【解決手段】プリント回路基板は、硬性絶縁層110を含む複数の絶縁層が上下に積層された積層体100と、一部の領域が上記複数の絶縁層のうちの少なくとも1つ層と上下に接触し、残りの領域は上記積層体の外側に位置する軟性絶縁層200と、上記軟性絶縁層の一面に形成される素子実装領域M1と、上記軟性絶縁層の他面に、上記素子実装領域に対応して形成される第1補強部材300と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係るプリント回路基板の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
【0008】
また、以下で使用する「第1」、「第2」等の用語は、同一または対応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または対応する構成要素が第1、第2等の用語により限定されることはない。
【0009】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用される。
【0010】
以下では、プリント回路基板の様々な実施例を区分して説明するが、ある一実施例に関する説明が他の実施例にも適用できることを排除しない。ある一実施例についての説明は、両立不可能な関係ではない限り、他の実施例にも適用できる。
【0011】
図1及び
図2は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0012】
本発明の第1実施例に係るプリント回路基板は、硬性部Rと軟性部Fとを含み、硬性部Rと軟性部Fとが一体型に形成される硬軟性基板である。これは、硬性基板と軟性基板とがそれぞれ別に製造された後にソルダリング接合等により結合される基板とは区別される。
【0013】
図1の(a)を参照すると、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板は、硬性部Rと軟性部Fとを含み、軟性部Fには、素子実装領域M1と第1補強部材300とが形成される。
【0014】
硬性部Rは、硬性絶縁層110を含む複数の絶縁層と、軟性絶縁層200とで構成され、軟性部Fは、軟性絶縁層200で構成されることができる。ここで、軟性絶縁層200は、硬性部R及び軟性部Fにかけて形成される。上記複数の絶縁層及び軟性絶縁層200には、回路を形成できる。特に、軟性絶縁層200に形成された回路は、硬性部Rと軟性部Fとを接続する直線の回路線を含むことができる。
【0015】
硬性絶縁層110は相対的に屈曲性の小さい絶縁材で形成され、硬性樹脂層を含むことができる。硬性樹脂層110は、エポキシ(epoxy)樹脂及び/またはイミダゾール(imidazole)樹脂等を含むことができる。
【0016】
硬性絶縁層110は、ソルダーレジスト層を含むことができる。ソルダーレジスト層は感光性であって、硬性部Rの最外層に位置することができる。
【0017】
硬性絶縁層110は、ガラス繊維等の繊維補強材を含むことができ、具体的に、硬性絶縁層110は、繊維補強材の含有されたエポキシ樹脂であってプリプレグ(PPG)であり得る。一方、硬性絶縁層110は、無機フィラーを含むことができる。
【0018】
硬性絶縁層110は、低誘電正接絶縁材で形成可能であり、硬性絶縁層110の誘電正接(dielectric dissipation factor、Df)は、0.003以下であってもよいが、これに制限されない。
【0019】
軟性部Fの軟性絶縁層200は、硬性絶縁層110よりも相対的に屈曲性が大きくて、柔軟な絶縁材で形成されるが、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、テフロン(登録商標)(Teflon(登録商標))、PFA(perfluoroalkoxy)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PPE(Polyphenylene Ether)、PPO(Poly Phenylene Oxide)のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0020】
硬性部Rには、上述した硬性絶縁層110よりも柔軟な材質で形成された柔軟層が含まれることができ、柔軟層は、上述した軟性絶縁層200と同一の材質で形成されることができる。しかし、本実施例では、
図1の(a)に示すように、柔軟層のないプリント回路基板に限定して説明する。
【0021】
