特開2020-131154(P2020-131154A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2020131154-液体処理装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-131154(P2020-131154A)
(43)【公開日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】液体処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 37/04 20060101AFI20200803BHJP
   B01D 33/06 20060101ALI20200803BHJP
   B01D 35/16 20060101ALI20200803BHJP
   B63B 13/00 20060101ALI20200803BHJP
【FI】
   B01D37/04
   B01D33/06 D
   B01D35/16
   B63B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-31054(P2019-31054)
(22)【出願日】2019年2月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】丹下 智陽
(72)【発明者】
【氏名】菊地 将司
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英彦
(72)【発明者】
【氏名】向山 茂樹
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116BB15
4D116BB18
4D116BC25
4D116BC27
4D116BC45
4D116BC46
4D116BC47
4D116BC75
4D116DD06
4D116FF17B
4D116GG02
4D116KK04
4D116QA01C
4D116QA01D
4D116QA01E
4D116QA01F
4D116QA13C
4D116QA13D
4D116QA13E
4D116QA13F
4D116QA38B
4D116QA38C
4D116QA38E
4D116QA38F
4D116QA43C
4D116QA43E
4D116QA43F
4D116QA44C
4D116QA44E
4D116QA44F
4D116QB03
4D116QB04
4D116QB23
4D116QB26
4D116QB37
4D116QB49
4D116QC02B
4D116QC04A
4D116QC04B
4D116QC23D
4D116QC26A
4D116QC29D
4D116QC32A
4D116QC32D
4D116QC34D
4D116QC51A
4D116QC51B
4D116QC51D
4D116RR01
4D116RR05
4D116RR14
4D116RR16
4D116RR21
4D116RR26
4D116RR30
4D116VV01
4D116VV07
4D116VV10
4D116VV30
(57)【要約】
【課題】フィルタ前後の差圧に基づいて制御対象の制御を行う際に、フィルタを流通する流量が少ない場合にも、制御対象を適切に制御することの可能な液体処理装置を提供する。
【解決手段】フィルタ2を備えた液体処理装置100であって、圧力センサ6と、流量計9と、制御手段7とを備え、圧力センサ6は、フィルタ2の一次圧P1及び二次圧P2を検出するよう構成され、流量計9は、フィルタ2により濾過処理される液体の流量を検出するよう構成され、制御手段7は、圧力センサ6によって検出された一次圧P1と二次圧P2の差圧ΔPを、流量計9により検出された液体の流量に基づいて設定される閾値Pqと比較することで、制御対象の制御を行う、液体処理装置100が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを備えた液体処理装置であって、
圧力センサと、流量計と、制御手段とを備え、
前記圧力センサは、前記フィルタの一次圧及び二次圧を検出するよう構成され、
前記流量計は、前記フィルタにより濾過処理される液体の流量を検出するよう構成され、
前記制御手段は、前記圧力センサによって検出された前記一次圧と二次圧の差圧を、前記流量計により検出された液体の流量に基づいて設定される閾値と比較することで、制御対象の制御を行う、液体処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体処理装置であって、
