【解決手段】操作パネル110と、操作パネル110上に設けられて、作業者により操作される操作スイッチSWと、操作パネル110上における操作スイッチSWの近傍に突起状に設けられて、作業者による操作スイッチSWの誤操作を防止するスイッチガード120とを備え、スイッチガード120は、操作スイッチSWと対向する側に開口を有する中空構造であり、スイッチガード120の中空部124内に、操作スイッチSWを照明するLEDテープ150が設けられている。
前記照明カバーは、前記光源部の近傍に設けられて前記中空部内における前記光源部の脱落を防止する脱落防止部を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の作業車の操作装置。
前記操作パネルを保持する操作ボックス本体と、前記操作ボックス本体に開閉自在に設けられて前記操作パネルを覆う操作ボックスカバーとを有してなる操作ボックスを備え、
前記操作ボックスは、前記操作ボックスカバーの開閉を検出する検出手段を有し、
前記操作ボックスカバーの開閉に連動して前記光源部を点灯/消灯するように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の作業車の操作装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば夜間やトンネル内など暗い場所で作業を行う場合には、操作装置(上部操作装置、下部操作装置)の操作パネルを十分に照明して、この操作パネルの視認性を確保することが求められる。しかしながら、この操作パネル上には、操作スイッチなどの操作手段をはじめとして、誤操作防止用のスイッチガードや、モニタ(ディスプレイ)、計器類など、多数の機器が配設されており、このようなレイアウト上の制約により、操作パネル上に照明機器を省スペースで設置することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、操作パネルのレイアウト上の制約を受けることなく、操作照明用の光源部を省スペースで配設することのできる作業車の操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る作業車の操作装置は、操作パネルと、前記操作パネル上に設けられて、作業者により操作される操作スイッチと、前記操作パネル上における前記操作スイッチの近傍に突起状に設けられて、作業者による前記操作スイッチの誤操作を防止するスイッチガードとを備え、前記スイッチガードは、前記操作スイッチと対向する側に開口を有する中空構造であり、前記スイッチガードの中空部内に、前記開口を通して前記操作スイッチを照明する光源部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
なお、上記構成の作業車の操作装置において、前記スイッチガードの中空部に設けられて前記開口部を閉止する透光性の照明カバーを備え、前記光源部の発する光が前記照明カバーを透過して前記操作スイッチを照明するように構成されていることが好ましい。
【0008】
また、上記構成の作業車の操作装置において、前記光源部は、可撓性を有するフレキシブル基板上に所定の間隔をあけて複数のLED素子が配列されたLEDテープであり、前記LEDテープが前記スイッチガードの中空部内において前記照明カバーに貼着されていることが好ましい。
【0009】
さらに、上記構成の作業車の操作装置において、前記照明カバーは、前記光源部の近傍に設けられて前記中空部内における前記光源部の脱落を防止する脱落防止部を備えていることが好ましい。
【0010】
また、上記構成の作業車の操作装置において、前記操作パネルを保持する操作ボックス本体と、前記操作ボックス本体に開閉自在に設けられて前記操作パネルを覆う操作ボックスカバーとを有してなる操作ボックスを備え、前記操作ボックスは、前記操作ボックスカバーの開閉を検出する検出手段を有し、前記操作ボックスカバーの開閉に連動して前記光源部を点灯/消灯するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る作業車の操作装置によれば、操作スイッチの近傍に配されるスイッチガードの中空部分のデッドスペースを有効活用して、この中空部内に光源部を収容することで、操作パネル上のレイアウト等の制約を受けることなく、操作照明用の光源部を省スペースで配設することができる。また、スイッチガードの内部に光源部が設けられることで、各種の操作スイッチとの間に光を遮るものがなく、その近傍位置から操作スイッチを正確に照明することができ、夜間等の暗い環境下においても操作パネルの視認性を高めて、作業性および安全性を向上させることが可能となる。
