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特開2020-142227水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-142227(P2020-142227A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/10 20060101AFI20200814BHJP
   C04B 38/06 20060101ALI20200814BHJP
【FI】
   C02F3/10 A
   C04B38/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-52023(P2019-52023)
(22)【出願日】2019年3月19日
(11)【特許番号】特許第6555770号(P6555770)
(45)【特許公報発行日】2019年8月7日
(31)【優先権主張番号】201910161361.7
(32)【優先日】2019年3月4日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】許柯
(72)【発明者】
【氏名】朱遠墨
(72)【発明者】
【氏名】任洪強
(72)【発明者】
【氏名】耿金菊
【テーマコード(参考)】
4D003
【Fターム(参考)】
4D003AA12
4D003AB01
4D003CA10
4D003EA05
4D003EA22
4D003EA23
4D003EA24
4D003EA25
4D003EA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】廃水排出基準を満たす、高アンモニア態窒素廃水処理用の生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法を提供する。
【解決手段】磁性粉末を活性化した後、セラマイト、ホウ砂および二酸化チタンと一定の比率で混合し、次いで水と混合して造粒し、乾燥させ、焼成し、洗浄し、再び乾燥させ、磁化し、磁性セラムサイトフィラー基質を得て、さらに磁性セラムサイトフィラー基質の表面に、木炭、粘土、ネオジム鉄ボロンおよび水からなる表面層材料をロードした後、二次乾燥および焼成し、冷却させた後に生体磁性セラムサイトフィラーを得る。本発明によって製造された生体磁性セラムサイトフィラーはアンモニア態窒素の除去効率を大幅に向上でき、下水の実際の生物学的処理における促進および適用に役立つ。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法であって、
S1、磁性粉末の活性化:磁性粉末をグルタルアルデヒドに浸漬して活性化させ、活性
化磁性粉末を得る磁性粉末の活性化ステップと、
S2、成分:セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを、35〜45部
のセラムサイト、20〜40部の磁性粉末、1〜5部のホウ砂、1〜3部の二酸化チタン
の比率で混合し、均一に撹拌し、混合物Aを得る成分混合ステップと、
S3、造粒および乾燥:S2中の混合物Aを磁気マイクロバブル撹拌混合装置に入れ、
水と混合して混合物Bを得て、次に前記混合物Bを造粒機に入れ、直径が6〜8mmの球
状混合物を製造し、次いで前記球状混合物を乾燥ボックスに入れ、105℃で1〜2h乾
燥させ、セラムサイト基材を得る造粒および乾燥ステップと、
S4、焼成:S3で製造されたセラムサイト基材を保護ガス雰囲気下、高温焼成炉で2
00℃/hの昇温速度で600℃まで加熱し、かつ600℃で8h焼成し、一定の機械的
強度を有するセラムサイトフィラー基質を得る焼成ステップと、
S5、洗浄および乾燥:洗浄溶液が透明になり、濁りおよび変色がなくなるまで、S4
の焼成により得られたセラムサイトフィラー基質を水で洗浄し、次いで洗浄したセラムサ
イトを105℃のオーブンに入れ、12h乾燥させ、洗浄により基質中に残っている分子
水を除去する洗浄および乾燥ステップと、
S6、磁化:S5の処理後に得られたセラムサイトフィラー基質を磁化装置で磁化し、
最終的に磁性セラムサイトフィラー基質を得る磁化ステップと、
S7、ロード表面層:S6で製造した磁性セラムサイトフィラー基質を回転スプレーロ
ード装置に供給し、前記回転スプレーロード装置により磁性セラムサイトフィラー基質の
表面に表面層材料を均一にロードさせ、磁性混合セラムサイトフィラーを得て、ここで、
前記表面層材料は、木炭、粘土、ネオジム鉄ホウ素および水の混合物であり、木炭、粘土
、ネオジム鉄ホウ素と水の重量比は1:1:1:3である表面層ロードステップと、
S8、二次乾燥焼成:S7で製造された磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥ボックス
に入れ、95℃で0.5〜1h乾燥させ、保護ガス雰囲気下の高温焼成炉中で150℃/
hの昇温速度で400℃まで昇温し、かつ400℃で0.5h焼成し、冷却させた後に生
体磁性セラムサイトフィラーを得る二次乾燥焼成ステップと、
を含む、ことを特徴とする水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項2】
前記セラムサイトは、ボーキサイト、粘土、副粘土、頁岩、スレート、海泥粘土、泥岩、
フライアッシュ、石炭脈石のうちの1つまたは複数の混合物で製造される、ことを特徴と
する、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項3】
前記磁性粉末は、四酸化三鉄、三酸化二鉄、酸化鉄、およびバリウムフェライトのうち
の1つまたは複数の混合物である、ことを特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項4】
前記S4および前記S8で使用される保護ガスは窒素または不活性ガスである、ことを
特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項5】
前記磁気マイクロバブル撹拌混合装置は、
可変断面水分子破壊チャンバ(2−1)と、その内部に水が通過する通路および通路外側
に設けられた磁石が設けられ、前記通路断面は可変断面であり、前記磁石は水を磁化させ
ることができ、前記可変断面水分子破壊チャンバ(2−1)の一端に入水管(2−2)が
設けられ、他端に排水管(2−3)が設けられ、前記入水管(2−2)は水ポンプ(2−
4)に接続され、
可変断面気液混合チャンバ(2−5)と、その内部に気液混合用のチャンバが設けられ
