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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-136656(P2020-136656A)
(43)【公開日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20200803BHJP
【FI】
   H01G4/30 513
   H01G4/30 201M
   H01G4/30 201F
   H01G4/30 201G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-143512(P2019-143512)
(22)【出願日】2019年8月5日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0020596
(32)【優先日】2019年2月21日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0044182
(32)【優先日】2019年4月16日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イー、ジェ セオク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、チャン ハク
(72)【発明者】
【氏名】クー、ボン セオク
(72)【発明者】
【氏名】カン、ビョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】カン、ハエ ソル
(72)【発明者】
【氏名】キョン、サン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ヒョン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E082AA01
5E082AB03
5E082BB10
5E082BC31
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE26
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG12
5E082GG28
5E082PP03
5E082PP09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】曲げ強度特性が向上した積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】積層型キャパシタ100であって、誘電体層111及び誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極とを含む。第1及び第2外部電極は、第1及び第2導電性樹脂層133、143と、キャパシタ本体110と第1導電性樹脂層との間に配置される第1衝撃吸収層132と、キャパシタ本体と第2導電性樹脂層との間に配置される第2衝撃吸収層142と、を含む。第1及び第2衝撃吸収層の長さが、第1及び第2導電性樹脂層の長さよりもそれぞれ長く形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、互いに対向する第1及び第2面、第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面、第1及び第2面と連結され、且つ第3及び第4面と連結され、互いに対向する第5及び第6面を含み、前記第1及び第2内部電極の一端が第3及び第4面を介してそれぞれ露出するキャパシタ本体と、
第3及び第4面を連結する第1方向に前記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2外部電極は、前記キャパシタ本体の第1及び第2面に配置される第1及び第2導電性樹脂層と、前記キャパシタ本体の第1及び第2面と前記第1導電性樹脂層との間に配置される第1衝撃吸収層と、前記キャパシタ本体の第1及び第2面と前記第2導電性樹脂層との間に配置される第2衝撃吸収層と、を含み、前記第1及び第2衝撃吸収層の長さが、前記第1及び第2導電性樹脂層の長さよりもそれぞれ長く形成される、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記第1外部電極は、前記キャパシタ本体の第3面に配置される第1導電層と、前記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面に配置される前記第1衝撃吸収層と、前記第1導電層をカバーし、前記第1衝撃吸収層の一部をカバーするように前記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面の一部まで延長される前記第1導電性樹脂層と、を含み、
前記第2外部電極は、前記キャパシタ本体の第4面に配置される第2導電層と、前記第1衝撃吸収層と第1方向に互いに離隔するように前記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面に配置される前記第2衝撃吸収層と、前記第2導電層をカバーし、前記第2衝撃吸収層の一部をカバーするように前記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面の一部まで延長される前記第2導電性樹脂層と、を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記第1及び第2導電層は銅(Cu)を含む、請求項2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記第1及び第2導電性樹脂層は導電性金属とエポキシを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1及び第2導電性樹脂層は金属間化合物とエポキシを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第1及び第2衝撃吸収層は絶縁材料からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記第1及び第2衝撃吸収層はエポキシを含む、請求項6に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記第1及び第2衝撃吸収層は金属及びフィラー(filler)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記第1及び第2衝撃吸収層において、総重量に対する金属の含有量が50重量%以下であり、前記フィラーは、シリカ(silica)、ガラス及び二酸化ジルコニウム(ZrO)を含む、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
