着色下地層(12)の万線よりも広い線幅(W2)(太い)の断面平凸レンズ形をなす万線として、上記印刷基材(10)へ透明ニスにより印刷されている。
【0033】
その場合、透明被覆層(13)をなす万線の線幅(太さ)(W2)は、例えば0.24mmとしてすべて同一に設定されているが、その透明被覆層(13)の隣り合う同士は例えば0.12mmのすべて同一間隔ピッチ(D3)を保つ離隔状態にあって、その隣り合う相互間が無印刷の空白部(14)として残存されることにより、その空白部(14)から上記印刷基材(10)の表面が露出している。
【0034】
図1〜4の第1実施形態では上記したように、着色下地層(12)における1組をなす有色画線(12a)(12b)(12c)の線幅(太さ)(W1)がその複数(図例の場合3本)のすべて同一に設定されており、またその複数の隣り合う間隔ピッチ(D1)もすべて同一に設定されているが、図5の変形実施形態に併せて示す如く、上記有色画線(12a)(12b)(12c)の線幅(太さ)(W1)又は/及びその隣り合う間隔ピッチ(D1)を、その複数のすべて異ならせてもさしつかえない。これらがたとえ異なっていても、上記1組ずつがすべて同一の配列状態として、規則正しく離隔的に繰り返す万線から構成されておれば足りる。図5の変形実施形態によれば、着色下地層(12)の有色画線(12a)(12b)(12c)における濃淡又は強調度(強弱)の変化を得ることに役立つ。
【0035】
また、図1〜4の第1実施形態では着色下地層(12)における1組をなす異なる複数の有色画線(12a)(12b)(12c)が、その隣り合う一定の間隔ピッチ(D1)を保つ離隔状態に並列されているが、その異なる少なくとも2色から成る合計2本の有色画線であれば、図6の別な変形実施形態から明白なように、例えばシアンの画線(12a)とマゼンタの画線(12b)とをその隣り合う間隔のない言わば接触した並列状態(但し、非重ね刷り状態)や、図7の更に別な変形実施形態に示す如く、例えばマゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との積層重ね刷り状態に各々設定しても良い。図7の変形実施形態によれば、その異なる2色の混じり合った色調(例えば橙色)も得られることになる。
【0036】
更に、図1〜4の第1実施形態ではその図1の概略全体図から窮知されるように、着色下地層(12)を構成する万線と、延いてはその異なる複数の有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組ずつを全体的に被覆する透明被覆層(13)の太い万線とが、その配列角度の90度として、すべて同じ縦方向(垂直方向)に沿い平行に配列されることにより、全体として1つの可飾線画像(縦縞模様の万線パターン)(P)を表示した疑似ホログラム印刷物(A)に仕上げているが、図1と対応する図8、9の第2、3実施形態に例示する如く、上記着色下地層(12)における万線の配列角度を異ならせることにより、その異なる万線から成る複数の識別可能な第1〜3可飾線画像(P1)(P2)(P3)や第1〜4可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を非重ね刷り状態に表示した疑似ホログラム印刷物(A)に仕上げても良い。
【0037】
この点、図8の第2実施形態では着色下地層(12)における配列角度が90度(垂直方向)の万線により、第2、3可飾線画像(P2)(P3)の背景又は地模様となる第1可飾線画像(万線パターン)(P1)と、同じく配列角度が右上がり45度(右上がり傾斜方向)の万線により、左上がり傾斜した楕円リング形の第2可飾線画像(万線パターン)(P2)と、上記配列角度が左上がり45度(左上がり傾斜方向)の万線により、右上がり傾斜した楕円リング形の第3可飾線画像(万線パターン)(P3)との3つを合成状態に表示している。
【0038】
その場合、念のために言えば、上記第2実施形態の第1可飾線画像(P1)を形作る着色下地層(12)の万線は、シアンの画線(12a)とマゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との3色から成り、これに対して第2可飾線画像(P2)を形作る着色下地層(12)の万線は、シアンの画線(12a)とイエローの画線(12c)との2色から成り、第3可飾線画像(P3)を形作る着色下地層(12)の万線は、マゼンタの画線(12b)とイエローの画線(12c)との2色から成る。
【0039】
このように着色下地層(12)における1組をなす有色画線の本数やその組み合わされる着色カラーが、各可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)について異なることもある。
【0040】
また、図9の第3実施形態ではやはり着色下地層(12)における配列角度が右上がり45度(右上がり傾斜方向)の万線により、半ドーナツ形の第1可飾線画像(万線パターン)(P1)と、同じく配列角度が左上がり45度(左上がり傾斜方向)の万線により、上記第1可飾線画像(P1)と向かい合う半ドーナツ形の第2可飾線画像(万線パターン)(P2)と、上記配列角度が零度(水平方向)の万線により、第4可飾線画像(P4)の背景または地模様となる円形の第3可飾線画像(万線パターン)(P3)と、上記配列角度が90度(垂直方向)の万線により、アルファベット文字の第4可飾線画像(万線パターン)(P4)との4つを合成状態に表示している。
【0041】
つまり、着色下地層(12)における複数の可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)は文字、図形、記号、模様又はこれらの組み合わせから成る標章として、その標章の輪郭が上記万線の切り離し両端部により区画されているため、その各可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)の縁取りは必要なく、上記可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)の複数が全体的な組み合わせ状態に表示された疑似ホログラム印刷物(A)となっても、その可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)同士の非重ね刷り状態に保たれている。
【0042】
