【解決手段】本発明の一実施形態によるチップアンテナは基板と、上記基板の一面に配置される複数のチップアンテナと、上記基板の他面に実装される少なくとも一つの電子素子と、を含み、上記複数のチップアンテナはそれぞれ、上記基板の一面に実装される第1セラミック基板、上記第1セラミック基板と対向して配置される第2セラミック基板、上記第1セラミック基板に設けられる第1パッチ、及び上記第2セラミック基板に設けられる第2パッチを含み、上記第1セラミック基板と上記第2セラミック基板は互いに離隔することができる。
前記第1セラミック基板と前記第2セラミック基板の間に配置され、前記第1セラミック基板と前記第2セラミック基板を互いに離隔するスペーサーをさらに含む、請求項1に記載のチップアンテナモジュール。
前記第1セラミック基板と前記第2セラミック基板の間に配置され、前記第1セラミック基板と前記第2セラミック基板を互いに離隔する接合層をさらに含む、請求項1に記載のチップアンテナモジュール。
前記接地層は、前記第1パッチに給電信号を提供する給電パッド、及び前記複数のチップアンテナのそれぞれが実装される上面パッドが設けられる領域と異なる領域に形成される、請求項8に記載のチップアンテナモジュール。
前記複数の接地ビアは、前記複数のチップアンテナのうち隣接するチップアンテナの向かい合う側面に沿って配置される、請求項14に記載のチップアンテナモジュール。
前記基板は、前記複数のチップアンテナのうち隣接するチップアンテナの間に設けられ、前記基板の第1面から突出する遮蔽壁をさらに含む、請求項11に記載のチップアンテナモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を詳細に説明する前に、以下で説明される本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定されてはならず、発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。よって、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の好適な一例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではない。このため、本出願時点にこれらを代替することができる様々な均等物及び変形例があり得ることを理解すべきである。
【0012】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。このとき、添付された図面において同一の構成要素は、できる限り同一の符号で示していることに注意しなければならない。また、本発明の要旨を不明にする可能性がある公知の機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。同様の理由から、添付図面において一部の構成要素は、誇張、省略または概略的に示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0013】
また、本明細書において上側、下側、側面などの表現は、図面に基づいて説明したものであり、該当する対象の方向が変更されると、異なって表現されることがあることを予め明らかにしておく。
【0014】
本明細書に記載されたチップアンテナモジュールは高周波領域で動作し、一例として、3GHz以上の周波数帯域、一例として、20GHz〜40GHz帯域で動作することができる。また、本明細書に記載されたチップアンテナモジュールはRF信号を受信又は送受信するように構成された電子機器に搭載されることができる。一例として、チップアンテナは携帯電話、携帯用ノートパソコン、ドローンなどに搭載されることができる。
【0015】
図1は本発明の実施形態によるチップアンテナモジュールの斜視図であり、
図2aは
図1のチップアンテナモジュールの一部分の断面図であり、
図3aは
図1のチップアンテナモジュールの平面図であり、
図3bは
図3aのチップアンテナモジュールの変形実施形態を示す。
【0016】
図1、
図2a、及び
図3aを参照すると、本実施形態によるチップアンテナモジュール1は基板10、電子素子50、及びチップアンテナ100を含み、さらに、エンドファイアアンテナ200を含むことができる。基板10に少なくとも一つの電子素子50、複数のチップアンテナ100、複数のエンドファイアアンテナ200が配置されることができる。
【0017】
基板10はチップアンテナ100に必要な回路又は電子部品が搭載される回路基板であってもよい。一例として、基板10は一つ以上の電子部品が表面に搭載された印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)であってもよい。したがって、基板10には電子部品を電気的に連結する回路配線が備えられることができる。また、基板10はフレキシブル基板、セラミック基板、及びガラス基板などで実現されることができる。基板10は複数の層で構成されることができる。具体的には、基板10は少なくとも一つの絶縁層17と少なくとも一つの配線層16が交互に積層されて形成された多層基板で形成されることができる。少なくとも一つの配線層16は基板10の一面及び他面に設けられる二つの外層及び二つの外層の間に設けられる少なくとも一つの内層を含むことができる。一例として、絶縁層17はプリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などの絶縁物質で形成されることができる。上記絶縁物質はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸されて形成されることができる。実施形態により、絶縁層17は感光性絶縁樹脂で形成されることができる。
【0018】
配線層16は、電子素子50、複数のチップアンテナ100、複数のエンドファイアアンテナ200を電気的に連結する。また、配線層16は、複数の電子素子50、複数のチップアンテナ100、複数のエンドファイアアンテナ200を外部と電気的に連結することができる。
【0019】
配線層16は銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができる。
【0020】
絶縁層17の内部には配線層16を相互連結するための配線ビア18が配置される。
【0021】
基板10の一面、具体的には、基板10の上面にはチップアンテナ100が実装される。チップアンテナ100はY軸方向に伸びる幅、及びY軸方向と交差、具体的には、垂直なX軸方向に伸びる幅、及びZ軸方向に伸びる高さを有する。チップアンテナ100は