第1方向における前記第1及び第2衝撃吸収層の長さの和が、前記キャパシタ本体の長さに対して90%以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第1及び第2衝撃吸収層のそれぞれの厚さは10μm以上である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記第1及び第2導電性樹脂層をそれぞれカバーするめっき層をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記めっき層は、前記第1及び第2導電性樹脂層をそれぞれカバーする第1及び第2ニッケル(Ni)めっき層と、前記第1及び第2ニッケルめっき層をそれぞれカバーする第1及び第2錫(Sn)めっき層と、を含む、請求項12に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、小型でありながら高容量が保証され、実装が容易な特徴を有しており、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)とプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話機などの様々な電子製品の回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たす。
【0003】
最近では、チップ部品に対する高い曲げ強度特性が要求されており、特に電装部品に対する業界の関心が高まるにつれて、積層型キャパシタも、自動車またはインフォテインメントシステムに用いられるために高信頼性及び高強度特性が要求されている。
【0004】
受動部品素子の高信頼性を実現するためには、機械的な応力に強い信頼性が持続的に必要とされる。特に、電装用積層型キャパシタの場合、車体の強い振動に耐えられる新しい方法が必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本公開特許第2018−73900号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2015−0051667号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2018−0058021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、曲げ強度特性が向上した積層型キャパシタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、キャパシタ本体の上下面と外部電極の導電性樹脂層との間に衝撃吸収層を配置し、且つ衝撃吸収層の長さが、導電性樹脂層の長さよりも長く形成される積層型キャパシタを提供する。
【0008】
本発明の好ましい特徴によると、上記積層型キャパシタは、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、互いに対向する第1及び第2面、第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面、第1及び第2面と連結され、且つ第3及び第4面と連結され、互いに対向する第5及び第6面を含み、上記第1及び第2内部電極の一端が第3及び第4面を介してそれぞれ露出するキャパシタ本体と、第3及び第4面を連結する第1方向に上記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置されて上記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第1及び第2面に配置される第1及び第2導電性樹脂層と、上記キャパシタ本体の第1及び第2面と上記第1導電性樹脂層との間に配置される第1衝撃吸収層と、上記キャパシタ本体の第1及び第2面と上記第2導電性樹脂層との間に配置される第2衝撃吸収層と、を含み、上記第1及び第2衝撃吸収層の長さが、上記第1及び第2導電性樹脂層の長さよりもそれぞれ長く形成される。
【0009】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1外部電極は、上記キャパシタ本体の第3面に配置される第1導電層と、上記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面に配置される第1衝撃吸収層と、上記第1導電層をカバーし、上記第1衝撃吸収層の一部をカバーするように上記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面の一部まで延長される第1導電性樹脂層と、を含むことができ、上記第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第4面に配置される第2導電層と、上記第1衝撃吸収層と第1方向に互いに離隔するように上記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面に配置される第2衝撃吸収層と、上記第2導電層をカバーし、上記第2衝撃吸収層の一部をカバーするように上記キャパシタ本体の第1、第2、第5、第6面の一部まで延長される第2導電性樹脂層と、を含むことができる。
【0010】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2導電層は銅(Cu)を含むことができる。
【0011】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2導電性樹脂層は導電性金属とエポキシを含むことができる。
