【解決手段】基体に、複数の第1開口が設けられた第1選択成長膜を形成する工程と、前記第1選択成長膜をマスクとして前記基体に第1半導体層をエピタキシャル成長させ、前記第1開口および前記第1選択成長膜上に前記第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層上に発光層をエピタキシャル成長させる工程と、前記発光層上に前記第1半導体層とは導電型の異なる第2半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、を含み、前記第1選択成長膜を形成する工程では、複数の前記第1開口を、前記発光層が発する光の波長よりも小さいピッチで周期的に形成する、発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0022】
1. 第1実施形態
1.1. 発光装置
まず、第1実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
【0023】
発光装置100は、
図1に示すように、基体10と、バッファー層12と、選択成長膜20と、第1半導体層30と、発光層40と、電子ブロック層50と、第2半導体層60と、第1電極70と、第2電極72と、を有している。
【0024】
基体10は、例えば、板状の形状を有している。基体10は、例えば、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、サファイア基板などである。
【0025】
バッファー層12は、基体10上に設けられている。バッファー層12は、半導体からなる層であり、例えば、Siがドープされたn型のGaN層などである。
【0026】
なお、「上」とは、第1半導体層30と発光層40との積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、発光層40からみて基体10から遠ざかる方向のことであり、「下」とは、積層方向において、発光層40からみて基体10に近づく方向のことである。
【0027】
選択成長膜20は、バッファー層12上に設けられている。選択成長膜20は、バッファー層12を介して基体10に設けられている。選択成長膜20は、基体10と第1半導
体層30との間に設けられている。選択成長膜20は、第1半導体層30をエピタキシャル成長させる際に、マスクとして用いられる。選択成長膜20は、例えば、チタン層、酸化チタン層、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層などである。選択成長膜20の屈折率は、第1半導体層30の屈折率と異なる。
【0028】
選択成長膜20には、複数の開口22が設けられている。開口22の平面形状は、例えば、円である。開口22の径は、例えば、nmオーダーであり、例えば、10nm以上500nm以下である。
【0029】
複数の開口22は、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチP1で周期的に設けられている。ピッチP1は、周期的に配置された開口22において、隣り合う開口22の中心間の距離である。例えば、発光層40が発する光の波長をλとし、第1半導体層30の屈折率をnとした場合、ピッチP1はλ/2nである。
【0030】
隣り合う開口22の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。複数の開口22は、例えば、三角格子状、四角格子状などに配置されている。
【0031】
第1半導体層30は、開口22および選択成長膜20上に設けられている。すなわち、第1半導体層30は、バッファー層12と発光層40との間、および選択成長膜20と発光層40との間に設けられている。開口22は、第1半導体層30を貫通する貫通孔である。第1半導体層30は、平坦な膜状に形成されている。第1半導体層30は、選択成長膜20をマスクとして、バッファー層12上でエピタキシャル成長させることによって形成される。
【0032】
第1半導体層30は、例えば、窒化ガリウムを含むn型の半導体層である。第1半導体層30は、例えば、シリコンがドープされたn型のGaN層である。
【0033】
第1半導体層30が開口22および選択成長膜20上に設けられていることによって、第1半導体層30は、屈折率が開口22と同様のピッチおよび周期で変化するナノ構造体を構成する。したがって、第1半導体層30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0034】
図2は、発光装置100における光強度分布を説明するための図である。
図2に示すように、発光装置100では、光強度Iは、屈折率が最も高い発光層40をピークとして分布する。光は、第1半導体層30においても十分な強度があるため、第1半導体層30においてフォトニック結晶の効果が得られる。
【0035】
発光層40は、
図1に示すように、第1半導体層30上に設けられている。発光層40は、第1半導体層30と第2半導体層60との間に設けられている。発光層40は、平坦な膜状である。発光層40は、不純物がドープされていないi型の半導体層である。発光層40は、例えば、GaN層とInGaN層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸構造(multi quantum well、MQW)を有している。
【0036】
電子ブロック層50は、発光層40上に設けられている。電子ブロック層50は、発光層40と第2半導体層60との間に設けられている。電子ブロック層50は、例えば、p型のAlGaN層である。電子ブロック層50は、発光層40から電子が漏れることを防ぐための層である。
【0037】
第2半導体層60は、電子ブロック層50上に設けられている。第2半導体層60は、電子ブロック層50を介して発光層40上に設けられている。第2半導体層60は、平坦