図1に示されているように、n×1の構造で配列されることができる。複数のチップアンテナ100はX軸方向に沿って配列されて、複数のチップアンテナ100のうちX軸方向において互いに隣接する二つのチップアンテナ100の幅は互いに向かい合うことができる。
【0022】
実施形態により、チップアンテナ100はn×mの構造で配列されることができる。複数のチップアンテナ100はX軸方向及びY軸方向に沿って配列されて、複数のチップアンテナ100のうちY軸方向において互いに隣接する二つのチップアンテナの幅は互いに向かい合うことができ、X軸方向において互いに隣接する二つのチップアンテナ100の幅は互いに向かい合うことができる。
【0023】
X軸方向及びY軸方向のうち少なくとも一つの方向において隣接するチップアンテナ100の中心は、λ/2だけ離隔することができる。ここで、λはチップアンテナ100から送受信されるRF信号の波長を示す。
【0024】
本発明の一実施形態によるチップアンテナモジュール1が20GHz〜40GHz帯域でRF信号を送受信する場合、隣接するチップアンテナ100の中心は3.75mm〜7.5mmだけ離隔することができ、チップアンテナモジュール1が28GHz帯域でRF信号を送受信する場合、5.36mmだけ離隔することができる。5G通信システムで利用されるRF信号は3G/4G通信システムで利用されるRF信号より波長が短く、エネルギーが大きいという特性を有する。したがって、チップアンテナ100のそれぞれから送受信されるRF信号間の干渉を最小化するためにはチップアンテナ100が十分な離隔距離を有する必要がある。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、チップアンテナ100の中心をλ/2だけ十分に離隔して、チップアンテナ100のそれぞれから送受信されるRF信号の干渉を最小化することにより、チップアンテナ100を5G通信システムで利用することができる。
【0026】
一方、実施形態により、隣接するチップアンテナ100の中心間の離隔距離はλ/2より小さくてもよい。後述するように、チップアンテナ100はそれぞれ、セラミック基板及びセラミック基板のうちの一部に設けられる少なくとも一つのパッチで構成される。このとき、セラミック基板を所定距離だけ離隔したり、セラミック基板の間にセラミック基板より誘電率が低い物質を配置したりして、チップアンテナ100の全体の誘電率を低くすることができる。これにより、チップアンテナ100から送受信されるRF信号の波長を増加させて、放射効率及び利得を向上させることができるため、隣接するチップアンテナ100の中心間の離隔距離をRF信号のλ/2より小さくして、隣接するチップアンテナ100を配置する場合にも、RF信号間の干渉を最小化することができる。本発明の一実施形態によるチップアンテナモジュール1は28GHz帯域でRF信号を送受信する場合、隣接するチップアンテナ100の中心間の離隔距離が5.36mmより小さくてもよい。
【0027】
基板10の上面にはチップアンテナ100に給電信号を提供する給電パッド16aが設けられる。一方、基板10の複数の層のうちいずれか一つの内層には接地層16bが設けられる。一例として、基板10の上面に最も隣接した下位層に配置される配線層16は接地層16bとして利用される。接地層16bはチップアンテナ100のリフレクタ(reflector)として動作する。したがって、接地層16bはチップアンテナ100から出力されるRF信号を指向方向に該当するZ軸方向に反射してRF信号を集中させることができる。
【0028】
図2b、
図2c、及び
図2dは、
図2aのチップアンテナモジュールの変形実施形態を示す。
【0029】
図2b、
図2c、及び
図2dの実施形態によるチップアンテナモジュールは
図2aのチップアンテナモジュールと類似するため、重複する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
【0030】
図2bを参照すると、接地層16bは基板10の上面の最も隣接した下位層の他にも、基板10の上面に設けられることができる。接地層16bは、基板10の上面において、給電パッド16a及び上面パッド16cが設けられる領域を除外した残りの領域のすべてに設けられることができる。接地層16bが給電パッド16a及び上面パッド16cが設けられる領域を除外した基板10の上面の全領域に設けられて、チップアンテナ100から出力されるRF信号の放射効率を向上させることができる。
【0031】
図2bでは、接地層16bが基板10の上面及び上面の最も隣接した下位層に設けられているが、実施形態により、接地層16bは基板10の上面にのみ設けられることができる。
【0032】
図2cを参照すると、基板10の接地層16bは基板10の接地ビア18aと接続されることができる。接地層16bと接続される接地ビア18aは接地層16bから基板10の上面側に伸びることができる。接地ビア18aは隣接するチップアンテナ100の間に設けられる。
【0033】
一例として、接地ビア18aはX軸方向において、隣接するチップアンテナ100のそれぞれから同一の距離だけ離隔するように設けられて、隣接するチップアンテナ100間の離隔距離を同一に分割することができる。一例として、接地ビア18aは隣接するチップアンテナ100の中心を横切る中心線のそれぞれからλ/4だけ離隔することができる。本発明の一実施形態によるチップアンテナモジュール1が28GHz帯域でRF信号を送受信する場合、接地ビア18aは隣接するチップアンテナ100の中心線から1.875mm〜3.75mmだけ離隔することができ、好ましくは2.68mmだけ離隔することができる。
【0034】
接地ビア18aは複数個が設けられることができる。複数の接地ビア18aは、チップアンテナ100のY軸方向の幅に対応するように、Y軸方向に沿って所定距離だけ離隔して配置されることができる。実施形態により、接地ビア18aはチップアンテナ100のY軸方向の幅に対応する一つの金属で形成されることができる。
【0035】
本実施形態によると、接地ビア18aによって、チップアンテナ100のそれぞれから送受信されるRF信号の干渉を効果的に減少させることができる。
【0036】
一方、
図2dを参照すると、基板10は隣接するチップアンテナ100の間に設けられ、上面から突出する遮蔽壁11をさらに含むことができる。遮蔽壁11は隣接するチップアンテナ100のそれぞれから基準距離だけ離隔するように設けられて、隣接するチップアンテナ100の離隔距離を同一に分割することができる。遮蔽壁11はチップアンテナ100のY軸方向の幅に対応する幅、及びチップアンテナ100のZ軸方向の高さに対応する高さを有することができる。