【0012】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2導電性樹脂層は金属間化合物とエポキシを含むことができる。
【0013】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2衝撃吸収層は絶縁材料からなることができる。
【0014】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2衝撃吸収層はエポキシを含むことができる。
【0015】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2衝撃吸収層は金属及びフィラー(filler)を含むことができる。
【0016】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2衝撃吸収層において、総重量に対する金属の含有量が50重量%以下であり、上記フィラーは、シリカ(silica)、ガラス及び二酸化ジルコニウム(ZrO)を含むことができる。
【0017】
本発明の好ましい特徴によると、第1方向における上記第1及び第2衝撃吸収層の長さの和が、上記キャパシタ本体の長さに対して90%以下であることができる。
【0018】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2衝撃吸収層のそれぞれの厚さは10μm以上であることができる。
【0019】
本発明の好ましい特徴によると、上記第1及び第2導電性樹脂層をそれぞれカバーするめっき層をさらに含むことができる。
【0020】
本発明の好ましい特徴によると、上記めっき層は、上記第1及び第2導電性樹脂層をそれぞれカバーする第1及び第2ニッケル(Ni)めっき層と、上記第1及び第2ニッケルめっき層をそれぞれカバーする第1及び第2錫(Sn)めっき層と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によると、積層型キャパシタの曲げ強度特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを概略的に示す斜視図である。
図2図1のI−I'線に沿った断面図である。
図3図1の積層型キャパシタの断面を示す写真である。
図4】積層型キャパシタの曲げ試験(Bending test)方法を説明するための正面図である。
図5図4の試験方法による曲げ試験の結果を示すグラフである。
図6図1にめっき層がさらに形成されている様子を示す斜視図である。
図7図2にめっき層がさらに形成されている様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0024】
なお、明細書全体において、ある構成要素を「含む」ということは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0025】
以下、本発明の実施形態を明確に説明するために、キャパシタ本体110の方向を定義すると、図面に示されているX、Y、Zはそれぞれ、キャパシタ本体110の長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。また、本実施形態においてZ方向は、誘電体層が積層される積層方向と同一の概念として用いられることができる。
【0026】
図1は本発明の一実施形態による積層型キャパシタを概略的に示す斜視図であり、図2図1のI−I'線に沿った断面図であり、図3図1の積層型キャパシタの断面を示す写真である。
【0027】
図1図3を参照すると、本実施形態による積層型キャパシタ100は、キャパシタ本体110と、第1及び第2外部電極130、140と、を含む。
【0028】
キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層した後に焼成したものであり、キャパシタ本体110の互いに隣接する誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難いほど一体化することができる。
【0029】
このとき、キャパシタ本体110は、ほぼ六面体状であることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、キャパシタ本体110の形状、寸法、及び誘電体層111の積層数が本実施形態の図面に示されたものに限定されるものではない。
【0030】
本実施形態では、説明の便宜のために、キャパシタ本体110のZ方向に互いに対向する両面を第1及び第2面1、2、第1及び第2面1、2と連結され、X方向に互いに対向する両面を第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、且つ第3及び第4面3、4と連結され、Y方向に互いに対向する両面を第5及び第6面5、6と定義する。
【0031】
また、本実施形態における積層型キャパシタ100の実装面は、図面上においてキャパシタ本体110の下面である第1面1であることができる。
【0032】
誘電体層111は、高誘電率のセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系セラミック粉末などを含むことができるが、十分な静電容量を得ることができる限り、本発明がこれに限定されるものではない。
【0033】
また、誘電体層111には、上記セラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などが添加されることができる。
【0034】
上記セラミック添加剤としては、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などが用いられることができる。
【0035】
かかるキャパシタ本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性領域と、上下マージン部として、Z方向に上記活性領域の上下部にそれぞれ形成される上部及び下部カバー112、113と、を含むことができる。
【0036】
上部及び下部カバー112、113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と同一の材料及び構成を有することができる。