な膜状である。第2半導体層60は、第1半導体層30と導電型の異なる層である。第2半導体層60は、例えば、窒化ガリウムを含むp型の半導体層である。第2半導体層60は、例えば、マグネシウム(Mg)がドープされたp型のGaN層である。第1半導体層30および第2半導体層60は、発光層40に光を閉じ込める機能を有するクラッド層である。
【0038】
発光装置100では、第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60は、結晶格子が連続している。すなわち、第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60は、エピタキシャル成長により形成されている。第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60には、結晶格子が連続しない不整合な界面が極めて少ない。
【0039】
なお、「結晶格子が連続している」という文言を、第1層と第2層の結晶格子が連続しているなどと用いる場合に、第1層と第2層とが接しており、第1層の結晶格子と第2層の結晶格子とが連続している場合と、第1層と第2層との間に第3層があり、第1層の結晶格子と第3層の結晶格子とが連続し、第3層の結晶格子と第2層の結晶格子とが連続している場合と、が含まれるものとして用いている。
【0040】
第1電極70は、第1半導体層30上に設けられている。第1半導体層30は、第1電極70とオーミックコンタクトしていてもよい。第1電極70は、第1半導体層30と電気的に接続されている。第1電極70は、発光層40に電流を注入するための一方の電極である。第1電極70としては、例えば、第1半導体層30側から、Ti層、Al層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。なお、基体10が導電性の場合には、図示はしないが、第1電極70は、基体10の下に設けられていてもよい。
【0041】
第2電極72は、第2半導体層60上に設けられている。第2半導体層60は、第2電極72とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極72は、第2半導体層60と電気的に接続されている。第2電極72は、発光層40に電流を注入するための他方の電極である。第2電極72としては、例えば、ITO(indium tin oxide)などを用いる。
【0042】
発光装置100では、p型の第2半導体層60、発光層40、およびn型の第1半導体層30により、pinダイオードが構成される。発光装置100では、第1電極70と第2電極72との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層40に電流が注入されて電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層40において発生した光は、第1半導体層30および第2半導体層60により積層方向と直交する方向に伝搬し、第1半導体層30によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、発光層40において利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および−1次回折光をレーザー光として、積層方向に出射する。
【0043】
1.2. 発光装置の製造方法
次に、発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
発光装置100の製造方法は、基体10に複数の開口22が設けられた選択成長膜20を形成する工程と、選択成長膜20をマスクとして基体10に第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、開口22および第1選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する工程と、第1半導体層30上に発光層40をエピタキシャル成長させる工程と、発光層40上に第1半導体層30とは導電型の異なる第2半導体層60をエピタキシャル成長させる工程と、を含み、第1選択成長膜20を形成する工程では、複数の開口22を、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチで周期的に形成する。
【0045】
なお、「上」という文言を、「部材A」上に「部材B」を形成するなどと用いる場合に、部材A上に、直接、部材Bを形成する場合と、部材A上に、他の部材を介して、部材Bを形成する場合と、を含むものとして用いている。また、「上」という文言を、「部材C」上に「部材D」をエピタキシャル成長させるなどと用いる場合に、部材C上に、直接、部材Dをエピタキシャル成長させる場合と、部材C上に、他の部材Eを介して、部材Dをエピタキシャル成長させる場合と、を含むものとして用いている。なお、部材C上に部材Eを介して部材Dをエピタキシャル成長させるとは、部材C上に部材Eをエピタキシャル成長させ、部材E上に部材Dをエピタキシャル成長させることをいう。
【0046】
図3は、発光装置100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4および
図5は、発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0047】
図4に示すように、基体10に、バッファー層12をエピタキシャル成長させる(S100)。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0048】
