【解決手段】投入装置13は、複数の貫通孔34を有する回転テーブル32と、回転テーブル32に取り付けられ可撓性を有する複数の保持部31と、保持駆動部33とを備える。保持駆動部33は、投入ゾーンZ1に配置される保持部31を移動させて、当該保持部31の一部を対応の貫通孔34に配置しつつ当該保持部の他の一部を投入ゾーンZ1に位置する袋Bの内側に配置する。各保持部31は、対応の貫通孔34に対する相対位置に応じて断面径が可変である内側スペース31sを有する。各保持部31は、補給ゾーンにおいて受け取った内容物を内側スペース31sにおいて保持し、投入ゾーンZ1において内容物を内側スペース31sから袋Bの内側に引き渡す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る装置及び方法を説明する。
【0018】
以下に説明する包装システム(特に投入装置)は、嵩張りやすい内容物を袋に投入する場合に、好適に用いられうる。特に、外力が加えられていない自然状態では袋(特に口部)よりも大きく、口部を介して袋の内側に導き入れるためには圧縮されることが必要とされる物を内容物とする場合に、下述の包装システム(特に投入装置)は特に好適に用いられうる。したがって、例えば葉物(例えばほうれん草)やキノコ類(例えば榎茸)などを内容物として用いる場合に、下述の包装システム(特に投入装置)を好適に使って包装処理を行うことが可能である。なお下述の包装システム(特に投入装置)を適用可能な内容物の具体的な種類は限定されず、食品、日用品、或いは他の用途に用いられる物が内容物として袋に投入されてもよい。
【0019】
袋の具体的な形態も特に限定されない。
【0020】
また以下の説明において、高さ方向は、重力が作用する鉛直方向と平行な方向を意味し、水平方向は、鉛直方向と直角を成す方向を意味する。
【0021】
[包装システム]
図1は、包装システム10の平面図である。
図1に例示される包装システム10は、供給コンベア11、搬送装置12及び投入装置13を備える。
【0022】
搬送装置12は、供給コンベア11により搬送されてくる袋を受け取って、当該袋を間欠的に搬送し、複数のステーションS1〜S10に当該袋を順次配置する。複数のステーションS1〜S10は、後述の投入ゾーンZ1に対応する投入ステーション(図示の例では第6ステーションS6)を含む。
【0023】
図示の搬送装置12は、間欠的に回転する駆動テーブル20と、駆動テーブル20の外周部に取り付けられる複数のグリッパーペア21(
図1ではステーションS1〜S10と同数のグリッパーペア21)とを有する。これらのグリッパーペア21は、駆動テーブル20の間欠回転に応じて複数のステーションS1〜S10を巡回する。
【0024】
各グリッパーペア21は、第1ステーションS1において中継装置(図示省略)を介して供給コンベア11から1つの袋を受け取って把持する。各グリッパーペア21によって側部が把持されている袋は、第2ステーションS2で印字装置22によって印字処理を受け、第3ステーションS3で印字検査装置23によって印字検査のために印字箇所が撮影され、第4ステーションS4で開口装置24によって開かれる。そしてグリッパーペア21(搬送装置12)によって袋が第6ステーション(投入ステーション)S6に配置されている間に、投入装置13の各保持部31が、内容物を各保持部31の内側スペースから袋の内側に引き渡すことによって、袋に内容物が投入される。そして各グリッパーペア21によって側部が把持されている袋の口部は、第8ステーションS8で第1加熱シール装置25によって加熱シールされ、第9ステーションS9で第2加熱シール装置26によって加熱シールされ、第10ステーションS10で冷却シール装置27によって冷却シールされる。
【0025】
第1ステーションS1〜第10ステーションS10において一連の包装処理を受けた袋は、第10ステーションS10において対応のグリッパーペア21から解放されて落下し、放出コンベア28上に載せられ、放出コンベア28によって更に後段に送られる。
【0026】
なお図示の包装システム10において第5ステーションS5及び第7ステーションS7は基本的に処理が行われない空きステーションであるが、第5ステーションS5及び第7ステーションS7において任意の処理が行われてもよい。また第1ステーションS1〜第10ステーションS10の各々において、上述の処理に加え、或いは上述の処理に代え、任意の処理が行われてもよい。
