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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-131569(P2020-131569A)
(43)【公開日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】孔版印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41L 13/16 20060101AFI20200803BHJP
   B41L 13/04 20060101ALI20200803BHJP
【FI】
   B41L13/16 B
   B41L13/04 Q
   B41L13/04 W
   B41L13/04 F
   B41L13/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-28414(P2019-28414)
(22)【出願日】2019年2月20日
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】野上 雄大
(57)【要約】
【課題】構成および作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を提供すること。
【解決手段】用紙を一枚ずつ供給可能な給紙部と、給紙部から供給された用紙を印刷可能な印刷部と、印刷部で印刷された用紙を印刷部から排出可能な排紙部と、給紙部、印刷部および排紙部の各々を制御する制御部とを備える孔版印刷装置において、制御部が、印刷部に供給された用紙を印刷しない場合、押圧ローラを、プレスオフ位置とプレスオン位置との間でかつ版胴に対して押圧ローラが当接または離間する接離方向における中間に位置する通紙位置に移動させて、用紙の搬送をガイドする、押圧ローラ制御部を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を一枚ずつ供給可能な給紙部と、
前記給紙部から供給された前記用紙を印刷可能な印刷部と、
前記印刷部で印刷された前記用紙を前記印刷部から排出可能な排紙部と、
前記給紙部、前記印刷部および前記排紙部の各々を制御する制御部と
を備え、
前記印刷部が、
回転軸まわりの外周面に製版済の孔版原紙が巻装される版胴と、
回転軸まわりの外周面が前記版胴の外周面に対向するように配置されていると共に、前記印刷部に供給された前記用紙を前記版胴の外周面に対して押圧可能なプレスオン位置と、前記版胴の外周面から離れたプレスオフ位置との間を移動可能に配置された押圧ローラと
を有し、
前記制御部が、
前記印刷部に供給された前記用紙を印刷する場合、前記押圧ローラを前記プレスオン位置に移動させて前記版胴と前記押圧ローラとで前記用紙を挟持し、
前記印刷部に供給された前記用紙を印刷しない場合、前記押圧ローラを、前記プレスオフ位置と前記プレスオン位置との間でかつ前記版胴に対して前記押圧ローラが当接または離間する接離方向における中間に位置する通紙位置に移動させて、前記用紙の搬送をガイドする、押圧ローラ制御部を有する、孔版印刷装置。
【請求項2】
前記通紙位置は、前記押圧ローラが、前記版胴と前記プレスオフ位置の前記押圧ローラとの間の前記接離方向における中心よりも前記版胴の近くに配置されるように設定されている、請求項1の孔版印刷装置。
【請求項3】
前記制御部が、
設定された印刷情報に基づいて前記印刷部に供給された前記用紙を印刷するか否かを判定する印刷情報判定部を有する、請求項1または2の孔版印刷装置。
【請求項4】
前記給紙部が、
前記印刷部に供給する前記用紙をそれぞれ積載可能な複数の給紙トレイを有し、
前記複数の給紙トレイには、前記印刷部で印刷される前記用紙を積載可能な印刷可トレイと、前記印刷部で印刷されない前記用紙を積載可能な印刷不可トレイとが含まれており、
前記押圧ローラ制御部が、
前記印刷可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給された場合、供給された前記用紙を印刷するときに前記押圧ローラを前記プレスオン位置に移動させ、
前記印刷不可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給された場合、前記押圧ローラを前記通紙位置に移動させる、請求項1または2の孔版印刷装置。
【請求項5】
前記制御部が、
設定された印刷情報に基づいて前記印刷部に供給された前記用紙を印刷するか否かを判定する印刷情報判定部を有し、
前記押圧ローラ制御部が、
前記印刷不可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給されかつ前記印刷情報判定部により前記印刷部に供給された前記用紙を印刷しないと判定された場合、前記押圧ローラを前記通紙位置に移動させ、
前記印刷可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給された場合、あるいは、前記印刷不可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給されたが前記印刷情報判定部により前記印刷部に供給された前記用紙を印刷すると判定された場合、供給された前記用紙を印刷するときに前記押圧ローラを前記プレスオン位置に移動させる、請求項4の孔版印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔版印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給紙トレイ上の用紙を印刷ユニットに搬送し、印刷ユニットで第1印刷処理して再給紙トレイへ搬送し、再給紙トレイから裏返して印刷ユニットに搬送し、印刷ユニットで第2印刷処理した後、排紙ユニットへ搬送する両面印刷装置が開示されている。
【0003】
