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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-13705(P2020-13705A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】積層型電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20191220BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20191220BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20191220BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M2/02 K
   H01M10/0585
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-135267(P2018-135267)
(22)【出願日】2018年7月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】奥村 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩之
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011AA13
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD01
5H011DD05
5H011FF02
5H011KK00
5H011KK04
5H028AA05
5H028CC08
5H028CC10
5H028CC15
5H028HH00
5H028HH05
5H028HH09
5H029AJ12
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AM01
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029BJ15
5H029DJ02
5H029DJ04
5H029HJ00
5H029HJ03
5H029HJ15
(57)【要約】
【課題】外装体と電極板との短絡を効果的に防止して、積層型電池の信頼性を向上させることを目的とする。
【解決手段】絶縁体30は、第1電極板10の一側端部10aの幅方向dyにおける一側s1で折り返す第1折り返し部31と、第2電極板20の他側端部20bの他側s2で折り返す第2折り返し部32と、を含んでいる。第1電極板10の幅は、第2電極板20の幅よりも狭い。第1折り返し部31の一側端部31aは、当該第1折り返し部31に対応する第1電極板10に隣り合う第2電極板20の一側端部20aよりも、前記幅方向において一側に位置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向に交互に積層された第1電極板および第2電極板と、
前記積層方向と直交する幅方向で交互に逆向きに折り返すことで、前記積層方向に隣り合う第1電極板および第2電極板の間を延びる絶縁体と、を備え、
前記絶縁体は、前記第1電極板の前記幅方向における一側に位置する一側端部の前記幅方向における一側で折り返す第1折り返し部と、前記第2電極板の前記幅方向における他側に位置する他側端部の前記幅方向における他側で折り返す第2折り返し部と、を含み、
前記幅方向に沿った前記第1電極板の幅は、前記幅方向に沿った前記第2電極板の幅よりも狭く、
前記第1折り返し部の前記幅方向における一側端部は、当該第1折り返し部に対応する第1電極板に隣り合う第2電極板の一側端部よりも、前記幅方向において一側に位置する、積層型電池。
【請求項2】
前記第1折り返し部の前記一側端部は、当該第1折り返し部に対応する第1電極板に隣り合う第2電極板の一側端部よりも、前記幅方向における一側に0.1mm以上ずれて位置している、請求項1に記載の積層型電池。
【請求項3】
前記第1折り返し部の前記一側端部は、当該第1折り返し部に対応する第1電極板に隣り合う第2電極板の一側端部よりも、前記幅方向における一側に0.1mm以上3mm以下ずれて位置している、請求項1に記載の積層型電池。
【請求項4】
前記第2折り返し部の前記幅方向における他側端部は、当該第2折り返し部に対応する第2電極板の前記他側端部から、前記幅方向における他側に3mm以下ずれて位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項5】
前記第1電極板の前記一側端部からの前記第1折り返し部の前記幅方向における一側への突出長さは、前記第2電極板の前記他側端部からの前記第2折り返し部の前記幅方向における他側への突出長さよりも長い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項6】
前記第2折り返し部の前記幅方向における他側端部は、当該第2折り返し部に対応する第2電極板に隣り合う第1電極板の前記他側端部よりも、前記幅方向において他側に位置する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項7】
前記第2電極板の一側端部は、前記第1電極板の一側端部よりも、前記幅方向における一側に位置し、
前記第2電極板の他側端部は、前記第1電極板の他側端部よりも、前記幅方向における他側に位置する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項8】
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体を更に備え、
前記第1折り返し部は、前記外装体に前記幅方向から接触し、
前記第2電極板の一側端部は、前記外装体から前記幅方向に離間している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項9】
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体を更に備え、
前記第2電極板の一側端部と前記外装体との前記幅方向に沿った離間間隔は、0.1mm以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項10】
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体を更に備え、
前記第2電極板の一側端部と前記外装体との前記幅方向に沿った離間間隔は、3mm以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項11】
積層方向に交互に積層された第1電極板および第2電極板と、
前記積層方向と直交する幅方向で交互に逆向きに折り返すことで、前記積層方向に隣り合う第1電極板および第2電極板の間を延びる絶縁体と、
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体と、を備え、
前記絶縁体は、前記第1電極板の前記幅方向における一側に位置する一側端部の前記幅方向における一側で折り返す第1折り返し部と、前記第2電極板の前記幅方向における他側に位置する他側端部の前記幅方向における他側で折り返す第2折り返し部と、を含み、
前記第1折り返し部及び前記第2折り返し部が前記外装体に接触することで、前記第1電極板および前記第2電極板が前記外装体に接触することを規制する、積層型電池。
【請求項12】
前記外装体は、第1部材と、前記第1部材と接合されて前記第1部材との間に前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体の収容空間を形成する第2部材と、を有し、