【0027】
[投入装置]
図2は、投入装置13の平面図である。
図3は、投入装置13の拡大図であり、保持部31の正面構造を示す。
図4は、投入装置13の拡大図であり、保持部31の側面構造(特に
図3の断面線IV−IVに沿った断面を側方から見た構造)を示す。
【0028】
投入装置13は、回転可能に設けられている円盤状の回転テーブル32と、回転テーブル32の外周部に取り付けられる複数の保持部31(図示の例では4つの保持部31)と、各保持部31を移動させる保持駆動部33と、を備える。
【0029】
本実施形態の回転テーブル32は、鉛直方向と平行に延びる回転軸線(中心軸線)Axを中心に、間欠的に回転する。また回転テーブル32は、複数の貫通孔34(
図3及び
図4参照)を有する。貫通孔34の数は保持部31の数と同じであり、保持部31及び貫通孔34はお互いに1対1で対応している。図示の例において、各保持部31は、常に一部が対応の貫通孔34の内側に配置され、対応の貫通孔34に沿ってスライド可能に設けられている。図示の各貫通孔34は、保持部31が挿入されることが予定されている円柱状の空間と、後述の固定支持部45(特に保持板45a)が挿入されることが予定されている空間と、が組み合わされて構成されている。各貫通孔34のうち保持部31が挿入されることが予定されている空間は、円形の水平断面を有し、高さ方向に関して同一の水平断面径Dh(
図4参照)を有する。なお各貫通孔34の形状は限定されず、各貫通孔34の水平断面は、例えば多角形状(例えば三角形や四角形)、楕円形状、2種類以上の多角形状及び/又は円形状が組み合わされた形状、或いは他の形状を有していてもよい。
【0030】
回転テーブル32は、後述の昇降軸部44によって貫通される収容孔35を有する。図示の投入装置13では複数の昇降軸部44が設けられるため、回転テーブル32は複数の収容孔35を有する。各収容孔35を区画する側壁部(すなわち回転テーブル32)は、対応の昇降軸部44に接触していてもよいし接触していなくてもよいが、各昇降軸部44は対応の収容孔35に沿って高さ方向に移動可能に設けられている。図示の各収容孔35は、円形の水平断面を有する円柱状の空間により構成されており、高さ方向に関して同一の水平断面径を有するが、各収容孔35は他の形状を有していてもよい。
【0031】
複数の保持部31の各々は、回転テーブル32の回転に応じて、投入ゾーンZ1及び補給ゾーンZ2を含む複数の配置ゾーンに配置される。本例では、
図2に示すように4つの配置ゾーンZ1、Z2が等間隔(すなわち回転軸線Axを基準とした等角度間隔)に設定されており、1つの投入ゾーンZ1及び3つの補給ゾーンZ2が設けられている。
【0032】
各保持部31は、回転テーブル32の間欠回転に応じて、投入ゾーンZ1に配置された後に、それぞれの補給ゾーンZ2に配置され、その後、再び投入ゾーンZ1に配置される。
図2に示す例において、回転テーブル32は時計回り方向(すなわち右回り方向)に回転し、各保持部31は、投入ゾーンZ1から左側の補給ゾーンZ2(第1補給ゾーンZ2−1)に移動し、その後上側の補給ゾーンZ2(第2補給ゾーンZ2−2)に移動し、その後右側の補給ゾーンZ2(第3補給ゾーンZ2−3)に移動し、その後再び投入ゾーンZ1に移動する。このように回転テーブル32の間欠回転角度は配置ゾーンの数に応じて定められる。4つの配置ゾーンが設けられる図示の投入装置13では、回転テーブル32は90度ずつ間欠的に回転する。
【0033】
各保持部31は、投入ゾーンZ1において、第6ステーションS6(
図1参照)に配置されているグリッパーペア21により保持されている袋に、内容物を投入する。そして、いずれか1つの補給ゾーンZ2又は2以上の補給ゾーンZ2において、各保持部31には新たな内容物が補給される。その後、各保持部31は、再び投入ゾーンZ1に配置され、第6ステーションS6(すなわち投入ゾーンZ1)に新たに配置された袋に、新たに補給された内容物を投入する。より具体的には、各保持部31は、1又は複数の補給ゾーンZ2において受け取った内容物を内側スペース31sにおいて保持し、投入ゾーンZ1において当該内容物を内側スペース31sから袋の内側に引き渡す。
【0034】
