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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-141861(P2020-141861A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200814BHJP
【FI】
   A63F7/02 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-40595(P2019-40595)
(22)【出願日】2019年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 靖範
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 暁美
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】適切な状態信号が出力されない特定状態に対応した遊技情報を適切に管理可能な遊技場用システムを提供する。
【解決手段】特定状態信号により特定される特定状態期間の終了後、遅延条件が終了するまで特定状態への遊技情報の対応付け期間を遅延するため、適切な状態信号が出力されない特定状態に対応した遊技情報を適切に管理可能となる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞した場合に単位遊技を行い、当該単位遊技の結果に応じて通常状態よりも有利な状態である特定状態を発生可能であると共に、当該特定状態の発生期間を示す状態信号であって、当該示される発生期間の終了時点が実際の発生期間の終了時点よりも以前となる場合のある特定状態信号、及び単位遊技が終了したことを示す単位遊技信号を出力可能である遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
前記特定状態信号に基づき前記特定状態に遊技情報を対応付けるための対応付け期間を特定する期間特定手段と、
前記単位遊技信号により単位遊技が終了したことを特定する遊技情報特定手段と、
遊技機側から出力される遊技信号であって、前記対応付け期間に対応する期間において出力された遊技信号により特定可能な遊技情報を前記特定期間に対応した遊技情報として対応付ける遊技情報対応付け手段と、
前記特定状態信号により示される前記終了時点後、次の単位遊技が終了するまで前記対応付け期間を遅延する遅延処理を行う遅延手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
始動入賞した場合に単位遊技を行い、当該単位遊技の結果に応じて通常状態よりも有利な状態である特別状態と、当該特別状態とは異なるが通常状態よりも有利な状態である特定状態とを発生可能であると共に、前記特別状態の発生期間を示す状態信号である特別状態信号、及び前記特定状態の発生期間を示す状態信号であって、当該示される発生期間の終了時点が実際の発生期間の終了時点よりも以前となる場合のある特定状態信号を出力可能である遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
前記特別状態信号により示される前記特別状態の発生期間の終了時点を特定可能である一方、前記特定状態信号に基づき前記特定状態に遊技情報を対応付けるための対応付け期間を特定する期間特定手段と、
遊技機側から出力される遊技信号であって、前記対応付け期間に対応する期間において出力された遊技信号により特定可能な遊技情報を前記特定期間に対応した遊技情報として対応付ける遊技情報対応付け手段と、
前記特定状態信号により示される前記終了時点後、前記特別状態の発生期間の終了時点まで前記対応付け期間を遅延する遅延処理を行う遅延手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項3】
始動入賞した場合に単位遊技を行い、当該単位遊技の結果に応じて通常状態よりも有利な状態である特別状態と、当該特別状態とは異なるが通常状態よりも有利な状態である特定状態とを発生可能であると共に、前記特別状態の発生期間を示す状態信号である特別状態信号、前記特定状態の発生期間を示す状態信号であって、当該示される発生期間の終了時点が実際の発生期間の終了時点よりも以前となる場合のある特定状態信号、及び単位遊技が終了したことを示す単位遊技信号を出力可能である遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
前記特別状態信号により示される前記特別状態の発生期間の終了時点を特定可能である一方、前記特定状態信号に基づき前記特定状態に遊技情報を対応付けるための対応付け期間を特定する期間特定手段と、
前記単位遊技信号により単位遊技が終了したことを特定する遊技情報特定手段と、
遊技機側から出力される遊技信号であって、前記対応付け期間に対応する期間において出力された遊技信号により特定可能な遊技情報を前記特定期間に対応した遊技情報として対応付ける遊技情報対応付け手段と、
前記特定状態信号により示される前記終了時点後、次の単位遊技が終了するまで前記対応付け期間を遅延する遅延処理である第1遅延処理、及び前記特定状態信号により示される前記終了時点後、前記特別状態の発生期間の終了時点まで前記対応付け期間を遅延する遅延処理である第2遅延処理を行う遅延手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項4】
前記特別状態信号は前記特別状態が終了する前記単位遊技の終了時点に対応した時点を前記特別状態の発生期間の終了時点として示す一方、前記特定状態信号は前記特定状態が終了する前記単位遊技の開始時点に対応した時点を前記特定状態の発生期間の終了時点として示すことを特徴とする請求項2または3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記遅延処理を行うか否かを、機種単位で設定可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場用システムではパチンコ遊技機のような遊技機の状態確認を行うため、出玉率のような遊技情報を遊技状態に対応付けて管理しており、例えば特許文献1では「ベース」として通常状態、及び甘モード等により区分して出玉率を管理し、遊技機の状態確認のための指標として提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−168657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、遊技情報を区分して管理する場合、各状態に対応した状態期間を示す信号が出力されることが望ましいが、遊技機の中には対応する特定状態が終了する図柄変動の開始時点で、その特定状態が終了したと判定する遊技機もあり、その判定に基づくと、図柄変動開始時点で状態期間が終了したことを示す状態信号が出力され、例えば特定状態の最終図柄変動にて発生した大当りを当該特定状態に対応付けられなくなるといったように適切に遊技情報を区分できなくなる虞があり、状態期間を調整するように状態信号を出力調整する必要がある。