、前記チャンバは可変断面であり、その上部は排水管(2−3)および第一吸気管(2−
6)に接続され、その底部にチャンバ内の気体および液体を撹拌することができる磁気撹
拌機(2−7)が設けられ、
液体混合チャンバ(2−8)と、その一端は気液管路(2−9)を介して前記可変断面
気液混合チャンバ(2−5)に接続され、他端に排出管が設けられ、その上部には第二吸
気管(2−11)を介してエアポンプ(2−12)が接続され、そして供給管(2−13
)を介して供給ポンプ(2−14)に接続され、液体混合チャンバ(2−8)の内部にタ
ービンミキサーが設けられ、
分流器(2−15)と、前記分流器(2−15)は内部に密な気孔を有する管状構造で
あり、分流器(2−15)は2つであり、第一吸気管(2−6)と可変断面気液混合チャ
ンバ(2−5)との接続部および第二吸気管(2−11)と液体混合チャンバ(2−8)
との接続部にそれぞれ設けられ、
第一吸気管(2−6)および第二吸気管(2−11)は、いずれも主吸気管(2−16
)を介してエアポンプ(2−12)に接続され、かつ主吸気管(2−16)にはエアコン
プレッサ(2−17)が設けられ、
それぞれ入水管(2−2)および供給管(2−13)上に設けられた2つの流量制御弁(
2−18)と、を含む、ことを特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項6】
前記回転スプレーロード装置は、
メインチャンバ(10−1)と、その上部はアーチ形であり、前記メインチャンバ(10
−1)の一端に第一供給口(10−2)が設けられ、他端に排出口(10−3)が設けら
れ、
メインチャンバ(10−1)の内部の螺旋供給撹拌機構(10−4)と、前記螺旋供給撹
拌機構(10−4)は前記メインチャンバ(10−1)の長さ方向に沿ってメインチャン
バ(10−1)の底部に水平に配置され、供給口(10−2)から供給された材料を排出
口(10−3)に搬送するために使用され、
メインチャンバ(10−1)の上方に配置された複数の弓形トラック(10−5)と、各
前記弓形レール(10−5)上に配置されたマイクロモータ(10−6)と、を含み、
前記マイクロモータ(10−6)の下に回転スプレーヘッド(10−7)が設けられ、各
回転スプレーヘッド(10−7)はいずれもマイクロモータ(10−6)によって駆動さ
れ、かつ対応するそれぞれの弓形トラック(10−5)上で前後に往復運動することがで
き、かつ前記回転スプレーヘッド(10−7)はそれぞれ管路を介して第二供給口に接続
される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項7】
水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーを製造する装置であって、
磁性粉末を活性化するための活性化タンク(1)と、
セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを水とガスと混合して混合物Bを
得るための磁気マイクロバブル撹拌混合装置(2)と、
混合物Bを造粒して球状混合物を得るための造粒機(3)と、
球状混合物を乾燥させてセラムサイト基質を得るための第一乾燥室(4)と、
セラムサイト基質を焼成してセラムサイトフィラー基質を得るための第一高温焼成炉(5
)と、
セラムサイトフィラー基質を冷却させるための第一冷却室(6)と、
冷却されたセラムサイトフィラー基質を洗浄するための洗浄タンク(7)と、
洗浄されたセラムサイトフィラー基質を二次乾燥させるための第二乾燥室(8)と、
二次乾燥後のセラムサイトフィラー基質を磁化させるための磁化装置(9)と、
磁化させた磁性セラムサイトフィラー基質に表面層材料をロードして磁性混合セラムサイ
トフィラーを得るための回転スプレーロード装置(10)と、
磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥させるための第三乾燥室(11)と、
乾燥後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次焼成させるための第二高温焼成炉(12)
と、
二次焼成後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次冷却させるための第二冷却室(13)
と、
を含む、ことを特徴とする、水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーを製造する装
置。
【請求項8】
高アンモニア態窒素廃水の処理における請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラム
サイトフィラーの製造方法によって製造される水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィ
ラーの適用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水処理の技術分野に関し、具体的には水処理用の新規生体磁性セラムサイ
トフィラーの製造方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高アンモニア態窒素廃水の強化された生物学的処理は常に環境保護分野のホットスポット
と難点であり、通常の高アンモニア態窒素廃水の生物学的処理は従来の廃水排出基準の要
件を満たすことができない。磁気−バイオ複合廃水処理技術は、新たなバイオ強化技術で
あり、磁場の存在は微生物の代謝と微生物活性に様々な影響を及ぼす可能性があることが
研究により示され、これは磁場を廃水の生物学的処理に適用するための理論的基礎である
。しかしながら、現在のところ、磁場による生分解の強化に関する報告は実験室での研究
に限られ、それは主に現在の研究では主に外部静磁場の作用方式を使用するためであり、
実際の適用では、廃水処理施設は体積が大きく、長期間安定した定強度磁場を形成しにく
いため、実際の適用に適している磁界適用方法を探求することが緊急に必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によって解決される技術的問題は、従来の生物学的方法による高アンモニア態窒
素廃水の処理は従来の廃水排出基準の要件を満たすことができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0005】
水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法であって、以下のステップを
含む。