なお図示の例のように複数の補給ゾーンZ2が設けられる場合、これらの補給ゾーンZ2のそれぞれに配置される複数の保持部31に対して同時的に同一種類の新たな内容物が補給されてもよい。また複数の補給ゾーンZ2のいずれかにおいて新たな内容物が補給された保持部31は、他の補給ゾーンZ2において新たな内容物が補給されなくてもよい。例えば、空の3つの保持部31が3つの補給ゾーンZ2のそれぞれに配置されたタイミングで、これらの3つの保持部31の全てに新たな内容物を補給してもよい。また各保持部31に対する新たな内容物の補給は、任意のデバイスによって行われてもよいし、人手によって行われてもよい。
【0035】
複数の保持部31の各々は可撓性を有し、可撓性を有する部材によって区画される内側スペース31sを有する。各保持部31の内側スペース31sは、各保持部31と対応の貫通孔34との間の相対位置に応じて、水平断面径が可変である。図示の各保持部31は、概ね均一な厚みを有し且つ平面形状が長方形である弾性プレート(例えばゴム板)によって構成されている。内側スペース31sが全体にわたって概ね円形の水平横断面を持つようにこの弾性プレートが筒状(特に円錐台状)に曲げられることにより、各保持部31は形成されている。
【0036】
各保持部31の外周部(すなわち水平断面の最外部)は、基本的に上方位置ほど大きな水平断面径を有する。各保持部31の外周部の最下部(すなわち高さ方向に関して最も下方の位置における外周部)の水平断面径は、対応の貫通孔34の水平断面径(特に最小の水平断面径)よりも小さい。一方、各保持部31の外周部の最上部(すなわち高さ方向に関して最も上方の位置における外周部)の水平断面径は、当該最上部が対応の貫通孔34よりも上方に位置している限り、対応の貫通孔34の水平断面径(特に最小の水平断面径)よりも大きい。そして各保持部31の外周部の水平断面径は、最上部から最下部に向かって連続的に且つ比例的に変化する。したがって、各保持部31の水平断面径は、各保持部31と対応の貫通孔34との間の相対位置(すなわち対応の貫通孔34に対する各保持部31の挿入位置)に応じて変化する。
【0037】
このように各貫通孔34は、対応の保持部31の外周部の水平方向の大きさを規制し、ひいては対応の保持部31の内側スペース31sの水平方向の大きさを規制する。より具体的には、各保持部31のうちの対応の貫通孔34を形成する側壁部(すなわち回転テーブル32:図示の例では貫通孔34を形成する側壁部の最上縁部)と接触する部分の高さ方向位置に応じて、各保持部31の全体の水平断面径が変わる。
【0038】
例えば保持部31のうちの比較的下方の部分が対応の貫通孔34に挿入されている場合、保持部31に対する貫通孔34の規制の程度は比較的弱く、保持部31(特に上方部分)は比較的大きな水平断面径を有する。そのため、例えば
図3及び
図4に示すように上方部分における内側スペース31sが、部分的に弾性プレート(すなわち保持部31を構成する部材)により囲まれているが、部分的に弾性プレートによって囲まれない状態で、各保持部31が対応の貫通孔34に挿入される場合もある。一方、保持部31のうちの比較的上方の部分が対応の貫通孔34に挿入されている場合、保持部31に対する貫通孔34の規制の程度は比較的強く、保持部31は比較的小さな水平断面径を有する。そのため、各保持部31の最上部から最下部まで、内側スペース31sが全周にわたって弾性プレート(すなわち保持部31を構成する部材)により囲まれる場合もある(後述の
図7及び
図8参照)。
【0039】
各保持部31を移動させる保持駆動部33の構成は限定されない。図示の保持駆動部33は、高さ方向位置が変動するカムガイド41と、それぞれの保持部31に対して設けられる複数のカム移動体42と、それぞれの保持部31に対して取り付けられる複数の連結体43と、を含む。
【0040】
カムガイド41は、回転テーブル32よりも下方に設けられており、回転テーブル32の回転の影響を基本的には受けない。すなわち、回転テーブル32が回転軸線Axの周りで回転しても、カムガイド41は回転軸線Axの周りで回転することはない。
【0041】
カムガイド41は、複数のカム移動体42の高さ方向位置を規制するガイド面41sを有する。高さ方向に関してお互いに対向するように位置する上側ガイド面41s及び下側ガイド面41sによって、各カム移動体42は高さ方向に挟まれている。上側ガイド面41s及び下側ガイド面41sは、お互いに平行に延在し、高さ方向位置が変動する。各カム移動体42は、上側ガイド面41s及び下側ガイド面41sから規制を受けつつ上側ガイド面41sと下側ガイド面41sとの間の空間を移動するように、カムガイド41によって案内される。