【0005】
しかしながら、そのような出力調整を行わない遊技機や、複数種類ある状態信号の内、いずれかは出力調整するが、他は出力調整しないような遊技機が出回ることも想定され、この場合、状態信号が示す状態期間に基づき遊技情報を区分すると、実際の遊技者の感覚とは異なる区分にて遊技情報が区分される虞がある。
本案は上記事情に鑑み、適切な状態信号が出力されない特定状態に対応した遊技情報を適切に管理可能な遊技場用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、特定状態信号により特定される特定状態期間の終了後、遅延条件が終了するまで特定状態への遊技情報の対応付け期間を遅延するため、適切な状態信号が出力されない特定状態に対応した遊技情報を適切に管理可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図
図2】遊技機の正面図
図3】モード別スペック値を示す図
図4】各状態においていずれの状態信号がONとなるかを示す図
図5】素データを示す図(その1)
図6】素データを示す図(その2)
図7】遊技集計情報を示す図(その1)
図8】遊技集計情報を示す図(その2)
図9】状態延長を示す図(その1)
図10】状態延長を示す図(その2)
図11】管理装置による状態特定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3が設置されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、中継装置4及びLAN5を介して管理装置6(期間特定手段、遊技情報特定手段、遊技情報対応付け手段、遅延手段)と接続され、各種情報の送受信を行っている。遊技場にはPOSや残金精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残金精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0009】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8及びプリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力し、遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。また、管理装置6は遊技機側から出力される遊技情報を受信し、受信した遊技情報を管理者向けに表示、印字出力する一方、情報表示装置3は遊技者向けに遊技情報を表示出力する。
【0010】
図2は遊技機1の正面を示している。遊技機1はCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11及び下部受皿12を有する。上部受皿11には、貸出釦13、返却釦14及び残高表示部15が並設されている。盤面9には、普図表示部16、普図保留表示部17、特図表示部18、普図入賞口19、第1一般入賞口20、第2一般入賞口21、第1保留数表示部22、第2保留数表示部23、第1始動口24、第2始動口25及び大入賞口26を有する。
【0011】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口24は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)、第2始動口25は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、各始動口24,25への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部18にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0012】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0013】
(3)遊技機設定値(モード)が6段階で設けられており、このモードにより、図3のモード別スペック値に示す通り大当り抽選の当選確率(大当り確率、大当り条件)を通常遊技状態(以下、通常状態)と確変状態(特別状態、以下、確変)とを対象として調整可能。大当りがその後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば64%で全モード共通)が定められている。通常状態と確変の大当り確率もモードにより不変としても良く、通常状態と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率や小当り確率(小当り条件)等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
【0014】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口26を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口24に入賞した場合は2Rが10%、4Rが51%、8Rが39%であるが、第2始動口25の場合は4Rが10%、8Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口24よりも第2始動口25の方が高く設定される。
【0015】
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口25の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うか大当りが発生するまで継続する所謂ST機であり、大当りが発生しない場合は、その後は時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば150回)の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続する。また、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合も上記同様に時短となり、いずれも時短回数分の図柄変動を行った場合は通常状態に戻る。