S1、磁性粉末の活性化:磁性粉末をグルタルアルデヒドに浸漬して活性化させ、活性
化磁性粉末を得る。
S2、成分:セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを、35〜45部
のセラムサイト、20〜40部の磁性粉末、1〜5部のホウ砂、1〜3部の二酸化チタン
の比率で混合し、均一に撹拌し、混合物Aを得る。
S3、造粒および乾燥:S2中の混合物Aを磁気マイクロバブル撹拌混合装置に入れ、
水と混合して混合物Bを得て、次に前記混合物Bを造粒機に入れ、直径が6〜8mmの球
状混合物を製造し、次いで前記球状混合物を乾燥ボックスに入れ、105℃で1〜2h乾
燥させ、セラムサイト基材を得る。
S4、焼成:S3で製造されたセラムサイト基材を保護ガス雰囲気下、高温焼成炉で2
00℃/hの昇温速度で600℃まで加熱し、かつ600℃で8h焼成し、一定の機械的
強度を有するセラムサイトフィラー基質を得て、窒素雰囲気は主に高温での四酸化三鉄の
酸化的変性を防止し、フィラーの最終磁化後の磁場強度を低減させるために使用され、6
00℃の温度を取り、高すぎる焼成温度は四酸化三鉄粉末の磁化率を低減させる。
S5、洗浄および乾燥:洗浄溶液が透明になり、濁りおよび変色がなくなるまで、S4
の焼成により得られたセラムサイトフィラー基質を水で洗浄し、次いで洗浄したセラムサ
イトを105℃のオーブンに入れ、12h乾燥させ、洗浄により基質中に残っている分子
水を除去する。
S6、磁化:S5の処理後に得られたセラムサイトフィラー基質を磁化装置で磁化し、
最終的に磁性セラムサイトフィラー基質を得る。
S7、ロード表面層:S6で製造した磁性セラムサイトフィラー基質を回転スプレーロ
ード装置に供給し、前記回転スプレーロード装置により磁性セラムサイトフィラー基質の
表面に表面層材料を均一にロードさせ、磁性混合セラムサイトフィラーを得て、ここで、
前記表面層材料は、木炭、粘土、ネオジム鉄ホウ素および水の混合物であり、木炭、粘土
、ネオジム鉄ホウ素と水の重量比は1:1:1:3であり、表面層材料の製造方法は、木
炭、粘土、ネオジム鉄ホウ素をそれぞれ1〜500μmに粉砕し、水と混合してスラリー
とすることである。
S8、二次乾燥焼成:S7で製造された磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥ボックス
に入れ、95℃で0.5〜1h乾燥させ、保護ガス雰囲気下の高温焼成炉中で150℃/
hの昇温速度で400℃まで昇温し、かつ400℃で0.5h焼成し、冷却させた後に生
体磁性セラムサイトフィラーを得る。表面層材料中の木炭は焼成によりバイオマス活性炭
になり、表面層材料全体も緩い気孔構造が発生し、磁性セラムサイトフィラー基質中のミ
クロ孔を塞がない。
【0006】
本発明の一態様によれば、前記セラムサイトは、ボーキサイト、粘土、副粘土、頁岩、
スレート、海泥粘土、泥岩、フライアッシュ、石炭脈石のうちの1つまたは複数の混合物
で製造される。
【0007】
本発明の一態様によれば、前記磁性粉末は、四酸化三鉄、三酸化二鉄、酸化鉄、および
バリウムフェライトのうちの1つまたは複数の混合物である。
【0008】
本発明の一態様によれば、S4およびS8で使用される保護ガスは窒素または不活性ガ
スであり、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンなどは高
温での四酸化三鉄などの磁性粉末の酸化変性を防止するために使用される。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記磁気マイクロバブル撹拌混合装置は、
可変断面水分子破壊チャンバと、その内部に水が通過する通路および通路外側に設けら
れた磁石が設けられ、前記通路断面は可変断面であり、前記磁石は水を磁化させることが
でき、前記可変断面水分子破壊チャンバの一端に入水管が設けられ、他端に排水管が設け
られ、前記入水管は水ポンプに接続され、
可変断面気液混合チャンバと、その内部に気液混合用のチャンバが設けられ、前記チャ
ンバは可変断面であり、その上部は排水管および第一吸気管に接続され、その底部にチャ
ンバ内の気体および液体を撹拌することができる磁気撹拌機が設けられ、
液体混合チャンバと、その一端は気液管路を介して前記可変断面気液混合チャンバに接
続され、他端に排出管が設けられ、その上部には第二吸気管を介してエアポンプが接続さ
れ、そして供給管を介して供給ポンプに接続され、液体混合チャンバの内部にタービンミ
キサーが設けられ、
分流器と、前記分流器は内部に密な気孔を有する管状構造であり、分流器は2つであり
、第一吸気管と可変断面気液混合チャンバとの接続部および第二吸気管と液体混合チャン
バとの接続部にそれぞれ設けられ、
第一吸気管および第二吸気管は、いずれも主吸気管を介してエアポンプに接続され、か
つ主吸気管にはエアコンプレッサが設けられ、
それぞれ入水管および供給管上に設けられた2つの流量制御弁と、を含む。
【0010】
流量制御弁により、水と材料との間の適切な比率を達成するように水流および供給量を制
御することができる。
【0011】
本発明の磁性マイクロバブル撹拌混合装置は、水に対して水分子破壊を行い、かつ水を磁
化させた後、ガスと混合してマイクロバブルを含有するガスと水との混合物を得て、次い
でセラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンからなる混合物Aを供給管によ
り液体混合チャンバにポンピングし、さらにガスと水との混合物と混合し、セラムサイト
、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを水と均一に混合させ、均一な材料を形成し、
さらに後の段階で製造される生体磁性セラムサイトが良好な調理特性を有することをさら
に確実にし、堆積密度および体積密度が比較的大きく、圧縮強度が高く、そして破壊率が
低いという利点を有する。
【0012】
従来の一般的な多孔質セラムサイトフィラーとの比較結果を表1に示した。
表1:本発明の生体磁性セラムサイトフィラーと一般的な多孔質セラムサイトフィラーと
の物理化学性質の比較
【0013】
本発明の一態様によれば、前記回転スプレーロード装置は、
メインチャンバと、その上部はアーチ形であり、前記メインチャンバの一端に第一供給口
が設けられ、他端に排出口が設けられ、
メインチャンバの内部の螺旋供給撹拌機構と、前記螺旋供給撹拌機構は前記メインチャン
バの長さ方向に沿ってメインチャンバの底部に水平に配置され、供給口から供給された材
料を排出口に搬送するために使用され、