【0042】
図示の例において、隣り合う補給ゾーンZ2間(すなわち第1補給ゾーンZ2−1と第2補給ゾーンZ2−2との間及び第2補給ゾーンZ2−2と第3補給ゾーンZ2−3との間の各々)では、カムガイド41が水平方向と概ね平行に延在しており、上側ガイド面41sと下側ガイド面41sとの間の空間も水平方向と概ね平行に広がっており、各カム移動体42及び各保持部31は水平方向と概ね平行に移動する。一方、投入ゾーンZ1に隣り合って配置される補給ゾーンZ2(
図2の第3補給ゾーンZ2−3及び第1補給ゾーンZ2−1の各々)と投入ゾーンZ1との間では、カムガイド41が、水平方向に延在する水平ガイド部41hと、高さ方向に傾斜する傾斜ガイド部41dとを有する(
図3参照)。各カム移動体42及び各保持部31は、補給ゾーンZ2と投入ゾーンZ1との間において、水平ガイド部41hが存在する範囲では水平方向と概ね平行に移動し、傾斜ガイド部41dが存在する範囲では高さ方向の位置を変動させながら水平方向に移動する。
【0043】
複数のカム移動体42は、それぞれ複数の連結体43に取り付けられ、カムガイド41に沿って移動する。すなわち各カム移動体42は、カムガイド41の上側ガイド面41s及び下側ガイド面41sによって高さ方向位置が規制されつつ、カムガイド41上(特に下側ガイド面41s上)を回転しながら移動する。なお図示のカム移動体42は回転体によって構成されているが、カム移動体42は回転しなくてもよく、カムガイド41上(特に下側ガイド面41s上)をスライド移動してもよい。
【0044】
複数の連結体43は、複数の保持部31のそれぞれに取り付けられている。図示の各連結体43は、昇降軸部44、固定支持部45及び支軸部46を有する。固定支持部45は昇降軸部44の一方側部分(図示の例では昇降軸部44の上方端部)に取り付けられており、支軸部46は昇降軸部44の他方側部分(図示の例では昇降軸部44の下方端部)に取り付けられている。固定支持部45は対応の保持部31に固定されており、各保持部31は固定支持部45を介して昇降軸部44に連結されている。図示の各固定支持部45は、お互いに固着されている保持板45a及び保持ブロック45bを含み、保持板45aが対応の保持部31に固着されており、保持ブロック45bが対応の昇降軸部44に固着されている(
図4参照)。支軸部46は、対応のカム移動体42を回転自在に支持している。
【0045】
このように各保持部31は対応の連結体43を介して対応のカム移動体42に連結されており、対応のカム移動体42の高さ方向位置に応じて、各保持部31の高さ方向位置が定まる。
【0046】
本実施形態の保持駆動部33は、後述の
図7及び
図8に示すように、カム駆動部49を更に有する。また本実施形態のカムガイド41は、固定カムガイド41a及び分割カムガイド41bを含む。固定カムガイド41aは固定的に設けられており、固定カムガイド41aの高さ方向位置は変動しない。一方、分割カムガイド41bは、カム駆動部49に駆動されて、高さ方向に移動可能に設けられている。図示のカムガイド41のうち、分割カムガイド41bは投入ゾーンZ1に設けられており、この分割カムガイド41b以外の部分は固定カムガイド41aによって構成されている。上述の傾斜ガイド部41dは、固定カムガイド41aの一部によって構成されており、水平ガイド部41h及び傾斜ガイド部41dが組み合わされて固定カムガイド41aが構成されている。分割カムガイド41bは、水平ガイド部41hとして構成されている。
【0047】
カム駆動部49は、分割カムガイド41bに取り付けられており、分割カムガイド41bを高さ方向に移動させる。カム駆動部49は、任意のデバイスによって構成可能である。図示のカム駆動部49はエアシリンダにより構成されており、分割カムガイド41bに取り付けられたピストンロッド49aを有する。カム駆動部49のシリンダチューブからのピストンロッド49aの突出量に応じて、分割カムガイド41bが昇降し、分割カムガイド41bの高さ方向位置が定められる。本実施形態のカム駆動部49は、投入ゾーンZ1に配置されている各保持部31に連結されている対応のカム移動体42が分割カムガイド41bに配置されている状態で、分割カムガイド41bを高さ方向に移動させる。これにより、投入ゾーンZ1に配置されている各保持部31を第2高さ位置(