【0016】
(6)確変となる場合、大当り抽選同様の小当り抽選の当選確率(小当り確率)が向上する小当りRUSH状態(以下、RUSH)となるが、このRUSHは以下のパターンに継続する図柄変動回数が振分けられる。
・30回転まで(50%)
・50回転まで(30%)
・ST終了まで(15%)
・時短終了まで(5%)。
この回数分の図柄変動後はRUSHではない確変状態や時短状態等の状態となる。
【0017】
(7)RUSHは確変同様に大当り発生等により終了するが、RUSH以外では1/300の小当り確率が、RUSHでは3/5となる。小当りが発生した場合は大入賞口が開放するが大当りと比較して、上限入賞数が1個、上限開放期間が1秒等、開放条件が遊技者に不利となっている。しかしながら、RUSHでは小当り確率が向上するため小当りが頻出し、RUSHではない高確率状態(単独確変(以下、単高と言う場合がある)や時短(単独時短))よりも出率が高まる。
【0018】
(8)第2始動口25は普図入賞口19への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり、時短では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒となる。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口25の入賞率が高くなる。
【0019】
(9)各始動口24,25や大入賞口26以外に第1一般入賞口20、第2一般入賞口21も設けられている。第1一般入賞口20は甘中や大当り中に盤面9の右側を狙って打つ、所謂右打ちを行った場合に入賞可能な位置に設けられており、第1一般入賞口20に入賞(一般入賞)した場合には10個の賞球はあるが、図柄変動等は行われない。以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種BであればRUSHの発生条件が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0020】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口24,25への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
【0021】
・アウト信号=消費玉を回収するアウトB0Xから出力される消費価値(アウト、遊技情報)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0022】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ、遊技情報)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。また、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0023】
・スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する特図表示部18(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数、単位遊技数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定する。
【0024】
・S入賞信号=遊技機1から出力されるS入賞(始動入賞、単位遊技)を特定可能な信号。始動入賞時に出力されるので信号入力に応じて始動入賞を特定する。尚、スタートとS入賞とのいずれか一方のみを管理する等、兼用して管理対象としても良い。
・状態信号=遊技機1から出力される大当り信号、特別状態信号、高確信号、及びRUSH信号に区分され、各状態に対応した期間にてレベル出力される。
【0025】
図1に戻って、遊技装置2は所謂各台計数機能を有する貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯27、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口28、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って残高や図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部29、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための払出釦30、払出された玉が通過する払出ノズル31、カード(一般カードや会員カード)が挿入されるカード挿入口32及び遊技機1の下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿33等を有する。
【0026】
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13が押下されると(貸出操作、対価付与操作)、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払出し(貸出処理、対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0027】
(2)そして、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13を押下(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位分の貸出玉が遊技機1から払出され、その対価分を残高から引落とす。また、所謂各台計数機能も備えており、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払戻すことも可能で、その払戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定可能である。
【0028】
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下(発行操作を受付)すると残玉や持玉を特定可能な一般カードが発行される。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが、可能としても良い。
【0029】