前記制御対象は、下記(1)〜(3)の少なくとも1つである、液体処理装置。
(1)前記フィルタに向かって洗浄液を噴出するよう構成された洗浄液噴出手段の動作
(2)前記フィルタにより濾過処理される液体の流量
(3)前記液体処理装置の動作
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液体処理装置であって、
前記制御手段は、前記閾値の設定を、都度計算によって又は予め記憶されたテーブルに基づいて行う、液体処理装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の液体処理装置であって、
排出手段と、回転手段とを備え、
前記フィルタは円筒状に形成され、
前記排出手段は、排出ノズルと、排出管とを備え、
前記排出ノズルは、前記フィルタの一次側において前記フィルタに対向するよう配置され、
前記排出管は、前記排出ノズルから導入された水を前記液体処理装置の外部に排出するよう配置され、
前記回転手段は、前記フィルタを回転させるよう構成される、水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタを有する液体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンカー等の船舶は、積み荷の原油等を降ろした後、再度目的地に向けて航行する際、航行中の船舶のバランスを取るため、通常、バラスト水と呼ばれる水をバラストタンク内に貯留する。このような船舶には、バラスト水の注排水による生態系の破壊を防ぐため、バラスト水を浄化処理する水処理装置(バラスト水処理装置)が設けられている。
【0003】
バラスト水処理装置の一種としては、円筒状のフィルタをケーシング内に配置することでバラスト水を濾過処理する方式のもの(濾過装置)が知られている。この方式においては、フィルタの閉塞を防ぐため、恒常的なフィルタの洗浄が重要とされている。
【0004】
そこで、フィルタに堆積している異物を除去する構成として、例えば特許文献1には、フィルタの二次側に配置され、フィルタに向かって洗浄水を噴出する洗浄ノズルを備えたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−141785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような洗浄ノズルを備える濾過装置では、フィルタ前後の差圧に基づいて洗浄水の噴出を制御している。しかしながら、フィルタを流通する水等の液体の流量が少ない場合、フィルタ詰まりが進行しても、洗浄液を噴出させる差圧に達しないため洗浄が行われないという問題があった。また、このような状態で流量を増加させると、差圧が大きくなってフィルタ等に悪影響を及ぼすおそれもあった。
【0007】
さらに、洗浄水の噴出の制御に限らず、フィルタを流通する水等の液体の流量や、バラスト水処理装置自体等といった制御対象の動作についても、フィルタ前後の差圧に基づいて制御することが考えられる。しかしながらこの場合も、流通する水等の液体の流量が少ないと差圧が上昇しないため、適切な制御を行うことは困難であった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フィルタ前後の差圧に基づいて制御対象の制御を行う際に、フィルタを流通する流量が少ない場合にも、制御対象を適切に制御することの可能な液体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、フィルタを備えた液体処理装置であって、圧力センサと、流量計と、制御手段とを備え、前記圧力センサは、前記フィルタの一次圧及び二次圧を検出するよう構成され、前記流量計は、前記フィルタにより濾過処理される液体の流量を検出するよう構成され、前記制御手段は、前記圧力センサによって検出された前記一次圧と二次圧の差圧を、前記流量計により検出された液体の流量に基づいて設定される閾値と比較することで、制御対象の制御を行う、液体処理装置が提供される。
【0010】
本発明によれば、制御手段が、フィルタの一次圧と二次圧の差圧及びフィルタを流通する液体の流量に基づいて洗浄液噴出手段を制御することから、フィルタを流通する液体の流量が変化する場合であっても、適切にフィルタを洗浄することが可能となっている。
【0011】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0012】
好ましくは、前記制御対象は、下記(1)〜(3)の少なくとも1つである。
(1)前記フィルタに向かって洗浄液を噴出するよう構成された洗浄液噴出手段の動作
