【解決手段】軒樋支持具20は、前耳13と後耳14とを備えた軒樋10を支持する支持具本体21を備えており、前耳13が後耳14よりも高く配される定常側と、前耳13が後耳14と略同高さ位置に配される最下側とのすくなくとも2箇所で軒樋10を支持できるように、支持具本体21を回動させるヒンジ部23を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、最大の排水量を想定して軒樋を選択して、容量が大きく、かつ見栄えの大きな軒樋を取り付ければ、その大きさにより意匠性が損なわれるおそれがある。もちろん、オーバーフローを起こすことを想定すれば、小さすぎる軒樋を取り付けることはできない。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、雨量の多少などにおうじて、軒樋の雨水の排水容量を変動させることができる軒樋支持具および軒樋セットを提供することにある。
【0008】
なお、上記特許文献2のものは、雪の重みや、ツララによる押圧で軒樋や軒樋支持具が破損することを回避するために、支持具本体を下方に回動させて軒樋の前耳側を下方に傾けることを可能とした回動構造を備えている。つまり、この軒樋は排水容量が変動するものである。しかし、軒樋を下方に傾けたときには軒樋本来の排水機能が失われるため、この種の軒樋支持具を上記目的として用いることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の軒樋支持具は、前耳と後耳とを備えた軒樋を支持する支持具本体を備えた軒樋支持具において、前記前耳が前記後耳よりも高く配される定常側と、前記前耳が前記後耳と略同高さ位置に配される最下側とのすくなくとも2箇所で前記軒樋を支持できるように、前記支持具本体を回動させるヒンジ部を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の軒樋支持具は、前記ヒンジ部がトルクヒンジで構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の軒樋セットは、軒樋支持具と、軒樋とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の軒樋セットは、前記軒樋は、本体部と、該本体部の前端より上方に延出した延出部とを備え、前記本体部の後端部に後耳が形成され、前記延出部の上端部に前耳が形成されている一方、前記支持具本体は、前記後耳から前記前耳にいたる前記軒樋の外面側に配される構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の軒樋支持具は上述した構成とされているため、雨量の多少などにおうじて、軒樋の雨水の排水容量を変動させることができる。
【0014】
請求項2に記載の軒樋支持具は上述した構成とされているため、雨量の多少におうじたスムーズな回動が実現できる。
【0015】
請求項3に記載の軒樋セットは上述した構成とされているため、雨量の多少などにおうじて、軒樋の雨水の排水容量を変動させることができる。
【0016】
請求項4に記載の軒樋セットは上述した構成とされているため、排水容量を大きくでき、降雨量の多い地域に対応させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
軒樋支持具20は、前耳13と後耳14とを備えた軒樋10を支持する支持具本体21を備えたものである。この軒樋支持具20は、前耳13が後耳14よりも高く配される定常側と、前耳13が後耳14と略同高さ位置に配される最下側とのすくなくとも2箇所で軒樋10を支持できるように、支持具本体21を回動させるヒンジ部23を備えている。
【0020】
また、軒樋セット1は、このような軒樋支持具20と軒樋10とを組み合わせたものとされる。軒樋セット1に用いられる軒樋10としては、本体部11と、本体部11の前端より上方に延出した延出部12を備え、本体部11の後端部に後耳14が形成され、延出部12の上端部に前耳13が形成されているものを用いることが望ましい。支持具本体21は、後耳14から前耳13にいたる軒樋10の外面側に配されるものとされる。
