【課題】密封した状態の食品包装体中の金属異物の検査と食品品質保持剤の添付漏れの検査の両方を効率良く行うことができる食品品質保持剤用組成物、食品品質保持剤用インク、前記組成物若しくは前記インクを含有する食品品質保持剤、食品包装体における食品品質保持剤の検出方法、及び食品包装体の検査方法の提供。
【解決手段】食品品質保持剤に含有される磁性体を磁化又は磁性体の磁力を強化する工程と、前記磁化又は磁力が強化された磁性体を検出し、前記食品品質保持剤の有無を検出する工程と、を含む磁性体を含有する食品品質保持剤が封入された食品包装体における食品品質保持剤の検出方法などである。
前記食品品質保持剤に含有される磁性体を磁化又は磁性体の磁力を強化する工程の前に、食品包装体中の金属異物を検出する工程を含む請求項1に記載の食品包装体における食品品質保持剤の検出方法。
前記食品品質保持剤に含有される磁性体を磁化又は磁性体の磁力を強化する工程の前に、食品包装体中の金属異物を検出する工程を含む請求項3に記載の食品包装体における食品包装体の検査方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(食品品質保持剤用組成物)
本発明の食品品質保持剤用組成物は、磁性体を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0011】
<磁性体>
前記磁性体は、通常の金属検出器では金属異物として検知されず、磁化手段により磁化又は磁力が強化されることで、その存在が検知される。
前記磁性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強磁性体が好ましい。強磁性体はフェロ磁性体またはフェリ磁性体どちらでもよい。例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウムの金属単体のほか、マグネタイト、フェライト、センダスト、ケイ素鋼、パーマロイ、パーメンジュールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、マグネタイト、フェライトが、安定性の点で、好ましい。
前記磁性体は、市販品を使用することができる。
【0012】
前記磁性体の食品品質保持剤用組成物における含有量としては、特に制限はなく、食品品質保持剤における含有量などに応じて適宜選択することができる。
【0013】
<その他の成分>
前記食品品質保持剤用組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、アルコールなどの抗微生物作用を有する揮発性物質の蒸散剤、非鉄系脱酸素剤、乾燥剤又はこれらを組み合わせた食品品質保持剤に用いられる成分を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、酢酸、アリルイソチアネート、シリカ、シリカゲル、シリカアルミナゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、グリセリン、アスコルビン酸、アルカリ性物質、フェノール類、キノン類、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記食品品質保持剤用組成物におけるその他の成分は、市販品を用いることができる。
前記食品品質保持剤用組成物におけるその他の成分の食品品質保持剤用組成物における含有量としては、特に制限はなく、所望の食品品質保持効果に応じて、通常用いられている各成分の使用量を適宜選択することができる。
【0014】
前記食品品質保持剤用組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、ジェル状などが挙げられる。
【0015】
前記食品品質保持剤用組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記各成分を混合する方法などが挙げられる。
前記食品品質保持剤用組成物は、後述する本発明の食品品質保持剤に好適に用いることができる。
【0016】
(食品品質保持剤用インク)
本発明の食品品質保持剤用インクは、磁性体を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0017】
<磁性体>
前記食品品質保持剤用インクにおける磁性体は、上記した(食品品質保持剤用組成物)の<磁性体>の項目に記載したものと同様である。
【0018】
前記磁性体の食品品質保持剤用インクにおける含有量としては、特に制限はなく、食品品質保持剤における含有量などに応じて適宜選択することができる。
【0019】
<その他の成分>