メインチャンバの上方に配置された複数の弓形トラックと、各前記弓形レール上に配置さ
れたマイクロモータと、を含む。
【0014】
前記マイクロモータの下に回転スプレーヘッドが設けられ、各回転スプレーヘッドはいず
れもマイクロモータによって駆動され、かつ対応するそれぞれの弓形トラック上で前後に
往復運動することができ、かつ前記回転スプレーヘッドはそれぞれ管路を介して第二供給
口に接続される。
【0015】
本発明の回転スプレーロード装置に使用される各マイクロモータおよび螺旋供給撹拌機構
はそれぞれ外部電源から給電し、図中に示されない。
【0016】
本発明の回転スプレーロード装置は、表面層材料を磁性セラムサイトフィラー基質の表面
上に均一にスプレーすることができ、表面層材料のロード効果を良くなるようにし、かつ
製造された生体磁性セラムサイトフィラーの形態が均一であり、省エネルギーおよび高効
率である。
【0017】
本発明は、さらに、水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーを製造する装置を提供
し、それは、
磁性粉末を活性化するための活性化タンクと、
セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを水とガスと混合して混合物Bを
得るための磁気マイクロバブル撹拌混合装置と、
混合物Bを造粒して球状混合物を得るための造粒機と、
球状混合物を乾燥させてセラムサイト基質を得るための第一乾燥室と、
セラムサイト基質を焼成してセラムサイトフィラー基質を得るための第一高温焼成炉と、
セラムサイトフィラー基質を冷却させるための第一冷却室と、
冷却されたセラムサイトフィラー基質を洗浄するための洗浄タンクと、
洗浄されたセラムサイトフィラー基質を二次乾燥させるための第二乾燥室と、
二次乾燥後のセラムサイトフィラー基質を磁化させるための磁化装置と、
磁化させた磁性セラムサイトフィラー基質に表面層材料をロードして磁性混合セラムサイ
トフィラーを得るための回転スプレーロード装置と、
磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥させるための第三乾燥室と、
乾燥後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次焼成させるための第二高温焼成炉と、
二次焼成後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次冷却させるための第二冷却室と、を含
む。
【0018】
本発明は、さらに、水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの適用を提供し、具体
的には、それを高アンモニア態窒素廃水の処理に適用される。
【発明の効果】
【0019】
本発明は従来の技術と比べると、以下の利点を有する。
第一、本発明により製造された生体磁性セラムサイトフィラーはフィルムを掛けやすい。
第二、一般的なセラムサイトフィラーと比べて、本発明により製造された生体磁性セラム
サイトフィラーはバイオフィルムの微生物凝集に対して促進効果を有し、バイオフィルム
表面の比表面積を増加させ、そして汚染物に対するバイオフィルムの除去効果を向上させ
る。
第三、本発明により製造された生体磁性セラムサイトフィラーを採用すると、同じ形状と
仕様の一般的なセラムサイトフィラーと比べて、アンモニア態窒素の除去効率を大幅に向
上させ、特に高アンモニア態窒素廃水を処理するために使用される場合には効果が顕著で
ある。
第四、本発明により製造された生体磁性セラムサイトフィラーは、各フィラーが1つの微
小付加磁場の生物学的処理反応器と同等であり、それにより、下水(廃水)の実際の生物
学的処理における磁気物理化学的生物効率の促進と適用を実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は本発明における磁気マイクロバブル撹拌混合装置の概略図である。
図2図2は本発明における回転スプレーロード装置の概略図である。
図3図3は本発明における設備全体の概略図である。
図4図4はアンモニア態窒素の除去効果の比較図である。
図5図5は反応器が53日間運転した後のセラムサイトフィラー表面のバイオフィルムの電子顕微鏡図であり、(a)一般的なセラムサイトフィラー、(b)実施例1で製造された生体磁性セラムサイトフィラー、(c)実施例3で製造された生体磁性セラムサイトフィラーである。
図6図6は反応器が53日間運転したフィラー表面バイオフィルムのアンモニア酸化率である。
図7図7は反応器が53日間運転したフィラー表面バイオフィルムの比酸素消費率である。
図8図8は反応器が53日間運転したフィラー表面バイオフィルムの窒素除去酵素活性である。
図9図9は反応器が53日間運転したフィラー表面バイオフィルムの窒素除去遺伝子量である。このうち、1−活性化タンク、2−磁気マイクロバブル撹拌混合装置、3−造粒機、4−第一乾燥室、5−第一高温焼成炉、6−第一冷却室、7−洗浄室、8−第二乾燥室、9−磁化装置、10−回転スプレーロード装置、11−第三乾燥室、12−第二高温焼成炉、13−第二冷却室、2−1−可変断面水分子破壊チャンバ、2−2−入水管、2−4−水ポンプ、2−5−可変断面気液混合チャンバ、2−6−第一吸気管、2−7−磁気撹拌機、2−8−液体混合チャンバ、2−9−気液配管、2−10−排出管、2−11−第二吸気管、2−12−エアポンプ、2−13−供給管、2−14−供給ポンプ、2−15−分流器、2−16−主吸気管、2−17−エアコンプレッサ、2−18−流量制御弁、10−1−メインチャンバ、10−2−第一供給口、10−3−排出口、10−4−螺旋供給撹拌機構、10−5−弓形トラック、10−6−マイクロモータ、10−7−回転スプレーヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は、図面および具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明の保護
範囲をこれに限定するものではない。
【0022】
実施例1
水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造は、以下のステップを含む。
S1、磁性粉末の活性化:磁性粉末をグルタルアルデヒドに浸漬して活性化させ、活性
化磁性粉末を得る。
S2、成分:セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを、35〜45部
のセラムサイト、20〜40部の磁性粉末、1〜5部のホウ砂、1〜3部の二酸化チタン