前記両面印刷装置では、印刷ユニットは、円筒状の版胴と、版胴の下方から当接離間自在に対向する押圧ローラとを有している。版胴は、印刷機本体に対して交換可能に装填されている。押圧ローラは、用紙が印刷ユニットにて印刷されるときには版胴に当接するプレスオン位置に配置され、用紙が印刷ユニットに存在しないときは版胴から離間したプレスオフ位置に配置されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5752469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記両面印刷装置において、印刷ユニットを通過する用紙に対して印刷を行わない場合、押圧ローラがプレスオフ位置に位置している状態で用紙が搬送される。押圧ローラがプレスオフ位置に位置している状態では、印刷ユニットを通過する用紙の搬送をガイドすることが難しくなるため、印刷ユニットを通過する用紙を排紙ユニットへ円滑に搬送することが難しい場合がある。
【0006】
本発明は、構成および作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の孔版印刷装置は、
用紙を一枚ずつ供給可能な給紙部と、
前記給紙部から供給された前記用紙を印刷可能な印刷部と、
前記印刷部で印刷された前記用紙を前記印刷部から排出可能な排紙部と、
前記給紙部、前記印刷部および前記排紙部の各々を制御する制御部と
を備え、
前記印刷部が、
回転軸まわりの外周面に製版済の孔版原紙が巻装される版胴と、
回転軸まわりの外周面が前記版胴の外周面に対向するように配置されていると共に、前記印刷部に供給された前記用紙を前記版胴の外周面に対して押圧可能なプレスオン位置と、前記版胴の外周面から離れたプレスオフ位置との間を移動可能に配置された押圧ローラと
を有し、
前記制御部が、
前記印刷部に供給された前記用紙を印刷する場合、前記押圧ローラを、前記プレスオン位置に移動させて前記版胴と前記押圧ローラとで前記用紙を挟持し、
前記印刷部に供給された前記用紙を印刷しない場合、前記押圧ローラを前記プレスオフ位置と前記プレスオン位置との間でかつ前記版胴に対して前記押圧ローラが当接または離間する接離方向における中間に位置する通紙位置に移動させて、前記用紙の搬送をガイドする、押圧ローラ制御部を有する。
【0008】
前記態様の孔版印刷機は、さらに次のような構成を採用することができる。
(1)前記通紙位置は、前記押圧ローラが、前記版胴と前記プレスオフ位置の前記押圧ローラとの間の前記接離方向における中心よりも前記版胴の近くに配置されるように設定されている。
(2)前記制御部が、設定された印刷情報に基づいて前記印刷部に供給された前記用紙を印刷するか否かを判定する印刷情報判定部を有する。
(3)前記給紙部が、前記印刷部に供給する前記用紙をそれぞれ積載可能な複数の給紙トレイを有し、前記複数の給紙トレイには、前記印刷部で印刷される前記用紙を積載可能な印刷可トレイと、前記印刷部で印刷されない前記用紙を積載可能な印刷不可トレイとが含まれており、前記押圧ローラ制御部が、前記印刷可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給された場合、供給された用紙を印刷するときに前記押圧ローラを前記プレスオン位置に移動させ、前記印刷不可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給された場合、前記押圧ローラを前記通紙位置に移動させる。
(4)前記制御部が、設定された印刷情報に基づいて前記印刷部に供給された前記用紙を印刷するか否かを判定する印刷情報判定部を有し、前記押圧ローラ制御部が、前記印刷不可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給されかつ前記印刷情報判定部により前記印刷部に供給された前記用紙を印刷しないと判定された場合、前記押圧ローラを前記通紙位置に移動させ、前記印刷可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給された場合、あるいは、前記印刷不可トレイから前記印刷部に前記用紙が供給されたが前記印刷情報判定部により前記印刷部に供給された前記用紙を印刷すると判定された場合、供給された前記用紙を印刷するときに前記押圧ローラを前記プレスオン位置に移動させる。
【発明の効果】
【0009】
前記態様の孔版印刷装置によれば、印刷部に供給された用紙を印刷しない場合、押圧ローラをプレスオフ位置とプレスオン位置との間でかつ版胴に対して押圧ローラが当接または離間する接離方向における中間に位置する通紙位置に移動させて、用紙の搬送をガイドする。このような構成により、印刷部に供給された用紙を印刷しない場合であっても、用紙を排紙部へ円滑に搬送できる。その結果、孔版印刷装置の構成および作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を実現できる。
【0010】
前記構成(1)によれば、通紙位置において、押圧ローラが、版胴とプレスオフ位置の押圧ローラとの間の前記接離方向における中心よりも版胴の近くに配置される。このような構成により、印刷部に供給された用紙を印刷しない場合に、用紙の搬送をより確実にガイドすることができる。その結果、孔版印刷装置の構成を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を実現できる。
【0011】
前記構成(2)によれば、設定された印刷情報に基づいて印刷部に供給された前記用紙を印刷するか否かが判定される。このような構成により、例えば、印刷情報として、印刷部に供給される用紙を連続して所定枚数印刷し搬送した後、1枚の用紙を印刷部で印刷することなく搬送するように設定することで、印刷されることなく印刷部を通過した用紙を合紙として用いることができる。その結果、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を実現できる。
【0012】