【0037】
接地層16bと接続される接地ビア18aは遮蔽壁11に沿って伸びることができる。本実施形態によると、遮蔽壁11に伸びる接地ビア18aによって、チップアンテナ100のそれぞれから送受信されるRF信号の干渉を効果的に減少させることができる。
【0038】
また、
図1、
図2a、及び
図3aを参照すると、基板10の上面にはチップアンテナ100と接合される上面パッド16cが設けられる。基板10の他面、具体的には、下面には電子素子50が実装されることができる。基板10の下面には電子素子50と電気的に連結される下面パッド16dが設けられる。
【0039】
基板10の下面には絶縁保護層19が配置されることができる。絶縁保護層19は基板10の下面において絶縁層17と配線層16を覆う形で配置されて、絶縁層17の下面に配置される配線層16を保護する。一例として、絶縁保護層19は絶縁樹脂及び無機フィラーを含むことができる。絶縁保護層19は配線層16の少なくとも一部を露出させる開口部を有することができる。上記開口部に配置されるソルダーボールを通じて、電子素子50は下面パッド16dに実装されることができる。
【0040】
図2e及び
図2fは
図2aのチップアンテナモジュールの変形実施形態を示す。
【0041】
図2e及び
図2fの実施形態によるチップアンテナモジュールは
図2aのチップアンテナモジュールと類似するため、重複する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
【0042】
図2eを参照すると、基板10は少なくとも一つの配線層1210b、少なくとも一つの絶縁層1220b、少なくとも一つの配線層1210bに連結された配線ビア1230b、配線ビア1230bに連結された接続パッド1240b、ソルダーレジスト層1250bを含む。基板10は銅再配線層(Redistribution Layer、RDL)と類似した構造を有することができる。基板10の上面にはチップアンテナが配置されることができる。
【0043】
IC1301b、PMIC1302b及び複数の受動部品1351b、1352b、1353bはソルダーボール1260bを通じて基板の下面に実装されることができる。IC1301bはチップアンテナモジュール1を動作させるためのICに該当する。PMIC1302bは電源を生成し、生成した電源を基板10の少なくとも一つの配線層1210bを通じてIC1301bに伝達することができる。
【0044】
上記複数の受動部品1351b、1352b、1353bはIC1301b及び/又はPMIC1302bにインピーダンスを提供することができる。例えば、上記複数の受動部品1351b、1352b、1353bはMLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor)などのようなキャパシタ、インダクタ、及びチップ抵抗器のうち少なくとも一部を含むことができる。
【0045】
図2fを参照すると、基板10は少なくとも一つの配線層1210a、少なくとも一つの絶縁層1220a、配線ビア1230a、接続パッド1240a、ソルダーレジスト層1250aを含むことができる。
【0046】
基板10の下面には電子部品パッケージが実装される。電子部品パッケージはIC1300a、IC1300aの少なくとも一部を封止する封止材1305a、第1側面がIC1300aと向かい合う支持部材1355a、IC1300aと支持部材1355aに電気的に連結された少なくとも一つの配線層1310a、及び絶縁層1280aを含む連結部材を含むことができる。
【0047】
IC1300aで生成されたRF信号は少なくとも一つの配線層1310aを通じて基板10に伝達されてチップアンテナモジュール1の上面方向に送信されることができ、チップアンテナモジュール1に受信されたRF信号は少なくとも一つの配線層1310aを通じてIC1300aに伝達されることができる。
【0048】
電子部品パッケージはIC1300aの一面及び/又は他面に配置された接続パッド1330aをさらに含むことができる。IC1300aの一面に配置された接続パッド1330aは少なくとも一つの配線層1310aに電気的に連結されることができ、IC1300aの他面に配置された接続パッド1330aは下端配線層1320aを通じて支持部材1355a又はコアメッキ部材1365aに電気的に連結されることができる。コアメッキ部材1365aはIC1300aに接地を提供することができる。
【0049】
支持部材1355aはコア誘電層1356a、及びコア誘電層1356aを貫通して下端配線層1320aに電気的に連結される少なくとも一つのコアビア1360aを含むことができる。上記少なくとも一つのコアビア1360aはソルダーボール(solder ball)、ピン(pin)、ランド(land)などの電気連結構造体1340aに電気的に連結されることができる。したがって、支持部材1355aは基板10の下面からベース信号又は電源の供給を受けて少なくとも一つの配線層1310aを通じてベース信号及び/又は電源をIC1300aに伝達することができる。
【0050】
IC1300aはベース信号及び/又は電源を用いてミリ波(mmWave)帯域のRF信号を生成することができる。例えば、IC1300aは低周波数のベース信号の伝達を受け、ベース信号の周波数変換、増幅、フィルタリング位相制御及び電源生成を行うことができる。IC1300aは高周波特性を実現するために、化合物半導体(例:GaAs)及びシリコン半導体のうちの一つで形成されることができる。一方、電子部品パッケージは少なくとも一つの配線層1310aに電気的に連結される受動部品1350aをさらに含むことができる。受動部品1350aは支持部材1355aが提供する収容空間1306aに配置されることができる。受動部品1350aはセラミックキャパシタ(Multi Layer Ceramic Capacitor、MLCC)やインダクタ、チップ抵抗器のうち少なくとも一部を含むことができる。
【0051】
一方、電子部品パッケージは支持部材1355aの側面に配置されたコアメッキ部材1365a、1370aを含むことができる。コアメッキ部材1365a、1370aはIC1300aに接地を提供することができ、IC1300aの熱を外部に発散させたり、IC1300aに流入するノイズを除去したりすることができる。
【0052】
