【解決手段】一態様において、本発明の化粧品組成物は、粘土鉱物を含む。また、粘土鉱物と界面活性剤とを組み合わせることで、シワの防止または減少の相乗効果が期待される。粘土鉱物は、スメクタイト、タルク、パイロフィライト、蛇紋石、カオリン、バーミキュライト、雲母(マイカ)、脆雲母または緑泥石、ゼオライト、セピオライト、カーロスターナイトからなる群から選択される族に分類される粘土鉱物であり得る。界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはこれらの組合せであり得る。
前記粘土鉱物が、スメクタイト、タルク、パイロフィライト、蛇紋石、カオリン、バーミキュライト、雲母(マイカ)、脆雲母または緑泥石、ゼオライト、セピオライト、カーロスターナイトからなる群から選択される族に分類される粘土鉱物、あるいはこれらの任意の組合せである、請求項1に記載の化粧品組成物。
前記粘土鉱物が、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ソーコナイト、スチーブンサイト、またはこれらを主成分として含有するベントナイトもしくは酸性白土、あるいはこれらの任意の組合せである、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはこれらの任意の組合せである、請求項7に記載の化粧品組成物。
前記カチオン性界面活性剤が、ラウリルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の化粧品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0010】
(用語の定義)
本明細書において、「約」とは、示される値の±10%を意味する。
【0011】
本明細書において、「化粧品組成物」とは、ヒトの身体領域に所望の外観上の効果をもたらすことを意図した組成物を意味する。外観上の化粧品の効果は、一時的、半永久的、又は永久的なものであり得る。本発明の化粧品組成物は、クリーム、ジェル、エマルション、液体、バーム、粉体、固形粉体、固形物、スティック状固形物、ムース等の形態で存在し得る。
【0012】
本明細書において、「粘土鉱物」とは、粘土を構成するケイ酸塩を主成分とする鉱物を指す。粘土鉱物は、層状の基本構造を有しており、2層および3層のものがある。層の間にアルミニウム、マグネシウムなどが入っており、これによって粘土鉱物の種類が決まる。また、多孔質のゼオライト、シート構造のセピオライト、カーロスターナイトなどの一部の粘土鉱物は層状構造を持たないが、層状構造の粘土鉱物と類似の特徴を有しており、これらも粘土鉱物に包含される。
【0013】
本明細書において、「界面活性剤」とは、親水基と疎水基とを有する分子であり、極性分子(例えば、粘土鉱物)と非極性分子(例えば、油脂)との界面で作用する物質を指す。水に溶解した際に親水基が正に荷電する界面活性剤を「カチオン性界面活性剤」といい、負に荷電する界面活性剤を「アニオン性界面活性剤」という。また、この両方の性質を併せ持つ、すなわち、親水基が正および負の荷電を持つ界面活性剤を「両性界面活性剤」という。水に溶解しても、荷電しない界面活性剤を「非イオン性界面活性剤」という。
【0014】
「炭化水素基」とは、炭素原子および水素原子で構成される脂肪族基を指す。炭化水素基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0015】
「アルキル」とは、本明細書で使用される場合、1個以上の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素を指す。
【0016】
本明細書において、「糖鎖」とは、単糖またはその誘導体が2つ以上連なってできた化合物をいう。単糖が2つ以上連なる場合は、各々の単糖同士の間は、グリコシド結合による脱水縮合によって結合する。このような糖鎖としては、例えば、生体中に含有される複合糖質(グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸、ウロン酸ならびにそれらの複合体及び誘導体から構成される)の他、分解された多糖のほか、糖タンパク質、糖ペプチド、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン及び糖脂質などの複合生体分子から分解又は誘導された糖鎖など広範囲なものが挙げられるがそれらに限定されない。したがって、本開示では、糖鎖は、「多糖」、「糖質」、「炭水化物」、「オリゴ糖」と互換可能に使用され得る。
【0017】
本明細書において、「アナログ」とは、親化合物に構造上類似しているが組成においてわずかに異なる化合物を指す(例えば1つの原子を異なる元素の原子に置き換える場合、または特定の官能基の存在下において、1つの官能基を別の官能基に置き換える場合など)。したがって、アナログは、基準となる親化合物に関して機能および外観は類似または同等であるが異なる構造または起原を有する化合物である。
【0018】
