特開2020-137488(P2020-137488A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-137488(P2020-137488A)
(43)【公開日】2020年9月3日
(54)【発明の名称】魚釣り用の錘
(51)【国際特許分類】
   A01K 95/00 20060101AFI20200807BHJP
【FI】
   A01K95/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-37127(P2019-37127)
(22)【出願日】2019年3月1日
(71)【出願人】
【識別番号】598139184
【氏名又は名称】福山 明彦
(72)【発明者】
【氏名】福山 明彦
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307JA08
2B307JA22
(57)【要約】
【課題】
本発明は、吊り手を有する魚釣り用の錘において、錘側に天秤などの仕掛けを脱着する吊り手の連結部を有し、その連結部での、工学的な遊びが少なくなる連結構造とし、その連結部は、特には投げ釣りのように大きな負荷が連結部に掛かる場合でも吊り手が塑性変形しない魚釣り用の錘を提供することを課題としている。
【解決手段】
本発明は、吊り手を有する魚釣り用の錘において、錘本体と、錘本体に固定された線材による吊り手と、吊り手の仕掛け側との連結部を囲うカバーで構成され、吊り手は仕掛け側との連結部において線材をフック形状にしたものとし、カバーはフック形状にした吊り手の連結部における開口部を閉じるものとしてフック形状に折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとし、このカバーにより吊り手の仕掛けとの連結部を開閉する事により解決している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り手を有する魚釣り用の錘であって、錘本体と、錘本体に固定された線材による吊り手と、吊り手の仕掛け側との連結部を囲うカバーで構成され、前記吊り手は仕掛け側との連結部において線材をフック形状とし環として閉じておらず開口部を有するフックとしており、前記カバーはフック形状にした吊り手の連結部における開口部を閉じるものとして、フック形状に折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとしている。この円筒形状のカバーは吊り手の錘本体側にスライドして移動出来るものとし、錘本体には、このカバーを錘本体にスライドして収納する空洞を有しており、このカバーを吊り手に沿ってスライドさせることにより、前述の連結部における開口部を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有している事を特徴とする魚釣り用の錘。
【請求項2】
吊り手を有する魚釣り用の錘であって、錘本体と、錘本体に固定された線材による吊り手と、吊り手の仕掛け側との連結部を囲うカバーで構成され、前記吊り手は仕掛け側との連結部において線材をフック形状とし環として閉じておらず開口部を有するフックとしており、前記カバーはフック形状にした吊り手の連結部における開口部を閉じるものとしてフック形状に折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとしている。この円筒形状のカバーは軸方向にスリットが形成された断面C形状のカバーとしており、錘本体には、このカバーを錘本体に挿入して嵌合し保持する空洞を有しており、このカバーを脱着することにより、前述の連結部における開口部を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有している事を特徴とする魚釣り用の錘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主には投げ釣りにおいて仕掛けと錘を脱着する機能を錘側に有する魚釣り用の錘に関する。
【背景技術】
【0002】
投げ釣りでは、錘と天秤が脱着可能に連結具で連結しているタイプがあり、錘と天秤を一体としているものに比べると、アタリが良くわかるが、飛距離は比較的短く、針掛かりも比較的悪いと言われていた。
【0003】
前述の錘と天秤を脱着可能に連結しているタイプは、例えばスナップ付きサルカンなどの連結具で連結しており、その連結具の両端部分が滑節点となる2点の可動部があり構造的に大きな工学上の遊びを有するものであった。
【0004】
このように連結具による工学的な遊びが大きい構造であったため、アタリが良くわかる反面、飛行時の安定姿勢に欠け飛距離が短くなる傾向があり、魚の針掛かりも悪くなる傾向があった。
【0005】