前記食品品質保持剤用インクにおけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の印刷用インクに用いられる成分を目的に応じて適宜選択することができる。前記食品品質保持剤用インクにおけるその他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記食品品質保持剤用インクにおけるその他の成分は、市販品を用いることができる。
前記食品品質保持剤用インクにおけるその他の成分の食品品質保持剤用インクにおける含有量としては、特に制限はなく、通常の印刷用インクに用いられる各成分の使用量を適宜選択することができる。
【0020】
前記食品品質保持剤用インクの態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液状などが挙げられる。
【0021】
前記食品品質保持剤用インクの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の印刷用インクに前記磁性体を混入する方法などが挙げられる。
前記食品品質保持剤用インクは、後述する本発明の食品品質保持剤に好適に用いることができる。
【0022】
(食品品質保持剤)
本発明の食品品質保持剤は、本発明の食品品質保持剤用組成物若しくは本発明の食品品質保持剤用インクを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記食品品質保持剤は、前記食品品質保持剤用組成物及び前記食品品質保持剤用インクのいずれか一方を含む態様であってもよいし、両者を含む態様であってもよい。
【0023】
<食品品質保持剤用組成物>
前記食品品質保持剤における食品品質保持剤用組成物は、上記した本発明の食品品質保持剤用組成物である。
前記食品品質保持剤用組成物は、包装体(以下、「食品品質保持剤用包装体」、「包材」と称することがある。)中に含有させることができる。
前記食品品質保持剤用組成物の食品品質保持剤における量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品品質保持剤1個あたりの磁性体の量として、0.005mg〜5mgが好ましく、0.05mg〜2.5mgがより好ましい。前記含有量が好ましい範囲内であると、食品包装体中の金属異物を検出する工程で前記食品品質保持剤が検出されない点で、有利である。
【0024】
<食品品質保持剤用インク>
前記食品品質保持剤における食品品質保持剤用インクは、上記した本発明の食品品質保持剤用インクである。
前記食品品質保持剤用インクは、食品品質保持剤用包装体に印刷することで、食品品質保持剤に含有させることができる。
前記食品品質保持剤用インクの食品品質保持剤における量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品品質保持剤1個あたりの磁性体の量として、0.005mg〜5mgが好ましく、0.05mg〜2.5mgがより好ましい。前記含有量が好ましい範囲内であると、食品包装体中の金属異物を検出する工程で前記食品品質保持剤が検出されない点で、有利である。
なお、前記食品品質保持剤用インクを用いる場合における食品品質保持剤用組成物は、本発明の食品品質保持剤用組成物であってもよいし、公知の食品品質保持剤用組成物であってもよい。
【0025】
<食品品質保持剤用包装体>
前記食品品質保持剤用包装体の材料としては、特に制限はなく、通常の食品品質保持剤の包装体に用いられているものを適宜選択することができ、例えば、プラスチックフィルムや紙、不織布等が挙げられ、それらは単独で使ってもよく、紙と、有孔直鎖状低密度ポリエチレンポリエチレンとがこの順で積層されたフィルム包材など、積層体として使用してもよい。
【0026】
前記食品品質保持剤用包装体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外形30mm〜70mm(縦)×30mm〜70mm(横)の小袋状などが挙げられる。
【0027】
前記食品品質保持剤の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の食品品質保持剤用組成物を前記食品品質保持剤用包装体に充填した後、ヒートシールにより封止する方法、前記食品品質保持剤用インクにより印刷された前記食品品質保持剤用包装体に、本発明の食品品質保持剤又は公知の食品品質保持剤を充填した後、ヒートシールにより封止する方法、本発明の食品品質保持剤又は公知の食品品質保持剤が充填され封止された前記食品品質保持剤用包装体に、前記食品品質保持剤用インクを用いて印刷する方法などが挙げられる。
【0028】
