【実施例1】
【0054】
イソギンチャク毒素ShKアナログの設計及び評価
材料及び方法
分子モデリング−Kv1.3に結合したShKの誘導体の複合体のモデリングは、既に開発されたマウスKv1.3(mKv1.3)に結合したShK−192のモデル(Pennington MW et al., Mol Pharmacol 75:762-773 (2009))から開始した。このモデルは、鋳型としてストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)のK
+チャネル(KcsA、PDBid 1BL8)のX線結晶構造を使用し、これにShK−192のモデルをドッキングさせた。ShKへのN末端伸長のループモデリングは、MODELLERプログラム(Eswar N et al., Curr Protoc Bioinformatics Chapter 5, Unit 5 6 (2006))を使用して実施した。各複合体について、25の初期モデルを作製し、これらのモデルそれぞれについて、25のループモデル(N末端伸長残基のみからなる)を考案し、全部で625のモデルをそれぞれの長さのN末端伸長について作製した。
【0055】
[ESSS]ShK、[EESS]ShK、[EISS]ShK、[ELSS]ShK、[EVSS]ShK及び[EWSS]ShKと、mKv1.3との複合体のMDシミュレーションは、YASARAプログラム(Yet Another Scientific Artificial Reality Application、www.yasara.org: YASARA Biosciences GmbH社、Vienna、Austria)を使用して実施した;(チャネルとの複合体における)[ESSS]ShKのSer−3はそれぞれGlu、Ile、Leu、Val又はTrpに変異させた。複合体はホスファチジル−エタノールアミンのみからなる膜に埋め込まれ、膜面の溶質よりも約15Å広がり、水は膜に垂直に溶質よりも約10Å伸長している。境界条件は、周期境界条件に設定した。残基は、pH7.4で予測された状態に応じてイオン化した。ナトリウム及び塩素イオンは水分子と置き換わって、最終イオン濃度0.9%を達成した。MDシミュレーションはさらに、[GEWSS]ShK及び[SEWSS]ShKで実施した。
【0056】
標準AMBER03力場パラメーター(Duan Y et al., J Comput Chem 24:1999-2012 (2003))を適用して非結合相互作用全てについて7.86Åのカットオフを用い、一方長距離クーロン相互作用は、パーティクルメッシュエワルドのアルゴリズムを用いて計算した。分子内力について1.25fs、分子間力について2.5fsの短い時間刻みの使用を必要とする拘束は適用しなかった。シミュレーションは全て、温度298Kで実施し、全圧は1バールで維持した。初期に250ps持続する拘束平衡シミュレーションを適用して、溶媒の干渉を受けずに脂質を溶質周囲に閉じ込めた。この後に拘束をかけないMDシミュレーションを1.0ns行った。
【0057】
N末端伸長ShKアナログの合成−[EESS]ShK及び[ESSS]ShKは、Preludeペプチド合成機で標準Fmoc−tBu方法を使用して合成した。基本のポリペプチドShKは、Rinkアミド樹脂(Peptides International, Inc社、Louisville、KY、United States of America)から合成を開始した。カップリングは全て、ジイソプロピルカルボジイミド及び6−クロロ−ヒドロキシベンゾトリアゾールで媒介した。35個のアミノ酸ShK配列の合成が完了した後、樹脂を等分し、ESSS(配列番号1)又はEESS(配列番号5)のN末端伸長を2つに分けた部分(aliquots)に添加した。ペプチド直鎖を固相構築した後、ポリペプチドを固相支持体から切断し、同時に試薬Kを使用して室温(RT,room temperature)で2時間脱保護した。粗ポリペプチドを氷冷ジエチルエーテル中に沈殿させ、徹底的に洗浄して切断混合物から陽イオン捕捉体を除去し、50%酢酸水溶液に溶解し、水で希釈した後NH
4OHでpHを8.0に調整した。
【0058】
ジスルフィド結合形成は、還元及び酸化したグルタチオンでShKのために以前に使用したプロトコールに従って(Rauer H et al., J Biol Chem 274:21885-21892 (1999))促進した。折り畳みの進行は、Phenomenex Luna C18カラムを使用したRP−HPLC(Phenomenex Inc.社、Torrance、CA、United States of America)によ
ってアセトニトリル対TFA0.05%を含有するH
2Oの10〜70%の勾配を用いて35分かけて追跡した。3個のジスルフィド結合の折り畳みはまた、ESI−MSによる測定によって粗材料から6質量単位が失われることによって確認した。
【0059】