前記構成(3)によれば、印刷可トレイから印刷部に用紙が供給された場合、供給された用紙を印刷するときに押圧ローラがプレスオン位置に移動し、印刷不可トレイから印刷部に用紙が供給された場合、押圧ローラが通紙位置に移動する。このような構成により、印刷不可トレイから供給された用紙は、印刷されることなく印刷部を通過するので、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を実現できる。なお、前記構成(3)を採用することで、例えば、印刷不可トレイに積載された用紙を合紙として用いることができる。また、例えば、印刷不可トレイに印刷済みの用紙を積載することで、丁合装置として用いることができる。
【0013】
前記構成(4)によれば、印刷不可トレイから印刷部に用紙が供給されかつ印刷情報判定部により印刷部に供給された用紙を印刷しないと判定された場合に、押圧ローラが通紙位置に移動する。また、印刷可トレイから印刷部に用紙が供給された場合、あるいは、印刷不可トレイから印刷部に用紙が供給されたが印刷情報判定部により印刷部に供給された用紙を印刷すると判定された場合に、供給された用紙を印刷するときに押圧ローラがプレスオン位置に移動する。このような構成により、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置をより確実に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態の印刷装置の概略図。
図2図1の印刷装置の作動を説明する第1の図。
図3図1の印刷装置の作動を説明する第2の図。
図4図1の印刷装置の作動を説明する第3の図。
図5図1の印刷装置の押圧ローラのプレスオン位置およびプレスオフ位置を説明する平面図。
図6図1の印刷装置の押圧ローラの通紙位置を説明する平面図。
図7図1の印刷装置の制御処理を説明するフローチャート。
図8】本発明の第2実施形態の印刷装置の概略図。
図9】本発明の第3実施形態の印刷装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の孔版印刷装置の一例である印刷装置10の概略図である。説明の都合上、用紙の給紙方向及び搬送方向M1の上流側を「前側」、給紙方向及び搬送方向M1の下流側を「後側」として、以下、説明する。
【0017】
印刷装置10は、図1に示すように、印刷機本体1と、印刷機本体1の前下部に配置された給紙部の一例の給紙ユニット2と、印刷機本体1の後下部に配置された排紙部の一例の排紙ユニット3とを備える両面印刷装置である。給紙ユニット2と排紙ユニット3との前後方向の間には、印刷部の一例の印刷ユニット4が配置され、排紙ユニット3の前方かつ印刷ユニット4の下方には、再給紙ユニット5が配置されている。印刷機本体1の前上部には製版ユニット6が配置され、印刷機本体1の後上部には排版ユニット7が配置されている。印刷機本体1の上側には、画像読取ユニット8が配置されている。印刷機本体1内には、給紙ユニット2、排紙ユニット3および印刷ユニット4などを制御して印刷装置10の作動を制御する、制御部100が配置されている。
【0018】
給紙ユニット2は、用紙を積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21の後端部に配置された給紙ローラ22及びサバキ部材23と、給紙ローラ22の後方に配置された一対のタイミングローラ24と、を備えている。給紙ローラ22及びサバキ部材23は、給紙トレイ21に積載された用紙を最上位から1枚ずつ取り出すように構成されている。タイミングローラ24は、用紙の所定位置に印刷できるように、印刷ユニット4の版胴41の回転と同期して適宜タイミングで作動し、給紙ローラ22及びサバキ部材23によって取り出された用紙を印刷ユニット4へ供給するように構成されている。
【0019】
排紙ユニット3は、エア吸引式の搬送ベルト機構31と、排紙トレイ32と、ベースガイド33と、を備えている。排紙ユニット3は、印刷ユニット4で印刷された用紙を搬送ベルト機構31によってエア吸引しながら後方に搬送し、排紙トレイ32上へ排出可能に構成されている。ベースガイド33は、上下方向に移動可能であり、搬送ベルト機構31によって排紙トレイ32に用紙が搬送されて来る際には、下方の閉止位置に位置し、排紙トレイ32から用紙を再給紙ユニット5に搬送する際には、上方の開放位置に位置するように構成されている。
【0020】
印刷ユニット4は、回転軸411まわりの外周面412に製版済の孔版原紙が巻装される円筒状の版胴41と、回転軸421まわりの外周面422が版胴41の外周面412に対向するように配置された押圧ローラ42と、を備えている。押圧ローラ42は、一例として版胴41の下方に配置され、印刷ユニット4に供給された用紙を版胴41の外周面412に対して押圧可能なプレスオン位置Z1(図5参照)と、版胴41の外周面412から離れたプレスオフ位置Z2(図5参照)との間を移動可能に構成されている。印刷ユニット4は、回転する版胴41とプレスオン位置Z1の押圧ローラ42との間で用紙を挟持し、M1方向に用紙を搬送しつつ、版胴41内から供給されるインクによって、孔版原紙の画像を用紙の上面に転写(すなわち、第1印刷、第2印刷)することで印刷可能に構成されている。なお、プレスオフ位置Z2は、版胴41を印刷機本体1から取り外す際に、版胴41と押圧ローラ42とが接触しないように設定されている。
【0021】
再給紙ユニット5は、排紙トレイ32上に積載された第1印刷処理された用紙を排紙ユニット3から受け入れる再給紙トレイ51と、再給紙トレイ51上の用紙を最上位から1枚ずつ取り出し搬送する再給紙ローラ52及びサバキ部材54と、再給紙ローラ52から搬送されてきた用紙を再度印刷ユニット4に向けて搬送する1以上の一対の中間搬送ローラ53と、を備えている。再給紙ユニット5は、再給紙ローラ52、中間搬送ローラ53及びサバキ部材54によって、再給紙トレイ51上の用紙を、最上位から1枚ずつ、給紙ユニット2のタイミングローラ24へ搬送するように構成されている。
【0022】
製版ユニット6は、孔版原紙ロール61と、サーマルヘッド62と、サーマルヘッド62に当接するプラテンローラ63と、を備えている。製版ユニット6は、画像読取ユニット8で読み取られた画像のデータに基づき、孔版原紙ロール61から引き出された孔版原紙にサーマルヘッド62で製版し、製版後の孔版原紙を印刷ユニット4の版胴41の外周面412に装着するように構成されている。