(4)遊技装置2は中継装置4とのシリアル通信(売上信号の受信)により貨幣受付処理や対価付与処理、残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び一般カードの受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば、入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。尚、貸出処理上の通信については中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信を行っても良い。
【0030】
情報表示装置3は、中継装置4を介して遊技機1側から出力される遊技信号を入力することで各遊技状態の遊技情報を管理して表示する。遊技機1は図2にて説明する様に回数切りの確変である所謂STの様な特別状態時に、小当りが頻出する状態であるRUSHと、RUSH以外の通常の特別状態である高確や時短のいずれかに推移すると共に複数段階のモードにより大当り確率等を調整可能な遊技機1が例示でき、その遊技情報を図5図8に示すように管理対象とする。
【0031】
遊技機1からは図4に示すように各遊技状態を特定可能な複数種類の状態信号が出力されるが、図4に示す通りONとなる期間が各状態と1:1で対応していないため、図4に示す優先順に応じて状態特定する(図11参照)。
【0032】
図4は各状態(遊技状態)において、いずれの状態信号がONとなる(出力される)かを示した図である。例えば大当りであれば大当り信号と特別状態信号が、RUSHでは特別状態信号、高確信号、RUSH信号がONとなる。
【0033】
また、図4では管理装置6側にて状態特定する際の状態別の優先順位を示している。即ち、大当り信号がONであれば他の状態信号がONでも大当りを、大当りが特定できない場合にRUSH信号がONであればRUSHを、というように優先順位の高い順に状態特定する。
【0034】
なお、実施形態において、特定状態信号は単高とRUSHとが対応する特定状態が終了する図柄変動開始時に出力終了するような出力調整が行われていない状態信号である一方、特別状態信号は出力調整が行われ、対応する図柄変動終了後に出力終了するような状態信号であることを想定している。
【0035】
このように複数ある状態信号の内、いずれかの状態信号は出力調整されるが、他は出力調整されない事情としては、複数ある全ての状態信号の出力調整を遊技機1のスペック的に行うことが難しく、特別状態信号については通常状態と区分するため最低限対応しなければいけないため特別に対応しているといった事情があるが、このような出力調整を一切行わない遊技機が出回ることも想定できる。
【0036】
図4において、特別状態信号は対応する状態が終了する図柄変動の終了まで出力される一方、RUSH信号や高確信号のような特定状態信号は対応する状態が終了する図柄変動の開始時点で出力が終了されるため、管理装置6は、特定状態信号の出力終了時点後、スタート信号の入力、または、特別状態信号の入力終了のいずれかとなるまで対応する状態を遅延(遅延処理)して特定し、その際に発生した遊技情報を対応する状態に対応付けて管理する。
【0037】
このスタート信号の入力、及び、特別状態信号の入力の終了は、特定状態の発生期間の終了時点を示す状態信号となる。また、特定状態信号は、発生期間の終了時点が実際の発生期間の終了時点よりも以前となる場合のある状態信号であり、スタート信号は、単位遊技が終了したことを示す単位遊技信号である。また、特定状態信号の入力の終了は特定状態の発生期間の終了時点を示す。
【0038】
図5の各項目は次のように定義されている。
・遊技機ID=遊技機1の識別情報、所謂台番なので、以下台番とする場合がある。
・モード=遊技機1に設定された遊技機設定値(別途操作入力等により特定)。
・アウト=アウト信号により特定される遊技機1にて消費された遊技価値。
・セーフ=セーフ信号により特定される遊技機1への入賞に応じて付与された遊技価値。
・全体、通常=全体は全ての状態が対象、通常は通常状態が対象。
・T1、特T1=T1は全ての大当りが対象、特T1は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば800〜1500)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りが対象。
・甘中〜RUSH=甘中(第2特別情報)は、以下の高確と時短との双方が対象、高確(第2特別情報)は高確率状態(単独確変や小当りRUSHを含む)が対象、時短(単独特定情報)は時短状態が対象、RUSH(第1特別情報)は小当りRUSHとなる高確率状態が対象である。
【0039】
図5では高確にRUSH分を含めて管理しているが、単独高確期間には対応しないがRUSH期間には対応するRUSHと単独高確に対応する単高とを管理する場合に、単高にRUSH分を含めず、単独高確期間には対応するがRUSH期間には対応しない単高(第2特別情報)を管理対象としても良い。
【0040】
図6の各項目は次のように定義されている。
・スタート=スタート信号により特定される遊技機1における役物の作動回数。
・S入賞=S入賞信号により特定される始動入賞回数。
・大当り数=大当り信号により特定される大当り数。
・突入数=各状態に突入した回数で、各状態に突入した際に計数される。
・売上玉=売上信号により特定される対応する貸出機にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)。
【0041】
尚、本実施形態では説明の都合上、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。
また、図1に示す払出ノズル31の再プレイ用とは遊技者が当該営業日に獲得した獲得玉を払戻す再プレイを指し、この再プレイ玉は売上玉に含める必要はない。
【0042】
管理装置6は、図5図6の素データを演算することで特定可能な集計情報を管理する。図7図8は、管理装置6が管理する機種Aの遊技集計情報であり、図5図6の素データを演算することで特定可能な集計情報である。図7図8に示す様に、出率や平均S、或いはTSのように各状態により区分して遊技情報を集計可能で、例えばTSでは各状態における区分だけでなく通常と時短とを統合した初当りも管理対象に含めている。
【0043】
図7図8において、各項目は次のように定義されている。
尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均で、図6の「合計」の対応値である。