【0012】
また、上記構成の作業車の操作装置において、スイッチガードの中空部に透光性の照明カバーを設けることで、光源部の発する光を照明カバーを透過させて操作スイッチの周囲をムラなく均一に照射することができるとともに、作業現場の埃や粉塵などにより光源部が汚損されるのを防止することが可能となる。
【0013】
さらに、上記構成の作業車の操作装置において、光源部としてLEDテープを利用することで、スイッチガード内の限られたスペースに、操作照明用の光源部を適切に収容することができるとともに、外部から簡単に着脱することができ、交換や点検時のメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0014】
加えて、上記構成の作業車の操作装置において、光源部の近傍に脱落防止部を設けることで、光源部が車体の振動や経年劣化等により脱落して、操作スイッチ等の周囲を正しく照明できなくなるという不測の事態が発生するのを防止することが可能となる。
【0015】
また、上記構成の作業車の操作装置において、操作ボックスカバーの開閉に連動して、光源部を点灯/消灯することで、暗い作業環境下においても照明用の操作スイッチを操作することなく、操作ボックスカバーを開閉するだけで自動的に光源部が点灯/消灯することになるため、使い勝手の良い操作装置を実現することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本実施形態に係る下部操作装置100を備えた高所作業車1を
図1および
図2に示しており、まず、これらの図を参照して高所作業車1の全体構成について説明する。
【0018】
高所作業車1は、車体2の前部に運転キャブ7を有し、車体2の前後に配された左右一対の前輪5f及び後輪5rにより走行可能なトラック式車両をベースに構成されている。車体2は、前輪5fおよび後輪5rが配設されたシャシフレームと、このシャシフレーム上に取り付けられたサブフレームとからなる車体フレームを備えて構成されている。
【0019】
車体2の前後左右には、高所作業時に車体2を持ち上げ支持するアウトリガジャッキ10が設けられている。アウトリガジャッキ10は、前輪5fの後方に配設された左右一対の前アウトリガジャッキ10fと、後輪5rの後方に配設された左右一対の後アウトリガジャッキ10rとを有して構成される。各アウトリガジャッキ10(10f,10r)は、その内部に設けられたジャッキシリンダ11を駆動させて下方に伸長させることで車体2を持ち上げ支持し、これにより車両全体を安定させた状態とする。
【0020】
車体2における運転キャブ7後方の架装領域には、旋回モータ24により駆動されて上下軸回りに水平旋回動自在に構成された旋回台20が設けられている。この旋回台20から上方に延びた支柱21には、ブーム30の基端部がフートピン22を介して上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。また、車体2の架装領域の左右には、作業工具や作業機材などを収納するための工具箱26が設けられている。また、車体2の下部には、アウトリガジャッキ10および高所作業装置(旋回台20、ブーム30、作業台40など)を作動させる動力源となる架装部バッテリ65が設けられている。
【0021】
ブーム30は、旋回台20側から順に、基端ブーム30a、中間ブーム30b及び先端ブーム30cが入れ子式に組み合わされた構成を有しており、その内部に設けられた伸縮シリンダ31の伸縮駆動により、ブーム30を軸方向(長手方向)に伸縮動させることができる。また、基端ブーム30aと支柱21との間には起伏シリンダ23が跨設されており、この起伏シリンダ23を伸縮駆動させることにより、ブーム30全体を上下面(垂直面)内で起伏動させることができる。
【0022】