軟性部Fの一面には、素子実装領域M1が形成される。素子実装領域M1は電子素子E1が実装される領域であって、複数の接続パッドを含むことができる。素子実装領域M1に実装される電子素子E1には、能動素子、受動素子、集積回路等が含まれることができ、特に、ディスプレイ部の駆動のためのDDI(Display Driver IC)、TDDI(Touch Display Driver IC)等が含まれることができる。また、このDDIまたはTDDIは、長方形の形状を有することができ、この場合、素子実装領域M1も電子素子E1の形状に対応して長方形の形状に区画されることができる。
【0022】
軟性部Fの他面には、第1補強部材300が形成されることができる。第1補強部材300は、素子実装領域M1に対応して形成される。ここで、「対応」とは、第1補強部材300を軟性部Fの一面に投影したとき、投影された第1補強部材300が素子実装領域M1と重なることと理解することができる(
図1の(b)参照)。
【0023】
第1補強部材300は、軟性部Fの軟性絶縁層200よりも熱膨脹率(またはCTE)の低い材質で形成されることができる。第1補強部材300は、ガラス繊維や無機フィラーを含有した樹脂で形成できるが、ガラス繊維や無機フィラーにより第1補強部材300の熱膨脹率を調整することができる。第1補強部材300は、軟性絶縁層200よりも剛性の高い材質で形成されることができる。第1補強部材300は、軟性絶縁層200よりも弾性モジュラス(modulus of elasticity)の大きい材質で形成されることができる。
【0024】
電子素子E1が素子実装領域M1に実装されるときに必要な熱工程(例えば、ACF bonding、またはReflow)において、軟性部Fには熱による変形が生じることがあるが、第1補強部材300により軟性部Fの熱変形を低減することができる。
【0025】
第1補強部材300は、硬性部Rの硬性絶縁層110と同一の材料で形成することができ、例えば、PPGで形成することができる。または、第1補強部材300は、金属を含む材料で形成することができ、例えば、SUSで形成することができる。
【0026】
軟性部Fの端部の一面には、接続端子200Tが形成されることができる。
図1の(a)には、素子実装領域M1と接続端子200Tとが軟性部Fの互いに異なる面に形成されているが、これに制限されず、素子実装領域M1と接続端子200Tとが軟性部Fの同じ面に形成されることもできる。
【0027】
一方、接続端子200Tは、軟性絶縁層200内に埋め込まれるか、軟性絶縁層200から突出して形成されることができる。接続端子200Tは、外部デバイスに接続することができ、例えば、外部デバイスは、外部基板(例えば、メインボード)またはディスプレイ部であり得る。
【0028】
軟性部Fの端部の他面には、第2補強部材400が形成されることができる。第2補強部材400は、接続端子200Tに対応するように形成されることができ、接続端子200Tが外部デバイスに接続される際に、軟性部Fの柔軟さによる問題を低減することができる。例えば、第2補強部材400は、軟性部Fに剛性を付与することができる。
【0029】
第2補強部材400は、
図1の(b)に示すように、長方形の形状を有することができるが、これに制限されない。第2補強部材400は、上述の第1補強部材300と同一の材質で形成されることができる。例えば、第2補強部材400は、プリプレグ(PPG)で形成されることができる。
【0030】
一方、硬性部Rの一面には、第2の素子実装領域M2が形成されることができる。第2の素子実装領域M2は、第2の電子素子E2が実装される領域であって、複数の接続パッドを含むことができる。第2の素子実装領域M2に実装される第2の電子素子E2は、上述の素子実装領域M1に実装される電子素子E1と異なるものであり得る。第2の電子素子E2は、PMIC(Power Management IC)を含むことができる。また、硬性部Rの一面には、複数の接続パッドを含む第3の素子実装領域M3が形成され、キャパシタ(capacitor)等の受動素子を含む第3の電子素子E3が第3の素子実装領域M3に実装されることができる。
【0031】
図2を参照すると、プリント回路基板は、ディスプレイ部10に結合することができる。
【0032】
プリント回路基板の軟性部Fの素子実装領域M1には、DDIまたはTDDIを含む電子素子E1が実装される。プリント回路基板の硬性部Rの第2の素子実装領域M2には、PMICを含む第2の電子素子E2が実装され、第3の素子実装領域M3には、キャパシタを含む第3の電子素子E3が実装されることができる。電子素子E1は、ソルダーまたはACF等の接合部材Aにより素子実装領域M1の接続パッドに接合することができる。同様に、第2の電子素子E2は、接合部材(ソルダーまたはACF)Aにより第2の素子実装領域M2の接続パッドに接合することができ、第3の電子素子E3は、接合部材(ソルダーまたはACF)Aにより第3の素子実装領域M3の接続パッドに接合することができる。ここで、接合部材(ソルダーまたはACF)Aによる接合は、熱工程を伴うことがあり、熱工程が行われるとき、第1補強部材300は素子実装領域M1の熱変形を低減することができる。