【0021】
この軒樋支持具20で支持される軒樋10としては、断面が略半円の円弧状のものや、半円よりも大きな円弧の形状のもの、角形のものが用いられる。以下、軒樋10の形状、種類等におうじた種々の実施形態について説明する。
【0022】
図1の軒樋セット1は、
図1(a)に示す軒樋10と、
図1(b)に示す軒樋支持具20とを組み合わせてなり。軒樋10は断面が半円か、あるいはそれよりもやや大きな円弧をなす丸樋であり、軒樋支持具20はその軒樋10を
図1(a)に示す状態で保持できるように、側面が半円か、あるいはそれよりもやや大きな円弧をなす支持具本体21と、この支持具本体21を前方に配するための足部22と、軒先面3(
図2参照)に固定される固定部24とを備えている。
【0023】
軒樋10は、
図1(a)に示すように、半円よりもやや小さな円弧状の本体部11と、その本体部11の前端より上方に延出した延出部12とを備え、延出部12の上端に前耳13が形成され、本体部11の後端に後耳14が形成されている。
【0024】
図1(a)に示すように、本体部11の円弧の中心を最下部とした場合、前耳13は後耳14の高さ位置(2点鎖線の位置)よりも延出部12におうじた高さ分、高い位置に配される。なお、本体部11と延出部12との連続形状は円弧でなくてもよい。つまり、延出部12は本体部11の前端より上方に延びていればよく、やや前斜め上方に延びてもよいし、真上に延びてもよい。また、延出部12は平板でもよいし、やや湾曲したものでもよい。
【0025】
また、軒樋支持具20は、その主たる部位が帯板を加工してなり、軒樋支持具20を軒先面3に固定するための固定部24と、固定部24より前方に延出した足部22と、その足部22の前方において軒樋10を支持する支持具本体21とを備えた構成とされている。
【0026】
支持具本体21は、
図1(b)に示すように、支持する軒樋10の形状、寸法におおむね合致した側面形状、寸法とされている。支持具本体21は、湾曲板体の前端に曲げ可能な薄板が固着されて前耳保持部25が形成され、後端に曲げ可能な薄板が固着されて後耳保持部26が形成された構成とされている。
【0027】
この湾曲板体は、側面視では半円よりもやや小さな円弧状の本体板部21aと、その本体板部21aの前端より上方に延出した延出板部21bとを備え、延出板部21bの上端に前耳保持部25が形成され、本体板部21aの後端に後耳保持部26が形成されている。
【0028】
図1(b)のように足部22を水平に保持した状態では、前耳保持部25が後耳保持部26よりも高い位置に配され、また湾曲板体の前端部21cが後端部21dよりも高い位置に配される。
【0029】
足部22は、前部22a、後部22bと、それらを連結したヒンジ部23とを備えている。足部22がヒンジ部23で折曲されていない状態、つまり平板体が水平状態にあるとき、軒樋10は定常側とされる。この定常側では、
図1(b)に示すように、前耳保持部25(前端部21c)は後耳保持部26(後端部21d)よりも高い位置に配されている。
【0030】
また、ヒンジ部23により、前部22aおよび支持具本体21が下方に回動し、
図1(b)の2点鎖線で示した、前耳保持部25(前耳13)が後耳保持部26(後耳14)と略同高さ位置に配された位置が、最下側とされる。
【0031】
支持具本体21および足部22における前部22aは、ヒンジ部23を回転軸として、定常側と最下側との間で回動する。このヒンジ部23は、例えばトルクヒンジで構成されればよく、特に、雨水の重みの増大により下方へと回動し、雨水の重みの減少により上方に回動復帰する構成としたものが用いられればよい。なお、軒樋10自体の重みがあるため、軒樋10が支持されていないときでは、軒樋支持具20の前部22aおよび支持具本体21が、
図1(b)に示すように、やや持ち上がった状態であってもよい。
【0032】
このような軒樋支持具20および軒樋10を用いることで、軒樋10を