錘と天秤を脱着可能に連結している天秤のうち、天秤を構成する線材を曲げて、天秤の線材と一体となった連結部を構成しているものがあり、この場合は天秤の端部1点が滑節点となり、前述の工学上の遊びが少なくなるものであったが、連結部が天秤側にあるため、錘を自由に選んで交換できるものであったが、天秤を自由に選んで取付けることは出来なかった。
【0006】
また、錘と天秤を脱着可能な連結具を使わないで、天秤側の環と、錘側の環を、直接に繋げているものがあり、滑節点が1点となり、工学上の遊び少なくなるものであったが、脱着できないため、自由に錘を交換したり、自由に天秤を交換したりすることが出来ないものであった。
【0007】
また、錘側に連結部があるものとして、スナップサルカン付きの錘があるが、スナップ付きサルカンの両端部分が滑節点となる2点の可動部があり構造的に大きな工学上の遊びを有するものであった。また連結具の環の形状がオーバル形状である場合は、滑節点が1点であっても、その環の長径の範囲で連結部がスライドする連結構造であるため、工学上の遊びは少なくならないものであった。
【0008】
特許物件1に記載されている錘があるが、錘側に連結具を備えているものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2014−147334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、魚釣り用の錘において、錘側に天秤などの仕掛けを脱着する吊り手の連結部を有し、その連結部での、工学的な遊びが少なくなる連結構造とし、その連結部は、特には投げ釣りのように大きな負荷が連結部に掛かる場合でも吊り手が塑性変形しない魚釣り用の錘を提供することを課題としている。具体的には以降の第1から第3の課題を全て解決するものである。
【0011】
第1の課題として、錘と天秤などの仕掛けを脱着する連結部において、その連結部が錘側に有することを第1の課題としている。このように錘側に連結部を有することにより、その錘に取り付ける仕掛けを自由に選ぶことが出来るものであり、脱着するための連結具を持たない天秤などの仕掛けであっても自由に脱着できるものである。
【0012】
第2の課題として、錘側に有する連結部において、その連結部による工学的な遊びが少なくなる連結構造とすることを第2の課題としている。連結部の工学的な遊びが少なくなることで、飛行時の安定による飛距離の向上や、魚の針掛かりが向上することに繋がるものである。
【0013】
第3の課題として、錘側に有する連結部において、特には投げ釣りのように投げる時の高い負荷に対して吊り手が塑性変形しない連結部の構造とすることを第3の課題としている。特には投げ釣りでは錘の慣性力で吊り手には大きな曲げモーメントが掛かり、吊り手となる線材が塑性変形しないように対策が必要であった。吊り手の線材による弾性を利用した開閉構造とした場合では、弾性を得るために線材を太くすることに限界があり、さらに、弾性を得るために連結部の環をオーバル形状にしてしまうと工学上の遊びが発生するため、従来のそのような連結具の構造を流用できないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(第1の発明)
本発明における第1の発明は、上述の課題を解決するために、すなわち、錘側に天秤などの仕掛けを脱着する吊り手の連結部を有し、その連結部での、工学的な遊びが少なくなる連結構造とし、その連結部は、特には投げ釣りのように大きな負荷が連結部に掛かる場合でも吊り手が塑性変形しない魚釣り用の錘を提供するため、以下の手段により解決している。
【0015】
全体構成として、錘本体(2)と、錘本体に固定された線材による吊り手(7)と、吊り手(7)の仕掛け側との連結部を囲うカバーとなる押しバネ(8)で構成され、前記吊り手(7)は仕掛け側との連結部において線材をフック形状とし環として閉じておらず開口部(7b)を有するフック(7a)としており、前記カバーとなる押しバネ(8)はフック形状にした吊り手(7a)の連結部における開口部(7b)を閉じるものとして、フック(7a)のフック形状に折り返されて並ぶ2本の線材を包み込むものとしている。包み込む部位はカバーとなる押しバネ(8)の端部を円筒形状のカバーとして機能させている。この円筒形状のカバーとなる押しバネ(8)は吊り手(7)の錘本体側にスライドして移動出来るものとし、錘本体(2)には、そのカバーを錘本体(2)にスライドして収納する空洞を有しており、このカバーとなる押しバネ(8)を吊り手に沿ってスライドさせ伸縮させることにより、前述の連結部における開口部(7b)を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有することによって解決している。
【0016】
(第2の発明)