「誘導体」とは、親化合物に構造的に類似しており、親化合物から(実際にまたは理論的に)誘導できる、化学化合物または低分子阻害物質の化学的または生物学的に改変された種類を意味する。「誘導体」は、親化合物が「誘導体」を作製するための出発原料であり得るという点で、「アナログ」と異なり、「アナログ」を作製するための出発原料としては親化合物を必ずしも使用しなくてもよい。誘導体は、親化合物と異なる化学的特性または物理的特性を有してよく、または有さなくてもよい。例えば、誘導体の方が親水性が高くてもよく、または、誘導体は親化合物と比べて変化した反応性を有してもよい。誘導体化(すなわち、化学的手段または他の手段による改変)は、分子内の1つまたは複数の部分の置換(例えば、官能基中の変化)を伴ってよい。例えば、水素をフッ素もしくは塩素などのハロゲンで置換してよく、または、ヒドロキシル基(−OH)をカルボン酸部分(−COOH)で置換してもよい。「誘導体」という用語はまた、親化合物の結合体およびプロドラッグ(すなわち、生理的条件下で元の化合物に変換され得る、化学的に改変された誘導体)も含む。例えば、プロドラッグは、活性な作用物質の不活性型でよい。生理的条件下で、プロドラッグは化合物の活性型に変換され得る。プロドラッグは、例えば、窒素原子上の1つまたは2つの水素原子をアシル基(アシルプロドラッグ)またはカルバマート基(カルバマートプロドラッグ)で置換することによって、形成することができる。プロドラッグに関するより詳細な情報は、例えば、Fleisher et al., Advanced Drug Delivery Reviews 19 (1996) 115; Design of Prodrugs, H.Bundgaard(編), Elsevier, 1985;およびH. Bundgaard, Drugs of the Future 16 (1991) 443において見出される。「誘導体」という用語はまた、親化合物のあらゆる溶媒和物、例えば、水和物または付加体(例えば、アルコールの付加体)、活性な代謝産物、および塩を説明するのにも使用される。調製され得る塩のタイプは、化合物内の部分の性質に依存する。例えば、カルボン酸基のような酸性基は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)、ならびに生理的に許容できる四級アンモニウムイオンとの塩、ならびにアンモニアおよび生理的に許容できるトリエチルアミン、エタノールアミン、またはtris−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどの有機アミンとの酸付加塩を形成することができる。塩基性基は、例えば、塩酸(「HCl」)、硫酸、もしくはリン酸などの無機酸と、または有機カルボン酸および酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、もしくはp−トルエンスルホン酸などのスルホン酸と酸付加塩を形成することができる。塩基性基および酸性基、例えば、塩基性窒素原子に加えてカルボキシル基を同時に含む化合物は、双性イオンとして存在することができる。塩は、当業者に公知の習慣的な方法によって、例えば、ある化合物を溶媒もしくは希釈液中の無機もしくは有機の酸もしくは塩基と混合することにより、または陽イオン交換もしくは陰イオン交換によって他の塩から得ることができる。
【0019】
本明細書において、「被験体」とは、本発明の化粧品組成物を適用する対象を指し、被験体としては、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、ヤギ、ブタ等)が挙げられる。
【0020】
(好ましい実施形態)
以下に好ましい実施形態の説明を記載するが、この実施形態は本発明の例示であり、本発明の範囲はそのような好ましい実施形態に限定されないことが理解されるべきである。当業者はまた、以下のような好ましい実施例を参考にして、本発明の範囲内にある改変、変更などを容易に行うことができることが理解されるべきである。これらの実施形態について、当業者は適宜、任意の実施形態を組み合わせ得る。
【0021】
<化粧品組成物>
本発明者らは、粘土鉱物がシワ改善(シワ予防または減少)に効果的であることを見出した。したがって、一局面において、本発明は、粘土鉱物を含む化粧品組成物を提供する。より具体的には、本発明の化粧品組成物は、シワを防止または減少させることを目的に使用され得る。また、本発明の化粧品組成物を皮膚に塗布した直後にシワ減少効果が観察され得る。粘土鉱物は、その成分および構造によっていくつかの族に分類される。理論に束縛されることを望まないが、これらは層状の結晶構造を有しており層表面に有機処理(例えば、界面活性剤との相互作用)を施すことが可能であるため、いずれの族の粘土鉱物を用いても同様の効果が奏され得る。粘土鉱物の分類を以下に示す。
【0023】
上記粘土鉱物に加えて、多孔質のゼオライト、シート構造を有するセピオライト、カーロスターナイト等も有機処理が可能であり、本発明において同様に使用され得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明において使用され得る粘土鉱物は、スメクタイト、タルク、パイロフィライト、蛇紋石、カオリン、バーミキュライト、雲母(マイカ)、脆雲母または緑泥石、ゼオライト、セピオライト、カーロスターナイトからなる群から選択される族に分類される粘土鉱物、あるいはこれらの任意の組合せであり得る。特定の実施形態において、粘土鉱物は、スメクタイトであり、例えば、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライト、またはこれらの任意の組合せであり得る。より具体的な実施形態において、粘土鉱物はサポナイトである。サポナイトは、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Al/Mg)として提供され得る。別の実施形態では、粘土鉱物はモンモリロナイトであり得る。別の実施形態において、粘土鉱物は、ヘクトライトであり得る。
【0025】