前記第2部材は、前記収容空間を形成する膨出部と、前記膨出部を周状に取り囲むようにして前記膨出部に接続し且つ前記第1部材と接合される鍔部と、を有し、
前記膨出部は、前記鍔部に対して90°より大きく110°以下の角度を成して前記鍔部から立ち上がる周状の側壁部と、前記側壁部に接続した天壁部と、を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項13】
前記外装体の内部の圧力は、100kPa以下となっている、請求項8〜12のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項14】
前記第1電極板は正極板であり、前記第2電極板は負極板である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の積層型電池。
【請求項15】
前記第1電極板及び前記第2電極板を、それぞれ、10以上含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1で提案されているように、正極板と負極板とを交互に積層してなる積層型電池が広く普及している。積層型電池の一例として、リチウムイオン二次電池が例示され得る。リチウムイオン二次電池は、他の形式の積層型電池と比較して大容量であることを特徴の一つとしている。このような特徴を有するリチウムイオン二次電池は、今般、車載用途や定置住宅用途等の種々の用途での更なる普及を期待されている。
【0003】
積層型電池は、通常、交互に積層される正極板及び負極板と、正極板及び負極板の間に設けられる絶縁体と、を含む積層体に加え、この積層体を収容する外装体と、を有している。外装体は、一般的に、バリヤー性や強度の観点から金属、例えばアルミニウム合金を用いて製造された本体部と、本体部の内面側に設けられた絶縁コーティング層と、を有している。絶縁コーティング層により、電極板と外装体の本体部との短絡が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−182715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、絶縁コーティング層にピンホール等の欠陥が生じることもある。例えば、電極板の縁部が接触することによって、絶縁コーティング層が局所的に破損することも考えられる。そして、絶縁コーティング層に欠陥が生じた場合、電極板と外装体とが短絡すると、積層型電池が予定した機能を発揮しなくなる。本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、外装体と電極板との短絡を効果的に防止して、積層型電池の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による第1の積層型電池は、
積層方向に交互に積層された第1電極板および第2電極板と、
前記積層方向と直交する幅方向で交互に逆向きに折り返すことで、前記積層方向に隣り合う第1電極板および第2電極板の間を延びる絶縁体と、を備え、
前記絶縁体は、前記第1電極板の前記幅方向における一側に位置する一側端部の前記幅方向における一側で折り返す第1折り返し部と、前記第2電極板の前記幅方向における他側に位置する他側端部の前記幅方向における他側で折り返す第2折り返し部と、を含み、
前記幅方向に沿った前記第1電極板の幅は、前記幅方向に沿った前記第2電極板の幅よりも狭く、
前記第1折り返し部の前記幅方向における一側端部は、当該第1折り返し部に対応する第1電極板に隣り合う第2電極板の一側端部よりも、前記幅方向において一側に位置する。
【0007】
本発明による第2の積層型電池は、
積層方向に交互に積層された第1電極板および第2電極板と、
前記積層方向と直交する幅方向で交互に逆向きに折り返すことで、前記積層方向に隣り合う第1電極板および第2電極板の間を延びる絶縁体と、
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体と、を備え、
前記絶縁体は、前記第1電極板の前記幅方向における一側に位置する一側端部の前記幅方向における一側で折り返す第1折り返し部と、前記第2電極板の前記幅方向における他側に位置する他側端部の前記幅方向における他側で折り返す第2折り返し部と、を含み、
前記第1折り返し部及び前記第2折り返し部が前記外装体に接触することで、前記第1電極板および前記第2電極板が前記外装体に接触することを規制する。
【0008】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第1折り返し部の前記一側端部は、当該第1折り返し部に対応する第1電極板に隣り合う第2電極板の一側端部よりも、前記幅方向における一側に0.1mm以上ずれて位置していてもよい。
【0009】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第1折り返し部の前記一側端部は、当該第1折り返し部に対応する第1電極板に隣り合う第2電極板の一側端部よりも、前記幅方向における一側に0.1mm以上3mm以下ずれて位置していてもよい。
【0010】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第2折り返し部の前記幅方向における他側端部は、当該第2折り返し部に対応する第2電極板の前記他側端部から、前記幅方向における他側に3mm以下ずれて位置していてもよい。
【0011】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第1電極板の前記一側端部からの前記第1折り返し部の前記幅方向における一側への突出長さは、前記第2電極板の前記他側端部からの前記第2折り返し部の前記幅方向における他側への突出長さよりも長くなっていてもよい。
【0012】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第2折り返し部の前記幅方向における他側端部は、当該第2折り返し部に対応する第2電極板に隣り合う第1電極板の前記他側端部よりも、前記幅方向において他側に位置していてもよい。
【0013】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、
前記第2電極板の一側端部は、前記第1電極板の一側端部よりも、前記幅方向における一側に位置し、
前記第2電極板の他側端部は、前記第1電極板の他側端部よりも、前記幅方向における他側に位置していてもよい。
【0014】
本発明による第1又は第2の積層型電池が、
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体を更に備え、
前記第1折り返し部は、前記外装体に前記幅方向から接触し、
前記第2電極板の一側端部は、前記外装体から前記幅方向に離間していてもよい。
【0015】
本発明による第1又は第2の積層型電池が、
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体を更に備え、
前記第2電極板の一側端部と前記外装体との前記幅方向に沿った離間間隔は、0.1mm以上であってもよい。
【0016】
本発明による第1又は第2の積層型電池が、
前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体を収容する外装体を更に備え、
前記第2電極板の一側端部と前記外装体との前記幅方向に沿った離間間隔は、3mm以下であってもよい。
【0017】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、
