特開2020-130017(P2020-130017A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020130017-棒状の魚肉練食品とその製造方法 図000003
  • 特開2020130017-棒状の魚肉練食品とその製造方法 図000004
  • 特開2020130017-棒状の魚肉練食品とその製造方法 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-130017(P2020-130017A)
(43)【公開日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】棒状の魚肉練食品とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/00 20160101AFI20200803BHJP
【FI】
   A23L17/00 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-26132(P2019-26132)
(22)【出願日】2019年2月16日
(71)【出願人】
【識別番号】507129916
【氏名又は名称】津久司蒲鉾有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(72)【発明者】
【氏名】古川 登
【テーマコード(参考)】
4B034
【Fターム(参考)】
4B034LB05
4B034LE01
4B034LK29X
4B034LK38Z
4B034LP03
4B034LP08
4B034LP09
4B034LP11
4B034LP20
4B034LT15
4B034LT30
4B034LT41
4B034LT45
(57)【要約】      (修正有)
【課題】能率よく多量生産しながら綺麗な棒状の魚肉練食品を提供する。
【解決手段】棒状の魚肉練食品1は、魚肉すり身4が所定の形状に成形されて、表面にパン粉3が付着された状態で油で揚げてなる魚肉練食品であって、魚肉すり身が押し出し成形された円柱2で、パン粉は、魚肉すり身からなる円柱の両端面2Aを除く外周面に付着されて、円柱両端の円形端面2Aには付着されておらず、円形端面は、油で揚げられた魚肉すり身の切断面が露出している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚肉すり身が所定の形状に成形されて、表面にパン粉が付着された状態で油で揚げてなる魚肉練食品であって、
前記魚肉すり身が押し出し成形された円柱で、
パン粉は、
魚肉すり身からなる円柱の両端面を除く外周面に付着されて、
円柱両端の円形端面には付着されておらず、
前記円形端面は、油で揚げられた魚肉すり身の切断面が露出してなることを特徴とする棒状の魚肉練食品。
【請求項2】
請求項1に記載する棒状の魚肉練食品であって、
魚肉すり身からなる円柱の直径が8mmよりも大きく、かつ30mmよりも小さいことを特徴とする棒状の魚肉練食品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載する棒状の魚肉練食品てあって、
魚肉すり身に、加熱による熱収縮を防止する収縮防止材が添加されてなることを特徴とする棒状の魚肉練食品。
【請求項4】
魚肉すり身が所定の形状に成形されて、表面にパン粉が付着された状態で油で揚げてなる棒状の魚肉練食品の製造方法であって、
魚肉すり身を連続する円柱に押し出し成形してコンベアで長手方向に移送し、
前記コンベアで長手方向に移送される魚肉すり身からなる円柱の表面にパン粉を付着し、その後、
前記コンベアで長手方向に移送されるパン粉の付着された連続する円柱を直線状に移送しながら加熱油に浸漬して油で揚げた後、
前記コンベアで直線状に移送しながら加熱油から出し、前記コンベアで直線状に移送されるパン粉の付着された円柱を所定の長さに切断して、
円柱の両端面を除く外周面にパン粉を付着して、
円柱両端の円形端面にはパン粉を付着することなく、油で揚げた魚肉すり身の切断面を露出してなる魚肉練食品とすることを特徴とする棒状の魚肉練食品の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載される棒状の魚肉練食品の製造方法であって、
魚肉すり身を直径が8mm以上であって30mm以下とする円柱に成形して押し出しすることを特徴とする棒状の魚肉練食品の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載する棒状の魚肉練食品の製造方法であって、
前記魚肉すり身に、タンパク質の熱収縮を防止する収縮防止材を添加して連続する円柱に成形することを特徴とする棒状の魚肉練食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚肉すり身を成形して表面にパン粉を付着し、パン粉の付着された状態で油で揚げてなる棒状の魚肉練食品とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