さらなる別の実施形態において、粘土鉱物は、蛇紋石、カオリンまたはこれらの組合せであり得る。特定の実施形態において、粘土鉱物は、カオリンであり、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ハロイナイト、またはこれらの任意の組合せであり得る。より具体的な実施形態において、粘土鉱物は、カオリナイトであり得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、本発明の化粧品組成物における粘土鉱物の含有量は、約0.1重量%〜約50重量%であり得る。50重量%より多いと使用感の悪化を生じ、0.1重量%より少ないと効果が低くなる。特定の実施形態において、本発明の化粧品組成物における粘土鉱物の含有量は、例えば、約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、約1重量%〜約10重量%であり得る。好ましい実施形態では、本発明の化粧品組成物における粘土鉱物の含有量は、約1重量%〜約10重量%、例えば、約1重量%〜約9重量%、約2重量%〜約8重量%、約3重量%〜約7重量%、約3.5重量%〜約6.5重量%、約4重量%〜約6重量%、約4.5重量%〜約5.5重量%、約5重量%であり得る。下限と上限は、上記のものを選択して適宜決定することが可能である。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明の化粧品組成物は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。本発明者らは、粘土鉱物に界面活性剤を組み合わせると、シワ改善の相乗的効果をもたらすことを見出した。理論に束縛されることは望まないが、粘土鉱物は、負に強く荷電しており、正に荷電した親水基を有するカチオン性界面活性剤や両性界面活性剤が相互作用し、粘土鉱物表面に配列する複合体構造を形成するためだと考えられる。また、粘土鉱物は、わずかに正にも荷電しているため、アニオン性界面活性剤も使用され得ることが理解され、非イオン性界面活性剤も、粘土鉱物と相互作用して複合体構造を形成することができる限り使用され得ることが理解される。この複合体は、粘土鉱物表面に、界面活性剤が疎水基を外側に向けて配列しており、皮膚表面との親和性が向上している。肌にこの複合体を塗布すると、粘土鉱物が抱えていた水が皮膚に吸収され、粘土鉱物同士が近づき、層状構造の層間距離が縮んでいく。粘土鉱物は皮膚に親和性が高くなるよう表面処理されているため、肌が引き締められるような効果が現れる。界面活性剤としては、以下の表に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
表中、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲンを示す。
【0033】
表中のMは、金属(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リチウムなど)、NH4、アルカノールアミン塩などを示す。
【0036】
(参照により本明細書に組み込まれる日本界面活性剤工業会HP:http://www.jp-surfactant.jp/surfactant/classification/index.html)
いくつかの実施形態において、本発明の化粧品組成物において使用される界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはこれらの任意の組合せであり得る。粘土鉱物は負に帯電しているため、正に荷電している親水基を有するカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはこれらの組合せが、粘土鉱物の表面に配列する構造を形成しやすいため好ましいが、粘土鉱物と相互作用でき疎水基が外側を向くように粘土鉱物の表面に付く構造を形成することができれば、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤も使用され得る。
【0037】
R、R
1、R
2およびR
3は、界面活性剤における疎水基に該当し、疎水性を示す限り任意の基が使用され得る。例えば、R、R
1、R
2およびR
3は、独立して、置換または非置換炭化水素または糖鎖から選択される。いくつかの実施形態において、置換または非置換炭化水素は任意の炭素鎖長を有する。いくつかの実施形態において、置換または非置換炭化水素は、置換または非置換C
10〜C
20炭化水素であり得る。好ましい実施形態において、置換または非置換炭化水素は、置換または非置換C
10〜C
18炭化水素であり得る。より好ましい実施形態において、置換または非置換炭化水素は、置換または非置換C
12〜C
18炭化水素であり得る。理論に束縛されることを望まないが、皮脂を構成する大部分の脂肪酸の炭素鎖が12〜18個の長さであるため、置換または非置換C
12〜C
18炭化水素は、肌へのなじみがよくなることが期待され好ましいが、粘土鉱物との複合体構造を形成できる限り、任意の長さの炭化水素を使用してもよい。置換された炭化水素は、界面活性剤の疎水基の疎水性を損なわない限り、任意の置換基を有し得る。当業者であれば、適宜そのような置換基を選択することが可能である。炭化水素としては、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり得る。特定の実施形態では、炭化水素は、アルキル基であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、糖鎖は、アミロース、セルロース、アミロペクチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、糖鎖は、疎水性を示す限り任意の糖が連結した糖鎖であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、界面活性剤は、アルキルアミン塩または第4級アンモニウム塩であり得る。アルキルアミン塩または第4級アンモニウム塩の炭化水素鎖は、置換または非置換C