(2)前記フィルタにより濾過処理される液体の流量
(3)前記液体処理装置の動作
【0013】
好ましくは、前記制御手段は、前記閾値の設定を、都度計算によって又は予め記憶されたテーブルに基づいて行う。
【0014】
好ましくは、排出手段と、回転手段とを備え、前記フィルタは円筒状に形成され、前記排出手段は、排出ノズルと、排出管とを備え、前記排出ノズルは、前記フィルタの一次側において前記フィルタに対向するよう配置され、前記排出管は、前記排出ノズルから導入された水を前記液体処理装置の外部に排出するよう配置され、前記回転手段は、前記フィルタを回転させるよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るバラスト水処理装置100の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0017】
本発明の実施形態に係る液体処理装置としてのバラスト水処理装置100は、船舶に設置されるバラスト装置において、バラスト水の浄化のために導入される。なお、本明細書における「バラスト水」については、バラストタンク(図示せず)に導入される前又はバラストタンクから排出された後に拘わらず、また、バラスト水処理装置100に導入(流入)される前又はバラスト水処理装置100から排出(流出)された後に拘わらず、船内に取り込まれた水を全て「バラスト水」と表現する。また、船内に取り込むバラスト水には、海水、淡水、汽水等が含まれるものとする。
【0018】
1.構成
本実施形態のバラスト水処理装置100は、図1に示すように、円筒状のケーシング1と、円筒状のフィルタ2と、フィルタ回転手段3とを備える。円筒状のフィルタ2は、ケーシング1内に配置され内部(一次側)に流入した海水等の濾過処理前のバラスト水を濾過して外部(二次側)へ流出させる。フィルタ回転手段3は、フィルタ2をその軸心を中心に回転させる。
【0019】
また、バラスト水処理装置100は、濾過処理中のフィルタ2の洗浄のため、フィルタ2の一次側のバラスト水を排出する排出手段4と、フィルタ2の二次側に設けられ、フィルタ2に向かって洗浄水を噴出する洗浄液噴出手段5と、フィルタ2の一次側の圧力(一次圧)及び二次側の圧力(二次圧)を検出する圧力センサ6と、制御手段7とを備える。以下、各構成を具体的に説明する。
【0020】
ケーシング1は、円筒状に形成され、上部開口部が蓋部11で、下部開口部が底部12で密閉されている。ケーシング1内に配置された円筒状のフィルタ2は、その上部開口部が上閉止部13で密閉され、下部開口部が下閉止部14で閉止される。これらの構成により、フィルタ2内部(一次側)が、ケーシング1とフィルタ2の間(二次側)と隔てられている。フィルタ2は、例えば、多数の貫通孔が形成された金属板を円筒状に曲げ加工すると共に、円筒状の軸方向に延びる一対の側縁部を溶接することにより形成される。
【0021】
ケーシング1の下部には、濾過処理前のバラスト水をフィルタ2の内部に導入する導入口15が設けられる。導入口15には、導入ラインL1が接続される。導入ラインL1には、開閉弁V1を挟んで開閉弁バラスト水を圧送するバラスト装置のポンプ8が接続される。また、ケーシング1の側部には、フィルタ2を通過した濾過処理後のバラスト水が流出する流出口16が設けられる。
【0022】
導入ラインL1を流れ導入口15から導入されたバラスト水は、下部回転軸部材32を通ってフィルタ2内に入り、フィルタ2を通過し濾過処理されてケーシング1とフィルタ2の間に形成される空間に入り、流出口16から流出する。流出口16から流出した濾過処理後のバラスト水は、流出ラインL2を流通してバラストタンク(図示せず)に貯留される。
【0023】
なお、流出ラインL2には、開閉弁V2と、流量計9とが設けられる。流量計9は、バラスト水処理装置100(フィルタ2)を流通して処理されるバラスト水の流量を検出する。また、流出ラインL2上に、紫外線により生物を殺滅する紫外線処理装置(図示せず)などの他の浄化手段を配置することも好適である。
【0024】
フィルタ回転手段3は、上部回転軸部材31と、下部回転軸部材32と、モータ33とを備える。上部回転軸部材31は、フィルタ2の上閉止部13を保持し、下部回転軸部材32は、下閉止部14を保持する。モータ33は、上部回転軸部材31を回転させる。また、上部回転軸部材31は、ケーシング1の蓋部11を貫通し、シーリングされた軸受部材18を介して蓋部11に回転自在に且つ液密に支持される。下部回転軸部材32は、ケーシング1の底部12を貫通し、シーリングされた軸受部材19を介して底部12に回転自在に且つ液密に支持される。下部回転軸部材32は、フィルタ2内と連通するとともにケーシング1の底部12からケーシング1の外に突出する管状体となっている。