魚肉すり身を成形して表面にパン粉を付着して油で揚げた魚肉練食品は、通称「フィッシュカツ」と呼ばれて既に市販されている。さらに、イワシのように特に魚臭の強い魚の臭いを緩和するために、イワシなどの魚肉すり身を押出し成形した後、表面にパン粉を付着し、さらに一対のローラで圧延してシート状として油で揚げた魚肉練食品は開発されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−137215号公報
【特許文献2】特開昭63−157959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、魚肉すり身を2mm〜10mmの厚さにシート状に加工して表面にパン粉を付着した油で揚げて魚臭を改善する魚肉練食品を記載している。この魚肉練食品は、保形性が不足して取扱いが難しくならないように、また魚の風味が乏しくならないように肉厚を2mm以上とし、さらに、魚臭を改善するために肉厚が10mm以下としている。この魚肉練食品は、特定の厚さのシート状として、保形性、風味、魚臭を改善する。すでに「フィッシュカツ」の呼び名で市販されている魚肉練食品は、この魚肉すり身をこの形状として、表面にパン粉を付着して油で揚げたもので、魚臭をより少なくするために、カレー粉を添加してより魚臭を解消するものである。
【0005】
魚肉すり身を細長い棒状に成形することで、さらに多くの食品、たとえば、巻き寿司やハンバーグなどの食材として美味に食することができる。棒状の魚肉練食品は、曲がりのない直線状として種々の食品に使用できるが、油で揚げた棒状の魚肉練食品は、曲がらない直線状となるように油で揚げるのが極めて難しい。魚肉すり身を油で揚げると、タンパク質の熱収縮が原因で局部的な縮みが発生し、変形して直線状とならずに商品価値が著しく低下する。
【0006】
魚肉すり身を棒状とする魚肉練食品として、ちくわが市販されている。ちくわは、鉄製の金属ロッドの表面に魚肉すり身を付着して加熱し、あるいは竹の表面に魚肉すり身を付着して加熱して製造される。このような魚肉練食品は、魚肉すり身を金属ロッドや竹の表面に一定の厚さで付着し、さらに金属ロッドや竹の両端を一定の長さで露出させる状態とするので、魚肉すり身の付着に手間がかかって製造コストが高くなる欠点がある。また、金属ロッドに魚肉すり身を付着して製造されるちくわは、焼いた後に金属ロッドを抜き取るのにさらに手間がかかり、竹に魚肉すり身を付着して製造されるちくわは、一定の太さと長さの竹を必要とするので、原料コストが高くなり、またユーザーは竹の廃棄に手間がかかる欠点がある。さらに、ちくわは、金属ロッドや竹に魚肉すり身を付着しているので、魚肉すり身が円筒状となって円柱状には成形できない欠点もある。さらに、円筒状のちくわは、中央部から水分が失われやすいので、魚肉すり身の水分率が次第に低下して硬くなって食感が低下する欠点がある。
【0007】
特許文献2は、円柱状のかまぼこを記載する。このかまぼこは、魚肉すり身をシート状や繊維状に成形して加熱した後、これを収束し、巻き付け、あるいは積層して棒状に成形しているので、円柱状に成形できるが、金属ロッドを使用して製造される円筒状のちくわよりも更に製造に手間がかかる。また、繊維状やシート状に加熱した後、集合して棒状とするので、全体を魚肉すり身とする魚肉練食品の食感を実現できない。それは、繊維状やシート状に整形して加熱すると、表面が内部よりも硬くなって、全体が均一にならないからである。
【0008】
本発明は従来の魚肉練食品、とくにフィッシュカツの欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の大切な目的は、能率よく多量生産しながら綺麗な棒状にできる魚肉練食品とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の棒状の魚肉練食品は、魚肉すり身が所定の形状に成形されて、表面にパン粉が付着された状態で油で揚げてなる魚肉練食品であって、魚肉すり身が押し出し成形された円柱で、パン粉は、魚肉すり身からなる円柱の両端面を除く外周面に付着されて、円柱両端の円形端面には付着されておらず、円形端面は、油で揚げられた魚肉すり身の切断面が露出している。
【0010】
また、本発明の棒状の魚肉練食品は、魚肉すり身からなる円柱の直径を、8mmよりも大きく、かつ30mmよりも小さくすることができる。
【0011】
さらに、本発明の棒状の魚肉練食品は、魚肉すり身に、加熱による熱収縮を防止する収縮防止材を添加することができる。
以上の魚肉練食品は、収縮防止材によって曲がりをさらに抑制して、理想的な直線状にできる特徴がある。
【0012】