・出率(付与率、付与情報)=状態別の出率であって、各状態におけるセーフ÷アウトであり、「通常」はベース、「甘中」はBAとも言う。除RUSHと比較してRUSHの出率が高いことから、BAは両者を混合したデータとなっていることが把握できる。
・除RUSH=甘中の内、RUSHを除いた状態、即ち、RUSHでない高確と時短とが対象。
尚、図5図6同様に、高確と時短とを区分して出率や平均S等を管理しても良い。
・平均S(単位遊技情報)=状態別のアウトに対する図柄変動数の頻度の割合(スタート÷アウト)。
・平均S入賞(単位遊技情報)=始動入賞数の頻度の割合。
【0044】
尚、以下では通常中の平均SをS、平均S入賞をS1、甘中の平均SをSA、平均S入賞をS1Aとも言う。除RUSHとRUSHとを比較した場合、平均S入賞は大差ないが平均Sは若干異なる。これは、RUSHは除RUSHと比較してリーチを少なくすることで遊技性を高めているため平均図柄変動時間が短くなる傾向に基づくものである。
・T1Y=平均大当り中出玉数で、(T1セーフ−T1アウト)÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報。
・T10=平均大当り中アウトで、T1アウト÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報。
尚、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数。また、以下も含め、説明の都合上、T1におけるセーフをT1セーフとするように状態+項目名にて遊技情報を表す。
・特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yで、特T1Y=(特T1セーフ−特T1アウト)÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報。
・特T10=特定大当りを対象としたT10で、特T1アウト÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報。
【0045】
・T2Y=RUSHを対象とした平均出玉数で、(RUSHセーフ−RUSHアウト)÷RUSH突入数の演算値を示す遊技情報。RUSHは大当りが発生した際に終了するため、RUSHにおける大当り確率の低い、即ち、モードが低い遊技機の方がT2Yが大きくなる傾向があり、遊技者に提示すれば設定推測の一助となる。
・TS(TS情報)=状態別の1回の大当りに対する平均スタートで、スタート÷大当り数の演算値を示す遊技情報。
【0046】
・初当り=TSにおける状態別の内、通常と時短が対象となる期間(初当り期間)。つまり、初当りが遊技機1における通常の大当り確率(初当り情報)、単独確変とRUSHとが対象となる期間である高確(特別期間)が確変の大当り確率(特別情報)といったようにそれぞれ対象となる全ての状態に対応するため、遊技者に提示することでモード推測の一助になる。
【0047】
尚、TSは逆数として大当り確率を示す情報としても良い。また、以下では初当りTSをTS、高確TSをTSAとも言う。
・大当り発生率=状態別の突入数に対する大当りの発生頻度の割合で、大当り数÷状態突入数の演算値を示す遊技情報。
・Bサ(付与情報)=通常時の差玉数で、通常アウト−通常セーフの演算値を示す遊技情報。
・客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉の演算値を示す遊技情報。
・粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額−獲得玉×貸単価×原価率の演算値を示す遊技情報。
【0048】
尚、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ−アウト、売上額=売上玉×貸単価、貸単価=4円、原価率=90%にて演算。
・玉単価=アウト1当りの売上額で、売上額÷アウトの演算値を示す遊技情報。
・玉粗利=アウト1当りの粗利で、粗利÷アウトの演算値を示す遊技情報。
・営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉の演算値を示す遊技情報。
管理装置6は、モード別に遊技情報を区分して管理しており、この場合もTSやTSA等、状態別に遊技情報を区分して集計している。
【0049】
図9および図10は、スタート信号、特別状態信号、高確信号、およびRUSH信号と、状態延長(遅延処理)との関係を示すタイミングチャートである。
ここで、遅延処置を行うか否かを示す設定値は機種単位での設定を可能としており、設定値が「有」の場合、遊技機1において、下記(1)、(2)のいずれかの条件を満たすまで高確(RUSH)の状態を延長させる。すなわち、機種単位での設定により、遅延処理を行うか否かを機種単位で設定可能とする。
【0050】
(1)特別状態信号が切れるまで状態延長される場合(図9参照)
特別状態信号と高確(RUSH)信号とが同時に出力している状態で高確(RUSH)信号のみが出力終了した場合、管理装置6は、特別状態信号が出力終了するまで高確(RUSH)状態を延長させ、データも高確(RUSH)中のデータとして対応付ける。
【0051】
(2)次のスタート信号を検知するまで状態延長される場合(図10参照)
特別状態信号と高確(RUSH)信号とが同時に出力している状態で高確(RUSH)信号のみが出力終了した場合、管理装置6は、次のスタート信号を検知するまで高確(RUSH)状態を延長させ、データも高確(RUSH)中のデータとして対応付ける。
上記の通りとなるので、状態延長中に特定された大当りは勿論だが、当該検知されたスタートだけでなく、アウト、セーフについても高確や、RUSH状態に対応付けられる。
【0052】
また、図10では高確信号とRUSH信号との双方が同時期に出力終了しているが、例示した遊技機1であれば、
(a)振分けられた回数分の図柄変動開始に応じてRUSH信号の出力が終了し、
(b)ST終了にて高確信号の出力が終了し、
(c)特別状態終了後に特別状態信号の出力が終了する。
【0053】
よって、(a)の場合、RUSH信号出力終了後の次のスタート特定にてRUSHの期間を終了し、(b)の場合も同様に高確信号出力終了後の次のスタート特定にて高確の期間を終了することになる。
【0054】
一方で、RUSHの振分にも示したが、RUSHと確変と時短とが同時期に終了する場合もあり、更には同時期にしか終了しない遊技機もある。このようなRUSHと高確とが同時期に終了する場合が図10に示した場合であり、RUSHと確変と時短とが同時期に終了する場合は図9に示した場合になるといったように対応する遊技機に応じて設定によりいずれかを選択的に実行する構成としても良いし、いずれも採用し、いずれか早い方の条件が成立した場合に状態終了を特定する構成としても良い。