【0037】
かかる上部及び下部カバー112、113は、単一の誘電体層または2つ以上の誘電体層を、上記活性領域の上下面にそれぞれZ方向に積層して形成することができ、基本的には、物理的または化学的ストレスによる第1及び第2内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0038】
第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性が印加される電極であって、誘電体層111を挟んでZ方向に沿って交互に配置され、一端がキャパシタ本体110の第3及び第4面3、4を介してそれぞれ露出することができる。
【0039】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0040】
このように、キャパシタ本体110の第3及び第4面3、4を介して交互に露出する第1及び第2内部電極121、122の端部は、後述するキャパシタ本体110の第3及び第4面に配置される第1及び第2外部電極130、140とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0041】
上述の構成によって、第1及び第2外部電極130、140に所定の電圧が印加されると、第1及び第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。
【0042】
このとき、積層型キャパシタ100の静電容量は、活性領域においてZ方向に沿って互いに重なる第1及び第2内部電極121、122の重なり面積と比例する。
【0043】
また、第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、パラジウム−銀(Pd−Ag)合金などの貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち1つ以上の材料からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0044】
このとき、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0045】
第1及び第2外部電極130、140は、互いに異なる極性の電圧が提供され、キャパシタ本体110のX方向における両端部にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0046】
このとき、第1及び第2外部電極130、140は、第1及び第2導電層131、141、第1及び第2衝撃吸収層132、142、及び第1及び第2導電性樹脂層133、143をそれぞれ含む。
【0047】
第1導電層131は、キャパシタ本体110の第3面3に形成され、第1内部電極121と接続される部分である。
【0048】
第2導電層141は、キャパシタ本体110の第4面4に形成され、第2内部電極122と接続される部分である。
【0049】
また、第1及び第2導電層131、141は、銅(Cu)などの金属を含むことができる。
【0050】
第1衝撃吸収層132は、キャパシタ本体110の第1及び第2面1、2と第5及び第6面5、6に配置される。
【0051】
また、第1衝撃吸収層132のX方向における長さは、後述する第1導電性樹脂層133のX方向における長さよりも長く形成されることができる。
【0052】
このとき、第1衝撃吸収層132の長さは、各機種ごとに定められている電極サイズの1.0倍以上とすることができ、第1衝撃吸収層132の厚さは、10μm以上とすることが好ましい。
【0053】
第2衝撃吸収層142は、キャパシタ本体110の第1及び第2面1、2と第5及び第6面5、6に形成され、X方向に第1衝撃吸収層132と互いに離隔するように形成される。
【0054】
また、第2衝撃吸収層142のX方向における長さは、後述する第2導電性樹脂層143のX方向における長さよりも長く形成されることができる。
【0055】
このとき、第2衝撃吸収層142の長さは、各機種ごとに定められている電極サイズの1.0倍以上とすることができ、第2衝撃吸収層142の厚さは、10μm以上とすることが好ましい。
【0056】
かかる第1及び第2衝撃吸収層132、142は、延伸性のある材料からなることができ、例えば、ポリマーなどからなることができる。
【0057】
また、第1及び第2衝撃吸収層132、142は、絶縁材料からなることができる。このとき、第1及び第2衝撃吸収層132、142は、エポキシを含むことができる。
【0058】
他の例として、第1及び第2衝撃吸収層132、142は、金属とフィラー(filler)を含むことができる。上記フィラーは、塗布性を改善し、且つ機械的強度を調整するなどの役割を果たすことができる。
【0059】
このとき、第1及び第2衝撃吸収層132、142において、総重量に対する金属の含有量は50重量%以下であり、上記フィラーは、シリカ(silica)、ガラス及び二酸化ジルコニウム(ZrO)などの非金属性材料を含むことができる。
【0060】
また、上記フィラーは、所定量の金属性材料と各種有機物をさらに含むことができる。
【0061】
かかるフィラーは、第1及び第2衝撃吸収層132、142の初期形成時に塗布性、耐熱性、接着性などを調整する役割を果たすことができる。
【0062】
また、第1及び第2衝撃吸収層132、142は、互いに付着するのを防止するために、キャパシタ本体110の表面に所定の離隔距離を有するように配置されることが好ましい。
【0063】
このとき、X方向における第1及び第2衝撃吸収層132、142の長さの和は、キャパシタ本体110のX方向における長さに対して90%以下であることができる。
【0064】
第1及び第2衝撃吸収層132、142の長さの和が、キャパシタ本体110のX方向における長さに対して90%を超えると、第1及び第2衝撃吸収層が互いに連結される可能性がある。
【0065】
第1導電性樹脂層133は、機械的応力に対する積層型キャパシタの安定性を向上させる役割を果たすものであり、キャパシタ本体110の第3面3から第1、第2、第5、第6面1、2、5、6の一部までそれぞれ延長され、第1導電層131をカバーし、第1衝撃吸収層132は一部のみをカバーするように形成される。
【0066】