[EWSS]ShKの発現及び精製−[EWSS]ShKは、以前に記載されたように発現させ精製した(Chang SC et al., Toxicon 60:840-850 (2012))。簡単に説明すると、[EWSS]ShKは、BL21(DE3)大腸菌(E.coli)細胞において封入体を形成するチオレドキシン融合タンパク質として発現させた。これらを可溶化し、インビトロで再度折り畳み、エンテロキナーゼで切断して、RP−HPLCによって均一になるまで精製し、その後凍結乾燥した。
【0060】
電気生理学的分析−RTでホールセル型標準パッチクランプ技術を使用して細胞を研究した。バッチ溶液は(mMで)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl
2 2、MgCl
2 1、HEPES 10を含有し、pH7.2、300mOsmであった。パッチピペットは(mMで)KF 145、HEPES 10、EGTA 10及びMgCl
2 2を含有するpH7.2、290mOsmの溶液を充填し、抵抗を2〜4MΩとした。Kv電流は、保持電位−80mV〜40mVまでの200ms脱分極パルスを30秒毎に反復適用することによって惹起した。ポートアパッチパッチクランプ系(Nanion Technologies GmbH社、Munich、Germany)及びNPC−1チップも2〜3.5MΩの抵抗で併用した。KvブロッカーのIC
50値は、40mVで測定したピーク電流の低下にヒルの式を当てはめることによって計算した。
【0061】
結果
ShKのN末端伸長のモデリング−Kv1.3に結合したShK−192のモデルにおいて、N末端の負に荷電したホスホノ基は、Kv1.3チャネルのLys411の側鎖アンモニウム基と塩架橋を形成することが予測された。ホスホノ基は、チャネルに対するこのアナログの高い親和性におそらく関与するが、免疫原になりやすい可能性も示され、その産生及びペプチドへの結合には化学合成が必要で、これらの問題はホスホノ基の代わりに標準アミノ酸を使用することによって克服することができるという仮説がたてられた。ShK−192との複合体におけるKv1.3の相同性モデルにおいて(
図1A)、ホスホノ基はWT ShK毒素N末端から約8Åのところにあり、これはN末端と完全に伸長したGlu残基のカルボキシレートとの間の距離(約4.7Å)のほぼ2倍であることが見いだされた。したがって、必要な距離に届き、チャネルへの親和性を維持するために、ホスホノ基とそのリンカーの置き換えに2個以上のアミノ酸がおそらく必要であることが考えられた。
【0062】
したがって、ホスホノ基及びリンカーを有するShK−192アナログのN末端Gluが0、1若しくは2個の介在性Ser残基で置き換えられた相同性モデルは、MODELLERプログラムを使用して作製し、Serアミノ酸は溶解性を維持し、ShK−192におけるミニ−PEGスペーサーの特性をほぼ模倣するのを助けるために選択された。GluがWT ShK毒素N末端に直接付加されたモデルは、Glu−1のカルボキシレートがチャネルのLys411の側鎖アンモニウムとの塩架橋を形成することができるように作製することができた。しかし、これらのモデルは塩架橋が存在しないその他のモデルとエネル
ギー的に区別することはできなかった(
図1B)。同様に、1個又は2個の介在性Ser残基があると、必要な塩架橋を備えたモデルを作製することはできたが、またこれらのモデルは塩架橋が存在しないモデルよりもエネルギーがあまり低くなかった。3個の介在性Serアミノ酸があると、ESSS(配列番号1)伸長が生じ、N末端GluカルボキシレートとチャネルのLys411のアンモニウムの間に必要な相互作用を有する低エネルギーモデルを得ることができた。[ESSS]ShKの最低エネルギーモデルにおいて(
図1C)、Glu−4とKv1.3のLys411の間の塩架橋とは異なり、チャネルの伸長の唯一のその他の相互作用はSer−3の側鎖とPro377である;その他のSer伸長残基(1及び2の位置)は溶媒中に突き出す。
【0063】
構造−活性の関係及び[EWSS]ShKのモデリング−Kv1.3選択的ShKアナログの設計は、Kv1.3とKv1.1チャネルとの間のアミノ酸配列変動を利用した(
図2)。2つのチャネルの相同性は高く、それらの間で違うのは表面に露出した7個の残基のみで、これらの違いのほとんどは類似のタイプの残基の間、例えば、Kv1.3のAsp375とKv1.1のGlu375(D375E)である。その他の違いは、これらのD376E、P377A、S378E、G380H、N382S及びH404Y(
図1A)で、最初の4つの残基はS5とポアヘリックス(pore helices)の間のタレット(turret)にあり、一方H404はポアとS6ヘリックスを連結するループ内にある。さらに、マウス及びヒトKv1.3は非常に類似していて、マウスとヒトの間の表面露出残基の唯一の違いは、S378T及びN382Sであり;マウス及びヒトKv1.1の配列は膜貫通領域及び選択的フィルター領域では同一である。