前記外装体は、第1部材と、前記第1部材と接合されて前記第1部材との間に前記第1電極板、前記第2電極板および前記絶縁体の収容空間を形成する第2部材と、を有し、
前記第2部材は、前記収容空間を形成する膨出部と、前記膨出部を周状に取り囲むようにして前記膨出部に接続し且つ前記第1部材と接合される鍔部と、を有し、
前記膨出部は、前記鍔部に対して90°より大きく110°以下の角度を成して前記鍔部から立ち上がる周状の側壁部と、前記側壁部に接続した天壁部と、を有するようにしてもよい。
【0018】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記外装体の内部の圧力は、100kPa以下となっていてもよい。
【0019】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第1電極板は正極板であり、前記第2電極板は負極板であってもよい。
【0020】
本発明による第1又は第2の積層型電池において、前記第1電極板及び前記第2電極板を、それぞれ、10以上含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外装体と電極板との短絡を効果的に防止して、積層型電池の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、積層型電池を示す斜視図である。
図2図2は、図1の積層型電池の内部を外装体や絶縁体等を除去して示す斜視図である。
図3図3は、図1の積層型電池の電極板および絶縁体の積層構造を説明するための縦断面斜視図である。
図4図4は、図1の積層型電池の電極板および絶縁体を示す上面図である。
図5図5は、図1の積層型電池の幅方向に沿った断面を示す縦断面図である。
図6図6は、図1の積層型電池の取出方向に沿った断面を示す部分縦断面図である。
図7図7は、図1の積層型電池の幅方向に沿った断面を示す部分縦断面図である。
図8図8は、図1の積層型電池の幅方向に沿った断面を示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0024】
図1図8は、本発明による積層型電極の一実施の形態を説明するための図である。
【0025】
以下に説明する一実施の形態において、積層型電池1は、外装体40と、外装体40内に収容された膜電極接合体5と、膜電極接合体5に接続されて外装体40の内部から外部へと延び出したタブ3と、を有している。このうち膜電極接合体5は、交互に積層された第1電極板10及び第2電極板20と、第1電極板10及び第2電極板20の間に位置する絶縁体30と、を有している。このような積層型電池1は、膜電極接合体5を構成する複数の電極板10,20の製造時における位置決め精度の低下や使用時における電極板10,20の位置ずれに起因して、電極板10,20と外装体40との短絡が生じ得る。電極板10,20と外装体40との短絡が生じると、積層型電池1が予定された機能を発揮することができなくなる。一方、本実施の形態に係る積層型電池1は、以下に説明するように、電極板10,20と外装体40との接触を防止するための工夫がなされており、優れた信頼性を有している。
【0026】
以下において、積層型電池1がリチウムイオン二次電池を構成する例について説明する。この例において、第1電極板10は正極板10Xを構成し、第2電極板20は負極板20Yを構成するものとする。ただし、以下に説明する作用効果の記載からも理解され得るように、ここで説明する一実施の形態は、リチウムイオン二次電池に限定されることなく、第1電極板10及び第2電極板20を交互に積層してなる積層型電池1に広く適用され得る。
【0027】
まず、積層型電池1の構成について説明する。外装体40は、膜電極接合体5を封止するための包装材である。外装体40は、本体部40aと、本体部40aに積層されたコーティング層40bと、を有している(図6図8参照)。本体部40aは、高ガスバリア性と成形加工性を有することが好ましい。本体部40aをなす材料として、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等を用いることができる。コーティング層40bは、絶縁性を有しており、外装体40内に収容する電極板10,20と本体部40aとの短絡を防止する。また、コーティング層40bは、絶縁性に加えて、耐薬品性、熱可塑性(接着性)等を有していることが好ましい。このようなコーティング層40bとして、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニルを用いることができる。
【0028】
図1図5及び図6に示すように、外装体40は、第1部材41及び第2部材42を有している。第1部材41及び第2部材42の間に、膜電極接合体5の収容空間が形成されている。外装体40は、膜電極接合体5及び電解液をその内部に密閉する。膜電極接合体5及び電解液を封入した外装体40の内圧は、負圧、例えば100kPa以下とすることができる。
【0029】
図示された例において、第1部材41は、板状の部材として形成されている。一方、第2部材42は、カップ状に形成されている。第2部材42は、カップ状の膨出部43と、膨出部43に接続した鍔部44と、を有している。鍔部44は、膨出部43を周状に取り囲み、鍔部44の周縁と接続している。鍔部44は、第1部材41と第2部材42との間の収容空間を密閉するように、第1部材41と接合している。カップ状の膨出部43は、周状の側壁部43aと、側壁部43aに接続した天壁部43bと、を有している。側壁部43aは、一方の開口縁において、鍔部44と接続している。天壁部43bは、側壁部43aの他方の開口縁に接続し、側壁部43aの他方の開口を塞いでいる。膨出部43は、例えば絞り加工によって製造され、この場合、側壁部43a及び他側面44bは一体的に形成される。
【0030】
なお、積層型電池1の体積に対する積層型電池1の電池容量の比の値で決まるエネルギー効率を高める観点から、側壁部43aは鍔部44から切り立っていること、言い換えると90°に近い角度で鍔部44から立ち上がっていることが好ましい。プレスによる絞り加工を用いて第2部材42を製造する場合、高いエネルギー効率を確保するため、側壁部43aの鍔部44に対する立ち上がり角度θxは、90°より大きく110°以下であることが好ましく、105°以下であることがより好ましく、100°以下であることが更に好ましい。なお、立ち上がり角度θxとは、図5に示すように、側壁部43aと鍔部44とがなす角度のうちの小さい方の角度(劣角)のことである。
【0031】
タブ3は、積層型電池1における端子として機能する。膜電極接合体5の正極板10X(第1電極板10)に一方のタブ3が電気的に接続し、膜電極接合体5の負極板20Y(第2電極板20)に他方のタブ3が電気的に接続している。タブ3は、アルミニウム、ニッケル、ニッケルメッキ銅等を用いて形成され得る。一対のタブは、外装体40の内部から、外装体40の外部へと延び出している。図示された例において、タブ3は、膜電極接合体5から引出方向dxに沿って外装体40外まで引き出されている。
【0032】
なお、外装体40とタブ3との間は、タブ3が延び出す領域において、封止されている。具体的には、図1図6に示すように、タブ3と外装体40との間にシーラント4が設けられている。シーラント4は、タブ3と外装体40との間を封止して、外装体40の収容空間を密閉する。また、シーラント4は、接着性を有しており、タブ3と外装体40とを接合する。図6によく示されているように、電極板10,20の積層方向dzにおけるタブ3の両側にシーラント4が、それぞれ設けられている。
【0033】
次に、膜電極接合体5について、図示された具体例を主として参照しながら、説明する。膜電極接合体5は、正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)と、正極板10X及び負極板20Yの間に位置する絶縁体30と、を有している。このうち、まず、正極板10X及び負極板20Yについて説明する。
