特開2020-136255(P2020-136255A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ 相馬 督の特許一覧

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  • 特開2020136255-反射効率向上型反射板構造 図000003
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  • 特開2020136255-反射効率向上型反射板構造 図000005
  • 特開2020136255-反射効率向上型反射板構造 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-136255(P2020-136255A)
(43)【公開日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】反射効率向上型反射板構造
(51)【国際特許分類】
   F21V 7/09 20060101AFI20200803BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20200803BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20200803BHJP
【FI】
   F21V7/09 300
   F21V7/06 200
   F21Y103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2019-39001(P2019-39001)
(22)【出願日】2019年2月14日
(71)【出願人】
【識別番号】591253836
【氏名又は名称】相馬 督
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射効率のよい反射板構造を提供する。
【解決手段】内部に発光体4を位置させた反射板2において、該反射板の一部に段部状斜面部3を形成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に発光体を位置させた反射板において、該反射板の一部に段部状斜面部を形成したことを特徴とする反射効率向上型反射板構造。
【請求項2】
反射板の一部に放物面を形成し、該放物面の底部に段部状斜面部を設けてなる請求項1記載の反射効率向上型反射板構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反射効率を向上させた反射板の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、照明器具その他において、反射機能を有する反射板が多用されているが、本発明にて示すように、発光体の直上に段部状斜面部を設けたものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発光体は、以前より天井照明、懐中電灯、自動車のヘッドライト、ヒーター式ストーブ、照射式の融雪装置など多方面に利用されており、通常はその発光体から放射される光や熱線を効率よく利用するために、反射板が用いられている。
この反射板の形状は様々であるが、その一例としては放物面型反射板がある。
これは放物面の焦点位置に発光体を位置させることによって、この発光体からの放射光や放射熱線を平行に前方外部へ照射するという性質を有して、特定方向への照射を行うことができる。
円柱形の発光体、例えば蛍光灯ではその発光体の直上の反射板はゆるやかなカーブ面であるために、蛍光灯から直上方向へ発した光は反射にてまた蛍光灯外面にもどるために、この箇所の光は有効活用できないという問題があり、これは遠赤外線その他の発光体の反射板でも同様である。
本発明は以上に鑑み、この直上方向への光や熱線を有効活用するための新規かつ有用なる反射板構造を得ることを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、内部に発光体を位置させた反射板において、該反射板の一部に段部状斜面部を形成する。本発明は以上の構成よりなる反射効率向上型反射板構造である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、発光体に近接して段部状斜面部が位置するので、発光体直上にこの斜面部を位置させることにより、発光体最上部および最上部近傍からの放射光を、この斜面部にて反射し、この反射光は反射板内面にて反射をくり返すことで外部へと放射され、従来法に比べてより効率のよい反射光利用を可能とする、有意な反射板構造を得ることができる。また、可視光線のみならず遠赤外線など他の波長にても有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】従来例の反射機能説明図(側面視)
図2】本発明の反射機能説明図(側面視)
図3】本発明の一例による内部構造説明図(正面視)
図4】本発明の一例による内部構造説明図(側面視)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。これは、遠赤外線放射型の融雪装置の例である。図において、1はケーシングで、側面視において上部をすぼめた下部開放直方体形状の箱体である。2は反射板で、高反射率を有する特定形状の金属板である。
その形状は図2にて示すように、側面視においてその上部は段部状斜面部3が形成され、その近傍は放物面状に形成された放物面部が設けられでいる。また、この反射板は正面視において、図3にて示すように、略台形状である。上記放物面部の焦点位置には、円柱状の遠赤外線放射ランプ4が適宜支持部材にて支持されて位置している。なお、図示を略したが,端子台その他の必要部品が装備され、このランプは通電接続される。
【0008】
次に、本発明による反射板と従来例の反射板との違いについて説明する。
図1は従来例、図2は本発明の例である。
まず、従来例では反射板は放物面形状を有して、その焦点位置に発光体もしくはヒーターが位置している。発光体から放射された光は図の二点鎖線にて示すように反射板に当たって反射し、放物面の性質にて下方外方へと放射される。
しかし、この発光体の最上部および最上部近傍から上方へ向けて放射された光は、反射板にて反射されるが、この反射光は再び発光体へともどって外部への放射とはならない。
つまり、放物面の上部(底部)はゆるやかな湾曲面となっているために,このような現象となるのである。
【0009】
すなわち、電磁波の一種である可視光線および可視光線に近い波長の電磁波は直進性を有し、波長が短くなるにつれてその直進性が顕著になるためである。
一方、本発明の反射板は、既述のごとく発光体直上に段部状斜面部を有している。
この段部の頂点は発光体の中央直上の位置にあり、段部頂点から振り分けにて上向きの斜面部が形成され、その上向き斜面部の最上位置は側面視において、発光体の側面よりやや外側の位置にある。
従って、図2にて示すように、発光体の直上および直上近傍から放射された上向きの光は図のごとく反射をくり返してやがて下方へ向かう光となって外部へと放射される。
ゆえに従来例のような非利用の光や熱線は発生せず、放射されたすべての光を有効に活用することができる。
【0010】
以上、本発明について記したが、本発明に用いた段部状斜面部にて、発光体からの放射光や放射熱線をこの斜面部にて反射させることにて、既述のように放射光等をすべて有効活用することができる。
本方式は、直進性を有する電磁波のすべてにおいて利用可能であり、可視光線、遠赤外線、紫外線灯にも有効である。可視光線用では、蛍光灯を用いた照明器具に利用でき、遠赤外線用では、ヒーターを用いた反射型ストーブや暖房機への利用、さらに遠赤外線方式の融雪装置への活用も実証されている。紫外線には殺菌能力があるため、殺菌灯への利用が見込まれる。近年、進展のある分野の一つとして、特定波長・特定光色の光を用いた屋内型水耕栽培への利用も可能と思われる。
以上のごとく、本発明による方式は多方面への利用が可能であり、省エネルギー的構成物として,従来にない有用性を得ることができる。
【符号の説明】
【0011】
1 ケーシング
2 反射板
3 段部状斜面部
4 遠赤外線放射ランプ
5 放射遠赤外線
10 反射板
図1
図2
図3
図4