【0064】
Kv1.3とKv1.1の間の7個の表面残基の違いのうち、Kv1.3のPro377のみが複合体のモデルにおいて[ESSS]ShKのN末端伸長のSer−3と接触する。この位置で置換したIle、Leu及びValの疎水性側鎖は全て、このPro残基の側鎖と有利に相互作用することが予測された(Liwo A et al., J Comput Chem 18:849-873 (1997))が、Ala(Kv1.3のPro377に対応するKv1.1における残基)に対するProの結合親和性は状況次第のようである(すなわち、側鎖が溶媒に露出しているか、又はタンパク質の内側に埋め込まれているかに左右される)。しかし、3位で置換されたTrpの側鎖は、その環境とは独立してAlaよりもProの側鎖と強く結合することが予測された。重要な点は、TrpはProとAlaとの間を最も良く区別することが予測され(すなわち、20個の標準タンパク質アミノ酸の全ての最も大きな結合エネルギー差を示す)、したがって、Kv1.3とKv1.1とを最もよく区別すると予想される。
【0065】
これらの所見に基づいて、[ESSS]ShKアナログのSer−3をTrpと置換し、得られたモデルにMDシミュレーションを行った。MDの1.0ns後の最終モデルを
図1Dに表す。[EWSS]ShKアナログのTrp−3の側鎖は、Kv1.3チャネルのPro377の側鎖と相互作用し、と同時にGlu−4カルボキシレートとLys411との相互作用を維持することが予測された。このアナログのSer−1の側鎖ヒドロキシルはまた、隣接するチャネルモノマーのAsp433(Kv1.3とKv1.1の間で保存された残基)のカルボキシレートと水素結合を形成し、さらに複合体を安定化することが予測された。
【0066】
ShK誘導体[ESSS]ShK、[EISS]ShK、[ELSS]ShK及び[EVSS]ShKのMDシミュレーションによって、Ser−3、Ile−3、Leu−3及びVal−3それぞれの側鎖がPro377のアルカン側鎖と安定した相互作用を形成しないことが示され(すなわち、Pro377を含有するループはシミュレーション中、伸長から遠ざかった)、大きな側鎖基(Trp中のインドール基など)がこの距離を結ぶために必要であることが示唆された。しかし、Glu−4のカルボキシレートとKv1.
3のLys411の間の塩架橋は、シミュレーション全てにおいて維持された。
【0067】
Kv1.3との複合体において、Ser−3をGluで置き換えた[EESS]ShKアナログのさらなるMDシミュレーションでは、Pro377との最初の結合からまた切り離されたGlu−3が生じたが、アナログのGlu−4のカルボキシレートとKv1.3のLys411との間の塩架橋はまた、インバリアントチャネル残基Val406及びThr407のアルカン側鎖にGlu−3の側鎖のアルカン面を詰め込んで維持することができる。
【0068】
[GEWSS]ShKアナログのMDシミュレーションにおいて、Glu−4のカルボキシレートとLys411のアンモニウムとの間の相互作用が喪失すると、付随してTrp−3とPro377との間の相互作用の喪失が生じることが見いだされたが、[SEWSS]ShKとKv1.3のドッキングのモデリングによってこのアナログがGlu−4のカルボキシレートとKv1.3のLys411との間の塩架橋を維持しており、Trp−3残基をPro377の側部のKv1.3チャネルの結合部位に「ぴったり」寄り添わせることが示された。したがって、ペンタペプチドN末端伸長を含むShKアナログ、特に[SEWSS]ShKアナログは、効果的なKv1.3チャネルブロッカーとしてかなり有望であることが示された。
【0069】
[ESSS]ShK及び[EESS]ShKの合成−これらのポリペプチドは、標準Fmoc−tBu固相ペプチド合成を使用して構築した。その他多くのShKアナログのためにうまく使用されたことがあるグルタチオン媒介酸化的折り畳み条件を使用して粗生成物を酸化した。ポリペプチドは迅速に折り畳まれ、RP−HPLCによって主要なピークが先に溶出し、その後に誤って折り畳まれた副生成物種が溶出する典型的パターンが生じた。[ESSS]ShK及び[EESS]ShKは、調製RP−HPLCによって均一になるまで精製した。各ポリペプチドはESI−MSによって正確な質量を有し(データは示さず)、3個のジスルフィド結合が形成されたことが示された。収率は、ポリペプチドそれぞれに対する開始樹脂の量をベースにした理論収率の約16%であった。
【0070】