【0034】
図2図3図5及び図6に示すように、膜電極接合体5は、複数の正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)を有している。正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)は、一つの外装体40内に、例えば、それぞれ10枚以上、或いはそれぞれ15枚以上、或いはそれぞれ20枚以上含まれている。正極板10X及び負極板20Yは、積層方向dzに沿って交互に配列されている。膜電極接合体5及び積層型電池1は、全体的に偏平形状を有し、積層方向dzへの厚さが薄く、積層方向dzに直交する引出方向dx及び幅方向dyに広がっている。
【0035】
図示された非限定的な例において、正極板10X及び負極板20Yは、長方形形状の外輪郭を有している。正極板10X及び負極板20Yは、積層方向dzに直交する引出方向dxに長手方向を有し、積層方向dz及び引出方向dxの両方に直交する幅方向dyに短手方向を有する。図2及び図4に示すように、正極板10X及び負極板20Yは、引出方向dxにずらして配置されている。より具体的には、複数の正極板10Xは、引出方向dxにおける一側(図2の左下側及び図4の左側)に寄って配置され、複数の負極板20Yは、引出方向dxにおける他側(図2の右上側及び図4の右側)に寄って配置されている。正極板10X及び負極板20Yは、引出方向dxにおける中央において、積層方向dzに重なり合っている。なお、図2では、絶縁体30の図示を省略している。
【0036】
正極板10X(第1電極板10)は、図示するように、シート状の外形状を有している。正極板10X(第1電極板10)は、正極集電体11X(第1電極集電体11)と、正極集電体11X上に設けられた正極活物質層12X(第1電極活物質層12)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、正極板10Xは、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵する。
【0037】
正極集電体11Xは、互い対向する第1面11a及び第2面11bを主面として有している。正極活物質層12Xは、正極集電体11Xの第1面11a及び第2面11bの少なくとも一方の面上に形成される。具体的には、正極集電体11Xの第1面11a又は第2面11bが、膜電極接合体5に含まれる電極板10,20のうちの積層方向dzにおける最外方に位置する場合、正極集電体11Xの最外方側となる面には正極活物質層12Xが設けられない。この正極集電体11Xの位置に依存した正極活物質層12Xの有無を除き、積層型電池1に含まれる複数の正極板10Xは、正極集電体11Xの両側に正極活物質層12Xを有し、互いに同一に構成され得る。
【0038】
正極集電体11X及び正極活物質層12Xは、積層型電池1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、正極集電体11Xは、アルミニウム箔によって形成され得る。正極活物質層12Xは、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダーとなる結着剤を含んでいる。正極活物質層12Xは、正極活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを、正極集電体11Xをなす材料上に塗工して固化させることで、作製され得る。正極活物質として、例えば、一般式LiM(ただし、Mは金属であり、x及びyは金属Mと酸素Oの組成比である)で表される金属酸リチウム化合物が用いられる。金属酸リチウム化合物の具体例として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が例示され得る。導電助剤としては、アセチレンブラック等が用いられ得る。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等が用いられ得る。
【0039】
図4に示すように、正極集電体11X(第1電極集電体11)は、第1端部領域a1及び第1電極領域b1を有している。正極活物質層12X(第1電極活物質層12)は、正極集電体11Xの第1電極領域b1のみに配置されている。第1端部領域a1及び第1電極領域b1は、引出方向dxに配列されている。第1端部領域a1は、第1電極領域b1よりも引出方向dxにおける外側(図4における左側)に位置している。複数の正極集電体11Xは、図6に示すように、第1端部領域a1において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって接合され、電気的に接続している。図示された例では、一つのタブ3が、第1端部領域a1において正極集電体11Xに電気的に接続している。タブ3は、膜電極接合体5から引出方向dxに延び出している。一方、図4に示すように、第1電極領域b1は、負極板20Yの後述する負極活物質層22Yに対面する領域内に位置している。そして、図5に示すように、幅方向dyに沿った正極板10Xの幅は、幅方向dyに沿った負極板20Yの幅よりも狭くなっている。このような第1電極領域b1の配置により、正極活物質層12Xからのリチウムの析出を防止することができる。
【0040】
次に、負極板20Y(第2電極板20)について説明する。負極板20Yも、正極板10Xと同様に、シート状の外形状を有している。負極板20Y(第2電極板20)は、負極集電体21Y(第2電極集電体21)と、負極集電体21Y上に設けられた負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、負極板20Yは、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する。
【0041】
負極集電体21Yは、互い対向する第1面21a及び第2面21bを主面として有している。負極活物質層22Yは、負極集電体21Yの第1面21a及び第2面21bの少なくとも一方の面上に形成される。具体的には、負極集電体21Yの第1面21a又は第2面21bが、膜電極接合体5に含まれる電極板10,20のうちの積層方向dzにおける最外方に位置する場合、負極集電体21Yの最外方側となる面には負極活物質層22Yが設けられない。この負極集電体21Yの位置に依存した負極活物質層22Yの有無を除き、積層型電池1に含まれる複数の負極板20Yは、負極集電体21Yの両側に負極活物質層22Yを有し、互いに同一に構成され得る。
【0042】
負極集電体21Y及び負極活物質層22Yは、積層型電池1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、負極集電体21Yは、例えば銅箔によって形成される。負極活物質層22Yは、例えば、炭素材料からなる負極活物質、及び、バインダーとして機能する結着剤を含んでいる。負極活物質層22Yは、例えば、炭素粉末や黒鉛粉末等からなる負極活物質とポリフッ化ビニリデンのような結着剤とを溶媒に分散させてなる負極用スラリーを、負極集電体21Yをなす材料上に塗工して固化することで、作製され得る。
【0043】
図4に示すように、負極集電体21Y(第2電極集電体21)は、第2端部領域a2及び第2電極領域b2を有している。負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)は、負極集電体21Yの第2電極領域b2に配置されている。第2端部領域a2及び第2電極領域b2は、引出方向dxに配列されている。第2端部領域a2は、第2電極領域b2よりも引出方向dxにおける外側(図4における右側)に位置している。複数の負極集電体21Yは、第2端部領域a2において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって接合され、電気的に接続している。一つのタブ3が、第2端部領域a2において負極集電体21Yに電気的に接続することができる。タブ3は、膜電極接合体5から引出方向dxに延び出している。