の比率で混合し、均一に撹拌し、混合物Aを得る。
S3、造粒および乾燥:S2中の混合物Aを磁気マイクロバブル撹拌混合装置に入れ、
水と混合して混合物Bを得て、次に前記混合物Bを造粒機に入れ、直径が6〜8mmの球
状混合物を製造し、次いで前記球状混合物を乾燥ボックスに入れ、105℃で1〜2h乾
燥させ、セラムサイト基材を得る。
S4、焼成:S3で製造されたセラムサイト基材を保護ガス雰囲気下、高温焼成炉で2
00℃/hの昇温速度で600℃まで加熱し、かつ600℃で8h焼成し、一定の機械的
強度を有するセラムサイトフィラー基質を得て、窒素雰囲気は主に高温での四酸化三鉄の
酸化的変性を防止し、フィラーの最終磁化後の磁場強度を低減させるために使用され、6
00℃の温度を取り、高すぎる焼成温度は四酸化三鉄粉末の磁化率を低減させる。
S5、洗浄および乾燥:洗浄溶液が透明になり、濁りおよび変色がなくなるまで、S4
の焼成により得られたセラムサイトフィラー基質を水で洗浄し、次いで洗浄したセラムサ
イトを105℃のオーブンに入れ、12h乾燥させ、洗浄により基質中に残っている分子
水を除去する。
S6、磁化:S5の処理後に得られたセラムサイトフィラー基質を磁化装置で磁化し、
最終的に磁性セラムサイトフィラー基質を得る。
S7、ロード表面層:S6で製造した磁性セラムサイトフィラー基質を回転スプレーロ
ード装置に供給し、前記回転スプレーロード装置により磁性セラムサイトフィラー基質の
表面に表面層材料を均一にロードさせ、磁性混合セラムサイトフィラーを得て、ここで、
前記表面層材料は、木炭、粘土、ネオジム鉄ホウ素および水の混合物であり、木炭、粘土
、ネオジム鉄ホウ素と水の重量比は1:1:1:3であり、表面層材料の製造方法は、木
炭、粘土、ネオジム鉄ホウ素をそれぞれ1〜500μmに粉砕し、水と混合してスラリー
とすることである。
S8、二次乾燥焼成:S7で製造された磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥ボックス
に入れ、95℃で0.5h乾燥させ、保護ガス雰囲気下の高温焼成炉中で150℃/hの
昇温速度で400℃まで昇温し、かつ400℃で0.5h焼成し、冷却させた後に生体磁
性セラムサイトフィラーを得る。
【0023】
実施例2
実施例1との違いは、
S2中の磁性粉末は、四酸化三鉄と三酸化二鉄が等しい重量比で混合する。
S2中の混合物Aの成分は、ボーキサイト22部、海泥粘土18部、磁性粉末30部、ホ
ウ砂3部、二酸化チタン2部である。
S3中の混合物Bを7mmの球状混合物に造粒し、乾燥時間は1.5hである。
【0024】
実施例3
実施例1との違いは、
S2中の磁性粉末は、四酸化三鉄と三酸化二鉄が3:1の重量比で混合する。
S2中の混合物Aの成分は、副粘土25部、泥岩20部、磁性粉末40部、ホウ砂5部、
二酸化チタン3部である。
S3中の混合物Bを8mmの球状混合物に造粒し、乾燥時間は2hである。
S3中の乾燥時間は2hである。
上記実施例1〜3に使用される磁気マイクロバブル撹拌混合装置は、
可変断面水分子破壊チャンバ2−1と、その内部に水が通過する通路および通路外側に
設けられた磁石が設けられ、前記通路断面は可変断面であり、前記磁石は水を磁化させる
ことができ、前記可変断面水分子破壊チャンバ2−1の一端に入水管2−2が設けられ、
他端に排水管2−3が設けられ、前記入水管2−2は水ポンプ2−4に接続され、
可変断面気液混合チャンバ2−5と、その内部に気液混合用のチャンバが設けられ、前
記チャンバは可変断面であり、その上部は排水管2−3および第一吸気管2−6に接続さ
れ、その底部にチャンバ内の気体および液体を撹拌することができる磁気撹拌機2−7が
設けられ、
液体混合チャンバ2−8と、その一端は気液管路2−9を介して前記可変断面気液混合
チャンバ2−5に接続され、他端に排出管2−10が設けられ、その上部には第二吸気管
2−11を介してエアポンプ2−12が接続され、そして供給管2−13を介して供給ポ
ンプ2−14に接続され、液体混合チャンバ2−8の内部にタービンミキサーが設けられ

分流器2−15と、前記分流器2−15は内部に密な気孔を有する管状構造であり、分
流器2−15は2つであり、第一吸気管2−6と可変断面気液混合チャンバ2−5との接
続部および第二吸気管2−11と液体混合チャンバ2−8との接続部にそれぞれ設けられ

第一吸気管2−6および第二吸気管2−11は、いずれも主吸気管2−16を介してエ
アポンプ2−12に接続され、かつ主吸気管2−16にはエアコンプレッサ2−17が設
けられ、
それぞれ入水管2−2および供給管2−13上に設けられた2つの流量制御弁2−18
と、を含む。
【0025】
上記実施例1〜3に使用される回転スプレーロード装置は、
メインチャンバ10−1と、その上部はアーチ形であり、前記メインチャンバ10−1の
一端に第一供給口10−2が設けられ、他端に排出口10−3が設けられ、
メインチャンバ10−1の内部の螺旋供給撹拌機構10−4と、前記螺旋供給撹拌機構1
0−4は前記メインチャンバ10−1の長さ方向に沿ってメインチャンバ10−1の底部
に水平に配置され、供給口10−2から供給された材料を排出口10−3に搬送するため
に使用され、
メインチャンバ10−1の上方に配置された複数の弓形トラック10−5と、各前記弓形
レール10−5上に配置されたマイクロモータ10−6と、を含む。
前記マイクロモータ10−6の下に回転スプレーヘッド10−7が設けられ、各回転スプ
レーヘッド10−7はいずれもマイクロモータ10−6によって駆動され、かつ対応する
それぞれの弓形トラック10−5上で前後に往復運動することができ、かつ前記回転スプ
レーヘッド10−7はそれぞれ管路を介して第二供給口に接続される。
【0026】
上記実施例1〜3に使用される水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーを製造する
装置は、
磁性粉末を活性化するための活性化タンク1と、
セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを水とガスと混合して混合物Bを
得るための磁気マイクロバブル撹拌混合装置2と、
混合物Bを造粒して球状混合物を得るための造粒機3と、
球状混合物を乾燥させてセラムサイト基質を得るための第一乾燥室4と、
セラムサイト基質を焼成してセラムサイトフィラー基質を得るための第一高温焼成炉5と

セラムサイトフィラー基質を冷却させるための第一冷却室6と、
冷却されたセラムサイトフィラー基質を洗浄するための洗浄タンク7と、