本発明の食品品質保持剤が対象とする食品の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、洋菓子、和菓子、中華菓子、パン、ケーキ、餅、麺類、珍味類、惣菜、乾燥果実等の加工食品、穀物類等の食品などが挙げられる。
【0029】
前記食品品質保持剤の食品包装体中における配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、食品の下、上、側面、集合包装品ではその中に混在させるなどが挙げられる。さらに、前記食品品質保持剤が食品包装体の外側から目視や画像検査機で確認できない状態が挙げられる。
【0030】
前記食品包装体中の前記食品品質保持剤の量としては、特に制限はなく、対象とする食品や食品包装の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、食品包装体の空気量1,000mL当たり、0.1g〜50gとするなどが挙げられる。
【0031】
前記食品包装体の材料、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、食品の種類に応じて適宜選択することができる。
【0032】
(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)
本発明の食品包装体における食品品質保持剤の検出方法は、磁性体を含有する食品品質保持剤が封入された食品包装体における食品品質保持剤の検出方法であって、磁化工程と、食品品質保持剤検出工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0033】
<磁性体を含有する食品品質保持剤>
前記磁性体を含有する食品品質保持剤としては、上記した(食品品質保持剤用組成物)の<磁性体>の項目に記載したものと同様の磁性体を含有する食品品質保持剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した本発明の食品品質保持剤、食品品質保持剤用包装体に磁性体を含有させた食品品質保持剤などが挙げられる。
【0034】
前記食品品質保持剤用包装体に前記磁性体を含有させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記磁性体を粉末化して不織布に散布したのちに他のフィルムと張り合わせたり、フィルム自体に練りこむことによって前記包装体と一体化させる方法などが挙げられる。
前記食品品質保持剤用包装体に前記磁性体を含有させる場合の磁性体の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品品質保持剤1個あたりの磁性体の量として、0.005mg〜5mgが好ましく、0.05mg〜2.5mgがより好ましい。前記含有量が好ましい範囲内であると、食品包装体中の金属異物を検出する工程で前記食品品質保持剤が検出されない点で、有利である。
【0035】
<磁化工程>
前記磁化工程は、前記食品品質保持剤に含有される磁性体を磁化又は磁性体の磁力を強化する工程である。
【0036】
<食品品質保持剤検出工程>
前記食品品質保持剤検出工程は、前記磁化又は磁力が強化された磁性体を検出し、前記食品品質保持剤の有無を検出する工程である。
【0037】
前記磁化工程及び前記食品品質保持剤検出工程は、磁化手段を備えた金属検出器(以下、「食品品質保持剤検出器」と称することがある。)を用いて行うことができる。前記磁化手段を備えた金属検出器は、市販の金属検出器を用いることができ、例えば、アンリツインフィビズ株式会社製の型式:KD8200AWの金属検出器などが挙げられる。
【0038】
前記磁化工程及び前記食品品質保持剤検出工程は、食品包装ラインの食品包装工程の後に前記食品品質保持剤検出器を設置して行うことができ、食品と食品品質保持剤とが同梱され、密封された食品包装体が、前記食品品質保持剤検出器が設置された箇所を搬送される際に、食品品質保持剤を検出することができる。
前記磁化工程及び前記食品品質保持剤検出工程は、後述する金属異物検出工程の前に行うこともできるが、金属異物検出工程の後に行うことが最も好ましい。即ち、食品包装ラインの食品包装工程の後に、金属異物を検出する金属異物検出器と、前記食品品質保持剤検出器とをこの順に設置する態様が好ましい。このようにすることで、金属異物が含まれている食品包装体を除外し、その後、食品包装体における食品品質保持剤の添付漏れの有無を一連の工程でより効率良く確認することができる。
【0039】
前記食品品質保持剤検出器における磁化手段としては、前記食品品質保持剤に含まれる磁性体を磁化又は前記磁性体の磁力を強化できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、永久磁石などが挙げられる。前記永久磁石は、ネオジム磁石、ネオジム磁石でできている複数の磁石要素から構成された磁石などが挙げられる。