次に、バッファー層12上に複数の開口22が設けられた選択成長膜20を形成する(S102)。複数の開口22は、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチP1で周期的に形成される。選択成長膜20は、例えば、電子ビーム蒸着法やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによる成膜、ならびにフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によるパターニングによって形成される。
【0049】
図5に示すように、選択成長膜20をマスクとして、バッファー層12上に第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、開口22および選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する(S104)。本工程では、第1半導体層30が開口22において選択的に成長せずに、第1半導体層30が平坦な膜状に形成されるような条件でエピタキシャル成長させる。第1半導体層30をエピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法が挙げられる。
【0050】
次に、第1半導体層30上に発光層40をエピタキシャル成長させ(S106)、発光層40上に電子ブロック層50をエピタキシャル成長させる(S108)。発光層40および電子ブロック層50をエピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法が挙げられる。
【0051】
次に、電子ブロック層50上に第2半導体層60をエピタキシャル成長させる(S110)。第2半導体層60をエピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法が挙げられる。
【0052】
このように、第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60は、エピタキシャル成長により形成される。そのため、第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60は、結晶格子が連続している。
【0053】
図1に示すように、第1半導体層30上に第1電極70を形成し、第2半導体層60上に第2電極72を形成する(S112)。第1電極70および第2電極72は、例えば、真空蒸着法などにより形成される。なお、第1電極70および第2電極72の形成順序は、特に限定されない。
【0054】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0055】
1.3. 特徴
発光装置100の製造方法は、例えば、以下の特徴を有する。
【0056】
発光装置100の製造方法は、選択成長膜20をマスクとして第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、開口22および選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する工程を含む。そのため、高い結晶品質の発光層40を得ることができる。以下、この理由について説明する。
【0057】
図6は、発光装置100における貫通転位欠陥Dを説明するための図である。なお、
図6では、便宜上、基体10、バッファー層12、選択成長膜20、第1半導体層30、および発光層40のみを図示している。
【0058】
シリコン基板やサファイア基板などの基体10に、GaN層をエピタキシャル成長させてバッファー層12を形成すると、基体10の格子定数とバッファー層12の格子定数との差により、基体10とバッファー層12の界面を起点として貫通転位欠陥Dが発生する。貫通転位欠陥Dが発光層40に到達すると、結晶品質が低下し、発光効率が低下する。
【0059】
選択成長膜20をマスクとして第1半導体層30をエピタキシャル成長させる場合、第1半導体層30には、基体10の上面に対して傾斜したファセット面が形成される。ファセット面が形成されると、貫通転位欠陥Dは、ファセット面に沿って曲がる。これにより、貫通転位欠陥Dは、発光層40に到達しない。この結果、発光層40の結晶品質が向上する。言い換えると、
図6に示すように、選択成長膜20をマスクとして第1半導体層30をエピタキシャル成長させると、ファセット面に沿って貫通転位欠陥Dが曲がるため、第1半導体層30の上部では、第1半導体層30の下部に比べて、相対的に貫通転位欠陥Dが少なくなる。したがって、発光層40の結晶品質が向上する。
【0060】
発光装置100の製造方法では、発光層40が平坦な膜状に形成される。すなわち、発光層40は、柱状部、すなわちナノコラムを構成しない。例えば、発光層40が柱状部を構成する場合、発光層40をエピタキシャル成長させる際に、歪み応力などの影響により、発光層40の形状の制御が難しい。特に、発光層40が多重量子井戸構造を有する場合、発光層40の形状の制御は難しい。これに対して、発光装置100の製造方法では、発光層40が平坦な膜状に形成されるため、歪み応力の影響が小さく、発光層40の形状の制御が容易である。また、発光層40が膜状に形成されている場合、発光層40が柱状部を構成している場合と比べて、発光層40に効率よく光を閉じ込めることができる。
【0061】
発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0062】
発光装置100では、上述したように、高い結晶品質の発光層40が得られるため、発光効率を向上できる。
【0063】
発光装置100では、第1半導体層30、発光層40、および第2半導体層60は、結晶格子が連続している。すなわち、第1半導体層30、発光層40、および第2半導体層60は、エピタキシャル成長により形成されている。したがって、発光装置100では、第1半導体層30が選択成長膜20をマスクとしてエピタキシャル成長により形成され、第1半導体層30上に発光層40がエピタキシャル成長により形成されているため、上述したように、高い結晶品質の発光層40が得られる。