尚、複数の識別できる上記可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)を得る方法として、着色下地層(12)における万線の配列角度を異ならせているが、その方法のみに限らず、同じく着色下地層(12)における万線の線幅(太さ)(W1)を異ならせたり、その万線同士の隣り合う間隔ピッチ(D1)を異ならせたり、更にその何れか2つの方法を組合わせて採用したりしても良い。
【0043】
図1〜4の第1実施形態とその図5〜7の各種部分変形実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)は、上記構成を備えているため、その異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)の1組(1単位)が規則正しく離隔的に繰り返し並列する万線から成る着色下地層(12)を、その万線よりも広い線幅(W2)の万線から成る断面平凸レンズ形の透明被覆層(13)を通じて見た時、その見る位置と方向次第では、上記透明被覆層(13)の平凸レンズ作用による光の屈折角度又は反射角度が異なって、その可飾線画像(P)の着色下地層(12)が見えたり、見えなかったりするほか、その見える程度(濃淡)も変る結果、真正なホログラムと同様な光沢と色調の多様に変化する目視効果を得られることになる。
【0044】
その場合、断面平凸レンズ形をなす透明被覆層(13)同士の隣り合う相互間は、無印刷の空白部(14)として、印刷基材(10)の表面が露出しているため、その平凸レンズとして透明被覆層(13)を印刷基材(10)の表面から背高く隆起させることができ、その可及的に大きな光の屈折作用によって、上記光沢と色調の多様な変化を広角度から見られる効果がある。
【0045】
特に、図8、9の第2、3実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)のように、上記透明被覆層(13)によって被覆された着色下地層(12)を、その配列角度、線幅(W1)又は/及び隣り合う間隔ピッチ(D1)が異なる万線から成る複数の識別できる可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)として、非重ね刷り状態に区成するならば、その複数の可飾線画像(P1)(P2)(P3)(P4)が合成状態に表示された疑似ホログラム印刷物(A)として、上記光沢と色調がますます複雑・多様に変化した興趣と高級感に富む目視効果を得られるのである。
【0046】
図1〜4の第1実施形態とその図5〜7の各種部分変形実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)を製造するに当っては、複数のノズルを備えたインクジェットプリンター(図示省略)と、好ましくはUV硬化型の有色インク並びにUV硬化型の透明ニスを用いて、次の工程を実行すれば良い。
【0047】
即ち、図3に示すような表面が光反射層(11)である紙などの印刷基材(10)か、又は図5に示すような裏面が光反射層(11)である透明なプラスチックフィルム(蒸着フィルム)などの印刷基材(10)を用意して、図2、3のような異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)が規則正しく離隔的に(整然と一定の間隔おきに)繰り返し並列する万線を、UV硬化型の有色インクにより上記印刷基材(10)の表面へインクジェット印刷して、その万線から構成される着色下地層(12)を形成する。
【0048】
それから上記着色下地層(12)における異なる複数の平行な有色画線(12a)(12b)(12c)から成る1組(1単位)ずつを、表側から全体的に被覆すべく図3、4のように、上記着色下地層(12)の有色画線(12a)(12b)(12c)よりも広い線幅(W2)(太い)の万線を、UV硬化型の透明ニスによって断面平凸レンズ形にインクジェット印刷するのである。
【0049】
その場合、インクジェットプリンターは複数のノズル(プリンターヘッド)を備えており、併せて有色インクと透明ニスもUV硬化型のそれらであるため、上記着色下地層形成工程とその後続する透明被覆層形成工程とをほぼ同時にすばやく実行することができ、光沢や色調の興趣変化と高級感に富む疑似ホログラム印刷物(A)を効率良く量産し得ることになる。
【0050】
更に、図8、9の第2、3実施形態に示すような複数の異なる第1〜4可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)が組み合わせ状態にある疑似ホログラム印刷物(A)を製造する方法でも、その各可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)の印刷工程としては、上記第1実施形態に基き説明した着色下地層形成工程と透明被覆層形成工程とを同じように行えば良い。
【0051】
但し、その複数の可飾線画像(万線パターン)(P1)(P2)(P3)(P4)が重ね刷り状態とならないように、例えば図8の第2実施形態に係る疑似ホログラム印刷物(A)の製造法において、その第1可飾線画像(P1)を最初に印刷すると仮定すれば、その時には図10(イ)のように後続する第2、3可飾線画像(P2)(P3)の印刷予定部位を空白部(S)として確保しておく。
【0052】
そして、上記第1可飾線画像(P1)の印刷後、引き続き図10(ロ)(ハ)のように第2、3可飾線画像(P2)(P3)の印刷を順次行うのである。尚、その複数の可飾線画像(P1)(P2)(P3)を印刷する順序は、自由に選定することができる。
【0053】
尚、上記疑似ホログラム印刷物(A)はその印刷基材(10)の裏面へ、例えば離型シート(図示省略)を貼り合わせておくことにより、これを剥離して、商品のパッケージや名刺などに貼り付け使用する商品ラベルや装飾シールなどとして提供することができる。
【符号の説明】
【0054】
(10)・・・印刷基材
(11)・・・光反射層
(12)・・・着色下地層
(12a)・・・有色画線(シアン)
(12b)・・・有色画線(マゼンタ)
(12c)・・・有色画線(イエロー)
(13)・・・透明被覆層
(14)・・・空白部
(A)・・・疑似ホログラム印刷物
(D1)・・・隣り合う間隔ピッチ
(D2)・・・隣り合う間隔ピッチ
(D3)・・・隣り合う間隔ピッチ
(P)・・・可飾線画像
(P1)・・・第1可飾線画像
(P2)・・・第2可飾線画像
(P3)・・・第3可飾線画像
(P4)・・・第4可飾線画像
(W1)・・・線幅(太さ)
(W2)・・・線幅(太さ)