前記磁化工程では、前記食品包装体が搬送路によって、前記磁化手段を通過するときに、磁化手段によって、前記食品品質保持剤に含まれる磁性体が磁化され、又は前記磁性体の磁力が強化される。
前記磁化手段は、1つを使用してもよいし、2つ以上を使用してもよい。
前記磁化手段の配置位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、搬送ベルトの上側と下側とに配置するなどが挙げられる。
【0040】
前記食品品質保持剤検出工程では、前記磁化工程で磁化又は磁力が強化された磁性体を検出することで、前記食品品質保持剤の有無を確認することができる。
前記食品品質保持剤検出器の感度としては、特に制限はなく、目的、食品包装体における食品の種類や大きさ、食品品質保持剤の封入状態、検出器を設置する環境に応じて適宜選択することができ、例えば、食品品質保持剤無添付の食品包装体の出力値の5倍以上に設定するなどが挙げられる。
【0041】
前記食品品質保持剤検出器の検出部の寸法、前記食品品質保持剤検出器と前記食品包装体との距離、前記食品包装体の搬送速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0042】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、食品包装体調製工程、金属異物検出工程などが挙げられる。
【0043】
<<食品包装体調製工程>>
前記食品包装体調製工程は、食品と、食品品質保持体とを食品包装に同梱し、密封して食品包装体を調製する工程であり、通常の食品包装体の製造ラインを適宜設計して行うことができる。
【0044】
<<金属異物検出工程>>
前記金属異物検出工程は食品包装体中の金属異物を検出する工程であり、前記磁化工程より前に行われるのが最も好ましいが、前記磁化工程の後に行ってもよい。
前記金属異物とは、食品包装体の製造過程で混入したものであり、例えば、搬送機、洗浄機、撹拌機、切断機、練機、蒸し器等の各種容器、刃物、篩などの一部が、摩耗や金属疲労などにより、むくれ、破断、剥がれ、削れ、欠けなどが生じ、製品に混入したものが挙げられる。
【0045】
前記金属異物検出工程は、食品産業で通常使用されている市販の金属検出器(以下、「金属異物検出器」と称することがある。)を用いて行うことができる。前記金属異物検出器としては、例えば、アンリツインフィビズ株式会社製の型式:KDS3008ABWの金属検出器などが挙げられる。
【0046】
前記金属異物検出工程は、食品包装ラインの食品包装工程の後に前記金属異物検出器を設置して行うことができ、食品と食品品質保持剤とが同梱され、密封された食品包装体が、前記金属異物検出器が設置された箇所を搬送される際に、金属異物を検出することができる。
【0047】
前記金属異物検出器の感度としては、前記食品品質保持剤に含まれる磁性体を検知できるレベルよりも低い(「小さい」と称することもある)ものであれば特に制限はなく、食品産業で通常使用される際の感度を適宜選択することができ、例えば、直径1.2mm以上の鉄球、直径2.0mm以上のアルミ球を検出できるレベル、直径1.5mm以上の鉄球、直径2.5mm以上のアルミ球を検出できるレベル、直径2mm以上の鉄球、直径3mm以上のアルミ球を検出できるレベルとするなどが挙げられる。なお、これらの感度設定では、前記金属異物検出工程において、前記磁性体を含有する食品品質保持剤は検知されない。
【0048】
前記金属異物検出器の検出部の寸法、前記金属異物検出器と前記食品包装体との距離、前記食品包装体の搬送速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0049】
<各工程の順序>
前記食品包装体における食品品質保持剤の検出方法における上記した各工程の順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属異物検出工程と、前記磁化工程と、前記食品品質保持剤検出工程と、をこの順に含んでいることが好ましい。例えば、前記金属異物検出工程(感度レベル小(例えば、上記直径1.2mm以上の鉄球を検出するレベル))と、前記磁化工程と、前記食品品質保持剤検出工程とをこの順に行う態様が、金属異物及び食品品質保持剤の検知を確実に出来るため最も好ましい。
ただし、磁性体の量が微量である場合、前記磁化工程で磁化又は磁力が強化された磁性体は、前記金属異物検出工程でも上記の感度設定で検出されるレベルまで達しない。従って前記金属異物検出工程を前記磁化工程の後に行う順序とすることも可能となる。