【0064】
発光装置100では、選択成長膜20の屈折率は、第1半導体層30の屈折率と異なり、複数の開口22は、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチで周期的に設けられている。また、第1半導体層30は、開口22および選択成長膜20と発光層40との
間に設けられている。そのため、第1半導体層30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0065】
2. 第2実施形態
2.1. 発光装置
次に、第2実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第2実施形態に係る発光装置200を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る発光装置200において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0066】
上述した発光装置100では、
図1に示すように、第2半導体層60は、平坦な膜状であった。これに対して、発光装置200では、
図7に示すように、第2半導体層60は、複数の柱状部2を有している。
【0067】
発光装置200は、複数の開口22(以下「第1開口22」ともいう)が設けられた選択成長膜20(以下「第1選択成長膜20」ともいう)と、複数の第2開口82が設けられた第2選択成長膜80と、を有している。第1選択成長膜20は、第1半導体層30を形成する工程においてマスクとして機能する層であり、第2選択成長膜80は、第2半導体層60を形成する工程においてマスクとして機能する層である。
【0068】
第2選択成長膜80は、発光層40上に、電子ブロック層50を介して設けられている。第2選択成長膜80は、発光層40と絶縁層90との間に設けられている。第2選択成長膜80は、第2半導体層60をエピタキシャル成長させる際に、マスクとして用いられる。第2選択成長膜80は、例えば、チタン層、酸化チタン層、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層などである。第2選択成長膜80には、複数の第2開口82が設けられている。第2開口82の平面形状は、例えば、円である。第2開口82は、第2選択成長膜80を貫通する貫通孔である。
【0069】
柱状部2は、柱状の構造体である。柱状部2の平面形状は、例えば、多角形、円などである。柱状部2の径は、例えば、nmオーダーであり、例えば、10nm以上500nm以下である。柱状部2の積層方向の大きさは、例えば、0.1μm以上5μm以下である。
【0070】
本発明において、「径」とは、柱状部2の積層方向から見た平面形状が円の場合は、直径であり、柱状部2の平面形状が円ではない形状の場合は、最小包含円の直径である。例えば、柱状部2の平面形状が多角形の場合は、該多角形を内部に含む最小の円であり、柱状部2の平面形状が楕円の場合は、該楕円を内部に含む最小の円である。また、「平面形状」とは、積層方向からみた形状のことである。
【0071】
柱状部2は、複数設けられている。柱状部2は、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチP2で周期的に設けられている。ピッチP2は、周期的に配置された複数の柱状部2において、隣り合う柱状部2の中心間の距離である。例えば、発光層40が発する光の波長をλとし、第2半導体層60の屈折率をnとした場合、ピッチP2はλ/2nである。
【0072】
隣り合う柱状部2の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。複数の柱状部2は、積層方向からみて、例えば、三角格子状、四角格子状、などに配置されている。複数の柱状部2は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0073】
図8は、発光装置200における光強度分布を説明するための図である。
図8に示すよ
うに、発光装置200では、光強度Iは、屈折率が最も高い発光層40をピークとして分布する。光は、第1半導体層30および第2半導体層60においても十分な強度があるため、第1半導体層30および第2半導体層60にナノ構造体を形成することによって、フォトニック結晶の効果が得られる。
【0074】
積層方向から見た平面視において、選択成長膜20の第1開口22と柱状部2とは重なっている。なお、第1開口22と柱状部2とが重なっているとは、第1開口22の一部と柱状部2の一部とが重なっている場合や、第1開口22の全部と柱状部2の一部が重なっている場合、第1開口22の一部と柱状部2の全部が重なっている場合を含む。積層方向から見た平面視において、複数の第1開口22の配置と、複数の柱状部2の配置とは、同じである。
図7に示す例では、第1開口22のピッチP1と柱状部2のピッチP2とは、同じである。選択成長膜20の第1開口22と柱状部2とは重なっていることによって、第1半導体層30および第2半導体層60の両方において、同様のフォトニック結晶の効果を得ることができる。したがって、発光装置200では、フォトニック結晶の効果を高めることができる。
【0075】
図9は、発光装置200における光の伝搬方向における光強度分布を説明するための図である。なお、光の伝搬方向は、積層方向と直交する方向である。
図9には、第1半導体層30における光の強度I30、および第2半導体層60における光の強度I60を図示している。
【0076】
発光装置200では、第1半導体層30および第2半導体層60においてフォトニック結晶の効果を得ることができる。そのため、
図9に示すように、積層方向と直交する方向における第1半導体層30の光の強度の分布と、積層方向と直交する方向における第2半導体層60の光の強度の分布とを、一致させることができる。これにより、共振効果を高めることができる。