洗浄されたセラムサイトフィラー基質を二次乾燥させるための第二乾燥室8と、
二次乾燥後のセラムサイトフィラー基質を磁化させるための磁化装置9と、
磁化させた磁性セラムサイトフィラー基質に表面層材料をロードして磁性混合セラムサイ
トフィラーを得るための回転スプレーロード装置10と、
磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥させるための第三乾燥室11と、
乾燥後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次焼成させるための第二高温焼成炉12と、
二次焼成後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次冷却させるための第二冷却室13と、
を含む。
【0027】
フィルム掛け効果の比較:
本発明の実施例1と実施例2により製造された生体磁性セラムサイトフィラーを一般的な
セラムサイトフィラーと比較実験を行い、初期流入アンモニア態窒素濃度は100mg/
Lであり、反応器中のフィラー充填率は70%であった。図4に示すように、100mg
/Lの流入アンモニア態窒素濃縮段階の初期で、各反応器は、フィルム掛け初期にあり、
その中に本発明によって製造された水処理用の生体磁性セラムサイトフィラーが充填され
た反応器(R2およびR3)はフィルム掛け段階の6日目に95%以上のアンモニア態窒
素除去率を達成し、一般的なセラムサイトフィラーが充填された反応器(R1)は16日
間の運転後アンモニア態窒素除去率は基本的に90%で安定し、結果は、一般的なセラム
サイトフィラーと比べて、磁性セラムサイトフィラーはフィルム掛けやすい。
【0028】
汚染物質除去効果の比較:
本発明の実施例1および実施例3で製造された生体磁性セラムサイトフィラーを一般的な
セラムサイトフィラーと比較し、実験53日後に3つの反応器内部のセラムサイトフィラ
ー表面のバイオフィルムの表面形態を電子顕微鏡で走査し、図5(a)に示すように、一
般的なセラムサイトフィラーの表面バイオフィルムには主に球菌および桿菌であり、球菌
および桿菌は細胞外ポリマーによって凝集され、より大きな細菌集団を形成する。図5
b)および(c)から、磁性セラムサイトフィラー表面の球菌と桿菌はより密接に凝集し
、細菌集団を大量に形成する。結果は、一般的なセラムサイトフィラーと比較して、磁性
セラムサイトフィラーはバイオフィルム微生物凝集に促進効果を有し、バイオフィルム表
面の比表面積を増加させ、汚染物質に対するバイオフィルムの除去効果を向上させること
を示した。
【0029】
アンモニア態窒素除去効率の効果比較
磁化後の磁性セラムサイトフィラーの周囲に弱い磁場を有し、酸素分子が常磁性体として
作用するため、水中の溶存酸素は磁気誘導線に沿って磁性セラムサイトフィラーに引き寄
せられ、それによって水中の溶存酸素の利用率を向上させる。さらに、磁性セラムサイト
フィラーは、磁気結合、磁力、ローレンツ力および磁気コロイド効果などの作用によって
、水中の汚染物質などを磁気濃縮、吸着によってフィラーの表面に濃縮される。同時に、
水が磁化された後、その浸透圧が上昇し、下水中の有機物および溶存酸素のバイオフィル
ムを通じた微生物細胞質への物質移動抵抗を低減させ、拡散係数を増加させ、フィルム内
の生化学反応を強化する。そして弱い磁場の存在はまた生体細胞の成長と代謝を促進し、
かつ酵素の合成と活性を誘導し、酵素反応を加速させる。図4に示すように、本発明によ
って製造された生体磁性セラムサイトフィラーを採用し、アンモニア態窒素除去効率は、
同じ形状および仕様の一般的なセラムサイトフィラーと比較して大きく向上できる。
【0030】
実験例1
上記実施例1で製造された生体磁性セラムサイトフィラーを70%の充填率でBAFに
置き、反応器の内部に2.5mT磁場強度の一定の磁場を形成させる。
それを一般的なセラムサイトフィラーが充填されたBAFと比較実験を行い、実験を5
3日間続け、流入アンモニア態窒素濃度を最初の100mg/Lから200mg/L、4
00mg/Lまで徐々に増加した。図4に示すように、磁性セラムサイトフィラーで充填
された反応器(R2)は12日目に、アンモニア態窒素除去率が95%で安定し、一般的
なセラムサイトフィラーで充填された反応器(R1)は、16日間の運転後にアンモニア
態窒素除去率が基本的に90%で安定した。結果は、流入アンモニア態窒素濃度が100
mg/Lであるとき、一般的なフィラーと比較して、磁性フィラーがフィルム掛けやすく
、同時にNHNに対する除去効果を効果的に向上できることを示した。流入アンモ
ニア態窒素濃度を200mg/Lの10日目まで上昇させると、R1反応器のアンモニア
態窒素除去率は90%に低下した。これは、R1中のバイオフィルムが長期間にわたって
高いアンモニア態窒素濃度条件にあるとき、微生物硝化機能が抑制され、それによって、
アンモニア態窒素除去率が低下し、R2反応器のアンモニア態窒素除去率が依然として9
9%に維持されることを示した。流入アンモニア態窒素濃度が400mg/Lまでさらに
増加するにつれて、R2反応器のアンモニア態窒素除去率は約95%に維持され、運転は
安定した。R1反応器は流入アンモニア態窒素濃度の上昇の影響を大きく受け、流入アン
モニア態窒素濃度が400mg/Lまで上昇すると、そのアンモニア態窒素除去率は90
%以下に低下した。
53日間の運転後、2群の反応器のアンモニア酸化率と比酸素消費率を調べ、図6に示
すように、R2反応器中のフィラー表面に付着したバイオフィルムのアンモニア酸化率は
R1反応器の1.61倍であり、結果は、磁性フィラーがフィラー表面のバイオフィルム
のアンモニア酸化率を増加できることを示した。図7に示すように、R2反応器中のフィ
ラー表面に付着したバイオフィルムの比酸素消費率はR1反応器の1.64倍であり、結
果は、磁性フィラーの表面に付着したバイオフィルムの比酸素消費率がより高いことを示
し、本発明が微生物の活性を増加させるのに有益であることを示した。
本実験はさらに、2群の反応器における微生物硝化と脱窒作用酵素の活性および対応す
る機能的遺伝子量の違いを調査した。図8に示すように、酵素活性の結果は、R2反応器
中の2.5mT磁性セラムサイトフィラーの表面に付着したバイオフィルム中の様々な硝
化と脱窒酵素の活性は一般的なセラムサイトフィラーより高いことを示した。図9に示す
ように、遺伝子量の結果は、R2反応器中の2.5mT磁性セラムサイトフィラーがバイ
オフィルム中の脱窒遺伝子量への促進作用が高く、主にamoA、nxrA、nirSお
よびnirK遺伝子量の増加を促進することを示した。
【0031】
実験例2