連結部材を除外した電子部品パッケージの構成と、連結部材はそれぞれ独立して製造されて結合されることができるが、設計によって共に製造されることもできる。一方、
図2fでは、電子部品パッケージが電気連結構造体1290aとソルダーレジスト層1285aを通じて基板10に結合されているが、実施形態により、電気連結構造体1290aとソルダーレジスト層1285aは省略されることができる。
【0053】
図3aを参照すると、チップアンテナモジュール1は少なくとも一つのエンドファイアアンテナ200をさらに含むことができる。エンドファイアアンテナ200はそれぞれ、エンドファイアアンテナパターン210、ディレクターパターン215及びエンドファイアフィードライン220を含むことができる。
【0054】
エンドファイアアンテナパターン210は側面方向にRF信号を送信又は受信することができる。エンドファイアアンテナパターン210は基板10の側面に配置されることができ、ダイポール(dipole)状又は折り返しダイポール(folded dipole)状に形成されることができる。ディレクターパターン215はエンドファイアアンテナパターン210に電磁的にカップリングされて複数のエンドファイアアンテナパターン210の利得や帯域幅を向上させることができる。エンドファイアフィードライン220はエンドファイアアンテナパターン210から受信されたRF信号を電子素子又はICに伝達することができ、電子素子又はICから伝達されたRF信号をエンドファイアアンテナパターン210に伝達することができる。
【0055】
一方、
図3aの配線パターンによって形成されるエンドファイアアンテナ200は
図3bに示されているように、チップ状のエンドファイアアンテナ200で実現されることができる。
【0056】
図3bを参照すると、エンドファイアアンテナ200はそれぞれ、本体部230、放射部240、及び接地部250を含む。
【0057】
本体部230は六面体の形状を有し、誘電体(dielectric substance)で形成される。例えば、本体部230は所定の誘電率を有するポリマーやセラミック焼結体で形成されることができる。
【0058】
放射部240は本体部230の第1面に接合され、接地部250は本体部230の第1面とは逆の第2面に接合される。放射部240及び接地部250は同一の材質で形成されることができる。放射部240及び接地部250はAg、Au、Cu、Al、Pt、Ti、Mo、Ni、Wのうちから選択された1種であるか又は2種以上の合金で構成されることができる。放射部240及び接地部250は同一の形状及び同一の構造で形成されることができる。放射部240及び接地部250は基板10に実装時、接合されるパッドの種類によって区分されることができる。一例として、給電パッドに接合される部分が放射部240として機能し、接地パッドに接合される部分は接地部250として機能することができる。
【0059】
チップ状のエンドファイアアンテナ200は放射部240と接地部250の間の誘電体によってキャパシタンスを有するため、上記キャパシタンスを利用してカップリングアンテナを設計したり、共振周波数をチューニングしたりすることができる。
【0060】
従来、多層基板内でパターン状に実現されるパッチアンテナが十分なアンテナ特性を確保するためには、基板内に多数の層が求められ、これによりパッチアンテナの体積が過度に増加するという問題をもたらした。上記問題は多層基板内に高い誘電率を有する絶縁体を配置して、絶縁体の厚さを薄く形成し、アンテナパターンのサイズ及び厚さを減らす方式によって解決された。
【0061】
但し、絶縁体の誘電率が高くなる場合、RF信号の波長が短くなり、RF信号が誘電率の高い絶縁体に囲まれて、RF信号の放射効率及び利得が顕著に減少するという問題が発生する。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、従来の多層基板内でパターン状に実現されるパッチアンテナをチップ状に実現して、基板の層の数を画期的に減少させることができる。これにより、本実施形態のチップアンテナモジュール1の製造コスト及び体積を減らすことができる。
【0063】
また、本発明の一実施形態によれば、チップアンテナ100に備えられるセラミック基板の誘電率を、基板10に備えられる絶縁層の誘電率より高く形成して、チップアンテナ100の小型化を図ることができる。
【0064】
さらに、チップアンテナ100のセラミック基板を所定距離だけ離隔したり、セラミック基板の間にセラミック基板より誘電率が低い物質を配置したりして、チップアンテナ100の全体の誘電率を低くすることができる。これにより、チップアンテナモジュール1を小型化しながらも、RF信号の波長を増加させて、放射効率及び利得を向上させることができる。ここで、チップアンテナ100の全体の誘電率は、チップアンテナ100のセラミック基板及びセラミック基板の間のギャップによって形成される誘電率又はチップアンテナ100のセラミック基板及びセラミック基板の間に配置される物質によって形成される誘電率として理解されることができる。したがって、チップアンテナ100のセラミック基板が所定距離だけ離隔したり、セラミック基板の間にセラミック基板より誘電率が低い物質が配置されたりする場合、チップアンテナ100の全体の誘電率をセラミック基板の誘電率より低くすることができる。
【0065】
図4aは本発明の第1実施形態によるチップアンテナの斜視図であり、
図4bは
図4aのチップアンテナの側面図であり、
図4cは
図4aのチップアンテナの断面図であり、
図4dは
図4aのチップアンテナの底面図であり、
図4eは
図4aのチップアンテナの変形実施形態の斜視図である。
【0066】
図4a、
図4b、
図4c、及び
図4dを参照すると、本発明の第1実施形態によるチップアンテナ100は第1セラミック基板110a、第2セラミック基板110b、第1パッチ120aを含み、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0067】
第1パッチ120aは一定の面積を有する平らな板状の金属で形成される。第1パッチ120aは四角形状に形成される。但し、実施形態により、多角形形状、及び円形状などの多様な形状に形成されることができる。第1パッチ120aは給電ビア131と連結されて、給電パッチとして機能及び動作することができる。
【0068】