図2(a)に示すように施工すれば、軒樋10の延出部12が上方に突出しているため、
図2(a)中の白抜き方向から見た場合には、屋根5の軒先部分が延出部12により隠れ、美観がすぐれたものとなる。
【0033】
軒樋10に雨水が流れていない状態では、
図2(a)の定常側の状態が保持される。軒樋10に雨水が流れると、重みが増大するため、支持具本体21は下方への回動を開始する。雨水量(水位)が一定になれば回動は停止し、軒樋10はその位置で保持される。その後さらに雨水量が増大すると、支持具本体21の下方への回動が再開する。雨水量が増大方向に進み最下側へ到達すると、そこで回動は停止する。
【0034】
図2(a)(b)において2点鎖線で示すラインは、それぞれの位置での排水容量(最大水位L1、L2)を示しており、最下側での排水容量(最大水位L2)は定常側での排水容量(最大水位L1)よりも大きい。
【0035】
ようするに、雨が降り続き軒樋10内の水位が上がれば上がるほど、それにおうじて軒樋10の排水容量も増大する。つまり、この軒樋10および軒樋支持具20よりなる軒樋セット1は、雨が降っていないときに普通あるいは少量の排水容量のものであっても、雨水量によって排水容量が変動する。そのため、この軒樋セット1を降雨量の多い地域などで使用すれば、大雨にも対応でき、軒樋10のオーバーフローを防止することができる。
【0036】
また、軒樋10の雨水量が減少すると、トルクヒンジの作用により前部22aおよび支持具本体21は上方へ回動し、雨水がなくなれば定常側へと復帰する。このようにスムーズな回動が実現できる。また、定常側、最下側間の軒樋支持具20の変動は、雨水量の変動によりなされるため、手動で回動位置を調整しなくてもよい。また、雨の溜まっていない状態では、意匠性の高い軒樋10を維持することができる。
【0037】
なお、ヒンジ部23は定常側への復帰のみを手動で行う構造のトルクヒンジとしてもよく、またバネヒンジとしてもよい。さらに、少なくとも定常側と最下側の2箇所で固定できるような、手動切り替え型のヒンジ部23としてもよい。
【0038】
図1に示したものは、定常側では、
図2に示すように、前方下(
図2(a)の白抜き矢印方向)から見た場合に、屋根5の軒先部分が延出部12により隠れて見えないが、延出部12をさらに長く形成したものとしてもよい。例えば
図8(a)に示すように、延出部12を屋根5の軒先側を巻き込むように長く形成してもよい。
【0039】
図8の軒樋セットによれば、
図8(a)に示すように、定常側では、前方上(
図8(a)の白抜き矢印方向)から見ても屋根5の軒先部分が延出部12により隠れて見えない。また、延出部12が長くなり軒樋10自体が大きくなるため、
図8(b)に示すように、定常側と最下側との排水容量(最大水位L1、L2)の差はさらに大きくなり、最下側ではより多くの雨量に対応することができる。
【0040】
ついで、従来用いられている、例えば
図9に示した軒樋100を用いた実施形態に係る軒樋セット1について、
図3を参照しながら説明する。
【0041】
この軒樋セット1の軒樋10(
図9の軒樋100)は、断面が半円か、あるいはそれよりもやや小さな円弧状とされている。また、軒樋支持具20の支持具本体21も、軒樋10の断面形状、寸法に合致した形状、寸法とされている。軒樋支持具20の足部22は前部22aと後部22bとがヒンジ部23で連結され、後部22bの後端に固定部24が延出形成されている。
【0042】
足部22がヒンジ部23で折曲されていない状態、つまり水平状態にあるとき、軒樋10は定常側とされる。この定常側では、
図3(a)に示すように、前耳保持部25(前端部21c)は後耳保持部26(後端部21d)よりも高い位置に配されている。
【0043】
この定常側における軒樋10の前耳13を含む、後耳14の高さ位置よりも上方に突出した部位が延出部12とされ、それを除く部位が本体部11とされる。また、定常側における軒樋支持具20の支持具本体21の前耳保持部25を含む、後耳保持部26の高さ位置よりも上方に突出した部位が延出板部21bとされ、それを除く湾曲板体の部位が本体板部21aとされる。