【0044】
既に説明したように、正極板10Xの第1電極領域b1は、負極板20Yの第2電極領域b2に対面する領域の内側に位置している(図4参照)。すなわち、第2電極領域b2は、正極板10Xの正極活物質層12Xに対面する領域を内包する領域に広がっている。図5に示すように、幅方向dyに沿った負極板20Yの幅は、幅方向dyに沿った正極板10Xの幅よりも広くなっている。とりわけ、負極板20Yの幅方向dyにおける一側端部20aは、正極板10Xの幅方向dyにおける一側端部10aよりも、幅方向dyにおける一側s1に位置し、且つ、負極板20Yの幅方向dyにおける他側端部20bは、正極板10Xの幅方向dyにおける他側端部10bよりも、幅方向dyにおける他側s2に位置している。
【0045】
次に、絶縁体30について説明する。絶縁体30は、正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)の間に位置する。絶縁体30は、正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)の接触による短絡を防止する。絶縁体30は、大きなイオン透過度(透気度)、所定の機械的強度、および電解液、正極活物質、負極活物質等に対する耐久性を有していることが好ましい。このような絶縁体30として、例えば、絶縁性の材料によって形成された多孔質体や不織布等を用いることができる。外装体40内には、膜電極接合体5とともに電解液が封入される。電解液が、多孔質体や不織布からなる絶縁体30に含浸することで、電極板10,20の電極活物質層12,22に電解液が接触した状態となる。
【0046】
本実施の形態では、単一の絶縁体30が、積層方向dzに隣り合う任意の二つの電極板10,20の間に位置している。絶縁体30は、折り曲げ可能なシート状の部材である。絶縁体30は、互いに対向する一対の主面として、第1面30a及び第2面30bを有している。図3図5に示すように、絶縁体30は、幅方向dyで交互に逆向きに折り返すことで、積層方向dzに隣り合う正極板10Xおよび負極板20Yの間を順に延びている。絶縁体30は、幅方向dyにおける一側s1で折り返す第1折り返し部31と、幅方向dyにおける一側s1とは逆側となる他側s2で折り返す第2折り返し部32と、を有している。すなわち、絶縁体30は、つづら折り形状となっている。
【0047】
第1折り返し部31は、正極板10Xの幅方向dyにおける一側端部10aの、幅方向dyにおける一側s1に位置している。図示された例において、第1折り返し部31は、正極板10Xの幅方向dyにおける一側端部10aから幅方向dyに離間した位置にて折り返している。すなわち、正極板10Xの一側端部10aと第1折り返し部31との間に隙間が形成されている。正極板10Xは、一側端部10aの側から絶縁体30によって覆われている。各正極板10Xは、一つの第1折り返し部31の両側に位置する絶縁体30の一対の部分の間に位置している。そして、各正極板10Xは、絶縁体30の第1面30aに対面している。一方、正極板10Xの幅方向dyにおける他側端部10bは、幅方向dyの他側から絶縁体30によって覆われていない。図5に示すように、正極板10Xの他側端部10bは、幅方向dyに外装体40と対面としている。
【0048】
第2折り返し部32は、負極板20Yの幅方向dyにおける他側端部20bの、幅方向dyにおける他側s2に位置している。図示された例において、第2折り返し部32は、負極板20Yの幅方向dyにおける他側端部20bから幅方向dyに離間した位置にて折り返している。すなわち、負極板20Yの他側端部20bと第2折り返し部32との間に隙間が形成されている。負極板20Yは、他側端部20bの側から絶縁体30によって覆われている。各負極板20Yは、一つの第2折り返し部32の両側に位置する絶縁体30の一対の部分の間に位置している。そして、各負極板20Yは、絶縁体30の第2面30bに対面している。また、負極板20Yの幅方向dyにおける他側端部20bは、幅方向dyの他側から絶縁体30によって覆われていない。図5に示すように、負極板20Yの他側端部20bは、幅方向dyに外装体40と対面としている。
【0049】
図4に示すように、平面視において、絶縁体30は、正極板10Xの正極活物質層12Xの全領域を覆うように広がっている。したがって、図5に示すように、幅方向dyにおける絶縁体30の幅は、幅方向dyにおける正極板10Xの幅よりも広くなっている。すなわち、絶縁体30の幅方向dyにおける一側端部31aと幅方向dyにおける他側端部32bとの間の幅方向dyに沿った長さは、幅方向dyにおける正極板10Xの幅よりも長くなっている。また、引出方向dxにおける絶縁体30の長さは、引出方向dxにおける正極活物質層12Xの長さよりも長くなっている。
【0050】
同様に、図4に示すように、平面視において、絶縁体30は、負極板20Yの負極活物質層22Yの全領域を覆うように広がっている。すなわち、幅方向dyにおける絶縁体30の幅は、幅方向dyにおける負極板20Yの幅よりも広くなっている。すなわち、絶縁体30の幅方向dyにおける一側端部31aと幅方向dyにおける他側端部32bとの間の幅方向dyに沿った長さは、幅方向dyにおける負極板20Yの幅よりも長くなっている。また、引出方向dxにおける絶縁体30の長さは、引出方向dxにおける負極活物質層22Yの長さよりも長くなっている。
【0051】
以上のような絶縁体30として、樹脂性多孔フィルムを用いることができる。より具体的には、絶縁体30として、融点が80〜140℃程度の熱可塑性樹脂からなる多孔フィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ポリマーを採用することができる。
【0052】
また、絶縁体30が、基材層と、基材層に積層された機能層と、を有するようにしてもよい。このような構成によれば、正極板10Xに対面する絶縁体30の第1面30aと、負極板20Yに対面する絶縁体30の第2面30bとが、異なる性質を有するようにすることができる。例えば、大面積で電解液の乾きが生じ易い負極板20Yに、空孔率の高い機能層が板面するようにし、正極板10Xに基材層が対面するようにしてもよい。また、別の例として、昇温し易い正極板10Xに、耐熱性に優れた機能層が対面するようにし、負極板20Yに基材層が対面するようにしてもよい。基材層として、例えば、直前に説明した樹脂製多孔フィルムを用いることができる。機能層として、例えば、無機材料を含む層を採用することができる。無機材料により、優れた耐熱性、例えば150°以上の耐熱性を機能層に付与することができる。このような無機材料として、セルロース及びその変成体、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等の繊維状物や粒子状物を例示することができ、このような無機材料を用いることによって、基材層よりも高い空孔率を機能層に付与することも可能となる。
【0053】
ところで、従来技術の欄でも説明したように、外装体40のコーティング層40bにピンホール等の欠陥が発生することがある。また、積層型電池1の使用中における外装体40と電極板10,20との接触によって、コーティング層40bが局所的に破損することもある。コーティング層40bに欠陥が生じ、さらに電極板10,20が外装体40に接触して短絡すると、積層型電池1が有効に機能しないといった問題が生じる。
【0054】