【0025】
排出手段4は、複数の排出ノズル41と、排出管42とを備える。排出手段4は、フィルタ2に付着した異物をケーシング1の外部へと排出するために用いられる。
【0026】
排出ノズル41は、その先端部がフィルタ2の内周面(一次側面)に向かってスリット状に開口し、フィルタ2に対向するよう配置される。排出ノズル41の基端部は、排出管42に接続される。本実施形態において、排出ノズル41は、周方向に90度間隔で4列、それぞれ上下方向に3本づつ、合計12本設けられる(図1では、右方向に延びるもの以外を省略している)。そして、上下に配置されている排出ノズル41の間の未吸引部を無くすため、1方の列の排出ノズル41の間に他の列の排出ノズル41が位置するよう、列ごとに高さ方向の位置をずらして配置されている。
【0027】
排出管42は、上部側がフィルタ2の内部に配置され、下部側がケーシング1外へと延びる。より具体的には、排出管42の上部は、フィルタ2の中心軸に一致する位置に配置され、上端部が閉鎖し下端部が開口している。排出管42の上端部は、フィルタ2の上部回転軸部材31の中央に設けられた孔に挿入されて支持されている。排出管の下部は、下部回転軸部材32の内部を、フィルタ2の回転を妨げないように下方に延びる。排出管42の下端側は、屈曲して延びており、導入口15の周面を貫通している。排出管42には、排出ノズル41を流通したバラスト水及び異物が集合して流通し、これらをケーシング1(バラスト水処理装置100)の外部へと排出する。また、本実施形態の排出管42には、開度調整が可能な調整弁(図示せず)が設けられている。
【0028】
洗浄液噴出手段5は、複数の洗浄ノズル51と、洗浄ライン52と、洗浄ポンプ53とを備える。複数の洗浄ノズル51は、ケーシング1の側部に設けられており、先端部がケーシング内、特にフィルタ2の外周面に向かって開口している。本実施形態では、各洗浄ノズル51を、複数配置された各排出ノズル41と同周上に配置している。なお、各洗浄ノズル51は、フィルタ2の軸方向全域に洗浄液を噴出できることが好ましいが、その構成は特に限定されるものではない。
【0029】
洗浄ライン52は、各洗浄ノズル51と接続され、洗浄ポンプ53によって圧送される洗浄液を各洗浄ノズル51に供給する。洗浄ライン52にはまた、開閉弁54が設けられている。洗浄ライン52の上流側は、洗浄液供給源(図示せず)に接続される。洗浄液としては、フィルタ2で処理されたバラスト水を用いることが可能である。ただし、バラストタンク内に貯留された水、他の用途で使用する目的で貯留されている生活用水や飲料水などを用いても良い。
【0030】
圧力センサ6は、一次側センサ61と、二次側センサ62とを備える。一次側センサ61は、フィルタ2の一次側に配置され、フィルタ2の一次圧P1を検出する。二次側センサ62は、フィルタ2の二次側に配置され、フィルタ2の二次圧P2を検出する。なお、「フィルタ2の一次側」の具体的な位置としては例えば、フィルタ2の内部や導入口15内部、また、導入ラインL1上が挙げられる。ただし、これらの位置に限定されるものではない。また、「フィルタ2の二次側」の具体的な位置としては例えば、ケーシング1とフィルタ2との間の空間(ケーシング1にソケットを設置するものを含む)や流出口16内部、また、流出ラインL2上が挙げられる。ただし、これらの位置に限定されるものではない。
【0031】
制御手段7は、一次側センサ61により検出されたフィルタ2の一次圧P1と、二次側センサ62により検出されたフィルタ2の二次圧P2から、一次圧P1と二次圧P2の差圧ΔP(=P1−P2)を導出する。この差圧ΔPにより、フィルタ2の汚れ具合を判断することができる。すなわち、差圧ΔPが大きい場合はフィルタ2への異物の堆積量が多くなっていることを示し、差圧が小さい場合はフィルタ2が初期状態に近い状態であることを示している。
【0032】
また、制御手段7は、流出ラインL2に設置された流量計9から、流通するバラスト水の流量Qを取得する。そして、制御手段7は、これら差圧ΔP及び流量Qに基づいて、洗浄液噴出手段5の作動を制御する。制御手段7による洗浄液噴出手段5の具体的な制御については、後述する。
【0033】
2.動作
次に、本実施形態のバラスト水処理装置100の動作、特に濾過処理中のフィルタ2の洗浄の動作を説明する。
【0034】
ポンプ8の駆動によりバラスト水が導入ラインL1を通って導入口15から流入すると、バラスト水はフィルタ2内に入り、フィルタ2を通過し濾過処理される。この際、フィルタ回転手段3はフィルタ2を回転させる。これにより、フィルタ2は排出手段4に対し相対回転する。そして、バラスト水は、ケーシング1とフィルタ2の間に形成される空間に入り、流出口16から流出する。流出したバラスト水は、流出ラインL2を通ってバラストタンク(図示せず)に貯留される。