【0023】
排版ユニット7は、印刷機本体1内に取り付けられた排版用のハウジング71と、ハウジング71の前上端部に取り付けられた上下一対の引き込みローラ72と、ハウジング71内に後方からスライド可能に挿入された上面開放可能な原紙収納ロール73と、を備えている。引き込みローラ72は、版胴41の後上端部に対応する位置に位置しており、版胴41の外周面412に装着されている印刷使用後の孔版原紙の先端部を挟持して回転することにより、ハウジング71の原紙収納ロール73に印刷使用後の孔版原紙を巻き付けるように構成されている。
【0024】
制御部100は、一例として、演算等を行うCPUと、印刷装置10の作動に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAMとを備えており、用紙の印刷を行うための制御を行う。この制御部100は、押圧ローラ制御部101と、印刷情報判定部102とを有している。なお、押圧ローラ制御部101および印刷情報判定部102の各々は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0025】
押圧ローラ制御部101は、印刷ユニット4に供給された用紙を印刷する場合、図5に示すように、押圧ローラ42をプレスオン位置Z1に移動させて版胴41と押圧ローラ42とで用紙を挟持する。また、押圧ローラ制御部101は、印刷ユニット4に供給された用紙を印刷しない場合、図6に示すように、押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2(図5に示す)とプレスオン位置Z1との間でかつ版胴41に対して押圧ローラ42が当接または離間する接離方向における中間に位置する通紙位置Z3に移動させて、用紙の搬送をガイドする。接離方向は、一例として、版胴41の回転軸411と押圧ローラ42の回転軸421とに直交する仮想直線Lが延びる方向Xである。
【0026】
通紙位置Z3は、一例として、押圧ローラ42が、版胴41とプレスオフ位置Z2の押圧ローラ42と間の接離方向Xにおける中心よりも版胴41の近くに配置されるように設定されている。言い換えると、通紙位置Z3の押圧ローラ42は、その回転軸421が、プレスオン位置Z1における押圧ローラ42の回転軸421とプレスオフ位置Z2における押圧ローラ42の回転軸421との間で、かつ、プレスオフ位置Z2における押圧ローラ42の回転軸421よりもプレスオン位置Z2の押圧ローラ42の回転軸421の近くに配置されている。さらに言い換えると、版胴41の外周面412と通紙位置Z3の押圧ローラ42の外周面422との間の接離方向Xにおける距離D1(図6に示す)が、版胴41の外周面412とプレスオフ位置Z2の押圧ローラ42の外周面422との間の接離方向Xにおける距離D2(図5に示す)の半分よりも小さくなるように(すなわち、D1<D2/2の関係を満たすように)、通紙位置Z3が設定されている。第1実施形態では、プレスオン位置Z1、プレスオフ位置Z2および通紙位置Z3は、距離D1が約2.92mmになり、距離D2が約5.94mmになるように設定されている。
【0027】
なお、通紙位置Z3は、接離方向Xにおいてプレスオン位置Z1とプレスオフ位置Z2との間の中間に位置していればよく、用紙のサイズ、用紙の厚さおよび印刷速度などによって適宜変更することができる。例えば、押圧ローラ42を、接離方向Xに限らず、印刷装置10の前後方向に移動可能に構成することで、排紙ユニット3への用紙の搬送をより適切にガイド可能な位置を通紙位置Z3として設定できる。
【0028】
押圧ローラ42の移動は、印刷ユニット4に供給された用紙の搬送方向M1における下流側の先端が、版胴41と押圧ローラ42との間に到達する前に行われる。また、印刷ユニット4に供給された用紙を印刷するか否かについては、例えば、印刷情報判定部102における判定結果などに基づいて判定される。
【0029】
印刷情報判定部102は、設定された印刷情報に基づいて印刷ユニット4に供給された用紙を印刷するか否かを判定する。印刷情報は、印刷機本体1に設けられた操作部110を介してユーザにより設定される情報であり、例えば、次の(1)〜(3)のように設定することができる。
(1)印刷ユニット4に供給された用紙を所定枚数(例えば、5枚)連続して印刷した直後、印刷ユニット4に供給された用紙を所定枚数(例えば、1枚)連続して印刷しない。
(2)版胴41に装着された製版後の孔版原紙を入れ替えた直後、印刷ユニット4に供給された用紙を所定枚数(例えば、1枚)連続して印刷しない。
(3)前記(1)の印刷情報に基づいた印刷セットを所定回数(例えば、3回)繰り返す。
【0030】
前記(1)の印刷情報が設定されている場合、印刷情報判定部102は、印刷ユニット4で連続して印刷された用紙が所定枚数に到達したか否かを判定する。印刷ユニット4で連続して印刷された用紙の枚数は、例えば、図示しない印刷枚数計測部により計測される。印刷ユニット4で連続して印刷された用紙が所定枚数に到達していないと判定された場合、印刷情報判定部102は、次に印刷ユニット4に供給される用紙を印刷すると判定する。また、印刷ユニット4で連続して印刷された用紙が所定枚数に到達したと判定された場合、印刷情報判定部102は、次に印刷ユニット4に供給される用紙を印刷しないと判定する。なお、「印刷ユニット4に供給された用紙を1枚印刷した直後、印刷ユニット4に供給された用紙を1枚印刷しない」ように印刷情報を設定することもできる。このように印刷情報を設定した場合、印刷ユニット4で印刷された用紙と印刷ユニット4で印刷されなかった用紙とが交互に排紙ユニット3に搬送されるので、裏写りを防止できる。
【0031】
前記(2)の印刷情報が設定されている場合、印刷情報判定部102は、直前に行われた用紙の印刷に用いられた製版後の孔版原紙の入れ替えが行われたか否かを判定する。製版後の孔版原紙の入れ替えが行われたか否かは、例えば、排版ユニット7により版胴41から表面印刷使用後の孔版原紙N1が取り除かれたか否かにより判定する。製版後の孔版原紙の入れ替えが行われていないと判定された場合、印刷情報判定部102は、次に印刷ユニット4に供給される用紙を印刷すると判定する。また、装着された製版後の孔版原紙の入れ替えが行われたと判定された場合、印刷情報判定部102は、次に印刷ユニット4に供給される用紙を印刷しないと判定する。