したがって、キャパシタ本体110の第1及び第2面1、2と第1導電性樹脂層133との間に第1衝撃吸収層132が配置されることができる。
【0067】
第2導電性樹脂層143は、機械的応力に対する積層型キャパシタの安定性を向上させる役割を果たすものであり、キャパシタ本体110の第4面4から第1、第2、第5、第6面1、2、5、6の一部までそれぞれ延長され、第2導電層141をカバーし、第2衝撃吸収層142は一部のみをカバーするように形成される。
【0068】
したがって、キャパシタ本体110の第1及び第2面1、2と第2導電性樹脂層143との間に第2衝撃吸収層142が配置されることができる。
【0069】
また、第1及び第2導電性樹脂層133、143は、導電性金属とエポキシを含むことができる。このとき、上記導電性金属は、銅またはニッケルなどであることができる。
【0070】
また、他の例として、第1及び第2導電性樹脂層133、143は、金属間化合物とエポキシを含んでなることができる。
【0071】
一方、図6及び図7に示すように、第1及び第2外部電極130'、140'は、第1及び第2導電性樹脂層133、143をそれぞれカバーするように形成されるめっき層をさらに含むことができる。
【0072】
上記めっき層は、第1及び第2導電性樹脂層133、143をそれぞれカバーする第1及び第2ニッケル(Ni)めっき層134、144と、第1及び第2ニッケルめっき層134、144をそれぞれカバーする第1及び第2錫(Sn)めっき層135、145と、を含むことができる。
【0073】
従来の積層型キャパシタは、低い弾性係数を有する金属のみからなる外部電極層を用いているため、外部の機械的応力に脆弱な傾向を示す。
【0074】
これを解決するために、延性が良好な樹脂と金属粒子を混ぜて用いる樹脂系金属ペーストを塗布する方法が開示されているが、より高い信頼性を要求する電装用チップの基準にはまだ達していない特性を示している。
【0075】
また、上記樹脂系金属ペーストを用いる外部電極は、金属含有量によって延性は増加するが、電気的連結性は減少することがあり、逆に延性は減少するが、電気的連結性が増加するトレードオフ(Trade Off)状況が発生する可能性がある。
【0076】
この問題は、外部電極の組成の代わりに電極のバンドの長さを長くするなどの構造的な部分を制御する方法によって解決することができるが、バンドの長さが長くなると、両電極間の間隔が狭くなり、結果的に素子の短絡(short)が起こる確率も大きく増加するため、実際にはこのような構造的制御方法は適用し難いのが実情である。
【0077】
本発明は、このような機械的な応力に強い積層型キャパシタを製造するために外部電極の構造を特定した。
【0078】
本発明の一実施形態によると、積層型キャパシタの外部電極のうち樹脂系材料を用いる層を二重の他の組成と構造を有する層に構成することで、外部の機械的応力にも積層型キャパシタがより安定的に作動できるようにすることができる。
【0079】
即ち、本実施形態では、外部電極の構造を、金属成分は無いか少量であり、且つ延性に優れた衝撃吸収層と、延性は少し低いが、電気的連結性に優れた導電性樹脂層との二重構造とすることにより、積層型キャパシタの機械的な安定性を増大させながら電気的連結性を確保するという効果を期待することができる。
【0080】
さらに、本実施形態によると、衝撃吸収層のバンドの長さが、通常の積層型キャパシタとは異なって、衝撃吸収層の外側に形成される導電性樹脂層の長さよりも長く形成されることにより、キャパシタ本体にかかる機械的応力をさらに低減させることができる。
【0081】
このとき、導電性樹脂層は、一定レベル以上の電気的連結性を有しているため、積層型キャパシタが問題なく作動するように設計されることができる。
【0082】
また、衝撃吸収層と導電性樹脂層の互いに離隔した距離が一定レベルを維持するように、衝撃吸収層と導電性樹脂層のバンドの長さを調節すれば、発生の恐れがある積層型キャパシタの短絡を予防することができる。
【0083】
上述のように本実施形態によると、電気的連結性と寿命加速試験下での安定性を一定レベルに維持しながらも、機械的応力下での積層型キャパシタの信頼性を向上させることができるという効果を期待することができる。
【0084】
実験例
図4は積層型キャパシタの曲げ試験(Bending test)方法を説明するための正面図であり、図5図4の試験方法による曲げ試験の結果を示すグラフである。
【0085】
図4及び図5は、衝撃吸収層の適用有無によるキャパシタ本体のクラック(Crack)発生頻度を試験して示したものである。
【0086】
ここで、比較例は、外部電極に衝撃吸収層が適用されていない積層型キャパシタであり、実施例は、図1に示された外部電極が衝撃吸収層を含む構造を有する積層型キャパシタである。
【0087】
図4を参照すると、基板に実装された積層型キャパシタを、実装面を押すことができる装置に位置させ、積層型キャパシタにおいて実装面の反対面を6mmほど下方に押して曲げクラックの発生有無を確認することでクラック発生頻度を測定することができる。
【0088】
図5を参照すると、衝撃吸収層が適用されていない比較例の場合、バンドがキャパシタ本体から剥離されるピールオフ(Peel Off)またはキャパシタ本体が割れるクラック(Crack)不良が30個のサンプルのうち29個のサンプルから発生した。
【0089】
しかし、衝撃吸収層を適用した本実施例の場合、30個のサンプルはいずれも不良が発生しなかったため、6mmの曲げ強度試験時に曲げ強度の保証が可能であることが確認できる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的事項を逸脱しない範囲内で様々ば修正及び変形が可能であることは、当技術分野における通常の知識を有する者には自明である。
【符号の説明】
【0091】
100 積層型キャパシタ
110 キャパシタ本体
111 誘電体層
121、122 第1及び第2内部電極
130、140、130'、140' 第1及び第2外部電極
131、141 第1及び第2導電層
132、142 第1及び第2衝撃吸収層
133、143 第1及び第2導電性樹脂層
134、144 第1及び第2ニッケルめっき層
135、145 第1及び第2錫めっき層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7