特開2020-132128(P2020-132128A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ 伊東 嗣泰の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-132128(P2020-132128A)
(43)【公開日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】人力走行ホバークラフト
(51)【国際特許分類】
   B60V 1/00 20060101AFI20200803BHJP
   B60V 1/04 20060101ALI20200803BHJP
【FI】
   B60V1/00
   B60V1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2019-46486(P2019-46486)
(22)【出願日】2019年2月25日
(71)【出願人】
【識別番号】519089004
【氏名又は名称】伊東 嗣泰
(72)【発明者】
【氏名】伊東 嗣泰
(57)【要約】
【課題】人力で走行し、推進装置を必要としない小型のホバークラフトを提供する。
【解決手段】機体の平面形態を逆U形のように後方を開放することで、操縦者が浮上力中心と操縦者の体重を含めた重心が一致したエアークッション効果の安定した状態で乗機し、人力で推進力を得るための片足の動作が可能な、推進装置が不要で従来よりも小型かつ安価なホバークラフトを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の平面形態が逆U形あるいは複数の独立した機体を連結し逆V字形やそれに類する形態で操縦者が重心付近に乗機し、操縦者は分岐部分が後方となるように位置して片足で乗機したまま、もう一方の足で地面を蹴り出すことで推進し、人力を利用して走行するホバークラフト。
【請求項2】
エアークッション効果を安定させるために、浮上用送風ユニットを逆U形の機体の分岐部分と前部の円弧状をなす形状の中央または中心線上に設置した請求項1に記載の人力を利用して走行するホバークラフト
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は人力を利用して走行するホバークラフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホバークラフトはエアークッション効果により、極めて少ない抵抗で走行ができる。しかし走行させるために、エンジンや電気モーターなどを動力源としてプロペラやファンを駆動させて得る推力を利用した推進装置を必要とした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
旅客や貨物の輸送に供する大型のホバークラフトのほかに、趣味や娯楽のために個人で利用する小型のホバークラフトがある。通常は操縦者が機体の中央に着座し、推進装置を使用して走行する。
そのホバークラフトは比較的小型のため、エアークッション効果により浮上していれば、推進装置を使用しなくとも外部から人力で押して進むことは容易である。
従来の矩形や小判型といったホバークラフトの形態では、操縦者が乗機したまま人力で推進させようとすると、足や手の動作によって推進力を得るため、操縦者は機体の左右や後方に位置することになる。そのため体重の移動により重心が偏り、エアークッション効果を得るためのスカートが地面と接する荷重に不均一が生じる。荷重の低い部分からスカート内部の空気が漏出しエアークッション効果が損なわれたり、スカートの膨らみの不均衡により機体が傾き、その結果機体下面が地面と接触したりするなどして、実施は困難であった。
【0004】
また従来のような推進装置を機体に設置すると、推進装置の重量により機体が大きくなることや価格が高くなるなどの欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
機体の平面形態を逆U形のように後方を開放し、操縦者は浮上力中心と操縦者の体重を含めた重心が一致したエアークッション効果の安定した状態で立って乗機し、かつ片足で推進力を得る動作ができるように構成する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の機体の形態では、操縦者が乗機したまま片足で地面を蹴り出す動作で走行することが容易に可能となる。
また足の操作で方向転換、停止なども可能である。水上を走行する場合でも足ひれ等の装備で同様の効果を得ることができる。
【0007】
さらに推進装置が不要になることで、従来よりも小型かつ安価なホバークラフトを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るホバークラフトに操縦者が乗機した状態の斜視図
図2】本発明に係る第1の実施例の概要を示した平面図
図3】本発明に係る第2の実施例のその1の概要を示した平面図
図4】本発明に係る第2の実施例のその2の概要を示した平面図
図5】本発明に係るスカートの実施例を示した底面図
図6】本発明に係るスカートのその他の実施例を示した底面図
図7】スカート内の空気の作用によるエアークッション効果の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施例1は図1に示すように、第1の実施例の機体の平面形態では逆U形の分岐部分が後方になり、操縦者1は機体2の浮上力中心位置付近に立って乗機する。この付近とは操縦者1の体重を含めた機体2の重心がエアークッション効果を損なわない範囲である。
【0010】
さらに第2の実施例の機体の形態として図3図4に示すように、個々にスカートや浮上用送風ユニット4を有する独立機体2bを支持体6で連結して、逆V字形やコの字型あるいはそれに類する形態に構成した場合もある。
【0011】
機体底部にはエアークッション効果を得るためのスカートが設置されている。このスカートはビニールシートやゴム布といった、空気を通さない柔軟な膜を素材とし、機体の底部の周縁部に設置されている。第1の実施例の機体の場合、図5に示すように機体全体にスカート3aを設置する場合と、図6のように複数の独立したスカート3bを設置する場合がある。
いずれの実施例の場合も操縦者が足で行う動作を妨げないように、操縦者の後方部分の間隔を確保した形状とする。
機体上面にはスカート3に空気を供給する、ファンやブロアといった浮上用送風ユニット4を設置する。浮上用送風ユニット4の動力源はエンジンや電気モーターを使用する。
図7のように浮上用送風ユニット4から送られた空気はスカート3を膨らませた後にスカート通風孔7を通ってスカート3の外部へ出ていく。この際スカート3と地面との間に空気の流出による隙間が生じ、いわば空気の膜の上に乗った状態になる。このエアークッション効果の作用で、ほとんど摩擦力を生じない移動が可能になる。
【0012】
実施例1の形態における逆U形の機体は、従来の矩形や小判型といった機体に比べてスカートの形状が複雑でかつ面積に対してスカート通風孔7の数や外周長の割合が大きくなるため、スカート内部の空気の圧力を均一化しにくい。そのため浮上用送風ユニット4をスカート3に複数設置することで、逆U形のスカート内の圧力を均一化してエアークッション効果を安定させる。浮上用送風ユニット4は機体の分岐部分と前部の円弧状をなす形状の中央または中心線上に設置して、スカート内部に均等に送風できるようにする。
【0013】
機体を走行させる場合は、片足で立って乗機したまま、もう一方の足で地面を蹴り出すことで前進する。機体が走行状態になればホバークラフトは極めて地面との抵抗が少ないので、停止する前にこの蹴り出す動作を繰り返すことで走行状態は維持される。
なお走行時は片足の動作が不要になるため両足で乗機することができる。
機体を停止させる場合は操縦者が足を地面に押しつける。方向転換させる場合は曲がる方向に対して左右中心を軸として反対側を蹴り出すことで可能になる。
操縦者の上半身を安定させるためのフレーム5は、スケートボードのように不要にすることができる。
【符号の説明】
【0014】
1 操縦者
2 機体
2b 独立機体
3 スカート
3a 全体スカート
3b 独立スカート
4 浮上用送風ユニット
5 フレーム
6 連結支持体
7 スカート通風孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7