【0032】
前記(3)の印刷情報が設定されている場合、前記(1)の印刷情報に基づいた印刷セットが所定回数繰り返されたか否かを判定する。前記(1)の印刷情報に基づいた印刷セットが繰り返された回数は、例えば、印刷開始後、印刷ユニット4で連続して印刷された用紙が所定枚数に到達したと判定された回数により計測する。前記(1)の印刷情報に基づいた印刷セットが所定回数繰り返されていないと判定された場合、印刷情報判定部120は、次に印刷ユニット4に供給される用紙を印刷すると判定する。また、前記(1)の印刷情報に基づいた印刷セットが所定回数繰り返されたと判定された場合、印刷情報判定部120は、次に印刷ユニット4に供給される用紙を印刷しないと判定する。
【0033】
図2図4は、印刷装置10の作動を説明する図である。また、図7は、印刷装置10の制御処理を説明するフローチャートである。ここでは、一例として、用紙の表面および裏面に対して異なる孔版原紙を用いて印刷を行うように設定された場合の制御処理について、図1〜4および図7を参照して説明する。なお、以下に説明する制御処理は、制御部100が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0034】
制御処理が開始されると、図1および図7に示すように、製版ユニット6は、画像読取ユニット8で読み取られた画像(表面画像)のデータに基づき、孔版原紙ロール61から引き出された孔版原紙にサーマルヘッド62で製版し、製版後の表面印刷用の孔版原紙N1を印刷ユニット4の版胴41の外周面412に装着する(ステップS1)。
【0035】
製版後の孔版原紙N1が印刷ユニット4の版胴41の外周面412に装着されると、給紙ローラ22及びサバキ部材23は、給紙トレイ21に積載された用紙P1(すなわち、1度も印刷ユニット4を通過していない用紙)を、最上位から1枚ずつ取り出す。タイミングローラ24は、用紙P1の所定位置に印刷できるように、印刷ユニット4の版胴41の回転と同期して適宜タイミングで作動し、取り出された用紙P1を、表面を上面として印刷ユニット4へ送り込む(ステップS2)。
【0036】
取り出された用紙P1が印刷ユニット4に送り込まれると、印刷情報判定部102は、設定された印刷情報に基づいて印刷ユニット4に送り込まれた用紙P1の表面を印刷するか否かを判定する(ステップS3)。
【0037】
送り込まれた用紙P1の表面を印刷ユニット4で印刷すると判定された場合、印刷ユニット4は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で用紙P1を挟持し、M1方向に用紙P1を搬送しつつ、版胴41内から供給されるインクを、製版された孔版原紙N1を介して用紙に転写させることで、孔版原紙N1の画像を用紙P1の表面に形成する(以下、「表面印刷処理」という)。このとき、押圧ローラ制御部101は、用紙を1枚、表面印刷処理する毎に、押圧ローラ42をプレスオン位置Z1とプレスオフ位置Z2との間で移動させる。詳しくは、押圧ローラ制御部101は、送り込まれた用紙P1を印刷するときに押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2からプレスオン位置Z1に移動させる(ステップS4)。なお、押圧ローラ制御部101は、用紙P1が印刷ユニットを通過したのち、押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2に移動させ、次の用紙P1が印刷ユニットに送り込まれる前に、再度、プレスオン位置Z1に移動させる。
【0038】
送り込まれた用紙P1の表面を印刷ユニット4で印刷しないと判定された場合、押圧ローラ制御部101は、押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2から通紙位置Z3に移動させて、排紙ユニット3への用紙P1の搬送をガイドする(ステップS5)。これにより、用紙P1は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で挟持されることなく、給紙ユニット2のタイミングローラ24によってM1方向に搬送される。
【0039】
図2および図7に示すように、排紙ユニット3は、印刷ユニット4から搬送された用紙P2(すなわち、1度、印刷ユニット4を通過した用紙)を搬送ベルト機構31によりエア吸引しながら後方に搬送し、排紙トレイ32上へ排出する(ステップS6)。この際、ベースガイド33は、下方の閉止位置に位置され、排紙トレイ32上に積載された用紙P2の先端を揃える。
【0040】
印刷ユニット4から搬送された用紙P2が排紙トレイ32上へ排出されると、設定された印刷情報に基づいて、印刷ユニット4に送り込まれた用紙P1が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されたか否かが判定される(ステップS7)。用紙P1が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されていないと判定された場合、ステップS2に戻り、ステップS7で、用紙P1が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されたと判定されるまで、ステップS2〜S6を繰り返す。なお、ステップS7において、用紙P1が、巻き上がり、あるいは、ジャムなどにより、排紙トレイ32に排出されなかった場合、印刷ユニット4から排出されたとの判定を行わない。
【0041】
用紙P1が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されたと判定された場合、設定された印刷情報に基づいて、排紙トレイ32に排出された用紙P2に対して、裏面処理を実施するか否かが判定される(ステップS8)。排紙トレイ32に排出された用紙P2に対して、裏面処理を実施しないと判定された場合、制御処理が終了する。