【0033】
一方、接続端子200Tは、接合部材(ソルダーまたはACF)Aによりディスプレイ部10の端子10Tに接合されるが、熱工程が行われるとき、第2補強部材400は、接続端子200T領域の熱変形を低減することができる。
【0034】
ディスプレイ部10は、ディスプレイパネル11を含むことができ、ディスプレイパネル11としては、LEDパネル、OLEDパネル、電気泳動ディスプレイ(electrophoretic display)パネル、エレクトロクロミックディスプレイ(electrochromic display、ECD)等が挙げられる。また、ディスプレイ部10は、タッチスクリーンパネル12を含むことができる。
【0035】
軟性部Fの軟性絶縁層200は、ディスプレイ部10側に延長され、ディスプレイ部10の端子10Tに結合することができる。この場合、軟性部Fの接続端子200Tは、接合部材Aによりディスプレイ部10の端子10Tに接合することができる。接合部材Aは、低融点金属を含む導電性部材(例えば、ソルダー)または接着フィルム(例えば、ACF)を含むことができる。ディスプレイ部10の端子10Tは、ディスプレイパネル11に形成され、軟性絶縁層200の接続端子200Tは、ディスプレイ部10のディスプレイパネル11に結合することができる。
【0036】
一方、プリント回路基板とディスプレイ部10とが結合するとき、軟性部Fの少なくとも一部は屈曲する。
図2に示すように、軟性部Fの端部は、ディスプレイパネル11の一面に接合され、硬性部Rは、ディスプレイパネルの他面に位置することができる。このとき、軟性部Fの中間領域がU字形態に屈曲することができる。ここで、素子実装領域M1は、ディスプレイパネルの他面に位置することができ、素子実装領域M1は、軟性部Fにおいて相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。また、接続端子200T領域も軟性部Fにおいて相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。同様に、第1補強部材300及び第2補強部材400は、軟性部Fにおいて相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。
【0037】
図3は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0038】
図3の(a)を参照すると、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板において第1補強部材300は、硬性部Rの内部に延長される。この第1補強部材300は、硬性部Rを構成する硬性絶縁層110が硬性部Rの外部に延長して形成されることにより設けられることができる。例えば、第1補強部材300を提供する硬性絶縁層110は、プリプレグ(PPG)であり得る。
【0039】
図3の(b)を参照すると、プリント回路基板がディスプレイ部10に結合することができ、これに関する説明は、
図2を参照して説明した通りである。
【0040】
図4は、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0041】
図4の(a)を参照すると、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板は、追加層500をさらに含むことができる。
【0042】
追加層500は、軟性部Fの一面に形成され、素子実装領域M1に隣接して形成されることができる。
図4の(b)には、追加層500が素子実装領域M1に隣接して長方形の形状に形成されているが、追加層500は、素子実装領域M1を完全に取り囲むように形成されることもできる。
【0043】
追加層500は、軟性絶縁層200よりも相対的に硬性であり、硬性絶縁層110と同一の素材で形成することができる。一方、追加層500は、第2補強部材400と同一平面上に位置することができ、特に、追加層500の上面は、第2補強部材400の上面と同一平面上に位置することができる。追加層500は、第2補強部材400と同一の素材で形成することができる。例えば、第1補強部材300、第2補強部材400及び追加層500はいずれもプリプレグ(PPG)で形成することができる。
【0044】
図4の(c)を参照すると、プリント回路基板がディスプレイ部10に結合することができ、追加層500は、軟性部Fにおいて相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。