【0077】
図7に示すように、隣り合う柱状部2の間には、絶縁層90が設けられている。図示の例では、絶縁層90は、第2選択成長膜80上に設けられている。絶縁層90の屈折率は、例えば、第2半導体層60の屈折率よりも低い。絶縁層90は、例えば、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、酸化チタン層などである。絶縁層90は、例えば、不純物がドープされていないGaN層などであってもよい。なお、絶縁層90は、空気層であってもよい。
【0078】
発光装置200では、p型の第2半導体層60、発光層40、およびn型の第1半導体層30により、pinダイオードが構成される。発光装置200では、第1電極70と第2電極72との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層40に電流が注入されて電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層40において発生した光は、第1半導体層30および第2半導体層60により積層方向と直交する方向に伝搬し、第1半導体層30によるフォトニック結晶の効果および第2半導体層60によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、発光層40において利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および−1次回折光をレーザー光として、積層方向に出射する。
【0079】
発光装置200では、ピッチP1は、ピッチP2と同じであるが、これに限らず、ピッチP1とピッチP2が異なっていてもよい。例えば、ピッチP1より、ピッチP2のほうが小さくてもよい。例えば、ピッチP1がピッチP2の整数倍であってもよい。また、ピッチP1より、ピッチP2のほうが大きくてもよい。例えば、ピッチP2がピッチP1の整数倍であってもよい。また、第1開口22の幅は、第2開口82の幅と異なっていてもよい。
【0080】
ピッチP1とピッチP2が異なっている場合、あるいは、第1開口22の幅と第2開口82の幅が異なっている場合、第1半導体層30によるフォトニック結晶の効果および第2半導体層60によるフォトニック結晶の効果により、多モード発振するため、スペックルを低減できるという効果がある。
【0081】
2.2. 発光装置の製造方法
次に、発光装置200の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0082】
発光装置200の製造方法は、基体10に複数の第1開口22が設けられた第1選択成長膜20を形成する工程と、第1選択成長膜20をマスクとして基体10に第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、第1開口22および第1選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する工程と、第1半導体層30上に発光層40をエピタキシャル成長させる工程と、発光層40上に複数の第2開口82が設けられた第2選択成長膜80を形成する工程と、第2選択成長膜80をマスクとして発光層40上に第2半導体層60をエピタキシャル成長させ、複数の柱状部2を構成する第2半導体層60を形成する工程と、を含み、第1選択成長膜20を形成する工程では、複数の第1開口22を、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチで周期的に形成し、第2選択成長膜80を形成する工程では、複数の第2開口82を、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチで周期的に形成する。
【0083】
このように、発光装置200の製造方法は、第2半導体層60を形成する工程の前に、発光層40上に第2選択成長膜80を形成する点、第2半導体層60を形成する工程において、第2選択成長膜80をマスクとして第2半導体層60をエピタキシャル成長させて、複数の柱状部2を構成する第2半導体層60を形成する点で、発光装置100の製造方法と異なる。
【0084】
図10は、発光装置200の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図11および
図12は、発光装置200の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0085】
図11に示すように、基体10に、バッファー層12をエピタキシャル成長させる(S200)。バッファー層12を形成する工程S200は、
図3に示す工程S100と同様に行われる。
【0086】
次に、バッファー層12上に複数の第1開口22が設けられた第1選択成長膜20を形成する(S202)。第1選択成長膜20を形成する工程は、
図3に示す工程S102と同様に行われる。
【0087】
次に、第1選択成長膜20をマスクとして、バッファー層12上に第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、第1開口22および第1選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する(S204)。第1半導体層30を形成する工程S204は、
図3に示す工程S104と同様に行われる。
【0088】
次に、第1半導体層30上に発光層40をエピタキシャル成長させ(S206)、発光層40上に電子ブロック層50をエピタキシャル成長させる(S208)。発光層40を形成する工程S206は、
図3に示す工程S106と同様に行われ、電子ブロック層50を形成する工程S208は、
図3に示す工程S108と同様に行われる。
【0089】
次に、電子ブロック層50上に複数の第2開口82が設けられた第2選択成長膜80を形成する(S210)。複数の第2開口82は、発光層40が発する光の波長よりも小さ