[EWSS]ShKの発現及び精製−可溶化したHisタグ融合タンパク質を変性させ、前述のようにNTAカラムにローディングし(Chang SC et al., Toxicon 60:840-850 (2012))、結合したタンパク質は変性剤を徐々に除去することによって再度折り畳んだ。次に溶出した融合タンパク質をエンテロキナーゼで切断して、RP−HPLCによって均一になるまで精製した。分析RP−HPLCによって、精製したShKアナログは本質的に均一であることが示された。[EWSS]ShKの高分解能エレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析(ESI−TOF,electrospray ionisation time-of-flight mass spectrometry)によって、平均質量4544Daが生じ、この値は6個のシステイン全てが3個の天然のジスルフィド結合に関与している[EWSS]ShKアナログの理論的質量4544Daと一致した(Pohl J et al., 1995)。[EWSS]ShKの収率は約2mg/Lであった。
【0071】
K
+チャネルブロッキング活性−よく確立されたホールセルパッチクランプ電気生理学アッセイを実施して、[ESSS]ShK、[EESS]ShK並びに[EWSS]ShKアナログのKv1.3及びKv1.1チャネルに対する効力及び選択性を測定した(
図3A)。[ESSS]ShKは、Kv1.3をIC
50 657±79pMで阻害し、Kv1.1に対してはIC
50 1327±386pMの低い親和性を示し、Kv1.1と比べてKv1.3に対して2倍の選択性となった。[EESS]ShKはKv1.3に対して[ESSS]ShKよりも少し高い親和性を表し、IC
50は404±58pMで、Kv1.1に対するIC
50は830±116pMであった。[EESS]ShKは、[ESSS]ShKと比較して、Kv1.1よりもKv1.3に対して1.6倍高い親和性を有することが見いだされ(表1、
図3B)、また、Kv1.1と比べたKv1.3に対する選択性も2倍であった。このように、両アナログのK
+チャネルに対する親和性は低下しており、Kv1.1と比べたKv1.3に対する選択性は比較的低いレベルを示した。それが意味することは、Ser−3もGlu−3も、Kv1.3のPro377とKv1.1の対応するAlaとをあまり区別することはできないということである。しかし、組換え[EWSS]ShKはKv1.3に対して高い親和性を示し、mKv1.3に対するIC
50は34±8pMであったが、Kv1.1チャネルに対する親和性は著しく低下していた(IC
50=5371±912pM)(表1)。したがって、[EWSS]ShKアナログはKv1.3に対してShK−192と類似の選択性レベルを示すが、親和性は4倍高かった。
【0072】
【表1】
【0073】
考察
標準アミノ酸のみからなるN末端伸長を有する新規なShKアナログを調べた。これらのアナログのいくつかは、Kv1.1チャネルよりもKv1.3チャネルに対して選択性を示し、最も顕著なものはN末端のEWSS(配列番号2)テトラペプチド伸長を有するアナログである。この[EWSS]ShKアナログは、Kv1.1に対してごく弱い阻害を示すが、Kv1.3チャネルに対して高い効力を維持していた(IC
50 33±7pM)。モデリング研究によって、EWSS(配列番号2)テトラペプチド伸長は、アナログShK−192におけるホスホノ部分と親水性リンカーについて予測されたKv1.3チャネルとの相互作用を模倣することができることが示唆された。テトラペプチド伸長はまた、ホスファターゼによる加水分解を受けにくい。本発明によるShKアナログは、当
業者に周知の合成又は組換え技術を使用して産生することができる。これらは、全身性免疫抑制並びに標的外チャネル、特にKv1.1の阻害による心臓及び神経における毒性の可能性を回避しながら、自己免疫疾患の治療のための治療剤の基礎として大きな可能性を提供する。
【0074】
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通じて、文脈上別段の解釈が必要でない限り、語句「含む(comprise)」及び「含む(include)」並びに「含んでいる(comprising)」
及び「含んでいる(including)」などの変化形は、記述されたもの又はものの群を含む
が、その他のいかなるもの又はものの群も排除しないことを意味するものと理解されたい。
【0075】
本明細書におけるいかなる先行技術の参照も、このような先行技術が共通の一般的知識の一部を形成することを承認するいかなる形態の示唆であるとも捉えられるものではなく、捉えられるべきではない。
【0076】
当業者であれば、本発明は記載した特定の適用にその使用を制限しないことを理解していると予想される。本明細書で記載又は示した特定の要素及び/又は特徴に関して、本発明はその好ましい実施形態に制限されない。本発明は、開示した実施形態又は実施形態類に限定されないが、以下の特許請求の範囲によって記載し定義した本発明の範囲を逸脱することなく、数多くの再構成、改変及び置換が可能であることが理解されると予想される。
【0077】
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