先端ブーム30cの先端部には、垂直ポスト(図示せず)が上下方向に揺動自在に枢支されている。この垂直ポストは、先端ブーム30cの先端部との間に跨設された上部レベリングシリンダ(図示せず)と、基端ブーム30aと支柱21との間に跨設された下部レベリングシリンダ25とにより、ブーム30の起伏の如何に拘らず常時垂直姿勢に保持されるように揺動制御(レベリング制御)される。この垂直ポストには、作業者搭乗用の作業台40が作業台ブラケット(図示せず)を介して取り付けられている。この作業台ブラケットの内部には首振りモータ(図示せず)が設けられており、この首振りモータを駆動させることにより、作業台40全体を垂直ポスト回りに首振り動(水平旋回動)させることができる。ここで、垂直ポストは、上述のように常時垂直姿勢が保たれるため、結果として作業台40の床面はブーム30の起伏角度によらず常時水平に保持される。
【0023】
作業台40には、これに搭乗した作業者が操作する操作レバーや操作スイッチ、操作ダイヤル等を備えた上部操作装置45が設けられている。そのため、作業台40に搭乗した作業者は、上部操作装置45を操作することにより、旋回台20の旋回作動(旋回モータ24の回転作動)、ブーム30の起伏作動(起伏シリンダ23の伸縮作動)、ブーム30の伸縮作動(伸縮シリンダ31の伸縮作動)、作業台40の首振り作動(首振りモータの回転作動)などの各作動操作を行うことができる。なお、車体2の後部には、下部操作装置100が設けられており、地上もしくは車体2上にいる作業者は、上記の作動操作(上部操作装置45と同様な作動操作)や、各アウトリガジャッキ10(10f,10r)の
作動操作などを行うことができるようになっている。
【0024】
次に、本実施形態に係る下部操作装置100について、
図3〜
図8を追加参照して説明する。なお、断面図(
図7、
図8)においては、理解を容易にするため、一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
【0025】
下部操作装置100は、
図2に示すように、車体2上に取り付けられた箱状の操作ボックス101と、この操作ボックス101内に略垂直姿勢で取り付けられた操作パネル110(
図3等を参照)とを備えて構成される。以下の説明では、作業者(操作者)と対向する側を「正面側」、その反対側を「裏面側」と呼称する。
【0026】
操作ボックス101は、車体2上に固定された操作ボックス本体102と、操作ボックス本体102の後面側に開閉可能に取り付けられて操作パネル110を覆う操作ボックスカバー103とを備えている。
【0027】
操作パネル110は、不透光性の硬質樹脂材料又は金属材料を用いて形成されており、操作ボックス本体102の内部にネジ止め固定されている。この操作パネル110は、裏面側に開口を有する扁平な横長箱状に形成されたパネル本体部111を主体として構成される。このパネル本体部111の正面側には、モニタ(ディスプレイ)112、計器類(アワメータ)113、表示ランプ114、各種の操作スイッチSW、スイッチガード120などが配設されている。なお、本実施形態では、各種の操作スイッチSWを総称する場合には、単に「操作スイッチSW」と呼称し、これらを個別に指す場合には、「操作スイッチSW1」、「操作スイッチSW2」、「操作スイッチSW3」・・・というように番号を付して呼称する。
【0028】
各種の操作スイッチSWは、パネル本体部111の正面側に、上下二段に分かれて配列されている。パネル本体部111の上段側には、左から右へ順に、自動格納/始業前点検スイッチSW1、伸縮スイッチSW2、旋回スイッチSW3、起伏スイッチSW4、エンジンスイッチSW5、バッテリスイッチSW6、通常充電スイッチSW7、均等充電スイッチSW8が取り付けられている。パネル本体部111の下段側には、左から右へ順に、下部優先スイッチSW11、前ジャッキ伸長規制解除スイッチSW12、非常用ポンプスイッチSW13、アクセルスイッチSW14、照明スイッチSW15、乗員切替スイッチSW16、油圧取出スイッチSW17、アウトリガ作動警報スイッチSW18が取り付けられている。
【0029】
各操作スイッチSWは、中立位置を基準に前後いずれかの位置に傾動させておくことが可能なトグルスイッチから構成されている。なお、本実施形態では、操作スイッチSWの一例としてトグルスイッチを適用しているが、本発明において、操作スイッチSWとは、トグルスイッチ、レバースイッチ、ボタンスイッチ、キースイッチ、モーメンタリスイッチ、ジョイスティックスイッチなど各種のスイッチを包含する概念で用いている。
【0030】