12〜C
18炭化水素鎖であり得る。好ましい実施形態では、置換または非置換C
12〜C
18アルキル基であり得る。
【0040】
特定の実施形態において、本発明の化粧品組成物において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(ラウリルトリモニウムクロリド)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(セトリモニウムクロリド)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(ステアルトリモニウムクロリド)、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択され得る。
【0041】
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウムポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルアミン、PEG-2ジメドウフォームアミドエチルモニウムメトサルフェート、イソステアリルエチルイミダゾリニウムエトサルフェート、イソアルキル(C10-40)アミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、PPG−25ジエチルモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド、N、N-ジメチル-n-オクタデシルアミン、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、セトリモニウムサッカリン、セトリモニウムメトサルフェート、パンテニルヒドロキシプロピルステアルジモニウムクロリド、ポロキサミン701、ヤシ油アルキルPGジモニウムクロリドリン酸Na、リノールアミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルアミン塩酸塩、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルアミン臭化水素酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、過塩素酸セチルトリメチルアンモニウム、トリメチルヘプタデシルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウム硫酸水素塩、ステアリルアミン塩酸塩、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド水和物、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド水和物、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムブロミド、1-ラウリルピリジニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド一水和物、ヘキサデシルピリジニウムブロミド水和物、1-ヘキサデシル-4-メチルピリジニウムクロリド水和物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、リン酸トリオレイル、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ミリストリルメチルタウリンナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム、ステアロイル乳酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ酸アミドプロピルベタイン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシエチル−N'−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルメチルグリシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
非イオン性界面活性剤としては、水素添加大豆リン脂質、水素添加大豆リゾリン脂質、自己乳化型ステアリン酸プロピレングリコ―ル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノウンデシレン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル、ペンタステアリン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(1E.O.)(4P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の化粧品組成物の溶媒は、水、油脂、ロウ、炭化水素、脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、エタノール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本発明の化粧品組成物は、必要に応じて、安定化剤、油分、追加の界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、保湿剤、ビタミン、美白剤、消炎剤等の薬剤等をさらに含んでもよい。