上記実施例2で製造された生体磁性セラムサイトフィラーを70%の充填率でBAFに
置き、反応器の内部に5mT磁場強度の一定の磁場を形成させる。
それを一般的なセラムサイトフィラーが充填されたBAFと比較実験を行い、実験を5
3日間続け、流入アンモニア態窒素濃度を最初の100mg/Lから200mg/L、4
00mg/Lまで徐々に増加した。図4に示すように、磁性セラムサイトフィラーで充填
された反応器(R3)は12日目に、アンモニア態窒素除去率が95%で安定し、一般的
なセラムサイトフィラーで充填された反応器(R1)は、16日間の運転後にアンモニア
態窒素除去率が基本的に90%で安定した。結果は、流入アンモニア態窒素濃度が100
mg/Lであるとき、一般的なフィラーと比較して、磁性フィラーがフィルム掛けやすく
、同時にNHNに対する除去効果を効果的に向上できることを示した。流入アンモ
ニア態窒素濃度を200mg/Lの10日目まで上昇させると、R1反応器のアンモニア
態窒素除去率は90%に低下した。これは、R1中のバイオフィルムが長期間にわたって
高いアンモニア態窒素濃度条件にあるとき、微生物硝化機能が抑制され、それによって、
アンモニア態窒素除去率が低下し、R3反応器のアンモニア態窒素除去率が依然として9
9%に維持されることを示した。流入アンモニア態窒素濃度が400mg/Lまでさらに
増加するにつれて、R3反応器のアンモニア態窒素除去率は約95%に維持され、運転は
安定した。R1反応器は流入アンモニア態窒素濃度の上昇の影響を大きく受け、流入アン
モニア態窒素濃度が400mg/Lまで上昇すると、そのアンモニア態窒素除去率は90
%以下に低下した。
53日間の運転後、2群の反応器のアンモニア酸化率と比酸素消費率を調べ、図6に示
すように、R3反応器中のフィラー表面に付着したバイオフィルムのアンモニア酸化率は
R1反応器の1.24倍であり、結果は、磁性フィラーがフィラー表面のバイオフィルム
のアンモニア酸化率を増加できることを示した。図7に示すように、R3反応器中のフィ
ラー表面に付着したバイオフィルムの比酸素消費率はR1反応器の1.34倍であり、結
果は、磁性フィラーの表面に付着したバイオフィルムの比酸素消費率がより高いことを示
し、本発明が微生物の活性を増加させるのに有益であることを示した。
本実験はさらに、2群の反応器における微生物硝化と脱窒作用酵素の活性および対応す
る機能的遺伝子量の違いを調査した。図8に示すように、酵素活性の結果は、R3反応器
中の5mT磁性セラムサイトフィラーの表面に付着したバイオフィルム中の様々な硝化と
脱窒酵素の活性は一般的なセラムサイトフィラーより高いことを示した。図9に示すよう
に、遺伝子量の結果は、R3反応器中の5mT磁性セラムサイトフィラーがバイオフィル
ム中の脱窒遺伝子量への促進作用が高く、主にamoA、nxrA、nirSおよびni
rK遺伝子量の増加を促進することを示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2019年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法であって、
S1、磁性粉末の活性化:磁性粉末をグルタルアルデヒドに浸漬して活性化させ、活性
化磁性粉末を得る磁性粉末の活性化ステップと、
S2、成分:セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを、35〜45部
のセラムサイト、20〜40部の磁性粉末、1〜5部のホウ砂、1〜3部の二酸化チタン
の比率で混合し、均一に撹拌し、混合物Aを得る成分混合ステップと、
S3、造粒および乾燥:S2中の混合物Aを磁気マイクロバブル撹拌混合装置に入れ、
水と混合して混合物Bを得て、次に前記混合物Bを造粒機に入れ、直径が6〜8mmの球
状混合物を製造し、次いで前記球状混合物を乾燥ボックスに入れ、105℃で1〜2h乾
燥させ、セラムサイト基材を得る造粒および乾燥ステップと、
S4、焼成:S3で製造されたセラムサイト基材を保護ガス雰囲気下、高温焼成炉で2
00℃/hの昇温速度で600℃まで加熱し、かつ600℃で8h焼成し、一定の機械的
強度を有するセラムサイトフィラー基質を得る焼成ステップと、
S5、洗浄および乾燥:洗浄溶液が透明になり、濁りおよび変色がなくなるまで、S4
の焼成により得られたセラムサイトフィラー基質を水で洗浄し、次いで洗浄したセラムサ
イトを105℃のオーブンに入れ、12h乾燥させ、洗浄により基質中に残っている分子
水を除去する洗浄および乾燥ステップと、
S6、磁化:S5の処理後に得られたセラムサイトフィラー基質を磁化装置で磁化し、
最終的に磁性セラムサイトフィラー基質を得る磁化ステップと、
S7、ロード表面層:S6で製造した磁性セラムサイトフィラー基質を回転スプレーロ
ード装置に供給し、前記回転スプレーロード装置により磁性セラムサイトフィラー基質の
表面に表面層材料を均一にロードさせ、磁性混合セラムサイトフィラーを得て、ここで、
前記表面層材料は、木炭、粘土、ネオジム鉄ホウ素および水の混合物であり、木炭、粘土
、ネオジム鉄ホウ素と水の重量比は1:1:1:3である表面層ロードステップと、
S8、二次乾燥焼成:S7で製造された磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥ボックス
に入れ、95℃で0.5〜1h乾燥させ、保護ガス雰囲気下の高温焼成炉中で150℃/
hの昇温速度で400℃まで昇温し、かつ400℃で0.5h焼成し、冷却させた後に生
体磁性セラムサイトフィラーを得る二次乾燥焼成ステップと、
を含み、
前記磁気マイクロバブル撹拌混合装置は、
可変断面水分子磁化チャンバ(2−1)と、その内部に水が通過する通路および通路外側
に磁石が設けられ、前記通路断面は可変断面であり、前記磁石は水を磁化させることがで
き、前記可変断面水分子磁化チャンバ(2−1)の一端に入水管(2−2)が設けられ、
他端に排水管(2−3)が設けられ、前記入水管(2−2)は水ポンプ(2−4)に接続
され、
可変断面気液混合チャンバ(2−5)と、その内部に気液混合用のチャンバが設けられ
、前記チャンバは可変断面であり、その上部は排水管(2−3)および第一吸気管(2−
6)に接続され、その底部にチャンバ内の気体および液体を撹拌することができる磁気撹
拌機(2−7)が設けられ、
液体混合チャンバ(2−8)と、その一端は気液管路(2−9)を介して前記可変断面
気液混合チャンバ(2−5)に接続され、他端に排出管が設けられ、その上部には第二吸
気管(2−11)を介してエアポンプ(2−12)が接続され、そして供給管(2−13