自動格納/始業前点検スイッチSW1は、ブーム30を自動的に車体2上に格納作動させるための自動格納モードと、各センサ類や制御バルブ、コントローラなどの始業前点検を実施するための始業前点検モードとに切り替えるための操作スイッチである。
【0031】
伸縮スイッチSW2は、ブーム30を伸長作動又は縮小作動させるための操作スイッチである。旋回スイッチSW3は、ブーム30(旋回台20)を平面視にて時計方向又は反時計方向へ旋回作動させるための操作スイッチである。起伏スイッチSW4は、ブーム30を起仰作動又は倒伏作動させるための操作スイッチである。
【0032】
エンジンスイッチSW5は、車両のエンジンを始動又は停止させるための操作スイッチである。バッテリスイッチSW6は、バッテリユニット(架装部バッテリ65)を運転モード又は停止・充電モードに切り替えるための操作スイッチである。通常充電スイッチSW7は、バッテリユニット(架装部バッテリ65)の通常充電モードを入切するための操作スイッチである。均等充電スイッチSW8は、バッテリユニット(架装部バッテリ65)の均等充電モードを入切するための操作スイッチである。
【0033】
下部優先スイッチSW11は、上部操作装置45の操作よりも下部操作装置100の操作を優先する(上部操作装置45を無効にして下部操作装置100を有効にする)ための操作スイッチである。前ジャッキ伸長規制解除スイッチSW12は、車両を傾斜地に駐車して作業を行う場合に前アウトリガジャッキ(非制動側ジャッキ)10fの伸長量の規制を解除する伸長量規制解除入モードと、車両を平坦地に駐車して作業を行う場合に前アウトリガジャッキ(非制動側ジャッキ)10fの伸長量の規制をかける伸長量規制解除切モードとに切り替えるための操作スイッチである。非常用ポンプスイッチSW13は、車両のエンジンや電動ユニット(架装部バッテリ65)等で作動する油圧ポンプが故障した場合に用いられる非常用ポンプを作動させるための操作スイッチである。アクセルスイッチSW14は、車両のエンジンの回転数を高低自動に制御する自動モードと、エンジンの回転数を一定の低速回転数に制御する低速モードとに切り替えるための操作スイッチである。
【0034】
照明スイッチSW15は、後述のLEDテープ150の照明を入切するための操作スイッチである。乗員切替スイッチSW16は、作業台40に搭乗する乗員数(1名又は2名)を切り替えるための操作スイッチである。油圧取出操作スイッチSW17は、車体2に設けられた油圧取り出し口(図示せず)を介して外部の油圧工具に作動油(圧油)を取り出すときに操作される操作スイッチである。アウトリガ作動警報スイッチSW18は、アウトリガジャッキ10を作動操作しているときに発する警報音を入切するための操作スイッチである。
【0035】
これらの操作スイッチSWの下方には、各アウトリガジャッキ10の作動操作を行うためのジャッキレバー(図示せず)が挿通状態で配設される下部挿通口115が形成されている。また、この下部挿通口115の右側には、ブーム30やアウトリガジャッキ10を含む全ての作動装置の作動を緊急停止させるための非常停止スイッチ(ワンショットスイッチ)116が設けられている。
【0036】
なお、上記の照明スイッチ(手動操作スイッチ)SW15の代わりに、操作ボックス本体102と操作ボックスカバー103との間に検出手段としてのマイクロスイッチ(スイッチ付きマグネットキャッチ)を取り付けて、操作ボックスカバー103の開閉動作に連動してマイクロスイッチが作動して、光源部(LEDテープ150)を自動的に点灯/消灯させるように構成してもよい。
【0037】
スイッチガード120は、各操作スイッチSWの頂部を越える高さを有して、左右方向(各段の操作スイッチSWの配列方向と平行な方向)に延びる横長の突起状に形成されている。つまり、このスイッチガード120は、各操作スイッチSWの操作姿勢に依らず、各操作スイッチSWの頂部が該スイッチガード120の先端面(後述の正面部121)よりも突出しないように構成されている。そのため、作業者が各操作スイッチSWを操作するとき以外にこれらの近くで手指等を動かしても、その手指等はスイッチガード120に当って各操作スイッチSWへの接触が阻止される(誤操作が防止される)。
【0038】
スイッチガード120は、パネル本体部111と一体的に形成されており、正面部121、上面部122および左右の側面部123を有する。このスイッチガード120には、