【0045】
図5は、本発明の第4実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0046】
図5を参照すると、本発明の第4実施例に係るプリント回路基板は、1つの硬性部Rと複数の軟性部F1、F2とを含むことができる。第1軟性部F1は、上述の軟性部Fと同一である。第2軟性部F2は、第1軟性部F1と互いに異なる方向に延長されることができる(
図5の(a)参照)。
【0047】
図5の(b)に示すように、第2軟性部F2は屈曲して、第2軟性部F2の端部に形成された接続端子200Tがディスプレイ部10ではない外部デバイスに接続することができる。一方、第1軟性部F1と第2軟性部F2とは一体に形成されることができる。
【0048】
図6は、本発明の第5実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0049】
図6を参照すると、第5実施例に係るプリント回路基板は、硬性部Rと軟性部Fとを含み、硬性部Rと軟性部Fとが一体型に形成される硬軟性基板である。これは、硬性基板と軟性基板とがそれぞれ別に製造された後に、ソルダリング接合等により結合される基板と区別される。上記複数の絶縁層及び軟性絶縁層200には回路が形成されることができる。特に、軟性絶縁層200に形成された回路は、硬性部Rと軟性部Fとを接続する直線の回路線を含むことができる。
【0050】
第5実施例に係るプリント回路基板は、積層体100及び軟性絶縁層200を含むことができる。
【0051】
積層体100は、硬性部Rに含まれており、硬性絶縁層110を含む複数の絶縁層が上下に積層されて形成されることができる。すなわち、積層体100は、上下に積層された複数の絶縁層を含み、複数の絶縁層のうちの少なくとも1つは硬性絶縁層110であることができる。例えば、複数の絶縁層は、すべて硬性絶縁層110であることができる。または、複数の絶縁層のうちの一部は、硬性絶縁層110であり、残りは、硬性絶縁層110よりも屈曲性の高い柔軟な層であることができる。積層体100において硬性絶縁層110よりも屈曲性が高くて柔軟な層を「柔軟層120」と称することもある。
【0052】
硬性絶縁層110は、相対的に屈曲性の小さい絶縁材で形成され、硬性樹脂層111を含むことができる。硬性樹脂層111は、エポキシ(epoxy)樹脂及び/またはイミダゾール(imidazole)樹脂等を含むことができる。
【0053】
硬性絶縁層110は、ソルダーレジスト層112を含むことができる。ソルダーレジスト層112は感光性であって、積層体100の最外層に位置することができる。
【0054】
硬性絶縁層110は、ガラス繊維等の繊維補強材を含むことができ、具体的には、硬性絶縁層110は、繊維補強材の含有されたエポキシ樹脂であって、プリプレグ(PPG)であり得る。一方、硬性絶縁層110は、無機フィラーを含むことができる。硬性絶縁層110は、低誘電正接絶縁材で形成することができ、硬性絶縁層110の誘電正接(dielectric dissipation factor、Df)は、0.003以下であってもよいが、これに制限されない。
【0055】
軟性絶縁層200は、硬性部R及び軟性部Fに含まれ、硬性絶縁層110よりも相対的に屈曲性が大きくて柔軟な絶縁材で形成される。軟性絶縁層200の一部の領域は、上記複数の絶縁層のうちの少なくとも1つ層と上下に接触し、残りの領域は、上記積層体100の外側に位置することができる。
【0056】
軟性絶縁層200の上記一部の領域は、プリント回路基板の硬性部Rを構成し、積層体100の外部に位置する軟性絶縁層200の上記残りの領域は、プリント回路基板の軟性部Fを構成する。
【0057】
軟性絶縁層200は、積層体100の内部に位置し、軟性絶縁層200の上記一部の領域は、積層体100の複数の絶縁層のうちの2つの層と上下に接触することができる。
【0058】
図6の(a)を参照すると、上下方向から見る場合、積層体100は、ソルダーレジスト層112、硬性樹脂層111、柔軟層120、軟性絶縁層200、硬性樹脂層111、及びソルダーレジスト層112で構成され、この積層体100が硬性部Rとなる。ここで、軟性絶縁層200は、積層体100の内部に位置し、柔軟層120及び硬性絶縁層110(硬性樹脂層111)とそれぞれ接触することができる。
【0059】
軟性絶縁層200の外側面には、軟性のカバーレイ230が積層されることができる。カバーレイ230は、軟性絶縁層200に形成されている回路C2を保護することができる。
図6の(b)を参照すると、軟性部Fは、カバーレイ230、軟性絶縁層200、及びカバーレイ230で構成される。
【0060】