【0047】
安定化剤としては、エチレンジアミン四酢酸とその塩、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
油分としては、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサンの他、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、スクワラン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン等の各種炭化水素油、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコール等の高級アルコール、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサノエート、トリオクタン酸グリセリド、2−オクチルドデシルオレート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、トリイソステアリン酸グリセリド、トリオレイン酸グリセリド、トリヤシ油脂肪酸グリセリド等のエステル類、オリーブ油、アボガド油、ホホバ油、ヒマワリ油、サフラワー油、椿油、シア脂、マカデミアナッツ油、ミンク油、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、ヒマシ油等の油脂、モクロウ等のロウ類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロカーボン等のフッ素系油分、トリメチルシロキシケイ酸、MDQレジン等のシリコーンレジン、高分子シリコーンゴム、アクリル変性シリコーン共重合体等の高分子類などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
追加の界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ソルビタン高級脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸、パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル、サリチル酸オクチル、ウロカニン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
酸化防止剤としては、トコフェロール類、BHT、BHA、没食子酸エステル類、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
防腐剤としては、安息香酸とその塩、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ベタイン、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
ビタミンとしては、アスコルビン酸とその誘導体、レチノイン酸とその誘導体、トコフェロールとその誘導体、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
美白剤としては、ビタミンC類、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
消炎剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、アラントイン、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明の化粧品組成物における界面活性剤の含有量は、約0.01重量%〜約10重量%であり得る。0.01重量%より低いと効果が低く、10重量%より多いと肌への刺激が強い。特定の実施形態において、本発明の化粧品組成物における界面活性剤の含有量は、例えば、約0.1重量%〜約9重量%、約0.1重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約7重量%、約0.1重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約5重量%であり得る。好ましい実施形態において、本発明の化粧品組成物における界面活性剤の含有量は、約0.1重量%〜約5重量%、例えば、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.3重量%〜約2重量%、約0.3重量%〜約1.5重量%、約0.3重量%〜約1重量%、約0.4重量%〜約1重量%、約0.5重量%〜約0.9重量%、約0.6重量%〜約0.8重量%、約0.7重量%であり得る。下限と上限は、上記のものを選択して適宜決定することが可能である。
【0058】
特定の実施形態において、本発明の化粧品組成物は、組成物中に約0.1重量%〜約50重量%の粘土鉱物と約0.01重量%〜約10重量%の界面活性剤とを含み得る。好ましい実施形態において、本発明の化粧品組成物は、組成物中に約1重量%〜約10重量%の粘土鉱物と約0.1重量%〜約5重量%の界面活性剤とを含み得る。理論に束縛されることを望まないが、このような特定の濃度の粘土鉱物と界面活性剤を使用することで、過剰な遊離界面活性剤を生じることなく、界面活性剤が粘土鉱物と相互作用することができる。
【0059】
本発明は、層状構造をとる粘土鉱物として組成物中に含有される態様の他に、粘土鉱物のような層状構造はとらないがケイ酸塩として組成物中に含有される態様も企図される。したがって、さらなる態様において、本発明は、ケイ酸塩を含む化粧品組成物を提供する。
【0060】