いピッチP2で周期的に形成される。
【0090】
このとき、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2開口82とは重なるように形成される。すなわち、積層方向から見た平面視において、複数の第1開口22の配置と、複数の第2開口82の配置とは、同じに形成される。第2開口82のピッチP2は、第1開口22のピッチP1と同じ大きさである。
【0091】
第2選択成長膜80は、例えば、電子ビーム蒸着法やプラズマCVD法などによる成膜、ならびにフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によるパターニングによって形成される。
【0092】
図12に示すように、第2選択成長膜80をマスクとして電子ブロック層50上に第2半導体層60をエピタキシャル成長させ、複数の柱状部2を構成する第2半導体層60を形成する(S212)。本工程では、第2半導体層60が第2開口82において選択的に成長する。第2開口82はピッチP2で周期的に設けられているため、複数の柱状部2は、ピッチP2で周期的に形成される。
【0093】
このとき、積層方向から見た平面視において、第1開口22と柱状部2とは重なるように形成される。すなわち、積層方向から見た平面視において、複数の第1開口22の配置と、複数の柱状部2の配置とは、同じに形成される。柱状部2のピッチP2は、第1開口22のピッチP1と同じ大きさである。
【0094】
第2半導体層60をエピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法が挙げられる。本工程では、第2半導体層60が第2開口82において選択的にエピタキシャル成長するように、ガリウムと窒素の供給量や成長温度、ガスの圧力などの条件を制御する。これにより、第2半導体層60が柱状に形成され、複数の柱状部2を構成する第2半導体層60を形成することができる。以上の工程により、複数の柱状部2を形成することができる。
【0095】
第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60は、エピタキシャル成長により形成される。そのため、第1半導体層30、発光層40、電子ブロック層50、および第2半導体層60は、結晶格子が連続している。
【0096】
図7に示すように、隣り合う柱状部2の間に、絶縁層90を形成する(S214)。絶縁層90は、例えば、MOCVD法、スピンコート法などによって形成される。
【0097】
次に、第1半導体層30上に第1電極70を形成し、第2半導体層60上に第2電極72を形成する(S216)。第1電極70および第2電極72は、例えば、真空蒸着法などにより形成される。なお、第1電極70および第2電極72の形成順序は、特に限定されない。
【0098】
以上の工程により、発光装置200を製造することができる。
【0099】
2.3. 特徴
発光装置200の製造方法は、例えば、以下の特徴を有する。
【0100】
発光装置200の製造方法は、第1選択成長膜20をマスクとして第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、第1開口22および第1選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する工程を含む。そのため、発光装置200の製造方法では、発光装置100の製造方法と同様に、高い結晶品質の発光層40を得ることができる。
【0101】
発光装置200の製造方法は、発光層40上に複数の第2開口82が設けられた第2選択成長膜80を形成する工程を含み、第2半導体層60を形成する工程では、第2選択成長膜80をマスクとして第2半導体層60をエピタキシャル成長させ、複数の柱状部2を構成する第2半導体層60を形成する。そのため、発光装置200の製造方法では、第2半導体層60において、フォトニック結晶の効果を得ることができる。
【0102】
発光装置200の製造方法では、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2開口82とは重なっている。そのため、積層方向から見た平面視において、第1開口22と柱状部2とは重なる。これにより、第1半導体層30および第2半導体層60の両方において、同様のフォトニック結晶の効果を得ることができる。したがって、フォトニック結晶の効果を高めることができる。
【0103】
発光装置200は、例えば、以下の特徴を有する。
【0104】
発光装置200では、上述したように、高い結晶品質の発光層40が得られるため、発光効率を向上できる。
【0105】
発光装置200では、第2半導体層60は、発光層40が発する光の波長よりも小さいピッチで周期的に設けられた複数の柱状部2を有している。そのため、発光装置200では、第2半導体層60において、フォトニック結晶の効果を得ることができる。
【0106】
発光装置200では、積層方向から見た平面視において、第1選択成長膜20の第1開口22と柱状部2とは重なっている。そのため、発光装置200では、第1半導体層30および第2半導体層60の両方において、同様のフォトニック結晶の効果を得ることができる。したがって、フォトニック結晶の効果を高めることができる。
【0107】
3. 第3実施形態
3.1. 発光装置
次に、第3実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図13は、第3実施形態に係る発光装置300を模式的に示す断面図である。以下、第3実施形態に係る発光装置300において、上述した第1実施形態に係る発光装置100、および第2実施形態に係る発光装置200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0108】
上述した発光装置200では、