【0042】
排紙トレイ32に排出された用紙P2に対して、裏面処理を実施すると判定された場合、製版ユニット6および排版ユニット7は、版胴41の外周面412に装着されている表面印刷用の孔版原紙N1を裏面印刷用の孔版原紙N2に取り替える(ステップS9)。
【0043】
詳しくは、排版ユニット7が、一対の引き込みローラ72を、版胴41の外周面412に装着されている表面印刷用の孔版原紙N1の先端部を挟持した状態で回転させる。これにより、ハウジング71の原紙収納ロール73に表面印刷用の孔版原紙N1が巻き付いて、版胴41から表面印刷用の孔版原紙N1が取り除かれる。版胴41から表面印刷用の孔版原紙N1が取り除かれた後、製版ユニット6は、画像読取ユニット8で読み取られた画像(裏面画像)のデータに基づき、孔版原紙ロール61から引き出された孔版原紙にサーマルヘッド62で製版し、製版後の裏面印刷用の孔版原紙N2を印刷ユニット4の版胴41の外周面412に装着する。
【0044】
版胴41の外周面412に装着されている表面印刷用の孔版原紙N1が裏面印刷に用いる孔版原紙N2に取り替えられると図3図4および図7に示すように、排紙ユニット3および再給紙ユニット5は、排紙トレイ32上に積載された用紙P2を、印刷ユニット4へ、裏面を上面として送り込む(ステップS10)。
【0045】
詳しくは、図3に示すように、排紙ユニット3は、排紙トレイ32上に積載された表面印刷処理された用紙P2を、再給紙方向(M2方向)に向けて、再給紙ユニット5に受け渡す。この際、ベースガイド33は、上方の開放位置に位置する。そして、図4に示すように、ベースガイド33は下方の閉止位置に移動し、再給紙ローラ52及びサバキ部材54は、排紙ユニット3から受け取った用紙P2を最上位から1枚ずつ取り出し、再給紙ローラ52及び中間搬送ローラ53は、取り出された用紙P2を、印刷された表面が下面になり裏面が上面になるように、裏返して、給紙ユニット2のタイミングローラ24に搬送する。ここで、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24との間で用紙P2は撓みP2aが形成される。タイミングローラ24は、印刷ユニット4の版胴41の回転と同期して適宜タイミングで作動し、印刷ユニット4へ、裏面を上面として用紙P2を送り込む。ここで、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24との間で形成された用紙P2の撓みP2aを維持するように、中間搬送ローラ53とタイミングローラ24とは略同じ線速度で回転する。この線速度は、版胴41の線速度と一致している。
【0046】
排紙トレイ32上に積載された用紙P2が印刷ユニット4に送り込まれると、印刷情報判定部102は、設定された印刷情報に基づいて印刷ユニット4に送り込まれた用紙P2の裏面を印刷するか否かを判定する(ステップS11)。
【0047】
送り込まれた用紙P2の裏面を印刷ユニット4で印刷する場合、印刷ユニット4は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で用紙P2を挟持し、搬送方向M1に搬送しつつ、版胴41内から供給されるインクを、製版された孔版原紙N2を介して用紙に転写させることで、孔版原紙N2の画像を用紙P2の裏面に形成する(以下、「裏面印刷処理」という)。このとき、押圧ローラ制御部101は、用紙を1枚、裏面印刷処理する毎に、押圧ローラ42をプレスオン位置Z1とプレスオフ位置Z2との間で移動させる。詳しくは、押圧ローラ制御部101は、送り込まれた用紙P2を印刷するときに押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2からプレスオン位置Z1に移動させる(ステップS12)。なお、押圧ローラ制御部101は、用紙P1が印刷ユニットを通過したのち、押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2に移動させ、次の用紙P1が印刷ユニットに送り込まれる前に、再度、プレスオン位置Z1に移動させる。
【0048】
送り込まれた用紙P2の裏面を印刷ユニット4で印刷しない場合、押圧ローラ制御部101は、押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2から通紙位置Z3に移動させて、排紙ユニット3への用紙P2の搬送をガイドする(ステップS13)。これにより、用紙P2は、回転する版胴41と押圧ローラ42との間で挟持されることなく、給紙ユニット2のタイミングローラ24によってM1方向に搬送される。
【0049】
印刷ユニット4から搬送された用紙P3(すなわち、2度、印刷ユニット4を通過した用紙)は、搬送ベルト機構31によりエア吸引されながら後方に搬送され、排紙トレイ32上へ排出される(ステップS14)。
【0050】
印刷ユニット4から搬送された用紙P3が排紙トレイ32上へ排出されると、設定された印刷情報に基づいて、印刷ユニット4に送り込まれた用紙P2が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されたか否かが判定される(ステップS15)。用紙P2が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されていないと判定された場合、ステップS10に戻り、ステップS15で、用紙P2が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されたと判定されるまで、ステップS10〜S14を繰り返す。用紙P2が、所定枚数、連続して印刷ユニット4から排出されたと判定された場合、制御処理が終了する。なお、ステップS15において、用紙P1が、巻き上がり、あるいは、ジャムなどにより、排紙トレイ32に排出されなかった場合、印刷ユニット4から排出されたとの判定を行わない。
【0051】