【0035】
バラスト水の濾過処理中の洗浄動作は、濾過処理中に連続あるいは間欠的に行われる。具体的には、排出手段4内の圧力はフィルタ2の二次圧よりも低いため、排出管42に設置される調整弁を開いておくことで、フィルタ2に付着した異物がフィルタ2の二次側にある濾過後のバラスト水と一緒に排出ノズル41の開口から吸引され、排出管42を通って外部へ排出されるようになっている。
【0036】
また、濾過処理中の洗浄の際には、制御手段7による制御により洗浄液噴出手段5の開閉弁54を開くとともに洗浄ポンプ53を駆動させ、各洗浄ノズル51からフィルタ2に向かって洗浄液を噴出させる。洗浄液が噴出されると、フィルタ2の一次側に堆積した異物が剥離され、剥離した直後に排出ノズル41による吸引が行われるので、フィルタ2から剥離した異物が排出ノズル41により効果的に吸引される。
【0037】
ここで、制御手段7は、差圧ΔPを所定の閾値Pqと比較することで、洗浄液噴出手段5の作動を制御する。閾値Pqは、制御手段7の記憶部(図示せず)に記憶されている。具体的には、制御手段7は、差圧ΔPが閾値Pq以下である場合、フィルタ2への異物の堆積量が少ないと判断して、洗浄液噴出手段5の動作を停止する。一方、制御手段7は、差圧ΔPが閾値Pqよりも大きい場合、フィルタ2への異物の堆積量が増加したと判断して、洗浄液噴出手段5を動作させ、洗浄を開始する。なお、本実施形態では、「洗浄液噴出手段5の動作」が制御手段7の制御対象となる。
【0038】
そして、本実施形態において制御手段7は、流量計9により検出された流通するバラスト水の流量Qに基づいて(流量Qに応じて)、差圧ΔPの閾値Pqを変更する。具体的には、制御手段7は、バラスト水の流量Qが少ない場合には閾値Pqを小さく設定して差圧ΔPが小さくても洗浄液噴出手段5を作動させる。一方、バラスト水の流量Qが定格処理流量である場合は、流量Qが少ない場合よりも閾値Pqを上げ、差圧ΔPが大きくなるまで洗浄液噴出手段5を作動させない。なお、バラスト水の流量Qが定格処理流量以上になった場合には、閾値Pqを維持しても、閾値Pqをさらに大きく設定しても良い。
【0039】
制御手段7による、流通するバラスト水の流量Qに基づく閾値Pqの変更のより具体的な例は、以下のとおりである。制御手段7は、バラスト水処理装置100の定格流量をQrとすると、流量QがQr/3未満(Q<Qr/3)の場合は閾値Pqを第1閾値Pq1に設定し、流量QがQr/3以上Qr/2未満(Qr/3<Q<Qr/2)の場合は閾値Pqを第1閾値Pq1よりも大きい第2閾値Pq2(>Pq1)に設定し、流量QがQr/2以上(Qr/2<Q)の場合は閾値Pqを第2閾値Pq2よりも大きい第3閾値Pq3(>Pq2)に設定する。なお、流出ラインL2に紫外線リアクタ(図示せず)を設置する場合は、バラスト水処理装置100の定格流量ではなく紫外線リアクタの定格流量をもとに基準となる流量を規定しても良い。
【0040】
このように、制御手段7は、流量Qに応じた複数の閾値Pq(例えば、第1閾値Pq1〜第3閾値Pq3)をテーブルとして記憶しておき、テーブルに基づいて閾値Pqを設定するようになっている。なお、流量Qに応じて、閾値Pqに加えて、洗浄液の噴出圧力を調整する制御を行うことも可能である。
【0041】
また、制御手段7による、流通するバラスト水の流量Qに基づく差圧ΔPの閾値Pqの変更の別例として、以下の計算式(i)を用いることも可能である。この制御においては、流量Qの変化に応じて閾値Pqを都度計算している。
Pq=(Q/Qr)α×ΔP×β(ここで、Q:流量、Qr:定格流量、α、β:定数)・・・(i)
このような計算式(i)によって、差圧ΔPの閾値をリアルタイムに算出して用いることによっても、制御手段7は洗浄液噴出手段5を適切に動作させることが可能である。
【0042】
3.効果
以上のように、本実施形態のバラスト水処理装置100は、制御手段7が、圧力センサ6によって検出されたフィルタ2の差圧ΔPを流量Qに基づいて設定される閾値Pqと比較することで洗浄液噴出手段5の作動を制御している。このような構成により、フィルタ2を流通するバラスト水の流量Qが変化する場合であっても、流量Qに応じて洗浄液噴出手段5を適切に作動させ、フィルタ2を洗浄することが可能となっている。
【0043】