【0044】
このように、断面が半円かやや小さな円弧の、従来用いられている軒樋10であっても、ヒンジ部23を有した軒樋支持具20を用いることで、定常側と最下側との間で回動する軒樋10として利用することができる。
図3(a)(b)に示すように、定常側では、排水容量は軒樋10を
図9で用いる場合よりも小さく、最下側では、排水容量は
図9で用いる場合と同じになる。
【0045】
ようするに、この軒樋セット1によれば、降雨量の少ない地域で利用することができる。このような従来の軒樋10を用いた場合でも、定常側では屋根5の軒先部分を隠すため、意匠性の高いものとして利用することができる。
【0046】
ついで、他の軒樋セット1について、
図4を参照しながら説明する。
【0047】
この軒樋セット1の軒樋10は、
図1(a)のものと同様とされ、
図4には同一の符号を付して、その説明は割愛する。軒樋支持具20は、支持具本体21と、足部22と、固定部24とを備えている。支持具本体21は
図1(b)のものと同様とされ、
図4には同一の符号を付してその説明は割愛する。足部22および固定部24は棒状材よりなり、足部22は起立した前部22aと、後方に傾斜した後部22bと、前部22aと後部22bを連結したヒンジ部23とを有し、固定部24はその後部22bより延び、後端に尖鋭部24aを備えている。この軒樋支持具20は、尖鋭部24aを軒先の垂木7に打ち込んで固定されるようになっている。
【0048】
この軒樋支持具10についても、定常側と最下側との間で、雨水の重みの加減により、前部22aおよび支持具本体21が回動する。なお、定常側から下方へと確実に回動できるように、前部22aは鉛直方向に起立せず、やや前方に傾いた状態を定常側として調整することが望ましい。また、確実に回動できるように、ヒンジ部23を
図4(a)に示したA部に設けてもよい。
【0049】
この軒樋セット1によっても、
図1や
図3のものと同様に、降雨量におうじて排水容量(最大水位L1、L2)を変動させることができる。
【0050】
以上に示した4種(
図1、
図3、
図4および
図8)の例はいずれも軒樋10は丸樋であり、
図5に示したような集水器30に接続して、竪樋35に雨水を流せるようにしてある。
【0051】
この集水器30の側面には、下方側が湾曲した連結孔31が開設してある。この連結孔31は、軒樋10が接続された状態で軒樋10が定常側と最下側の間で回動しても、接続部分でスムーズに回動できるように、やや大きめに形成されている。
【0052】
ついで、角樋に対応した他の軒樋セット1について、
図6を参照しながら説明する。
【0053】
この軒樋セット1の軒樋10は、前壁部11aと底部11bと後壁部11cを有した角形の本体部11と、本体部11の上端(前壁部11aの上端)より上方に延出した延出部12とを備え、延出部12の上端に前耳13が形成され、本体部11の後端に後耳14が形成されている。
図4(a)に示すように、底部11bを水平に配した場合、前耳13は後耳14の高さ位置よりも延出部12におうじた高さ分、高い位置に配される。なお、延出部12は本体部11の上端よりやや斜め上方に延びてもよいし、真上に延びてもよい。また、延出部12は平板でもよいし、やや湾曲したものでもよい。
【0054】
また、軒樋支持具20は、その主たる部位が帯板を加工してなり、軒樋支持具20を軒先面3に固定するための固定部24と、固定部24より前方に延出した足部22と、その前方において軒樋10を支持する支持具本体21とを備えた構成とされている。
【0055】
支持具本体21は、
図6(a)に示すように、支持する軒樋10の形状、寸法におうじた側面形状、寸法とされており、支持具本体21は、角形板体の前端に曲げ可能な薄板が固着されて前耳保持部25が形成され、後端に曲げ可能な薄板が固着されて後耳保持部26が形成された構成とされている。
【0056】
この角形板体は、側面視で角形の本体板部21aと、その本体板部21aの前端より上方に延出した延出板部21bとを備え、延出板部21bの上端に前耳保持部25が形成され、本体板部21aの後端に後耳保持部26が形成されている。