一方、本実施の形態において、絶縁体30は、幅方向dyで交互に逆向きに折り返すことで、積層方向dzに隣り合う正極板10X及び負極板20Yを絶縁する。絶縁体30は、正極板10Xの一側端部10aの幅方向dyにおける一側で折り返す第1折り返し部31と、負極板20Yの他側端部20bの幅方向dyにおける他側で折り返す第2折り返し部32と、を含んでいる。そして、幅方向dyに沿った正極板10Xの幅は、幅方向dyに沿った負極板20Yの幅よりも狭くなっている。
【0055】
ここで、図5図7及び図8は、積層型電池1の幅方向dyに沿った縦断面を示している。とりわけ図8は、幅方向dyにおける他側s2の領域を示している。図8に示すように、負極板20Yは、その幅方向dyにおける他側端部20bを、絶縁体30の第2折り返し部32によって、幅方向dyにおける他側s2から覆われている。すなわち、負極板20Yの他側端部20bと外装体40の内面との間に、絶縁体30の第2折り返し部32が設けられている。したがって、第2電極板20の他側端部20bは、絶縁体30の第2折り返し部32によって、外装体40に接触して短絡することを効果的に防止される。
【0056】
また、幅方向dyにおける負極板20Yの幅は、幅方向dyにおける正極板10Xの幅よりも広くなっている。そして、負極板20Yの他側端部20bは、正極板10Xの他側端部10bよりも、幅方向dyにおける他側s2に位置している。したがって、図8に示すように、第2折り返し部32の幅方向dyにおける他側端部20bは、当該第2折り返し部32に対応する負極板20Yと積層方向dzに隣り合う正極板10Xの他側端部10bよりも、幅方向dyにおいて他側s2に位置している。ここで、「当該第2折り返し部32に対応する負極板20Y」とは、「当該第2折り返し部32」が幅方向dyに位置するようになる「負極板20Y」のことであり、さらに言い換えると「当該第2折り返し部32」が幅方向dyから対面する「負極板20Y」のことである。
【0057】
このような構成から、図5及び図8に示すように、幅方向dyにおける他側s2において、絶縁体30の第2折り返し部32が、正極板10Xの他側端部10bや負極板20Yの他側端部20bよりも、外装体40に接近している。言い換えると、絶縁体30の第2折り返し部32が、幅方向dyにおいて、正極板10Xの他側端部10bと外装体40の内面との間、および、負極板20Yの他側端部20bと外装体40の内面との間に位置している。とりわけ図示された例では、第2折り返し部32は外装体40の内面に幅方向dyから接触し、正極板10Xの他側端部10b及び負極板20Yの他側端部20bは外装体40から幅方向dyに離間している。したがって、正極板10Xの他側端部10b及び負極板20Yの他側端部20bが外装体40の内面に接触して短絡することを、絶縁体30の第2折り返し部32によって効果的に防止することができる。
【0058】
加えて、本実施の形態では、幅方向dyにおける一側s1においても、正極板10X及び負極板20Yの外装体40への接触が規制されている。図7は、幅方向dyにおける一側s1の領域を示している。図7に示すように、正極板10Xは、その幅方向dyにおける一側端部10aを、絶縁体30の第1折り返し部31によって、幅方向dyにおける一側s1から覆われている。したがって、正極板10Xの一側端部10aは、絶縁体30の第1折り返し部31によって、外装体40の内面に接触して短絡することを効果的に防止される。
【0059】
ここで、正極板10Xの一側端部10aは、負極板20Yの一側端部20aよりも、幅方向dyにおける他側s2に位置している。しかしながら、第1折り返し部31は、正極板10Xの一側端部10aとの間に、幅方向dyに十分な隙間をあけている。そして、第1折り返し部31の幅方向dyにおける一側端部31aは、当該第1折り返し部31に対応する正極板10Xに隣り合う負極板20Yの一側端部20aよりも、幅方向dyにおいて一側s1に位置している。ここで、「当該第1折り返し部31に対応する正極板10X」とは、「当該第1折り返し部31」が幅方向dyに位置するようになる「正極板10X」のことであり、さらに言い換えると「当該第1折り返し部31」が幅方向dyから対面する「正極板10X」のことである。
【0060】
このような構成から、図5及び図7に示すように、幅方向dyにおける一側s1において、絶縁体30の第1折り返し部31が、正極板10Xの一側端部10aや負極板20Yの一側端部10aよりも、外装体40に接近している。言い換えると、絶縁体30の第2折り返し部32が、幅方向dyにおいて、正極板10Xの他側端部10bと外装体40の内面との間、および、負極板20Yの他側端部20bと外装体40の内面との間に位置している。とりわけ図示された例では、第1折り返し部31は外装体40に幅方向dyから接触し、正極板10Xの一側端部10a及び負極板20Yの一側端部20aは外装体40から幅方向dyに離間している。したがって、正極板10Xの一側端部10a及び負極板20Yの他側端部20bが外装体40の内面に接触して短絡することを、絶縁体30の第1折り返し部31によって効果的に防止することができる。
【0061】
以上のようにして、正極板10X及び負極板20Yが幅方向dyから外装体40の内面に接触して短絡することを、絶縁体30の第1折り返し部31及び第2折り返し部32によって効果的に防止することができる。
【0062】
なお、正極板10X及び負極板20Yの外装体40との短絡を効果的に防止する観点から、第1折り返し部31の一側端部31aは、当該第1折り返し部31に対応する正極板10Xに隣り合う負極板20Yの一側端部20aよりも、幅方向dyにおける一側s1に、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.8mm以上ずれている。すなわち、第1折り返し部31の一側端部31aの、当該第1折り返し部31に対応する正極板10Xに隣り合う負極板20Yの一側端部20aからの、幅方向dyにおける一側s1への突出長さLY1は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.8mm以上である。
【0063】
また、正極板10X及び負極板20Yの外装体40との短絡を効果的に防止する観点から、負極板20Yの一側端部20aと外装体40の内面との幅方向dyに沿った離間間隔DY1(図7参照)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.8mm以上である。なお、図示された例において、第1折り返し部31の一側端部31aは外装体40の内面に接触している。したがって、図7に示すように、この離間間隔DY1は、上述した突出長さLY1と同一となる。
【0064】
その一方で、正極板10X及び負極板20Yの大きさに対して、外装体40の内部容積が大きくなると、積層型電池1のエネルギー密度が低下してしまう。この点から、上述した突出長さLY1及び離間間隔DY1は、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
【0065】
同様に、エネルギー密度を改善する観点から、第2折り返し部32の幅方向dyにおける他側端部32bは、当該第2折り返し部32に対応する負極板20Yの他側端部20bから、幅方向dyにおける他側s2に、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下の長さだけずれている。すなわち、第2折り返し部32の他側端部32bの、当該第2折り返し部32に対応する負極板20Yの他側端部20bからの、幅方向dyにおける他側s2への突出長さLY2(図8参照)は、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。さらに、負極板20Yの他側端部20bと外装体40の内面との幅方向dyに沿った離間間隔DY2(図8参照)は、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