具体的には例えば、流出ラインL2に紫外線リアクタを設置している場合において、紫外線照射を適切に行うため流量Qを落とした場合のことを考える。この場合、閾値Pqを一定値として設定していると、フィルタ詰まりが進行しても流量Qが小さいと洗浄液を噴出させる差圧に達しないため、洗浄が適切に行われないおそれがある。しかしながら、本実施形態の制御手段7は、バラスト水の流量Qが少ない場合には閾値Pqを小さく設定するようになっている。したがって、差圧ΔPの値が小さくてもフィルタ2に詰まりが生じていると判断することができ、洗浄液を噴出してフィルタ詰まりを抑制することが可能となっている。
【0044】
また、逆に流量Qが多い場合には、差圧ΔPはフィルタ2に詰まりが生じていなくてもやや大きな値をとることになるが、閾値Pqを大きく設定することで、不要な洗浄液の噴出を抑制することが可能となっている。
【0045】
4.変形例
なお、本発明は、以下の形態でも実施することができる。
・上記実施形態では、制御手段7は閾値Pqの値はバラスト水の流量Qに応じて第1閾値Pq1〜第3閾値Pq3の3つの閾値を設定するよう構成されていたが、流量Qに応じて2段階あるいは4段階以上の閾値を設定することも可能である。また、制御手段7は、バラスト水の流量Qに応じて、無断階に閾値Pqを比例的に変更するよう制御することも可能である。
・上記実施形態では、差圧ΔPを流量Qに基づいて設定される閾値Pqと比較して制御を行う制御手段7の制御対象として、洗浄液噴出手段5の動作を挙げて説明したが、制御対象は洗浄液噴出手段5の動作に限定されない。例えば、制御手段7は、差圧ΔPを流量Qに基づいて設定される閾値Pqと比較することで、フィルタ2により濾過処理される液体の流量Qそのものを制御することも可能である。また、制御手段7は、差圧ΔPを流量Qに基づいて設定される閾値Pqと比較することで、バラスト水処理装置100そのものの動作(浄化処理の停止等)を制御することも可能である。加えて、洗浄液噴出手段5の動作、フィルタ2により濾過処理される液体の流量Q、バラスト水処理装置100の動作のうち、2以上のものを差圧ΔPを流量Qに基づいて設定される閾値Pqと比較することで制御する構成とすることも可能である。なお、フィルタ2により濾過処理される液体の流量Qそのものを制御する構成及び、バラスト水処理装置100そのものの動作を制御する構成を含む場合には、バラスト水処理装置100は洗浄液噴出手段5を備えていなくても良い。すなわち、洗浄液噴出手段5を有しないバラスト水処理装置100も、本発明の対象となる。
・上記実施形態におけるバラスト水処理装置100は、フィルタ2を排出手段4に対して相対回転させる構成であったが、これに限らない。すなわち、本発明を、固定されたフィルタ2に対して排出手段4(排出ノズル41)が回転する構成のバラスト水処理装置に適用しても良い。また、本発明を、排出ノズル41及びフィルタ2がともに回転しない構成のバラスト水処理装置に適用することも可能である。
・上記実施形態では、排出手段4をフィルタ2の内側に配置していたが、排出手段4をフィルタ2の外側に配置することも可能である。つまり、排出手段4はフィルタ2の一次側に配置しても良く、フィルタ2の二次側に配置しても良い。
・上記実施形態では、流量計9が流出ラインL2に設けられていたが、これに限らない。すなわち、流量計9は、フィルタ2を流通して処理されるバラスト水の流量を検出可能であれば、バラスト水の流路上の任意の位置に配置することができる。
・上記実施形態では、本発明を、船舶で用いられバラスト水を処理するバラスト水処理装置に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、海、河川、湖沼、池等の水、及び工業水等を処理する水処理装置に適用してもよい。さらに、水を処理する水処理装置ではなく、水以外の液体(例えば、油)を処理する液体処理装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 :ケーシング
2 :フィルタ
3 :フィルタ回転手段
4 :排出手段
5 :洗浄液噴出手段(制御対象)
6 :圧力センサ
7 :制御手段
8 :ポンプ
9 :流量計
11 :蓋部
12 :底部
13 :上閉止部
14 :下閉止部
15 :導入口
16 :流出口
18 :軸受部材
19 :軸受部材
31 :上部回転軸部材
32 :下部回転軸部材
33 :モータ
41 :排出ノズル
42 :排出管
51 :洗浄ノズル
52 :洗浄ライン
53 :洗浄ポンプ
54 :開閉弁
61 :一次側センサ
62 :二次側センサ
100 :バラスト水処理装置(液体処理装置)
L1 :導入ライン
L2 :流出ライン
ΔP :差圧
P1 :一次圧
P2 :二次圧
Pq :閾値
Pq1 :第1閾値
Pq2 :第2閾値
Pq3 :第3閾値
Q :流量
V1 :開閉弁
V2 :開閉弁
図1