【0055】
RUSHを搭載した遊技機1を例示したが、RUSHに対応しないことからRUSH信号を出力せず特別状態信号と高確信号を出力するような遊技機1に適用しても良く、この場合、確変の転落抽選を始動入賞に応じて行い、当選した場合に高確を終了するような遊技機であれば、高確が不定期に終了するため、より利用度が高くなる。
【0056】
同様に、高確信号が出力されず特別状態信号とRUSH信号とが出力されるような遊技機や、特別状態信号が出力されず高確信号とRUSH信号とが出力されるような遊技機に適用することも想定可能であり、更には図柄変動開始に応じて状態信号が出力終了するといったように実際の遊技状態と状態信号とにより特定される期間が相違する特定状態となる遊技機としては、その他の特別状態や特定状態とならない例えば特別状態信号やRUSH信号は出力されないが高確信号は出力されるような遊技機に適用することも想定できる。このように実際の遊技状態と状態信号により特定される期間とが相違するような特定状態であればどのような特定状態を対象としても良い。
【0057】
対応する期間中に継続して出力される状態信号を例示したが、例えば対応する期間の開始と終了とで1パルスずつ出力する出力態様や、所定期間(例えば200ms)間隔で状態を示す信号を出力する出力態様等、他の出力態様も想定可能である。
【0058】
設定値「無」の場合は、特殊処理は行わず、高確/RUSH信号OFF後は各信号の特賞遅延タイマの設定値(例えば2秒)に従って状態を終了させる。これは、設定値「有」の場合の上記処理を行う場合も行う。つまり、状態信号により期間終了を特定後、特賞遅延タイマによる設定値分だけ状態の終了が遅延する。この特賞遅延タイマによる遅延は、上述の遅延処理には含まれない。
【0059】
図5図8に示す遊技情報は管理装置6を出力対象とするだけでなく、適宜必要に応じた項目を情報表示装置3の出力対象とすることで遊技者に開示可能とする。なお、情報表示装置3にて出力する場合、管理装置6を介することなく情報表示装置3にて遊技情報を特定しても良い。
【0060】
図11は上述した図4の状態特定に関連した管理装置6による動作を示すフローチャートである。管理装置6は、通常状態においては、遊技状態が大当りか(S1:NO)、大当り信号を入力検知か(S2:NO)、RUSH又は単高遅延フラグが1か(S6:NO)、遊技状態がRUSHか(S7:NO)、RUSH信号を入力検知か(S8:NO)、遊技状態が単高か(S15:NO)、高確信号を入力検知か(S16:NO)、遊技状態が時短か(S23:NO)、特別状態信号を入力検知か(S24:NO)を判定する通常待機フローを実行している。
【0061】
ここで、遊技機1において大当りが発生した場合は、大当り信号の入力が検知されるため(S2:YES)、管理装置6は、遊技状態を大当りと特定して(S3)、RUSH及び単高遅延フラグを0と特定し(S4)、大当り信号の入力が終了していない(S5:NO)と判定し、リターン後、遊技状態は大当りであり(S1:YES)、大当り信号の入力が終了してない(S5:NO)と判定する大当り待機フローに移行する。
【0062】
また、遊技機1がRUSHに移行した場合は、RUSH信号の入力が検知されるため(S8:YES)、管理装置6は、遊技状態をRUSHと特定して(S9)、RUSH信号の入力が終了していない(S10:NO)と判定し、リターン後、遊技状態は大当りでなく(S1:NO)、大当り信号の入力を検知しておらず(S2:NO)、RUSH又は単高遅延フラグは1でなく(S6:NO)、遊技状態がRUSHであり(S7:YES)、RUSH信号の入力は終了していない(S10:NO)と判定するRUSH待機フローに移行する。
【0063】
通常待機フローの実行中に遊技機1が単高に移行すると、高確信号の入力が検知されるため(S16:YES)、管理装置6は、遊技状態を単高と特定し(S17)、高確信号の入力が終了していない(S18:NO)と判定し、リターンした後、遊技状態は大当りでなく(S1:NO)、大当り信号の入力を検知しておらず(S2:NO)、RUSH又は単高遅延フラグは1でなく(S6:NO)、遊技状態はRUSHでなく(S7:NO)、RUSH信号の入力を検知しておらず(S8:NO)、遊技状態は単高であり(S15:YES)、高確信号の入力は終了していない(S18:NO)と判定する単高待機フローに移行する。
【0064】
通常待機フローの実行中に遊技機1が時短に移行した場合は、管理装置6は、特別状態信号の入力を検知するため(S24:YES)、遊技状態を時短と特定して(S25)、特別状態信号の入力が終了していない(S26:NO)と判定し、リターン後、遊技状態は大当りでなく(S1:NO)、大当り信号の入力を検知しておらず(S2:NO)、RUSH又は単高遅延フラグは1でなく(S6:NO)、遊技状態はRUSHでなく(S7:NO)、RUSH信号の入力を検知しておらず(S8:NO)、遊技状態は単高でなく(S15:NO)、高確信号の入力が検知されておらず(S16:NO)、遊技状態は時短であり(S23:YES)、特別遊技状態信号の入力が終了していない(S26:NO)と判定する時短待機フローに移行する。
【0065】
大当り待機フロー中に大当りが終了した場合は、大当り信号の入力が終了するので(S5:YES)、大当り終了後にRUSHとなれば、管理装置6は、RUSH信号の入力を検知し(S8:YES)、遊技状態をRUSHと特定し(S9)、RUSH信号の入力が終了していない(S10:NO)と判定し、リターン後、RUSH待機フローに移行する。
【0066】
また、遊技機1が大当り終了後に単高となれば、RUSH信号の入力が検知されないため(S8:NO)、管理装置6は、遊技状態をまだ単高と特定していないが(S15:NO)、高確信号の入力を検知するため(S16:YES)、遊技状態を単高として特定し(S17)、高確信号の入力が終了していない(S18:NO)と判定し、リターン後、単高待機フローに移行する。
【0067】
遊技機1が大当り終了後に時短となれば、RUSH信号の入力が検知されないため(S8:NO)、管理装置6は、遊技状態を単高として特定しておらず(S15:NO)、高確信号の入力を検知せず(S16:NO)、遊技状態をまだ時短として特定していないが(S23:NO)、特別状態信号の入力を検知するため(S24:YES)、遊技状態を時短と特定して(S25)、特別状態信号の入力が維持されたままなので(S26:NO)、リターン後、時短待機フローに移行する。
【0068】