図7参照)と第3高さ位置(
図8参照)との間で移動させることができる。
【0048】
このように保持駆動部33は、投入ゾーンZ1に配置されている保持部31を移動させて、当該保持部31の一部を対応の貫通孔34に配置しつつ、当該保持部31の他の一部(当該保持部のうちの最下方部である保持開口部31aを含む部分)を投入ゾーンZ1に位置する袋Bの内側に配置する(
図8参照)。
【0049】
[投入方法]
次に、第6ステーションS6(すなわち投入ゾーンZ1)において行われる投入工程(投入方法)について説明する。
【0050】
図5〜
図8は、投入装置13の拡大図であり、投入工程を説明するための図である。なお、
図5には保持部31に収容される前の内容物99が概念的に示されているが、
図6〜
図8において内容物99の図示は省略されている。
【0051】
本例の保持駆動部33は、補給ゾーンZ2に配置される複数の保持部31の各々を、第1高さ位置(
図5参照)に配置し、投入ゾーンZ1に配置される複数の保持部31の各々を、第2高さ位置(
図7参照)と第3高さ位置(
図8参照)との間で移動させる。第2高さ位置及び第3高さ位置は、第1高さ位置よりも下方に位置する。投入ゾーンZ1において第2高さ位置に配置されている保持部31は、全体が、袋の外側に配置されている。投入ゾーンZ1において第3高さ位置に配置されている保持部31は、一部が、袋の内側に配置されている。
【0052】
すなわち各保持部31は、1又は複数の補給ゾーンZ2において内容物99が補給される(
図5参照)。各保持部31に補給された内容物99は、各保持部31の内側スペース31sに配置される。各補給ゾーンZ2において、各保持部31は比較的高い位置(すなわち第1高さ位置)に配置されており、各保持部31の内側スペース31sは比較的大きな水平断面径を有する。そのため、嵩張りやすい内容物99を、容易に、内側スペース31sに配置することが可能である。なお、各補給ゾーンZ2におけるカムガイド41(特に、各補給ゾーンZ2に間欠的に停止された各保持部31に連結されるカム移動体42が位置するカムガイド41の部分)の高さ方向位置は、各保持部31が第1高さ方向に配置されるような位置になっている。
【0053】
内側スペース31sに内容物99が収容されている保持部31は、回転テーブル32の間欠回転に応じて、補給ゾーンZ2(図示の例では第3補給ゾーンZ2−3(
図2参照))から投入ゾーンZ1に移動する。この際、保持部31に連結されているカム移動体42は、第1高さ位置に対応する水平ガイド部41hから傾斜ガイド部41dに移動し(
図5及び
図6参照)、その後、第2高さ位置に対応する水平ガイド部41hに傾斜ガイド部41dから移動し、最終的には分割カムガイド41bに配置される(
図6及び
図7参照)。この際、カム駆動部49のピストンロッド49aはシリンダチューブから比較的大きく突出しており(
図7参照)、分割カムガイド41bは第2高さ位置に対応する位置に配置されている。したがってカム移動体42は、固定カムガイド41aのうち第2高さ位置に対応する水平ガイド部41hから、分割カムガイド41bにスムーズに移動することができる。このようにして保持部31は、投入ゾーンZ1において第2高さ位置に配置される。
【0054】
補給ゾーンZ2から投入ゾーンZ1に向かう間に傾斜ガイド部41dによって案内されるカム移動体42は、傾斜ガイド部41dのガイド面41s(特に下側ガイド面41s)の傾斜に沿って徐々に下降し、当該カム移動体42に連結される保持部31も徐々に下降する。保持部31は、このようにして徐々に下降することで、対応の貫通孔34に徐々に挿入され、内側スペース31sの水平断面径が徐々に低減する。そして
図7に示すように、保持部31が第2高さ位置まで下降した状態で、当該保持部31は対応の貫通孔34を貫通し、当該保持部31の水平断面径(ひいては内側スペース31sの水平断面径)は全体にわたって袋Bの口部B1の開口径よりも小さくなる。
【0055】