図7に示すように、積層方向から見た平面視において、第1開口22と柱状部2とは重なっていた。これに対して、発光装置300では、
図13に示すように、積層方向から見た平面視において、第1開口22と柱状部2とは重なっていない。
【0109】
図13に示す例では、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2選択成長膜80とが重なっている。また、積層方向から見た平面視において、第1選択成長膜20と柱状部2とが重なっている。
【0110】
発光装置300では、複数の柱状部2を構成する第2半導体層60により、フォトニック結晶の効果が得られる。例えば、発光装置300では、第2半導体層60で発現するフォトニック結晶の効果により定在波を形成する。
【0111】
3.2. 発光装置の製造方法
次に、発光装置300の製造方法について説明する。発光装置300の製造方法は、第
2選択成長膜80を形成する工程において、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2開口82とが重ならないように形成される点を除いて、上述した発光装置200の製造方法と同じである。第1開口22と第2開口82とが重ならないように形成されることによって、第1開口22と柱状部2とが重ならない。
【0112】
図13に示す例では、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2選択成長膜80とが重なり、第1選択成長膜20と柱状部2とが重なるように、第1選択成長膜20に第1開口22が形成され、第2選択成長膜80に第2開口82が形成される。
【0113】
3.3. 特徴
発光装置300の製造方法は、例えば、以下の特徴を有する。
【0114】
発光装置300の製造方法は、第1選択成長膜20をマスクとして第1半導体層30をエピタキシャル成長させ、第1開口22および第1選択成長膜20上に第1半導体層30を形成する工程を含む。そのため、発光装置300の製造方法では、発光装置100の製造方法と同様に、高い結晶品質の発光層40を得ることができる。
【0115】
発光装置300の製造方法では、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2開口82とが重ならない。そのため、例えば、第1開口22と柱状部2とが重なっている場合と比べて、高い結晶品質の柱状部2を得ることができる。以下、その理由について説明する。
【0116】
図14は、発光装置300における貫通転位欠陥Dを説明するための図である。
図15は、参考例として、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2開口82とが重なっている状態における貫通転位欠陥Dを説明するための図である。
【0117】
シリコン基板やサファイア基板などの基体10に、GaN層をエピタキシャル成長させてバッファー層12を形成すると、基体10の格子定数とバッファー層12の格子定数との差により、基体10とバッファー層12の界面を起点として貫通転位欠陥Dが発生する。貫通転位欠陥Dが発光層40に到達すると、結晶品質が低下し、発光効率が低下する。
【0118】
図14および
図15に示すように、積層方向に延びる貫通転位欠陥Dは、第1開口22を通過して発光層40に到達する場合がある。
図15に示すように、積層方向から見た平面視において、第1開口22と第2開口82とが重なっている場合、積層方向に延びる貫通転位欠陥Dは、発光層40を通過して柱状部2に到達してしまう。
【0119】
これに対して、
図14に示すように、積層方向からの平面視において、第1選択成長膜20の第1開口22と第2選択成長膜80の第2開口82とが重なっていない場合、積層方向に延びる貫通転位欠陥Dは、柱状部2に到達しない。このように、第1選択成長膜20の第1開口22と第2選択成長膜80の第2開口82とが重なっていないことにより、柱状部2に貫通転位欠陥Dが導入される可能性を低減できる。したがって、第1開口22と第2開口82とが重なっている場合と比べて、高い結晶品質の柱状部2を得ることができる。
【0120】
発光装置300は、例えば、以下の特徴を有する。
【0121】
発光装置300では、上述したように、高い結晶品質の発光層40が得られるため、発光効率を向上できる。
【0122】
発光装置300では、積層方向から見た平面視において、第1開口22と柱状部2とが
重なっていない。そのため、例えば、第1開口22と柱状部2とが重なっている場合と比べて、高い結晶品質の柱状部2を得ることができる。
【0123】
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。
図16は、第4実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す図である。
【0124】
本発明に係るプロジェクターは、本発明に係る発光装置を有している。以下では、本発明に係る発光装置として発光装置100を有するプロジェクター900について説明する。
【0125】
プロジェクター900は、図示しない筐体と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bの各々は、例えば、複数の発光装置100を積層方向と直交する方向にアレイ状に配置させ、複数の発光装置100において基体10を共通基板としたものである。赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bの各々を構成する発光装置100の数は、特に限定されない。なお、便宜上、
図16では、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bを簡略化している。
【0126】