例えば、前記磁化工程と、前記食品品質保持剤検出工程(感度レベル大(着磁された微量の磁性体を検出するレベル)と、前記金属異物検出工程(感度レベル小)とをこの順に行う態様も可能であり、この態様では、前記食品品質保持剤検出工程で食品品質保持剤が含まれていないものを排除し、前記金属異物検出工程で金属異物が含まれているものを排除することができる。また、前記磁化工程と、前記金属異物検出工程(感度レベル小)と、前記食品品質保持剤検出工程(感度レベル大)とをこの順に行う態様も可能であり、この態様では、前記金属異物検出工程で金属異物が含まれているものを排除し、前記食品品質保持剤検出工程で食品品質保持剤が含まれていないものを排除することができる。
また、磁力を検知することが出来れば、磁力が大きいものは金属異物が存在する、磁力が小さいものは食品品質保持剤が存在する、磁力が全くないものは食品品質保持剤も金属異物も存在しないと判断することにより、金属異物検出工程と食品品質保持剤検出工程を同時に行うことも可能である。
なお、これらの工程の間や前後に他の工程を含んでいてもよい。
【0050】
(食品包装体の検査方法)
本発明の食品包装体の検査方法は、磁性体を含有する食品品質保持剤が封入された食品包装体の検査方法であって、磁化工程と、食品品質保持剤検出工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0051】
<磁性体を含有する食品品質保持剤>
前記磁性体を含有する食品品質保持剤は、上記した(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)の<磁性体を含有する食品品質保持剤>の項目に記載したものと同様である。
【0052】
<磁化工程>
前記磁化工程は、前記食品品質保持剤に含有される磁性体を磁化又は磁性体の磁力を強化する工程であり、上記した(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)の<磁化工程>と同様にして行うことができる。
【0053】
<食品品質保持剤検出工程>
前記食品品質保持剤検出工程は、前記磁化又は磁力が強化された磁性体を検出し、前記食品品質保持剤の有無を検出する工程であり、上記した(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)の<食品品質保持剤検出工程>と同様にして行うことができる。
【0054】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、食品包装体調製工程、金属異物検出工程などが挙げられる。
【0055】
<<食品包装体調製工程>>
前記食品包装体調製工程は、食品と、食品品質保持体とを食品包装に同梱し、密封する工程であり、上記した(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)の<<食品包装体調製工程>>と同様にして行うことができる。
【0056】
<<金属異物検出工程>>
前記金属異物検出工程は、食品包装体中の金属異物を検出する工程であり、上記した(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)の<<金属異物検出工程>>と同様にして行うことができる。
【0057】
前記食品包装体の検査方法における上記した各工程の順序は、上記した(食品包装体における食品品質保持剤の検出方法)の<各工程の順序>の項目に記載した順序と同様にして行うことができる。
【0058】
本発明の食品品質保持剤用組成物及び食品品質保持剤用インクは、金属異物の検査では検知されない帯磁可能な磁性体を含有するので、これらを含有する食品品質保持剤を食品包装体に同梱し密封した包装状態で、金属異物の検査と食品品質保持剤の添付漏れの検査の両方を一連の工程で行うことができる。
また、本発明の食品包装体における食品品質保持剤の検出方法及び食品包装体の検査方法によれば、金属異物の検査と磁性体を含有する食品品質保持剤の添付漏れの検査の両方を一連の工程で行うことができる。
そのため、本発明によれば、食品包装体における金属異物の検知漏れと食品品質保持剤の添付漏れのリスクを低減することができ、また、これらの検査を効率良く行うことができる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明の製造例及び試験例を説明するが、本発明は、これらの製造例及び試験例に何ら限定されるものではない。
【0060】
(製造例1:食品品質保持剤1の製造)
食品品質保持剤1袋あたりの組成が表1に記載の組成となるように、エタノールと、シリカゲル(アドソリダー、フロイント産業株式会社製)と、磁性体としてマグネタイト(黒酸化鉄、癸巳化成社製)とを混合し、食品品質保持剤用組成物1を調製した。