本発明の棒状の魚肉練食品の製造方法は、魚肉すり身が所定の形状に成形されて、表面にパン粉が付着された状態で油で揚げてなる棒状の魚肉練食品の製造方法であって、魚肉すり身を連続する円柱に押し出し成形してコンベアで長手方向に移送し、コンベアで長手方向に移送される魚肉すり身からなる円柱の表面にパン粉を付着し、その後、コンベアで長手方向に移送されるパン粉の付着された連続する円柱を直線状に移送しながら加熱油に浸漬して油で揚げた後、コンベアで直線状に移送しながら加熱油から出し、コンベアで直線状に移送されるパン粉の付着された円柱を所定の長さに切断して、円柱の両端面を除く外周面にパン粉を付着して、円柱両端の円形端面にはパン粉を付着することなく、油で揚げた魚肉すり身の切断面を露出してなる魚肉練食品とする。
【0013】
また、本発明の棒状の魚肉練食品の製造方法は、魚肉すり身を直径が8mm以上であって30mm以下とする円柱に成形して押し出しすることができる。
【0014】
さらに、本発明の棒状の魚肉練食品の製造方法は、魚肉すり身に、タンパク質の熱収縮を防止する収縮防止材を添加して連続する円柱に成形することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の棒状の魚肉練食品とその製造方法は、能率よく多量生産しながら綺麗な棒状にできる特徴がある。それは、以上の魚肉練食品が、魚肉すり身を押し出し成形した円柱の表面に、両端面を除く外周面にパン粉が付着されて、円柱両端の円形端面には付着されず、円形端面は油で揚げた魚肉すり身の切断面としているからである。この魚肉練食品は、魚肉すり身を押し出し成形して円柱に成形することで、円柱の魚肉すりを高密度に成形でき、さらに、両端の円形端面は油で揚げた魚肉すり身の切断面とするので、長い円柱を油で揚げた後、すなわち、タンパク質が熱収縮する状態では長い円柱として、曲がりを防止できる。両端が切断された円柱は、油で揚げて加熱する状態で、両端の移動を制約できず、タンパク質の熱収縮で全体が曲がるのを防止できない。以上の魚肉練食品とその製造方法は、魚肉すり身を長い円柱に成形して油で揚げた後、切断して製品となるので、油で揚げる状態では、製品の長さに切断されていない。複数の魚肉練食品となる円柱が連結する状態で油で揚げられると、連続する円柱は隣りの円柱両端の変形を抑制する。切断された円柱は、両端が自由に変形するが、連続する円柱は両端が隣の円柱に連結されて切断されて両端となる部分の変形が隣の円柱で制約されるからである。連続する円柱を油で揚げ、熱収縮を抑制した後、切断して魚肉練食品に分割されるので、油で揚げる工程で多数の円柱を能率よく加熱でき、さらに、切断して各々の魚肉練食品となるので極めて能率よく多量生産できる特徴がある。すなわち、以上の魚肉練食品とその製造方法は、能率よく多量生産しながら曲がりを抑制して綺麗な直線状にできるという、理想的な特徴が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の棒状の魚肉練食品を示す概略斜視図である。
図2】本発明の棒状の魚肉練食品を製造する製造装置の一例を示す概略構成図である。
図3図2に示す製造装置の押し出し成形機の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0018】
図1に示す棒状の魚肉練食品1は、魚肉すり身4を押し出し成形して連続する円柱2に成形し、成形された円柱2の表面にパン粉3を付着した後、油で揚げて一定の長さに切断して製造される。魚肉すり身4は、好ましくは、スケソウダラ、タチウオ、エソ等の複数の魚に、食塩、カレー粉、唐辛子、調味料、塩を添加してすり潰して製作される。食塩の添加量は、10kgの魚肉すり身に対して、好ましくは10g〜300g、より最適には30g〜100gとする。さらに魚肉すり身4は、加熱による縮みを防止するために収縮防止材を添加することが好ましい。収縮防止材を添加した魚肉すり身4は、円柱2に成形して油で揚げるときの熱収縮による変形を抑制し、油で揚げた状態での変形を少なくして、とくに綺麗な直線状にできる特徴がある。収縮防止材には、好ましくは、寒天、ヒドロキシプロピル燐酸架橋デンプンなどを使用し、その添加量は、好ましくは10kgの魚肉すり身に対して10g〜100gとする。収縮防止材は、加熱される魚肉すり身4の加熱安定性、耐熱性、離水性を改善して、油で揚げる工程での変形を抑制する効果がある。
【0019】
魚肉すり身4は、図2に示す製造装置100で連続して製造される。魚肉すり身は、図3に示す押し出し成形機10で押し出し成形して連続する円柱2に成形される。この図の押し出し成形機10は、魚肉すり身3を加圧して押し出す圧送機11と、圧送機11で押し出しされる魚肉すり身を移送する移送路12と、移送路12の先端に連結している成形筒13とを備える。移送路12は、その先端に、移送方向に横幅が広くなるテーパー状の拡散路14を設けている。
【0020】
拡散路14の先端面に複数の成形筒13を連結している。成形筒13は、長さが内径の2倍以上で、内面を平滑面とする金属製又はプラスチック製の円形パイプである。内面を平滑面とし、長さが内径の2倍以上とする成形筒13は、成形する円柱表面を綺麗な平滑面として、連続的に押し出し成形できる。成形筒13は、長すぎると、内部を圧送される魚肉すり身の摩擦抵抗が大きくなるので、好ましくは30cmよりも短くする。