プロジェクター900は、さらに、筐体内に備えられている、第1レンズアレイ902Rと、第2レンズアレイ902Gと、第3レンズアレイ902Bと、第1光変調装置904Rと、第2光変調装置904Gと、第3光変調装置904Bと、投射装置908と、を有している。第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bは、例えば、透過型の液晶ライトバルブである。投射装置908は、例えば、投射レンズである。
【0127】
赤色光源100Rから出射された光は、第1レンズアレイ902Rに入射する。赤色光源100Rから出射された光は、第1レンズアレイ902Rによって、集光され、例えば重畳されることができる。
【0128】
第1レンズアレイ902Rによって集光された光は、第1光変調装置904Rに入射する。第1光変調装置904Rは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第1光変調装置904Rによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0129】
緑色光源100Gから出射された光は、第2レンズアレイ902Gに入射する。緑色光源100Gから出射された光は、第2レンズアレイ902Gによって、集光され、例えば重畳されることができる。
【0130】
第2レンズアレイ902Gによって集光された光は、第2光変調装置904Gに入射する。第2光変調装置904Gは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第2光変調装置904Gによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0131】
青色光源100Bから出射された光は、第3レンズアレイ902Bに入射する。青色光源100Bから出射された光は、第3レンズアレイ902Bによって、集光され、例えば重畳されることができる。
【0132】
第3レンズアレイ902Bによって集光された光は、第3光変調装置904Bに入射す
る。第3光変調装置904Bは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第3光変調装置904Bによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0133】
また、プロジェクター900は、第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bから出射された光を合成して投射装置908に導くクロスダイクロイックプリズム906を有することができる。
【0134】
第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム906に入射する。クロスダイクロイックプリズム906は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射装置908によりスクリーン910上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0135】
なお、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bは、発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御することで、第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射装置908は、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン910に投射してもよい。
【0136】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro Mirror Device)が挙げられる。また、投射装置の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0137】
また、光源を、光源からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置の光源装置にも適用することが可能である。
【0138】
本発明に係る発光装置の用途は、上述した実施形態に限定されず、プロジェクター以外にも用いることが可能である。プロジェクター以外の用途には、例えば、屋内外の照明、ディスプレイのバックライト、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源がある。
【0139】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0140】
例えば、上述した第1実施形態に係る発光装置100では、InGaN系の発光層40について説明したが、発光層40としては、射出される光の波長に応じて、電流が注入されることで発光可能なあらゆる材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。第2実施形態に係る発光装置200、および第3実施形態に係る発光装置300についても同様であり、発光層40として、射出される光の波長に応じて、電流が注入されることで発光可能なあらゆる材料系を用いることができる。
【0141】
また、例えば、上述した第2実施形態に係る発光装置200では、電子ブロック層50上に第2選択成長膜80を形成したが、例えば、電子ブロック層50上に平坦な膜状の第2半導体層60を形成し、膜状の第2半導体層60上に第2選択成長膜80を形成してもよい。この場合、第2半導体層60は、膜状の部分と、複数の柱状部2を構成する部分と、を有する。
【0142】
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態を組み合わせたりしてもよい。
【0143】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。