軟性絶縁層200は、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、テフロン(Teflon)、PFA(perfluoroalkoxy)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PPE(Polyphenylene Ether)、PPO(Poly Phenylene Oxide)のうちの少なくとも1種を含むことができる。軟性絶縁層200の誘電正接(dielectric dissipation factor、Df)は、0.003以下であってもよいが、これに制限されない。
【0061】
軟性絶縁層200は、熱可塑性樹脂層210と熱硬化性樹脂層220とを含むことができる。熱可塑性樹脂層210と熱硬化性樹脂層220とは、上下に積層されて軟性絶縁層200を構成することができる。熱硬化性樹脂層220は接着性を有することにより、接着層の役割を担うことができる。熱可塑性樹脂層210としては、液晶ポリマー(LCP)等を用いることができ、熱硬化性樹脂層220としては、PPE(Polyphenylene Ether)等を用いることができるが、これに制限されない。一方、熱可塑性樹脂層210の厚さが熱硬化性樹脂層220の厚さよりも大きいことができるが、これに制限されない。
【0062】
図6の(a)を参照すると、軟性絶縁層200は、上下方向に熱可塑性樹脂層210及び熱硬化性樹脂層220を有する。
【0063】
積層体100に上述の柔軟層120が含まれる場合、柔軟層120は、上述の軟性絶縁層200と同一の材質で形成されることができる。
図6の(a)を参照すると、柔軟層120は、上下方向に熱可塑性樹脂層121及び熱硬化性樹脂層122を有し、軟性絶縁層200と同一の構成を有する。
【0064】
積層体100における複数の絶縁層及び軟性絶縁層200のそれぞれには回路が形成されることができる。回路は、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、パラジウム、金等の金属を含むことができる。ここで、積層体100における複数の絶縁層のそれぞれの一面に形成される回路を第1回路C1とし、軟性絶縁層200の一面または両面に形成される回路を第2回路C2とすることで、区分することができる。ただし、この区分は、説明の便宜のためのものである。
【0065】
互いに異なる層にある第1回路C1は、第1ビアV1を介して電気的に接続することができる。柔軟層120が熱可塑性樹脂層121及び熱硬化性樹脂層122を含む場合、第1ビアV1は、柔軟層120を一括貫通し、熱可塑性樹脂層121及び熱硬化性樹脂層122の境界面には第1回路C1が形成されないこともある。
【0066】
軟性絶縁層200に形成された第2回路C2は、硬性部Rと軟性部Fとを接続する直線の回路線を含むことができる。一方、互いに異なる層の第2回路C2は、第2ビアV2を介して電気的に接続することができる。また、積層体100内における第1回路C1と第2回路C2とは、第3ビアV3を介して電気的に接続することができる。軟性絶縁層200が熱可塑性樹脂層210と熱硬化性樹脂層220とを含む場合は、第2ビアV2及び第3ビアV3は軟性絶縁層200を一括貫通し、熱可塑性樹脂層210と熱硬化性樹脂層220との境界面には第2回路C2が形成されないことがある。
【0067】
軟性絶縁層200の一面には素子実装領域M1が形成される。素子実装領域M1は、電子素子E1が実装される領域であって、複数の接続パッドを含むことができる。上述した複数の接続パッドは、第2回路C2の一部であり得る。
【0068】
素子実装領域M1に実装される電子素子E1は、能動素子、受動素子、集積回路等を含むことができ、特に、ディスプレイ部の駆動のためのDDI(Display Driver IC)、TDDI(Touch Display Driver IC)等を含むことができる。また、このDDIまたはTDDIは、長方形の形状を有することができ、この場合は、素子実装領域M1も電子素子E1の形状に対応して長方形の形状に区画されることができる。
【0069】
軟性絶縁層200の他面には、第1補強部材300を形成することができる。第1補強部材300は、素子実装領域M1に対応して形成される。ここで、「対応」とは、第1補強部材300を軟性絶縁層200の一面に投影したとき、投影された第1補強部材300が素子実装領域M1と重なることと理解することができる
【0070】
第1補強部材300は、軟性絶縁層200よりも熱膨張率(または、CTE)の低い材質で形成されることができる。第1補強部材300は、ガラス繊維や無機フィラーを含有した樹脂で形成でき、ガラス繊維や無機フィラーにより第1補強部材300の熱膨脹率を調整することができる。第1補強部材300は、軟性絶縁層200よりも剛性の高い材質で形成されることができる。第1補強部材300は、軟性絶縁層200よりも弾性モジュラス(modulus of elasticity)の大きい材質で形成されることができる。