【0021】
成形筒13は、拡散路14の先端面に設けられた貫通穴(図示せず)に一端を連結して、拡散路14から圧送される魚肉すり身を連続する円柱2に成形して押し出す。成形筒13から連続的に押し出される円柱2の外径は成形筒13の内径で調整できる。成形筒13の内径が成形される円柱2の外径にほぼ等しくなるからである。魚肉すり身の円柱2の直径は、好ましくは8mmよりも大きくて30mmよりも小さく、より好ましくは10mm以上であって20mmより小さくする。円柱2の直径が8mmより小さいと食感が低下し、30mmより大きいと円柱2の内部まで加熱するのに時間がかかって油で揚げる時間が長くなり、また、使用できる食材が限定されて用途が限定されるからである。
【0022】
図3の押し出し成形機10は、拡散路14に3本の成形筒13を平行に連結して、魚肉すり身の円柱2を3列に並べて押し出し成形する。複数の成形筒13から魚肉すり身を円柱2に成形して押し出し成形する成形機10は、単位時間に多量の円柱2を能率よく成形できる特徴がある。また、拡散路14から細い成形筒13に魚肉すり身を加圧して押し込んで成形する成形機10は、魚肉すり身を高密度に加圧して円柱2に成形できる特徴がある。
【0023】
各々の成形筒13は、互いに分離して、好ましくは隣との間隔を1cm以上として拡散路14に連結される。互いに離して配置される成形筒13は、隣接する円柱2を分離して押し出しできるので、パン粉を付着する工程で、円柱表面の全面に均一にパン粉を付着できる特徴がある。
【0024】
成形筒13から押し出しされた連続する円柱2は、パン粉3の付着領域21に移送されて、表面全体にパン粉3が付着される。パン粉3の付着領域21は、ベルトコンベア25の上に所定の厚さでパン粉3を載せており、さらに上からパン粉3を散布している領域であって、円柱2はこの領域においてパン粉3に埋設された状態で移送されて、表面全体にパン粉3が付着される。パン粉3の付着領域21を通過する円柱2は、魚肉すり身の付着力で表面にパン粉が付着される。円柱2の表面に付着したパン粉3は、円柱表面から内部に押し込まれることなく、円柱2の表面から突出する状態で付着される。
【0025】
表面にパン粉3が付着された円柱2は、3列に並べられた状態で、切断されることなく連結する状態でネットコンベア35に載せられて油で揚げる工程に移送される。油で揚げる工程は、連続する円柱2を金属製のネットコンベア35に載せて移送する。ネットコンベア35は、連結する円柱2を油槽31に蓄えている加熱された油32に浸漬して油32で揚げて排出する。ネットコンベア35は、油槽31の搬入側では下り勾配に傾斜しながら円柱2を移送して油32に浸漬し、排出側では上り勾配に傾斜しながら円柱2を移送して、油32で揚げた円柱2を排出する。
【0026】
油槽31から排出された連続する円柱2は、水平方向に移動するベルトコンベア45に供給される。ベルトコンベア45は、連続する円柱2を所定の長さに切断する切断機40を上方に配置している。切断機40は、ベルトコンベア45の上面に向かって上下運動する刃物41と、この刃物41を往復運動させるシリンダ42と、このシリンダ42の往復運動を制御する制御器43とを備える。刃物41は、上下運動してベルトコンベア45に3列に並べて移送している円柱2を一緒に切断する。刃物41は、連続する3列の円柱2を同時に切断する長さを有し、制御器43で上下運動が制御されるシリンダ42で往復運動される。制御器43は、ベルトコンベア45が予め設定している一定の距離移動すると、刃物41を上下運動して円柱2を一定の長さに切断する。
【0027】
円柱が一定の長さに切断されて、通称「フィッシュカツ」と呼ばれる円柱状の魚肉練食品1となる。この魚肉練食品1は、図1に示すように、魚肉すり身4が押し出し成形して円柱状に成形され、円柱2の表面にはパン粉3が付着され、円柱2の表面にパン粉3を付着する状態で油で揚げられて、パン粉3と魚肉すり身4の両方が油で揚げられた状態にあり、パン粉3は、円柱2の両端面を除く外周面にのみ付着されて、円柱両端の円形端面2Aにはパン粉3が付着されず、円柱2の円形端面2Aは、油で揚げられた魚肉すり身4の切断面が露出した状態となっている。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の棒状の魚肉練食品とその製造方法は、魚肉すり身を棒状に成形して表面にパン粉を付着して油で揚げる魚肉練食品を綺麗な棒状としながら、能率よく多量生産できる。
【符号の説明】
【0029】
100…製造装置
1…魚肉練食品
2…円柱
2A…円形端面
3…パン粉
4…魚肉すり身
10…成形機
11…圧送機
12…移送路
13…成形筒
14…拡散路
21…付着領域
25…ベルトコンベア
31…油槽
32…油
35…ネットコンベア
40…切断機
41…刃物
42…シリンダ
43…制御器
45…ベルトコンベア
図1
図2
図3