本発明における第2の発明は、上述の課題を解決するために、すなわち、錘側に天秤などの仕掛けを脱着する吊り手の連結部を有し、その連結部での、工学的な遊びが少なくなる連結構造とし、その連結部は、特には投げ釣りのように大きな負荷が連結部に掛かる場合でも吊り手が塑性変形しない魚釣り用の錘を提供するため、以下の手段により解決している。
【0017】
全体構成として、錘本体(2)と、錘本体(2)に固定された線材による吊り手(7)と、吊り手(7)の仕掛け側との連結部を囲うカバーとなるスプリングピン(9)で構成され、前記吊り手(7)は仕掛け側との連結部において線材をフック形状とし環として閉じておらず開口部(7b)を有するフック(7a)としており、前記カバーとなるスプリングピン(9)は、フック形状にした吊り手(7a)の連結部における開口部(7b)を閉じるものとしてフック形状に折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとしている。この円筒形状のカバーとなるスプリングピン(9)は軸方向にスリットが形成された断面C形状のカバーとしており、このスリットにより魚釣り用の仕掛けをフック(7a)に掛けたまま、フック(7a)を包み込んで開口部(7b)を閉じることが可能としている。錘本体(2)には、そのカバーとなるスプリングピン(9)を錘本体(2)に挿入して嵌合し保持する空洞を有しており、このカバーとなるスプリングピン(9)を脱着することにより、前述の連結部における開口部(7b)を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有することによって解決している。
【0018】
(第1の課題に対する効果)
第1の発明と第2の発明に共通して、錘と天秤などの仕掛けを脱着する連結部において、その連結部が錘側に有することにより、その錘に取り付ける仕掛けを自由に選べるものとしている。このことにより第1の課題を解決できるものとしている。
【0019】
(第2の課題に対する効果)
第1の発明と第2の発明に共通して、錘側に有する脱着可能な連結部において、連結具の両端部2カ所が滑節点となることなく、錘側の吊り手を構成する線材を直接使って脱着可能な連結機能を持たせることで、天秤側の環と、錘側の環を、滑節点が1点となる構成とし、さらには連結部の環の形状はオーバル形状のように連結部がスライドして工学的な遊びが大きくならないものとしている。これにより第2の課題を解決できるものとしている。
【0020】
(第3の課題に対する効果)
第1の発明では、吊り手(7)の線材を太くして剛性を得たとしても、連結部を開閉する機能は吊り手(7)の線材とは別途部材としてカバーとなる押しバネ(8)によりフック(7a)の開口部(7b)を開閉できるものとしている。これにより第3の課題を解決できるものとしている。
【0021】
第2の発明では、単体では剛性が不足する吊り手(7)の線材であっても、フック(7a)はカバーとなるスプリングピン(9)で囲まれて保持され、カバーとなるスプリングピン(9)は錘本体(2)に挿入され嵌合され保持されており、吊り手(7)やフック(7a)の線材が降伏点を超えて曲がってしまうことがないものとしている。これにより第3の課題を解決できるものとしている。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、主には投げ釣りにおいて、錘と天秤を脱着可能に連結している場合において、連結部による滑節点が1点のみとなる連結機能を錘側に有し、その連結部における工学的な遊びを最小限にした魚釣り用の錘を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の発明の、第1の実施形態を示す断面の概略斜視図である。(キャップを有するタイプ)
図2】第1の発明の、第2の実施形態を示す断面の概略斜視図である。(キャップを有しないタイプ)
図3】第2の発明の、第1の実施形態を示す断面の概略斜視図である。(キャップを有するタイプ)
図4】第2の発明の、第2の実施形態を示す断面の概略斜視図である。(キャップを有しないタイプ)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の発明の第1の実施形態)
第1の発明の第1の実施形態として、図1に断面の概略斜視図を示している。
【0026】
図1において、本発明の魚釣り用の錘(1A)は、第1の発明において、錘本体(2)が、錘体(3)とキャップ(4)から構成される場合の形態であり、錘本体にキャップを有するタイプである。
【0027】