【0071】
電子素子E1が素子実装領域M1に実装される際に必要な熱工程(例えば、ACF bonding、またはReflow)で、軟性絶縁層200には熱による変形が生じることがあるが、第1補強部材300により、軟性絶縁層200の熱変形を低減することができる。
【0072】
第1補強部材300は、積層体100における硬性絶縁層110と同一の材料で形成することができ、例えば、プリプレグ(PPG)で形成することができる。一方、第1補強部材300は、金属を含む材料で形成可能であり、例えば、SUSで形成することができる。第1補強部材300は、積層体100から離隔し、軟性部F内において島(island)のように形成されることができる。この第1補強部材300は、別に製作された後に付着させることにより形成可能である。
【0073】
軟性絶縁層200の端部の一面には、接続端子200Tが形成されることができる。
図6の(a)には、素子実装領域M1と接続端子200Tが軟性絶縁層200の互いに異なる面に形成されているが、これに制限されず、素子実装領域M1と接続端子200Tとは軟性絶縁層200の同一の面に形成されることもできる。
【0074】
一方、接続端子200Tは、軟性絶縁層200内に埋め込まれるか、軟性絶縁層200から突出して形成されることができる。接続端子200Tは、外部デバイスと接続することができ、例えば、外部デバイスとは、外部基板(例えば、メインボード)またはディスプレイ部であり得る。
【0075】
軟性絶縁層200の端部の他面には、第2補強部材400が形成されることができる。第2補強部材400は、接続端子200Tに対応するように形成可能であり、接続端子200Tが外部デバイスに接続する際に、軟性絶縁層200の柔軟さによる問題を低減することができる。例えば、第2補強部材400は、軟性絶縁層200に剛性を付与することができる。第2補強部材400は、上述した第1補強部材300と同一の材質で形成されることができる。例えば、第2補強部材400は、プリプレグ(PPG)で形成されることができる。この第2補強部材400は、別に製作された後に、付着させることにより形成されることができる。
【0076】
一方、積層体100の一面には、第2の素子実装領域M2が形成されることができる。第2の素子実装領域M2は、第2の電子素子E2が実装される領域であって、複数の接続パッドを含むことができる。第2の素子実装領域M2の接続パッドは、第1回路C1の一部であり得る。第2の素子実装領域M2に実装される第2の電子素子E2は、上述の素子実装領域M1に実装される電子素子E1とは異なるものであり得る。第2の電子素子E2は、PMIC(Power Management IC)を含むことができる。
【0077】
また、積層体100の一面には、複数の接続パッドを含む第3の素子実装領域M3が形成され、第3の素子実装領域M3の接続パッドは、第1回路C1の一部であり得る。キャパシタ(capacitor)等の受動素子を含む第3の電子素子E3が第3の素子実装領域M3に実装されることができる。
【0078】
図6の(b)を参照すると、プリント回路基板は、ディスプレイ部10に結合することができる。
【0079】
プリント回路基板の軟性絶縁層200の素子実装領域M1には、DDIまたはTDDIを含む電子素子E1が実装される。プリント回路基板の積層体100の第2の素子実装領域M2には、PMICを含む第2の電子素子E2が実装されることができる。
【0080】
また、第3の素子実装領域M3には、キャパシタを含む第3の電子素子E3が実装されることができる。電子素子E1は、ソルダーまたはACF等の接合部材Aにより素子実装領域M1の接続パッドに接合することができる。同様に、第2の電子素子E2は、接合部材(ソルダー、またはACF)Aにより、第2の素子実装領域M2の接続パッドに接合することができ、第3の電子素子E3は、接合部材(ソルダーまたはACF)Aにより第3の素子実装領域M3の接続パッドに接合することができる。ここで、接合部材(ソルダー、またはACF)Aによる接合は、熱工程を伴うことがあり、熱工程が行われるとき、第1補強部材300は、素子実装領域M1の熱変形を低減することができる。
【0081】
一方、接続端子200Tは、ディスプレイ部10に接合部材(ソルダー、またはACF)Aにより接合されるが、熱工程が行われるとき、第2補強部材400は、接続端子200T領域の熱変形を低減することができる。
【0082】