第2パッチ120b、第3パッチ120cは第1パッチ120aから一定距離だけ離隔して配置され、一つの一定の面積を有する平らな板状の金属で形成される。第2パッチ120b、第3パッチ120cは第1パッチ120aと同一又は異なる面積を有する。一例として、第2パッチ120b、第3パッチ120cは第1パッチ120aより小さい面積で形成されて第1パッチ120aの上部に配置されることができる。一例として、第2パッチ120b、第3パッチ120cは第1パッチ120aより5%〜8%小さく形成されることができる。一例として、第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cの厚さは20μmであってもよい。
【0069】
第2パッチ120b、第3パッチ120cは第1パッチ120aと電磁的にカップリングされて、放射パッチとして機能及び動作することができる。第2パッチ120b、第3パッチ120cはRF信号をチップアンテナ100の実装方向に該当するZ方向にさらに集中させて第1パッチ120aの利得又は帯域幅を向上させることができる。チップアンテナ100は放射パッチとして機能する第2パッチ120b、及び第3パッチ120cのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0070】
第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cはAg、Au、Cu、Al、Pt、Ti、Mo、Ni、Wのうちから選択された1種であるか又は2種以上の合金で構成されることができる。また、第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cは導電性ペーストや導電性エポキシで構成されることができる。
【0071】
第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cはセラミック基板の全面に銅箔を積層して電極を形成した後、形成された電極を設計された形状にパターニングして設けられることができる。電極のパターニングのためにリソグラフィ工程などのエッチング工程が利用されることができる。また、上記電極は無電解メッキでシード(Seed)を形成した後、次の電解メッキを利用して形成されることができ、他にも、スパッタリングでシードを形成した後、次の電解メッキを利用して形成されることができる。
【0072】
また、第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cは導電性ペーストや導電性エポキシをセラミック基板に印刷及び硬化して形成されることができる。印刷工程によって、別途のエッチング工程を行うことなく、第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cを設計された形状に直接形成することができる。
【0073】
一方、実施形態により、第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120c上には第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120cのそれぞれの表面に沿って膜の形状に形成される保護層がさらに形成されることができる。保護層はメッキ工程によって第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120cのそれぞれの表面に形成されることができる。保護層はニッケル(Ni)層とスズ(Sn)層を順次積層したり、亜鉛(Zn)層とスズ(Sn)層を順次積層したりして形成することができる。上記保護層は第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cのそれぞれに形成されて、第1パッチ120a、第2パッチ120b、及び第3パッチ120cの酸化を防止することができる。また、保護層は後述する給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140、スペーサー150の表面に沿って形成されることもできる。
【0074】
第1セラミック基板110aは所定の誘電率を有する誘電体で形成されることができる。一例として、第1セラミック基板110aは六面体形状のセラミック焼結体で形成されることができる。第1セラミック基板110aはマグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、及びチタン(Ti)を含有することができる。一例として、第1セラミック基板110aはMg
2Si0
4、MgAl
2O
4、及びCaTiO
3を含むことができる。他の例として、第1セラミック基板110aはMg
2Si0
4、MgAl
2O
4、及びCaTiO
3の他にも、MgTiO
3をさらに含むことができ、実施形態により、MgTiO
3がCaTiO
3に代わって、第1セラミック基板110aはMg
2Si0
4、MgAl
2O
4、及びMgTiO
3を含むことができる。
【0075】
チップアンテナモジュール1の接地層16bとチップアンテナ100の第1パッチ120aの距離がλ/10〜λ/20に該当する場合、接地層16bはチップアンテナ100から出力されるRF信号を指向方向に効率的に反射することができる。
【0076】
接地層16bが基板10の上面に設けられる場合、チップアンテナモジュール1の接地層16bとチップアンテナ100の第1パッチ120aの距離は概ね、第1セラミック基板110aの厚さ及び接合パッド140の厚さの和と同一である。
【0077】
したがって、第1セラミック基板110aの厚さは接地層16bと第1パッチ120aの設計距離(λ/10〜λ/20)によって決定されることができる。一例として、第1セラミック基板110aの厚さはλ/10〜λ/20の90〜95%に該当することができる。一例として、第1セラミック基板110aの誘電率が28GHzで5〜12の場合、第1セラミック基板110aの厚さは150〜500μmであってもよい。
【0078】
第1セラミック基板110aの一面には第1パッチ120aが設けられ、第1セラミック基板110aの他面には給電パッド130が設けられる。給電パッド130は第1セラミック基板110aの他面に少なくとも一つが設けられることができる。給電パッド130の厚さは20μmであってもよい。
【0079】