遊技機1が、大当り終了後に通常状態となれば、RUSH信号の入力が検知されないため(S8:NO)、管理装置6は、遊技状態を単高として特定しておらず(S15:NO)、高確信号の入力を検知せず(S16:NO)、遊技状態を時短として特定しておらず(S23:NO)、特別状態信号の入力を検知しないため(S24:NO)、遊技状態を通常状態と特定して(S27)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0069】
遊技機1において、RUSH待機フロー中にRUSHが終了した場合は、RUSH信号の入力が終了するため(S10:YES)、管理装置6は、RUSH遅延フラグを1と特定し(S11)、特別状態信号の入力が終了した(S12:YES)と判定したか、または、スタート信号の入力が検知された(S13:YES)と判定した場合は、RUSH遅延フラグを0と特定する(S14)。管理装置6は、遊技機1の遊技状態が単高となれば高確信号の入力を検知する(S16:YES)ため、遊技状態を単高と特定して(S17)、高確信号の入力が維持されたままなので(S18:NO)、リターン後、単高待機フローに移行する。
【0070】
また、遊技機1が時短となれば、管理装置6は、高確信号の入力を検知しておらず(S16:NO)、遊技状態をまだ時短と特定していないが(S23:NO)、特別状態信号の入力を検知するため(S24:YES)、遊技状態を時短と特定し(S25)、特別状態信号の入力が終了していない(S26:NO)と判定し、リターン後、時短待機フローに移行する。また、遊技機1が通常となれば、高確信号の入力を検知せず(S16:NO)、管理装置6は、遊技状態は時短でなく(S23:NO)、特別状態信号も入力しないため(S24:NO)、遊技状態を通常状態と特定して(S27)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0071】
一方、RUSH遅延フラグを1とした後、特別状態信号の入力が終了せず(S12:NO)、スタート信号の入力が検知されない(S13:NO)と判定された場合は、リターン後、管理装置6は、遊技状態が大当りか(S1:NO)、大当り信号の入力が検知されたか(S2:NO)、RUSH又は単高遅延フラグは1か(S6:YES)、特別状態信号の入力が終了したか(S12:NO)、スタート信号の入力が検知されたか(S13:NO)を判定する遅延待機フローに移行する。
【0072】
また、遊技機1において、単高待機フロー中に単高が終了した場合は、管理装置6は、高確信号の入力が終了するため(S18:YES)、単高遅延フラグを1と特定し(S19)、特別状態信号の入力が終了した場合(S20:YES)か、または、スタート信号の入力が検知された場合(S21:YES)のいずれかであれば単高遅延フラグを0と特定する(S22)。
【0073】
また、上記同様に遊技機1が時短となれば、管理装置6は、特別状態信号の入力を検知するため(S24:YES)、遊技状態を時短と特定して(S25)、特別状態信号の入力が維持されたままなので(S26:NO)、リターン後、時短待機フローに移行する。また、遊技機1が通常となれば、特別状態信号の入力が検知されないため(S24:NO)、管理装置6は、遊技状態を通常と特定して(S27)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0074】
一方、単高遅延フラグを1とした後、特別状態信号の入力が終了せず(S20:NO)、スタート信号の入力が検知されない(S21:NO)場合は、リターン後、上記同様に遅延待機フローに移行する。また、時短待機フロー中に時短が終了した場合は、管理装置6は、特別状態信号の入力が終了したと判定し(S26:YES)、遊技状態を通常と特定して(S27)、リターン後、通常待機フローに移行する。
【0075】
遊技機1において、RUSH待機フロー、単高待機フロー、時短待機フローのいずれにおいても大当りが発生した場合は、大当り信号の入力が検知されるため(S2:YES)、管理装置6は、大当り待機フローに移行するが、遅延待機フロー中に大当りが発生した場合は対応するRUSH&単高遅延フラグを0と特定して(S4)大当り待機フローに移行する。
【0076】
また、遊技機1において、単高待機フロー、時短待機フローのいずれにおいてもRUSHに移行した場合は、管理装置6は、RUSH信号の入力を検知し(S8:YES)、遊技状態をRUSHと特定すると(S9)、RUSH信号の入力が維持されたままなので(S10:NO)、リターン後、RUSH待機フローに移行する。また、時短待機フローにおいて単高に移行した場合は、管理装置6は、高確信号の入力を検知し(S16:YES)、遊技状態を単高と特定し(S17)、高確信号の入力が維持されたままなので(S18:NO)、リターン後、単高待機フローに移行する。
【0077】
遅延待機フローにおいて、特別状態信号の入力が終了した場合(S12:YES)、または、スタート信号の入力が検知された場合(S13:YES)、のいずれかの場合、管理装置6は、RUSH&単高遅延フラグを0と特定して(S14)、高確信号の入力検知の判定(S16)以降の判定を行う。また、遅延待機フローにおいて発生した大当りやアウト等の遊技情報はRUSH遅延フラグが1と特定されればRUSHに、単高遅延フラグが1と特定されれば単高、といったように対応する状態に関連付けられる。
【0078】
このように現在の遊技状態よりも図4に示す優先順位が上位の遊技状態に移行した場合は、管理装置6は、その状態に移行した旨を特定する一方、下位の遊技状態について発生状態を特定せず、現在の遊技状態が終了した場合にいずれの遊技状態に移行したかを優先順位に従って特定することで、図4のように各状態において複数の状態信号が出力される場合であっても各状態を区分可能とする一方、RUSHや単高については特別状態信号の入力終了まで状態を遅延して遊技情報を遊技状態に対応付ける処理(第2遅延処理)を実行するか、スタート信号の入力まで状態を遅延して遊技情報を遊技状態に対応付ける処理(第1遅延処理)を実行する。
【0079】
上記実施例に説明した遊技機1では通常状態から単高や時短等が発生することを例示しなかったが、上記フローによればそのような遊技機1も対応可能となる。また、フローには示さなかったが各状態特定時には図6の突入数を計数する。
【0080】
このように、実施形態において、RUSHのような最終の図柄変動の開始に応じて状態信号が出力終了する特定状態への遊技情報の対応付け期間を、状態信号の出力終了後、最終の図柄変動確定時に出力終了するような時短信号の出力終了、または、図柄変動確定時に出力されるスタート信号の入力まで遅延する。