いくつかの実施形態において、ケイ酸塩は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ジルコニウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
さらなる態様において、本発明は、界面活性剤を含む化粧品組成物を提供する。本発明者らは、予想外にも、界面活性剤が、シワの防止または減少に効果的であることを見出した。したがって、界面活性剤を含む化粧品組成物は、シワの防止または減少に使用され得る。界面活性剤に関する種々の実施形態については、上記を参照することができる。
【0062】
(方法)
別の態様において、本発明は、被験者の皮膚のシワを防止または減少させる方法であって、方法は、粘土鉱物および/または界面活性剤を含む化粧品組成物を、被験者の皮膚に塗布する工程を含む、方法を提供する。粘土鉱物および界面活性剤に関する種々の実施形態は、上記を参照することができる。
【0063】
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
【0064】
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供するものではない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
被験製剤の調製方法
粘土鉱物は、サポナイト構造を有する合成無機物であるスメクトンSA(クニミネ工業)を終濃度5重量%となるように水溶液を調製した。界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(セトリモニウムクロリド)を含むコータミン60W(花王)を終濃度0.7重量%となるように水溶液を調製した。粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせた製剤も、それぞれの終濃度が上記と同じ5%と0.7%になるように水溶液を調製した。
【0066】
実験方法
リキッドソープを使用して洗顔し、ぬるま湯で洗い流した後、室内で15分間馴化を行った。馴化後、皮膚画像解析カウンセリングシステム「VISIA」(Canfield Scientific, Inc.)で、顔の測定を行った。VISIAでシワの解析を行い、一定範囲内のシワの数とスコアを算出して、塗布前の値とした。測定後、被験製剤を右と左に半顔ずつ塗布して3分間静置し、再びVISIAで顔を測定した。測定前と同様にシワの解析を行い、被験製剤を塗布する前と後の比較を行った。スコアは、解析範囲中のシワとして検出された部分の面積の割合に、色の濃さの情報を掛け合わせてスコア化した値である。シワが深いほど色が濃く、シワが浅いほど色は薄く検出される。シワが長く大きいほど、面積の割合が増え、シワが短く小さくなるほど、面積が減少する。スコアが小さくなるにつれて、シワが改善していることを示す。
【0067】
(結果)
結果を
図1〜4に示す。いずれの製剤も、塗布前と比べて、シワの数およびスコアが改善されたことを示す。
図5に、
図1〜4をまとめたものを示す。被験製剤を塗布する前のシワの数を1としたとき、塗布後のシワの数を残存率に換算すると、粘土鉱物のみを塗布した場合は0.43、界面活性剤のみを塗布した場合は0.53まで下がったが、粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせるとさらに0.26まで下がり、シワの改善効果を示した(
図5)。また、VISIAで算出したスコアを、被験サンプルの塗布前を1としたとき、塗布後のスコアの減少度合いに換算すると、粘土鉱物のみは0.32、界面活性剤のみは0.41まで減少していたが、併用の場合0.19まで減少していた(
図5)。粘土鉱物および界面活性剤単独でも、シワ減少効果が確認されたが、これらを組み合わせることで、より優れたシワ減少効果が確認された。
【0068】
(実施例2)
被験製剤の調製方法
粘土鉱物は、サポナイト(スメクトン−SA 、クニミネ工業)、ヘクトライト(スメクトン−SWN、クニミネ工業)、モンモリロナイト(ベンゲルFW、ホージュン)をそれぞれ終濃度5重量%となるように水溶液を調製した。界面活性剤は、カチオン性界面活性剤:セチルトリメチルアンモニウムクロライド(炭素鎖長C16、コータミン60W、花王)、非イオン性界面活性剤:ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(炭素鎖長C16、NIKKOL BC−20、日光ケミカルズ)、アニオン性界面活性剤:ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(主な炭素鎖長C12、NIKKOL CMT−30、日光ケミカルズ)、両性界面活性剤:セチルジメチルベタイン(炭素鎖長C16、ColaTeric CDB、Colonial Chemical, Inc.)をそれぞれ終濃度0.7重量%となるように水溶液を調製した。粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせた製剤も、それぞれの終濃度が上記と同じ5%と0.7%になるように水溶液を調製した。
【0069】
実験方法
石鹸を使用して洗顔し、ぬるま湯で洗い流した後、室内で5分間馴化を行った。馴化後、皮膚画像解析カウンセリングシステム「VISIA」(Canfield Scientific, Inc.)で、顔の測定を行った。VISIAでシワの解析を行い、一定範囲内のシワの数とスコアを算出して、塗布前の値とした。測定後、被験製剤を右と左に半顔ずつ塗布して3分間静置し、再びVISIAで顔を測定した。測定前と同様にシワの解析を行い、被験製剤を塗布する前と後の比較を行った。塗布前の測定値を1としたとき、塗布後のシワの数の変化率と、シワのスコアの変化率を算出し、それぞれ比較した。スコアは、解析範囲中のシワとして検出された部分の面積の割合に、色の濃さの情報を掛け合わせてスコア化した値である。シワが深いほど色が濃く、シワが浅いほど色は薄く検出される。シワが長く大きいほど、面積の割合が増え、シワが短く小さくなるほど、面積が減少する。スコアが小さくなるにつれて、シワが改善していることを示す。