第1実施形態の印刷装置10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0052】
印刷ユニット4に供給された用紙を印刷しない場合、押圧ローラ42をプレスオフ位置Z2とプレスオン位置Z1との間でかつ版胴41に対して押圧ローラ42が当接または離間する接離方向Xにおける中間に位置する通紙位置Z3に移動させて、排紙ユニット3への用紙の搬送をガイドする。このような構成により、印刷ユニット4に供給された用紙を印刷しない場合であっても、用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる。その結果、印刷装置10の構成および作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる印刷装置10を実現できる。
【0053】
通紙位置Z3において、押圧ローラ42が、版胴41とプレスオフ位置Z2の押圧ローラ42と間の接離方向Xにおける中心よりも版胴41の近くに配置される。このような構成により、印刷ユニット4に供給された用紙を印刷しない場合に、排紙ユニット3への用紙の搬送をより確実にガイドすることができる。その結果、印刷装置10の構成を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる印刷装置10を実現できる。
【0054】
設定された印刷情報に基づいて印刷ユニット4に供給された用紙を印刷するか否かが判定される。このような構成により、例えば、印刷情報として、印刷ユニット4に供給される用紙を連続して所定枚数印刷して排紙ユニット3に搬送した後、印刷ユニット4に供給される用紙を所定枚数印刷することなく排紙ユニット3に搬送するように設定することで、印刷されることなく排紙ユニット3に搬送された用紙を合紙として用いることができる。その結果、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる印刷装置10を実現できる。
【0055】
なお、本発明の孔版印刷装置は、例えば、片面印刷装置として適用することもできる。この片面印刷装置は、例えば、印刷装置10から再給紙ユニット5など両面印刷を実現するためのみに必要な構成を省略することで実現できる。印刷装置10が、片面印刷装置である場合、図7のフローチャートにおいて、ステップS8以下を省略することができる。
【0056】
印刷情報判定部102は、省略することができる。
【0057】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態の孔版印刷装置の一例である印刷装置10の概略図である。第2実施形態の印刷装置10は、給紙ユニット2が複数の給紙トレイ21を有している点で、第1実施形態の印刷装置10とは異なっている。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0058】
複数の給紙トレイ21には、印刷ユニット4で印刷される用紙を積載可能な印刷可トレイと、印刷ユニット4で印刷されない用紙を積載可能な印刷不可トレイとが含まれている。第2実施形態では、給紙ユニット2は、図8に示すように、一例として、印刷可トレイである第1給紙トレイ211と、各々印刷不可トレイである第2給紙トレイ212、第3給紙トレイ213および第4給紙トレイ214とを有している。各給紙トレイ211、212、213、214は、上下方向に並んで配置されており、最上段に第1給紙トレイ211が配置されている。
【0059】
製版後の孔版原紙N1が印刷ユニット4の版胴41に装着されると、給紙ローラ22及びサバキ部材23は、一例として、第1給紙トレイ211、第2給紙トレイ212、第3給紙トレイ213および第4給紙トレイ214の順に、各給紙トレイ211、212、213、214に積載された用紙P1を最上位から1枚ずつ取り出し、印刷ユニット4に供給する。
【0060】
印刷ユニット4は、各給紙トレイ211、212、213、214から取り出された用紙のうち、第1給紙トレイ211から取り出された用紙P1が印刷ユニット4に送り込まれたときのみ、表面印刷処理を行う。第2実施形態の印刷装置10では、図7のステップS3において、用紙P1が取り出された給紙トレイ21の種類(すなわち、いずれの給紙トレイ21から取り出された用紙P1か)に基づいて、用紙P1の表面を印刷するか否かが判定され、印刷情報判定部102による判定は行われないように構成されている。なお、図7のステップS9でも同様の処理が行われる。
【0061】
押圧ローラ制御部101は、第1給紙トレイ211から取り出された用紙P1が印刷ユニット4に送り込まれたときは、押圧ローラ42をプレスオン位置Z1に位置させ、第2給紙トレイ212、第3給紙トレイ213および第4給紙トレイ214から取り出された用紙P1が印刷ユニット4に送り込まれたときは、押圧ローラ42を通紙位置Z3に位置させる。排紙ユニット3は、印刷ユニット4から搬送された用紙P2を、搬送ベルト機構31によりエア吸引しながら後方に搬送し、排紙トレイ32上へ排出する。
【0062】
排紙トレイ32には、第1給紙トレイ211から供給されて印刷ユニット4で印刷された用紙P2、第2給紙トレイ212から供給されて印刷ユニット4で印刷されなかった用紙P2、第3給紙トレイ213から供給されて印刷ユニット4で印刷されなかった用紙P2および第4給紙トレイ214から供給されて印刷ユニット4で印刷されなかった用紙P2が下から順に積載される。
【0063】
第2実施形態の印刷装置10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0064】
印刷可トレイから印刷ユニット4に用紙が供給された場合、供給された用紙を印刷するときに押圧ローラ42がプレスオン位置Z1に移動し、印刷不可トレイから印刷ユニット4に用紙が供給された場合、押圧ローラ42が通紙位置Z3に移動する。このような構成により、印刷不可トレイから供給された用紙は、印刷されることなく印刷ユニット4を通過するので、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる印刷装置10を実現できる。なお、第2実施形態の印刷装置10では、例えば、印刷不可トレイに積載された用紙を合紙として用いることができる。また、例えば、印刷不可トレイに印刷済みの用紙を積載することで、丁合装置として用いることができる。