【0081】
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を奏する。
RUSH信号により特定される特定状態期間の終了後、スタート信号の入力や特別状態信号の入力終了までRUSHへの遊技情報の対応付け期間を遅延するため、例えばRUSHの最終の図柄変動にて発生した大当りをRUSHに対応付けるといったように、適切な状態信号が出力されないRUSHに対応した遊技情報を適切に管理可能となる。
【0082】
特別状態信号は時短状態が終了する図柄変動の確定時に対応した終了期間を示す一方、RUSH信号はRUSHが終了する図柄変動の開始時に対応した終了期間を示すため、管理装置6は、RUSH信号が最終の図柄変動の開始に応じて出力終了したとしても、その確定時に出力終了する特別状態信号により適切にRUSHに対応した期間を特定可能となる。
【0083】
機種単位で遅延条件に応じた遅延を行うか否かを設定可能とするため、特定状態信号が出力される遊技機には遅延条件に基づき適切に対応付け期間を遅延しつつ、特定状態信号が出力されない遊技機については無意味に対応付け期間を遅延する虞を低減できる。
【0084】
遅延条件はスタート信号の入力と特別状態期間の終了とのいずれかによっても成立するため、時短とRUSHとが同時期に終了する遊技機は特別状態期間の終了、それ以外はスタート信号の入力を遅延条件とするといったように、特定状態が発生するような遊技機に対して更に面倒な設定を行う必要性を低減できる。
【0085】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
甘中として、高確、時短、RUSHの3区分となる遊技機を例示したが、時短を除く高確、RUSHの2区分や、高確だけの1区分、更に小当りの発生条件がRUSHよりも遊技者にとって有利となるスーパー小当りRUSHのような例示した以外の特別状態を含めた4区分以上に甘中を区分する遊技機を管理対象とする等、実際の状態期間と異なる期間を示す特別状態信号が出力対象となる特別状態が含まれていれば管理対象となる遊技状態はどのように構成されても良い。
【0086】
RUSHが所謂回数切りのSTの場合に発生する遊技機を例示したが、図柄変動数に関わりなく大当り終了まで継続する高確においてRUSH等となる遊技機や、高確でない時短においてRUSH等となる遊技機を管理対象としても勿論良い。また、大当り終了後に移行する甘中を例示したが、大当りが発生することなく既定の図柄変動数となることで甘中に移行し、その甘中においてRUSH等を発生させる遊技機を管理対象としても良い。
【0087】
RUSHを振分け抽選により振分けた図柄変動数により状態移行する遊技機を例示したが、図柄変動数に関わらず状態移行しない遊技機や、振分抽選を行わず、例えば図柄変動数が基準値に達した状態であるか否かにより大当り後のRUSHの対象期間を振分けるような例示した以外の区分方法にて対象期間を区分する、或いは特定状態になるかを振分けることなく特定状態に移行するような遊技機を管理対象としても良い。
小当りと大当りとで共通の大入賞口を開放することを例示したが、それぞれ対応する大入賞口を設けて開放する遊技機を管理対象としても良い。
【0088】
また、特定状態により示される期間の終了時点が実際の発生期間の終了時点よりも以前となる特定状態信号として、最終の図柄変動の開始に応じた時点を当該発生期間の終了時点として示す特定状態信号を例示したが、例えば最終の図柄変動の1つ目の図柄が確定した時点のような開始後に所定期間が経過した時点を終了時点として出力する特定状態信号のように例示した以外の特定状態信号を対象としても良い。
【0089】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えば、チェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0090】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により機種を構成しても良い。
【0091】
また、RUSH信号や高確信号のような特定状態信号により示される終了時点後、特別状態信号により示される特別状態の発生期間の終了時点と、次の単位遊技の終了時点とのいずれか早い時点まで特定状態の対応付け期間を遅延する構成を例示したが、次の単位遊技に関わらず特別状態信号により示される特別状態の発生期間の終了時点まで対応付け期間を遅延する構成と、特別状態信号に関わらず次の単位遊技の終了時点まで対応付け期間を遅延する構成とのうち、一方だけの構成としても良い。
【0092】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良いし、適宜採用しない項目を設けても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0093】
範囲としては最小値と最大値との双方を設定しても良いし、各範囲の最小値のみを設定し、最大値については次の範囲の最小値を参照して特定する等、最小値と最大値との一方のみを設定しても良い。また、以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は「以上となった」或いは「超過した」のいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0094】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式やクレジット式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0095】
管理装置が行う処理の一部を中継装置、情報表示装置、或いは遊技機装置等にて行っても良く、遊技情報の特定や管理等を行う手段はどの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【0096】
また、実施形態に係る遊技機1には、大当りを介して特別状態や特定状態が発生するだけでなく、大当りを介さずに特別状態や特定状態を発生可能な遊技機も含まれる。なお、この場合も特別状態や特定状態は単位遊技の結果(例えば、大当り図柄変動)によって発生する否かが決まる。
【符号の説明】
【0097】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(期間特定手段、遊技情報特定手段、遊技情報対応付け手段、遅延手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11