【0070】
(結果)
結果を
図6〜8に示す。本実施例では、種々の粘土鉱物と種々の界面活性剤との組み合わせについて試験した。粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせたいずれの製剤も、塗布前と比べて、シワの数およびスコアが改善されたことを示す。サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトはいずれもスメクタイトに属する粘土鉱物であり、スメクタイトに属するいずれの粘土鉱物も、界面活性剤と組み合わせることにより、シワ減少に対して相乗効果を示すことを実証した。また、界面活性剤に関しては、カチオン性、非イオン性、アニオン性、両性のいずれの界面活性剤を用いても、粘土鉱物と組み合わせることにより、シワ改善に対して相乗効果を示すことを実証した。したがって、本実施例は、粘土鉱物および界面活性剤の種類にかかわらず、粘土鉱物と界面活性剤とを組み合わせることによって、シワ改善に対する相乗効果が達成され得る。
【0071】
(実施例3)
被験製剤の調製方法
粘土鉱物は、サポナイト(スメクトン−SA 、クニミネ工業)を終濃度5重量%となるように水溶液を調製した。界面活性剤は、カチオン性界面活性剤のラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(炭素鎖長C12、コータミン24P、花王)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(炭素鎖長C16、コータミン60W、花王)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(炭素鎖長C18、コータミン86W、花王)をそれぞれ終濃度0.7重量%となるように水溶液を調製した。粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせた製剤も、それぞれの終濃度が上記と同じ5%と0.7%になるように水溶液を調製した。
【0072】
実験は、実施例2と同様の方法で行った。
【0073】
(結果)
結果を
図9に示す。本実施例では、炭素鎖長の異なる界面活性剤との組み合わせについて試験した。具体的には、本願明細書の表2に示される塩化アルキルトリメチルアンモニウムのR=12、16および18の界面活性剤を使用した。示されるように、いずれの鎖長を用いた場合でも、粘土鉱物との組み合わせにより、シワ改善に対する相乗効果が実証された。したがって、任意の鎖長を有する界面活性剤と粘土鉱物との組み合わせにより、シワ改善に対する相乗効果が達成され得る。
【0074】
(実施例4)
被験製剤の調製方法
粘土鉱物は、サポナイト(スメクトンSA 、クニミネ工業)を終濃度5重量%となるように水溶液を調製した。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(NIKKOL BC−10、日光ケミカルズ)を終濃度0.7重量%となるように水溶液を調製した。粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせた製剤も、それぞれの終濃度が上記と同じ5%と0.7%になるように水溶液を調製した。
【0075】
実験は、実施例2と同様の方法で行った。
【0076】
(結果)
結果を
図10に示す。本実施例では、非イオン性界面活性剤と粘土鉱物との組み合わせについて試験した。示されるように、実施例2とは異なる非イオン性界面活性剤を使用しても、粘土鉱物と組み合わせることにより、シワ改善に対する相乗効果が実証された。
【0077】
(実施例5)
被験製剤の調製方法
粘土鉱物は、カオリン(カオリナイト、ASP−170、林化成)を終濃度5重量%となるように水溶液を調製した。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤のセチル硫酸ナトリウム(NIKKOL SCS、日光ケミカルズ)を終濃度0.7重量%となるように水溶液を調製した。粘土鉱物と界面活性剤を組み合わせた製剤も、それぞれの終濃度が上記と同じ5%と0.7%になるように水溶液を調製した。
【0078】
実験は、実施例2と同様の方法で行った。
【0079】
(結果)
結果を
図11に示す。本実施例では、粘土鉱物としてカオリンを用いた実験を行った。示されるように、実施例2で用いたスメクタイトとは異なる粘土鉱物のカオリンを用いた場合でも、界面活性剤と組み合わせることにより、シワ改善に対する相乗効果が実証された。
以上の結果から、任意の種類の粘土鉱物と任意の炭素鎖長を有する任意の種類の界面活性剤との組み合わせにより、シワ改善に対する相乗効果が達成され得る。
【0080】
(配合例)
以下に、本発明の例示的な化粧品組成物の配合を示す。本組成物は、粘土鉱物としてケイ酸アルミニウムマグネシウム(サポナイト)と、界面活性剤として、ラウリルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリドおよびステアルトリモニウムクロリドを含む。粘土鉱物および界面活性剤以外の成分は、当業者であれば、適宜選択できるものである。
【0081】
【表6】