【0065】
なお、図7のステップS3およびステップS9において、用紙P1が取り出された給紙トレイ21の種類と、印刷情報判定部102による判定とに基づいて、用紙P1、P2を印刷するか否かが判定されるように構成してもよい。例えば、印刷不可トレイ(すなわち、第2〜第4給紙トレイ212、213、214)から印刷ユニット4に用紙が供給されかつ印刷情報判定部102により印刷ユニット4に供給された用紙を印刷しないと判定された場合に、押圧ローラ制御部101が、押圧ローラ42を通紙位置Z3に移動させるように構成してもよい。この場合、印刷可トレイ(すなわち、第1給紙トレイ211)から印刷ユニット4に用紙が供給された場合、あるいは、印刷不可トレイから印刷ユニット4に用紙が供給されたが印刷情報判定部102により印刷ユニット4に供給された用紙を印刷すると判定された場合、押圧ローラ制御部101は、供給された用紙を印刷するときに押圧ローラ42をプレスオン位置Z1に移動させる。このように構成することで、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる印刷装置10をより容易に実現できる。
【0066】
給紙トレイ21は、複数であればよく、給紙ユニット2は、2または3の給紙トレイ21を有することもできるし、5以上の給紙トレイ21を有することもできる。
【0067】
複数の給紙トレイ21は、全て印刷不可トレイで構成してもよいし、2以上の印刷可トレイを含んでいてもよい。
【0068】
印刷可トレイおよび印刷不可トレイの設定は、例えば、操作部110を介してユーザが行えるように構成してもよい。
【0069】
取り出された用紙の順番は、第1給紙トレイ211、第2給紙トレイ212、第3給紙トレイ213および第4給紙トレイ214の順に限らず、任意に設定することができる。
【0070】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態の孔版印刷装置の一例の印刷装置10の概略図である。第3実施形態の印刷装置10は、印刷ユニット4が、二組の版胴41および押圧ローラ42を有する片面印刷装置である点で、第1実施形態の印刷装置10とは異なっている。なお、第3実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0071】
図9に示すように、印刷ユニット4では、2組の版胴41および押圧ローラ42が、前後方向に間隔を空けて配置されている。各版胴41には、一例として、相互に異なる孔版原紙N1、N2が装着されている。各組の版胴41および押圧ローラ42の間には、中間搬送部43が設けられている。中間搬送部43は、前側の組の版胴41および押圧ローラ42から排出された用紙を後側の組の版胴41および押圧ローラ42に送り込み可能に構成されている。
【0072】
各組の版胴41および押圧ローラ42は、それぞれ個別に動作させることができる。第3実施形態の両面印刷装置10では、図7のステップS3において、送り込まれた用紙P1の表面を印刷ユニット4で印刷すると判定された場合、ステップS4において、表面印刷に用いる孔版原紙N1が装着された前側の版胴41が選択される。そして、押圧ローラ制御部101は、用紙P1を印刷するときに、選択された前側の版胴41に対応する押圧ローラ42をプレスオン位置Z1に移動させ、選択されなかった後側の版胴41に対応する押圧ローラ42を通紙位置Z3に移動させる。なお、図7のステップS3において、送り込まれた用紙P1の表面を印刷ユニット4で印刷しないと判定された場合、押圧ローラ制御部101は、2つの押圧ローラ42をいずれも通紙位置Z3に移動させる。
【0073】
第3実施形態の印刷装置10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0074】
従来、2組の版胴がある印刷装置において、一方の版胴で印刷を行い、他方の版胴で印刷を行わない場合、印刷を行わない他方の版胴には、新たに製版していない孔版原紙(すなわち、インクを通さない孔版原紙)を装着する必要があった。第3実施形態の印刷装置10では、押圧ロール42の位置を制御することができるので、印刷を行わない後側の版胴41に新たな孔版原紙を装着する必要がなくなる。その結果、作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙ユニット3へ円滑に搬送できる印刷装置10をより容易に実現できる。
【0075】
ステップS4において選択される版銅41は、孔版原紙N1が装着された前側の版胴41に限らず、孔版原紙N2が装着された後側の版胴41であってもよい。
【0076】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明では、構成および作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を提供できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0078】
1 印刷機本体
2 給紙ユニット
21 給紙トレイ
211、212、213、214 第1〜第4給紙トレイ
22 給紙ローラ
23 サバキ部材
24 タイミングローラ
3 排紙ユニット
31 搬送ベルト機構
32 排紙トレイ
4 印刷ユニット
41 版胴
411 回転軸
412 外周面
42 押圧ローラ
421 回転軸
422 外周面
43 中間搬送部
5 再給紙ユニット
51 再給紙トレイ
52 再給紙ローラ
53 中間搬送ローラ
54 サバキ部材
6 製版ユニット
61 孔版原紙ロール
62 サーマルヘッド
63 プラテンローラ
7 排版ユニット
71 ハウジング
72 引き込みローラ
73 原紙収納ロール
10 印刷装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9