この実施形態では、錘体(3)は鉛とし、錘体(3)に係合してキャップ(4)が固定され、この二つの部材で錘本体(2)を構成している。吊り手(7)は金属製の線材とし、錘体(3)の鉛を鋳込む時点で挿入され吊り手固定部(7c)で抜け止めされ固定されている。吊り手(7)の仕掛け側との連結部は、吊り手(7)の線材端部をフック形状にしたフック(7a)としている。このフック(7a)の環は閉じておらず開口部(7b)を有するものである。この開口部(7b)から仕掛け側の環を通して仕掛けと係合させることが出来るものとしている。フック(7a)の開口部(7b)を開閉するものとして、フック(7a)の折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとなる押しバネ(8)を使用している。カバーとなる押しバネ(8)は吊り手(7)を挿入した状態で錘本体(2)を構成するキャップ(4)に収納されており、この押しバネを伸縮させることにより、フック(7a)の開口部(7b)を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有するものとしている。
【0028】
この実施形態では、円筒形状のカバーとなる押しバネ(8)を使用しており、この押しバネには二つの役目を持たせている。一つは開口部(7b)を開閉するための円筒形状のカバーとして、二つ目はその円筒形状のカバーを開口部(7b)が閉じる方向に押さえつける機能があり、その二つの機能を一体として兼用している形態である。この機能は分割した部材で構成しても良く、例えば、円筒形状のカバーとなるパイプと、そのパイプを開口部(7b)が閉じる方向に押さえつける押しバネの二つの部材として構成しても良い。また、円筒形状のカバーとなるパイプのみでフック(7a)に嵌め合わせて係合させても良い。
【0029】
また、この実施形態では、錘体(3)は鉛とした場合で構成しているが、錘体(3)はタングステンなどの他の金属でも良い。その場合は、吊り手(7)の固定は異なる手段となりうるが、ここでは発明に関連しないため省略している。
【0030】
釣り人の操作としては、キャップ(4)から露出している押しバネを指の爪で押し下げて縮めると、フック(7a)の開口部(7b)が開き、天秤などの仕掛けをフック(7a)に掛ける事が出来る。その状態で押しバネから指の爪を外すと、カバーとなる押しバネ(8)が伸びて、再び、フック(7a)の開口部(7b)が閉じられるものである。
【0031】
このように、連結機能が錘側に有し、天秤などの仕掛けを自由に選べるものとなっている。その連結機能の大部分は、錘本体(2)のキャップ(4)に収納されており、吊り手(7)が投げ釣りの大きな負荷でも曲がりにくい構造としている。また、吊り手(7)の線材を剛性確保のために太くしたとしても、開口部(7b)の開閉機能は、フック(7a)とは別途の部材として、カバーとなる押しバネ(8)で開閉可能としている。魚釣り用の錘と仕掛けの連結部の滑節点は1点のみとなっており、さらにフック(7a)とカバーとなる押しバネ(8)によって閉じられた連結部の環の形状は、オーバル形状のように連結部がスライドすることなく、工学上の遊びが少なくなる環の形状となっている。この工学上の遊びが少ない事により飛距離の向上や、魚の針掛かりが良くなる効果が得られるものである。
【0032】
(第1の発明の第2の実施形態)
第1の発明の第2の実施形態として、図2に断面の概略斜視図を示している。
【0033】
図2において、本発明の魚釣り用の錘(1B)は、第1の発明において、錘本体(2)が、錘体(3)と円筒ケース(5)と円筒ケースストッパー(6)から構成される場合の形態であり、錘本体にキャップを有しないタイプである。
【0034】
この実施形態では、錘体(3)は鉛とし、円筒ケース(5)は円筒形状の金属製とし、円筒ケースストッパー(6)は木製としており、この三つの部材で錘本体(2)を構成している。円筒ケース(5)と円筒ケースストッパー(6)は錘体(3)の鉛を鋳込む時点で挿入され固定されている。吊り手(7)は金属製の線材とし、これについても錘体(3)の鉛を鋳込む時点で挿入され吊り手固定部(7c)で抜け止めされ固定されている。吊り手(7)の仕掛け側との連結部は、吊り手(7)の線材端部をフック形状にしたフック(7a)としている。このフック(7a)の環は閉じておらず開口部(7b)を有するものである。この開口部(7b)から仕掛け側の環を通して仕掛けと係合させることが出来るものとしている。フック(7a)の開口部(7b)を開閉するものとして、フック(7a)の折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとなる押しバネ(8)を使っている。カバーとなる押しバネ(8)は吊り手(7)を挿入した状態で錘本体(2)を構成する円筒ケース(5)に収納されており、この押しバネを伸縮させることにより、フック(7a)の開口部(7b)を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有するものとしている。
【0035】