【0066】
なお、第2折り返し部32は、正極板10Xよりも幅方向dyにおける他側s2に突出した負極板20Yの他側端部20bと、外装体40の内面との間に位置している。したがって、第2折り返し部32が存在することによって、負極板20Yの他側端部20bと外装体40との短絡が効果的に規制される。このような状況では、エネルギー効率向上の観点から、突出長さLY2は小さくすることが好ましい。このため、正極板10Xの一側端部10aからの第1折り返し部31の幅方向dyにおける一側s1への突出長さLX1は、負極板20Yの他側端部20bからの第2折り返し部32の幅方向dyにおける他側s2への突出長さLY2よりも大きくなっている。
【0067】
また、外装体40の側壁部43aが積層方向dzに対して大きく傾斜すると、一定幅を有した正極板10X及び負極板20Yと側壁部43aとの幅方向dyへの離間間隔が、積層方向dzに沿って大きく変動してしまう。この場合、離間間隔が増大する箇所が生じ、積層型電池1のエネルギー効率が低下してしまう。したがって、積層型電池1のエネルギー効率を改善する観点から、膨出部43の天壁部43bの鍔部44に対する上述の角度θx(図5参照)は、好ましくは110°以下、より好ましくは105°以下、さらに好ましくは100°以下である。
【0068】
ただし、外装体40の第2部材42をプレス絞り加工によって作製する場合、型抜きを考慮すると、膨出部43の天壁部43bの鍔部44に対する角度θxは90°より大きくなってしまう。したがって、正極板10Xの一側端部10aからの第1折り返し部31の幅方向dyにおける一側s1への突出長さLX1が、積層方向dzにおいて、変動するようにしてもよい。具体的には、一の第1折り返し部31の突出長さLX1が、当該一の第1折り返し部31よりも積層方向dzにおいて鍔部44から離間して(天壁部43bに近接して)位置する他のいずれかの第1折り返し部31の突出長さLX1よりも、長くなっている。より好ましくは、任意に選択される一の第1折り返し部31の突出長さLX1が、当該一の第1折り返し部31よりも積層方向dzにおいて鍔部44から離間して(天壁部43bに近接して)位置する他の第1折り返し部31の突出長さLX1以上となっている。
【0069】
同様に、負極板20Yの他側端部20bからの第2折り返し部32の幅方向dyにおける他側s2への突出長さLY2が、積層方向dzにおいて、変動するようにしてもよい。具体的には、一の第2折り返し部32の突出長さLY2が、当該一の第2折り返し部32よりも積層方向dzにおいて鍔部44から離間して(天壁部43bに近接して)位置する他のいずれかの第2折り返し部32の突出長さLY2よりも、長くなっている。より好ましくは、任意に選択される一の第2折り返し部32の突出長さLY2が、当該一の第2折り返し部32よりも積層方向dzにおいて鍔部44から離間して(天壁部43bに近接して)位置する他の第2折り返し部32の突出長さLY2以上となっている。
【0070】
図示された例において、正極板10Xの一側端部10aからの第1折り返し部31の幅方向dyにおける一側s1への突出長さLX1は、当該第1折り返し部31に対応する正極板10Xと積層方向dzに隣り合う負極板20Yの一側端部20aと外装体40の内面との幅方向dyへの離間間隔DY1に応じて、変動している。結果として、すべての第1折り返し部31が、外装体40に接触し、すべての負極板20Yの一側端部20aが外装体40から離間して、正極板10X及び負極板20Yと外装体40との短絡が効果的に防止される。
【0071】
同様に、図示された例において、負極板20Yの他側端部20bからの第2折り返し部32の幅方向dyにおける他側s2への突出長さLY2は、当該第2折り返し部32に対応する負極板20Yと外装体40の内面との幅方向dyへの離間間隔DY2に応じて、変動している。結果として、すべての第2折り返し部32が、外装体40に接触して、正極板10X及び負極板20Yと外装体40との短絡が効果的に防止される。
【0072】
さらに、積層型電池1の使用中における、正極板10X及び負極板20Yの幅方向dyへのずれを抑制する観点から、好ましくは積層方向dzが水平方向と非平行となる姿勢にて、好ましくは積層方向dzが水平方向に対して45°より大きい角度をなす姿勢にて、さらに好ましくは積層方向dzが水平方向に対して直交する姿勢にて、積層型電池1を配置することが好ましい。また、積層型電池1の使用中における、正極板10X及び負極板20Yの幅方向dyへのずれを抑制する観点からは、外装体40の内部圧力が負圧、例えば100kPa以下に維持されていることが好ましい。この場合、外装体40が絶縁体30に接触して、正極板10X及び負極板20Yの位置ずれを効果的に抑制することができる。
【0073】
以上に説明した一実施の形態において、積層型電池1は、積層方向dzに交互に積層された第1電極板10(正極板10X)及び第2電極板20(負極板20Y)と、幅方向dyで交互に逆向きに折り返すことで、積層方向dzに隣り合う第1電極板10及び第2電極板20の間を延びる絶縁体(セパレータ)30と、を有している。絶縁体30は、第2電極板20の一側端部20aの幅方向dyにおける一側s1で折り返す第1折り返し部31と、第2電極板20の他側端部20bの幅方向dyにおける他側s2で折り返す第2折り返し部32と、を含んでいる。幅方向dyに沿った第1電極板10の幅は、幅方向dyに沿った第2電極板20の幅よりも狭い。第1折り返し部31の一側端部31aは、当該第1折り返し部31に対応する第1電極板10に隣り合う第2電極板20の他側端部20bよりも、幅方向dyにおいて一側s1に位置している。
【0074】
このような一実施の形態によれば、幅広の第2電極板20(負極板20Y)よりも絶縁体30の第1折り返し部31が幅方向に突出することになる。したがって、第1電極板10(正極板10X)と外装体40の内面との接触だけでなく、幅広の第2電極板20と外装体40の内面との接触も効果的に防止することができる。これにより、外装体40のコーティング層40bにピンホール等の欠陥が形成されていたとしても、外装体40と電極板10,20との短絡を効果的に防止することができる。結果として、積層型電池1の信頼性を向上させることができる。
【0075】
以上に説明した一実施の形態において、積層型電池1は、積層方向dzに交互に積層された第1電極板10(正極板10X)及び第2電極板20(負極板20Y)と、幅方向dyで交互に逆向きに折り返すことで、積層方向dzに隣り合う第1電極板10及び第2電極板20の間を延びる絶縁体(セパレータ)30と、第1電極板10、第2電極板20及び絶縁体30を収容する外装体40と、を有している。絶縁体30は、第2電極板20の一側端部20aの幅方向dyにおける一側s1で折り返す第1折り返し部31と、第2電極板20の他側端部20bの幅方向dyにおける他側s2で折り返す第2折り返し部32と、を含んでいる。第1折り返し部31及び第2折り返し部32が外装体40の内面に接触することで、第1電極板10および第2電極板20が外装体40の内面に接触することを規制している。
【0076】
このような一実施の形態によれば、電極板10,20よりも絶縁体30の折り返し部31,32が幅方向dyに突出することになる。したがって、電極板10,20と外装体40の内面との接触を効果的に防止することができる。これにより、外装体40のコーティング層40bにピンホール等の欠陥が形成されていたとしても、外装体40と電極板10,20との短絡を効果的に防止することができる。結果として、積層型電池1の信頼性を向上させることができる。
【0077】