正面部121と上面部122と左右の側面部123とに囲まれて、各操作スイッチSWと対向する側(下側)に向けて開口する中空部124が形成されている。このスイッチガード120の中空部124には、スイッチガード120の直下に配置された各操作スイッチSWを照射するための照明装置130が取り付けられている。また、スイッチガード120の正面部121には、中空部124と前後方向に連通する連通溝121aが貫通形成されている。なお、スイッチガード120は、パネル本体部111と一体構造(一体成形品)ではなく、パネル本体部111に対して外付けの別体構造として構成してもよい。
【0039】
照明装置130は、スイッチガード120の中空部124に嵌め込まれるLEDカバー140と、このLEDカバー140に保持されて各操作スイッチSWを照明するLEDテープ150とを備えて構成される。
【0040】
LEDカバー140は、透光性を有する合成樹脂材料を用いて形成され、LEDテープ150の発する光を外方に向けて透過するように構成されている。このLEDカバー140は、スイッチガード120の内面形状(裏面側の形状)に対応する外面形状を有しており、このスイッチガード120の内面側を覆うように嵌め込まれた後、接着により固定される。なお、LEDカバー140には、所定の光拡散処理が施されていてもよい。この光拡散処理としては、透光性の合成樹脂に光拡散材(光拡散性の微粒子)を配合したもの、シボ加工(凹凸加工)が施されたもの、表面又は裏面に光拡散シートを貼着したものなどが挙げられる。
【0041】
このLEDカバー140は、スイッチガード120の上面部122の内側に設けられる上カバー部141と、スイッチガード120の下面開口を閉鎖する下カバー部142と、上カバー部141および下カバー部142の先端側を連結してスイッチガード120の正面部121の内側に設けられる先端カバー部143と、上カバー部141および下カバー部142の基端側に繋がって設けられてパネル本体部111の裏面側に保持される環状の支持部144とを有する。LEDカバー140には、各カバー部141,142,143の内面側に囲まれて、パネル本体部111の裏面側に向けて開口するLED収容空間145が形成されている。このLED収容空間145内における上カバー部141の内面側には、左右方向に沿ってLEDテープ150が貼着されている。
【0042】
先端カバー部143は、スイッチガード120の正面部121の連通溝121aに嵌挿される凸状の標示部143aを有している。この標示部143aは、スイッチガード120の正面部121の連通溝121aを介して作業者側(正面側)に露出しており、LEDテープ150の発する光により作業者等に対して操作スイッチSWやスイッチガード120等の存在を知らせる標示灯として構成される。
【0043】
LED収容空間145には、上カバー部141と先端カバー部143とに跨って略L字状の脱落防止片146が設けられている。この脱落防止片146は、LED収容空間145内においてLEDテープ150の下側を覆おうように前後方向に延びて設けられており、LEDテープ150が下方に脱落するのを防止している。本実施形態では、各LEDカバー140に、LEDテープ150の左側、中央、右側をそれぞれ支持する4個の脱落防止片146が設けられている。
【0044】
LEDカバー140の支持部144の略中央には、上下一対の連結片部147が形成されている。各連結片部147は、矩形環状に形成されており、例えば結束バンド(インシュロックタイ[登録商標])などの脱落防止具148を上下方向に挿通可能な大きさの挿通孔を有している。この上下の連結片部147の挿通孔に、脱落防止具148をそれぞれ挿通して巻き付け固定する(結束状態とする)ことで、この脱落防止具148の存在によってLEDテープ150がパネル本体部111の裏面側に脱落するのを防止している。
【0045】
LEDテープ150は、可撓性(柔軟性)を有する長尺状のフレキシブル基板上に、複数個のLED(発光ダイオード)が所定間隔をあけて表面実装された構造を有している。このLEDテープ150は、LED収容空間145内において上カバー部141の内面側に沿って貼着されている。このLEDテープ150の発する光は、LEDカバー140の下カバー部142および先端カバー部143を通して外部へ照射される。なお、LEDテープ150は、不図示のLEDドライバに電気的に接続されて発光制御される。
【0046】