なお、内容物99を持つ保持部31が投入ゾーンZ1に到達する前後に又は投入ゾーンZ1に到達するのと同時に、当該内容物99が投入される予定の空の袋Bが第6ステーションS6(すなわち投入ゾーンZ1)に配置される。この際、グリッパーペア21によって両側部B2が把持された袋Bは、口部B1が開かれた状態で第6ステーションS6に配置される。このときの口部B1の径の大きさは限定されないが、口部B1の径は、貫通孔34の水平断面径よりも大きいことが好ましい。また第6ステーションS6に配置された袋Bの口部B1(特に開口空間)の高さ方向への投影が、投入ゾーンZ1に配置された保持部31(特に保持開口部31a)の高さ方向への投影の全体を含むように、袋B及び保持部31が配置されることが好ましい。また第6ステーションS6に配置された袋Bの口部B1(特に開口空間)の高さ方向への投影が、投入ゾーンZ1に配置された保持部31が配置されている貫通孔34の高さ方向への投影の全体を含むように、袋B及び貫通孔34が配置されることが好ましい。
【0056】
分割カムガイド41bに配置されているカム移動体42に連結されている保持部31は、第2高さ位置に配置されている状態で、第6ステーションS6に配置されているグリッパーペア21及び当該グリッパーペア21によって把持されている袋Bと接触しない。すなわち投入ゾーンZ1において第2高さ位置に配置されている保持部31は、第6ステーションS6においてグリッパーペア21により把持されている袋Bよりも上方に位置している。特に、当該保持部31の保持開口部31a(すなわち下方端部)は、高さ方向に関して、当該袋Bの口部B1(特に開口空間)と対向する。
【0057】
分割カムガイド41bにカム移動体42が配置された状態で、カム駆動部49はピストンロッド49aの突出量を低減し、分割カムガイド41bを下降させる(
図7及び
図8参照)。これにより、保持部31は第2高さ位置から第3高さ位置に配置される。
図8に示すように、第3高さ位置に配置されている保持部31の一部は、袋Bの内側に配置されている。
【0058】
各保持部31は、このようにして投入ゾーンZ1において部分的に袋Bの内側に配置されている状態で、内側スペース31sから袋Bの内側に内容物99を引き渡す。この際、図示しないデバイスによって、内側スペース31sから袋B内への内容物99の引き渡しが促されてもよい。
【0059】
例えば、袋Bのうちの側部B2間に延在する表面部及び裏面部を介して袋B内に位置する内容物99を把持する一対の把持部材(図示省略)によって、保持部31の内側スペース31sから袋B内への内容物99の引き渡しが促されてもよい。この場合、保持部31が第3高さ位置(
図8参照)に配置されている状態で、一対の把持部材を閉じて袋B内の内容物99(例えば内容物99のうち保持開口部31aから下方に飛び出ている部分)を把持してもよい。このように内容物99の少なくとも一部が袋Bの内側に存在している状態を一対の把持部材によって維持しつつ、保持部31を第3高さ位置から第2高さ位置に上昇させることによって、内容物99が保持部31(特に内側スペース31s)からリリースされる。その後、内容物99は、一対の把持部材が開かれることによって一対の把持部材から解放され、重力の影響下で袋Bに完全に収容される。
【0060】
また図示しないエア噴出装置を設置してもよい。投入ゾーンZ1において第3高さ位置に配置されている保持部31に収容されている内容物99(すなわち少なくとも一部が袋B内に位置する内容物99)に向けてこのエア噴出装置からエアを噴出させることによって、保持部31の内側スペース31sから袋B内への内容物99の引き渡しを促すことができる。
【0061】
袋Bに内容物99が収容された後、回転テーブル32の回転に応じて、内容物99をリリースした後の保持部31が投入ゾーンZ1から補給ゾーンZ2(特に第1補給ゾーンZ2−1)に移動し、新たな内容物99が補給されている別の保持部31が補給ゾーンZ2(特に第3補給ゾーンZ2−3)から投入ゾーンZ1に移動する。また駆動テーブル20の回転に応じて、内容物99を収容している袋Bが対応のグリッパーペア21とともに第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動し、内容物99を収容していない袋Bが対応のグリッパーペア21とともに第5ステーションS5から第6ステーションS6に移動する。このように回転テーブル32及び駆動テーブル20はお互いに相関をもって回転し、一定のリズムで、袋Bが第6ステーションS6に配置され且つ内容物99を保持する保持部31が投入ゾーンZ1に配置される。
【0062】
上述の一連の工程を繰り返すことによって、投入装置13によって連続的に内容物99を多数の袋Bに投入することができる。
【0063】