上述した一具体例において、第1折り返し部31の一側端部31aは、当該第1折り返し部31に対応する第1電極板10に隣り合う第2電極板20の一側端部20aよりも、幅方向dyにおける一側s1に0.1mm以上ずれて位置している。したがって、幅広の第2電極板20と外装体40の内面との接触を十分に安定して防止することができる。
【0078】
上述した一具体例において、第1折り返し部31の一側端部31aは、当該第1折り返し部31に対応する第1電極板10に隣り合う第2電極板20の一側端部20aよりも、幅方向dyにおける一側s1に0.1mm以上3mm以下ずれて位置している。したがって、幅広の第2電極板20と外装体40の内面との接触を十分に安定して防止することができる。また、積層型電池1の大型化を効果的に回避しながら、信頼性の高い積層型電池1のエネルギー効率を改善することができる。
【0079】
上述した一具体例において、第2折り返し部32の他側端部32bは、当該第2折り返し部32に対応する第2電極板20の他側端部20bから、幅方向dyにおける他側s2に3mm以下ずれて位置している。したがって、幅広の第2電極板20が幅方向dyの一側s1及び他側s2のいずれかにずれて外装体40と接触することを効果的に回避しながら、信頼性の高い積層型電池のエネルギー効率を改善することができる。
【0080】
上述した一具体例において、第1電極板10の一側端部10aからの第1折り返し部31の幅方向dyにおける一側s1への突出長さLX1は、第2電極板20の他側端部20bからの第2折り返し部32の幅方向dyにおける他側s2への突出長さLY2よりも大きい。この構成によれば、第2折り返し部32の幅方向dyへの突出長さLY2を過度とすることなく、積層型電池1の高いエネルギー効率を確保しながら、同時に、第1折り返し部31の幅方向dyへの突出長さLX1を十分な長さとすることで、幅広の第2電極板20の一側端部20aが外装体40の内面に接触することを効果的に防止することができる。したがって、高いエネルギー効率と高い信頼性の両者を積層型電池1に付与することができる。
【0081】
上述した一具体例において、第2折り返し部32の他側端部32bは、当該第2折り返し部32に対応する第2電極板20に隣り合う第1電極板10の他側端部10bよりも、幅方向dyにおいて他側s2に位置している。この構成によれば、第1電極板10の他側端部10b及び第2電極板20の他側端部20bが外装体40の内面に接触することを効果的に防止することができる。
【0082】
上述した一具体例において、第2電極板20の一側端部20aは、第1電極板10の一側端部10aよりも、幅方向dyにおける一側s1に位置し、第2電極板20の他側端部20bは、第1電極板10の他側端部10bよりも、幅方向dyにおける他側s2に位置している。幅狭の第1電極板10及び幅広の第2電極板20がこのように配置されている場合、上述した第1折り返し部31の構成により、高いエネルギー効率及び高い信頼性の両者を積層型電池に付与することができる。
【0083】
上述した一具体例において、第1折り返し部31は、外装体40に幅方向dyから接触し、第2電極板20の一側端部20aは、外装体40から幅方向dyに離間している。第1折り返し部31が外装体40の内面に幅方向dyから接触することで、幅広の第2電極板20が外装体40に接触することが規制される。これにより、第2電極板20が外装体40と短絡することをより効果的に防止して、積層型電池1の信頼性をより効果的に改善することができる。
【0084】
上述した一具体例において、第2電極板20の一側端部20aと外装体40との幅方向dyに沿った離間間隔DY1は、0.1mm以上である。しがって、幅広の第2電極板20と外装体40の内面との接触を十分に安定して防止することができる。
【0085】
上述した一具体例において、第2電極板20の一側端部20aと外装体40との前記幅方向に沿った離間間隔DY1は、3mm以下である。このような構成によれば、積層型電池1の大型化を効果的に回避しながら、信頼性の高い積層型電池1のエネルギー効率を改善することができる。
【0086】
上述した一具体例において、外装体40は、第1部材41と、第1部材41と接合されて第1部材41との間に第1電極板10、第2電極板20及び絶縁体30の収容空間を形成する第2部材42と、を有している。第2部材42は、収容空間を形成する膨出部43と、膨出部43を周状に取り囲むようにして膨出部43に接続し且つ第1部材41と接合される鍔部44と、を有している。膨出部43は、鍔部44に対して90°より大きく110°以下の角度θxを成して鍔部44から立ち上がる周状の側壁部43aと、側壁部43aに接続した天壁部43bと、を有している。このような構成によれば、外装体40と電極板10,20との間に過度なスペースを形成することなく、電極板10,20と外装体40との接触を効果的に回避することができる。したがって、高いエネルギー効率と高い信頼性の両者を積層型電池1に付与することができる。
【0087】
上述した一具体例において、外装体40の内部の圧力は、100kPa以下となっている。外装体40内が大気圧未満の圧力に維持されることで、外装体40が、電極板10,20よりも幅方向dyに突出した絶縁体30に接触するよう変形した状態で、外装体40と電極板10,20および絶縁体30との相対移動が規制されるようになる。したがって、電極板10,20を外装体40の内面から離間した状態に安定して維持することができ、積層型電池1の信頼性をさらに向上させることができる。
【0088】
上述した一具体例において、第1電極板10は負極板20Yであり、第2電極板20は負極板20Yである。このような構成によれば、正極板10Xの全域に対面する位置に負極板20Yを配置することが可能となり、正極活物質の析出といった不具合を効果的に回避しながら、且つ、幅広の負極板20Yが外装体40の内面と接触することを効果的に回避することが可能となる。
【0089】
上述した一具体例において、第1電極板10及び第2電極板20を、それぞれ、10以上含んでいる。従来、第1電極板10及び第2電極板20をそれぞれ10枚以上含む大容量型の積層型電池1では、隣り合う電極板10,20の位置ずれが蓄積されて、電極板10,20と外装体40の内面との接触が起こりやすくなっていた。したがって、本実施の形態は、第1電極板10及び第2電極板20をそれぞれ10枚以上含む大容量型の積層型電池1に対して好適である。
【0090】
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、上述した例において、第1電極板10(正極板10X)及び第2電極板20(負極板20Y)の少なくとも一方が、電極活物質層12,22上に積層された絶縁層を、絶縁体30とは別途に含むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 積層型電池
3 タブ
4 シーラント
5 膜電極接合体
10 第1電極板
10a 一側端部
10b 他側端部
10X 正極板
11 第1電極集電体
11X 正極集電体
11a 第1面
11b 第2面
a1 第1端部領域
b1 第1電極領域
12 第1電極活物質層
12X 正極活物質層
20 第2電極板
20a 一側端部
20b 他側端部
20Y 負極板
21 第2電極集電体
21Y 負極集電体
21a 第1面
21b 第2面
a2 第2端部領域
b2 第2電極領域
22 第2電極活物質層
22Y 負極活物質層
30 絶縁体
30a 第1面
30b 第2面
31 第1折り返し部
31a 一側端部
32 第2折り返し部
32b 他側端部
40 外装体
40a 本体部
40b コーティング層
41 第1部材
42 第2部材
43 膨出部
43a 側壁部
43b 天壁部
44 鍔部
dx 引出方向
dy 幅方向
s1 一側
s2 他側
dz 積層方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8