この実施形態では、円筒形状のカバーとなる押しバネ(8)を使用しており、この押しバネには二つの役目を持たせている。一つは開口部(7b)を開閉するための円筒形状のカバーとして、二つ目はその円筒形状のカバーを開口部(7b)が閉じる方向に押さえつける機能があり、その二つの機能を一体として兼用している形態である。この機能は分割した部材で構成しても良く、例えば、円筒形状のカバーとなるパイプと、そのパイプを開口部(7b)が閉じる方向に押さえつける押しバネの二つの部材として構成しても良い。また、円筒形状のカバーとなるパイプのみでフック(7a)に嵌め合わせて係合させても良い。
【0036】
また、この実施形態では、錘体(3)は鉛とした場合で構成しているが、錘体(3)はタングステンなどの他の金属でも良い。その場合は、吊り手(7)や円筒ケース(5)の固定は異なる手段となりうるが、ここでは発明に関連しないため省略している。
【0037】
釣り人の操作としては、円筒ケース(5)から露出している押しバネを指の爪で押し下げて縮めると、フック(7a)の開口部(7b)が開き、天秤などの仕掛けをフック(7a)に掛ける事が出来る。その状態で押しバネから指の爪を外すと、カバーとなる押しバネ(8)が伸びて、再び、フック(7a)の開口部(7b)が閉じられるものである。
【0038】
このように、連結機能が錘側に有し、天秤などの仕掛けを自由に選べるものとなっている。その連結機能の大部分は、錘本体(2)の円筒ケース(5)に収納されており、吊り手(7)が投げ釣りの大きな負荷でも曲がりにくい構造としている。また、吊り手(7)の線材を剛性確保のために太くしたとしても、開口部(7b)の開閉機能は、フック(7a)とは別途の部材として、カバーとなる押しバネ(8)で開閉可能としている。魚釣り用の錘と仕掛けの連結部の滑節点は1点のみとなっており、さらにフック(7a)と押しバネのカバー(8)によって閉じられた連結部の環の形状は、オーバル形状のように連結部がスライドすることなく、工学上の遊びが少なくなる環の形状となっている。この工学上の遊びが少ない事により飛距離の向上や、魚の針掛かりが良くなる効果が得られるものである。
【0039】
(第2の発明の第1の実施形態)
第2の発明の第1の実施形態として、図3に断面の概略斜視図を示している。
【0040】
図3において、本発明の魚釣り用の錘(1C)は、第2の発明において、錘本体(2)が、錘体(3)とキャップ(4)から構成される場合の形態であり、錘本体にキャップを有するタイプである。
【0041】
この実施形態では、錘体(3)は鉛とし、錘体(3)に係合してキャップ(4)が固定され、この二つの部材で錘本体(2)を構成している。吊り手(7)は金属製の線材とし、錘体(3)の鉛を鋳込む時点で挿入され吊り手固定部(7c)で抜け止めされ固定されている。吊り手(7)の仕掛け側との連結部は、吊り手(7)の線材端部をフック形状にしたフック(7a)としている。このフック(7a)の環は閉じておらず開口部(7b)を有するものである。この開口部(7b)から仕掛け側の環を通して仕掛けと係合させることが出来るものとしている。フック(7a)の開口部(7b)を開閉するものとして、フック(7a)の折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとなるスプリングピン(9)を使っている。カバーとなるスプリングピン(9)は、別途、錘本体(2)に脱着する部品としており、その円筒形状のカバーとなるスプリングピン(9)は軸方向にスリットが形成された断面C形状のカバーとしている。このスリットにより魚釣り用の仕掛けをフック(7a)に掛けた状態で、フック(7a)を包み込みながら、そのまま錘本体(2)のキャップ(4)の空洞部に挿入して嵌合し保持して装着できるものである。このカバーとなるスプリングピン(9)を脱着することにより、フック(7a)の開口部(7b)を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有するものとしている。
【0042】
また、この実施形態では、錘体(3)は鉛とした場合で構成しているが、錘体(3)はタングステンなどの他の金属でも良い。その場合は、吊り手(7)の固定は異なる手段となりうるが、ここでは発明に関連しないため省略している。
【0043】
釣り人の操作としては、カバーとなるスプリングピン(9)を錘本体(2)から取り外すと、フック(7a)の開口部(7b)が開いているので、天秤などの仕掛けをフック(7a)に掛ける事が出来る。その状態でカバーとなるスプリングピン(9)のスリットから天秤などの仕掛けを入れ込み、そのまま錘本体(2)の方向にカバーとなるスプリングピン(9)をスライドさせ、フック(7a)を囲いながら、錘本体(2)のキャップ(4)に挿入し嵌合することで開口部(7b)が閉じられるものである。
【0044】