ディスプレイ部10は、ディスプレイパネル11を含むことができ、ディスプレイパネル11としては、LEDパネル、OLEDパネル、電気泳動ディスプレイ(electrophoretic display)パネル、エレクトロクロミックディスプレイ(electrochromic display、ECD)等が挙げられる。また、ディスプレイ部10は、タッチスクリーンパネル12を含むことができる。
【0083】
一方、プリント回路基板とディスプレイ部10が結合するとき、軟性絶縁層200の少なくとも一部が屈曲する。
図6の(b)に示すように、軟性絶縁層200の端部は、ディスプレイパネル11の一面に接合され、軟性絶縁層200の中間領域はU字形態に屈曲し、積層体100がディスプレイパネルの他面に位置することができる。結果的に、
図2と類似に、素子実装領域M1はディスプレイパネルの他面に位置することができ、素子実装領域M1は軟性絶縁層200において相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。また、接続端子200T領域も軟性絶縁層200において相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。同様に、第1補強部材300及び第2補強部材400は、軟性絶縁層200において相対的に小さく屈曲する部位に位置することができる。
【0084】
図7は、本発明の第6実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0085】
図7を参照すると、本発明の第6実施例に係るプリント回路基板において第1補強部材300は、硬性部Rの内部に延長される。この第1補強部材300は、硬性部Rを構成する少なくとも1つの硬性絶縁層110が硬性部Rの外部に延長して形成されることにより設けられることができる。このため、第1補強部材300と硬性絶縁層110とは同一の素材で連続して形成されることができる。この場合、少なくとも1つの硬性絶縁層110(第1補強部材300を提供する硬性絶縁層110)が硬性部Rと軟性部Fのいずれにも積層された後に、硬性絶縁層110が軟性部Fに対応して打ち抜き(除去)されるとき、第1補強部材300が位置する領域に対応しては打ち抜きされないことにより、第1補強部材300が設けられることができる。第1補強部材300及び硬性絶縁層110は、硬性樹脂層111(例えば、プリプレグ(PPG))及びソルダーレジスト層112で構成されることができる。
【0086】
一方、第1補強部材300と第2補強部材400は、互いに異なる層の構成で形成されることができ、例えば、第1補強部材300は、硬性樹脂層111(プリプレグ(PPG))+ソルダーレジスト層112である一方、第2補強部材400は、プリプレグ(PPG)で構成されることができる。
【0087】
図8は、本発明の第7実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0088】
図8を参照すると、本発明の第7実施例に係るプリント回路基板は、追加層500をさらに含むことができる。
【0089】
追加層500は、軟性絶縁層200の一面に形成され、素子実装領域M1に隣接して形成されることができる。追加層500は、素子実装領域M1に隣接して長方形の形状に形成されることができるが、これに制限されず、素子実装領域M1を完全に取り囲むように形成されることもできる。
【0090】
追加層500は、軟性絶縁層200よりも相対的に硬性であり、積層体100の硬性絶縁層110と同一の素材で形成されることができる。追加層500は、硬性樹脂層111(プリプレグ(PPG))+ソルダーレジスト層112の構成で形成されることができ、この場合、積層体100の硬性絶縁層110と同一平面上に位置することができる。
【0091】
また、追加層500は、第2補強部材400と同一平面上に位置することができ、硬性絶縁層110、追加層500及び第2補強部材400はすべて同一の素材で形成され、同一の層の構成を有することができる。例えば、硬性絶縁層110、追加層500及び第2補強部材400はすべて硬性樹脂層111(プリプレグ(PPG))+ソルダーレジスト層112で構成されることができる。この場合、硬性樹脂層111(プリプレグ(PPG))+ソルダーレジスト層112で構成された母材が硬性部R及び軟性部Fにわたって形成された後に、母材が軟性部Fに対応して打ち抜き(除去)されるとき、軟性部F領域に対して一部が残留することにより、残留した母材が追加層500及び第2補強部材400として提供されることができる。
【0092】
一方、本実施例の軟性絶縁層200において、素子実装領域M1である部分と、素子実装領域M1ではない部分との厚さは互いに異なってもよい。
【0093】
以上では、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものであることを理解できるであろう。