第1セラミック基板110aの他面に設けられる給電パッド130は基板10の一面に設けられる給電パッド16aと電気的に連結される。給電パッド130は第1セラミック基板110aを厚さ方向に貫通する給電ビア131と電気的に連結され、給電ビア131は第1セラミック基板110aの一面に設けられる第1パッチ120aに給電信号を提供することができる。給電ビア131は少なくとも一つが設けられることができる。一例として、給電ビア131は二つの給電パッド130に対応するように、二つが設けられることができる。二つの給電ビア131のうち一つの給電ビア131は垂直偏波を発生させるための給電ラインに該当し、もう一つの給電ビア131は水平偏波を発生させるための給電ラインに該当する。給電ビア131の直径は150μmであってもよい。第1セラミック基板110aの他面には接合パッド140が設けられる。第1セラミック基板110aの他面に設けられる接合パッド140は基板10の一面に設けられる上面パッド16cと相互接合される。一例として、チップアンテナ100の接合パッド140はソルダーペーストを通じて、基板10の上面パッド16cと接合されることができる。接合パッド140の厚さは20μmであってもよい。
【0080】
図4dのAを参照すると、接合パッド140は複数個が設けられて、第1セラミック基板110aの他面において、四角形状の角のそれぞれに設けられることができる。
【0081】
また、
図4dのBを参照すると、複数の接合パッド140は、第1セラミック基板110aの他面において、四角形状の一辺及び一辺に対向する他辺のそれぞれに沿って、所定距離だけ離隔して設けられることができる。
【0082】
また、
図4dのCを参照すると、複数の接合パッド140は、第1セラミック基板110aの他面において、四角形状の四つの辺のそれぞれに沿って、所定距離だけ離隔して設けられることができる。
【0083】
また、
図4dのDを参照すると、接合パッド140は、第1セラミック基板110aの他面において、四角形状の一辺及び一辺に対向する他辺のそれぞれに沿って、一辺及び他辺に対応する長さを有する形で設けられることができる。
【0084】
また、
図4dのEを参照すると、接合パッド140は、第1セラミック基板110aの他面において、四角形状の四つの辺のそれぞれに沿って、四つの辺に対応する長さを有する形で設けられることができる。
【0085】
一方、
図4dのA、B、Cでは、接合パッド140が四角形状であるが、実施形態により、接合パッド140は円形などの多様な形状に形成されることができる。また、
図4dのA、B、C、D、Eでは、接合パッド140が四角形状の四つの辺に隣接して配置されているが、実施形態により、接合パッド140は四つの辺から所定距離だけ離隔して配置されることができる。
【0086】
第2セラミック基板110bは所定の誘電率を有する誘電体で形成されることができる。一例として、第2セラミック基板110bは第1セラミック基板110aと類似した六面体形状のセラミック焼結体で形成されることができる。第2セラミック基板110bは第1セラミック基板110aと同一の誘電率を有することができ、実施形態により、第1セラミック基板110aと異なる誘電率を有することもできる。一例として、第2セラミック基板110bの誘電率は第1セラミック基板110aの誘電率より高くてもよい。本発明の一実施形態によれば、第2セラミック基板110bの誘電率が第1セラミック基板110aの誘電率より高い場合、誘電率が高い第2セラミック基板110b側にRF信号が放射されて、RF信号の利得を向上させることができる。
【0087】
第2セラミック基板110bは第1セラミック基板110aより薄い厚さを有することができる。第1セラミック基板110aの厚さは第2セラミック基板110bの厚さの1〜5倍に該当することができ、好ましくは2〜3倍に該当することができる。一例として、第1セラミック基板110aの厚さは150〜500μmであり、第2セラミック基板110bの厚さは100〜200μmであってもよく、好ましくは第2セラミック基板110bの厚さは50〜200μmであってもよい。一方、第2セラミック基板110bは第1セラミック基板110aと同一の厚さを有することができる。
【0088】
本発明の一実施形態によれば、第2セラミック基板110bの厚さによって、第1パッチ120aと第2パッチ120b/第3パッチ120cが適切な距離を維持して、RF信号の放射効率を改善させることができる。
【0089】
第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bの誘電率は基板10の誘電率、具体的には、基板10に備えられる絶縁層17の誘電率より高くてもよい。一例として、第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bの誘電率は28GHzで5〜12であってもよく、基板10の誘電率は28GHzで3〜4であってもよい。これにより、チップアンテナの体積を減少させて、全体的なチップアンテナモジュールの小型化を図ることができる。一例として、本発明の一実施形態によるチップアンテナ100は3.4mmの長さ、3.4mmの幅、0.64mmの高さを有する小型のチップ状に製造されることができる。第2セラミック基板110bの他面には第2パッチ120bが設けられ、第2セラミック基板110bの一面には第3パッチ120cが設けられる。
【0090】
一方、
図4eを参照すると、第2セラミック基板110bの一面には第3パッチ120cと絶縁されて、第2セラミック基板110bの縁領域に沿って形成される遮蔽電極120dが設けられることができる。遮蔽電極120dはチップアンテナ100がn×1の構造などのアレイ状に配列される場合、チップアンテナ100間の干渉を減少させることができる。これにより、チップアンテナ100が4X1のアレイ状に配列される場合、本発明の一実施形態によるチップアンテナモジュール1は19mmの長さ、4.0mmの幅、1.04mmの高さを有する小型のモジュールに製造されることができる。
【0091】
第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bはスペーサー150を通じて相互離隔して配置されることができる。スペーサー150は、第1セラミック基板110aと第2セラミック基板110bの間において、第1セラミック基板110a/第2セラミック基板110bの四角形状の角のそれぞれに設けられることができる。また、実施形態により、第1セラミック基板110a/第2セラミック基板110bの四角形状の一辺及び他辺に設けられたり、第1セラミック基板110a/第2セラミック基板110bの四角形状の四つの辺に設けられたりして、第2セラミック基板110bを第1セラミック基板110aの上部で安定して支持することができる。したがって、スペーサー150によって、第1セラミック基板110aの一面に設けられる第1パッチ120aと第2セラミック基板110bの他面に設けられる第2パッチ120bの間にはギャップが設けられることができる。上記ギャップによって形成される空間に、1の誘電率を有する空気が満たされることにより、チップアンテナ100の全体の誘電率は低くなることができる。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、第1セラミック基板110aと第2セラミック基板110bを基板10の誘電率より高い物質で形成してチップアンテナモジュールを小型化することができる。また、第1セラミック基板110aと第2セラミック基板110bの間にギャップを設けて、チップアンテナ100の全体の誘電率を低くすることにより、放射効率及び利得を向上させることができる。