包装材料として、紙と、有孔直鎖状低密度ポリエチレンポリエチレンとがこの順で積層されたフィルム包材を用い、これに、前記食品品質保持剤用組成物1を充填した後、ヒートシールにより封止して、外形40mm(縦)×40mm(横)の小袋状の食品品質保持剤1を製造した。
【0061】
(製造例2〜4:食品品質保持剤2〜4の製造)
食品品質保持剤用組成物の組成と、小袋状の食品品質保持剤のサイズを表1に記載のように変更した以外は、製造例1と同様にして、食品品質保持剤2〜4を製造した。
【0062】
(製造例5:食品品質保持剤5の製造)
1袋あたりの組成が表1に記載の組成となるように、エタノールと、シリカゲル(アドソリダー、フロイント産業株式会社製)とを混合し、食品品質保持剤用組成物5を調製した。
製造例1と同じフィルム包材に、磁性体としてマグネタイト(黒酸化鉄、癸巳化成社製)を含有する食品品質保持剤包材用インクを、食品品質保持剤1袋あたりのマグネタイトの量が表1に記載の量となるように印刷し、小袋状の食品品質保持剤のサイズを外形45mm(縦)×65mm(横)とした以外は、製造例1と同様にして、食品品質保持剤5を製造した。
【0063】
(製造例6:食品品質保持剤6の製造)
食品品質保持剤用組成物の組成と、食品品質保持剤包材用インクの使用量を表1に記載のように変更した以外は、製造例5と同様にして、食品品質保持剤6を製造した。
【0064】
【表1】
【0065】
(試験例1)
<食品包装体の調製>
試験食品包装体として、以下の食品包装体を調製した。
(1) バウムクーヘン(25g)の下に前記食品品質保持剤1を配置し、これらを食品用包装袋(密封可能な市販の非晶質ナイロンと、ポリエチレンとがこの順で積層されたフィルム包材からなる袋)に封入した食品包装体。
(2) パン(80g)の上に前記食品品質保持剤2を配置し、これらを前記食品用包装袋に封入した食品包装体。
(3) 和菓子詰合せ(集合包装品)(150g)中に前記食品品質保持剤3を混在させ、これらを前記食品用包装袋に封入した食品包装体。
(4) パウンドケーキ(180g)の側面に前記食品品質保持剤4を配置し、これらを前記食品用包装袋に封入した食品包装体。
(5) 前記(1)において、前記食品品質保持剤1を配置しなかった食品包装体。
(6) 前記(1)において、バウムクーヘンの下に、更に直径2mmの鉄球を貼り付けた食品包装体。
(7) 前記(1)において、バウムクーヘンの下に、更に直径3mmのアルミ球を貼り付けた食品包装体。
(8) パン(80g)の上に前記食品品質保持剤5を配置し、これらを前記食品用包装袋に封入した食品包装体。
(9) パン(80g)の上に前記食品品質保持剤6を配置し、これらを前記食品用包袋に封入した食品包装体。
【0066】
<検出試験>
食品包装ラインの食品包装工程の後に、金属異物検出器(アンリツインフィビズ株式会社製、型式:KDS3008ABW:以下、「検出器A」と称することがある。)と、食品品質保持剤検出器(アンリツインフィビズ株式会社製、型式:KD8200AW:以下、「検出器B」と称することがある。)と、をこの順に設置した。前記検出器Bには、着磁用のマグネットが設置されている。なお、各検出器の条件は、下記のとおりとした。
[条件]
・ 検出器A
搬送速度 : 30m/分
検出感度 : 直径1.5mmの鉄球、直径2.5mmのアルミ球が検出可能なレベル
・ 検出器B
搬送速度 : 30m/分
検出感度 : 食品品質保持剤無添付の食品包装体の出力値の5倍以上に設定
【0067】
前記食品包装体(1)〜(9)を用い、表2に記載の各検出器による検出(試験例1−1〜1−10)を行った結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
表2の結果から、試験例1−1〜1−4、1−9、1−10では、検出器Aでは金属異物が混入していないこと、及び検出器Bでは食品品質保持剤が封入されていることが正常に判定できていた。
試験例1−5では、検出器Bにて、食品品質保持剤が封入されていないことを正常に判定し、搬送ラインが正常に自動停止した。
試験例1−6及び1−7では、検出器Aにて、金属異物が食品包装体内に混入していることを正常に判定し、搬送ラインが正常に自動停止した。
試験例1−8は検出器Aを使用せず、検出器Bのみを使用した例であるが、この例では、検出器Bが非磁性体のアルミを検出できないため、金属異物の混入を検出することができなかった。
【0070】
以上の結果から、本発明によれば、食品と、食品品質保持剤とを封入した状態で、食品包装体中の金属異物の有無と、食品品質保持剤の有無とを検査することができ、一連の工程として食品包装体中の金属異物検査と食品品質保持剤の添付漏れ検査の両方が可能であることが確認された。