【0057】
図6(a)のように足部22を水平に保持した状態では、前耳保持部25が後耳保持部26よりも高い位置に配され、角形板体の前端部21cが後端部21dよりも高い位置に配される。
【0058】
足部22は、前部22aと、後部22bと、それらを連結したヒンジ部23とを備えている。足部22がヒンジ部23で折曲されていない状態、つまり水平状態にあるとき、軒樋10は定常側とされる。この定常側では、
図6(a)に示すように、前耳保持部25(前端部21c)は後耳保持部26(後端部21d)よりも高い位置に配されている。
【0059】
また、ヒンジ部23により前部22aおよび支持具本体21が下方に回動し、前耳13が後耳14と略同高さ位置に配された位置が、最下側とされる(
図6(b)参照)。
【0060】
支持具本体21および足部22における前部22aは、ヒンジ部23を回転軸として、定常側と最下側との間で回動する。このヒンジ部23はトルクヒンジで構成されればよく、特に、雨水の重みの増大により下方へと回動し、雨水の重みの減少により上方に回動する構成としたものが用いられればよい。
【0061】
この軒樋セット1も
図1のものと同様、ヒンジ部23がトルクヒンジで構成されているため、定常側、最下側との間で回動が自在とされ、そのため
図1のものと同様の効果が奏される。
【0062】
ついで、角樋用の他の軒樋セット1について、
図7を参照しながら説明する。
【0063】
この軒樋セット1の軒樋10は、前耳13を除き、
図6のものとおおむね同様の形状とされる。なお、本軒樋10の前耳13は、後ろ側に折曲されたフック形状とされている。
【0064】
一方、軒樋支持具20は、軒樋10を吊り支持するタイプの支持具とされ、支持具本体21と、足部22と、固定部24とを備えている。足部22と固定部24とは一体とされるが、支持具本体21はこれらとは別体とされる。支持具本体21は前後に延びる板状体とされ、長手方向に沿って長孔(不図示)が開設され、その長孔の適所で足部22の前端部が連結されるようになっている。このように、足部22の長孔への連結位置により、軒樋10の出具合を調節できるようになっている。
【0065】
また、支持具本体21は、
図7(a)(b)に示すように、前端に前耳保持部25が形成され、後端にばね片26aが固着されて耳収容部を有した後耳保持部26が形成された構成とされている。
【0066】
この支持具本体21は、長孔を有した略平板状の本体板部21aと、その本体板部21aの前端より上方に延出した延出板部21bとを備え、延出板部21bの上端に前耳保持部25が形成され、本体板部21aの後端に後耳保持部26が形成されている。
【0067】
図7(a)のように足部22を水平に保持した状態では、前耳保持部25が後耳保持部26よりも高い位置に配され、角形板体の前端部21cが後端部21dよりも高い位置に配される。
【0068】
足部22は、前部22aと、後部22bと、それらを連結したヒンジ部23とを備えている。足部22がヒンジ部23で折曲されていない状態、つまり水平状態にあるとき、軒樋10は定常側とされる。この定常側では、
図7(a)に示すように、前耳保持部25(前端部21c)は後耳保持部26(後端部21d)よりも高い位置に配されている。
【0069】
また、ヒンジ部23により前部22aおよび支持具本体21が下方に回動し、前耳13が後耳14と略同高さ位置に配された位置が、最下側とされる(
図7(b)参照)。
【0070】
支持具本体21および足部22における前部22aは、ヒンジ部23を回転軸として、定常側と最下側との間で回動する。このヒンジ部23はトルクヒンジで構成されればよく、特に、雨水の重みの増大により下方へと回動し、雨水の重みの減少により上方に回動する構成としたものが用いられればよい。
【0071】
この軒樋セット1も
図1のものと同様、ヒンジ部23がトルクヒンジで構成されており、定常側、最下側との間で回動が自在とされ、そのため
図1のものと同様の効果が奏される。