)を介して供給ポンプ(2−14)に接続され、液体混合チャンバ(2−8)の内部にタ
ービンミキサーが設けられ、
分流器(2−15)と、前記分流器(2−15)は内部に密な気孔を有する管状構造で
あり、分流器(2−15)は2つであり、第一吸気管(2−6)と可変断面気液混合チャ
ンバ(2−5)との接続部および第二吸気管(2−11)と液体混合チャンバ(2−8)
との接続部にそれぞれ設けられ、
第一吸気管(2−6)および第二吸気管(2−11)は、いずれも主吸気管(2−16
)を介してエアポンプ(2−12)に接続され、かつ主吸気管(2−16)にはエアコン
プレッサ(2−17)が設けられ、
それぞれ入水管(2−2)および供給管(2−13)上に設けられた2つの流量制御弁(
2−18)と、を含む、
ことを特徴とする水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項2】
前記セラムサイトは、ボーキサイト、粘土、頁岩、スレート、海泥粘土、泥岩、フライア
ッシュ、石炭脈石のうちの1つまたは複数の混合物で製造される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項3】
前記磁性粉末は、四酸化三鉄、三酸化二鉄、酸化鉄、およびバリウムフェライトのうち
の1つまたは複数の混合物である、ことを特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項4】
前記S4および前記S8で使用される保護ガスは窒素または不活性ガスである、ことを
特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項5】
前記回転スプレーロード装置は、
メインチャンバ(10−1)と、その上部はアーチ形であり、前記メインチャンバ(10
−1)の一端に第一供給口(10−2)が設けられ、他端に排出口(10−3)が設けら
れ、
メインチャンバ(10−1)の内部の螺旋供給撹拌機構(10−4)と、前記螺旋供給撹
拌機構(10−4)は前記メインチャンバ(10−1)の長さ方向に沿ってメインチャン
バ(10−1)の底部に水平に配置され、供給口(10−2)から供給された材料を排出
口(10−3)に搬送するために使用され、
メインチャンバ(10−1)の上方に配置された複数の弓形トラック(10−5)と、各
前記弓形レール(10−5)上に配置されたマイクロモータ(10−6)と、を含み、
前記マイクロモータ(10−6)の下に回転スプレーヘッド(10−7)が設けられ、各
回転スプレーヘッド(10−7)はいずれもマイクロモータ(10−6)によって駆動さ
れ、かつ対応するそれぞれの弓形トラック(10−5)上で前後に往復運動することがで
き、かつ前記回転スプレーヘッド(10−7)はそれぞれ管路を介して第二供給口に接続
される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーの製造方法。
【請求項6】
水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーを製造する装置であって、
磁性粉末を活性化するための活性化タンク(1)と、
セラムサイト、活性化磁性粉末、ホウ砂、二酸化チタンを水とガスと混合して混合物Bを
得るための磁気マイクロバブル撹拌混合装置(2)と、
混合物Bを造粒して球状混合物を得るための造粒機(3)と、
球状混合物を乾燥させてセラムサイト基質を得るための第一乾燥室(4)と、
セラムサイト基質を焼成してセラムサイトフィラー基質を得るための第一高温焼成炉(5
)と、
セラムサイトフィラー基質を冷却させるための第一冷却室(6)と、
冷却されたセラムサイトフィラー基質を洗浄するための洗浄タンク(7)と、
洗浄されたセラムサイトフィラー基質を二次乾燥させるための第二乾燥室(8)と、
二次乾燥後のセラムサイトフィラー基質を磁化させるための磁化装置(9)と、
磁化させた磁性セラムサイトフィラー基質に表面層材料をロードして磁性混合セラムサイ
トフィラーを得るための回転スプレーロード装置(10)と、
磁性混合セラムサイトフィラーを乾燥させるための第三乾燥室(11)と、
乾燥後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次焼成させるための第二高温焼成炉(12)
と、
二次焼成後の磁性混合セラムサイトフィラーを二次冷却させるための第二冷却室(13)
と、
を含み、
前記磁気マイクロバブル撹拌混合装置は、
可変断面水分子磁化チャンバ(2−1)と、その内部に水が通過する通路および通路外側
に設けられた磁石が設けられ、前記通路断面は可変断面であり、前記磁石は水を磁化させ
ることができ、前記可変断面水分子磁化チャンバ(2−1)の一端に入水管(2−2)が
設けられ、他端に排水管(2−3)が設けられ、前記入水管(2−2)は水ポンプ(2−
4)に接続され、
可変断面気液混合チャンバ(2−5)と、その内部に気液混合用のチャンバが設けられ
、前記チャンバは可変断面であり、その上部は排水管(2−3)および第一吸気管(2−
6)に接続され、その底部にチャンバ内の気体および液体を撹拌することができる磁気撹
拌機(2−7)が設けられ、
液体混合チャンバ(2−8)と、その一端は気液管路(2−9)を介して前記可変断面
気液混合チャンバ(2−5)に接続され、他端に排出管が設けられ、その上部には第二吸
気管(2−11)を介してエアポンプ(2−12)が接続され、そして供給管(2−13
)を介して供給ポンプ(2−14)に接続され、液体混合チャンバ(2−8)の内部にタ
ービンミキサーが設けられ、
分流器(2−15)と、前記分流器(2−15)は内部に密な気孔を有する管状構造で
あり、分流器(2−15)は2つであり、第一吸気管(2−6)と可変断面気液混合チャ
ンバ(2−5)との接続部および第二吸気管(2−11)と液体混合チャンバ(2−8)
との接続部にそれぞれ設けられ、
第一吸気管(2−6)および第二吸気管(2−11)は、いずれも主吸気管(2−16
)を介してエアポンプ(2−12)に接続され、かつ主吸気管(2−16)にはエアコン
プレッサ(2−17)が設けられ、
それぞれ入水管(2−2)および供給管(2−13)上に設けられた2つの流量制御弁(
2−18)と、を含む、
ことを特徴とする、水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィラーを製造する装置。
【請求項7】
高アンモニア態窒素廃水の処理における請求項1に記載の水処理用の新規生体磁性セラム
サイトフィラーの製造方法によって製造される水処理用の新規生体磁性セラムサイトフィ
ラーの適用。