【0093】
図5は本発明の第1実施形態によるチップアンテナの製造方法を示す製造工程図である。
図5では、一つのチップアンテナが別途製造されているが、実施形態により、多数のチップアンテナが後述する製造方法によって一体に形成された後、一体に形成された多数のチップアンテナが切断工程によって個別のチップアンテナとして分離されることができる。
【0094】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるチップアンテナの製造方法は第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bを設けることから始まる(
図5(a))。次いで、第1セラミック基板110aを厚さ方向に貫通するビアホール(VH)を形成し(
図5(b))、ビアホール(VH)の内部に導電性ペーストを塗布又は充填して(
図5(c))、給電ビア131を形成する。導電性ペーストはビアホール(VH)の内部全体に充填されたり、ビアホール(VH)の内部面に一定の厚さに塗布されたりすることができる。
【0095】
給電ビア131を形成した後、第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bに導電性ペーストや導電性エポキシを印刷及び硬化して、第1セラミック基板110aの一面に第1パッチ120aを形成し、第1セラミック基板110aの他面に給電パッド130及び接合パッド140を形成し、第2セラミック基板110bの他面に第2パッチ120bを形成し、第2セラミック基板110bの一面に第3パッチ120cを形成する(
図5(d))。
【0096】
次いで、第1セラミック基板110aの一面の角に導電性ペーストや導電性エポキシを厚膜印刷及び硬化して、スペーサー150を形成する(
図5(e))。スペーサー150を形成した後、スペーサー150が形成された領域に導電性ペーストや導電性エポキシをさらに1回以上印刷し、さらに印刷された導電性ペーストや導電性エポキシが硬化する前に、第2セラミック基板110bをスペーサー150に圧着する(
図5(f))。その後、スペーサー150が形成された領域に印刷された導電性ペーストや導電性エポキシが硬化した後、メッキ工程によって、第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120c、給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140、及びスペーサー150に保護層を形成する。保護層は第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120c、給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140、及びスペーサー150の酸化を防止することができる。次いで、一体に形成された多数のチップアンテナを切断工程によって分離して、個別のチップアンテナが製造されることができる。
【0097】
図6aは本発明の第2実施形態によるチップアンテナの斜視図であり、
図6bは
図6aのチップアンテナの側面図であり、
図6cは
図6aのチップアンテナの断面図である。第2実施形態によるチップアンテナは第1実施形態によるチップアンテナと類似するため、重複する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
【0098】
第1実施形態によるチップアンテナ100の第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bがスペーサー150を通じて相互離隔して配置されるのに対して、第2実施形態によるチップアンテナ100の第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bは接合層155を通じて相互接合されることができる。第2実施形態の接合層155は第1実施形態の第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bの間のギャップによって形成される空間に設けられるものとして理解されることができる。
【0099】
接合層155は第1セラミック基板110aの一面及び第2セラミック基板110bの他面を覆うように形成されて、第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bを全体的に接合することができる。接合層155は一例として、ポリマー(polymer)で形成されることができ、一例として、ポリマーは高分子シートを含むことができる。接合層155の誘電率は第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bの誘電率より低くてもよい。一例として、接合層155の誘電率は28GHzで2〜3であり、接合層155の厚さは50〜200μmであってもよい。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、第1セラミック基板110aと第2セラミック基板110bを基板10の誘電率より高い物質で形成してチップアンテナモジュールを小型化しながらも、第1セラミック基板110aと第2セラミック基板110bの間に第1セラミック基板110a/第2セラミック基板110bより低い誘電率を有する物質を配置して、チップアンテナ100の全体の誘電率を低くすることにより、放射効率及び利得を向上させることができる。
【0101】
図7は本発明の第2実施形態によるチップアンテナの製造方法を示す製造工程図である。
【0102】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるチップアンテナの製造方法は第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bを設けることから始まる(