以上説明したように本実施形態の包装システム10及び投入装置13によれば、各保持部31は、対応の貫通孔34に対する相対位置に応じて断面径が可変である内側スペース31sを有する。また各保持部31は、補給ゾーンZ2において受け取った内容物99を内側スペース31sにおいて保持し、投入ゾーンZ1において内容物99を内側スペース31sから袋Bの内側に引き渡す。このように、貫通孔34を有する回転テーブル32、可撓性を有する複数の保持部31、及び各保持部31と対応の貫通孔34との間の相対位置を変える保持駆動部33を利用した簡素な装置構成により、高速で、複数の袋Bの各々に対して内容物99を圧縮しながら投入することができる。
【0064】
特に、回転テーブル32に対して複数の保持部31を据え付けることによって、ある保持部31が投入ゾーンZ1において袋B内に内容物99を引き渡す処理に使用されていても、他の保持部31が補給ゾーンZ2において新たな内容物99の補給を受けることができる。このように袋B内への内容物99の引き渡し処理と、各保持部31への内容物99の補給処理とを同時に行うことによって、投入装置13における投入処理全体の速度を速くすることができる。そのため本実施形態の投入装置13によれば、包装システム10全体の処理速度(特に第6ステーションS6以外のステーションにおける処理速度)が高速であっても、その処理速度に応じた速度で、袋Bに内容物99を投入することが可能である。
【0065】
また各保持部31の一部を、常に対応の貫通孔34の内側に配置し且つ当該貫通孔34に対してスライド可能に設けることにより、各保持部31の大きさ(特に水平断面径)を簡単に素早く所望の大きさに変えることができる。
【0066】
また各補給ゾーンZ2では各保持部31を比較的高い位置(すなわち第1高さ位置)に配置することできる一方で、投入ゾーンZ1では各保持部31を比較的低い位置である第2高さ位置及び第3高さ位置に配置することができる。特に第2高さ位置に配置されている保持部31は全体が袋Bの外側に配置され、第3高さ位置に配置されている保持部31は一部が袋Bの内側に配置されている。これにより、各補給ゾーンZ2では、各保持部31(特に内側スペース31s)の水平断面径を比較的大きくすることができ、各保持部31の内側スペース31s内への内容物99の補給を容易に行うことができる。また投入ゾーンZ1では、各保持部31(特に内側スペース31s)の水平断面径を比較的小さくすることができ、各保持部31により圧縮された内容物99を、口部B1を介して袋Bの内側に適切且つスムーズに入れることができる。
【0067】
また本実施形態の保持駆動部33は、カムガイド41、複数の連結体43及び複数のカム移動体42を利用したカム機構に基づいて、各保持部31の高さ方向位置を変えることができる。このように保持駆動部33は、比較的簡素な機械構造に基づいて各保持部31の高さ方向位置を調整することができ、より複雑な機械構造や複雑な電気制御が不要である。特に、局所的に高さ方向へ移動可能な分割カムガイド41bを利用することによって、簡素な機械構造に基づいて、袋B内への内容物99の受け渡しを的確に行うことができる。
【0068】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されず、各種変形が加えられてもよい。
【0069】
例えば、補給ゾーンZ2の数は限定されない。投入装置13は、1つのみの補給ゾーンZ2を有していてもよいし、2つの補給ゾーンZ2を有していてもよいし、4以上の補給ゾーンZ2を有していてもよい。
【0070】
また上述の実施形態では、隣り合う補給ゾーンZ2間に設けられるカムガイド41が、水平方向に対して概ね平行に延在しているが、水平方向に対して非平行に延在していてもよい。
【0071】
また上述の実施形態の各保持部31は常に一部が対応の貫通孔34に配置されているが、各保持部31は、必ずしも常に貫通孔34に配置されていなくてもよい。例えば、各保持部31が、対応の貫通孔34から規制を受けなくても、新たに補給される内容物99を保持可能な形状を維持することができるのであれば、各補給ゾーンZ2において各保持部31は貫通孔34に挿入されていなくてもよい。
【0072】
上述の実施形態及び変形例が部分的に組み合わせられてもよい。本発明によって奏される効果も上述の効果には限定されず、具体的な構成に応じた特有の効果が発揮される。