この照明装置130において、LEDテープ150から射出される光は、スイッチガード120の内部において下カバー部142を透過して、スイッチガード120の下方(各操作スイッチSWおよびその周囲)を明るく照射することで、作業者の手指を各操作スイッチSWへと正しく誘導することができる。また同様に、LEDテープ150から射出される光は、スイッチガード120の内部において先端カバー部143を透過して、正面側の標示部143aを発光表示することで、作業者に対して操作スイッチSWやスイッチガード120等の存在を明瞭に知らしめることができる。
【0047】
以上、本実施形態に係る下部操作装置100によれば、操作スイッチSWの近傍に配されるスイッチガード120の中空部分のデッドスペースを有効活用して、この中空部124内に光源部(LEDテープ150)を収容することで、操作パネル110上のレイアウト等の制約を受けることなく、操作照明用の光源部(LEDテープ150)を省スペースで配設することができる。また、スイッチガード120の内部に光源部(LEDテープ150)が設けられることで、各種の操作スイッチSWとの間に光を遮るものがなく、その近傍位置から操作スイッチSWを正確に照明することができ、夜間等の暗い環境下においても操作パネル110の視認性を高めて、作業性および安全性を向上させることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態では、スイッチガード120の中空部124に透光性のLEDカバー140を設けることで、光源部(LEDテープ150)の発する光をLEDカバー140を透過させて操作スイッチSWの周囲をムラなく均一に照射することができるとともに、作業現場の埃や粉塵などにより光源部(LEDテープ150)が汚損されるのを防止することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、光源部としてLEDテープ150を利用することで、スイッチガード120内の限られたスペースに、操作照明用の光源部を適切に収容することができるとともに、外部から簡単に着脱することができ、交換や点検時のメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、光源部(LEDテープ150)の近傍に脱落防止部(脱落防止片146、脱落防止具148)を設けることで、光源部(LEDテープ150)が車体2の振動や経年劣化等により脱落して、操作スイッチSW等の周囲を正しく照明できなくなるという不測の事態が発生するのを防止することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態において、操作ボックスカバー103の開閉に連動して、光源部(LEDテープ150)を点灯/消灯することで、暗い作業環境下においても照明スイッチSW15を操作することなく、操作ボックスカバー103を開閉するだけで自動的に光源部(LEDテープ150)が点灯/消灯することになるため、使い勝手の良い操作装置を実現することが可能となる。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
【0053】
上記実施形態では、本発明に係る操作装置を、車体2上に設けられて地上にいる作業者が操作する下部操作装置100に適用した場合を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、作業台40上に設けられてこれに搭乗した作業者が操作する上部操作装置45に適用してもよい。
【0054】
上記実施形態では、光源部をLEDテープにより構成したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、回路基板上にリード脚により浮き上がった状態で設けられる砲弾型のLEDを適用してもよい。それによれば、回路基板はパネル本体部の裏面側に配設しながらも、リード線の長さの分だけLEDをスイッチガードの中空部分(LED収容空間)内に突出させて収容させることができる。
【0055】
上記実施形態では、本発明に係る作業車として、伸縮ブーム式の高所作業車を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、屈伸ブーム式の高所作業車、穴掘り建柱車、軌陸車、自走式作業車、連結車(複数台の作業車を連結した形態の作業機)、クレーン車等であってもよく、操作スイッチおよびスイッチガードを有する作業装置を備えた作業車であれば、本発明を適用可能である。