図7(a))。次いで、第1セラミック基板110aを厚さ方向に貫通するビアホール(VH)を形成し(
図7(b))、ビアホール(VH)の内部に導電性ペーストを塗布又は充填して(
図7(c))、給電ビア131を形成する。導電性ペーストはビアホールの内部全体に充填されたり、ビアホール(VH)の内部面に一定の厚さに塗布されたりすることができる。
【0103】
給電ビア131を形成した後、第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bに導電性ペーストや導電性エポキシを印刷及び硬化して、第1セラミック基板110aの一面に第1パッチ120aを形成し、第1セラミック基板110aの他面に給電パッド130及び接合パッド140を形成し、第2セラミック基板110bの他面に第2パッチ120bを形成し、第2セラミック基板110bの一面に第3パッチ120cを形成する(
図7(d))。次いで、メッキ工程によって、第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120c、給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140に保護層を形成する。保護層は第1パッチ120a、第2パッチ120b、第3パッチ120c、給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140の酸化を防止することができる。
【0104】
保護層を形成した後、第1セラミック基板110aの一面を覆うように接合層155を形成する(
図7(e))。接合層155を形成した後、第2セラミック基板110bと第1セラミック基板110aを圧着する(
図7(f))。接合層155が硬化した後、一体に形成された多数のチップアンテナを切断工程によって分離して、個別のチップアンテナが製造されることができる。
【0105】
図8aは本発明の第3実施形態によるチップアンテナの斜視図であり、
図8bは
図8aのチップアンテナの断面図である。第3実施形態によるチップアンテナは第1実施形態によるチップアンテナと類似するため、重複する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
【0106】
第1実施形態によるチップアンテナ100の第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bがスペーサー150を通じて相互離隔して配置されるのに対して、第3実施形態によるチップアンテナ100の第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bは第1パッチ120aを介して相互接合されることができる。
【0107】
具体的には、第1セラミック基板110aの一面には第1パッチ120aが設けられ、第2セラミック基板110bの一面には第2パッチ120bが設けられる。第1セラミック基板110aの一面に設けられる第1パッチ120aは第2セラミック基板110bの他面と接合されることができる。したがって、第1パッチ120aは第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bの間に介在されることができる。
【0108】
図9は本発明の第3実施形態によるチップアンテナの製造方法を示す製造工程図である。
【0109】
図9を参照すると、本発明の一実施形態によるチップアンテナの製造方法は第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bを設けることから始まる(
図9(a))。次いで、第1セラミック基板110aを厚さ方向に貫通するビアホール(VH)を形成し(
図9(b))、ビアホール(VH)の内部に導電性ペーストを塗布又は充填して(
図9(c))、給電ビア131を形成する。導電性ペーストはビアホール(VH)の内部全体に充填されたり、内部面に一定の厚さに塗布されたりすることができる。
【0110】
給電ビア131を形成した後、第1セラミック基板110a及び第2セラミック基板110bに導電性ペーストや導電性エポキシを印刷及び硬化して、第1セラミック基板110aの一面に第1パッチ120aを形成し、第1セラミック基板110aの他面に給電パッド130及び接合パッド140を形成し、第2セラミック基板110bの一面に第2パッチ120bを形成する(
図9(d))。次いで、第1パッチ120aが形成された領域に導電性ペーストや導電性エポキシをさらに1回以上印刷し、さらに印刷された導電性ペーストや導電性エポキシが硬化する前に、第2セラミック基板110bを第1パッチ120aに圧着する(
図9(e))。第1パッチ120aが硬化した後、メッキ工程によって、第2パッチ120b、給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140に保護層を形成する。保護層は第2パッチ120b、給電パッド130、給電ビア131、接合パッド140の酸化を防止することができる。次いで、一体に形成された多数のチップアンテナを切断工程によって分離して、個別のチップアンテナが製造されることができる。
【0111】
図10は本発明の一実施形態によるチップアンテナモジュールが搭載された携帯端末を概略的に示した斜視図である。
【0112】
図10を参照すると、本実施形態のチップアンテナモジュール1は携帯端末の縁に隣接して配置される。一例として、チップアンテナモジュール1は携帯端末の長さ方向の辺又は幅方向の辺に向かい合うように配置される。本実施形態では、携帯端末の二つの長さ方向の辺及び一つの幅方向の辺の全てにチップアンテナモジュールが配置される場合を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、携帯端末の内部空間が足りない場合には携帯端末の対角方向に二つのチップアンテナモジュールのみを配置するなど、チップアンテナモジュールの配置構造は必要に応じて多様な形態に変形されることができる。チップアンテナモジュール1のチップアンテナを通じて放射されるRF信号は携帯端末の厚さ方向に放射され、チップアンテナモジュール1のエンドファイアアンテナを通じて放射されるRF信号は携帯端末の長さ方向の辺又は幅方向の辺に垂直な方向に放射される。
【0113】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。