このように、連結機能が錘側に有し、天秤などの仕掛けを自由に選べるものとなっている。その連結機能の部位は、錘本体(2)に嵌合されて保持されているカバーとなるスプリングピン(9)に収納されており、吊り手(7)が投げ釣りの大きな負荷でも曲がりにくい構造としている。魚釣り用の錘と仕掛けの連結部の滑節点は1点のみとなっており、さらにフック(7a)とカバーとなるスプリングピン(9)によって閉じられた連結部の環となる形状は、オーバル形状のように連結部がスライドすることなく、工学上の遊びが少なくなる環の形状となっている。この工学上の遊びが少ない事により飛距離の向上や、魚の針掛かりが良くなる効果が得られるものである。
【0045】
(第2の発明の第2の実施形態)
第2の発明の第2の実施形態として、図4に断面の概略斜視図を示している。
【0046】
図4において、本発明の魚釣り用の錘(1D)は、第2の発明において、錘本体(2)が、錘体(3)と円筒ケース(5)と円筒ケースストッパー(6)から構成される場合の形態であり、錘本体にキャップを有しないタイプである。
【0047】
この実施形態では、錘体(3)は鉛とし、円筒ケース(5)は円筒形状の金属製とし、円筒ケースストッパー(6)は木製としており、この三つの部材で錘本体(2)を構成している。円筒ケース(5)と円筒ケースストッパー(6)は錘体(3)の鉛を鋳込む時点で挿入され固定されている。吊り手(7)は金属製の線材とし、これについても錘体(3)の鉛を鋳込む時点で挿入され吊り手固定部(7c)で抜け止めされ固定されている。吊り手(7)の仕掛け側との連結部は、吊り手(7)の線材端部をフック形状にしたフック(7a)としている。このフック(7a)の環は閉じておらず開口部(7b)を有するものである。この開口部(7b)から仕掛け側の環を通して仕掛けと係合させることが出来るものとしている。フック(7a)の開口部(7b)を開閉するものとして、フック(7a)の折り返されて並ぶ2本の線材を包み込む円筒形状のカバーとなるスプリングピン(9)を使っている。カバーとなるスプリングピン(9)は、別途、錘本体(2)に脱着する部品としており、その円筒形状のカバーとなるスプリングピン(9)は軸方向にスリットが形成された断面C形状のカバーとしている。このスリットにより魚釣り用の仕掛けをフック(7a)に掛けた状態で、フック(7a)を包み込みながら、そのまま錘本体(2)の円筒ケース(5)に挿入して嵌合し保持して装着できるものである。このカバーとなるスプリングピン(9)を脱着することにより、フック(7a)の開口部(7b)を閉じたり開けたりする事で、錘側に魚釣り用の仕掛けを脱着する機能を有するものとしている。
【0048】
また、この実施形態では、錘体(3)は鉛とした場合で構成しているが、錘体(3)はタングステンなどの他の金属でも良い。その場合は、吊り手(7)や円筒ケース(5)の固定は異なる手段となりうるが、ここでは発明に関連しないため省略している。
【0049】
釣り人の操作としては、カバーとなるスプリングピン(9)を錘本体(2)から取り外すと、フック(7a)の開口部(7b)が開いているので、天秤などの仕掛けをフック(7a)に掛ける事が出来る。その状態でカバーとなるスプリングピン(9)のスリットから天秤などの仕掛けを入れ込み、そのまま錘本体(2)の方向にカバーとなるスプリングピン(9)をスライドさせ、フック(7a)を囲いながら、錘本体(2)の円筒ケース(5)に挿入し嵌合することで開口部(7b)が閉じられるものである。
【0050】
このように、連結機能が錘側に有し、天秤などの仕掛けを自由に選べるものとなっている。その連結機能の部分は、錘本体(2)に嵌合されて保持されているカバーとなるスプリングピン(9)に収納されており、吊り手(7)が投げ釣りの大きな負荷でも曲がりにくい構造としている。魚釣り用の錘と仕掛けの連結部の滑節点は1点のみとなっており、さらにフック(7a)とカバーとなるスプリングピン(9)によって閉じられた連結部の環となる形状は、オーバル形状のように連結部がスライドすることなく、工学上の遊びが少なくなる環の形状となっている。この工学上の遊びが少ない事により飛距離の向上や、魚の針掛かりが良くなる効果が得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、主には投げ釣りにおいて、アタリが明確で、飛距離があり、魚の針掛かりが良い錘として活用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 魚釣り用の錘
2 錘本体
3 錘体
4 キャップ
5 円筒ケース
6 円筒ケースストッパー
7 吊り手
7a フック
7b 開口部
7c 吊り手固定部
8 カバーとなる押しバネ
9 カバーとなるスプリングピン
1A 第1の発明の魚釣り用の錘(第1の実施形態)
1B 第1の発明の魚釣り用の錘(第2の実施形態)
1C 第2の発明の魚釣り用の錘(第1の実施形態)
1D 第2の発明の魚釣り用の錘(第2の実施形態)
図1
図2
図3
図4